JP6418227B2 - 共役ジエンの重合用触媒溶液及びそれを用いた重合方法 - Google Patents

共役ジエンの重合用触媒溶液及びそれを用いた重合方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペンタフルオロフェニルボレート塩の高濃度溶液を用いた共役ジエンの重合用触媒溶液及びそれを用いた重合方法に関するものである。
従来、オレフィンやジエンの配位重合用触媒や有機合成反応用触媒として、遷移金属化合物(例えば塩、あるいはメタロセン錯体など)が用いられており、数多くの報告がなされている。これらの触媒は、通常、有機金属化合物、例えばアルキルリチウム、アルキルアルミニウム、アルキルアルミノキサン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどの活性化剤、あるいは助触媒とともに用いられるが、イオン性化合物であるペンタフルオロフェニルボレート塩も有用であることが知られている。
アルキルアルミニウム、アルキルアルミノキサン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランは、オレフィン重合用助触媒として有用であり、これらはヘキサン、トルエンなどの一般的な炭化水素系溶媒に容易に溶解する。そのため、均一溶液反応に容易に適用できるほか、担持触媒製造時の溶液調製も容易に行うことが出来る。
一方で、イオン性化合物であるペンタフルオロフェニルボレート塩は、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒にある程度は溶解性を示すものの、均一な溶液を調製しようとしても、常温で数ミリモル/リットル程度、1重量%以下程度の濃度が限界である。また、石油エーテル、ガソリン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族飽和炭化水素には実質的に不溶である。
また、ペンタフルオロフェニルボレート塩の中には、ある濃度を超えると、一定濃度の希薄溶液相と濃厚溶液相に分離してしまい、希薄溶液相以上、濃厚溶液相以下の濃度の均一溶液を調製することができないものがある。この場合、希薄溶液相以上、濃厚溶液相以下の希望する濃度の溶液を調製しようとしても、均一な状態を保つことができない。このような不均一な混合液を使用すると、反応系内で濃度ムラが発生し、局所的な異常反応を引き起こしたり、さらには製品中の異物の原因となったりする問題があった。
例えば、特表平9−503542号公報には、触媒として1,2−エチレン架橋ジルコノセンジクロリドをガソリン中に懸濁させたスラリーを用い、助触媒としてジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートをガソリン中に懸濁させたスラリーを用いて、オレフィン重合体を製造する方法が開示されている。
また、特開平9−316122号公報、特開平11−322850号公報、特許第3562182号公報等には、触媒としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロリド(CpVCl3)のトルエン溶液を用い、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C6F5)4)の希薄なトルエン溶液(濃度2.5乃至5ミリモル/リットル)を用いた共役ジエン重合体の製造方法が開示されている。
また、特開2007−161798号公報、特許第5223311号公報には、触媒として嵩高い配位子を有するイットリウム化合物を用い、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの濃厚なトルエン溶液(濃度430ミリモル/リットル)を用いた共役ジエン重合体の製造方法が開示されている。
このように従来は、反応槽にペンタフルオロフェニルボレート塩を添加する場合、懸濁液として、あるいは低濃度の溶液として多量に添加したり、相分離した濃厚相として得られる、特定の高濃度溶液を添加したりする必要があった。懸濁液や、特定の高濃度溶液を使用すると、未反応で残ったペンタフルオロフェニルボレート塩が異物として製品中に残留することがあり好ましくない。また、低濃度の溶液を多量に添加すると、貯蔵設備の大型化や、多量の溶媒を回収するプロセスが必要となり、経済的に好ましくない。
特表平9−503542号公報 特開平9−316122号公報 特開平11−322850号公報 特許第3562182号公報 特開2007−161798号公報 特許第5223311号公報
本発明の課題は、ペンタフルオロフェニルボレート塩の高濃度溶液を任意の濃度で調製し、その高濃度溶液を用いたオレフィン、共役ジエンの重合用触媒及びそれを用いた重合方法を提供することである。
本発明は、芳香族炭化水素と、ハロゲン化炭化水素を溶媒として併用することを特徴とするペンタフルオロフェニルボレート塩の高濃度溶液を用いたオレフィン、共役ジエンの重合用触媒及びそれを用いた重合方法に関する。
特に、本発明は、ペンタフルオロフェニルボレート塩が、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートであることを特徴とする、上記のオレフィン、共役ジエンの重合用触媒及びそれを用いた重合方法に関する。
本発明により、常温で、濃度が5ミリモル/リットル以上、430ミリモル/リットル以下であることを特徴とするペンタフルオロフェニルボレートの均一な有機溶媒溶液を調製し、オレフィン、共役ジエンの重合用触媒及びそれを用いた重合に用いることができる。
本発明は、芳香族炭化水素と、ハロゲン化炭化水素を溶媒として併用することを特徴とするペンタフルオロフェニルボレート塩の溶液調製方法を提供する。これにより、均一溶液による溶液重合が可能となり、反応系内での濃度ムラや、局所的な異常反応を抑制し、異物が少なく機械的特性に優れる共役ジエン重合体を提供できる。
本発明は、芳香族炭化水素と、ハロゲン化炭化水素を溶媒として併用したペンタフルオロフェニルボレート塩の溶液を触媒成分として用いることを特徴とするオレフィン、共役ジエンの重合用触媒に関するものである。
本発明のペンタフルオロボレート塩としては、例えば、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、ジフェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニル(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、などの塩が挙げられる。
一方、本発明のペンタフルオロボレート塩を構成するカチオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンなどの典型金属イオンや、遷移金属イオン、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、フェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
金属イオンの具体例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン、チタンイオン、ジルコニウムイオン、バナジウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、銅イオン、銀イオン、金イオン、ランタンイオン、ネオジムイオン、サマリウムイオン、ガドリニウムイオン、プラセオジムイオン、テルビウムイオン及びそれらの錯イオン等が挙げられる。
カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンを挙げることができる。
アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのアリ−ルホスホニウムカチオンを挙げることができる。
該ペンタフルオロボレート塩は、上記で例示したカチオンの中から任意に選択して組み合せたものを好ましく用いることができる
中でも、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましく、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トがより好ましい。イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒として用いる芳香族炭化水素と、併用するハロゲン化炭化水素の組み合わせに特に制限は無いが、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ドデシルベンゼン、クメン、p−シメンなどのアルキルベンゼン類が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基で置換されたアルキルベンゼンであることがより好ましい。中でも、汎用性の点から、トルエン、エチルベンゼン、キシレン(o-キシレン、p−キシレン)が特に好ましい。
ハロゲン化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化ブチル、塩化ヘキシル、ジクロロヘキサンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、o-クロロトルエン、m-クロロトルエン、p-クロロトルエン、ジクロロトルエン、トリクロロベンゼン、エチルクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化炭化水素が好ましい。中でも、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン(1,2−ジクロベンゼン)が特に好ましい。
溶媒として用いる芳香族炭化水素と、併用するハロゲン化炭化水素の量比に特に制限は無く、任意の量比で混合して用いることができるが、容量比で芳香族炭化水素100容に対し、ハロゲン化炭化水素0.01容〜100容、好ましくは0.1容〜50容、特に好ましくは1容〜30容の範囲で混合して用いることができる。
本発明のペンタフルオロボレート塩の溶解方法に特に制限はないが、一般的にハロゲン化炭化水素に対する溶解性が高いため、あらかじめペンタフルオロボレート塩をハロゲン化炭化水素に溶解したのち、芳香族炭化水素で希釈することが好ましい。
ペンタフルオロフェニルボレート塩(トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)の均一な有機溶媒溶液の濃度としては、5ミリモル/リットルより高く、430ミリモル/リットル未満である。この範囲であると、ペンタフルオロフェニルボレート塩の均一(懸濁ではない)の溶液を得ることができるという点で有効である。
本発明のペンタフルオロボレート塩の溶液調整温度は、0℃〜100℃、好ましくは10℃〜80℃、特に好ましくは15℃〜60℃が望ましい。低温では、溶解度の低下によりペンタフルオロボレート塩が析出する恐れがあり、高温では、溶媒の揮発による濃縮や、ペンタフルオロボレート塩の熱分解の恐れがあり、好ましくない。
本実施形態に使用できるオレフィン、共役ジエンの重合用触媒としては、上記ペンタフルオロボレート塩と金属錯体の組み合わせが挙げられる。金属錯体に用いる金属としては、バナジウム、コバルト、ニッケルなどの遷移金属、イットリウム、ランタン、サマリウム、ネオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、プラセオジム、ホルミウム、エルビウム、ツリウムなどの希土類金属を挙げることができる。中でも特に、バナジウム錯体や希土類金属錯体が好ましい。
バナジウム錯体としては、シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、メチル
シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、エチルシクロペンタジエニルバナジウ
ムトリクロライド、プロピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、イソプロ
ピルシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド、(1,2−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)バナジウムトリクロライド、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)バナ
ジウムトリクロライド、(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)バナジウムト
リクロライド、(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロラ
イド、(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライ
ド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド、(2−メチルイ
ンデニル)バナジウムトリクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムトリt−ブトキ
サイド、シクロペンタジエニルバナジウムトリi−プロポキサイド、シクロペンタジエニ
ルバナジウムジメトキシクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−シクロペン
タジエニル)シランバナジウムジクロライド、シクロペンタジエニルトリス(ジエチルア
ミド)バナジウム、シクロペンタジエニルトリス(i−プロピルアミド)バナジウム、シ
クロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソ
バナジウムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド
、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライド、(t−ブ
チルアミド)ジメチル(η5−シクロペンタジエニル)シランオキソバナジウムクロライ
ド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジメトキサイド、シクロペンタジエニルオキ
ソバナジウムジi−プロポキサイド、(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチルアミド)
オキソバナジウムなどが挙げられる。この中でも、シクロペンタジエニルバナジウムトリ
クロライド、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライドが好ましい。バナジウ
ム錯体の添加量は、ジエン系モノマー1モルに対し、通常、バナジウム錯体が1×10−7〜1×10−4モルが好ましく、1×10−6〜1×10−5モルが特に好ましい。
本実施形態においては、有機アルミニウム化合物を助触媒として使用することが好ましい。有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。また、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド;ジアルキルアルミニウムブロマイド;セスキエチルアルミニウムクロライドなどのアルキルアルミニウムセスキクロライド;アルキルアルミニウムセスキブロマイド;エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムジクロライド等の有機アルミニウムハロゲン化合物を挙げることができる。また、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライド等の水素化有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらの有機アルミニウム化合物は、単独で用いることも、2種類以上を併用することもできる。
有機アルミニウム化合物の添加量は、金属触媒1モルに対し、50〜2000モルの範囲が好ましい。
遷移金属錯体を触媒に用いる場合、適量の水を添加することが重合活性の面から好ましい。この場合、水の添加量は、有機アルミニウム化合物と水とのモル比(Al/HO)が、1.00〜2.00であると好ましく、1.05〜1.95であるとより好ましく、1.10〜1.90であると更に好ましく、1.10〜1.80であると特に好ましい。Al/HOが、1.00より小さいあるいは2.00より大きいと、共役ジエン重合体の生産性が低下したり、製品中のゲル含量が増加したりする傾向があり、好ましくない。
また、有機アルミニウム化合物と水とは、熟成させることが好ましく、熟成時間は3〜30分間が好ましく、4〜25分間がより好ましく、4.5〜15分間が特に好ましい。熟成時間が3分間より短いと、共役ジエン重合体の着色、経時変色が大きい傾向にあり、熟成時間が30分間より長いと、ゴム自体の収量が減少し、生産性が悪くなる傾向があり、好ましくない。
希土類金属錯体としては、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、プラセオジム(Pr)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)を含む金属化合物が挙げられる。これらの金属化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
希土類金属錯体は非極性の有機溶媒に溶解するものであれば良く、メタロセン型の金属化合物でも非メタロセン型の金属化合物でも良い。その中で、メタロセン型金属化合物よりも比較的合成が簡便である非メタロセン型金属化合物が好ましい。
希土類金属錯体としては、例えば、無機塩、ハロゲン化物、アルコキシド、カルボン酸塩、アミド錯体、ジケトン錯体、ケトエステル錯体などの非メタロセン型金属化合物が挙げられる。
無機塩としては、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物が挙げられる。ハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物が挙げられる。アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド、等が挙げられる。カルボン酸塩としては、酢酸塩、シュウ酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、吉草酸塩、ピバル酸塩、エチルヘキサン酸塩、バーサチック酸塩、ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩等が挙げられる。アミド錯体としては、ジメチルアミド、ジエチルアミド、ジイソプロピルアミド、ビストリメチルシリルアミド等が挙げられる。
本発明に係る共役ジエン重合用触媒に用いられる希土類金属錯体は、下記一般式(1)で表される非メタロセン型の金属化合物であることが特に好ましい。一般式(1)で表される非メタロセン型金属化合物を用いることで、シス−1,4構造含有率が高く、種々の優れた特性を有する共役ジエン重合体を得ることができる。
(但し、R1、R2、R3はそれぞれ、水素又は炭素数1〜12の置換基を表す。Oは酸素原子を表し、Lnはイットリウム(Y)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、プラセオジム(Pr)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)を表す。)
一般式(1)のR1〜R3における炭素数1〜12の置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及びドデシル基などの飽和炭化水素基、ビニル基、1−プロペニル基、及びアリル基などの不飽和炭化水素基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、及びエチルシクロヘキシル基などの脂環式炭化水素基、並びにフェニル基、ベンジル基、トルイル基、及びフェネチル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。さらに、それらにヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、及びフェノキシ基などが任意の位置に置換されているものも含まれる。中でも、炭素数1〜12の飽和炭化水素基が好ましく、特に炭素数1〜6の飽和炭化水素基が好ましい。
一般式(1)のR1〜R3は、R2は水素又は炭素数1〜12の置換基、R1とR3は炭素数1〜12の置換基であることが好ましい。特にR2は水素又は炭素数1〜6の置換基、R1とR3は炭素数1〜6の置換基であることが好ましい。
また、一般式(1)のR1〜R3は、R2は水素又は炭素数1〜12の飽和炭化水素基、R1とR3は炭素数1〜12の飽和炭化水素基であることが好ましい。特にR2は水素又は炭素数1〜6の飽和炭化水素基、R1とR3は炭素数1〜6の飽和炭化水素基であることが好ましい。
Lnがイットリウム(Y)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)イットリウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)イットリウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)イットリウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)イットリウムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)イットリウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウムが挙げられる。
Lnがランタン(La)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ランタン、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ランタン、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ランタン、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ランタンなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ランタンなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタンが挙げられる。
Lnがネオジム(La)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ネオジム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ネオジム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ネオジム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ネオジムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ネオジムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジムが挙げられる。
Lnがガドリニウム(Gd)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ガドリニウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ガドリニウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ガドリニウムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ガドリニウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウムが挙げられる。
Lnがテルビウム(Tb)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)テルビウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)テルビウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)テルビウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)テルビウムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)テルビウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウムが挙げられる。
Lnがジスプロシウム(Dy)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ジスプロシウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ジスプロシウムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ジスプロシウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウムが挙げられる。
Lnがプラセオジム(Pr)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)プラセオジム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)プラセオジム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)プラセオジムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)プラセオジムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジムが挙げられる。
Lnがホルミウム(Ho)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ホルミウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ホルミウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ホルミウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ホルミウムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ホルミウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ホルミウムが挙げられる。
Lnがエルビウム(Er)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)エルビウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)エルビウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)エルビウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)エルビウムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)エルビウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)エルビウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)エルビウムが挙げられる。
Lnがツリウム(Tm)である一般式(1)の非メタロセン型の金属化合物(A)の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(2,6,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ツリウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ツリウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ツリウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ツリウムなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ツリウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ツリウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ツリウムが挙げられる。
これら非メタロセン型の金属化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物を助触媒として使用することが好ましい。例えば、有機マグネシウム、有機亜鉛、有機アルミニウム等が用いられる。これらの化合物の中で好ましいのは、ジアルキルマグネシウム;アルキルマグネシウムクロライド、アルキルマグネシウムブロマイドなどのアルキルマグネシウムハライド;ジアルキル亜鉛;トリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド;アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物;ジアルキルアルミニウムハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物などである。
具体的な化合物としては、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ヘキシルマグネシウムアイオダイドなどのアルキルマグネシウムハライドを挙げることができる。
さらに、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグネシウムなどのジアルキルマグネシウムを挙げることができる。
さらに、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジヘキシル亜鉛、ジオクチル亜鉛、ジデシル亜鉛などのジアルキル亜鉛を挙げることができる。
さらに、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。
さらに、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらの周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物は、単独で用いることもできるが、2種類以上併用することも可能である。中でも好ましくは、13族元素の有機金属化合物であり、その中でも有機アルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどが挙げられる。特に好ましくは、トリエチルアルミニウムである。
なお、本発明においては、各触媒成分を無機化合物、又は有機高分子化合物に担持して用いることもできる。
本発明の共役ジエン重合用触媒の金属化合物(A)、ペンタフルオロフェニルボレート塩(B)、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物(C)の割合は、特に限定されるものではないが、(B)成分の量は、(A)成分1モル当たり0.5〜10モルが好ましく、1〜5モルが特に好ましい。(C)成分の量は、(A)成分1モル当たり10〜10000モルが好ましく、50〜7000モルが特に好ましい。
原料となる共役ジエン化合物モノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジエン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンを主成分(例えば50モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上)とする共役ジエン化合物モノマーが好ましい。これらのモノマー成分は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の共役ジエン重合体の原料モノマーは、上記の共役ジエンの他に、エチレン、プロピレン、アレン、1−ブテン、2−ブテン、1,2−ブタジエン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、オクテン、シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどのオレフィン化合物等を含んでいてもよい。
本発明においては、上述した(A)、(B)及び(C)成分を備える触媒を用いて共役ジエンの重合を行うが、上記以外にも本発明の効果を妨げない範囲で、得られる共役ジエン重合体の分子量調節剤などを添加することができる。
分子量調節剤としては、水素、水素化金属化合物、及び水素化有機金属化合物から選ばれる化合物を用いることができる。
水素化金属化合物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム、ボラン、水素化アルミニウム、水素化ガリウム、シラン、ゲルマン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ナトリウムアルミニウムなどが挙げられる。
また、水素化有機金属化合物としては、メチルボラン、エチルボラン、プロピルボラン、ブチルボラン、フェニルボランなどのアルキルボラン、ジメチルボラン、ジエチルボラン、ジプロピルボラン、ジブチルボラン、ジフェニルボランなどのジアルキルボラン、メチルアルミニウムジハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、プロピルアルミニウムジハイドライド、ブチルアルミニウムジハイドライド、フェニルアルミニウムジハイドライドなどのアルキルアルミニウムジハイドライド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジノルマルブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド、メチルシラン、エチルシラン、プロピルシラン、ブチルシラン、フェニルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジプロピルシラン、ジブチルシラン、ジフェニルシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリブチルシラン、トリフェニルシランなどのシラン類、メチルゲルマン、エチルゲルマン、プロピルゲルマン、ブチルゲルマン、フェニルゲルマン、ジメチルゲルマン、ジエチルゲルマン、ジプロピルゲルマン、ジブチルゲルマン、ジフェニルゲルマン、トリメチルゲルマン、トリエチルゲルマン、トリプロピルゲルマン、トリブチルゲルマン、トリフェニルゲルマンなどのゲルマン類などが挙げられる。
これらの中でも、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライドが好ましく、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが特に好ましい。
本発明に係る共役ジエン重合体の製造方法において、ペンタフルオロフェニルボレート塩(B)、周期律表第2族、12族及び13族から選ばれる元素の有機金属化合物(C)の添加順序は、特に制限はないが、例えば次の順序で行うことができる。
(1)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物モノマーの存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
(2)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物モノマーの存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、上述した分子量調節剤を添加した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
(3)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物モノマーの存在下又は不存在下に(A)成分を添加し、(C)成分と上述した分子量調節剤を任意の順序で添加した後、(B)成分を添加する。
(4)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物モノマーの存在下又は不存在下に(B)成分を添加し、(C)成分と上述した分子量調節剤を任意の順序で添加した後、(A)成分を添加する。
(5)不活性有機溶媒中、共役ジエン化合物モノマーの存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加した後、上述した分子量調節剤を添加する。
ここで、最初に添加するモノマーは、モノマーの全量であっても、一部であってもよい。
重合方法は、特に制限はなく、1,3−ブタジエンなどの共役ジエン化合物モノマーそのものを重合溶媒とする塊状重合(バルク重合)、又は溶液重合などを適用できる。溶液重合での溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素等が挙げられ、中でも、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。これらの溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン重合体の重合の停止は、通常の方法で水、アルコール、有機酸または無機酸および/またはフェノールの添加により行うことができる。この中でも、分散性が良く、好ましい重合停止剤としては、水や低級アルコールなどが挙げられる。
低級アルコールとしては、炭素数が5以下のものがよく、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ter−ブチルアルコール、ペンタノールとそれらの異性体などが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
水の使用量としては、トータルの原料混合溶液に対する割合が1.38×10−8〜9.9vol%であることが好ましく、2.76×10−8〜5vol%であることがより好ましく、4.14×10−8〜3vol%であることがさらにより好ましい。トータルの原料混合溶液とは、反応器へ仕込む原料であるジエン系モノマーと、シクロへキサン、ブテンなどの有機溶媒の混合溶液と、変性前に添加する原料混合溶液との総和量である。
本実施形態においては、重合停止剤と酸化防止剤を同時に添加してもよいし、重合停止剤の後、酸化防止剤を添加してもよいし、酸化防止剤と重合停止剤を添加する順序が逆になってもよい。また、重合停止剤が水以外の場合、酸化防止剤の添加を省略することもできる。
酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤として、4,6−ビス(オクチルメチル)−o−クレゾール(CAS−No.110553−27−0)、オクタデシル−3−(3,5−ジtertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(CASNo.2082−79−3)、ペンタエリスリトールテトラキス〔3(3,5−ジtertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(CAS−No.6683−19−8)等が挙げられる。他には、リン系酸化防止剤等も挙げられる。
酸化防止剤の添加量としては、安定に保存したい期間によって、適宜必要量を添加すればよいが、ジエン系モノマー1モルに対して、5×10−6〜3×10−4モルが好ましく、1×10−5〜2×10−4モルがより好ましい。この酸化防止剤の量が少な過ぎても、耐劣化機能が得られず、また多過ぎた場合には、着色原因となるため好ましくない。
また、本実施形態においては、重合時に公知の分子量調節剤、例えば、シクロオクタジエン、アレンなどの非共役ジエン類、エチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類、水素などを使用することができる。
重合温度は−30〜100℃の範囲が好ましく、30〜80℃の範囲が特に好ましい。重合時間は5分〜12時間の範囲が好ましく、10分〜6時間が特に好ましい。また、重合圧は、常圧又は10気圧(ゲージ圧)程度までの加圧下で行うことができる。
また、本実施形態により製造された共役ジエン重合体は、ミクロ構造が、1,4−シス
構造が80〜99.9%、及び1,2−ビニル構造が0.1〜20%であることが好ましい。また、該共役ジエン重合体の[η]としては、好ましくは0.1〜10、さらに好ましくは1〜7、特に好ましくは1.5〜5に制御することができる。
本発明で得られる共役ジエン重合体の数平均分子量(Mn)としては、好ましくは、10000〜1000000、さらに好ましくは100000〜700000、特に好ましくは150000〜550000が挙げられる。また、該共役ジエン重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)としては、好ましくは1.5〜10さらに好ましくは1.5〜7、特に好ましくは1.5〜5が挙げられる。Mw/Mnが小さいと加工性が悪化する場合がある。
本実施形態により製造された重合体は、全ての種類の成型加工が可能であり、フィルム、電気絶縁材料、包装材料、電池材料等に使用できる。また、加硫物を製造することができるため、例えば、タイヤ、ホース、履物部材、工業用ベルト、医療用ゴム、スポーツ用品、クローラ又はパッキンを製造するために、並びにビニル芳香族化合物、例えば、ポリスチレンおよび塊状法により製造されたABS−ポリマーを基礎とするポリマーの耐衝撃性変性のために使用することもできる。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。
(実施例1)
室温、窒素雰囲気下、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート2.3gを、予め脱水した混合溶媒(トルエン100容に対し、オルトジクロロベンゼン2.5容)で500mlまで希釈することにより、オレンジ色の均一な溶液を得た。濃度は4.6g/L(5mmol/L)である。
(実施例2)
室温、窒素雰囲気下、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート4.61gに、予め脱水したオルトジクロロベンゼン23mlを加え、濃赤褐色の溶液を得た。この溶液を予め脱水したトルエンで500mlまで希釈することにより、オレンジ色の均一な溶液を得た。濃度は9.2g/L(10mmol/L)である。
(実施例3)
室温、窒素雰囲気下、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート9.22gに、予め脱水したオルトジクロロベンゼン46mlを加え、濃赤褐色の溶液を得た。この溶液を予め脱水したトルエンで500mlまで希釈することにより、オレンジ色の均一な溶液を得た。濃度は18.4g/L(20mmol/L)である。
(実施例4)
室温、窒素雰囲気下、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート23.1gに、予め脱水したオルトジクロロベンゼン70mlを加え、濃赤褐色の溶液を得た。この溶液を予め脱水したトルエンで500mlまで希釈することにより、濃オレンジ色の均一な溶液を得た。濃度は46.2g/L(50mmol/L)である。
(実施例5)
室温、窒素雰囲気下、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート46.1gに、予め脱水したオルトジクロロベンゼン70mlを加え、濃赤褐色の溶液を得た。この溶液を予め脱水したトルエンで500mlまで希釈することにより、濃オレンジ色の均一な溶液を得た。濃度は92.2g/L(100mmol/L)である。
(実施例6)
室温、窒素雰囲気下、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート45.0gに、予め脱水したオルトジクロロベンゼン30mlを加え、濃赤褐色の溶液を得た。この溶液を予め脱水したトルエンで250mlまで希釈することにより、濃赤褐色の均一な溶液を得た。濃度は180g/L(195mmol/L)である。
(比較例1)
室温、窒素雰囲気下、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート4.5gに、予め脱水した流動パラフィン20mlとジルコニアビーズを加え、回転ボールミルで粉砕することにより、黄色のスラリーを得た。流動パラフィンで希釈し、濃度が180g/L(195mmol/L)となるように調製した。
(比較例2)
比較例1で得られたスラリーを流動パラフィンで希釈し、濃度が46.2g/L(50mmol/L)となるように調製した。
(比較例3)
室温、窒素雰囲気下、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート9.9gに、予め脱水したトルエンを加えて25mlまで希釈することにより、濃赤褐色の均一な溶液を得た。濃度は397g/L(430mmol/L)である。
重合体のミクロ構造は赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は40℃でテトラヒドロフランを溶媒としたGPC(カラム:Shodex KF−805L×2本)により測定した重合体の溶出曲線より、標準ポリスチレン換算の値として求めた。
固有粘度([η])は、トルエン溶液を使用して、30℃で測定した。
(合成例1)
内容量1.7Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン380ml、ブタジエン220mlを仕込んで攪拌する。次いで、水6μlを添加して30℃で30分間攪拌を続けた。20℃、1気圧換算で100mlの水素を積算マスフロメーターで計量して注入し、次いで、トリエチルアルミニウム(TEA)1mol/Lのシクロヘキサン溶液0.6mlを添加して3分間攪拌後、シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3 )5mmol/Lのトルエン溶液0.9ml、実施例1で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )5mmol/Lの溶液1.35mlの順に加え、重合温度40℃で30分間重合を行った。反応後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含有するエタノールを注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸発させ乾燥させてポリブタジエン70.7gを得た。表1(合成例1)に得られたポリブタジエンの物性を示した。
(合成例2)
実施例2で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )10mmol/Lの溶液0.68mlを用いた他は合成例1と同様の重合を行い、ポリブタジエン71.4gを得た。表1(合成例2)に得られたポリブタジエンの物性を示した。
(合成例3)
実施例3で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )20mmol/Lの溶液0.34mlを用いた他は合成例1と同様の重合を行い、ポリブタジエン71.1gを得た。表1(合成例3)に得られたポリブタジエンの物性を示した。
(合成例4)
実施例4で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )50mmol/Lの溶液0.14mlを用いた他は合成例1と同様の重合を行い、ポリブタジエン72.0gを得た。表1(合成例4)に得られたポリブタジエンの物性を示した。
(合成例5)
実施例5で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )100mmol/Lの溶液68μlを用いた他は合成例1と同様の重合を行い、ポリブタジエン72.6gを得た。表1(合成例5)に得られたポリブタジエンの物性を示した。
(合成例6)
実施例6で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )195mmol/Lの溶液35μlを用いた他は合成例1と同様の重合を行い、ポリブタジエン77.8gを得た。表1(合成例6)に得られたポリブタジエンの物性を示した。
(合成例7)
比較例1で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )195mmol/Lのスラリー35μlを用いた他は合成例1と同様の重合を行い、ポリブタジエン38.2gを得た。表1(合成例7)に得られたポリブタジエンの物性を示した。ポリブタジエン中に茶褐色の異物を認めた。
(合成例8)
比較例2で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )50mmol/Lのスラリー0.14mlを用いた他は合成例1と同様の重合を行い、ポリブタジエン49.2gを得た。表1(合成例8)に得られたポリブタジエンの物性を示した。ポリブタジエン中にわずかに茶褐色の異物を認めた。
(合成例9)
比較例3で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )430mmol/Lの溶液16μlを用いた他は合成例1と同様の重合を行い、ポリブタジエン40.4gを得た。表1(合成例9)に得られたポリブタジエンの物性を示した。ポリブタジエン中に茶褐色の異物を認めた。
(合成例10)Y系触媒
内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、トルエン390ml及びブタジエン210mlからなる溶液を仕込み、25℃で水素をゲージ圧1.0kgf/cm2まで加圧導入し、溶液の温度を30℃とした後、ジエチルアルミニウムハイドライド(DEAH)のトルエン溶液(2mol/L)0.2mlを添加し、毎分550回転で3分間攪拌した。次にトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムのトルエン溶液(20mmol/L)0.6mlを添加して4分間攪拌したのち、40℃まで昇温して実施例3で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )20mmol/Lの溶液1.2mlを添加して重合を開始した。40℃で30分重合後、老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで回収したポリブタジエンを70℃で3時間真空乾燥して、54.9gのポリブタジエンを得た。重合結果を表2に示した。
(合成例11)Y系触媒
内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、トルエン390ml及びブタジエン210mlからなる溶液を仕込んだ。溶液の温度を30℃とした後、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.5mlを添加し、毎分500回転で3分間攪拌した。次に、イットリウム(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオエート)(Y(dpm)3)のトルエン溶液(0.05mol/L)0.6mlを添加して、30℃で2分間熟成したのち、実施例5で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )100mmol/Lの溶液0.6mlを添加した。10℃で25分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで回収したポリブタジエンを70℃で3時間真空乾燥して、7.7gのポリブタジエンを得た。重合結果を表2に示した。
(合成例12)Y系触媒
内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、トルエン390ml及びブタジエン210mlからなる溶液を仕込み、溶液の温度を30℃とした後、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)6.25mlを添加し、毎分500回転で3分間攪拌した。次に、イットリウム(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオエート)(Y(dpm)3)のトルエン溶液(50mmol/L)0.15mlを添加して40℃まで加温した。2分間攪拌したのち、実施例4で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )50mmol/Lの溶液0.3mlを添加し、80℃まで昇温した。80℃で15分重合後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで回収したポリブタジエンを70℃で3時間真空乾燥して、39.7gのポリブタジエンを得た。重合結果を表2に示した。
(合成例13)Gd系触媒
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒245ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.5mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム(Gd(dpm)3)のトルエン溶液(0.003mol/L)1.35mlを添加した後、実施例3で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )20mmol/Lの溶液0.4mlを添加した。40℃で25分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを70℃で3時間真空乾燥して、24.3gのポリブタジエンを得た。重合結果を表2に示した。
(合成例14)Tb系触媒
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒250ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.0mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム(Tb(dpm)3)のシクロヘキサン溶液(0.01mol/L)0.2mlを添加した後、実施例3で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3 CB(C6 F5 )4 )20mmol/Lの溶液0.2mlを添加した。50℃で25分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥して、34.5gのポリブタジエンを得た。重合結果を表2に示した。
(合成例15)Nd系触媒
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒245ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.0mlを添加した。次に、バーサチック酸ネオジム(Nd(Ver))のシクロヘキサン溶液(0.01mol/L)0.2mlを添加した後、実施例3で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C6 F5 )4 )20mmol/Lの溶液0.2mlを添加した。50℃で25分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥して、8.7gのポリブタジエンを得た。重合結果を表2に示した。
(合成例16)La系触媒
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒245ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.0mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン(La(dpm))のトルエン溶液(0.01mol/L)0.2mlを添加した後、実施例3で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C6 F5 )4 )20mmol/Lの溶液0.2mlを添加した。50℃で25分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥して、13.6gのポリブタジエンを得た。重合結果を表2に示した。
(合成例17)Dy系触媒
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒245ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.0mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム(Dy(dpm))のトルエン溶液(0.005mol/L)0.4mlを添加した後、実施例3で得られたトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C6 F5 )4 )20mmol/Lの溶液0.2mlを添加した。50℃で25分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥して、33.5gのポリブタジエンを得た。重合結果を表2に示した。
本発明により、幅広い濃度範囲でペンタフルオロフェニルボレート塩の均一溶液を用いた重合触媒系を提供できる。また、本発明によれば、懸濁液や高濃度溶液と比較して異物の少ない優れた重合体を与えるペンタフルオロフェニルボレート塩の均一溶液を用いた重合触媒系を提供することもできる。本発明のペンタフルオロフェニルボレート塩の均一溶液を用いた重合触媒系は、溶液タンクや溶媒回収プロセスの小型化や、重合体品質の向上に貢献するものである。

Claims (8)

  1. 芳香族炭化水素とハロゲン化炭化水素とで構成された混合溶媒ペンタフルオロフェニルボレート塩が溶解した溶液であり、
    前記ペンタフルオロフェニルボレート塩の濃度が5ミリモル/リットルよりも高く、430ミリモル/リットル未満であることを特徴とする共役ジエンの重合用触媒溶液
  2. 前記芳香族炭化水素が炭素数1〜12のアルキル基で置換されたアルキルベンゼンであることを特徴とする請求項1に記載の共役ジエンの重合用触媒溶液
  3. 前記芳香族炭化水素がトルエン、エチルベンゼン、キシレンから選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の共役ジエンの重合用触媒溶液
  4. 前記ハロゲン化炭化水素が1,2−ジクロベンゼンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の共役ジエンの重合用触媒溶液
  5. 前記ペンタフルオロフェニルボレート塩が、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の共役ジエンの重合用触媒溶液
  6. 前記混合溶媒中における前記ハロゲン化炭化水素の含有量は、前記芳香族炭化水素100容に対して、0.01容〜100容であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の共役ジエンの重合用触媒溶液。
  7. 前記混合溶媒中における前記ハロゲン化炭化水素の含有量は、前記芳香族炭化水素100容に対して、0.1容〜50容であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の共役ジエンの重合用触媒溶液。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の共役ジエンの重合用触媒溶液を用いて重合することを特徴とする共役ジエンの重合方法。
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