JP2000346102A - カップリング - Google Patents

カップリング

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JP2000346102A
JP2000346102A JP11155355A JP15535599A JP2000346102A JP 2000346102 A JP2000346102 A JP 2000346102A JP 11155355 A JP11155355 A JP 11155355A JP 15535599 A JP15535599 A JP 15535599A JP 2000346102 A JP2000346102 A JP 2000346102A
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功 広田
Hisafumi Yoshida
尚史 吉田
Kazutaka Kawada
和隆 川田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝達トルクの制御特性を安定させ、トルク伝
達容量を大きくする。 【解決手段】 ケーシング本体39とカバー41とを有
し、変速機構を潤滑オイルと共に本体39側に収容する
静止側ケーシング37のカバー41側に収容されてお
り、トルク伝達部材45、47の間に配置されたクラッ
チ49、51と、部材45の外部からアーマチャ59を
移動させクラッチ51を連結させる電磁石61と、クラ
ッチ51が連結されると部材45、47間の伝達トルク
を受けて作動しクラッチ49を連結させるカム55とを
備え、部材47がカバー41を貫通してエンジン側の回
転軸に連結され、電磁石61がこの貫通部付近に配置さ
れ、部材45が、一側でベアリング81と電磁石61の
コア83とを介してカバー41に支持され、他側で変速
機構の連結軸91に連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静止側ケーシン
グの内部で、変速機構のトルク伝達を断続すると共に、
伝達トルクを制御するカップリングに関する。
【0002】
【従来の技術】「ガイア新型車解説書 0−22頁 ト
ヨタ自動車株式会社 編集 同サービス部 発行 19
98年 5月 29日」に図6のようなカップリング4
01が記載されている。
【0003】このカップリング401は、四輪駆動車の
後輪側動力伝達系に配置されている。
【0004】カップリング401は、回転ケース40
3、ハブ405、多板式のメインクラッチ407及びコ
ントロールクラッチ409、アーマチャ411、電磁石
413、カムリング415、ボールカム417、押圧部
材419、コントローラなどから構成されている。
【0005】カップリング401はデフキャリヤ421
の内部に配置されている。デフキャリヤ421はデフキ
ャリヤ本体423の前部にカバー425を固定して構成
されており、カップリング401はカバー425に収容
され、デフキャリヤ本体423にはリヤデフ(後輪側の
デファレンシャル装置)が収容されている。
【0006】回転ケース403の前部はベアリング42
7を介してカバー425に支承されており、後部はベア
リング429と電磁石413とを介してデフキャリヤ本
体423に支承されている。
【0007】回転ケース403はプロペラシャフト(ト
ルク伝達軸)を介してトランスファからトランスミッシ
ョン側に連結されている。又、ハブ405にはドライブ
ピニオンシャフト431がセレーション連結されてお
り、これと一体に形成されたドライブピニオンギヤ43
3はリヤデフ側のリングギヤと噛み合っている。
【0008】回転ケース403の前部とカバー425と
の間にはシール435が配置されており、外部からの異
物の侵入を防止している。又、回転ケース403の後部
とデフキャリヤ本体423との間にはシール437が配
置されており、リヤデフ側からのオイルの侵入を防止し
ている。
【0009】メインクラッチ407は回転ケース403
とハブ405との間に配置されており、コントロールク
ラッチ409は回転ケース403とカムリング415と
の間に配置されている。
【0010】又、押圧部材419はハブ405に移動自
在に連結されており、ボールカム417はカムリング4
15と押圧部材419との間に配置されている。
【0011】コントローラは、電磁石413の励磁、励
磁電流の制御、励磁停止などにより、後輪の連結と切り
離し、及び、後輪側への伝達トルクの制御を行う。
【0012】電磁石413は回転ケース403の外部に
配置され、デフキャリヤ421の内側に固定されてい
る。又、電磁石413のリード線439はデフキャリヤ
425に取り付けられたグロメット441から外部に引
き出されている。
【0013】電磁石413が励磁されると、磁気ループ
443が形成されてアーマチャ411が吸引され、コン
トロールクラッチ409が押圧される。コントロールク
ラッチ409が締結されると、回転ケース403とハブ
405の間のトルクがボールカム417に掛かり、生じ
たカムスラスト力により押圧部材419を介してメイン
クラッチ407が押圧される。
【0014】こうしてカップリング401が連結される
と、エンジンの駆動力が後輪に送られて車両は四輪駆動
状態になり、悪路の走破性や、車体の安定性が向上す
る。
【0015】又、電磁石413の励磁電流を制御する
と、コントロールクラッチ409の滑りによってボール
カム417のカムスラスト力が変化し、更に、メインク
ラッチ407の連結力が変化して後輪の駆動力が調整さ
れる。このようにして、前後輪間の駆動力配分比を制御
すると、例えば、旋回走行中の車両の操縦性や安定性な
どが向上する。
【0016】又、電磁石413の励磁を停止すると、コ
ントロールクラッチ409が開放され、ボールカム41
7のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ407が
開放されてカップリング401の連結が解除され、車両
は二輪駆動状態になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カップリング
401では、電磁石413がデフキャリヤ421のカバ
−425の奥部(カバー425とデフキャリヤ本体42
3との連結部側)に配置されているから、外気による電
磁石413の冷却効果は期待できない。
【0018】又、カバー425の奥部はリヤデフに隣接
しているから、電磁石413はリヤデフからの熱を受け
易い。
【0019】このような理由で、電磁石413は高温に
なり易く、温度が変動し易い。
【0020】電磁石413の温度が変わると、励磁電流
が変動し、コントロールクラッチ409の制御特性が不
安定になり、カップリング401の伝達トルクが不安定
になる。
【0021】又、エンジンの駆動力がプロペラシャフト
を経て入力する回転ケース403には充分な強度が必要
であるが、磁気ループ443が形成される回転ケース4
03のロータ445には、強度に加えて、優れた磁気透
過性が要求される。
【0022】このように、材料に対する要求が多いか
ら、材質の選定が難しく、コスト高になる。
【0023】又、磁気透過性の優れた材料は強度が不足
し易いから、回転ケース403(カップリング401)
はトルク伝達容量が不充分になる。
【0024】又、回転ケース403を支承するベアリン
グ427、429用のベアリングハウジングをデフキャ
リヤ421に形成する必要があるから、それだけデフキ
ャリヤ421の形状が複雑になり、コスト高になる。
【0025】又、カップリング401の雰囲気を、外気
とリヤデフ側のオイルから遮断するシール435、43
7は回転ケース403側に配置されており、大径であ
る。
【0026】大径のシール435、437はコスト高で
あると共に、これらの配置構造が大型になるから、カッ
プリング401はコンパクト化が難しく、車載性が低下
する。
【0027】更に、大径のシール435、437は摺動
速度が速いから、摩耗し易く、耐久性が低下する。
【0028】そこで、この発明は、電磁石によって操作
されるカップリングであって、電磁石の温度変化が小さ
く、安定した伝達トルクの制御特性が得られると共に、
トルク伝達容量の大きいカップリングの提供を目的とす
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1のカップリング
は、ケーシング本体と、これに固定されたカバーとを有
し、変速機構を潤滑オイルと共にケーシング本体側に収
容する静止側ケーシングに収容されたカップリングであ
って、ケース状トルク伝達部材と、このケース状トルク
伝達部材に貫入した軸状トルク伝達部材と、これら両ト
ルク伝達部材の間に配置されたクラッチと、ケース状ト
ルク伝達部材の外部から磁力によってアーマチャを移動
させクラッチを押圧して連結させる電磁石とを備え、静
止側ケーシングのカバー側に収容されていると共に、軸
状トルク伝達部材が、一側でカバーを貫通し、外部でト
ルク伝達軸に連結されており、電磁石のコアが、この貫
通部付近でカバーに支持されており、ケース状トルク伝
達部材が、一側でベアリングと電磁石のコアとを介して
カバーに支持され、他側で変速機構側の連結軸に連結さ
れていることを特徴とする。
【0030】請求項1のカップリングは、電磁石413
がデフキャリヤ421の奥に配置されている従来例と異
なって、カバーの貫通部(端部)付近に電磁石が配置さ
れているから、放熱効果と、外気による冷却作用によっ
て効果的に冷却される。
【0031】又、カバーの端部側に配置された電磁石
は、リヤデフに隣接配置された従来例と異なって、ケー
シング本体側に配置された変速機構(例えば、デファレ
ンシャル装置)からの熱を受けにくい。
【0032】これらの理由によって、電磁石の温度上昇
(温度の変動)が小さくなり、励磁電流が安定するか
ら、カップリングは安定した伝達トルクの制御特性が得
られる。
【0033】又、トルク伝達軸は軸状トルク伝達部材に
連結し、ケース状トルク伝達部材には入力しない。
【0034】又、電磁石はケース状トルク伝達部材の一
側に配置されており、ケース状トルク伝達部材は他側で
変速機構側の連結軸に連結されている。
【0035】従って、磁気回路の一部を構成するケース
状トルク伝達部材の一側側壁(ロータ)は、トルク伝達
経路から除外されており、強度上の要求から解放され、
磁気透過性に優れた材料を選択することができる。
【0036】又、変速機構側の連結軸に連結されたケー
ス状トルク伝達部材の他側部材は、磁気透過性の要求か
ら解放され、充分な強度の部材を選択することができ
る。
【0037】こうして、これらの部材は過大な要求から
解放され、磁気透過性や強度などの要求に従ってそれぞ
れの材質を選定することが可能になり、カップリングの
性能がそれだけ向上すると共に、高価な材料を用いなく
てすむから、低コストに実施できる。
【0038】又、トルク伝達軸と連結する軸状トルク伝
達部材に、強度の高い部材を用いることによって、カッ
プリングは充分なトルク伝達容量が得られる。
【0039】請求項2のカップリングは、ケーシング本
体と、これに固定されたカバーとを有し、変速機構を潤
滑オイルと共にケーシング本体側に収容する静止側ケー
シングに収容されたカップリングであって、ケース状ト
ルク伝達部材と、このケース状トルク伝達部材に貫入し
た軸状トルク伝達部材と、これら両トルク伝達部材の間
に配置されたメインクラッチと、ケース状トルク伝達部
材の外部から磁力によってアーマチャを移動させる電磁
石と、このアーマチャに押圧されて連結するコントロー
ルクラッチと、コントロールクラッチが連結されると両
トルク伝達部材間の伝達トルクを受けて作動しメインク
ラッチを連結させるカムとを備え、静止側ケーシングの
カバー側に収容されていると共に、軸状トルク伝達部材
が、一側でカバーを貫通し、外部でトルク伝達軸に連結
されており、電磁石のコアが、この貫通部付近でカバー
に支持されており、ケース状トルク伝達部材が、一側で
ベアリングと電磁石のコアとを介してカバーに支持さ
れ、他側で変速機構側の連結軸に連結されていることを
特徴とする。
【0040】電磁石を励磁すると、その磁気力によって
アーマチャが移動し、コントロールクラッチを連結させ
る。コントロールクラッチが連結されると、両トルク伝
達部材間のトルクがカムに掛かり、生じたカムスラスト
力により押圧部材を介してメインクラッチが連結され、
カップリングが連結される。
【0041】電磁石の励磁電流を制御すると、コントロ
ールクラッチの滑りによってカムスラスト力が変化し、
メインクラッチの連結力及びカップリングの伝達トルク
を正確に調整することができる。
【0042】又、電磁石の励磁を停止すると、コントロ
ールクラッチが開放されてカムのスラスト力が消失し、
メインクラッチが開放されて、カップリングの連結が解
除される。
【0043】又、請求項2のカップリングは、電磁石を
カバーの端部付近に配置すると共に、トルク伝達部材を
軸状トルク伝達部材に連結させることなどによって、請
求項1のカップリングと同等の効果を得る。
【0044】なお、請求項1及び請求項2のカップリン
グを、四輪駆動車の前輪側、あるいは、後輪側の各動力
伝達系に配置し、各側車輪を連結すれば車両は四輪駆動
状態になり、切り離せば車両は二輪駆動状態になる。
【0045】又、このカップリングを四輪駆動車のフロ
ントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するデ
ファレンシャル装置)やリヤデフ(エンジンの駆動力を
左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)と各車輪
側車軸上に配置することも可能である。
【0046】この場合も、カップリングを連結すると、
車両は四輪駆動状態になり、カップリングの連結を解除
すると、各デファレンシャル装置が自由に差動回転する
ことによって、車輪側への駆動力伝達が停止され、車両
は二輪駆動状態になる。
【0047】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
記載のカップリングであって、変速機構側の連結軸が、
ベアリングを介して静止側ケーシングに支承されてお
り、ケース状トルク伝達部材の他側が、これらの連結軸
とベアリングとを介して静止側ケーシングに支承されて
いることを特徴とし、請求項1又は請求項2のいずれか
と同等の効果を得る。
【0048】これに加えて、請求項3の構成では、ケー
ス状トルク伝達部材の他側端部を、変速機構の連結軸用
のベアリングによって静止側ケーシングに支承した。
【0049】従って、ケース状トルク伝達部材の他側端
部を支承するための専用ベアリングが不要になり、部品
点数が減って、低コストになる。
【0050】又、この専用ベアリングのためのベアリン
グハウジングをデフキャリヤ421に形成する必要があ
る従来例と較べて、ベアリングハウジングの加工個所が
減少しただけ、静止側ケーシングは、形状が簡易にな
り、低コストになる。
【0051】更に、連結軸用の容量の大きなベアリング
で、カップリングのスラスト力を受けることができるか
ら、カップリングの軸方向位置と性能が安定し、耐久性
が向上する。
【0052】請求項4の発明は、請求項1又は請求項2
記載のカップリングであって、ケース状トルク伝達部材
の他側が、ベアリングを介して静止側ケーシングに支承
されていることを特徴とし、請求項1又は請求項2のい
ずれかと同等の効果を得る。
【0053】これに加えて、請求項4の構成では、ケー
ス状トルク伝達部材の他側端部をベアリングを介して静
止側ケーシングに支承したことにより、カップリング
は、軸方向と径方向の両方で正確に位置決めされるか
ら、性能が更に安定し、耐久性が向上する。
【0054】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のいずれか一項に記載のカップリングであって、軸状ト
ルク伝達部材とカバーとの間、及び、変速機構側の連結
軸とケーシング本体との間にそれぞれ配置されたシール
によって、変速機構側及び大気側の両方から区画された
空間が、周囲に形成されていることを特徴とし、請求項
1乃至請求項4のいずれかと同等の効果を得る。
【0055】これに加えて、軸状トルク伝達部材とカバ
ーとの間にシールを配置し、変速機構側の連結軸とケー
シング本体との間にシールを配置したことによって、カ
ップリングの周囲に容量の大きな空間を形成し、この空
間を大気側と変速機構側の両方から遮断した。
【0056】そこで、例えば、この空間に冷却流体を封
入すれば、その冷却効果によって電磁石の温度変動が小
さくなり、カップリングの伝達トルク制御特性が更に安
定する。
【0057】又、空間に磁性流体を封入し、電磁石とケ
ース状トルク伝達部材との間に形成されるエアギャップ
を、この磁性流体で充填すれば、磁気回路の一部を構成
するこのエアギャップ磁気抵抗が大幅に低減される。
【0058】従って、小型の電磁石でもアーマチャが充
分に強く吸引されるから、カップリングは大きなトルク
伝達容量が得られると共に、バッテリの負担が軽減さ
れ、エンジンの燃費が向上する。
【0059】又、各シールは、いずれも軸状の部材上に
配置されるから小径であり、摺動速度が遅く、摩耗しに
くく、耐久性が高い。
【0060】耐久性が高いから、空間に冷却流体や磁性
流体を封入することによる上記のような効果を長期にわ
たって享受できる。
【0061】又、各シールが小径であるから、カップリ
ングもそれだけコンパクトで軽量になり、車載性が向上
する。
【0062】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
のいずれか一項に記載のカップリングであって、ケース
状トルク伝達部材の他側を閉止する側壁と、ケース状ト
ルク伝達部材と軸状トルク伝達部材の間の一側に配置さ
れたシールとによって形成された密封空間にオイルが封
入されており、軸状トルク伝達部材に、他側で前記側壁
に向かって開口する容量増大空間が設けられ、連通流路
によって容量増大空間を密封空間に連通させたことを特
徴とし、請求項1乃至請求項5のいずれかと同等の効果
を得る。
【0063】ケース状トルク伝達部材と軸状トルク伝達
部材との間に形成された密封空間にはオイルが封入され
ており、このオイルによって、クラッチやカムなどが潤
滑される。
【0064】これに加えて、軸状トルク伝達部材に容量
増大空間を設け、連通流路によって密封空間に連通させ
たことにより、密封空間のオイル容量が増加するから、
温度上昇や、摩耗粉の蓄積などによるオイルの劣化が抑
制され、長期にわたって優れた潤滑性が得られ、それだ
けカップリングの耐久性が向上する。
【0065】又、クラッチの作動に伴うカップリングの
内圧上昇も、容量増大空間の吸収作用によって、許容限
界が高くなるから、カップリングの伝達トルク制御特性
が更に安定する。
【0066】
【発明の実施の形態】図1と図4と図5とによってカッ
プリング1(本発明の第1実施形態)の説明をする。
【0067】このカップリング1は請求項1、2、4、
6の特徴を備えている。図1はカップリング1を示し、
図4と図5はカップリング1を用いた四輪駆動車の動力
系を示している。又、左右の方向はこれらの車両の左右
の方向であり、図1の左方は各車両の前方に相当する。
なお、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0068】図4のように、この動力系は、横置きのエ
ンジン3とトランスミッション5、トランスファ7、フ
ロントデフ9、前車軸11、13、左右の前輪15、1
7、後輪側のプロペラシャフト19(トルク伝達軸)、
カップリング1、リヤデフ21、後車軸23、25、左
右の後輪27、29などから構成されている。
【0069】このように、カップリング1は後輪側の動
力伝達系に配置されており、後輪27、29の連結と切
り離し及び伝達トルクの制御を行う。
【0070】エンジン3の駆動力は、トランスミッショ
ン5の出力ギヤ31からリングギヤ33を介してフロン
トデフ9のデフケース35に伝達され、フロントデフ9
から前車軸11、13を介して左右の前輪15、17に
配分され、更に、デフケース35からトランスファ7を
介してプロペラシャフト19を回転させ、カップリング
1に伝達される。
【0071】カップリング1が連結されると、エンジン
3の駆動力はプロペラシャフト19を介して、リヤデフ
21から後車軸23、25を介して左右の後輪27、2
9に配分され、車両は四輪駆動状態になる。
【0072】又、カップリング1の連結が解除される
と、リヤデフ21以下の後輪側が切り離されて車両は二
輪駆動状態になる。
【0073】図4のように、リヤデフ21はデフキャリ
ヤ37(静止側のケーシング)に収容されている。この
デフキャリヤ37はキャリヤ本体39(静止側ケーシン
グの本体)とフロントカバー41(静止側ケーシングの
カバー)とをボルト43で連結して構成されている。
【0074】又、ボルト43で固定する前に、キャリヤ
本体39とフロントカバー41は、図1のように、ノッ
クピン44によってセンタリングされる。
【0075】図1と図4のように、カップリング1はフ
ロントカバー41側に収容されており、リヤデフ21
(変速機構)はキャリヤ本体39側に収容されている。
【0076】カップリング1は、回転ケース45(ケー
ス状トルク伝達部材)、インナーシャフト47(軸状ト
ルク伝達部材)、多板式のメインクラッチ49及びコン
トロールクラッチ51、カムリング53、ボールカム5
5(カム)、プレッシャプレート57、アーマチャ5
9、リング状の電磁石61、コントローラなどから構成
されている。
【0077】図1のように、回転ケース45は、前側の
ロータ63(一側の側壁)と中空状のケース65と後側
のフランジ部材67(他側の側壁)とから構成されてい
る。
【0078】前側ロータ63とケース65はねじ部69
で螺着され、後述するコントロールクラッチに適度な隙
間を与えるよう、ねじ込み量71を調整位置決めし、更
に、ねじ部69に螺着されたナット73により、設計手
法としては一般的なダブルナット機能によって固定され
ている。
【0079】又、前側ロータ63とケース65の間には
オイル漏れを防止するシールリング75が配置されてい
る。
【0080】ケース65とフランジ部材67はボルト7
7で固定されており、これらの間にはオイル漏れを防止
するシールリング79が配置されている。
【0081】回転ケース45は、前端側を両側シールの
ベアリング81と電磁石61のコア83とを介してデフ
キャリヤ37のフロントカバー41に支承されており、
後端側を両側シールのベアリング85を介してデフキャ
リヤ37のキャリヤ本体39に支承されている。
【0082】又、ベアリング85とキャリヤ本体39と
の間には隙間調整用のワッシャ87が配置されている。
【0083】回転ケース45は、ワッシャ87と当接す
るキャリヤ本体39の突き当たり部89により、ベアリ
ング85を介してデフキャリヤ37との間で軸方向後方
への移動を規制されるから、ボルト43によってフロン
トカバー41をキャリヤ本体39に固定するだけで、回
転ケース45の軸方向位置決めが完了する。
【0084】又、このワッシャ87の厚さを変えれば、
回転ケース45の軸方向位置を調整できる。
【0085】回転ケース45のフランジ部材67にはド
ライブピニオンシャフト91がスプライン連結されてい
る。
【0086】このように、ケース65にボルト77で固
定されたフランジ部材67がドライブピニオンシャフト
91に連結され、トルク伝達経路にされていると共に、
前側ロータ63はケース65に螺着されているから、前
側ロータ63は、下記の非磁性材料のリング161を含
めてトルク伝達経路から除外されおり、トルクの伝達に
は関与しない。
【0087】又、トルク伝達部材であるフランジ部材6
7には、静的強度と衝撃強度とを増すために浸炭処理が
施されている。
【0088】図4のように、ドライブピニオンシャフト
91(変速機構の連結軸)に形成されたドライブピニオ
ンギヤ93は、リヤデフ21側のリングギヤ95と噛み
合ってリヤデフ21を回転駆動する。
【0089】図1のように、ドライブピニオンシャフト
91はベアリング97によってキャリヤ本体39に支承
されている。又、ベアリング97とそのロックナット9
9との間にはワッシャ101とインナープレート103
が固定されており、インナープレート103とキャリヤ
本体39との間にはオイルシール105が配置されてい
る。
【0090】両側シールベアリング81とこのオイルシ
ール105とによって、デフキャリヤ37とカップリン
グ1との間に大気室107が形成されている。
【0091】フロントカバー41には開口109(貫通
部)が設けられている。この開口109には電磁石61
のコア83の外周圧入部111が圧入されており、回り
止めピン113によって回り止めされている。この回り
止めピン113は電磁石61のリード線115の取り出
し部117に対して周方向に180°反対の位置に配置
されており、装着が容易である。
【0092】このリード線取り出し部117は、大気室
107と大気空間とを連通させており、大気室107内
の温度上昇による内圧上昇を抑制している。
【0093】又、電磁石61のコア83は開口109か
ら外部に露出しており、外部に放熱すると共に、大気に
よって冷却される。
【0094】又、外周圧入部111の前方にはストッパ
部119が形成されており、このストッパ部119で回
転ケース45とフロントカバー41とが突き当たること
により、回転ケース45の前方への移動を規制してい
る。
【0095】インナーシャフト47は前方から回転ケー
ス45に貫入している。その前端部はニードルベアリン
グ123を介して前側ロータ63に支承されており、後
端部はベアリング125を介してケース65に支承され
ている。
【0096】相対回転するインナーシャフト47と前側
ロータ63との間には、断面がX字状のシールであるX
リング127が配置され、オイル漏れを防止している。
【0097】又、インナーシャフト47には、動力伝達
軸(トルク伝達軸)129が一体に形成されている。
【0098】この動力伝達軸129にはコンパニオンフ
ランジ131がスプライン連結され、ねじ部133に締
め付けたナットによって固定されている。図4のよう
に、このコンパニオンフランジ131は継ぎ手135側
のフランジ137にボルトで連結されており、インナー
シャフト47をプロペラシャフト19(トルク伝達軸と
してのエンジン側の回転軸)側に連結している。
【0099】又、回転ケース45の前側ロータ63には
ダストカバー139が取り付けられている。このダスト
カバー139はコンパニオンフランジ131とコア83
との間を覆って、走行中に飛来する障害物とベアリング
81との衝突を防止し、ベアリング81を保護する。
【0100】ダストカバー139は、コンパニオンフラ
ンジ131をナットで締め付け固定する際に、コンパニ
オンフランジ131の端面とインナーシャフト47との
間で挟持固定される。
【0101】又、ダストカバー139の外周側は凹凸状
に前方に張り出しており、インナーシャフト47と共に
回転することによって、外気側の異物がフロントカバー
41に入るのを抑制している。
【0102】回転ケース45は、前側ロータ63とケー
ス65間のシールリング75と、ケース65とフランジ
部材67間のシールリング79と、前側ロータ63とイ
ンナーシャフト47間のXリング127とによって密封
型にされている。
【0103】デフキャリヤ37のキャリヤ本体39部分
には、リヤデフ21側の潤滑用オイルが封入されてお
り、ドライブピニオンギヤ93とリングギヤ95との噛
み合い部及びこれらの支持ベアリングや各部材の摺動部
などを潤滑している。
【0104】又、密封型回転ケース45の内部に形成さ
れた密封空間にはオイルが封入されている。このオイル
にはキャリヤ本体39のオイルと異なった専用のオイル
が用いられている。
【0105】密封空間に封入されたオイルによって、密
封空間内部のメインクラッチ49、コントロールクラッ
チ51、ボールカム55、他の摺動部などが潤滑され
る。
【0106】この専用オイルの充填率は、密封空間の全
容量に対して50%〜90%のレベル、好ましくは70
%〜85%のレベルであり、残りの部分は空気で占めら
れている。
【0107】この充填率は、回転ケース45が回転して
いる状態で、コントロールクラッチ51の内周側、つま
り、カムリング53の外周のスプライン部141が浸る
オイルレベルであること、及び、回転ケース45の温度
が上昇したときの内圧を吸収できること、などの諸条件
を満たすように決定される。
【0108】又、フロントカバー41側(大気室10
7)にオイルを封入する場合は、オイルシール105に
より、キャリヤ本体39側のオイルと混ざり合うことが
防止されるから、フロントカバー41とキャリヤ本体3
9にはそれぞれの用途に適したオイルを選択することが
できる。
【0109】メインクラッチ49は、回転ケース45の
内周とインナーシャフト47の外周との間に配置されて
いる。又、メインクラッチ49と回転ケース45との間
にはプレート143が配置されており、メインクラッチ
49の押圧力を受けると共に、厚さの異なるものと交換
することによって、各クラッチ板の隙間や、クラッチ板
の枚数を調整できる。
【0110】コントロールクラッチ51は、回転ケース
45の内周とカムリング53との間に配置されており、
後述のように、アーマチャ59によって回転ケース45
の前側ロータ63に押圧されて締結される。
【0111】ボールカム55は、カムリング53とプレ
ッシャプレート57との間に配置されている。
【0112】プレッシャプレート57の係合部145は
インナーシャフト47の外周に形成されたスプライン部
147に軸方向移動自在に連結されている。このスプラ
イン部145にはメインクラッチ49のインナープレー
トが係合する。
【0113】又、カムリング53と前側ロータ63との
間には、ボールカム55のカム反力を受けるスラストベ
アリング149及びワッシャ151が配置されている。
【0114】円板状のアーマチャ59は、コントロール
クラッチ51とプレッシャプレート57との間に配置さ
れている。
【0115】又、アーマチャ59は内周側でプレッシャ
プレート57に対し微小な所定間隔を隔てて対向してお
り、コントロールクラッチ51から離れないように位置
を規制されていると共に、コントロールクラッチ51と
メインクラッチ49のアウタープレートが係合する回転
ケース45の内周に形成されたスプライン部153の先
端に外周側の位置を規制されており、電磁石61による
引き付けコントロール性を高めている。
【0116】電磁石61のコア83は、上記のように、
デフキャリヤ37の開口109に圧入して固定されてい
ると共に、前側ロータ63に設けられている凹部155
に貫入して、エアギャップ157を形成している。
【0117】又、上記のように、コア83は開口109
から外部に露出しており、電磁石61のリード線115
はコア83から直接外部に引き出されている。
【0118】コア83に設けられたリード線115の取
り出し部117には、固形接着材やゴム製プラグを取り
付けて、リード線115の疲労断線を防止し、耐候性を
向上させることが可能である。
【0119】コントローラは、車速、操舵角、横Gなど
から旋回走行を検知し、あるいは、路面状態などに応じ
て、電磁石61の励磁、励磁電流の制御、励磁停止など
を行う。
【0120】電磁石61が励磁されると、磁力のループ
159が形成されてアーマチャ59が吸引され、回転ケ
ース45の前側ロータ63との間でコントロールクラッ
チ51を押圧して締結させる。コントロールクラッチ5
1が締結されると、回転ケース45とインナーシャフト
47の間のトルクがボールカム55に掛かり、生じたカ
ムスラスト力によりプレッシャプレート57を介してメ
インクラッチ49が押圧され、締結する。
【0121】又、電磁石61のコア83と回転ケース4
5とのエアギャップ157は、アーマチャ59が充分な
強さで吸引されるように、コア83とベアリング85と
前側ロータ63との軸方向の取り付け位置をワッシャ8
7の厚さを変えることによって、最適値に調整されてい
る。
【0122】こうしてカップリング1が連結されると、
エンジン3の駆動力はインナーシャフト47から回転ケ
ース45に伝達されて後輪27、29を駆動し、車両が
四輪駆動状態になり、悪路などの走破性や、車体の安定
性が向上する。
【0123】又、電磁石61の励磁電流を制御すると、
コントロールクラッチ51の滑りによってボールカム5
5のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ49の連
結力が変化して後輪27、29の駆動力が調整される。
【0124】このようにして、前後輪間の駆動力配分比
を制御すると、例えば、旋回走行中の車両の操縦性や安
定性などが向上する。
【0125】又、電磁石61の励磁を停止すると、コン
トロールクラッチ51が開放されてボールカム55のカ
ムスラスト力が消失し、メインクラッチ49が開放され
てカップリング1の連結が解除され、車両は二輪駆動状
態になる。
【0126】回転ケース45の前側ロータ63にはステ
ンレス鋼のような非磁性材料のリング161が配置され
ている。又、コントロールクラッチ51の各プレートに
は開孔163及びブリッジ部が形成され、磁力ループ1
59からの磁気漏れを防止し、電磁石61の磁力をアー
マチャ59に集中させている。
【0127】又、上記のように、アーマチャ59は隣接
部材との間で軸方向と径方向に位置決めされているフリ
ー部材ではあるが、プレッシャプレート57との微小な
所定隙間を有する部分は磁力ループ159に対して磁束
密度の低い内周側外端部であるから、アーマチャ59の
吸引力には実質的に影響を与えない。
【0128】インナーシャフト47には、大径と小径の
同軸孔165、167が設けられており、フランジ部材
67に形成された中空のハブ部169は大径の同軸孔1
65に相対回転自在に貫入している。
【0129】このハブ部169には、密閉プラグ171
が固定されており、同軸孔165、167との間で容量
増大空間173を形成している。この容量増大空間17
3には、封入オイルや空気が収容される。
【0130】又、インナーシャフト47には、径方向の
油路175、177が設けられており、油路175は容
量増大空間173とニードルベアリング123とを連通
し、油路177は容量増大空間173とスラストベアリ
ング149とを連通している。
【0131】又、フランジ部材67のハブ部169に
は、外周に螺旋状の油路179(連通流路)が設けられ
ており、ハブ部169とインナーシャフト47の同軸孔
165との摺動面を潤滑している。
【0132】容量増大空間173のオイルは、カップリ
ング1の遠心力により、各油路175、177からそれ
ぞれニードルベアリング123とスラストベアリング1
49に送られ、更に、カムリング53の内周とインナー
シャフト47の外周との摺動面、ボールカム55、コン
トロールクラッチ51などに供給され、更に、プレッシ
ャプレート57に設けられた貫通孔181と、インナー
シャフト47とプレッシャプレート57の間に設けられ
たリング状の空間183からメインクラッチ49に送ら
れ、これらを充分に潤滑し、冷却する。
【0133】このとき、螺旋状油路179は、螺旋の歩
みによるポンプ作用によってオイルを容量増大空間17
3側に押圧し、上記のようなオイルの流れ、つまり、オ
イル循環作用を促進し、潤滑性と冷却性を大きく向上さ
せる。
【0134】又、螺旋状油路179は、ベアリング12
5の隙間を介して、容量増大空間173と回転ケース4
5の密封空間とを連通しており、密封空間のオイル容量
を増加させている。
【0135】従って、螺旋状油路179が反対方向に回
転しても、容量増大空間173から密封空間にオイルが
供給され、密封空間内部の潤滑効果と冷却効果とを向上
させる。
【0136】又、プレッシャプレート57の貫通孔18
1は、プレッシャプレート57が受けるオイルの抵抗を
低減してメインクラッチ49の押圧レスポンスを向上さ
せると共に、メインクラッチ49側にオイルを移動し易
くし、メインクラッチ49の潤滑性と冷却性を向上させ
ている。
【0137】又、容量増大空間173は、これを区画す
る密閉プラグ171が薄いから、それだけ容量が大き
い。
【0138】又、インナーシャフト47には密閉プラグ
171に相当する一体の区画壁がないから、同軸孔16
5、167は、例えば、ドリルによって容易に加工でき
る。
【0139】カップリング1は、図4の矢印185が示
すように、トランスファ7(変速機構側)とプロペラシ
ャフト19(トルク伝達軸)との間に配置してもよい。
【0140】この場合、プロペラシャフト19とリヤデ
フ21との間に配置した場合と同様にして後輪27、2
9の連結と切り離しとを行う。
【0141】又、カップリング1は、矢印187、18
9が示すように、フロントデフ9(変速機構側)と前車
軸11、13(トルク伝達軸)との間に配置してもよ
く、又、矢印191が示すように、トランスファ7内の
ギヤ機構(軸方向に一方が変速機構側で他方がトルク伝
達軸)と組み合わせて配置してもよく、更に、矢印19
3、195が示すように、リヤデフ21(変速機構側)
と後車軸23、25(トルク伝達軸)との間に配置して
もよい。
【0142】矢印185、187、189の位置に配置
した場合は、カップリング1を連結すると車両は四輪駆
動状態になり、連結を解除すると、フロントデフ9の差
動回転が自由になり、前輪15、17への駆動力伝達が
停止されて、車両は二輪駆動状態になる。
【0143】又、矢印191の位置に配置した場合は、
上記のようにプロペラシャフト19とリヤデフ21との
間に配置した場合と同等の機能が得られる。
【0144】又、矢印193、195の位置に配置した
場合は、カップリング1を連結すると車両は四輪駆動状
態になり、連結を解除すると、リヤデフ21の差動回転
が自由になり、後輪27、29への駆動力伝達が停止さ
れて、車両は二輪駆動状態になる。
【0145】なお、この場合には、トランスファ7内に
駆動力断続用のクラッチを設ければ、プロペラシャフト
19を完全に静止状態に保つことが可能となり、エンジ
ン3の燃費が向上する。
【0146】又、図5は、図4の四輪駆動車と異なった
構成の動力系を持つ四輪駆動車を示している。
【0147】この動力系は、縦置きのエンジン201及
びトランスミッション203、トランスファ205(変
速機構側)、前輪側のプロペラシャフト207(トルク
伝達軸)、フロントデフ209(変速機構側)、前車軸
211、213(トルク伝達軸)、左右の前輪215、
217、後輪側のプロペラシャフト219(トルク伝達
軸)、リヤデフ221(変速機構側)、後車軸223、
225(トルク伝達軸)、左右の後輪227、229な
どから構成されている。
【0148】エンジン201の駆動力は、トランスミッ
ション203からトランスファ205を介して、それぞ
れ前輪側と後輪側の各プロペラシャフト207、219
を回転させる。
【0149】前輪側プロペラシャフト207の回転は、
フロントデフ209から前車軸211、213を介して
左右の前輪215、217に配分され、後輪側プロペラ
シャフト219の回転は、カップリング1が連結される
と、リヤデフ221から後車軸223、225を介して
左右の後輪227、229に配分される。
【0150】図5の車両では、カップリング1は、矢印
231、233が示すように、トランスファ205と後
輪側プロペラシャフト219との間、あるいは、プロペ
ラシャフト219とリヤデフ221との間に配置しても
よい。
【0151】又、カップリング1は、矢印235、23
7が示すように、トランスファ205と前輪側プロペラ
シャフト207との間、あるいは、プロペラシャフト2
07とフロントデフ209との間に配置してもよい。
【0152】図4の動力系と同様に、後輪227、22
9側に配置した場合は、これらの連結と切り離しとを行
い、前輪215、217側に配置した場合は、これらの
連結と切り離しとを行う。
【0153】又、カップリング1を前輪側に配置した場
合、前車軸211、213と前輪215、217との間
にハブクラッチ239、241を配置し、これらの連結
をカップリング1と連動して解除すれば、カップリング
1から前輪215、217までの動力伝達系が、エンジ
ン201の回転と前輪215、217による連れ回りの
両方から遮断され、回転が停止して騒音、振動、摩耗な
どが大きく軽減されると共に、エンジン201の燃費が
向上する。
【0154】又、カップリング1は、矢印243、24
5が示すように、フロントデフ209と前車軸211、
213との間に配置してもよく、矢印247、249が
示すように、リヤデフ221と後車軸223、225と
の間に配置してもよい。
【0155】前車軸211、213上に配置した場合
は、カップリング1を連結すると車両は四輪駆動状態に
なり、連結を解除すると、フロントデフ209の差動回
転が自由になり、前輪215、217への駆動力伝達が
停止され、車両は二輪駆動状態になる。
【0156】又、後車軸223、225上に配置した場
合は、カップリング1を連結すると車両は四輪駆動状態
になり、連結を解除すると、リヤデフ221の差動回転
が自由になり、後輪227、229への駆動力伝達が停
止され、車両は二輪駆動状態になる。
【0157】こうして、カップリング1が構成されてい
る。
【0158】上記のように、カップリング1は、従来例
と異なって、電磁石61をフロントカバー41の開口1
09に配置して外部に露出させたから、放熱効果と、外
気による冷却作用によって電磁石61が効果的に冷却さ
れる。
【0159】又、デフキャリヤ37の内部でリヤデフ2
1、221の反対側に配置された電磁石61は、従来例
と異なって、リヤデフ21、221からの熱を受けにく
い。
【0160】これらの理由によって、電磁石61は温度
上昇(温度の変動)が小さくなり、コントロールクラッ
チ51を吸引する励磁電流が安定するから、カップリン
グ1は安定した伝達トルクの制御特性が得られる。
【0161】従って、車両の悪路走破性、車体の安定
性、旋回操縦性などが大きく向上する。
【0162】又、エンジン3、201の駆動力はインナ
ーシャフト47に入力し、回転ケース45には入力しな
い。
【0163】更に、回転ケース45のフランジ部材67
をトルク伝達経路にし、磁気回路の一部を構成する前側
ロータ63をトルク伝達経路から除外した。
【0164】従って、前側ロータ63は強度上の要求か
ら解放され、磁気透過性に優れた材料を選択することが
可能になり、こうすることによってカップリング1の伝
達トルク制御特性が更に向上する。
【0165】更に、トルク伝達経路から除外された前側
ロータ63は、特別に高い静的強度や衝撃強度が要求さ
れないから、例えば、浸炭処理のような表面硬化処理が
不要である。
【0166】このように、浸炭処理をしないから、リン
グ161の内外周や、エアギャップ157を形成する前
側ロータ63の凹部155に、磁力ループ159の阻害
を抑制するために防炭剤を塗布する必要もなくなり、コ
ストの上昇が防止される。
【0167】又、磁気透過性の要求から解放されたフラ
ンジ部材67には、充分な静的強度と衝撃強度とを持っ
た部材を選定することが可能になり、こうすることによ
ってカップリング1のトルク伝達容量が大きくなる。
【0168】更に、フランジ部材67は、相手側のドラ
イブピニオンシャフト91との連結形態を、上記のボル
ト連結の他に、例えば、スプライン連結、セレーション
連結、溶接などの中から自由に選択することが可能にな
る。
【0169】こうして、前側ロータ63とフランジ部材
67は、過大な要求から解放され、磁気透過性や強度な
どの要求に従ってそれぞれの材質を選定することができ
るから、カップリング1は性能がそれだけ向上すると共
に、高価な材質の部材を用いないですむから、低コスト
に実施できる。
【0170】又、エンジンの駆動力が入力するインナー
シャフト47に、強度の高い部材を用いることによっ
て、カップリング1は大きなトルク伝達容量が得られ
る。
【0171】又、回転ケース45をベアリング85を介
してデフキャリヤ37に支承したことにより、カップリ
ング1は、軸方向と径方向の両方で正確に位置決めされ
るから、更に性能が安定し、耐久性が向上する。
【0172】又、インナーシャフト47に設けた容量増
大空間173を、回転ケース45の密封空間に連通さ
せ、密封空間のオイル容量を増加させたことによって、
各クラッチ49、51などで生じる摩耗粉の蓄積や、温
度上昇によるオイルの劣化が抑制され、長期にわたって
優れた潤滑性が得られ、カップリング1の耐久性が更に
向上する。
【0173】又、各クラッチ49、51の作動に伴う密
封空間での内圧上昇も、容量増大空間173の吸収機能
によって、許容限界が高くなり、カップリング1の伝達
トルク制御特性が更に安定する。
【0174】次に、図2と図4と図5とによってカップ
リング301(本発明の第2実施形態)の説明をする。
【0175】このカップリング301は請求項1、2、
3、5、6の特徴を備えている。左右の方向は図4と図
5の各四輪駆動車の左右の方向であり、図2の左方はこ
れらの車両の前方に相当する。なお、符号を与えていな
い部材等は図示されていない。
【0176】カップリング301は、上記実施形態のカ
ップリング1と同様に、図4と図5の車両の後輪側プロ
ペラシャフト19(トルク伝達軸)とリヤデフ21、2
21との間に配置されており、後輪27、29、22
7、229側の連結と切り離し及び伝達トルクの制御を
行う。
【0177】以下、カップリング1と同機能部材には同
一の符号を与えて参照しながら主に相違点を説明する。
【0178】カップリング301は、回転ケース45、
インナーシャフト47、メインクラッチ49、コントロ
ールクラッチ51、カムリング53、ボールカム55、
プレッシャプレート57、アーマチャ59、リング状の
電磁石61、コントローラなどから構成されている。
【0179】図2のように、回転ケース45は、前側の
ロータ63とケース65と後側のフランジ部材303
(他側の側壁)とから構成されている。
【0180】ケース65の後端には側壁部305が形成
されており、フランジ部材303はこの側壁部305に
重ねた状態で、ボルト77によってケース65に固定さ
れている。
【0181】又、フランジ部材303と側壁部305
は、互いの間に形成されたインロー部306によってセ
ンタリングされている。
【0182】フランジ部材303のハブ部323にはド
ライブピニオンシャフト91がスプライン連結され、ト
ルク伝達経路にされている。
【0183】従って、前側ロータ63は、非磁性材料の
リング161を含めてトルク伝達経路から除外されお
り、トルクの伝達には関与しない。
【0184】又、フランジ部材303とドライブピニオ
ンシャフト91はこのスプライン連結によって互いにセ
ンタリングされている。
【0185】又、トルク伝達部材であるフランジ部材3
03には、静的強度と衝撃強度とを増すために浸炭処理
が施されている。
【0186】図2のように、ドライブピニオンシャフト
91はアンギュラーコンタクトベアリング307、30
9によってキャリヤ本体39に支承されている。各ベア
リング307、309はロックナット99によってそれ
ぞれの径方向の隙間を適正に調整されてセンタリングさ
れていると共に、軸方向の移動を規制されている。
【0187】このように、回転ケース45は、ドライブ
ピニオンシャフト91を介して容量の大きいアンギュラ
ーコンタクトベアリング307、309に支持されてい
るから、径方向と軸方向の両方で適正に位置決めされ
る。
【0188】フロントカバー41の前端側には、圧入孔
311が設けられており、この圧入孔311には電磁石
61のコア83の外周圧入部111が圧入され、回り止
め手段によって回り止めされている。
【0189】電磁石61のリード線115は、フロント
カバー41に取り付けられたグロメット313を介して
外部に引き出されている。
【0190】又、インナーシャフト47に形成された動
力伝達軸129にはコンパニオンフランジ131がスプ
ライン連結され、ねじ部133に螺着されたナット31
5によって固定されており、インナーシャフト47をプ
ロペラシャフト19側に連結している。
【0191】カップリング301の前端側では、デフキ
ャリヤ37のフロントカバー41に設けられた開口31
7(貫通部)とコンパニオンフランジ131のハブ部3
19との間に、オイルシール321が配置されており、
後端側では、フランジ部材303のハブ部323とキャ
リヤ本体39との間に、オイルシール325が配置され
ている。
【0192】これらのオイルシール321、325によ
って、デフキャリヤ37とカップリング301との間に
大気室107が形成されており、オイルシール321は
大気室107を大気から区画し、オイルシール325は
大気室107をキャリヤ本体39の部分に封入されてい
る潤滑用オイルから遮断している。
【0193】又、コンパニオンフランジ131のハブ部
319にはダストカバー327が取り付けられている。
ダストカバー327の先端は、フロントカバー41に形
成された凹部329に貫入しており、コンパニオンフラ
ンジ131とフロントカバー41の先端部との間を覆っ
て、走行中に飛来する障害物とオイルシール321との
衝突を防止し、オイルシール321を保護する。
【0194】シールリング75とXリング127とによ
って回転ケース45の内部に形成された密封空間には、
ケース65の側壁部305に設けられたオイル供給流路
331からオイルが注入される。このオイル供給流路3
31はオイルを注入した後密封ボール333を圧入して
シールされている。
【0195】このオイルによって、ベアリング123、
149、カムリング53の内周とインナーシャフト47
の外周との摺動面、ボールカム55、コントロールクラ
ッチ51、メインクラッチ49などが潤滑され、冷却さ
れる。
【0196】インナーシャフト47には、同軸孔335
によって容量増大空間173が形成されている。この容
量増大空間173には、封入オイルや空気が収容され
る。
【0197】又、同軸孔335はケース65の側壁部3
05側に開口しており、この側壁部305との間に回転
ケース45の密封空間と容量増大空間173とを連通す
る連通流路337が形成されている。
【0198】容量増大空間173のオイルは、カップリ
ング301の遠心力により、この連通流路337からベ
アリング125の隙間を通って回転ケース45の密封空
間に送られ、密封空間のオイル容量を増加させて、密封
空間内部の潤滑効果と冷却効果とを大きく向上させる。
【0199】又、インナーシャフト47の同軸孔335
は、上記のように開口しているから、例えば、ドリルに
よって容易に加工することができる。
【0200】電磁石61を励磁すると、アーマチャ59
によってコントロールクラッチ51が押圧され、ボール
カム55によってメインクラッチ49が押圧され、カッ
プリング301が連結される。
【0201】カップリング301が連結されると車両は
四輪駆動状態になり、悪路などの走破性や車体の安定性
が向し、励磁電流によってカップリング301から後輪
27、29に伝達されるトルクを調整すると、旋回走行
中の車両の操縦性や安定性などが向上する。
【0202】又、電磁石61の励磁を停止すると、カッ
プリング301の連結が解除され、車両は二輪駆動状態
になる。
【0203】こうして、カップリング301が構成され
ている。
【0204】カップリング301は、電磁石61をフロ
ントカバー41の開口317付近に配置したから、放熱
効果と、外気による冷却作用とによって電磁石61が冷
却される。
【0205】又、デフキャリヤ37の内部でリヤデフ2
1、221と反対側に配置された電磁石61は、リヤデ
フ21、221からの熱を受けにくい。
【0206】これらの理由によって、電磁石61は温度
の変動が小さくなり、コントロールクラッチ51を吸引
する励磁電流が安定し、カップリング301の伝達トル
ク制御特性を安定させるから、車両の悪路走破性、車体
の安定性、旋回操縦性などが大きく向上する。
【0207】又、エンジン3、201の駆動力をインナ
ーシャフト47に入力させることによって、回転ケース
45側のフランジ部材303をトルク伝達経路にし、前
側ロータ63をトルク伝達経路から除外した。
【0208】こうして、強度上の要求から解放された前
側ロータ63と、磁気透過性の要求から解放されたフラ
ンジ部材67は、過大な要求から解放され、磁気透過性
や強度などの要求に従ってそれぞれの材質を選定するこ
とが可能になり、カップリング301は性能がそれだけ
向上すると共に、高価な材質の部材を用いないですむか
ら、低コストに実施できる。
【0209】又、回転ケース45は、アンギュラーコン
タクトベアリング307、309に支持されることによ
って、径方向と軸方向の両方で適正に位置決めされる。
【0210】又、回転ケース45のスラスト力は、ドラ
イブピニオンシャフト91用の容量の大きなこれらのベ
アリング307、309に負荷される。
【0211】従って、カップリング301は、径方向と
軸方向の両方で位置が安定し、振動や周辺部材との干渉
などが防止され、高い性能が維持されると共に、耐久性
が大きく向上する。
【0212】又、他の位置決め手段が不要であるから、
それだけ低コストに構成できる。
【0213】又、回転ケース45の後端部を支承するた
めの専用ベアリングが不要になり、部品点数がそれだけ
減って、低コストになる。
【0214】又、この専用ベアリングのためにベアリン
グハウジングをデフキャリヤ321に形成する必要があ
る従来例に較べて、ベアリングハウジングの加工個所が
減少するから、デフキャリヤ37は形状が簡易になり、
低コストになる。
【0215】又、オイルシール321、325によって
大気室107を形成し、大気室107を大気から区画す
ると共に、キャリヤ本体39に封入されているオイルか
ら遮断した。
【0216】そこで、大気室107に冷却流体を封入す
れば、その冷却効果によって電磁石の温度変動が更に小
さくなり、カップリング301の伝達トルク制御特性が
安定する。
【0217】又、大気室107に磁性流体を封入し、電
磁石61と回転ケース45との間に形成されるエアギャ
ップ157をこの磁性流体で充填すれば、磁気回路の磁
気抵抗が大幅に低減される。
【0218】従って、電磁石61を小型にしてもアーマ
チャ59が充分に強く吸引されるから、カップリング3
01は大きなトルク伝達容量が得られると共に、バッテ
リの負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。
【0219】又、コンパニオンフランジ131のハブ部
319に配置されたオイルシール321と、フランジ部
材303のハブ部323に配置されたオイルシール32
5はいずれも軸状の部材上に配置されているから小径で
ある。
【0220】従って、摺動速度が小さく、摩耗しにく
く、耐久性が高い。
【0221】耐久性が高いから、大気室107に冷却流
体や磁性流体を封入することによる上記のような効果を
長期にわたって享受できる。
【0222】又、オイルシール321、325が小径で
あることによって、カップリング301はコンパクトで
軽量になり、車載性が向上する。
【0223】又、小径のオイルシール321、325は
安価である。
【0224】又、インナーシャフト47に設けた容量増
大空間173を、回転ケース45の密封空間に連通さ
せ、密封空間のオイル容量を増加させたことによって、
各クラッチ49、51などで生じる摩耗粉の蓄積や、温
度上昇によるオイルの劣化が抑制され、長期にわたって
優れた潤滑性が得られ、カップリング301の耐久性が
更に向上する。
【0225】又、各クラッチ49、51の作動に伴う密
封空間での内圧上昇も、容量増大空間173の吸収機能
によって、許容限界が高くなり、カップリング301の
伝達トルク制御特性が更に安定する。
【0226】なお、カップリング301も、第1実施形
態のカップリング1と同様に、図4の矢印185、18
7、189、191、193、195の各位置に配置可
能であり、図5の矢印231、233、235、23
7、243、245、247、249の各位置に配置可
能である。
【0227】これに加えて、カップリング301は、第
1実施形態のカップリング1の特徴を除き、これと同等
の効果を得る。
【0228】次に、図3乃至図5によってカップリング
351(本発明の第3実施形態)の説明をする。
【0229】このカップリング351は請求項1、2、
3、5、6の特徴を備えている。左右の方向は図4と図
5の各四輪駆動車の左右の方向であり、図3の左方はこ
れらの車両の前方に相当する。なお、符号を与えていな
い部材等は図示されていない。
【0230】以下、第2実施形態のカップリング301
との相違点を説明する。
【0231】図3のように、カップリング351の回転
ケース45は、前側ロータ63とケース65と後側のフ
ランジ部材353(他側の側壁)とから構成されてい
る。
【0232】フランジ部材353は、ケース65の側壁
部305に重ねた状態で、ボルト77によってケース6
5に固定されている。
【0233】又、フランジ部材353のハブ部355と
側壁部305は、互いの間に形成されたインロー部35
7によってセンタリングされている。
【0234】フランジ部材353は、ドライブピニオン
シャフト91をハブ部355にスプライン連結してトル
ク伝達経路にされており、前側ロータ63を、非磁性材
料のリング161を含めてトルク伝達経路から除外して
いる。
【0235】フランジ部材353とドライブピニオンシ
ャフト91はこのスプライン連結によって互いにセンタ
リングされている。
【0236】又、トルク伝達部材であるフランジ部材3
53には、静的強度と衝撃強度とを増すために浸炭処理
が施されている。
【0237】又、ドライブピニオンシャフト91をキャ
リヤ本体39に支承するアンギュラーコンタクトベアリ
ング307、309は、ロックナット99によってそれ
ぞれの径方向の隙間を適正に調整されてセンタリングさ
れていると共に、軸方向の移動を規制されている。
【0238】このように、回転ケース45は、ドライブ
ピニオンシャフト91を介して容量の大きいアンギュラ
ーコンタクトベアリング307、309に支持されてい
るから、径方向と軸方向の両方で適正に位置決めされ
る。
【0239】又、ロックナット99はケース65の側壁
部305とフランジ部材353との間に配置されてお
り、大気室107の内部に収容されている。
【0240】従って、ロックナット99はフランジ部材
353のハブ部355を介して各ベアリング307、3
09にスラスト力を与えて、これらのセンタリングなど
を行う。
【0241】カップリング351の他の構成は、カップ
リング301と同等である。
【0242】こうして、カップリング351が構成され
ている。
【0243】このカップリング351では、上記のよう
に、回転ケース45が、ロックナット99によりフラン
ジ部材353を介してドライブピニオンシャフト91に
固定されている。
【0244】このように、アンギュラーコンタクトベア
リング307、309による回転ケース45の径方向と
軸方向の位置決めが更に強固になると共に、回転ケース
45のスラスト力は大きなベアリング307、309に
効果的に負荷される。
【0245】従って、カップリング351は、径方向と
軸方向の両方で位置が更に安定し、振動や周辺部材との
干渉等が防止され、高い性能が維持されると共に、耐久
性が大きく向上する。
【0246】これに加えて、カップリング351は、第
1と2実施形態のカップリング1、301のそれぞれの
特徴を除き、これらと同等の効果を得る。
【0247】なお、請求項1の発明は、各実施形態(請
求項2の発明)のようにカムによってクラッチの連結操
作力を増幅するカップリングではなく、電磁石によって
操作されるクラッチで一対のトルク伝達部材の連結を断
続するカップリングであり、エンジンの駆動力が軸状ト
ルク伝達部材に入力するように構成したこと及び電磁石
を変速機構の反対側に配置したことによって、各実施形
態と同様の効果を得る。
【0248】又、本発明において、変速機構はデファレ
ンシャル装置に限らず、図4と図5に指示されているよ
うに、トランスファでもよい。
【0249】又、変速機構はデファレンシャル装置やト
ランスファ以外の変速機構(動力伝達装置)でもよい。
【0250】又、本発明のカップリングは、図4、図5
におけるプロペラシャフト19、219(トルク伝達
軸)上にこれらを分断するように配置し、静止側ケーシ
ングを、ゴム、バネ、粘性ダンパなどを介して車体フレ
ーム側に取り付け、固定してもよい。
【0251】又、ケース状トルク伝達部材の側壁部(第
2、3実施形態でのケース65の側壁部305)は、ケ
ース状トルク伝達部材と一体に形成せずに、例えば、ケ
ース状トルク伝達部材を閉塞する蓋部材のように、ケー
ス状トルク伝達部材と別体にしてもよい。
【0252】又、静止側ケーシング(特にカバー)につ
いては、プレス成型した板金製のものを用いて軽量化
し、更に、波状部のような凹凸部を形成することによっ
て放熱性を向上させることもできる。
【0253】又、本実施形態における空気室107を、
カバー41又はキャリヤ本体39にブリーザパイプを配
置し、外気との圧力調整を行うことも可能である。
【0254】
【発明の効果】請求項1のカップリングは、電磁石がカ
バーの端部付近に配置されているから、放熱効果と、外
気による冷却作用とによって効果的に冷却されると共
に、変速機構の反対側に配置された電磁石は、変速機構
からの熱を受けにくい。
【0255】従って、電磁石は温度の変動が小さくな
り、励磁電流が安定するから、カップリングは安定した
伝達トルクの制御特性が得られる。
【0256】又、例えばエンジンの駆動力など、トルク
伝達軸を軸状トルク伝達部材に連結させることにより、
磁気回路の一部になるケース状トルク伝達部材の一側側
壁と、トルク伝達経路になるケース状トルク伝達部材の
他側部材は、過大な要求から解放され、磁気透過性や強
度などの要求に従ってそれぞれの材質を選定することが
可能になり、性能がそれだけ向上すると共に、高価な材
料を用いなくてすむから、低コストになる。
【0257】請求項2のカップリングは、電磁石をカバ
ーの端部付近に配置すると共に、エンジンの駆動力を軸
状トルク伝達部材に入力させることによって、請求項1
のカップリングと同等の効果を得る。
【0258】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
のいずれかと同等の効果を得ると共に、ケース状トルク
伝達部材を変速機構の連結軸用のベアリングによって静
止側ケーシングに支承したから、ケース状トルク伝達部
材の専用ベアリングが不要になり、部品点数が減って、
低コストになる。
【0259】又、専用ベアリングのためのベアリングハ
ウジングを加工しなくてすむから、静止側ケーシング
は、加工個所がそれだけ減少して形状が簡易になり、低
コストになる。
【0260】更に、連結軸用の容量の大きなベアリング
で、カップリングのスラスト力を受けることができるか
ら、カップリングは軸方向位置と性能が更に安定し、耐
久性が向上する。
【0261】請求項4の発明は、請求項1又は請求項2
のいずれかと同等の効果を得ると共に、ケース状トルク
伝達部材をベアリングによって静止側ケーシングに支承
したことにより、軸方向と径方向の両方で正確に位置決
めされるから、カップリングは性能が更に安定し、耐久
性が向上する。
【0262】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のいずれかと同等の効果を得ると共に、シールによって
カップリングの周囲に形成した空間に冷却流体を封入す
れば、その冷却効果によって電磁石の温度変動が更に小
さくなり、空間に磁性流体を封入すれば、磁気回路の磁
気抵抗が大幅に低減される。
【0263】又、各シールは小径で摺動速度が遅く、耐
久性が大きいから、空間に冷却流体や磁性流体を封入す
ることによる効果を長期にわたって享受できる。
【0264】又、各シールが小径であるから、カップリ
ングもそれだけコンパクトで軽量にになり、車載性が向
上する。
【0265】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
のいずれかと同等の効果を得ると共に、容量増大空間を
密封空間に連通させ、密封空間のオイル容量を増加させ
たことにより、オイルの劣化が抑制され、長期にわたっ
て優れた潤滑性が得られ、カップリングの耐久性が向上
する。
【0266】又、容量増大空間の吸収機能により、クラ
ッチの作動に伴うカップリングの内圧上昇の許容限界が
高くなり、カップリングの伝達トルク制御特性が更に安
定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のカップリングを示す断面図であ
る。
【図2】第2実施形態のカップリングを示す断面図であ
る。
【図3】第3実施形態のカップリングを示す断面図であ
る。
【図4】各実施形態のカップリングを用いた四輪駆動車
の動力系を示すスケルトン機構図である。
【図5】各実施形態のカップリングを用いた他の四輪駆
動車の動力系を示すスケルトン機構図である。
【図6】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、301、351 カップリング 19 プロペラシャフト(トルク伝達軸) 21、221 リヤデフ(変速機構) 37 デフキャリヤ(静止側ケーシング) 39 キャリヤ本体(静止側ケーシングの本体) 41 フロントカバー(静止側ケーシングのカバー) 45 回転ケース(ケース状トルク伝達部材) 47 インナーシャフト(軸状トルク伝達部材) 49 多板式のメインクラッチ 51 多板式のコントロールクラッチ 55 ボールカム(カム) 59 アーマチャ 61 電磁石 63 前側ロータ(ケース状トルク伝達部材の一側の側
壁部分:磁気回路の一部を構成し、トルク伝達経路から
除外された部分) 67、303、353 フランジ部材(ケース状トルク
伝達部材の他側の側壁部分:トルクを伝達し、磁気回路
から除外された部分) 81 電磁石のコアを介して回転ケースをデフキャリヤ
のフロントカバーに支承するベアリング 83 電磁石のコア 85 デフキャリヤとの間で回転ケースを支承するベア
リング 91 ドライブピニオンシャフト(変速機構側の連結
軸) 109、317 開口(フロントカバーの貫通部) 173 インナーシャフトに設けられた容量増大空間 179 螺旋状の油路(連通流路) 305 側壁部(ケース状トルク伝達部材を閉止する側
壁) 307、309 アンギュラーコンタクトベアリング
(変速機構の連結軸を介してケース状トルク伝達部材を
静止側ケーシングに支承するベアリング) 321、325 小径のオイルシール(シール) 337 連通流路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング本体と、これに固定されたカ
    バーとを有し、変速機構を潤滑オイルと共にケーシング
    本体側に収容する静止側ケーシングに収容されたカップ
    リングであって、 ケース状トルク伝達部材と、このケース状トルク伝達部
    材に貫入した軸状トルク伝達部材と、これら両トルク伝
    達部材の間に配置されたクラッチと、ケース状トルク伝
    達部材の外部から磁力によってアーマチャを移動させク
    ラッチを押圧して連結させる電磁石とを備え、 静止側ケーシングのカバー側に収容されていると共に、 軸状トルク伝達部材が、一側でカバーを貫通し、外部で
    トルク伝達軸に連結されており、電磁石のコアが、この
    貫通部付近でカバーに支持されており、ケース状トルク
    伝達部材が、一側でベアリングと電磁石のコアとを介し
    てカバーに支持され、他側で変速機構側の連結軸に連結
    されていることを特徴とするカップリング。
  2. 【請求項2】 ケーシング本体と、これに固定されたカ
    バーとを有し、変速機構を潤滑オイルと共にケーシング
    本体側に収容する静止側ケーシングに収容されたカップ
    リングであって、 ケース状トルク伝達部材と、このケース状トルク伝達部
    材に貫入した軸状トルク伝達部材と、これら両トルク伝
    達部材の間に配置されたメインクラッチと、ケース状ト
    ルク伝達部材の外部から磁力によってアーマチャを移動
    させる電磁石と、このアーマチャに押圧されて連結する
    コントロールクラッチと、コントロールクラッチが連結
    されると両トルク伝達部材間の伝達トルクを受けて作動
    しメインクラッチを連結させるカムとを備え、 静止側ケーシングのカバー側に収容されていると共に、 軸状トルク伝達部材が、一側でカバーを貫通し、外部で
    トルク伝達軸に連結されており、電磁石のコアが、この
    貫通部付近でカバーに支持されており、ケース状トルク
    伝達部材が、一側でベアリングと電磁石のコアとを介し
    てカバーに支持され、他側で変速機構側の連結軸に連結
    されていることを特徴とするカップリング。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、変速機構側の連結軸が、ベアリングを介して静止側
    ケーシングに支承されており、ケース状トルク伝達部材
    の他側が、これらの連結軸とベアリングとを介して静止
    側ケーシングに支承されていることを特徴とするカップ
    リング。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、ケース状トルク伝達部材の他側が、ベアリングを介
    して静止側ケーシングに支承されていることを特徴とす
    るカップリング。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    記載の発明であって、軸状トルク伝達部材とカバーとの
    間、及び、変速機構側の連結軸とケーシング本体との間
    にそれぞれ配置されたシールによって、変速機構側及び
    大気側の両方から区画された空間が、周囲に形成されて
    いることを特徴とするカップリング。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の発明であって、ケース状トルク伝達部材の他側を
    閉止する側壁と、ケース状トルク伝達部材と軸状トルク
    伝達部材の間の一側に配置されたシールとによって形成
    された密封空間にオイルが封入されており、軸状トルク
    伝達部材に、他側で前記側壁に向かって開口する容量増
    大空間が設けられ、連通流路によって容量増大空間を密
    封空間に連通させたことを特徴とするカップリング。
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