JP2001050306A - カップリング及びデファレンシャル装置 - Google Patents

カップリング及びデファレンシャル装置

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JP2001050306A
JP2001050306A JP11219042A JP21904299A JP2001050306A JP 2001050306 A JP2001050306 A JP 2001050306A JP 11219042 A JP11219042 A JP 11219042A JP 21904299 A JP21904299 A JP 21904299A JP 2001050306 A JP2001050306 A JP 2001050306A
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JP
Japan
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coupling
fluid pressure
pump
armature
torque transmitting
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JP11219042A
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English (en)
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Masaaki Fushiki
正明 伏木
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルク容量を広い範囲で調整可能にすると共
に、部品点数を低減し、組付け容易にし、軽量、コンパ
クトにして車載性を向上させる。 【解決手段】 トルク伝達部材3、5と、これらの間に
配置された摩擦クラッチ7と、ア−マチャ15の移動に
よって作動するポンプ13と、ア−マチャ15を移動さ
せる電磁石21と、ポンプ13のポンプ圧を受け、押圧
部材11を介して摩擦クラッチ7を押圧するアクチュエ
−タ9とを備え、押圧部材11の受圧面積S1をア−マ
チャ15の押圧面積S2より広くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁石によって
断続されるカップリングと、電磁石によって差動制限力
を制御するデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカップリング及びデファレンシャ
ル装置の構造として、例えば「ガイア新型車解説書 0
−22頁 トヨタ自動車株式会社 編集 同サ−ビス部
発行1998年 5月 29日」に図4のようなカッ
プリング301が記載されている。
【0003】このカップリング301は、4輪駆動車の
後輪側動力伝達系に配置されており、回転ケ−ス30
3、ハブ305、多板式のメインクラッチ307及びコ
ントロ−ルクラッチ309、ア−マチャ311、電磁石
313、カムリング315、ボ−ルカム317、押圧部
材319、コントロ−ラなどから構成されている。
【0004】カップリング301は、デフキャリヤ32
1に収容されており、電磁石313のコア323はデフ
キャリヤ321の内周に支持されている。
【0005】回転ケ−ス303は前部をベアリング32
5により、また、後部を電磁石313のコア323とベ
アリング327によってそれぞれデフキャリヤ321に
支承されている。
【0006】回転ケ−ス303はプロペラシャフトを介
してトランスファからトランスミッション側に連結され
ている。また、ハブ305にはドライブピニオンシャフ
ト329がスプライン連結されており、これと一体に形
成されたドライブピニオンギヤ331はリヤデフ側のリ
ングギヤと噛み合っている。
【0007】メインクラッチ307は回転ケ−ス303
とハブ305との間に配置されており、コントロ−ルク
ラッチ309は回転ケ−ス303とカムリング315と
の間に配置されている。
【0008】また、押圧部材319はハブ305にスプ
ライン連結されており、ボ−ルカム317はカムリング
315と押圧部材319との間に配置されている。
【0009】コントロ−ラは、電磁石313の励磁、励
磁電流の制御、励磁停止などを行う。
【0010】電磁石313が励磁されると、磁気回路に
磁気ル−プ333が形成されてア−マチャ311が吸引
され、コントロ−ルクラッチ309が締結される。コン
トロ−ルクラッチ309が締結されると、回転ケ−ス3
03とハブ305の間のトルクがボ−ルカム317に掛
かり、生じたカムスラスト力により押圧部材319を介
してメインクラッチ307が押圧される。
【0011】こうしてカップリング301が連結される
と、エンジンの駆動力が後輪に送られて車両は4輪駆動
状態になり、悪路の走破性や、車体の安定性が向上す
る。
【0012】また、電磁石313の励磁電流を制御する
と、コントロ−ルクラッチ309の滑りによってボ−ル
カム317のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ
307の連結力が変化して後輪の駆動力が調整される。
【0013】このようにして、前後輪間の駆動力配分比
を制御すると、例えば、旋回走行中の車両の操縦性や安
定性などが向上する。
【0014】一方、電磁石313の励磁を停止すると、
コントロ−ルクラッチ309が開放され、ボ−ルカム3
17のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ307
が開放されてカップリング301の連結が解除され、車
両は2輪駆動状態になる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カップリング
301では、ボ−ルカム317によってトルクを増幅し
メインクラッチ307を締結させているが、パイロット
クラッチ309の連結力が大きくないと、カップリング
301(メインクラッチ307)は充分なトルク容量
(大きな伝達トルク)が得られない。
【0016】また、ボ−ルカム317では、トルク増幅
機能が不充分である。
【0017】しかも、押圧部材319をハブ305に連
結するスプライン部に掛かるトルクによって大きな摩擦
抵抗が生じ、メインクラッチ307の押圧力にロスが生
じるから、トルク容量がさらに低下する。
【0018】従って、充分なトルク容量を得るには、パ
イロットクラッチ309、メインクラッチ307、電磁
石313などを大型にする必要があるから、カップリン
グ301はそれだけ大型化し、重量化して、車載性が低
下する。
【0019】また、電磁石313を大型にすると、バッ
テリの負担が増加し、エンジンの燃費が低下する。
【0020】しかも、トルク容量が小さいから、伝達ト
ルクを広い範囲で制御することが難しく、操縦性などの
向上効果が不充分になると共に、異なった車種に広く対
応することができない。
【0021】さらに、カップリング301では、トルク
増幅用のボ−ルカム317に加えて、パイロット機能が
必要であり、そのために多板式のパイロットクラッチ3
09が用いられているから、部品点数が多い。
【0022】従って、それだけ組付け作業が面倒であ
り、組付け工数が多く、コスト高であると共に、カップ
リングが大型で重くなり、車載性がさらに低下する。
【0023】そこで、この発明は、大きなトルク容量や
差動制限力が得られると共に、これらを広い範囲で調整
可能であり、部品点数が少なく、組付けが容易であり、
軽量、コンパクトで車載性に優れたカップリング及びデ
ファレンシャル装置の提供を目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1のカップリング
は、ケ−ス状トルク伝達部材と、このケ−ス状トルク伝
達部材に貫入した軸状トルク伝達部材と、これら両トル
ク伝達部材の間に配置された摩擦クラッチと、ピストン
状のア−マチャが移動するとポンプ圧が発生する流体圧
ポンプと、このア−マチャを移動させる電磁石と、流体
圧ポンプのポンプ圧を受けて作動し、ピストン状の押圧
部材を介して前記摩擦クラッチを押圧し締結させる流体
圧アクチュエ−タとを備え、押圧部材の受圧面積をア−
マチャの押圧面積より広くしたことを特徴とする。
【0025】本発明のカップリングは、電磁石を励磁す
ると摩擦クラッチが連結される正作動構成にしても、あ
るいは、電磁石の励磁を停止すると、付勢部材によって
摩擦クラッチが連結される負作動構成にしてもよい。
【0026】例えば、正作動の場合、電磁石を励磁して
ピストン状のア−マチャを吸引すると、流体圧ポンプが
作動してポンプ圧が生じ、このポンプ圧を受けて流体圧
アクチュエ−タが作動し、ピストン状の押圧部材を介し
て摩擦クラッチが押圧され、カップリングが連結され
る。
【0027】また、ピストン状押圧部材の受圧面積をピ
ストン状ア−マチャの押圧面積より広くしたことによっ
て、これらの面積比だけ電磁石による吸引力(流体圧ポ
ンプのポンプ圧:摩擦クラッチの押圧力)が増幅される
(パスカルの原理)。
【0028】例えば、このカップリングを4輪駆動車の
後輪側動力伝達系に配置した場合、カップリングが連結
されると、エンジンの駆動力が後輪に送られて車両は4
輪駆動状態になり、悪路の走破性や、車体の安定性が向
上する。
【0029】電磁石の励磁電流を制御すると、吸引力の
変化によってア−マチャが移動し、流体圧ポンプのポン
プ圧が変化して、流体圧アクチュエ−タによる摩擦クラ
ッチの押圧力が変化し、カップリングの伝達トルク(後
輪に伝達される駆動力)を調整することができる。
【0030】このようにして、前後輪間の駆動力配分比
を制御すると、旋回走行中の車両の操縦性や安定性など
が向上する。
【0031】電磁石の励磁を停止すると、流体圧ポンプ
のポンプ圧が消失し、流体圧アクチュエ−タが作動を停
止して摩擦クラッチが開放され、カップリングの連結が
解除されて車両は2輪駆動状態になる。
【0032】また、本発明のカップリングは、ボ−ルカ
ム317を増幅機構に用いた従来例と異なって、上記の
ように、摩擦クラッチの押圧力が流体圧により大きな倍
率で増幅される。
【0033】しかも、流体圧アクチュエ−タの押圧部材
はトルク伝達部材と連結する必要がないから、押圧部材
319がスプライン部で大きな摩擦抵抗を受ける従来例
と異なって、押圧部材が摩擦クラッチを押圧するときに
摩擦抵抗が生じることはなく、押圧力のロスが防止さ
れ、トルク容量がさらに大きくなる。
【0034】従って、電磁石や摩擦クラッチを大型にせ
ずに、充分なトルク容量が得られるから、カップリング
は、それだけコンパクトで軽量に構成することが可能に
なり、車載性が向上する。
【0035】さらに、大型の電磁石を用いないから、バ
ッテリの負担増加と、エンジンの燃費低下とが防止され
る。
【0036】また、従来例と異なって、多板式のパイロ
ットクラッチ309やトルク増幅用のボ−ルカム317
を用いないから、部品点数が少ない。
【0037】従って、それだけ組付け作業が容易で、組
付け工数が少なくてすみ、低コストになると共に、さら
にコンパクトで軽量になり、車載性が向上する。
【0038】一方、押圧力の増幅率は、押圧部材とア−
マチャの面積比を変えることによって自在に調整可能で
あり、また、大きな増幅率が得られるから、伝達トルク
を広い範囲で制御することが可能になり、車両の操縦性
などを充分に向上させることができると共に、異なった
車種に広く対応することができる。
【0039】しかも、流体圧ポンプと流体圧アクチュエ
−タは流体の流路を介して自在に連通させることができ
る。
【0040】さらに、流体の流路は剛性部材を加工して
形成する他に、フレキシブルなチュ−ブを用いることも
できる。
【0041】従って、流体圧ポンプと流体圧アクチュエ
−タの相対位置は自由であり、また、流体圧ポンプに近
接配置される電磁石と、流体圧アクチュエ−タに近接配
置される摩擦クラッチの相対位置も自由であるから、こ
のような構成要素の配置に対する制約が極めて小さく、
レイアウト上の自由度が高い。
【0042】例えば、流体圧ポンプと流体圧アクチュエ
−タとを連通する流体流路中に、相対回転部を設け、こ
こに摺動シ−ルを配置すれば、流体圧ポンプを静止側に
設置することも可能になる。
【0043】この場合は、磁気回路を構成する電磁石の
コアと相手側部材との間にエアギャップを設ける必要が
なくなるから、電磁石と摩擦クラッチをさらに小型にし
ても、充分なトルク容量が得られる。
【0044】なお、本発明のカップリングを、4輪駆動
車の前輪側動力伝達系、または、後輪側の動力伝達系に
配置した場合、カップリングを連結すると車両は4輪駆
動状態になり、連結を解除すると2輪駆動状態になる。
【0045】この場合、カップリングを、前輪側動力伝
達系のプロペラシャフト上、あるいは、後輪側動力伝達
系のプロペラシャフト上に、これらを分断するように配
置し、カップリングを収容する静止側ケ−シングを、ゴ
ム、バネ、粘性ダンパなどを介して車体フレ−ム側に取
り付け、固定してもよい。
【0046】また、本発明のカップリングは、4輪駆動
車のフロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配
分するデファレンシャル装置)と左右いずれかの前輪の
間、または、リヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪
に配分するデファレンシャル装置)と左右いずれかの後
輪の間に配置することもできる。
【0047】この場合も、カップリングを連結すると車
両は4輪駆動状態になり、連結を解除すると、各デファ
レンシャル装置が自由に差動回転することによって、車
輪側への駆動力伝達が停止され、車両は2輪駆動状態に
なる。
【0048】請求項2のデファレンシャル装置は、エン
ジンの駆動力によって回転するケ−ス状トルク伝達部材
と、このケ−ス状トルク伝達部材の回転を一対の軸状ト
ルク伝達部材を介して車輪側に配分する差動機構と、こ
れらトルク伝達部材のいずれか2者の間に配置された摩
擦クラッチと、ピストン状のア−マチャが移動するとポ
ンプ圧が発生する流体圧ポンプと、このア−マチャを移
動させる電磁石と、流体圧ポンプのポンプ圧を受けて作
動し、ピストン状の押圧部材を介して前記摩擦クラッチ
を押圧し締結させる流体圧アクチュエ−タとを備え、押
圧部材の受圧面積をア−マチャの押圧面積より広くした
ことを特徴とする。
【0049】本発明のデファレンシャル装置も、本発明
のカップリングと同様に、電磁石を励磁すると摩擦クラ
ッチが連結される正作動構成にしても、あるいは、電磁
石の励磁を停止すると、摩擦クラッチが付勢部材によっ
て連結される負作動構成にしてもよい。
【0050】例えば、正作動の場合、電磁石を励磁する
と、ピストン状のア−マチャが移動して流体圧ポンプが
作動し、そのポンプ圧が増幅されて流体圧アクチュエ−
タを作動させ、摩擦クラッチが押圧されて連結され、そ
の摩擦抵抗によって差動機構の差動が制限される。
【0051】電磁石の励磁電流を制御すると、摩擦クラ
ッチの滑りが変化して、差動制限力が調整される。
【0052】一方、電磁石の励磁を停止すると、摩擦ク
ラッチが開放され、差動が許容される。
【0053】また、請求項2のデファレンシャル装置で
は、上記のように、流体圧ポンプのポンプ圧を増幅して
流体圧アクチュエ−タを作動させ、摩擦クラッチを押圧
するように構成したことにより、請求項1のカップリン
グと同等の効果を得る。
【0054】請求項3の発明は、請求項1,2に記載の
カップリング、または、デファレンシャル装置であっ
て、ピストン状のア−マチャを、電磁石の励磁を停止し
たときの位置に付勢する付勢部材を設けたことを特徴と
し、請求項1,2の構成の何れかと同等の効果を得る。
【0055】また、この構成では、ピストン状のア−マ
チャは、付勢部材によって、電磁石の励磁を停止したと
きの位置に付勢される。
【0056】電磁石を励磁すると摩擦クラッチが連結さ
れるように構成した場合は、付勢部材がリタ−ンスプリ
ングになり、連結を解除するときのレスポンスがその付
勢力によって大きく向上し、車両の操縦性などを大きく
向上させることができる。
【0057】しかも、摩擦クラッチが付勢部材によって
連結されるように構成した場合は、付勢部材がシフトス
プリングになり、摩擦クラッチが連結されている間は電
磁石が休止し、バッテリの負担が軽減して、エンジンの
燃費が向上する。
【0058】請求項4の発明は、請求項1〜3に記載の
カップリング、または、デファレンシャル装置であっ
て、作動流体を収容するリザ−バ室と、流体圧ポンプと
流体圧アクチュエ−タとが形成する流体圧系にリザ−バ
室からの作動流体を補填する補填流路とを設けたことを
特徴とし、請求項1〜3の構成と同等の効果を得る。
【0059】また、この構成では、作動流体を収容する
リザ−バ室を形成し、このリザ−バ室から流体圧ポンプ
と流体圧アクチュエ−タの流体圧系に作動流体を補填す
る。
【0060】従って、例えば、流体圧系から作動流体が
漏れても、このように作動流体が補填されるから、装置
の性能(摩擦クラッチの連結力)が常に正常に保たれ
る。
【0061】しかも、このような作動流体の補填機能に
よって、流体圧系のシ−ル性を多少緩くすることが可能
になるから、コストをそれだけ低減することができる。
【0062】請求項5の発明は、請求項4に記載のカッ
プリング、または、デファレンシャル装置であって、リ
ザ−バ室を、ケ−ス状トルク伝達部材の内部に設けたこ
とを特徴とし、請求項4記載の構成と同等の効果を得
る。
【0063】これに加えて、ケ−ス状トルク伝達部材の
内部にリザ−バ室を組み込んだから、装置の搭載性、車
載性が大きく向上する。
【0064】請求項6の発明は、請求項4,5に記載の
カップリング、または、デファレンシャル装置であっ
て、作動流体の補填流路に配置されたチェックバルブを
設け、流体圧系の作動圧が所定値以下になるとこのチェ
ックバルブが開放され、リザ−バ室から流体圧系に作動
流体が補填されることを特徴とし、請求項4,5の構成
と同等の効果を得る。
【0065】また、この構成では、流体圧系の圧力が所
定値以下に低下すると、補填流路に配置されたチェック
バルブが作動し、リザ−バ室から流体圧系に作動流体が
補填される。
【0066】従って、作動流体の漏れなどにより、流体
圧系の圧力が所定値以下になっても、このように作動流
体が自動的に補填されるから、装置は長期にわたって正
常な機能が保全される。
【0067】
【発明の実施の形態】図1〜3によってカップリング1
(本発明の一実施形態態)の説明をする。
【0068】このカップリング1は請求項1,3,4,
5,6の特徴を備えている。図1はカップリング1を示
し、図3はカップリング1を用いた4輪駆動車の動力系
を示している。また、左右の方向はこの車両の左右の方
向であり、図1と図2の左方はその前方に相当する。な
お、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0069】図3のように、この動力系は、横置きのエ
ンジン201、トランスミッション203、トランスフ
ァ205、フロントデフ207、前車軸209,21
1、左右の前輪213,215、後輪側のプロペラシャ
フト217、カップリング1、リヤデフ219、後車軸
221,223、左右の後輪225,227などから構
成されている。
【0070】このように、カップリング1は後輪側の動
力伝達系に配置されており、下記のように、後輪22
5,227の連結と切り離し、及び、後輪側に伝達され
る駆動力の制御を行う。
【0071】エンジン201の駆動力は、トランスミッ
ション203の出力ギヤ229からリングギヤ231を
介してフロントデフ207のデフケ−ス233に伝達さ
れ、フロントデフ207から前車軸209,211を介
して左右の前輪213,215に配分され、さらに、デ
フケ−ス233からトランスファ205を介してプロペ
ラシャフト217を回転させ、カップリング1に伝達さ
れる。
【0072】カップリング1が連結されると、エンジン
201の駆動力は、リヤデフ219から後車軸221,
223を介して左右の後輪225,227に配分され、
車両は4輪駆動状態になる。
【0073】また、カップリング1の連結が解除される
と、リヤデフ219以下の後輪側が切り離されて車両は
2輪駆動状態になる。
【0074】図3のように、リヤデフ219はデフキャ
リヤ235に収容されている。このデフキャリヤ235
はキャリヤ本体237の前端にフロントカバ−239を
ボルト241で連結して構成されている。また、デフキ
ャリヤ235にはオイルが封入されている。
【0075】図1のように、カップリング1は、回転ケ
−ス3(ケ−ス状トルク伝達部材)、インナ−シャフト
5(軸状トルク伝達部材)、湿式の多板クラッチ7(摩
擦クラッチ)、油圧アクチュエ−タ9(流体圧アクチュ
エ−タ)、ピストン状の押圧部材11、油圧ポンプ13
(流体圧ポンプ)、ピストン状のア−マチャ15、油路
17、リタ−ンスプリング19(付勢部材)、電磁石2
1、リザ−バ室23、補填流路25、チェックバルブ2
7、コントロ−ラなどから構成されている。
【0076】回転ケ−ス3は、前側のケ−ス29、後側
のケ−ス31、ロ−タ33から構成されている。
【0077】ケ−ス29,31は非磁性材料で作られて
おり、ロ−タ33は磁性材料で作られている。
【0078】ケ−ス29,31は互いの間に設けられた
ねじ部35で螺着されており、ケ−ス31に装着された
スナップリング37で軸方向に位置決めされている。
【0079】また、ケ−ス31とロ−タ33は溶接で一
体にされており、これらの間にはOリング39,39が
配置されている。
【0080】回転ケ−ス3のケ−ス29は、両側シ−ル
のボ−ルベアリング41によってデフキャリヤ235の
フロントカバ−239に支承されている。
【0081】ケ−ス29には連結軸43が一体に形成さ
れており、この連結軸43はフロントカバ−239の前
方から外部に突き出している。連結軸43にはコンパニ
オンフランジ243がスプライン連結され、スナップリ
ング45とワッシャ47とによって固定されている。
【0082】図3のように、このコンパニオンフランジ
243は継ぎ手245側のフランジ247にボルトで連
結されており、回転ケ−ス3をプロペラシャフト217
側に連結している。
【0083】フロントカバ−239とコンパニオンフラ
ンジ243の間にはオイルシ−ル49が配置されてお
り、両側シ−ルのボ−ルベアリング41と共に、デフキ
ャリヤ235からのオイル漏れと、水分や塵のような異
物の侵入とを防止している。
【0084】インナ−シャフト5は、後方から回転ケ−
ス3に貫入しており、その前端部はボ−ルベアリング5
1によってケ−ス29に支承されている。
【0085】また、インナ−シャフト5の後端部は、リ
ヤデフ219側のドライブピニオンシャフト249(図
3)にスプライン連結されており、ドライブピニオンシ
ャフト249を支承するアンギュラ−コンタクトベアリ
ングにより、ドライブピニオンシャフト249を介して
デフキャリヤ235のキャリヤ本体237に支承されて
いる。
【0086】回転ケ−ス3のロ−タ33は、内周でイン
ナ−シャフト5に支承されている。ロ−タ33とインナ
−シャフト5との間にはオイルシ−ル53が配置されて
いる。このオイルシ−ル53は、オイルの移動を防止す
ることによって、デフキャリヤ235に封入されたオイ
ルと、下記のように回転ケ−ス3の内部に封入されたオ
イルとが混ざり合うことを防止している。
【0087】回転ケ−ス3の内部には、ケ−ス29に設
けられたオイル供給用の流路55からオイルが注入され
る。このオイル供給流路55はオイルを注入した後密封
ボ−ル57を圧入してシ−ルされている。このオイルに
はデフキャリヤ235のオイルと異なったオイルが用い
られている。
【0088】多板クラッチ7は、回転ケ−ス3(ケ−ス
29)とインナ−シャフト5との間に配置されている。
ケ−ス29には位置決めリング59が装着されており、
アウタ−プレ−ト61とインナ−プレ−ト63との隙間
を適正に調整している。また、各インナ−プレ−ト63
には貫通孔65が設けられている。
【0089】油圧アクチュエ−タ9は、ケ−ス31に設
けられたシリンダ67とピストン状の押圧部材11とで
構成されている。
【0090】押圧部材11は、受圧部69と多板クラッ
チ7の押圧部71からなり、受圧部69は外周と内周に
配置されたOリング73,75を介してシリンダ67に
係合している。
【0091】図2のように、受圧部69の受圧面積はS
1である。
【0092】また、ケ−ス31に装着されたスナップリ
ング37は押圧部材11の軸方向左側のストッパになっ
ている。
【0093】油圧ポンプ13は、ロ−タ33に設けられ
たシリンダ77とピストン状のア−マチャ15とで構成
されている。
【0094】ア−マチャ15には、電磁石21の磁気回
路の一部をなし磁力によって吸引される吸引部79と、
ピストン部81とからなり、ピストン部81は外周と内
周に配置されたOリング83,85を介してシリンダ7
7に係合している。
【0095】図2のように、ピストン部81の押圧面積
はS2である。
【0096】油圧アクチュエ−タ9の受圧部69の受圧
面積S1は、油圧ポンプ13のピストン部81の押圧面
積S2より所定の倍率だけ広くしてある。
【0097】油路17は、ロ−タ33とケ−ス31とを
通して形成されており、油圧ポンプ13のシリンダ77
と油圧アクチュエ−タ9のシリンダ67とを連通してい
る。また、油路17はロ−タ33とケ−ス31の間に配
置されたOリング39,39の間を通り、これらの接合
面でのオイル漏れを防止している。
【0098】リタ−ンスプリング19は、油圧ポンプ1
3のシリンダ77の内部に配置されており、ピストン部
81(ア−マチャ15)を左方に付勢している。
【0099】電磁石21のコア87は、デフキャリヤ2
35に固定されており、ロ−タ33との間にエアギャッ
プ89を形成している。電磁石21のリ−ド線はデフキ
ャリヤ235に取り付けられたグロメットを通して外部
に引き出されており、コネクタ−を介して車載バッテリ
側のコネクタ−に接続されている。
【0100】リザ−バ室23は、油圧ポンプ13のア−
マチャ15の吸引部79に可撓性のダイヤフラム91を
固定して形成されており、内部にはダイヤフラム91の
弾性力によって適度に加圧されたオイル(作動流体)が
収容されている。
【0101】補填流路25は、リザ−バ室23と油圧ポ
ンプ13のシリンダ77とを連通して形成されている。
【0102】チェックバルブ27は、補填流路25上に
配置されており、ボ−ル93とコイルばね95とで構成
されている。
【0103】コイルばね95はボ−ル93をリザ−バ室
23側に押圧して補填流路25を閉止しており、シリン
ダ77(油圧系)の圧力が所定値以下になると、リザ−
バ室23側の圧力を受けて開放され、オイルをシリンダ
77に補填する。
【0104】回転ケ−ス3とインナ−シャフト5との間
には、ロ−タ33とインナ−シャフト5間のオイルシ−
ル53と、ケ−ス29のオイル供給流路55に圧入され
た密封ボ−ル57とによって、密閉空間97が形成され
ており、この密閉空間97には、注入されたオイルと、
空気とが収容されている。
【0105】インナ−シャフト5には、この密閉空間9
7に連通して容量を増やす容量増大空間99が形成され
ている。
【0106】カップリング1が回転すると、内部のオイ
ルは多板クラッチ7のアウタ−プレ−ト61とインナ−
プレ−ト63との摺動面を潤滑し、冷却する。このと
き、インナ−プレ−ト63に設けられた貫通孔65はオ
イルを全摺動面に拡散させて、潤滑と冷却の効率を高め
る。
【0107】カップリング1の遠心力はこのオイルの流
れと拡散を促進し、潤滑性と冷却性を向上させる。
【0108】コントロ−ラは、車速、操舵角、横Gなど
から旋回走行を検知し、あるいは、路面状態などに応じ
て、電磁石21の励磁、励磁電流の制御、励磁停止など
を行う。
【0109】電磁石21が励磁されると、コア87、エ
アギャップ89、ロ−タ33、ア−マチャ15の吸引部
79などからなる磁気回路に磁力のル−プ101が形成
され、リタ−ンスプリング19の付勢力に抗してア−マ
チャ15が吸引され、油圧ポンプ13が作動してシリン
ダ77にポンプ圧が生じる。
【0110】このポンプ圧が油路17を介して油圧アク
チュエ−タ9のシリンダ67に与えられ、油圧アクチュ
エ−タ9が作動し、押圧部材11が多板クラッチ7を押
圧して締結させ、カップリング1を連結させる。
【0111】このとき、上記のように押圧部材11の受
圧面積S1をア−マチャ15の押圧面積S2より広くし
たことによって、これらの面積比(S1/S2)だけ、
多板クラッチ7の押圧力(電磁石21による吸引力:油
圧ポンプ13のポンプ圧)が増幅され、多板クラッチ7
が強固に締結される。
【0112】こうして、カップリング1が連結される
と、エンジン201の駆動力が後輪225、227に送
られて車両は4輪駆動状態になり、悪路の走破性や、車
体の安定性が向上する。
【0113】また、電磁石21の励磁電流を制御する
と、その吸引力とリタ−ンスプリング19の付勢力との
バランスにより、ア−マチャ15が移動して油圧ポンプ
13のポンプ圧が変化し、油圧アクチュエ−タ9による
多板クラッチ7の押圧力が変化して、カップリング1の
伝達トルクが調整され、後輪225,227に送られる
駆動力を調整することができる。
【0114】このようにして、前後輪間の駆動力配分比
を制御すると、例えば、旋回走行中の車両の操縦性や安
定性などが向上する。
【0115】一方、電磁石21の励磁を停止すると、リ
タ−ンスプリング19の付勢力によってア−マチャ15
が元の位置に戻り、油圧ポンプ13のポンプ圧が消失
し、油圧アクチュエ−タ9の作動が停止して多板クラッ
チ7が開放され、カップリング1の連結が解除されて車
両は2輪駆動状態になる。
【0116】なお、カップリング1は、図3の矢印25
1が示すように、トランスファ205とプロペラシャフ
ト217との間に配置してもよい。
【0117】この場合、プロペラシャフト217とリヤ
デフ219との間に配置した上記の場合と同様に、後輪
225,227の連結と切り離し、及び、伝達トルクの
制御を行う。
【0118】また、カップリング1は、矢印253,2
55が示すように、フロントデフ207と左右いずれか
の前輪213,215との間に配置してもよく、また、
矢印257が示すように、トランスファ205内のギヤ
機構と組み合わせて配置してもよい。さらに、カップリ
ング1は、矢印259,261が示すように、リヤデフ
219と左右いずれかの後輪225,227との間に配
置してもよい。
【0119】前述のように矢印253,255の位置に
設けた場合は、カップリング1を連結すると車両は4輪
駆動状態になり、連結を解除すると、フロントデフ20
7の差動回転が自由になり、前輪213,215への駆
動力伝達が停止されて、車両は2輪駆動状態になる。
【0120】一方、矢印257の位置に設けた場合は、
上記のようにプロペラシャフト217とリヤデフ219
との間に配置した場合と同等の機能が得られる。
【0121】さらに、矢印259,261の位置に設け
た場合は、カップリング1を連結すると車両は4輪駆動
状態になり、連結を解除すると、リヤデフ219の差動
回転が自由になり、後輪225,227への駆動力伝達
が停止されて、車両は2輪駆動状態になる。
【0122】なお、この場合には、トランスファ205
に駆動力断続用のクラッチを設ければ、プロペラシャフ
ト217を完全に静止状態に保つことが可能となり、騒
音、振動、摩耗などが大きく軽減されると共に、エンジ
ン201の燃費が向上する。
【0123】また、カップリングを矢印251,257
の位置に設けた場合は、後車軸221,223と後輪2
25,227との間にハブクラッチ263,265を配
置し、これらの連結をカップリングと連動して解除すれ
ば、カップリングから後輪225,227までの動力伝
達系が、エンジン201の回転と後輪225,227に
よる連れ回りの両方から遮断され、回転が停止して騒
音、振動、摩耗などが大きく軽減されると共に、エンジ
ン201の燃費が向上する。
【0124】こうして、カップリング1が構成されてい
る。
【0125】上記のように、カップリング1は、油圧ア
クチュエ−タ9の押圧部材11と油圧ポンプ13のア−
マチャ15の面積比によって、多板クラッチ7の押圧力
が増幅されるから、従来例に用いられているボ−ルカム
317と異なって、大きなトルク増幅機能が得られ、充
分なトルク容量が得られる。
【0126】しかも、油圧アクチュエ−タ9の押圧部材
11は、押圧部材319がスプライン部の摩擦抵抗を受
ける従来例と異なって、トルク伝達部材と連結する必要
がないから、押圧部材11が多板クラッチ7を押圧する
ときに摩擦抵抗が生じることはなく、押圧力のロスが防
止され、トルク容量がさらに大きくなる。
【0127】従って、充分なトルク容量を得るために、
多板クラッチ7や電磁石21を大型にする必要がなくな
り、カップリング1はそれだけコンパクトで軽量に構成
することが可能になり、車載性の低下が防止される。
【0128】さらに、従来例と異なって、多板式のパイ
ロットクラッチ309やトルク増幅用のボ−ルカム31
7などを用いないから、部品点数が少ない。
【0129】従って、カップリング1は、それだけ組付
け作業が容易で、組付け工数が少なくてすみ、低コスト
であると共に、さらにコンパクトで軽量に構成できるか
ら、車載性が向上する。
【0130】また、ポンプ圧の増幅率(多板クラッチ7
の押圧力)は、押圧部材11とア−マチャ15の面積比
を変えることによって自在に設定できる。
【0131】従って、カップリング1は、伝達トルクを
それだけ広い範囲で制御することが可能になり、車両の
操縦性などを充分に向上させることができると共に、異
なった車種に広く対応することが可能になる。
【0132】しかも、油圧ポンプ13と油圧アクチュエ
−タ9は油路17を介して自在に連通させることができ
るから、油圧ポンプ13と油圧アクチュエ−タ9の相対
位置は自由であり、また、油圧ポンプ13に近接配置さ
れる電磁石21と、油圧アクチュエ−タ9に近接配置さ
れる多板クラッチ7の相対位置も自由である。
【0133】このように、カップリング1は、これらの
構成要素の配置に対する制約が極めて小さく、レイアウ
ト上の自由度が高い。
【0134】また、電磁石21の励磁を休止すると、リ
タ−ンスプリング19によってカップリング1の連結が
解除され、連結を解除するときのレスポンスが大きく向
上するから、車両の操縦性などの向上効果が高い。
【0135】つまり、例えば、オイル漏れなどにより、
油圧ポンプ13と油圧アクチュエ−タ9が形成する油圧
系の圧力が所定値以下になっても、チェックバルブ27
により、リザ−バ室23からオイルが自動的に補填され
るから、カップリング1の性能(多板クラッチ7の連結
力)は長期にわたって正常に保たれる。
【0136】従って、油圧系のシ−ル性を多少緩くする
ことが可能になり、コストをそれだけ低減することがで
きる。
【0137】また、リザ−バ室23を油圧ポンプ13の
ア−マチャ15と一体にし、回転ケ−ス3の内部に組み
込んだことによって、カップリング1の車載性が大きく
向上する。
【0138】なお、請求項2の発明は、摩擦クラッチを
連結させると、その差動制限力によって差動機構の差動
回転が制限されるデファレンシャル装置であり、請求項
1のカップリングと同様の効果を得る。
【0139】しかも、本発明のカップリング及びデファ
レンシャル装置は、電磁石を励磁すると摩擦クラッチが
連結されるように構成しても、あるいは、電磁石の励磁
を停止すると、付勢部材によって摩擦クラッチが連結さ
れるように構成してもよい。
【0140】後者のように、付勢部材によって摩擦クラ
ッチが連結されるように構成した場合は、請求項3の発
明において、付勢部材がシフトスプリングになり、摩擦
クラッチが連結されている間は電磁石が休止して、バッ
テリの負担が軽減し、エンジンの燃費が向上する。
【0141】これら本発明の各装置において、摩擦クラ
ッチは多板クラッチに限らず、他の形式の摩擦クラッチ
でもよい。
【0142】加えて、多板クラッチは湿式クラッチで
も、乾式クラッチでもよい。
【0143】
【発明の効果】本発明のカップリングは、摩擦クラッチ
の押圧力が流体圧によって大きく増幅されるから、従来
例と異なって、充分なトルク容量が得られる上に、押圧
部材が摩擦クラッチを押圧するときの押圧力のロスが生
じない。
【0144】従って、電磁石や摩擦クラッチを大型にせ
ずに、充分なトルク容量が得られると共に、コンパクト
になるから、車載性が向上する。
【0145】しかも、部品点数が少なく、組付け作業が
容易で、低コストである。
【0146】また、押圧部材とア−マチャの面積比を変
えることによって、伝達トルクを広い範囲で制御するこ
とが可能であり、車両の操縦性などを充分に向上させる
ことができると共に、異なった車種に広く対応すること
ができる。
【0147】さらに、流体の流路を介して流体圧ポンプ
と流体圧アクチュエ−タとを自在に連通させることがで
きるから、流体圧ポンプ、電磁石、流体圧アクチュエ−
タ、摩擦クラッチなどの配置に対する制約が極めて小さ
く、レイアウト上の自由度が高い。
【0148】請求項2のデファレンシャル装置は、流体
圧ポンプのポンプ圧を増幅して流体圧アクチュエ−タを
作動させ、摩擦クラッチを押圧するように構成したこと
により、請求項1のカップリングと同等の効果を得る。
【0149】請求項3の発明は、請求項1,2の構成と
同等の効果を得ると共に、付勢部材をリタ−ンスプリン
グにすれば、連結解除時のレスポンスが大きく向上し、
付勢部材をシフトスプリングにすれば、摩擦クラッチが
連結されている間は電磁石が休止し、バッテリの負担が
軽減する。
【0150】請求項4の発明は、請求項1〜3の構成と
同等の効果を得ると共に、流体圧系から作動流体が漏れ
ても、リザ−バ室から作動流体が補填され、装置の性能
が正常に保たれる。
【0151】また、流体圧系のシ−ル性を多少緩くする
ことが可能になり、コストの低減が可能になる。
【0152】請求項5の発明は、請求項4記載の構成と
同等の効果を得ると共に、リザ−バ室を内部に組み込ん
だことにより、装置の搭載性、車載性が大きく向上す
る。
【0153】請求項6の発明は、請求項4,5の構成と
同等の効果を得ると共に、チェックバルブによって流体
圧系に作動流体が自動的に補填されるから、長期にわた
って正常な機能が保全される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のカップリングを示す断面図であ
る。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1のカップリングが用いられた4輪駆動車の
動力系を示すスケルトン機構図である。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 カップリング 3 回転ケ−ス(ケ−ス状トルク伝達部材) 5 インナ−シャフト(軸状トルク伝達部材) 7 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 9 油圧アクチュエ−タ(流体圧アクチュエ−タ) 11 ピストン状の押圧部材 13 油圧ポンプ13(流体圧ポンプ) 15 ピストン状のア−マチャ 19 リタ−ンスプリング(付勢部材) 21 電磁石 23 リザ−バ室 25 補填流路 27 チェックバルブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケ−ス状トルク伝達部材と、このケ−ス
    状トルク伝達部材に貫入した軸状トルク伝達部材と、こ
    れら両トルク伝達部材の間に配置された摩擦クラッチ
    と、ピストン状のア−マチャが移動するとポンプ圧が発
    生する流体圧ポンプと、このア−マチャを移動させる電
    磁石と、流体圧ポンプのポンプ圧を受けて作動し、ピス
    トン状の押圧部材を介して前記摩擦クラッチを押圧し締
    結させる流体圧アクチュエ−タとを備え、押圧部材の受
    圧面積をア−マチャの押圧面積より広くしたことを特徴
    とするカップリング。
  2. 【請求項2】 エンジンの駆動力によって回転するケ−
    ス状トルク伝達部材と、このケ−ス状トルク伝達部材の
    回転を一対の軸状トルク伝達部材を介して車輪側に配分
    する差動機構と、これらトルク伝達部材のいずれか2者
    の間に配置された摩擦クラッチと、ピストン状のア−マ
    チャが移動するとポンプ圧が発生する流体圧ポンプと、
    このア−マチャを移動させる電磁石と、流体圧ポンプの
    ポンプ圧を受けて作動し、ピストン状の押圧部材を介し
    て前記摩擦クラッチを押圧し締結させる流体圧アクチュ
    エ−タとを備え、押圧部材の受圧面積をア−マチャの押
    圧面積より広くしたことを特徴とするデファレンシャル
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかに記載の発明であ
    って、ピストン状のア−マチャを、電磁石の励磁を停止
    したときの位置に付勢する付勢部材を設けたことを特徴
    とするカップリング、または、デファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3の何れかに記載の発
    明であって、作動流体を収容するリザ−バ室と、流体圧
    ポンプと流体圧アクチュエ−タとが形成する流体圧系に
    リザ−バ室からの作動流体を補填する補填流路とを設け
    たことを特徴とするカップリング、または、デファレン
    シャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の発明であって、リザ−バ
    室を、ケ−ス状トルク伝達部材の内部に設けたことを特
    徴とするカップリング、または、デファレンシャル装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4,5の何れかに記載の発明であ
    って、作動流体の補填流路に配置されたチェックバルブ
    を設け、流体圧系の作動圧が所定値以下になるとこのチ
    ェックバルブが開放され、リザ−バ室から流体圧系に作
    動流体が補填されることを特徴とするカップリング、ま
    たは、デファレンシャル装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1762754A3 (en) * 2005-09-09 2010-06-02 Eaton Corporation Vehicle differential including pump with variable-engagement clutch
KR101555148B1 (ko) 2014-06-27 2015-09-22 현대위아 주식회사 차량용 커플링 장치
CN108457936A (zh) * 2018-03-19 2018-08-28 浙江大学 一种闭式无动力补油装置

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