JP4630006B2 - トルク伝達カップリング - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のトルク伝達カップリングに関する。
従来のこの種のトルク伝達カップリングとしては、例えば図14に示すようなものがある。図14は、従来のトルク伝達カップリングの支持構造を示す断面図である。図14のように、トルク伝達カップリング301は、カップリングケース303と中空のシャフト305とが同軸上に配置され、カップリングケース303とシャフト305との間に多板のメインクラッチ307が設けられている。
前記メインクラッチ307は、押圧プレート309の押圧によりカップリングケース303に対して締結される。押圧プレート309に対向してカムプレート311が設けられている。押圧プレート309とカムプレート311との間には、それぞれのカム面間にカムボール313が介設されている。
前記カムプレート311と前記カップリングケース303との間には、多板のパイロットクラッチ315が設けられている。パイロットクラッチ315に対向してアーマチュア317が設けられている。前記トルク伝達カップリング301は、前記パイロットクラッチ315に対応してデフキャリヤ318側に支持された電磁石319を備えている。デフキャリヤ318内には、リヤデファレンシャル装置が収容支持されている。
前記トルク伝達カップリング301は、デフキャリヤ318に取り付けられるキャリヤカバー321内に配置されている。トルク伝達カップリング301のカップリングケース303は、端部323がキャリヤカバー321にベアリング324で回転自在に支持されている。カップリングケース303の端部323は、フランジ部材327に結合されている。この結合はボルト329によって行われている。フランジ部材327は、図外のプロペラシャフトに連結される。
前記トルク伝達カップリング301のシャフト305は、端部333がデフキャリヤ318側にテーパローラベアリング335で支持されたドライブピニオンシャフト337に結合されている。ドライブピニオンシャフト337は、そのドライブピニオンギヤが前記リヤデファレンシャル装置のリングギヤに噛み合わされている。
前記電磁石319は、デフキャリヤ318側に支持され、前記カップリングケース303側に一体的に支持された磁性ロータ339との間はベアリング341で相対回転自在となっている。電磁石319とデフキャリヤ318との間には、皿ばね345が介設されている。
トルク伝達の際にプロペラシャフト側からフランジ部材327にトルク入力があると、電磁石319の働きに起因してメインクラッチ307が締結されているときカップリングケース303を介してシャフト305にトルクが伝達される。シャフト305からはドライブピニオンシャフト337、リヤデファレンシャル装置を介して左右の後輪へトルク伝達が行われる。メインクラッチ307が締結されていないときはプロペラシャフトからドライブピニオンシャフト337へのトルク伝達は行われない。すなわち、電磁石319を通電制御することでプロペラシャフトからドライブピニオンシャフト337へのトルク伝達を制御することができる。
しかしながら、かかる従来のトルク伝達カップリング301では、ドライブピニオンシャフト337をデフキャリヤ318に支持するテーパローラベアリング335に対し電磁石319、メインクラッチ307等が回転軸芯に沿った方向に縦列配置され、回転軸芯に沿った方向の全長が長くなっていた。
このため、リヤデファレンシャル装置への入力側やトランスファの出力側に取り付けると、全長が長い分だけプロペラシャフトを短くしなければならず、プロペラシャフトの取付角が大きく、回転振動等の原因となる恐れがあった。
特開平11−153159号公報
解決しようとする問題点は、トルク伝達カップリングの全長が長くなる点である。
本発明は、全長を短くするために、デファレンシャル装置の入力側、又は四輪駆動車のトランスファの出力側何れかに配置されたトルク伝達カップリングであって、トルクの入出力伝達を行うための入出力回転部材と、前記入出力回転部材間のトルク伝達を制御するトルク制御手段とを備え、前記入出力回転部材の一方が、前記デファレンシャル装置のリングギヤと噛み合うドライブピニオンギヤを備えたドライブピニオンシャフト、又は前記トランスファの前側傘歯車と噛み合う後側傘歯車を備えた出力軸であり、前記ドライブピニオンシャフト、又は前記出力軸を軸受によりキャリヤに設けられた軸受ハウジングに支持し、前記軸受および前記軸受ハウジングの外周に、前記トルク制御手段の少なくとも一部を配置したことを特徴とする。
また、トルクの入出力伝達を行うための入出力回転部材と、前記入出力回転部材間のトルク伝達を制御するトルク制御手段とを備え、前記トルク制御手段は、断続部及び断続部を操作するアクチュエータからなり、前記断続部は、前記入出力回転部材に各別に連動回転可能な内外回転部材間に設けられて前記入出力回転部材の一方を回転自在に支持する軸受の外周に少なくとも一部が配置され、前記入出力回転部材の一方に、前記内回転部材を締結固定すると共に前記軸受に予圧を付与する締結具を締結し、前記締結具の外周に、前記アクチュエータの少なくとも一部を配置したことを特徴とする。
本発明のトルク伝達カップリングは、入出力回転部材の一方を回転自在に支持する軸受の外周に、前記トルク制御手段の少なくとも一部を配置したため、前記軸受とトルク制御手段の少なくとも一部とがオーバーラップすることになり、両者の占有容積を少なくとも一部供用することができ、その分全長を確実に短くすることができる。
前記トルク制御手段が、断続部及び断続部を操作するアクチュエータからなる場合は、断続機能を有する断続部と断続部を動作させるアクチュエータとの少なくとも一部を軸受の外周に配置して占有容積の少なくとも一部の共用を可能とする。
前記断続部が、前記入出力回転部材に各別に連動回転可能な内外回転部材間に設けられて前記軸受の外周に少なくとも一部が配置され、前記入出力回転部材の一方に、前記内回転部材を締結固定すると共に前記軸受に予圧を付与する締結具を締結し、前記締結具の外周に、前記アクチュエータの少なくとも一部を配置した場合は、締結具とアクチュエータとの占有容積を少なくとも一部供用することができ、前記内回転部材を前記入出力回転部材の一方に締結固定すると共に前記軸受に予圧を付与しながら、全長を確実に短くすることができる。
前記断続部は、前記入出力回転部材に各別に連動回転可能な内外回転部材間に設けられ、前記入出力回転部材の一方に、前記軸受に予圧を付与する締結具を締結し、前記軸受及び締結具の外周に、前記アクチュエータの少なくとも一部を配置した場合は、軸受を締結して予圧を付与しながら、アクチュエータと軸受及び締結具との占有容積を少なくも一部供用することができ、全長を確実に短くすることができる。
前記入出力回転部材の一方の端部に、前記軸受に予圧を付与する締結具を貫通状態で締結し、前記端部に、前記内外回転部材の一方を回転係合させた場合は、軸受及び締結具と断続部との占有容積を少なくとも一部供用することができ、全長を確実に短くすることができる。また、断続部の組付け、取り外しをサブアッセンブリ等により簡単に行うことができる。
前記端部と前記入出力回転部材の他方との間に、前記断続部に供給するオイルを溜得るオイル空間を設けた場合は、オイル空間のオイルにより断続部側の潤滑を確実に行わせることができる。
前記入出力回転部材の一方を、前記軸受により第1のキャリヤ部分に支持し、前記第1のキャリヤ部分に、前記軸受周囲を覆い該第1のキャリヤ部分に対し区画される第2のキャリヤ部分を設け、前記トルク制御手段を、前記第2のキャリヤ部分内に配置した場合は、トルク制御手段の発熱により第2のキャリヤ部分内の圧力が上昇しようとするとき第2のキャリヤ部分による空間容積により圧力上昇を抑制することができる。
前記第1のキャリヤ部分に、前記軸受を一対間隔を置き配置して前記入出力回転部材の一方を支持し、前記軸受間に、オイルシールを設ける場合は、第1のキャリヤ部分内と第2のキャリヤ部分内とを確実に区画して別種のオイルを適切に用いることができながら、オイルシールの設置を容易に行うことができる。しかも、間隔を置いた軸受により入出力回転部材の一方を確実に支持することができる。
前記第2のキャリヤ部分に、前記トルク制御手段を潤滑するオイルを封入するために着脱可能なフィラープラグ及びオイルを排出するために着脱可能なドレンプラグを設けた場合は、オイルの交換を容易とし、装置の耐久性を向上させることができる。
前記入出力回転部材の一方及び前記トルク制御手段は、キャリヤ内に収容され、前記キャリヤは、前記軸受を内周側に収容する第1のキャリヤ部分と、前記トルク制御手段を内周側に収容する第2のキャリヤ部分と、前記入出力回転部材の一方と連動連結する駆動装置を内周側に収容する第3のキャリヤ部分とからなり、前記第1のキャリヤ部分又は第2のキャリヤ部分が、前記第3のキャリヤ部分に対して着脱可能である場合、第1のキャリヤ部分は、軸受による入出力回転部材の一方の支持状態や外形形状、組み付け手順を考慮して分割することができる。第2のキャアリア部分は、トルク制御手段の支持状態や外形形状、組み付け手順を考慮して形成することができる。従って、トルク伝達カップリングのレイアウトを容易に成立させることができる。
前記キャリヤに、前記トルク制御手段を軸方向から第2のキャリヤ部分の内周側に組み付けるために着脱可能な第4のキャリヤ部分を設けた場合は、第4のキャリヤ部分を取り外した状態でトルク制御手段を軸方向から第2のキャリヤ部分の内周側に組み付けることが可能になる。従って、トルク伝達カップリングのレイアウトを容易に成立させることができる。
前記アクチュエータは、前記軸受の外周側に配置される環状の電動モータである場合は、トルク伝達カップリングの軸方向の短縮と、電動モータの容量増大によって操作力が向上すると共に、操作レスポンスが向上する。
トルク伝達カップリングを、四輪駆動車のトランスファの出力側、リヤデファレンシャル装置への入力側の何れかに配置した場合は、全長が短くなった分プロペラシャフトを長くしてその取付角度を減少させ、回転振動等の発生を抑制することができる。
全長を短くするという目的を、部品点数を増大することなく実現した。
図1〜図4は本発明の実施例1に係り、図1はトルク伝達カップリングの配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図、図2はトルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図、図3は要部の拡大断面図、図4はトルク伝達カップリングの一部を断面にした側面図である。
図1のように、トルク伝達カップリング1は、横置きフロントエンジン、フロントドライブベース(FFベース)の四輪駆動車のリヤデファレンシャル装置3とプロペラシャフト5との間に配置されている。
前記トルク伝達カップリング1は、第2のキャリヤ部分としてのキャリヤカバー7内に配置されている。分割されたキャリヤカバー7は、第3のキャリヤ部分としてのデフキャリヤ9に取り付けられ、後述する第1のキャリヤ部分を含めてデフキャリヤ9と共にキャリヤを構成している。トルク伝達カップリング1は、外回転部材の一部である一端側の回転軸11が前記キャリヤカバー7の一端ボス部13から突出して入出力部材の他方としてのユンバーサルジョイント15に結合されると共に、他端側の入出力部材の一方としてのドライブピニオンシャフト17が駆動装置としてのリヤデファレンシャル装置3に連動連結されている。リヤデファレンシャル装置3は、デフキャリヤ9内に配置されている。本実施例において、回転軸11は入力回転部材を、ドライブピニオンシャフト17は出力回転部材を構成している。前記ドライブピニオンシャフト17は、動力伝達ギヤとしてのドライブピニオンギヤ18を備えている。
前記リヤデファレンシャル装置3は、前記デフキャリヤ9に回転自在に支持されている。リヤデファレンシャル装置3のリングギヤ19は、前記ドライブピニオンギヤ18に噛み合っている。リヤデファレンシャル装置3は、左右のアクスルシャフト21,23を介して、左右の後輪25,27に連動連結されている。
前記回転軸11は、前記ユンバーサルジョイント15を介してプロペラシャフト21,23に接続されている。プロペラシャフト5は、ユンバーサルジョイント28を介してトランスファ29の出力軸31に連動連結されている。出力軸31は、トランスファ29内において、傘歯車33,35、伝動軸37、平歯車39,41に連動構成されている。平歯車41は、フロントデファレンシャル装置43のデフケース45に連動構成されている。
前記フロントデファレンシャル装置43のリングギヤ47には、原動機の一つである内燃機関としてのエンジン49の出力がトランスミッション51を介して入力されるようになっている。前記フロントデファレンシャル装置43は、左右のアクスルシャフト53,55を介して、左右の前輪57,59に連動連結されている。
従って、エンジン49の出力トルクは、トランスミッション51からフロントデファレンシャル装置43のリングギヤ47に伝達され、フロントデファレンシャル装置43から左右のアクスルシャフト53,55を介して左右の前輪57,59に伝達される。
また、フロントデファレンシャル装置43のデフケース45から、トランスファ29の平歯車41,39、伝動軸37、傘歯車35,33、出力軸31を介して、プロペラシャフト5へトルク伝達が行われる。プロペラシャフト5からは、トルク伝達カップリング1の回転軸11にトルク伝達が行われる。
前記トルク伝達カップリング1が、トルク伝達可能状態となっていれば、ドライブピニオンシャフト17からドライブピニオンギヤ18を介して、リヤデファレンシャル装置3のリングギヤ19にトルク伝達が行われる。リヤデファレンシャル装置3からは、左右のアクスルシャフト21,23を介して左右の後輪25,27にトルク伝達が行われる。
従って、トルク伝達カップリング1がトルク伝達状態に制御されていれば、左右の前輪57,59、左右の後輪25,27によって四輪駆動状態で走行することができる。なお、「トルク伝達状態に制御される」とは、トルク伝達カップリング1が少なくとも2つのトルク伝達機能としての遮断と接続とを持ち、この内接続状態とされることを意味する。さらに接続状態とは、一つのトルク伝達値又は複数のトルク伝達値(すなわち中間制御)の何れであっても良い。
前記トルク伝達カップリング1がトルク遮断状態となっているときは、左右の後輪21,23へのトルク伝達は行われず、左右の前輪57,59へのトルク伝達によって二輪駆動状態での走行を行うことができる。
前記トルク伝達カップリング1及びその周辺の詳細は図2〜図4のようになっている。
前記トルク伝達カップリング1からトルク入力を受けるリヤデファレンシャル装置3は、デフケース61内に左右のサイドギヤ63,65、ピニオンギヤ67を備えている。サイドギヤ63,65とピニオンギヤ67とは噛み合っており、ピニオンギヤ67はピニオンシャフト69によってデフケース61に回転自在に支持されている。
前記リングギヤ19は、ボルト69によってデフケース61に締結固定されている。デフケース61は、ボールベアリング71,73によってデフキャリヤ9に回転自在に支持されている。デフキャリヤ9の一側に区画壁75が一体形成されている。区画壁75には、第1のキャリヤ部分としての軸受ハウジング77が一体に設けられている。軸受ハウジング77は、キャリヤカバー7内側に突出している。なお、区画壁75も含めて第1のキャリヤ部分としてとらえても良い。
前記区画壁75の上部側には、凹部79が設けられている。凹部79は、前記キャリヤカバー7側に開放されている。凹部79の奥側上部にブリーザ81が取り付けられている。
前記デフキャリヤ9には、前記区画壁75側において外周囲に突き当て用のフランジ83及び締結用の突部85が設けられている。フランジ83は周回状に設けられ、突部85は所定間隔で複数、例えば4個所に設けられている。フランジ83、突部85に渡ってその端面に合わせ面87が設けられている。合わせ面87の内周側において、区画壁75にはスペーサ支持用の突条部89が周回状に設けられている。
前記キャリヤカバー7は、一端側に前記ボス部13を備えると共に、他端側に突き当て用のフランジ91及び締結用の突部93が設けられている。フランジ91は周回状に設けられ、突部93は前記デフキャリヤ9の突部85に対応して周方向に例えば4個所に設けられている。フランジ91、突部93に渡ってその端面に合わせ面95が設けられている。キャリヤカバー7とボス部13との間の側壁部8は、キャリヤカバー7の外周筒部10に対して一体形成されている。
前記キャリヤカバー7は、その合わせ面95が前記デフキャリヤ9の合わせ面87に液状又は所定厚を持った板状ガスケットを介して突き当てられ、ボルト97によって突部93をデフキャリヤ9の突部85に締結することによって内部空間を密封するように取り付けられている。
前記キャリヤカバー7内は、前記デフキャリヤ9の凹部79に連通し前記ブリーザ81を介して外部との通気が可能となっている。キャリヤカバー7は、軸受ハウジング77の周囲すなわち後述する軸受周囲を覆い、デフキャリヤ9に対し区画される構成となっている。
前記回転軸11は、キャリヤカバー7のボス部13にシールベアリング99を介して回転自在に支持されている。シールベアリング99の外周において、キャリヤカバー7側に切欠101が設けられている。回転軸11の外端部には、フランジ部材103がスプライン係合によって取り付けられている。フランジ部材103は、ナット105により回転軸11に固定されている。フランジ部材103とキャリヤカバー7のボス部13との間には、シール107が設けられ、キャリヤカバー7の内部空間を密封している。シール107には、前記切欠101を介しキャリヤカバー7内のオイルが流通するようになっている。シール107の外側は、ダストカバー109で覆われている。ダストカバー109は、前記フランジ部材103に固定されている。
前記回転軸11の内端部側には、スチール系の磁性ロータ111が一体に設けられている。磁性ロータ111には、ステンレス系の非磁性リング113が周回状に一体的に設けられている。磁性ロータ111の内周側において回転軸11端面に凹部115が設けられている。
前記ドライブピニオンシャフト17は、前記軸受ハウジング77に軸受として一対の間隔をおいて配置されたテーパーローラベアリング117,119によって回転自在に支持されている。テーパーローラベアリング117,119間には、シールスライドリング121が設けられている。テーパーローラベアリング117,119間において、シールスライドリング121と軸受ハウジング77との間にオイルシール123が設けられている。このオイルシール123及び区画壁75により、前記キャリヤカバー7側の内部空間は、デフキャリヤ9側の内部空間に対し軸受ハウジング77を介して区画され、カップリング空間124とデフギヤ空間126とが形成されている。カップリング空間124には、潤滑剤として例えばトランスミッションオイル、オートマチックトランスミッションオイル等カップリング1に適したオイルが収容され、デフギヤ空間126には、潤滑剤として例えばギヤオイルが収容される。
前記トルク伝達カップリング1は、前記回転軸11及びドライブピニオンシャフト17の他に、トルク制御手段125を備え、該トルク制御手段125は、前記キャリヤカバー7内に収容配置されている。トルク制御手段125は、クラッチハブ127及びカップリングケース129と、断続部の一例としてのインクラッチ131と、アクチュエータとしての電磁石133とを主に備えている。
前記クラッチハブ127及びカップリングケース129は、内回転部材及び外回転部材を構成している。前記メインクラッチ131は、電磁力に起因した締結力により前記クラッチハブ127及びカップリングケース129間のトルク伝達を行う断続部を構成し、本実施形態において摩擦多板クラッチで構成されている。
前記クラッチハブ127は、小径部135及び大径部139からなる段付きの円筒状に形成されている。クラッチハブ127は、前記小径部135が前記ドライブピニオンシャフト17の端部にスプライン嵌合によって回転係合し、連動回転可能となっている。小径部135は、非磁性材又は低磁性材の性質を持ち、磁性ロータからの磁力線の透過を抑制するブッシュ136を介して磁性ロータ111の内周面に嵌合し、相互に相対回転自在に支持する構成となっている。
前記ドライブピニオンシャフト17の端部には、締結具としてナット137が締結されている。ナット137の締結によってクラッチハブ127の小径部135がテーパーローラベアリング117に対して締結されている。この締結によって、クラッチハブ127がドライブピニオンシャフト17に固定され、且つテーパーローラベアリング117,119に予圧(プリロード)が付与される構成となっている。ナット137の外周側と磁性ロータ11の内周面との間には、磁力線の透過を抑制する隙間が確保されている。
前記クラッチハブ127の大径部139は、半径方向外側に拡がる連結部138を介して前記軸受ハウジング77の外周に配置され、回転軸芯に沿った方向でオーバーラップする。大径部139には、外周面に雄スプライン140が設けられ、且つ半径方向に貫通する油孔141が設けられている。油孔141は、周方向に複数及び回転軸心に沿った方向に複数設けられている。クラッチハブ127には、小径部135と大径部139との中間部、すなわち連結部138において、回転軸心に沿った方向の油孔143が設けられている。クラッチハブ127の大径部139には、その大径部139の雄スプライン140にメインクラッチ131のインナープレートがスプライン係合している。
前記カップリングケース129は、アルミパイプ材等によって円筒形状に形成されている。カップリングケース129の内周面には、雌スプライン145が設けられている。雌スプライン145に、前記メインクラッチ131のアウタープレートがスプライン係合している。カップリングケース129には、前記油孔141に対応して油孔147が貫通形成されている。油孔147は、回転軸心に沿った方向及び周方向に複数形成されている。カップリングケース129の一端側内周に受圧ストッパ149が設けられている。受圧ストッパ149は、メインクラッチ131の押圧力を受ける。
前記磁性ロータ111は、前記カップリングケース129の他端側にスプライン係合している。カップリングケース129の他端側内周には、磁性ロータ111に隣接してストッパ151が設けられ、後述するカム機構163によって発生するカム反力を受け止めている。
前記電磁石133は、摩擦係合部である前記メインクラッチ131を締結するための締結力を発生させるアクチュエータを構成し、ボルト153によってキャリヤカバー7内に固定されている。電磁石133は、リード線155を介してコネクタ157に接続されている。コネクタ157は、グロメット159を介してキャリヤカバー7に支持されている。電磁石133は、コネクタ157がコントローラに接続されることによって、通電制御が行われるようになっている。電磁石133は、前記磁性ロータ111に対し内外周に半径方向に沿ったエアギャップをもって配置されている。電磁石133は、凹部115内に収容されたナット137の外周に回転軸芯に沿った方向でオーバーラップするように配置されている。
前記磁性ロータ111と前記メインクラッチ131との間には、メインクラッチ131等と共にトルク制御手段125(断続部の一部でもある。)を構成するパイロットクラッチ161及びカム機構163が設けられている。
前記パイロットクラッチ161のアウタープレートは、前記カップリングケース129の雌スプライン145にスプライン係合している。パイロットクラッチ161に隣接して、断続部の一部でもあるアーマチャ165が設けられている。アーマチャ165は、前記電磁石133の磁力によって引き付けられ、パイロットクラッチ161を磁性ロータ111に対し締結する構成となっている。
前記カム機構163は、カムプレート167、押圧プレート169、カムボール171からなっている。カムプレート167は、前記クラッチハブ127の小径部135外周面に相対回転自在に支持されている。カムプレート167の背面は、ニードルベアリング173を介して磁性ロータ111側に支持されている。カムプレート167の外周に、前記パイロットクラッチ161のインナープレートがスプライン係合している。
前記押圧プレート169は、その外周部が前記メインクラッチ131の端部に対向し、カム機構163の作用によってメインクラッチ131を締結する。押圧プレート169は、クラッチハブ127の小径部135外周面にスプライン係合している。押圧プレート169には、油孔174が設けられている。油孔174は、クラッチハブ127の油孔143に対向している。
前記カムボール171は、前記カムプレート167及び押圧プレート169のカム面間に介設されている。
前記キャリヤカバー7には、図4のようにその底部にドレン口175が設けられ、端面側の上下中間部にフィラー口177が設けられている。ドレン口175には、ドレンプラグ179が着脱可能に取り付けられ、フィラー口177にはフィラープラグ181が着脱可能に取り付けられている。ドレン口175は、キャリヤカバー7内からオイルを排出するために設けられ、フィラー口177はキャリヤカバー7内にオイルを供給するために設けられている。
前記トルク伝達カップリング1の組付順序は以下の通りである。
前記デフキャリヤ9の軸受ハウジング77に、一対のテーパーローラベアリング117,119を介しドライブピニオンシャフト17が支持されている状態において、ドライブピニオンシャフト17の回転軸芯が上下方向となるようにデフキャリヤ9をセットする。
前記ドライブピニオンシャフト17に対してクラッチハブ127をスプライン係合させる。ナット137を締め込んで、クラッチハブ127をテーパーローラベアリング117に対して締結し、クラッチハブ127の固定を行うと共に、テーパーローラベアリング117,119に対しプリロードを付与する。
次いで、馬蹄形状のU字スペーサ183(図3破線図示)をデフキャリヤ9の突条部89に乗せるように配置し、その上からカップリングケース129を当接させるように配置する。この状態で、メインクラッチ131、カム機構163、ニードルベアリング173、アーマチャ165、パイロットクラッチ161を組み付ける。
次いで、磁性ロータ111及び回転軸11を組み付ける。カップリングケース129にストッパ151を取付た後、前記スペーサ83を横方向から抜き取る。
次いで、電磁石133を固定したキャリヤカバー7を組み付け、その合わせ面95をデフキャリヤ9側の合わせ面87に突き合わせ、突部93を突部85にボルト97によって締結し、デフキャリヤ9に対しキャリヤカバー7を固定する。
次いで、回転軸11の端部にフランジ部材103を、シール107、ダストカバー109と共に取り付け、ナット105で締結してフランジ部材103を回転軸11に固定する。
次に作用を説明する。
前記電磁石133が通電制御されておらずメインクラッチ131が締結されていないとき、トルク伝達カップリング1はトルク伝達状態にはない。このとき、プロペラシャフト5から回転軸11にトルクが伝達されても、回転軸11から磁性ロータ111、カップリングケース129へと伝達されたトルクは、メインクラッチ131で遮断され、回転軸11からドライブピニオンシャフト17へトルク伝達が行われることはない。従って、前記のように前輪57,59での二輪駆動走行を行うことができる。
前記電磁石133が通電制御されると、電磁石133と磁性ロータ111との間のエアギャップを介して、電磁石133、磁性ロータ111、アーマチャ165間に磁束ループが形成され、アーマチャ165は磁性ロータ111側へ引き付けられる。この引きつけで、アーマチャ165はパイロットクラッチ161側へ移動し、磁性ロータ111とアーマチャ165との間でパイロットクラッチ161が締結される。
この締結によって、磁性ロータ111、カップリングケース129、パイロットクラッチ161を介しカムプレート167にトルクが伝達され、ドライブピニオンシャフト17側と一体的に回転する押圧プレート169との間に相対回転が起こる。この相対回転によりカムボール171がカムプレート167及び押圧プレート169のカム面に乗り上げる。この乗り上げによって、カムプレート167、押圧プレート169間の間隔が広がり、カムプレート167がニードルベアリング173を介して磁性ロータ111側で反力を受け、押圧プレート169がメインクラッチ131を締結する。
この締結によって、回転軸11、磁性ロータ111、カップリングケース129へと伝達されたトルクは、メインクラッチ131、クラッチハブ127を介してドライブピニオンシャフト17へ伝達され、前記のように前輪57,59、後輪25,27での四輪駆動走行を行うことができる。
走行中、キャリヤカバー7内のオイルは、その遠心力によってテーパーローラベアリング117側からクラッチハブ127の油孔141を通って、メインクラッチ131を潤滑し、さらにカップリングケース129の油孔147を通って、その外周側に至る。カップリングケース129の外周側のからは、凹部79等へ至り、軸受ハウジング77の外周面の傾斜等にガイドされて内周のテーパーローラベアリング117側に至るという循環を行い、メインクラッチ131等を充分に潤滑することができる。
また、オイルは油孔143,174を通ってカム機構163側にも至り、カム機構163やパイロットクラッチ161周辺の充分な潤滑を行わせることができる。
前記キャリヤカバー7内への潤滑オイルの供給は、前記フィラープラグ181を取り外し、フィラー口177から容易に行うことができる。キャリヤカバー7内から潤滑オイルを排出するときは、ドレンプラグ179を取り外し、ドレン口175から容易に行うことができる。従って、キャリヤカバー7内のオイルの交換を極めて容易に行うことができ、装置の耐久性を向上させることができる。
前記トルク伝達カップリング1は、キャリヤカバー7内に収容配置され、キャリヤカバー7は外部に露出しているため放熱効果が高く、トルク伝達カップリング1の耐久性を向上させることができる。
車輌牽引時等においては、回転が停止している回転軸11側に対し、後輪25,27側からの回転力の伝達によってドライブピニオンシャフト17が回転し、メインクラッチ131において摺動回転が起こり発熱することがある。この発熱によって、キャリヤカバー7内の圧力が上昇したときには、キャリヤカバー7内の空間容量によって圧力上昇を抑制することができ、圧力上昇によるトルク伝達カップリング1の制御特性の低下等を抑制することができる。さらに、一定以上の圧力がブリーザ81から外部に抜けるので、キャリヤカバー7内の圧力上昇をより効果的に抑制することができ、圧力上昇による不具合をより確実に抑制することができる。
前記メインクラッチ131は、伝達トルクの容量を増大するために多くのクラッチ板を軸方向に積層された摩擦多板クラッチとして構成されている。このメインクラッチ131は、テーパーローラベアリング117及びオイルシール123の外周に位置し、電磁石133はナット137の外周に位置し、且つパイロットクラッチ161及びカム機構163はメインクラッチ131及び電磁石133間においてドライブピニオンシャフト17の外周に位置するため、オーバーラップ代が大きく配置容積の有効的共有によってキャリヤカバー7内に殆ど無駄な空間が発生せず、全体をコンパクトにし、重量軽減を図ることもできる。
前記ドライブピニオンシャフト17と回転軸11との間の回転軸心に沿った方向の長さを極めて短くすることができ、プロペラシャフト5をその分長くすることによって、取付角度を小さくし、回転振動等の抑制を図ることができる。
前記テーパーローラベアリング117,119は、前記軸受ハウジング77に間隔を置いて設けられ、該テーパーローラベアリング117,119間に、オイルシール123を設け、キャリヤカバー7は、前記軸受ハウジング77周囲を覆うため、デフキャリヤ9内とキャリヤカバー7内とを確実に区画して別種のオイルを用いることができながら、オイルシール123の特別な設置スペースを必要としない。しかも、間隔を置いたテーパーローラベアリング117,119によりドライブピニオンシャフト17を確実に支持し、振動等の発生を抑制することができる。
図5,図6は、本発明の実施例2に係り、図5は図2に対応し、トルク伝達カップリング1Aの取付状態を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図、図6は要部の拡大断面図である。尚、基本的な構成は実施例1とほぼ共通し、対応する構成部分には同符号又は同符号にAを付して説明する。
図5,図6のように、本実施例のトルク伝達カップリング1Aは、入出力回転部材としてのドライブピニオンシャフト17Aの端部に、ナット137を貫通状態で締結し、ドライブピニオンシャフト17Aの端部185に内回転部材としてのクラッチハブ127をスプライン嵌合によって回転係合させたものである。
前記ナット137は、トルク制御手段125Aのクラッチハブ127を締結することはなく、テーパーローラベアリング117,119のプリロードのみを付与する構成となっている。
前記ドライブピニオンシャフト17Aの端部185と外回転部材の一部である回転軸11Aとの間には、オイル空間187が設けられている。またナット137とクラッチハブ127の大径部139内面との間には、充分なオイル空間187が形成され、メインクラッチ131とデフキャリヤ9の区画壁75との間にも充分なオイル空間191が設けられている。
従って、本実施形態においてもメインクラッチ131がテーパーローラベアリング117及びナット137の外周に位置し、全体的に回転軸心に沿った方向の長さを短くして、実施例1とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
前記ドライブピニオンシャフト17Aの端部に、ナット137を貫通状態で締結し、前記端部185に、前記クラッチハブ127を回転係合させたため、テーパーローラベアリング117及びナット137とメインクラッチ131との占有容積を供用することができ、充分なオイル空間187,189,191を確保しながら全長を確実に短くすることができる。
また本実施例では、オイル空間187,189,191を充分に取ることによって、テーパーローラベアリング117、メインクラッチ131、カム機構163、パイロットクラッチ161等を充分に潤滑することができる。
組付けに際しては、ナット137の締結によってテーパーローラベアリング117,119にプリロードを付与した状態で、ドライブピニオンシャフト17Aを組み付ける。
一方、キャリヤカバー7A側においては、電磁石133、回転軸11A及び磁性ロータ111、カップリングケース129、パイロットクラッチ161、カム機構163、クラッチハブ127、メインクラッチ131の順に組込み、サブアッセンブリする。このサブアッセンブリしたキャリヤカバー7A側を、ドライブピニオンシャフト17Aに組込み、クラッチハブ127をドライブピニオンシャフト17Aの端部185にスプライン係合させ、キャリヤカバー7Aをボルト97によってデフキャリヤ9側に締結する。これによってデフキャリヤ9側に対してトルク伝達カップリング1Aの組込みを完了させることができる。
従って、メインクラッチ131、電磁石133、パイロットクラッチ161、カム機構163、クラッチハブ127、カップリングケース129等の組付、交換、部品管理等を極めて容易に行うことができる。
図7,図8は本発明の実施例3に係り、図7は図2に対応し、トルク伝達カップリング1Bの取付状態を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図、図8は要部の拡大断面図である。尚、基本的な構成は実施例2とほぼ共通し、対応する構成部分には同符号又は同符号にBを付し、或いは同符号のAをBに代えて説明する。
本実施例では、実施例2に対し、トルク制御手段125Bの断続部としてのメインクラッチ131Bとアクチュエータとしての電磁石133Bとの配置位置を変更したものである。従って、外回転部材としてのカップリングケース129Bは、回転軸11Bと一体に構成され、磁性ロータ111Bはカップリングケース129Bの端部に後付けで一体的に取り付けられる。
前記電磁石133Bは、デフキャリヤ9側の軸受ハウジング77B外周面78にセンタリングされ背面に取り付けたプレートをボルト80によって軸受ハウジング77Bの外周部に回転方向及び軸方向の位置を固定して取り付けられている。内回転部材としてのクラッチハブ127Bは、大径部137Bにメインクラッチ131Bのインナープレートがスプライン係合し、小径部135Bがドライブピニオンシャフト17Bの端部185にスプライン係合している。クラッチハブ127Bの端部内周は、回転軸11Bに対しボールベアリング193によって相対回転自在に支持されている。
従って、電磁石133Bの通電制御によって断続部の一部としてのアーマチャ165が引き付けられ断続部の一部としてのパイロットクラッチ161が締結されると、断続部の一部としてのカムプレート167が回転軸11B、カップリングケース129B側と共に回転し、ドライブピニオンシャフト17B側と一体的に回転する断続部の一部としての押圧プレート169との間に相対回転が起こる。この相対回転により、前記同様、カム機構163が働き磁性ロータ111B側に対する反力として押圧プレート169とカップリングケース129Bの端壁195との間でメインクラッチ131Bを締結することができる。
従って前記同様、回転軸11Bからメインクラッチ131Bを介し、ドライブピニオンシャフト17Bへトルク伝達を行うことができる。
また本実施例では、電磁石133Bがテーパーローラベアリング117及びナット137の外周に配置されているため、トルク伝達カップリング1Bの回転軸心に沿った方向の長さを短くして、全体的にコンパクトに形成し、重量軽減を図ることができる。
また、トルク伝達カップリング1Bの長さを短くすることによって、前記同様、プロペラシャフト5側の長さをその分長くすることができ、取付角を小さくして、回転振動等の抑制を図ることができる。
前記トルク伝達カップリング1Bの組付けは、キャリヤカバー7B側においては、回転軸11B及びカップリングケース129B、クラッチハブ127B、メインクラッチ131B、カム機構163、パイロットクラッチ161、磁性ロータ111Bをこの順に組込み、サブアッセンブリする。デフキャリヤ9側の軸受けハウジング77B外周に電磁石133Bを取付る。前記サブアッセンブリしたキャリヤカバー7B側を、ドライブピニオンシャフト17Bに組込み、クラッチハブ127Bをドライブピニオンシャフト17Bの端部185にスプライン係合させ、キャリヤカバー7Bをボルト97によってデフキャリヤ9側に締結する。これによってデフキャリヤ9側に対してトルク伝達カップリング1Bの組込みを完了させることができる。
従って、メインクラッチ131B、電磁石133B、パイロットクラッチ161、カム機構163、クラッチハブ127B、カップリングケース129B等の組付、交換、部品管理等を極めて容易に行うことができる。
図9は本発明の実施例4に係り、トルク伝達カップリングの取付状態を示す拡大縦断面図である。なお、基本的な構成は実施例1とほぼ共通し、対応する構成部分には同符号又は同符号にCを付して説明する。
本実施例のトルク伝達カップリング1Cは、アクチュエータを電動モータ201とし、該電動モータ201の駆動により断続部の一部としての加圧ギヤセット203を介して摩擦係合する断続部の一部としての摩擦多板クラッチ209を締結する構成とした。従って、本実施例のトルク制御手段125Cは、電動モータ201、加圧ギヤセット203、及び摩擦多板クラッチ209によって主に構成されている。
図9のように、トルク伝達カップリング1Cは、外回転部材としてのクラッチハウジング207と、内回転部材としてのクラッチハブ127Cとを備えている。クラッチハウジング207は、出力回転部材の一方であるドライブピニオンシャフト17Cにスプライン嵌合している。クラッチハブ127Cは、入力回転部材である回転軸11Cに一体に設けられているが、必ずしも一体形成されるものではなく、それぞれを別部材としてスプライン連結や溶接などにより一体的に回転するように形成しても良い。クラッチハウジング207及びクラッチハブ127C間に、前記摩擦多板クラッチ209が設けられている。摩擦多板クラッチ209は、アウタープレートが前記クラッチハウジング207に係合し、インナープレートが前記クラッチハブ127Cに係合している。従って、摩擦多板クラッチ209の摩擦係合により、クラッチハウジング207及びクラッチハブ127C間のトルク伝達を制御することができる。
前記摩擦多板クラッチ209は、前記ドライブピニオンシャフト17Cを回転自在に支持するテーパーローラベアリング117Cの外周側に配置されている。
具体的には、前記クラッチハブ127Cは、縦壁211により回転軸11Cに一体に結合されている。クラッチハウジング207の内周側にテーパ状の内筒部213が一体に設けられ、内筒部213の端部に縦壁215が設けられている。縦壁215の内周部217は、ドライブピニオンシャフト17Cの端部にスプライン結合されている。また、回転軸11Cとクラッチハウジング207の内周部217との間には、ベアリング219が配置され、互いに支持関係にある。
前記テーパーローラベアリング117C,119Cを支持する第1のキャリヤ部分である軸受ハウジング77Cには、肉盛り部221が設けられている。軸受ハウジング77C及び肉盛り部221は、テーパーローラベアリング117Cよりも回転軸心に沿った方向へ突出するように若干延長形成され、軸受ハウジング77C先端内周とシール摺動リング223との間にシール225が設けられている。シール摺動リング223は、ナット137Cとテーパーローラベアリング117Cのインナーレースとの間に締結固定されている。この構成により油路227がテーパーローラベアリング117Cの外周側からテーパーローラベアリング117Cのインナーレース及びアウターレース間に至るまで延設されている。前記第3のキャリヤ部分としてのデフキャリヤ9内には、前記油路227の端部において案内壁228が設けられ、油路227の一側壁に連続している。
前記クラッチハウジング207及びクラッチハブ127C間の端部には、断続部の一部としての押圧部材229が対向配置されている。押圧部材229には、その内周側に断続部の一部としての加圧受部231が一体に設けられている。加圧受部231の内周には、支持ボス部233が周回状に設けられている。
前記押圧部材229に隣接して前記加圧ギヤセット203が設けられている。前記加圧ギヤセット203は、一対のギヤ235,237と、該ギヤ235,237に噛み合う遊星ギヤ241と、該遊星ギヤ241を支持する遊星キャリヤ243とを有している。
前記一対のギヤ235,237、遊星ギヤ241、遊星キャリヤ243の何れかが第2のキャリヤ部分としてのキャリヤカバー7C側に支持され、同他の何れかが回転駆動され、その他が相対回転することで、回転駆動による入力を回転軸芯に沿った方向の加圧力に変換して、前記摩擦多板クラッチ209を摩擦係合させる構成となる。
本実施例では、遊星ギヤ241が遊星キャリヤ243によってキャリヤカバー7C側に回転支持されている。遊星キャリヤ243は、キャリヤピン245及びキャリヤカバー7Cで構成され、キャリヤピン245がキャリヤカバー7Cに螺合固定されている。キャリヤピン245で回転自在に支持された遊星ギヤ241は、ギヤ235,237の周方向に所定間隔で複数備えられている。
前記加圧ギヤセット203のギヤ235は、電動モータ201の回転駆動軸247の端部に一体に設けられている。回転駆動軸247は、ベアリング249,251によってキャリヤカバー7C側に回転自在に支持されている。これによって、電動モータ201と前記摩擦多板クラッチ209とが、回転軸芯を一致させて配置された構成となっている。なお、電動モータ201は、回転軸に沿った方向へ長く形成されてキャリヤカバー7Cの小径部内に配置され、キャリヤカバー7Cによって安定的に支持されている。加圧ギヤセット203及び摩擦多板クラッチ209等は、キャリヤカバー7Cの大径部内に配置されている。
前記加圧ギヤセット203のギヤ237は、前記押圧部材229の支持ボス部233に回転自在に支持されている。ギヤ237と押圧部材229の加圧受部231との間には、スラストベアリング252が介設されている。
前記一対のギヤ235、237は、歯数が僅かに異なって形成され、前記遊星ギヤ241に噛み合っている。該ギヤ235,237間に、ボール253を備えたカム機構255が介設されている。
前記摩擦多板クラッチ209が締結されていないとき、クラッチハウジング207及びクラッチハブ127C間は相対回転可能である。従って、前記のようにエンジン49側からプロペラシャフト5側に伝達されたトルクが回転軸11Cを介して、クラッチハブ127Cに入力されても、トルクがクラッチハウジング207側に伝達されることはなく、トルク伝達カップリング1Cはトルクを伝達しない状態となっている。すなわち、前記のように前輪57,59の駆動による二輪駆動状態での走行を行うことができる。
前記電動モータ201を回転駆動すると、回転駆動軸247を介してギヤ235にトルクが伝達され、遊星ギヤ241が共に回転する。遊星ギヤ241が回転すると、他方のギヤ237も回転する。
この場合、ギヤ235及び遊星ギヤ241間のギヤ比と、ギヤ237及び遊星ギヤ241間のギヤ比とが僅かに異なっているため、ギヤ237が大きく減速されてギヤ235に対し低速で相対回転する。この相対回転により、ギヤ235,237のカム面がボール253に乗り上げ、カム機構255が推力を発生する。
前記カム機構255の推力は、ギヤ235及び回転駆動軸247を介してキャリヤカバー7C側で受けられ、その反力がギヤ237に作用する。この推力の作用によってギヤ237が移動し、スラストベアリング252を介して加圧受部231を回転軸芯に沿った方向へ加圧する。
前記加圧によって、押圧部材229が同方向へ移動し、摩擦多板クラッチ209がクラッチハウジング207との間で締結される。摩擦多板クラッチ209は、押圧部材229の締結力に応じて摩擦係合力を発揮し、クラッチハブ127Cとクラッチハウジング207との間のトルク伝達を行わせる。
前記クラッチハウジング207からは、ドライブピニオンシャフト17Cへトルクが伝達され、ドライブピニオンシャフト17Cから前記のようにして後輪25,27側へ出力される。これによって、前輪57,59及び後輪25,27の駆動による四輪駆動状態で走行することができる。
前記回転駆動軸247からギヤ237へ伝達される回転は、遊星ギヤ241を介して大きく減速されているため、電動モータ201を小型化し、コンパクトに形成しながら摩擦多板クラッチ209確実に締結することができる。
前記電動モータ201を小型化し、コンパクトに形成することができるため、重量軽減を図ることもできる。また、全体的な小型化によってトランスファ等の狭いスペース内にも極めて容易に配置することができる。
前記電動モータ201の駆動力調整により、摩擦多板クラッチ209の締結力を調整し、該調整によって前記後輪25,27側へのトルク伝達を微調整することができる。この場合、回転駆動軸247からギヤ237へ伝達される回転は、前記のように大きく減速されているため、電動モータ201の回転駆動に対してギヤ235,237が極めて低速で相対回転し、摩擦多板クラッチ209の微調整を容易に行うことができる。これによって、発進走行、コーナリング走行、悪路走行など自動車の走行状況に応じて、任意にかつ容易にトルク調整を行うことができる。
また、本実施例では、前記ピニオンギヤ18及びリングギヤ19の噛み合い回転時に、デフキャリヤ9内の飛散ギヤオイルが案内壁228に案内されて油路227に至り、或いは飛散ギヤオイルが直接油路227に至る。油路227に至った飛散ギヤオイルが油路227の傾斜でテーパーローラベアリング117Cの外周側へ流動する。テーパーローラベアリング117Cの外周側からは、インナーレース及びアウターレース間にギヤオイルが流れ、テーパーローラベアリング117Cが確実に潤滑される。テーパーローラベアリング117Cを潤滑した余剰オイルは軸受ハウジング77Cの内周側を流れ、他方のテーパーローラベアリング119Cを潤滑しながらデフキャリヤ9内へ戻ることができる。
前記摩擦多板クラッチ209側は、シール225で区画されるため、ギヤオイルとは異なる例えばオートマチックトランスミッションオイル等を用いることができる。このオートマチックトランスミッションオイルにより摩擦多板クラッチ209等をテーパーローラベアリング117C等とは別に的確に潤滑することができる。なお、ベアリング249,251にシールドタイプのベアリングを用いるか、ベアリング249,251とに隣接配置してオイルシールを用いることにより、駆動モータ201が配置されるキャリヤカバー7C内の空間を隔離空間とすることができる。また、電動モータ201が配置されるキャリヤカバー7Cの外周部に複数のリブを設けることにより電動モータ201の冷却性が向上し、耐久性が向上する。
その他、本実施例においても上記実施例とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
図10は本発明の実施例5に係るトルク伝達カップリング1D及びその周辺の縦断面図である。本実施例の基本的な構成は、図9の実施例4とほぼ同様であり、対応する構成部分には同符号又は同符号にDを付し或いは同符号のCをDに代えて説明する。
本実施例では、実施例4に対し断続部の一部としての摩擦多板クラッチ209Dとアクチュエータとしての電動モータ201Dとの軸方向位置を入れ替えたものである。
本実施例の第2のキャリヤ部材としてのキャリヤカバー7Dに対して第4のキャリヤ部分としてのカバー端部257及びカバー胴部259を分割構成し、着脱自在としている。カバー端部257は、カバー胴部259に対してボルトなどにより着脱自在に結合され、カバー胴部259は、デフキャリヤ9にボルトなどにより内部に配置されるトルク伝達カップリング1Dの相対位置を考慮して着脱自在に結合されている。
前記電動モータ201Dは、デフキャリヤ9に連結するカバー胴部257の内部に収容され、テーパーローラベアリング117D,119Dの外周側に配置されている。
すなわち、デフキャリヤ9に一体形成された第1のキャリヤ部分としての軸受ハウジング77Dをカバー胴部257内周側に突設し、該軸受ハウジング77Dにテーパーローラベアリング117D,119Dが支持されている。このテーパーローラベアリング117D,119Dによりドライブピニオンシャフト17Dが軸受ハウジング77Dに回転自在に支持されている。
前記軸受ハウジング77Dの外周には、アクチュエータの一部としての回転駆動軸247Dがベアリング261,263を介して回転自在に支持されている。ベアリング263のインナーレースは、デフキャリ9側に回転軸心に沿った方向で軸受ハウジング77Dの一端に形成された段部に突き当て支持されている。
前記回転駆動軸247Dに、加圧ギヤセット203Dのギヤ235Dがスプライン結合されている。
前記トルク伝達カップリング1Dの外回転部材としてのクラッチハウジング207Dと内回転部材としてのクラッチハブ127Dとの内、クラッチハウジング207Dが回転軸11Dに一体に設けられ、クラッチハブ127Dが入出力回転部材の他方としてのドライブピニオンシャフト17Dにスプライン結合されている。回転軸11Dとドライブピニオンシャフト17Dとの間には、ニードルベアリング264が配置され、互いの支持関係を直接的に行っている。
そして、前記電動モータ201Dを回転駆動すると、回転駆動軸247Dを介して一方のギヤ235Dが一体に回転駆動される。ギヤ235Dが回転駆動されると、これに噛み合う遊星ギヤ241が自転し、遊星ギヤ241に噛み合うギヤ237Dが連動する。すなわち、ギヤ235D及び237Dは共に回転することになる。
前記遊星ギヤ241及びギヤ235D間のギヤ比と、遊星ギヤ241及びギヤ237D間のギヤ比とは、前記のように僅かに異なって設定されている。このため、ギヤ237Dは、ギヤ235Dと共に回転しながらギヤ235Dに対し低速で相対回転する。この相対回転により、前記と同様にカム機構255が働き、推力を発生する。
前記ギヤ237Dは、回転駆動軸247D及びベアリング263を介してデフキャリヤ9側に回転軸心に沿った方向で支持される。このため、前記推力はデフキャリヤ9側で受けられ、その反力によりギヤ237Dが加圧受部231側へ移動する。この移動により、前記同様に、押圧部材229を介し摩擦多板クラッチ209Dを締結することができる。ギヤ235D、遊星ギヤ241、ギヤ237D、カム機構255、加圧受部231は、摩擦多板クラッチ209Dと共に断続部を構成している。
従って、本実施例においても、実施例4とほぼ同様な作用効果を奏することができる。また本実施例では、ドライブピニオンシャフト17Dの軸受けスパンを増大させ、ドライブピニオンシャフト17Dを軸受ハウジング77Dに確実に支持することができる。また、軸受ハウジング77Dは、電動モータ201D内周側に収納される形態となるため、内部空間の有効利用により全体的にコンパクトに形成することができる。また、電動モータ201Dは、軸受ハウジング77Dの外周側に配置されているのでトルク伝達カップリング1Dを軸方向に短縮することができる。さらに配置スペースを有効にレイアウトしながら電動モータ1Dの容量を増大することができるので、摩擦多板クラッチを締結するための駆動トルク(操作力)が向上し、操作レスポンスも向上する。カム機構255やギヤ235D、遊星ギヤ241、ギヤ237Dも軸受ハウジング77Dの外周側に配置し、軸方向のコンパクト化と高減速比が得られている。
図11は本発明の実施例6に係るトルク伝達カップリング1Eの取り付け状態を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図である。本実施例の基本的な構成は、図1の実施例1とほぼ同様であり、対応する構成部分には同符号又は同符号にEを付して説明する。
本実施例のトルク伝達カップリング1Eは、第4のキャリヤ部分としてのキャリヤカバー7Eを変更したものである。本実施例のキャリヤカバー7Eは、第1のキャリヤ部分としてのデフキャリヤ9と一体的に筒状に形成された第2のキャリヤ部分としてのカバー胴部259Eの端部に分割して形成され、着脱可能に一体的に固定されている。キャリヤカバー7Eは、半径方向壁257Eを有して、外周側に固定部、内周側にボス部13が一体形成されている。
前記カバー端部257Eの外周には雄ねじ部265が設けられている。カバー端部257Eの内面側には、凹部267が周回状に形成されている。
前記カバー胴部259Eの軸方向端部には、開口側端部に雌ねじ部269が設けられている。カバー端部257Eの雄ねじ部265がカバー胴部259Eの雌ねじ部269に螺合してカバー端部257Eがカバー胴部259Eに結合されている。カバー端部257Eの雄ねじ部265にロックナット271が螺合し、カバー胴部259Eに対するカバー端部257Eの緩み止めが行われている。カバー胴部259E側には、シール273が収容支持され、カバー端部257Eの外周面に密接している。
前記凹部267には、カップリングケース129Eの端部275が配置されている。磁性ロータ111Eの端部277も同様に凹部267内まで延設されアクチュエータとしての電磁石133のコイルの背面のコア部分との間に互いに半径方向に対向して磁力線を透過するエアギャップ112Eが形成されている。ロータ111Eとコアとの間にはもう一つのエアギャップ114Eが形成されている。
そして、本実施例でも、実施例1と同様な作用効果を奏することができる。
また、本実施例では、雌ねじ部269及び雄ねじ部265の螺合調整によりキャリヤカバー7Eのカバー端部257Eをカバー胴部259Eに対し位置調整することができる。カバー端部257Eをカバー胴部259Eに対し位置調整すると、カバー端部257E、磁性ロータ111E、断続部(カム機構163、押圧プレート169、メインクラッチ131)、カップリングケース129Eへと力が順次伝達され、カップリングケース129E等の位置調整を容易に行わせることができる。
また、カバー端部257Eをカバー胴部259Eに、雄ねじ部265及び雌ねじ部269により結合したから、キャリヤカバー7Eの外周に突出する部分が抑制され、他部品との干渉を容易に避けることができる。
前記カップリングケース129Eの端部275及び磁性ロータ111Eの端部277を、カバー端部257Eの凹部267内へ延長配置することができ、カップリングケース129E及び磁性ロータ111E間のスプライン結合をより確実に行わせることができる。
図12は本発明の実施例7に係るトルク伝達カップリング1Fの取り付け状態を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図である。本実施例の基本的な構成は、図11の実施例6とほぼ同様であり、対応する構成部分には同符号又は同符号にFを付し、或いは符号のEをFに代えて説明する。
本実施例のトルク伝達カップリング1Fは、キャリヤカバー7Fのカバー端部257F及びカバー胴部259Fの結合構造を変更したものである。
本実施例では、カバー端部257F及びカバー胴部259Fに結合フランジ279,281が設けられ、結合フランジ279,281が周方向所定間隔で複数備えられたボルト283により締結され、カバー端部257Fがカバー胴部259Fに結合されている。
従って、本実施例でも、実施例6とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
尚、キャリヤ構造は、図13のように入出力回転部材の支持状態や外形形状、組み付け手順、トルク制御手段の支持状態や外形形状、組み付け手順、アクチュエータの支持状態や外形形状、組み付け手順を考慮して第1〜第4キャリヤ部分の分割選定を種々変更することができる。(a)〜(f)は、第3のキャリヤ部分としてのデフキャリヤに対する第1,第2,第4キャリヤの分割選定と取付状態を示すスケルトン断面図である。(a)は、実施例1等に適用した構造である。(b)は、カバー胴部259Hを有する第2のキャリヤ部分としてのキャリヤカバー7Hに第4のキャリヤ部分としてのカバー端部257Hを分割構成し、カバー胴部259Hを第1のキャリヤ部分としてのデフキャリヤ9Hに一体に設け、カバー胴部259Hにカバー端部257Hをボルト285で結合したものである。また、デフキャリヤ9H側には、第1のキャリヤ部分としての軸受ハウジング147Hが一体に設けられている。(c)は、カバー胴部259Iを有する第2のキャリヤ部分としてのキャリヤカバー7Iに第4のキャリヤ部分としてのカバー端部257Iを分割構成し、分割構成されたカバー胴部259Iを第1のキャリヤ部分としてのデフキャリヤ9Iにボルト97で結合し、カバー胴部259Iにカバー端部257Iをボルト285で結合したものである。デフキャリヤ9I側には、第1のキャリヤ部分としての軸受ハウジング147Iが一体に設けられている。(d)は、(c)の変形例であり、第1のキャリヤ部分としての軸受ハウジング147Iを第2のキャリヤ部分としてのキャリヤカバー7Iのカバー胴部259I側に一体に設け分割された第3のキャリヤ部分としてのデフキャリヤ9Iにボルトにより一体的に取付けたものである。(e)は、(a)の変形例であり、第1のキャリヤ部分としての軸受ハウジング147をデフキャリヤ9とは別体に分割形成し、ボルト287により軸受ハウジング147をデフキャリヤ9に対して結合したものである。(f)は、(a)の変形例であり、軸受ハウジング147をデフキャリヤ9とは別体に分割形成し、ボルト287により軸受ハウジング147をキャリヤカバー7に対して結合したものである。
上記実施例では、軸受の外周にトルク制御手段125の少なくとも一部を配置する構成にしたが、トルク制御手段125全体を配置する構成にすることも可能である。トルク制御手段の構成は、上記実施例に限らず、ポンプなどの流体圧に起因した締結力により入出力回転部材間のトルク伝達を行うもの等でもよく、その一部に流体の剪断抵抗によってトルク伝達を行うものが付加されているものでもよい。具体的には、外部制御を伴わないくともトルク伝達制御が可能な構造としてビスカスカップリングやオイルポンプ、オイルポンプの吐出圧をトリガとして多板クラッチを押圧するもの、ロータリーブレードカップリング、ダイラタント流体を用いたカップリング等でも良い。
前記実施例では、メインクラッチ131或いは電磁石133B、摩擦多板クラッチ209等が、一方のテーパーローラベアリングの外周に位置する構成としたが、双方のテーパーローラベアリングの外周に位置する構成とすることもできる。
また、アクチュエータは、軸受の外周側に配置された環状または周上の一箇所の油圧ピストンシリンダによるものや磁性流体によるもの等を選定可能である。
前記トルク伝達カップリングは、図1のように、トランスファ29の出力側にトルク伝達カップリング1Gとして設け、或いはその他の駆動系に設けることも可能である。
トルク伝達カップリングの配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図である(実施例1)。 トルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図である(実施例1)。 要部の拡大横断面図である(実施例1)。 トルク伝達カップリングの一部を断面にした側面図である(実施例1)。 トルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大横断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図である(実施例2)。 要部の拡大横断面図である(実施例2)。 トルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大横断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図である(実施例3)。 要部の拡大横断面図である(実施例3)。 トルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大縦断面図である(実施例4)。 トルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大縦断面図である(実施例5)。 トルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図である(実施例6)。 トルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大断面図であり、上ほぼ左半分は拡大縦断面図、その他は拡大横断面図である(実施例7)。 (a)〜(f)は、デフキャリヤに対するキャリヤカバーの取付状態を示すスケルトン断面図である。 トルク伝達カップリングの取り付け状態を示す拡大横断面図である(従来例)。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G トルク伝達カップリング
7,7A,7B,7C,7D,7E,7F,7H,7I キャリヤカバー(第2のキャリヤ部分)
9,9H,9I デフキャリヤ(第3のキャリヤ部分、キャリヤ)
11,11A,11B,11C,11D,11E,11F 回転軸(入力回転部材)
17,17A,17B,17C,17D,17E,17F ドライブピニオンシャフト(出力回転部材)
117,117C,117D,119,119C,119D テーパーローラベアリング(軸受)
125,125A,125B,125C,125E,125F トルク制御手段(断続部、アクチュエータ)
127,127B,127C,127D クラッチハブ(内回転部材)
129,129B カップリングケース(外回転部材)
131,131B メインクラッチ(断続部、摩擦係合部)
133,133B 電磁石(アクチュエータ)
137,137C,137D ナット(締結具)
187 オイル空間
201,201D 電動モータ(アクチュエータ)
207,207D クラッチハウジング(外回転部材)
209,209D 摩擦多板クラッチ(摩擦係合部)

Claims (9)

  1. デファレンシャル装置の入力側、又は四輪駆動車のトランスファの出力側何れかに配置されたトルク伝達カップリングであって、
    トルクの入出力伝達を行うための入出力回転部材と、
    前記入出力回転部材間のトルク伝達を制御するトルク制御手段とを備え、
    前記入出力回転部材の一方が、前記デファレンシャル装置のリングギヤと噛み合うドライブピニオンギヤを備えたドライブピニオンシャフト、又は前記トランスファの前側傘歯車と噛み合う後側傘歯車を備えた出力軸であり、
    前記ドライブピニオンシャフト、又は前記出力軸を軸受によりキャリヤに設けられた軸受ハウジングに支持し、前記軸受および前記軸受ハウジングの外周に、前記トルク制御手段の少なくとも一部を配置したことを特徴とするトルク伝達カップリング。
  2. 請求項1記載のトルク伝達カップリングであって、
    前記トルク制御手段は、断続部及び断続部を操作するアクチュエータからなることを特徴とするトルク伝達カップリング。
  3. トルクの入出力伝達を行うための入出力回転部材と、
    前記入出力回転部材間のトルク伝達を制御するトルク制御手段とを備え、
    前記トルク制御手段は、断続部及び断続部を操作するアクチュエータからなり、
    前記断続部は、前記入出力回転部材に各別に連動回転可能な内外回転部材間に設けられて前記入出力回転部材の一方を回転自在に支持する軸受の外周に少なくとも一部が配置され、
    前記入出力回転部材の一方に、前記内回転部材を締結固定すると共に前記軸受に予圧を付与する締結具を締結し、
    前記締結具の外周に、前記アクチュエータの少なくとも一部を配置したことを特徴とするトルク伝達カップリング。
  4. 請求項1又は2に記載のトルク伝達カップリングであって、
    前記ドライブピニオンシャフトの端部に、前記軸受に予圧を付与する締結具を貫通状態で締結し、
    前記端部における前記締結具より先端側に、前記内外回転部材の一方を係合させたことを特徴とするトルク伝達カップリング。
  5. 請求項記載のトルク伝達カップリングであって、
    前記端部と前記入出力回転部材の他方との間に、前記断続部に供給するオイルを溜得るオイル空間を設けたことを特徴とするトルク伝達カップリング。
  6. 請求項1,2,4,5の何れかに記載のトルク伝達カップリングであって、
    前記キャリヤは、第1のキャリヤ部分と第2のキャリヤ部分とを備え、
    前記ドライブピニオンシャフトは、前記軸受を介して第1のキャリヤ部分に設けられた前記軸受ハウジングに支持され、
    前記第1のキャリヤ部分に、前記軸受ハウジングの周囲を覆い該第1のキャリヤ部分に対し区画される前記第2のキャリヤ部分が取り付けられ、
    前記トルク制御手段を、前記第2のキャリヤ部分内に配置したことを特徴とするトルク伝達カップリング。
  7. 請求項記載のトルク伝達カップリングであって、
    前記軸受は間隔を置き一対設けられて、前記ドライブピニオンシャフトを前記軸受ハウジングに支持し、
    前記一対の軸受間に、オイルシールを設けたことを特徴とするトルク伝達カップリング。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載のトルク伝達カップリングであって、
    前記断続部は、前記入出力回転部材間のトルク伝達を締結力に応じて制御する摩擦係合部であることを特徴とするトルク伝達カップリング。
  9. 請求項記載のトルク伝達カップリングであって、
    前記アクチュエータは、前記軸受ハウジングの外周側に設けられた環状の電磁石又は環状の電動モータ又は環状の油圧ピストンシリンダであることを特徴とするトルク伝達カップリング。
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