JP2000350425A - 車両用交流発電機 - Google Patents
車両用交流発電機Info
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Abstract
と、および導体セグメントどうしの短絡を防止するこ
と。 【解決手段】 固定子鉄心22の各スロット221に
は、径方向に沿って一列に4本の電気導体が配置されて
いる。固定子鉄心22の一方の端面から突出する第一コ
イルエンド群のセグメントを多重(二重)配置にし、外
側の大セグメントの頂部角度を100°、内側の小セグ
メントの頂部角度を100°以上にすることにより、コ
イルエンドの共振する回転数を一般走行時における回転
域よりも高く設定する。
Description
に搭載される車両用交流発電機に関する。
御機器等の電気負荷の増加に伴う高出力化の要求ととも
に、車外騒音低減の社会的要請や車室内静粛性向上によ
る商品性向上の狙いから、発電によって発生する磁気音
の低減要求が高まってきた。
複数の導体セグメントを用いて固定子巻線のコイルエン
ドを周方向に同一パターンとなるように形成して各巻線
間の干渉を無くし、占積率や冷却性を向上させて高出力
化を図るとともに、位相のずれた2つの巻線群の出力を
合成して取り出すことにより磁気音を低減する車両用交
流発電機が開示されている。また、WO92/0652
7には、複数の導体セグメントを用いた固定子の製造方
法が開示されている。
子と回転子とが対向する空隙部の磁気的脈動が固定子鉄
心を振動変形させ、これがフレームやフレームを固定し
ているエンジン本体側のブラケットなどに伝搬され、最
終的に空気の疎密波として放射されて、発生する。ま
た、固定子鉄心のスロットに装着され軸方向に伸びるコ
イルエンドの固有振動数がこの磁気脈動の周波数に一致
したときには、コイルエンドの導体に共振が起こり、コ
イルエンドからの磁気音の放射が大きくなる。
に冷却ファンを持ち、コイルエンドの外周に対向するフ
レームに通風のための多数の窓を有するため、コイルエ
ンドで発生する磁気音がフレームによって遮蔽されず、
これらの窓を通じて外部へ磁気音が直接放射される。ま
た、コイルエンドが共振しているときに、周方向の振動
成分は、フレームによって軸方向に挟持された固定子鉄
心を周方向に回動させる向きに作用する。よって、この
コイルエンド周方向の共振が繰り返されると、一般にフ
レームは軽量で非磁性体であるアルミ合金材によって形
成されているので、鉄製の固定子鉄心との当たり面が磨
耗する。これに伴い、固定子鉄心の軸方向固定力が低下
するので、磁気脈動による固定子鉄心の振動が増大し、
磁気音が増大する。なお、コイルエンドの固有振動数が
磁気脈動の周波数の2倍以上の整数倍と一致した場合
も、コイルエンドの周方向の振動は共振のときほどでは
ないが上昇する。
コイルエンドの周方向の共振を抑えるための構成も作用
も示されていない。また、WO92/06527におい
ては同一スロットの同一径方向位置から2本の導体セグ
メントが取り出されているので、コイルエンドの周方向
振動が大きくなると、導体セグメントどうしが擦れあ
い、セグメント表面の絶縁皮膜の損傷により、セグメン
ト間が電気短絡し、発電異常に至るおそれがある。
O92/06527に示された車両用交流発電機におい
ては、コイルエンドの共振周波数については何も考慮さ
れておらず、本発明においてはこれを考慮することにし
た。そして、コイルエンドに所定の剛性を与えることで
共振周波数を車両用交流発電機における常用回転の外側
に配置することを着想した。
共振を防止することにある。また、本発明の他の目的
は、導体セグメントどうしの短絡を防止することにあ
る。
電機によれば、回転駆動される磁極鉄心を有する回転子
と、前記回転子の外周に対向配置されて複数のスロット
をもつ固定子鉄心と前記スロットに収納された複数の電
気導体とからなる固定子と、前記固定子を挟持する一対
の椀形状のフレームとを有し、前記固定子鉄心の軸方向
の両側面外部に前記電気導体の渡り線がコイルエンドを
形成している車両用交流発電機において、前記コイルエ
ンドが常用回転域以外の回転数において共振することを
特徴としている。これにより、一般走行での使用回転領
域である常用回転域において、コイルエンドの異常振動
を防止することができる。
求項1の車両用交流発電機において、前記電気導体は、
前記スロット内に径方向に1列に配置され、前記渡り線
は、斜行部と前記斜行部に挟まれた頂部を持ち、前記斜
行部は略二等辺三角形の二等辺を形成し、前記頂部の頂
角θは100°以上であることを特徴としている。これ
により、一般走行での使用回転領域において、磁気脈動
によるコイルエンドの周方向の共振を防止すると共に、
磁気脈動の倍数成分によるコイルエンドの周方向振動増
加の場合においても、斜行部間の隙間を形成して導体セ
グメント間の短絡を防止することができる。
求項2の車両用交流発電機において、前記電気導体は前
記複数のスロットの深さ方向に対して互いに絶縁されて
スロットの奥側に位置する外層と入り口側に位置する内
層とに二分されたものが一対以上配設され、異なるスロ
ットの前記外層、内層の導体が前記コイルエンドにおい
て直列に接続されて全体で巻線をなすことを特徴として
いる。これにより、斜行部間の隙間の形成を容易にでき
る。
求項3の車両用交流発電機において、前記導体は前記一
対以上の内、外層導体としてスロット内に挿入される直
線部を持つ略U字状セグメントであり、ターン部には前
記略二等辺三角形の二等辺と頂部があらかじめ形成され
ていることを特徴としている。ターン部の角度をあらか
じめ100°以上に形成して、且つ斜行部間に隙間を形
成することが、さらに容易になる。
機を図に示す各実施形態に基づいて説明する。
の第一実施形態を示したものであり、図1は車両用交流
発電機の主要部断面図、図2は固定子の部分断面図、図
3は固定子の導体セグメントの斜視図、図4は内径側か
ら見た固定子の部分図、図5はコイルエンドの周方向の
固有振動数を算出するための模式図、図6はコイルエン
ドの径方向の固有振動数を算出するための模式図、図7
は図6に示したコイルエンドをP方向から見た矢視図で
ある。
固定子2、界磁として働く回転子3、回転子3および固
定子2を支持するフレーム4、固定子2の固定子巻線2
1の出力線21cに接続されて交流電力を直流に変換す
る整流器6等から構成されている。
極鉄心32、冷却ファン33、界磁コイル34、スリッ
プリング35等を含んで構成されている。
両に搭載された走行用のエンジン(図示せず)により回
転駆動される。
のリア側近傍に設けられた一対のスリップリング35を
介して励磁電流が流れる界磁コイル34を取り囲むよう
にしてシャフト31に固定されている。磁極鉄心32の
両側面には、冷却ファン33が溶接やかしめなど適宜な
手段によって固定されており、回転子3と一体となって
回転することにより冷却風が生じる。
軸方向端面に吸気孔42が、固定子2の第一コイルエン
ド21a、第二コイルエンド21bに対向した外周部分
に排気孔41がそれぞれ設けられている。また、一対の
フレーム4は、ボルト7によって固定子鉄心22を軸方
向に挟持固定している。
1が形成された固定子鉄心22と、それぞれのスロット
221に収容される固定子巻線21と、固定子鉄心22
と固定子巻線21との間を電気的に絶縁するインシュレ
ータ23とを含んで構成されている。
多相の固定子巻線21を収容できるように、複数のスロ
ット221が形成されている。本実施形態では、回転子
3の磁極数に対応して、3相の固定子巻線21を収納す
るように、36個のスロット221が等間隔に配置され
ている。
れた固定子巻線21は、1本1本の電気導体として把握
することができる。複数のスロット221のそれぞれに
は、偶数本(本実施形態では4本)の電気導体が収容さ
れ、インシュレータ23によってスロット内壁と電気的
に絶縁されている。また、一つのスロット221内の4
本の電気導体は、固定子鉄心22の径方向に関して内側
から内端層211a、内中層212a、外中層212
b′、外端層211b′の順で、1列に配列されてい
る。これら4本の電気導体が所定のパターンで接続され
ることにより、固定子巻線21が形成される。
に、スロット221内の電気導体は、固定子鉄心22の
リア側端面から突出する第1コイルエンド群21a側に
おいては一端に頂部211c、212cを配置して連続
線とすることにより、また、固定子鉄心22のフロント
側端面から突出する第2コイルエンド群21b側におい
ては他端211d、212dを接合することにより接続
される。
電気導体211aは、固定子鉄心22の反時計回り方向
に1磁極ピッチ離れた他のスロット221内の外端層の
電気導体211bと対をなしている。同様に、一つのス
ロット221内の内中層の電気導体212aは、固定子
鉄心22の時計回り方向に1磁極ピッチ離れた他のスロ
ット221内の外中層の電気導体212bと対をなして
いる。そして、内端層の電気導体211aと外端層の電
気導体211bとを含んでU字状の大セグメント211
が形成され、内中層の電気導体212aと外中層の電気
導体212bとを含んでU字状の小セグメント212が
形成されている。
1aにおいて、頂部211cと、斜行部211e、21
1fを2辺とする渡り線によって二等辺三角形が形成さ
れ、第二コイルエンド群21bにおいては、接合部21
2d、211d′が頂点となる渡り線によって二等辺三
角形を形成している。本実施形態では、第一コイルエン
ド群21a、第二コイルエンド群21bに対応する二等
辺三角形の最小頂部角度θは100°に、底辺であるN
S磁極ピッチは24mmにそれぞれ設定されている。
ように、径方向に沿って長辺を並べた略長方形を有して
おり、例えば長辺の長さが2.2mmに、短辺の長さが
1.4mmにそれぞれ設定されている。
鉄心22の内周面と対向しており、発電時にはこの空隙
部の磁束が回転子3の回転と共に脈動するため、固定子
鉄心22と回転子3の間に作用する変動力が生じる。こ
の脈動の基本周波数f0[Hz]は、回転子のNS磁極
数をP、巻線の相数をT、回転数をnとすると、 f0=(n×T×P)/60 ・・・・(1) で表され、この周波数f0にて最大変動力が発生する。
また、変動力のレベルは小さいが、f0の整数倍の周波
数成分も持つ。
の周方向(x方向)の固有振動数fxは、以下の式で求
めることができる。
は斜行部長さ、αは頂部角度の1/2、mは質量であ
る。また斜行部の導体セグメントの質量分布は一定であ
るので、質量の平均高さhはコイルエンドの頂部高さの
1/2となる。従って、式(2)、(3)にそれぞれ対
応する値を代入し、 fx=11.6[kHz] を得る。
共振の条件であるf0=fxを式(1)に代入すると、
共振を生ずる回転数nは n=19300[rpm] ・・・・(4) となる。
走行する時のエンジン回転数の範囲(常用回転域)は、
アイドリングでの約600rpmを下限とし、5000
rpm程度を上限としている。また、エンジン回転と車
両用交流発電機の回転比は、2〜3の間に設定されてい
る。よって、一般走行における発電機の回転数の範囲
は、1200〜15000rpmである。このため、式
(4)で示した共振の回転数は、一般走行における発電
機の回転数の範囲を越えているので、コイルエンドの周
方向(x方向)の共振は発生しない。以上により、共振
によるコイルエンドからの磁気音の急増を防止すると共
に、フレーム4の固定子鉄心22との当たり面の磨耗も
防止されるので、固定子鉄心22の固定力低下による磁
気音が増大することもない。
ベルは小さいがf0の整数倍数の周波数の成分も含まれ
る。式(1)によると、2次成分(2倍周波数)が固有
振動数fxに対応する回転数は式(4)の1/2に、3
次成分に対応する回転数は式(4)の1/3になり、こ
れらの回転数は一般走行で発電機の回転数の範囲である
15000rpm以下に含まれるようになる。しかし、
変動力の1次成分に比較し、その他の成分はレベルが小
さいので、それぞれの回転数で磁気音の急増には至らな
い。しかも、本実施形態では、スロット221内には1
列に導体セグメントが配置されているので、隣り合うス
ロットの斜行部の間には周方向に必ず隙間が形成され、
同じ径方向位置の隣接する導体セグメント同士が擦れあ
うことによる線間の短絡を防止できる。
ントを多重配置にし、最も外側の大セグメント211の
頂部角度θを100°としているので、図4に示すよう
に他の小セグメント212の頂部角度θは100°以上
となる。よって、式(2)、(3)において角度αが大
きくなるので小セグメント212の固有振動数fxは大
セグメント211の固有振動数より高くなり、以上より
小セグメント212も共振しない。
ては、図6および図7に示すように、周方向からの視点
により、一端が支持された重量mのはりにモデル化でき
る。一般に、このようなモデルの固有振動数fzは、以
下の式で求めることができる。
Zと直角方向の長さをa、径方向長さをbとおくと、 I=(1/12)a・b3 で表される。図6および図7においては、長方形断面を
有する2本の電気導体によってはりを形成しているの
で、このa,bが2倍となって、断面2次モーメントI
は16倍となる。
00[Hz]を得る。これに対応する発電機の回転数
は、式(1)より15200rpmとなる。よって、周
方向の共振する回転数と同様に、一般走行における発電
機の回転数の範囲を越えている。また、頂部角度θを1
00°以上に広角化するに従い、このはりの高さhが低
くなるので、式(6)により固有振動数はさらに高くな
り、共振発生の可能性はさらに少なくなる。さらに、脈
動はf0の整数倍数の周波数の成分も持つが、1次成分
の変動力に比較してレベルが小さいので、それぞれに対
応する回転数での磁気音の急増には至らない。
S磁極数Pを12、NS磁極ピッチ長さを24mmとし
たが、NS磁極数の変更やそれに伴う磁極ピッチ長さの
変更時、あるいは、短節重ね巻きなどの巻線方式に変更
することによって磁極ピッチ長さを変更した場合でも、
固有振動数fxが脈動振動数f0よりも高くなるよう
に、頂部角度θを100°以上に設定してもよい。
絶縁処理を行うことにより、径方向に隣接交差する斜行
部間211gが樹脂固着される場合には、図8に模式図
を示すように、実質的にはり長さLをL′に、また高さ
hをh′に縮小できるので、式(3)、(6)より周方
向および径方向の固有振動数fxを高くできる。よっ
て、一般走行時の共振をさらに確実に防止できる。
機の主要部断面図である。
る。
の斜視図である。
分的外観図である。
固有振動数を算出するための模式図である。
固有振動数を算出するための模式図である。
視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 回転駆動される磁極鉄心を有する回転子
と、前記回転子の外周に対向配置されて複数のスロット
をもつ固定子鉄心と前記スロットに収納された複数の電
気導体とからなる固定子と、前記固定子を挟持する一対
の椀形状のフレームを有し、前記固定子鉄心の軸方向の
両側面外部には前記電気導体の渡り線がコイルエンドを
形成している車両用交流発電機において、 前記コイルエンドが常用回転域以外の回転数において共
振することを特徴とする車両用交流発電機。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記電気導体は、前記スロット内に径方向に1列に配置
され、 前記渡り線は、斜行部と前記斜行部に挟まれた頂部を持
ち、前記斜行部は略二等辺三角形の二等辺を形成し、 前記頂部の頂角θは100°以上であることを特徴とす
る車両用交流発電機。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記電気導体は前記複数のスロットの深さ方向に対して
互いに絶縁されてスロットの奥側に位置する外層と入り
口側に位置する内層とに二分されたものが一対以上配設
され、異なるスロットの前記外層、内層の導体が前記コ
イルエンドにおいて直列に接続されて全体で巻線をなす
ことを特徴とする車両用交流発電機。 - 【請求項4】 請求項3において、 前記導体は前記一対以上の内層導体、外層導体としてス
ロット内に挿入される直線部を持つ略U字状セグメント
であり、ターン部には前記略二等辺三角形の二等辺と頂
部があらかじめ形成されていることを特徴とする車両用
交流発電機。
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