JP4704714B2 - トルク伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のトルク伝達装置に関する。
従来のこの種のトルク伝達装置としては、例えば図13に示すようなものがある。図13は、従来のトルク伝達装置を示す断面図である。図13のように、トルク伝達装置301は、トルク伝達カップリング303及びトルク伝達カップリング303にドライブピニオンシャフト305を介して結合される図外のリヤデファレンシャル装置を備えている。
前記トルク伝達カップリング303及びリヤデファレンシャル装置は、デフキャリヤ307に収容支持されている。前記ドライブピニオンシャフト303は、支持ベアリングである一対のテーパーローラーベアリング309及びこのテーパーローラーベアリング309に間隔を置いて配置された図示しないテーパーローラーベアリングにより前記デフキャリヤ307の軸支時部310に回転自在に支持されている。
前記トルク伝達カップリング303の端部311とデフキャリヤ307との間に、シール313が介設されている。トルク伝達カップリング301の中空のシャフト315には、壁部317が設けられている。これらシール313及び壁部317により、デフキャリヤ307が、トルク伝達カップリング301側の空間319及びリヤデファレンシャル装置側の空間321に区画形成されている。
従って、前記テーパーローラーベアリング309及びこのテーパーローラーベアリング309に間隔を置いて配置された図示しないテーパーローラーベアリングが配置された空間は、共にデファレンシャル装置側の空間321となっており、両テーパーローラーベアリングは、デファレンシャル装置側の潤滑オイルにより潤滑することができる。
しかしながら、テーパーローラーベアリング309周辺の空間は、軸支時部310及びドライブピニオンシャフト305間の狭く軸方向に長い空間及び他のテーパーローラーベアリングを介してリヤデファレンシャル装置側の主空間に連通する構成であるため、テーパーローラーベアリング309の潤滑が不十分になり易かった。
特開平11−153159号公報
解決しようとする問題点は、間隔を置いて配置されたベアリングの潤滑が不十分となり易い点である。
本発明は、ベアリングの潤滑を容易とするため、キャリヤに、前記トルク制御手段及びデファレンシャル装置間を区画してトルク制御手段側の空間及びデファレンシャル装置側の空間を区画形成可能とする区画壁を設け、回転部材の一方を、前記区画壁の内周に軸方向に間隔を置いて配置された一対のベアリングにより回転自在に支持し、前記一対のベアリング間に、前記回転部材の一方及び区画壁の外内周間を封止する区画シールを設けたトルク伝達装置であって、前記キャリヤは、前記デファレンシャル装置を収容するデフキャリヤ及び前記トルク制御手段を収容するキャリヤカバーとを備えて前記デファレンシャル装置及びトルク制御手段間の合わせ面で結合したものであり、前記区画壁は、前記一対のベアリングを支持し先端側が前記合わせ面よりもキャリヤカバー側に突出している筒状の軸受ハウジングを備え、前記回転部材の一方に、前記軸受ハウジングの先端外で前記キャリヤカバー側に突出配置され前記ベアリングに軸方向力を付与するナットを締結し、前記回転部材の一方は、前記デフキャリヤ内で前記デファレンシャル装置との間のトルク伝達を行わせるピニオンギヤを備え、前記キャリヤカバー側に突出している軸受ハウジングの先端側は、前記一対のベアリングのうち前記区画壁からより離間したベアリング側であることを特徴とする。
本発明のトルク伝達装置は、キャリヤに、前記トルク制御手段及びデファレンシャル装置間を区画してトルク制御手段側の空間及びデファレンシャル装置側の空間を区画形成可能とする区画壁を設け、回転部材の一方を、前記区画壁の内周に軸方向に間隔を置いて配置された一対のベアリングにより回転自在に支持し、前記一対のベアリング間に、前記回転部材の一方及び区画壁の外内周間を封止する区画シールを設けたトルク伝達装置であって、前記キャリヤは、前記デファレンシャル装置を収容するデフキャリヤ及び前記トルク制御手段を収容するキャリヤカバーとを備えて前記デファレンシャル装置及びトルク制御手段間の合わせ面で結合したものであり、前記区画壁は、前記一対のベアリングを支持し先端側が前記合わせ面よりもキャリヤカバー側に突出している筒状の軸受ハウジングを備え、前記回転部材の一方に、前記軸受ハウジングの先端外で前記キャリヤカバー側に突出配置され前記ベアリングに軸方向力を付与するナットを締結し、前記回転部材の一方は、前記デフキャリヤ内で前記デファレンシャル装置との間のトルク伝達を行わせるピニオンギヤを備え、前記キャリヤカバー側に突出している軸受ハウジングの先端側は、前記一対のベアリングのうち前記区画壁からより離間したベアリング側である。このため、前記一対のベアリングを、トルク制御手段側の空間の潤滑環境下及びデファレンシャル装置側の空間の潤滑環境下により各別に潤滑することが可能となる。また、区画シール配置のための特別なスペースを設ける必要が無く、スペース的に有利な構造となる。前記回転部材の一方に、前記ベアリングに軸方向力を付与するナットを締結したため、軸方向の位置決めを確実に行わせることができる。
前記トルク制御手段側の空間とデファレンシャル装置側の空間とに、それぞれ異なる潤滑剤を封入した場合は、一対のベアリングを、トルク制御手段側の空間の潤滑環境下及びデファレンシャル装置側の空間の潤滑環境下で各別に異なる適した潤滑剤により的確に潤滑することが可能となる。
前記区画シールの外周径が、前記デファレンシャル装置側のベアリングの外周径よりも小径に形成され、区画シール及びベアリングを、前記デファレンシャル装置側から組み付けるた場合は、組み込みを確実且つ容易に行わせることができる。
前記ベアリングの軸方向間に、前記区画シールの内周を摺接させる筒状部材を介設した場合は、一対のベアリングの軸方向間隔を確実に確保し、一方の回転部材の回転支持を確実に行わせることができる。ベアリングによる回転部材の圧入痕等に係わらず、区画シールの摺動面を筒状部材により確保することができ、確実なシールを行わせることができる。
ベアリングの潤滑を十分に行い易くするという目的を、部品点数を増大することなく実現した。
図1〜図4は本発明の実施例1に係り、図1はトルク伝達装置の配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図、図2はトルク伝達装置の断面図であり、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図、図3は要部の拡大断面図、図4はトルク伝達装置の一部を断面にした側面図である。
図1のように、トルク伝達装置1は、横置きフロントエンジン、フロントドライブベース(FFベース)の四輪駆動車のリヤ側に配置されている。
前記トルク伝達装置1は、トルク伝達カップリング3及びトルク伝達カップリング3にドライブピニオンシャフト5を介して結合されるリヤデファレンシャル装置7を備えている。トルク伝達カップリング3は、回転軸9に結合され、回転軸9及びドライブピニオンシャフト5間のトルク伝達を制御する。トルク伝達カップリング3及びリヤデファレンシャル装置7は、キャリヤ11に収容支持されている。
従って、回転部材(回転軸9及びドライブピニオンシャフト5)間のトルク伝達を制御するトルク制御手段(トルク伝達カップリング3)と、前記回転部材(回転軸9及びドライブピニオンシャフト5)の一方(ドライブピニオンシャフト5)にトルク伝達可能に結合されるデファレンシャル装置(リヤデファレンシャル装置7)と、前記トルク制御手段(トルク伝達カップリング3)及びデファレンシャル装置(リヤデファレンシャル装置7)を収容支持するキャリヤ11とを備えた構成となっている。
前記キャリヤ11は、デフキャリヤ13及びキャリヤカバー15からなっている。前記リヤデファレンシャル装置7は、デフキャリヤ13内に配置され、トルク伝達カップリング3は、キャリヤカバー15内に配置されている。
前記トルク伝達カップリング3は、一端側の回転軸9が前記キャリヤカバー15の一端のボス部17から突出してユニバーサルジョイント18に結合されている。前記ドライブピニオンシャフト5には、ドライブピニオンギヤ19が備えられ、このドライブピニオンギヤ19にリヤデファレンシャル装置7のリングギヤ20が噛み合っている。リヤデファレンシャル装置7は、左右のアクスルシャフト21,23を介して、左右の後輪25,27に連動連結されている。
前記回転軸9は、前記ユニバーサルジョイント18を介してプロペラシャフト5に接続されている。プロペラシャフト5は、ユ二バーサルジョイント28を介してトランスファ29の出力軸31に連動連結されている。出力軸31は、トランスファ29内において、傘歯車33,35、伝動軸37、平歯車39,41に連動構成されている。平歯車41は、フロントデファレンシャル装置43のデフケース45に連動構成されている。
前記フロントデファレンシャル装置43のリングギヤ47には、原動機の一つである内燃機関としてのエンジン49の出力がトランスミッション51を介して入力されるようになっている。前記フロントデファレンシャル装置43は、左右のアクスルシャフト53,55を介して、左右の前輪57,59に連動連結されている。
従って、エンジン49の出力トルクは、トランスミッション51からフロントデファレンシャル装置43のリングギヤ47に伝達され、フロントデファレンシャル装置43から左右のアクスルシャフト53,55を介して左右の前輪57,59に伝達される。
また、フロントデファレンシャル装置43のデフケース45から、トランスファ29の平歯車41,39、伝動軸37、傘歯車35,33、出力軸31を介して、プロペラシャフト5へトルク伝達が行われる。プロペラシャフト5からは、トルク伝達カップリング3の回転軸9にトルク伝達が行われる。
前記トルク伝達カップリング3が、トルク伝達可能状態となっていれば、ドライブピニオンシャフト5からドライブピニオンギヤ19を介して、リヤデファレンシャル装置7のリングギヤ20にトルク伝達が行われる。リヤデファレンシャル装置7からは、左右のアクスルシャフト21,23を介して左右の後輪25,27にトルク伝達が行われる。
従って、トルク伝達カップリング3がトルク伝達状態に制御されていれば、左右の前輪57,59、左右の後輪25,27によって四輪駆動状態で走行することができる。
なお、「トルク伝達状態に制御される」とは、トルク伝達カップリング3が少なくとも2つのトルク伝達機能としての遮断と接続とを持ち、この内接続状態とされることを意味する。さらに接続状態とは、一つのトルク伝達値又は複数のトルク伝達値(すなわち中間制御)の何れであっても良い。
前記トルク伝達カップリング3がトルク遮断状態となっているときは、左右の後輪21,23へのトルク伝達は行われず、左右の前輪57,59へのトルク伝達によって二輪駆動状態での走行を行うことができる。
前記トルク伝達装置1の詳細は図2〜図4のようになっている。
前記トルク伝達カップリング3からトルク入力を受けるリヤデファレンシャル装置7は、デフケース61内に左右のサイドギヤ63,65、ピニオンギヤ67を備えている。サイドギヤ63,65とピニオンギヤ67とは噛み合っており、ピニオンギヤ67はピニオンシャフト69によってデフケース61に回転自在に支持されている。
前記リングギヤ20は、ボルト69によって前記デフケース61に締結固定されている。デフケース61は、ボールベアリング71,73によってデフキャリヤ9に回転自在に支持されている。デフキャリヤ13の一側に区画壁75が一体形成されている。区画壁75により、トルク伝達カップリング3側の空間76及びデファレンシャル装置側の空間77を区画形成している。
従って、前記キャリヤ11に、前記トルク制御手段(トルク伝達カップリング3)及びデファレンシャル装置(リヤデファレンシャル装置7)間を区画してトルク制御手段(トルク伝達カップリング3)側の空間76及びデファレンシャル装置(リヤデファレンシャル装置7)側の空間77を形成する区画壁75を設けた構成となっている。
なお、上記したリヤデファレンシャル装置7は、本発明において差動ギヤ63,65,67に特徴を持つものではなく、駆動トルクを伝達する機能を有するものであれば形式はとらわれない。本発明においては、「デファレンシャル装置」は、むしろ回転部材と連結する「駆動トルク伝達装置」として広い意味で解釈できるものとする。
前記区画壁75の内周には、軸受ハウジング78が一体に設けられている。軸受ハウジング78は、筒状に形成され、基端側が前記区画壁75に一体に結合され、先端側がキャリヤカバー15側に突出している。
前記軸受ハウジング78の内周には、軸受孔79,80及びシール孔81が設けられている。シール孔81は、軸受孔79,80間に設けられている。シール孔81は、一方の軸受孔79よりも小径に形成され、軸受孔79,シール孔81の順にデフキャリヤ13側の空間77から段付き形成されている。軸受孔79は、軸受ハウジング78の基部側(区画壁75側)の端部からストレートに形成されている。他方の軸受孔80及びシール孔81間には、突当壁82が設けられている。軸受孔80は、シール孔81と同径に形成され、軸受ハウジング78の先端(空間76側)からストレートに形成されている。
前記区画壁75の上部側には、凹部83が設けられている。凹部83は、前記キャリヤカバー15側に開放されている。凹部83の奥側上部にブリーザ84が取り付けられている。
前記デフキャリヤ13には、前記区画壁75側において外周囲に突き当て用のフランジ85及び締結用の突部86が設けられている。フランジ85は周回状に設けられ、突部86は所定間隔で複数、例えば4個所に設けられている。フランジ85、突部86に渡ってその端面に合わせ面87が設けられている。合わせ面87の内周側において、区画壁75にはスペーサ支持用の突条部89が周回状に設けられている。
前記キャリヤカバー15は、一端側内周部に前記ボス部17を備えると共に、他端側に突き当て用のフランジ91及び締結用の突部93が設けられている。フランジ91は周回状に設けられ、突部93は前記デフキャリヤ13の突部86に対応して周方向に例えば4個所に設けられている。フランジ91、突部93に渡ってその端面に合わせ面95が設けられている。
前記キャリヤカバー15は、その合わせ面95が前記デフキャリヤ13の合わせ面87に液状又は所定厚を持った板状ガスケットを介して突き当てられ、ボルト97によって突部93をデフキャリヤ13の突部86に締結することによって内部空間を密封するように取り付けられている。
前記キャリヤカバー15内は、前記デフキャリヤ13の凹部83に連通し前記ブリーザ84を介して外部との通気が可能となっている。キャリヤカバー15は、軸受ハウジング78の周囲すなわち後述する軸受周囲を覆い、デフキャリヤ13に対し区画される構成となっている。
前記回転軸9は、キャリヤカバー15のボス部17にシールベアリング99を介して回転自在に支持されている。シールベアリング99の外周において、キャリヤカバー15側に切欠101が設けられている。回転軸9の外端部には、フランジ部材103がスプライン係合によって取り付けられている。フランジ部材103は、ナット105により回転軸9に固定されている。フランジ部材103とキャリヤカバー15のボス部17との間には、シール107が設けられ、キャリヤカバー15の内部空間を密封している。シール107には、前記切欠101を介しキャリヤカバー15内のオイルが流通するようになっている。シール107の外側は、ダストカバー109で覆われている。ダストカバー109は、前記フランジ部材103に固定されている。
前記回転軸9の内端部側には、スチール系の磁性ロータ111が一体に設けられている。磁性ロータ111には、ステンレス系の非磁性リング113が周回状に一体的に設けられている。磁性ロータ111の内周側において回転軸9端面に凹部115が設けられている。
前記ドライブピニオンシャフト5は、前記軸受ハウジング78に軸方向に間隔をおいて配置された一対の支持ベアリングとしてのテーパーローラーベアリング117,119によって回転自在に支持されている。テーパーローラーベアリング117は、前記軸受ハウジング78の軸受孔80に圧入され、テーパーローラーベアリング119は、前記軸受ハウジング78の軸受孔79に圧入されている。
従って、前記回転部材の一方(ドライブピニオンシャフト5)を、前記区画壁75の内周に軸方向に間隔を置いて配置された一対のベアリング(テーパーローラーベアリング117,119)により回転自在に支持した構成となっている。
前記テーパーローラーベアリング117,119間には、区画シールの内周を摺接させる筒状部材としてシールスライドリング121が介設されている。テーパーローラーベアリング117,119間において、シールスライドリング121と軸受ハウジング78との間に区画シールとしてオイルシール123が設けられている。オイルシール123の外周径は、デファレンシャル装置7側のテーパーローラーベアリング119の外周径よりも小径に形成され、軸受ハウジング78のシール支持孔81に圧入されている。オイルシール123の内周は、前記シールスライドリング121に接している。
従って、前記一対のテーパーローラーベアリング117,119間に、前記回転部材の一方(ドライブピニオンシャフト5)及び区画壁75の外内周間を封止する区画シール(オイルシール123)を設けた構成となっている。
前記オイルシール123及び区画壁75により、前記キャリヤカバー15側の内部空間は、デフキャリヤ13側の内部空間に対し密封状に区画され、前記トルク伝達カップリング3側の空間76とデファレンシャル装置7側の空間77とが区画形成されている。
前記空間76には、潤滑剤として例えばトランスミッションオイル、オートマチックトランスミッションオイル等、トルク伝達カップリング3に適したオイルが収容され、空間77には、潤滑剤として例えばギヤオイルが収容されている。
従って、トルク制御手段(トルク伝達カップリング3)側の空間76とデファレンシャル装置7側の空間77とに、それぞれ異なる潤滑剤を封入した構成となっている。
前記トルク伝達カップリング3は、前記キャリヤカバー15内に収容配置されている。トルク伝達カップリング3は、クラッチハブ127及びカップリングケース129と、断続部の一例としてのインクラッチ131と、アクチュエータとしての電磁石133とを主に備えている。
前記クラッチハブ127及びカップリングケース129は、内回転部材及び外回転部材を構成している。前記メインクラッチ131は、電磁力に起因した締結力により前記クラッチハブ127及びカップリングケース129間のトルク伝達を行う断続部を構成し、本実施形態において摩擦多板クラッチで構成されている。
前記クラッチハブ127は、小径部135及び大径部139からなる段付きの円筒状に形成されている。クラッチハブ127は、前記小径部135が前記ドライブピニオンシャフト5の端部にスプライン嵌合によって回転係合し、連動回転可能となっている。小径部135は、非磁性材又は低磁性材の性質を持ち、磁性ロータからの磁力線の透過を抑制するブッシュ136を介して磁性ロータ111の内周面に嵌合し、相互に相対回転自在に支持する構成となっている。
前記ドライブピニオンシャフト5の端部には、締結具としてナット137が締結されている。ナット137の締結によってクラッチハブ127の小径部135がテーパーローラーベアリング117に対して締結されている。この締結によって、クラッチハブ127がドライブピニオンシャフト5に固定され、且つテーパーローラーベアリング117,119に予圧(プリロード)が付与される。
従って、前記回転部材(回転軸9、ドライブピニオンシャフト5)の一方(ドライブピニオンシャフト5)に、前記テーパーローラーベアリング117,119に軸方向力を付与するナット137を締結した構成となっている。
前記ナット137の外周側と磁性ロータ111の内周面との間には、磁力線の透過を抑制する隙間が確保されている。
前記クラッチハブ127の大径部139は、半径方向外側に拡がる連結部138を介して前記軸受ハウジング78の外周に配置され、回転軸芯に沿った方向でオーバーラップする。大径部139には、外周面にスプライン140が設けられ、且つ半径方向に貫通する油孔141が設けられている。油孔141は、周方向に複数及び回転軸心に沿った方向に複数設けられている。クラッチハブ127には、小径部135と大径部139との中間部、すなわち連結部138において、回転軸心に沿った方向の油孔143が設けられている。クラッチハブ127の大径部139には、その大径部139のスプライン140にメインクラッチ131のインナープレートがスプライン係合している。
前記カップリングケース129は、アルミパイプ材等によって円筒形状に形成されている。この場合には、トルク伝達時のアウタープレートとの係合強度が成立するようにアルミ材の種々の合金成分の調合を的確に行うかスプライン部に熱処理を行い表面硬度を向上させている。他にカップリングケース129は、スチール材を用い高強度で薄肉化を図る設定や、膨張材を用いて軽量且つアルミ材と同様磁束漏れ抑制を図る設定も考えられる。
前記カップリングケース129の内周面には、インナースプライン145が設けられている。インナースプライン145に、前記メインクラッチ131のアウタープレートがスプライン係合している。カップリングケース129には、前記油孔141に対応して油孔147が貫通形成されている。油孔147は、回転軸心に沿った方向及び周方向に複数形成されている。カップリングケース129の一端側内周に受圧ストッパ149が設けられている。受圧ストッパ149は、メインクラッチ131の押圧力を受ける。
前記磁性ロータ111は、前記カップリングケース129の他端側にスプライン係合している。カップリングケース129の他端側内周には、磁性ロータ111に隣接してストッパ151が設けられ、後述するカム機構163によって発生するカム反力を受け止めている。
前記電磁石133は、摩擦係合部である前記メインクラッチ131を締結するための締結力を発生させるアクチュエータを構成し、ボルト153によってキャリヤカバー15内に固定されている。電磁石133は、リード線155を介してコネクタ157に接続されている。コネクタ157は、グロメット159を介してキャリヤカバー15に支持されている。電磁石133は、コネクタ157がコントローラに接続されることによって、通電制御が行われるようになっている。電磁石133は、前記磁性ロータ111に対し内外周に半径方向に沿ったエアギャップをもって配置されている。電磁石133は、凹部115内に収容されたナット137の外周に回転軸芯に沿った方向でオーバーラップするように配置されている。
前記磁性ロータ111と前記メインクラッチ131との間には、メインクラッチ131等と共にトルク伝達カップリング3を構成するパイロットクラッチ161及びカム機構163が設けられている。
前記パイロットクラッチ161のアウタープレートは、前記カップリングケース129のインナースプライン145にスプライン係合している。パイロットクラッチ161に隣接して、アーマチャ165が設けられている。アーマチャ165は、前記電磁石133の磁力によって引き付けられ、パイロットクラッチ161を磁性ロータ111に対し締結する構成となっている。
前記カム機構163は、カムプレート167、押圧プレート169、カムボール171からなっている。カムプレート167は、前記クラッチハブ127の小径部135外周面に相対回転自在に支持されている。カムプレート167の背面は、ニードルベアリング173を介して磁性ロータ111側に支持されている。カムプレート167の外周に、前記パイロットクラッチ161のインナープレートがスプライン係合している。
前記押圧プレート169は、その外周部が前記メインクラッチ131の端部に対向し、カム機構163の作用によってメインクラッチ131を締結する。押圧プレート169は、クラッチハブ127の小径部135外周面にスプライン係合している。押圧プレート169には、油孔174が設けられている。油孔174は、クラッチハブ127の油孔143に対向している。
前記カムボール171は、前記カムプレート167及び押圧プレート169のカム面間に介設されている。
前記キャリヤカバー15には、図4のようにその底部にドレン口175が設けられ、端面側の上下中間部にフィラー口177が設けられている。ドレン口175には、ドレンプラグ179が着脱可能に取り付けられ、フィラー口177にはフィラープラグ181が着脱可能に取り付けられている。ドレン口175は、キャリヤカバー15内からオイルを排出するために設けられ、フィラー口177はキャリヤカバー15内にオイルを供給するために設けられている。
前記トルク伝達カップリング3の組付順序は以下の通りである。
前記デフキャリヤ13の軸受ハウジング78に、一対のテーパーローラーベアリング117,119を介しドライブピニオンシャフト5を支持する。
この場合、前記軸受ハウジング78のシール支持孔81に、空間77側からオイルシール81を圧入すると共にオイルシール81の内周にシールスライドリング121を嵌め込み、次いで、軸受孔79に、テーパーローラーベアリング119を圧入する。テーパーローラーベアリング117は、空間76側から軸受孔80に圧入する。テーパーローラーベアリング117,119の圧入によりシールスライドリング121がテーパーローラーベアリング117,119間に介設されることになる。
この状態において、ドライブピニオンシャフト5の回転軸芯が上下方向となるようにデフキャリヤ13をセットする。前記ドライブピニオンシャフト5に対してクラッチハブ127をスプライン係合させる。ナット137を締め込み、クラッチハブ127をテーパーローラーベアリング117に対して締結し、クラッチハブ127の固定を行うと共に、テーパーローラーベアリング117,119に対しプリロードを付与する。
次いで、馬蹄形状のU字スペーサ183(図3破線図示)をデフキャリヤ13の突条部89に乗せるように配置し、その上からカップリングケース129を当接させるように配置する。この状態で、メインクラッチ131、カム機構163、ニードルベアリング173、アーマチャ165、パイロットクラッチ161を組み付ける。
次いで、磁性ロータ111及び回転軸9を組み付ける。カップリングケース129にストッパ151を取付た後、前記スペーサ83を横方向から抜き取る。
次いで、電磁石133を固定したキャリヤカバー15を組み付け、その合わせ面95をデフキャリヤ13側の合わせ面87に突き合わせ、突部93を突部86にボルト97によって締結し、デフキャリヤ13に対しキャリヤカバー15を固定する。
次いで、回転軸9の端部にフランジ部材103を、シール107、ダストカバー109と共に取り付け、ナット105で締結してフランジ部材103を回転軸9に固定する。
次に作用を説明する。
前記電磁石133が通電制御されておらずメインクラッチ131が締結されていないとき、トルク伝達カップリング3はトルク伝達状態にはない。このとき、プロペラシャフト5から回転軸9にトルクが伝達されても、回転軸9から磁性ロータ111、カップリングケース129へと伝達されたトルクは、メインクラッチ131で遮断され、回転軸9からドライブピニオンシャフト5へトルク伝達が行われることはない。従って、前記のように前輪57,59での二輪駆動走行を行うことができる。
前記電磁石133が通電制御されると、電磁石133と磁性ロータ111との間のエアギャップを介して、電磁石133、磁性ロータ111、アーマチャ165間に磁束ループが形成され、アーマチャ165は磁性ロータ111側へ引き付けられる。この引きつけで、アーマチャ165はパイロットクラッチ161側へ移動し、磁性ロータ111とアーマチャ165との間でパイロットクラッチ161が締結される。
この締結によって、磁性ロータ111、カップリングケース129、パイロットクラッチ161を介しカムプレート167にトルクが伝達され、ドライブピニオンシャフト5側と一体的に回転する押圧プレート169との間に相対回転が起こる。この相対回転によりカムボール171がカムプレート167及び押圧プレート169のカム面に乗り上げる。この乗り上げによって、カムプレート167、押圧プレート169間の間隔が広がり、カムプレート167がニードルベアリング173を介して磁性ロータ111側で反力を受け、押圧プレート169がメインクラッチ131を締結する。
この締結によって、回転軸9、磁性ロータ111、カップリングケース129へと伝達されたトルクは、メインクラッチ131、クラッチハブ127を介してドライブピニオンシャフト5へ伝達され、前記のように前輪57,59、後輪25,27での四輪駆動走行を行うことができる。
走行中、キャリヤカバー15内のオイルは、その遠心力によってテーパーローラーベアリング117側からクラッチハブ127の油孔141を通って、メインクラッチ131を潤滑し、さらにカップリングケース129の油孔147を通って、その外周側に至る。カップリングケース129の外周側からは、凹部83等へ至り、軸受ハウジング78の外周面の傾斜等にガイドされて内周のテーパーローラーベアリング117側に至るという循環を行い、メインクラッチ131等を充分に潤滑することができる。テーパーローラーベアリング117及びオイルシール123の一面側は、トルク伝達カップリング3側の潤滑剤であるトランスミッションオイル等により充分に潤滑することができる。
また、オイルは油孔143,174を通ってカム機構163側にも至り、カム機構163やパイロットクラッチ161周辺の充分な潤滑を行わせることができる。
前記リヤデファレンシャル装置7は、潤滑剤であるギヤオイル等により充分に潤滑することができる。テーパーローラーベアリング119及びオイルシール123の他面側は、リヤデファレンシャル装置7側の潤滑剤であるギヤオイル等により充分に潤滑することができる。
なお、前記テーパーローラーベアリング117,119は、転動軸の傾斜角により回転時にそれぞれオイルシール123から潤滑オイルを遠ざける方向の遠心ポンプ作用を奏する。従って、オイルシール123及び各テーパーローラーベアリング117,119間に形成される空間に必要以上の潤滑オイルを保持することがない。このため、空間相互で潤滑オイルが漏れる作用を防止することができる。
前記キャリヤカバー15内への潤滑オイルの供給は、前記フィラープラグ181を取り外し、フィラー口177から容易に行うことができる。キャリヤカバー15内から潤滑オイルを排出するときは、ドレンプラグ179を取り外し、ドレン口175から容易に行うことができる。従って、キャリヤカバー15内のオイルの交換を極めて容易に行うことができ、装置の耐久性を向上させることができる。
以上、本発明の実施例では、前記一対のテーパーローラーベアリング117,119を、トルク伝達カップリング3側の空間76のトランスミッションオイル等による潤滑環境下及びリヤデファレンシャル装置7側の空間77のギヤオイル等による潤滑環境下により各別に潤滑することが可能となる。また、オイルシール123配置のための特別なスペースを設ける必要が無く、スペース的に有利な構造となる。
ここで、トルク伝達カップリング3側の空間76にオイルを封入する場合のオイル量の考え方としては、次のようなものがある。空間76に占めるトルク伝達カップリング3の容量を差し引いたときの残存空間の所定比率(例えば20〜80%)とする。又は、トルク伝達カップリング3の機能部品が静的又は動的に確実に浸る所定量(例えば、0.2〜1.5リットル)とする。さらには、空間76の内圧上昇時にオイル漏れを起こさないように空間容量に対するオイル量の比率を設定する(例えば、空間容量に対して50〜85%のオイル量)とする。
前記一対のテーパーローラーベアリング117,119を、トルク伝達カップリング3側の空間76のトランスミッションオイル等による潤滑環境下及びリヤデファレンシャル装置7側の空間77のギヤオイル等による潤滑環境下とし、各別に異なる適した潤滑剤により的確に潤滑することが可能となる。
前記オイルシール123の外周径が、デファレンシャル装置7側のテーパーローラーベアリング119の外周径よりも小径に形成され、オイルシール123をデファレンシャル装置7側の空間から組み込むことができ、組み込みを確実に行わせることができる。
前記一対のテーパーローラーベアリング117,119の軸方向間隔をシールスライドリング121により確実に確保し、ドライブピニオンシャフト5の回転支持を確実に行わせることができる。テーパーローラーベアリング117,119によるドライブピニオンシャフト5の圧入痕等に係わらず、オイルシール123の摺動面をシールスライドリング121により確保することができ、確実なシールを行わせることができる。
前記ドライブピニオンシャフト5に、前記テーパーローラーベアリング117,119に軸方向力を付与するナット137を締結したため、軸方向の位置決めを確実に行わせることができる。
その他、前記トルク伝達カップリング3は、キャリヤカバー15内に収容配置され、キャリヤカバー15は外部に露出しているため放熱効果が高く、トルク伝達カップリング3の耐久性を向上させることができる。
車輌牽引時等においては、回転が停止している回転軸9側に対し、後輪25,27側からの回転力の伝達によってドライブピニオンシャフト5が回転し、メインクラッチ131において摺動回転が起こり発熱することがある。この発熱によって、キャリヤカバー15内の圧力が上昇したときには、キャリヤカバー15内の空間容量によって圧力上昇を抑制することができ、圧力上昇によるトルク伝達カップリング3の制御特性の低下等を抑制することができる。さらに、一定以上の圧力がブリーザ84から外部に抜けるので、キャリヤカバー15内の圧力上昇をより効果的に抑制することができ、圧力上昇による不具合をより確実に抑制することができる。
前記メインクラッチ131は、伝達トルクの容量を増大するために多くのクラッチ板を軸方向に積層された摩擦多板クラッチとして構成されている。このメインクラッチ131は、テーパーローラーベアリング117及びオイルシール123の外周に位置し、電磁石133はナット137の外周に位置し、且つパイロットクラッチ161及びカム機構163はメインクラッチ131及び電磁石133間においてドライブピニオンシャフト5の外周に位置するため、オーバーラップ代が大きく配置容積の有効的共有によってキャリヤカバー15内に殆ど無駄な空間が発生せず、全体をコンパクトにし、重量軽減を図ることもできる。
前記ドライブピニオンシャフト5と回転軸9との間の回転軸心に沿った方向の長さを極めて短くすることができ、プロペラシャフト5をその分長くすることによって、取付角度を小さくし、回転振動等の抑制を図ることができる。
なお、前記トルク伝達カップリング3を単体で密封構造とする場合、トルク伝達カップリング3側のテーパーローラーベアリング117は、トルク伝達カップリング3側の空間76を他のオイル潤滑環境下にして潤滑するか、エア空間としてグリス潤滑とするか、何れの構成を採ることもできる。
図5,図6は、本発明の実施例2に係り、図5は図2に対応し、トルク伝達装置の断面図を示し、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図、図6は要部の拡大断面図である。尚、基本的な構成は実施例1とほぼ共通し、対応する構成部分には同符号又は同符号にAを付して説明する。
図5,図6のように、本実施例のトルク伝達装置1Aは、一対の支持ベアリングとしてのテーパーローラーベアリング117,119、オイルシール123等の支持を実施例1とほぼ同様に行っている。
前記トルク伝達伝達装置1Aは、回転部材としてのドライブピニオンシャフト5Aの端部に、ナット137を貫通状態で締結し、ドライブピニオンシャフト5Aの端部185にクラッチハブ127をスプライン嵌合によって回転係合させている。
前記ナット137は、トルク伝達カップリング3Aのクラッチハブ127を締結することはなく、テーパーローラーベアリング117,119のプリロードのみを付与する構成となっている。
前記ドライブピニオンシャフト5Aの端部185と回転軸9Aとの間には、オイル空間187が設けられている。またナット137とクラッチハブ127の大径部139内面との間には、充分なオイル空間189が形成され、メインクラッチ131とデフキャリヤ13の区画壁75との間にも充分なオイル空間191が設けられている。
そして、本実施例においても、実施例1とほぼ同様に、テーパーローラーベアリング117,119及びオイルシール123等を充分潤滑することができる。
その他、前記ドライブピニオンシャフト5Aの端部に、ナット137を貫通状態で締結し、前記端部185に、前記クラッチハブ127を回転係合させたため、テーパーローラーベアリング117及びナット137とメインクラッチ131との占有容積を供用することができ、充分なオイル空間187,189,191を確保しながら全長を確実に短くすることができる。
また本実施例では、オイル空間187,189,191を充分に取ることによって、テーパーローラーベアリング117、メインクラッチ131、カム機構163、パイロットクラッチ161等を充分に潤滑することができる。
組付けに際しては、実施例1と同様にしてテーパーローラーベアリング117,119及びオイルシール123を組み付け、ナット137の締結によってテーパーローラーベアリング117,119にプリロードを付与した状態で、ドライブピニオンシャフト5Aを組み付ける。
一方、キャリヤカバー15A側においては、電磁石133、回転軸9A及び磁性ロータ111、カップリングケース129、パイロットクラッチ161、カム機構163、クラッチハブ127、メインクラッチ131の順に組込み、サブアッセンブリする。このサブアッセンブリしたキャリヤカバー15A側を、ドライブピニオンシャフト5Aに組込み、クラッチハブ127をドライブピニオンシャフト5Aの端部185にスプライン係合させ、キャリヤカバー15Aをボルト97によってデフキャリヤ13側に締結する。これによってデフキャリヤ13側に対してトルク伝達カップリング3Aの組込みを完了させることができる。
従って、メインクラッチ131、電磁石133、パイロットクラッチ161、カム機構163、クラッチハブ127、カップリングケース129等の組付、交換、部品管理等を極めて容易に行うことができる。
図7,図8は本発明の実施例3に係り、図7は図2に対応し、トルク伝達装置の断面図を示し、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図、図8は要部の拡大断面図である。尚、基本的な構成は実施例2とほぼ共通し、対応する構成部分には同符号又は同符号にBを付し、或いは同符号のAをBに代えて説明する。
図7,図8のように、本実施例のトルク伝達装置1Bは、一対の支持ベアリングとしてのテーパーローラーベアリング117,119、オイルシール123等の支持を実施例1とほぼ同様に行っている。
従って、実施例1とほぼ同様に、テーパーローラーベアリング117,119及びオイルシール123等を潤滑することができる。
その他、本実施例では、実施例2に対し、トルク伝達カップリング3Bの断続部としてのメインクラッチ131Bとアクチュエータとしての電磁石133Bとの配置位置を変更したものである。
トルク伝達カップリング3Bのカップリングケース129Bは、回転軸9Bと一体に構成され、磁性ロータ111Bは、カップリングケース129Bの端部に後付けで一体的に取り付けられる。
前記電磁石133Bは、デフキャリヤ13側の軸受ハウジング78Bの外周面192にセンタリングされ、背面に取り付けたプレート193をボルト194によって軸受ハウジング78Bの外周部に締結固定されている。この固定により電磁石133Bは、回転方向及び軸方向の位置が軸受ハウジング78Bに対して固定されている。
クラッチハブ127Bは、大径部137Bにメインクラッチ131Bのインナープレートがスプライン係合し、小径部135Bがドライブピニオンシャフト5Bの端部185にスプライン係合している。クラッチハブ127Bの端部内周は、回転軸9Bに対しボールベアリング195によって相対回転自在に支持されている。
従って、電磁石133Bの通電制御によって断続部の一部としてのアーマチャ165が引き付けられ断続部の一部としてのパイロットクラッチ161が締結されると、断続部の一部としてのカムプレート167が回転軸9B、カップリングケース129B側と共に回転し、ドライブピニオンシャフト5B側と一体的に回転する断続部の一部としての押圧プレート169との間に相対回転が起こる。この相対回転により、前記同様、カム機構163が働き磁性ロータ111B側に対する反力として押圧プレート169とカップリングケース129Bの端壁195との間でメインクラッチ131Bを締結することができる。
本実施例では、電磁石133Bがテーパーローラーベアリング117及びナット137の外周に配置されているため、トルク伝達カップリング3Bの回転軸心に沿った方向の長さを短くして、全体的にコンパクトに形成し、重量軽減を図ることができる。
また、トルク伝達カップリング3Bの長さを短くすることによって、前記同様、プロペラシャフト5側の長さをその分長くすることができ、取付角を小さくして、回転振動等の抑制を図ることができる。
前記トルク伝達カップリング3Bの組付けは、次のように行う。キャリヤカバー15B側においては、回転軸9B及びカップリングケース129B、クラッチハブ127B、メインクラッチ131B、カム機構163、パイロットクラッチ161、磁性ロータ111Bをこの順に組込み、サブアッセンブリする。デフキャリヤ13側の軸受ハウジング78Bの外周面192に電磁石133Bを取付る。前記サブアッセンブリしたキャリヤカバー15B側を、ドライブピニオンシャフト5Bに組込み、クラッチハブ127Bをドライブピニオンシャフト5Bの端部185にスプライン係合させ、キャリヤカバー15Bをボルト97によってデフキャリヤ13側に締結する。
従って、メインクラッチ131B、電磁石133B、パイロットクラッチ161、カム機構163、クラッチハブ127B、カップリングケース129B等の組付、交換、部品管理等を極めて容易に行うことができる。
(参考例4)
図9は本発明の参考例4に係り、トルク伝達装置の縦断面図である。なお、基本的な構成は参考例1とほぼ共通し、対応する構成部分には同符号又は同符号にCを付して説明する。
本参考例のトルク伝達装置1Cでは、軸受ハウジング78Cの先端をテーパーローラーベアリング117よりもトルク伝達カップリング3C側の空間76Cへさらに突出させ、軸受ハウジング78C先端内周とシールスライドリング223との間に区画シールとしてのオイルシール225を設けている。前記テーパーローラーベアリング117の軸方向側部には、前記オイルシール225により潤滑空間226が設けられている。前記シールスライドリング223は、ナット137Cとテーパーローラーベアリング117のインナーレースとの間に締結固定されている。
従って、前記一対の支持ベアリングとしてのテーパーローラーベアリング117,119よりも前記トルク制御手段(トルク伝達カップリング3C)側で前記回転部材(回転軸9C、ドライブピニオンシャウト5C)の一方(ドライブピニオンシャウト5C)及び区画壁75C(軸受ハウジング78C)間を封止する区画シール(オイルシール225)により前記テーパーローラーベアリング117の側部に潤滑空間226を設けた構成となっている。
前記軸受ハウジング78Cには、肉盛り部221が設けられている。軸受ハウジング78C及び肉盛り部221は、肉盛り部221には、潤滑通路227が設けられている。潤滑通路227は、リヤデファレンシャル装置側の空間77Cから前記潤滑空間226に渡って下降傾斜するように連通形成されている。前記デフキャリヤ13内には、前記潤滑通路227の端部において案内壁228が設けられ、潤滑通路227の一側壁に連続している。
従って、前記区画壁75Cに、デファレンシャル装置(リヤデファレンシャル装置)側の空間75Cから前記潤滑空間226に連通する潤滑通路227を設けた構成となっている。
本参考例では、前記ピニオンギヤ19及びリングギヤ20の噛み合い回転時に、デフキャリヤ13内の飛散ギヤオイルが案内壁228に案内されて潤滑通路227に至り、或いは飛散ギヤオイルが潤滑通路227に直接至る。潤滑通路227に至った飛散ギヤオイルが潤滑通路227の傾斜でテーパーローラーベアリング117の外周側から潤滑空間226へ流動する。このときオイルシール225が潤滑される。
前記潤滑空間226からは、テーパーローラーベアリング117のインナーレース及びアウターレース間にギヤオイルが流れ、テーパーローラーベアリング117が直接且つ確実に潤滑される。テーパーローラーベアリング117を潤滑した余剰オイルは軸受ハウジング78Cの内周側を流れ、他方のテーパーローラーベアリング119を潤滑しながらデフキャリヤ13内へ戻ることができる。
このようなギヤオイルの循環により、テーパーローラーベアリング117,119、及びオイルシール225を充分に潤滑することができる。
前記摩擦多板クラッチ209側は、シール225で区画されるため、ギヤオイルとは異なる例えばオートマチックトランスミッションオイル等を用いることができる。このオートマチックトランスミッションオイルにより摩擦多板クラッチ209等をテーパーローラーベアリング117等とは別に的確に潤滑することができる。
その他、本参考例のトルク伝達カップリング3Cは、アクチュエータを電動モータ201とし、該電動モータ201の駆動により断続部の一部としての加圧ギヤセット203を介して摩擦係合する断続部の一部としての摩擦多板クラッチ209を締結する構成とした。従って、本参考例のトルク伝達カップリング3Cは、電動モータ201、加圧ギヤセット203、及び摩擦多板クラッチ209によって主に構成されている。
図9のように、トルク伝達カップリング3Cは、クラッチハウジング207とクラッチハブ127Cとを備えている。クラッチハウジング207は、出力回転部材の一方であるドライブピニオンシャフト5Cにスプライン嵌合している。クラッチハブ127Cは、入力回転部材である回転軸9Cに一体に設けられているが、必ずしも一体形成されるものではなく、それぞれを別部材としてスプライン連結や溶接などにより一体的に回転するように形成しても良い。クラッチハウジング207及びクラッチハブ127C間に、前記摩擦多板クラッチ209が設けられている。摩擦多板クラッチ209は、アウタープレートが前記クラッチハウジング207に係合し、インナープレートが前記クラッチハブ127Cに係合している。従って、摩擦多板クラッチ209の摩擦係合により、クラッチハウジング207及びクラッチハブ127C間のトルク伝達を制御することができる。
前記摩擦多板クラッチ209は、前記ドライブピニオンシャフト5Cを回転自在に支持するテーパーローラーベアリング117の外周側に配置されている。
具体的には、前記クラッチハブ127Cは、縦壁211により回転軸9Cに一体に結合されている。クラッチハウジング207の内周側にテーパ状の内筒部213が一体に設けられ、内筒部213の端部に縦壁215が設けられている。縦壁215の内周部217は、ドライブピニオンシャフト5Cの端部にスプライン結合されている。また、回転軸9Cとクラッチハウジング207の内周部217との間には、ベアリング219が配置され、互いに支持関係にある。
前記クラッチハウジング207及びクラッチハブ127C間の端部には、断続部の一部としての押圧部材229が対向配置されている。押圧部材229には、その内周側に断続部の一部としての加圧受部231が一体に設けられている。加圧受部231の内周には、支持ボス部233が周回状に設けられている。
前記押圧部材229に隣接して前記加圧ギヤセット203が設けられている。前記加圧ギヤセット203は、一対のギヤ235,237と、該ギヤ235,237に噛み合う遊星ギヤ241と、該遊星ギヤ241を支持する遊星キャリヤ243とを有している。
前記遊星ギヤ241は、遊星キャリヤ243によってキャリヤカバー15C側に回転支持されている。遊星キャリヤ243は、キャリヤピン245及びキャリヤカバー15Cで構成され、キャリヤピン245がキャリヤカバー15Cに螺合固定されている。キャリヤピン245で回転自在に支持された遊星ギヤ241は、ギヤ235,237の周方向に所定間隔で複数備えられている。
前記加圧ギヤセット203のギヤ235は、電動モータ201の回転駆動軸247の端部に一体に設けられている。回転駆動軸247は、ベアリング249,251によってキャリヤカバー15C側に回転自在に支持されている。これによって、電動モータ201と前記摩擦多板クラッチ209とが、回転軸芯を一致させて配置された構成となっている。
なお、電動モータ201は、回転軸に沿った方向へ長く形成されてキャリヤカバー15Cの小径部内に配置され、キャリヤカバー15Cによって安定的に支持されている。加圧ギヤセット203及び摩擦多板クラッチ209等は、キャリヤカバー15Cの大径部内に配置されている。
前記加圧ギヤセット203のギヤ237は、前記押圧部材229の支持ボス部233に回転自在に支持されている。ギヤ237と押圧部材229の加圧受部231との間には、スラストベアリング252が介設されている。
前記一対のギヤ235、237は、歯数が僅かに異なって形成され、前記遊星ギヤ241に噛み合っている。該ギヤ235,237間に、ボール253を備えたカム機構255が介設されている。
前記摩擦多板クラッチ209が締結されていないとき、クラッチハウジング207及びクラッチハブ127C間は相対回転可能である。従って、前記のようにエンジン49側からプロペラシャフト5側に伝達されたトルクが回転軸9Cを介して、クラッチハブ127Cに入力されても、トルクがクラッチハウジング207側に伝達されることはなく、トルク伝達カップリング3Cはトルクを伝達しない状態となっている。すなわち、前記のように前輪57,59の駆動による二輪駆動状態での走行を行うことができる。
前記電動モータ201を回転駆動すると、回転駆動軸247を介してギヤ235にトルクが伝達され、遊星ギヤ241が共に回転する。遊星ギヤ241が回転すると、他方のギヤ237も回転する。
この場合、ギヤ235及び遊星ギヤ241間のギヤ比と、ギヤ237及び遊星ギヤ241間のギヤ比とが僅かに異なっているため、ギヤ237が大きく減速されてギヤ235に対し低速で相対回転する。この相対回転により、ギヤ235,237のカム面がボール253に乗り上げ、カム機構255が推力を発生する。
前記カム機構255の推力は、ギヤ235及び回転駆動軸247を介してキャリヤカバー15C側で受けられ、その反力がギヤ237に作用する。この推力の作用によってギヤ237が移動し、スラストベアリング252を介して加圧受部231を回転軸芯に沿った方向へ加圧する。
前記加圧によって、押圧部材229が同方向へ移動し、摩擦多板クラッチ209がクラッチハウジング207との間で締結される。摩擦多板クラッチ209は、押圧部材229の締結力に応じて摩擦係合力を発揮し、クラッチハブ127Cとクラッチハウジング207との間のトルク伝達を行わせる。
前記クラッチハウジング207からは、ドライブピニオンシャフト5Cへトルクが伝達され、ドライブピニオンシャフト5Cから前記のようにして後輪25,27側へ出力される。これによって、前輪57,59及び後輪25,27の駆動による四輪駆動状態で走行することができる。
なお、ベアリング249,251にシールドタイプのベアリングを用いるか、ベアリング249,251とに隣接配置してオイルシールを用いることにより、駆動モータ201が配置されるキャリヤカバー15C内の空間を隔離空間とすることができる。また、電動モータ201が配置されるキャリヤカバー15Cの外周部に複数のリブを設けると電動モータ201の冷却性が向上し、耐久性が向上する。
前記回転駆動軸247からギヤ237へ伝達される回転は、遊星ギヤ241を介して大きく減速されているため、電動モータ201を小型化し、コンパクトに形成しながら摩擦多板クラッチ209確実に締結することができる。
前記電動モータ201を小型化し、コンパクトに形成することができるため、重量軽減を図ることもできる。また、全体的な小型化によってトランスファ等の狭いスペース内にも極めて容易に配置することができる。
前記電動モータ201の駆動力調整により、摩擦多板クラッチ209の締結力を調整し、該調整によって前記後輪25,27側へのトルク伝達を微調整することができる。この場合、回転駆動軸247からギヤ237へ伝達される回転は、前記のように大きく減速されているため、電動モータ201の回転駆動に対してギヤ235,237が極めて低速で相対回転し、摩擦多板クラッチ209の微調整を容易に行うことができる。これによって、発進走行、コーナリング走行、悪路走行など自動車の走行状況に応じて、任意にかつ容易にトルク調整を行うことができる。
(参考例5)
図10は本発明の参考例5に係るトルク伝達装置を示す断面図であり、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図である。本参考例の基本的な構成は、図1の実施例1とほぼ同様であり、対応する構成部分には同符号又は同符号にDを付して説明する。
図10のように、本参考例のトルク伝達装置1Dでは、一対の支持ベアリングとしてのテーパーローラーベアリング117,119、オイルシール123等の支持を実施例1とほぼ同様に行っている。デフキャリヤ13Dの区画壁75Dには、上部に湾曲壁264が設けられている。湾曲壁264は、ドライブピニオンギヤ19の上部に対向している。湾曲壁264の下端側は、テーパーローラーベアリング119に望んでいる。テーパーローラーベアリング119とドライブピニオンギヤ19との間には、スペーサ266が介設され、ドライブピニオンギヤ19及びリングギヤ20と湾曲壁264との間の隙間が確保されている。
従って、実施例1とほぼ同様に、テーパーローラーベアリング117,119及びオイルシール123等を潤滑することができる。
また、本参考例では、前記ピニオンギヤ19及びリングギヤ20の噛み合い回転時に、デフキャリヤ13内の飛散ギヤオイルが湾曲壁264に案内される等してテーパーローラーベアリング119に至り、テーパーローラーベアリング119を充分に潤滑することができる。
その他、トルク伝達装置1Dでは、キャリヤカバー15Dを変更した。キャリヤカバー15Dは、デフキャリヤ13Dと一体的に筒状に形成されたカバー胴部259Dの端部に分割して形成され、着脱可能に一体的に固定されている。キャリヤカバー15Dは、半径方向壁257Dを有して、外周側に固定部、内周側にボス部17が一体形成されている。
前記カバー端部257Dの外周には雄ねじ部265が設けられている。カバー端部257Dの内面側には、凹部267が周回状に形成されている。
前記カバー胴部259Dの軸方向端部には、開口側端部に雌ねじ部269が設けられている。カバー端部257Dの雄ねじ部265がカバー胴部259Dの雌ねじ部269に螺合してカバー端部257Dがカバー胴部259Dに結合されている。カバー端部257Dの雄ねじ部265にロックナット271が螺合し、カバー胴部259Dに対するカバー端部257Dの緩み止めが行われている。カバー胴部259D側には、シール273が収容支持され、カバー端部257Dの外周面に密接している。
前記凹部267には、トルク伝達カップリング3Dのカップリングケース129Dの端部275が配置されている。磁性ロータ111Dの端部277も同様に凹部267内まで延設されアクチュエータとしての電磁石133のコイルの背面のコア部分との間に互いに半径方向に対向して磁力線を透過するエアギャップ112Dが形成されている。ロータ111Dとコアとの間にはもう一つのエアギャップ114Dが形成されている。
本参考例では、雌ねじ部269及び雄ねじ部265の螺合調整によりキャリヤカバー15Dのカバー端部257Dをカバー胴部259Dに対し位置調整することができる。カバー端部257Dをカバー胴部259Dに対し位置調整すると、カバー端部257D、磁性ロータ111D、断続部(カム機構163、押圧プレート169、メインクラッチ131)、カップリングケース129Dへと力が順次伝達され、カップリングケース129D等の位置調整を容易に行わせることができる。
また、カバー端部257Dをカバー胴部259Dに、雄ねじ部265及び雌ねじ部269により結合したから、キャリヤカバー15Dの外周に突出する部分が抑制され、他部品との干渉を容易に避けることができる。
前記カップリングケース129Dの端部275及び磁性ロータ111Dの端部277を、カバー端部257Dの凹部267内へ延長配置することができ、カップリングケース129D及び磁性ロータ111D間のスプライン結合をより確実に行わせることができる。
(参考例6)
図11は本発明の参考例6に係るトルク伝達装置を示す断面図であり、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図である。本参考例の基本的な構成は、図10の参考例5とほぼ同様であり、対応する構成部分には同符号又は同符号にEを付し、或いは符号のDをEに代えて説明する。
図11のように、本参考例のトルク伝達装置1Eは、一対の支持ベアリングとしてのテーパーローラーベアリング117,119及びオイルシール123等の支持を、参考例5と同様に行ない、また、湾曲部264を設けている。
従って、実施例1とほぼ同様に、テーパーローラーベアリング117,119及びオイルシール123等を潤滑することができると共に、参考例5と同様に、湾曲部264を利用してテーパーローラーベアリング119を充分に潤滑することができる。
その他、本参考例のトルク伝達装置1Eは、キャリヤカバー15Eのカバー端部257E及びカバー胴部259Eの結合構造を変更した。
本参考例では、カバー端部257E及びカバー胴部259Eに結合フランジ279,281が設けられ、結合フランジ279,281が周方向所定間隔で複数備えられたボルト283により締結され、カバー端部257Eがカバー胴部259Eに結合されている。
尚、キャリヤ構造は、図12のように回転部材の支持状態や外形形状、組み付け手順、トルク制御手段の支持状態や外形形状、組み付け手順、アクチュエータの支持状態や外形形状、組み付け手順を考慮してキャリヤの分割選定を種々変更することができる。(a)〜(f)は、キャリヤの分割選定と取付状態を示すスケルトン断面図である。
(a)は、実施例1等に適用した構造である。
(b)は、カバー胴部259Hを有するキャリヤカバー15Hにカバー端部257Hを分割構成し、カバー胴部259Hをデフキャリヤ13Hに一体に設け、カバー胴部259Hにカバー端部257Hをボルト285で結合してキャリヤ11Hを構成している。また、デフキャリヤ13H側には、軸受ハウジング147Hが一体に設けられている。
(c)は、カバー胴部259Iを有するキャリヤカバー15Iにカバー端部257Iを分割構成し、分割構成されたカバー胴部259Iをデフキャリヤ13Iにボルト97で結合し、カバー胴部259Iにカバー端部257Iをボルト285で結合してキャリヤ11Iを構成している。デフキャリヤ13I側には、軸受ハウジング147Iが一体に設けられている。
(d)は、前記(c)の変形例であり、軸受ハウジング147Iをキャリヤカバー15Iのカバー胴部259I側に一体に設け分割されたデフキャリヤ13Iにボルトにより一体的に取付けたものである。
(e)は、前記(a)の変形例であり、軸受ハウジング147をデフキャリヤ13とは別体に分割形成し、ボルト287により軸受ハウジング147をデフキャリヤ13に対して結合したものである。
(f)は、前記(a)の変形例であり、軸受ハウジング147をデフキャリヤ13とは別体に分割形成し、ボルト287により軸受ハウジング147をキャリヤカバー15に対して結合したものである。
上記参考例では、軸受の外周にトルク伝達カップリングの少なくとも一部を配置する構成にしたが、トルク伝達カップリング全体を配置する構成にすることも可能である。
前記トルク制御手段の構成は、上記参考例に限らず、ポンプなどの流体圧に起因した締結力により入出力回転部材間のトルク伝達を行うもの等でもよく、その一部に流体の剪断抵抗によってトルク伝達を行うものが付加されているものでもよい。具体的には、外部制御を伴わないくともトルク伝達制御が可能な構造としてビスカスカップリングやオイルポンプ、オイルポンプの吐出圧をトリガとして多板クラッチを押圧するもの、ロータリーブレードカップリング、ダイラタント流体を用いたカップリング等でも良い。
前記参考例では、メインクラッチ131或いは電磁石133B、摩擦多板クラッチ209等が、一方のテーパーローラーベアリングの外周に位置する構成としたが、双方のテーパーローラーベアリングの外周に位置する構成とすることもできる。
また、アクチュエータは、軸受の外周側に配置された環状または周上の一箇所の油圧ピストンシリンダによるものや磁性流体によるもの等を選定可能である。
前記トルク伝達装置は、図1のように、トランスファ29にトルク伝達装置1Fとして設け、或いはその他の駆動系に設けることも可能である。
ベアリングは、テーパーローラーベアリングに限られるものではなく、ボールベアリング、ローラーベアリング、アンギュラベアリングなど、種々のものを適用可能である。また、必要に応じて回転部材間、又は回転部材とキャリヤとの間にオイルポンプを設けて強制的にオイル潤滑、冷却作用を行わせても良い。
トルク伝達装置の配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図である(実施例1)。 トルク伝達装置を示す断面図であり、上ほぼ左半分は断面図、その他は横断面図である(実施例1)。 要部の拡大横断面図である(実施例1)。 トルク伝達装置の一部を断面にした側面図である(実施例1)。 トルク伝達装置を示す横断面図であり、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図である(実施例2)。 要部の拡大横断面図である(実施例2)。 トルク伝達装置を示す横断面図であり、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図である(実施例3)。 要部の拡大横断面図である(実施例3)。 トルク伝達装置を示す縦断面図である(参考例4)。 トルク伝達装置を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図である(参考例5)。 トルク伝達装置を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は縦断面図、その他は横断面図である(参考例6)。 (a)〜(f)は、デフキャリヤに対するキャリヤカバーの取付状態を示すスケルトン断面図である。 トルク伝達装置を示す横断面図である(従来例)。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1D,1E,1F トルク伝達装置
3,3A,3B,3C,3D,3E トルク伝達カップリング(トルク制御手段)
7 リヤデファレンシャル装置(デファレンシャル装置)
9,9A,9B,9C,9D,9E 回転軸(回転部材)
11,11H,11I キャリヤ
75,75B75C,75D,75E 区画壁
76,76A,76B,76C,76D,76E トルク伝達カップリング側の空間
77,77A,77B,77C,77D,77E デファレンシャル装置側の空間
117,119 テーパーローラーベアリング(ベアリング)
121 シールスライドリング(筒状部材)
123 オイルシール(区画シール)
226 潤滑空間
227 潤滑通路

Claims (4)

  1. 回転部材間のトルク伝達を制御するトルク制御手段と、
    前記回転部材の一方にトルク伝達可能に結合されるデファレンシャル装置と、
    前記トルク制御手段及びデファレンシャル装置を収容支持するキャリヤとを備え、
    前記キャリヤに、前記トルク制御手段及びデファレンシャル装置間を区画してトルク制御手段側の空間及びデファレンシャル装置側の空間を区画形成可能とする区画壁を設け、
    前記回転部材の一方を、前記区画壁の内周に軸方向に間隔を置いて配置された一対のベアリングにより回転自在に支持し、
    前記一対のベアリング間に、前記回転部材の一方及び区画壁の外内周間を封止する区画シールを設けたトルク伝達装置であって、
    前記キャリヤは、前記デファレンシャル装置を収容するデフキャリヤ及び前記トルク制御手段を収容するキャリヤカバーとを備えて前記デファレンシャル装置及びトルク制御手段間の合わせ面で結合したものであり、
    前記区画壁は、前記一対のベアリングを支持し先端側が前記合わせ面よりもキャリヤカバー側に突出している筒状の軸受ハウジングを備え、
    前記回転部材の一方に、前記軸受ハウジングの先端外で前記キャリヤカバー側に突出配置され前記ベアリングに軸方向力を付与するナットを締結し、
    前記回転部材の一方は、前記デフキャリヤ内で前記デファレンシャル装置との間のトルク伝達を行わせるピニオンギヤを備え、
    前記キャリヤカバー側に突出している軸受ハウジングの先端側は、前記一対のベアリングのうち前記区画壁からより離間したベアリング側である、
    ことを特徴とするトルク伝達装置。
  2. 請求項1記載のトルク伝達装置であって、
    前記トルク制御手段側の空間とデファレンシャル装置側の空間とに、それぞれ異なる潤滑剤を封入した
    ことを特徴とするトルク伝達装置。
  3. 請求項1又は2記載のトルク伝達装置であって、
    前記区画シールの外周径は、前記デファレンシャル装置側のベアリングの外周径よりも小径に形成され、
    前記区画シール及びベアリングを、前記デファレンシャル装置側から組み付ける
    ことを特徴とするトルク伝達装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のトルク伝達装置であって、
    前記ベアリングの軸方向間に、前記区画シールの内周を摺接させる筒状部材を介設した
    ことを特徴とするトルク伝達装置。
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