JP3989655B2 - カップリング及びデファレンシャル装置 - Google Patents

カップリング及びデファレンシャル装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁石及びクラッチを用いて伝達トルクを制御するカップリング及びデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
「ガイア新型車解説書 0−22頁 トヨタ自動車株式会社 編集 同サ−ビス部 発行 1998年 5月 29日」に図12のようなカップリング301が記載されている。
【0003】
このカップリング301は、四輪駆動車の後輪側動力伝達系に配置され、後輪側の連結と切り離しとを行う。
【0004】
カップリング301は、ハウジング303、シャフト305、多板式のメインクラッチ307及びコントロ−ルクラッチ309、ア−マチャ311、電磁石313、カムリング315、ボ−ルカム317、押圧部材319、コントロ−ラなどから構成されている。
【0005】
ハウジング303はプロペラシャフトを介してトランスファからトランスミッション側に連結されている。又、シャフト305にはドライブピニオンシャフト321が連結されており、これと一体に形成されたドライブピニオンギヤ323はリヤデフ(後輪のデファレンシャル装置)側のリングギヤと噛み合っている。
【0006】
メインクラッチ307はハウジング303とシャフト305との間に配置されており、コントロ−ルクラッチ309はハウジング303とカムリング315との間に配置されている。
【0007】
又、押圧部材319はシャフト305に移動自在に連結されており、ボ−ルカム317はカムリング315と押圧部材319との間に配置されている。
【0008】
コントロ−ラは、電磁石313の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行い、後輪側への伝達トルクを制御している。
【0009】
カップリング301は本体322とカバ−324とを固定してなるデフキャリヤ325の内部に配置されており、ハウジング303はベアリング327、329を介してデフキャリヤ325に支承されている。
【0010】
電磁石313はハウジング303の外部に配置され、デフキャリヤ325の内部に固定されている。
【0011】
デフキャリヤ325に設けられた開口331にはグロメット333が取り付けられており、電磁石313のリ−ド線335はこのグロメット333から外部に引き出されている。又、電磁石313のコア337にはシ−ル339が取り付けられており、リ−ド線335はこのシ−ル339を介してコア337から引き出されている。
【0012】
電磁石313が励磁されると、ア−マチャ311が吸引され、コントロ−ルクラッチ309が押圧されて締結し、ハウジング303とシャフト305の間のトルクがボ−ルカム317に掛かり、生じたカムスラスト力により押圧部材319を介してメインクラッチ307が押圧されて締結する。
【0013】
こうしてカップリング301が連結されると、エンジンの駆動力が後輪に送られて車両は四輪駆動状態になり、悪路の走破性や、車体の安定性が向上する。
【0014】
又、電磁石313の励磁電流を制御すると、コントロ−ルクラッチ309の滑りによってボ−ルカム317のカムスラスト力が変化し、更に、メインクラッチ307の連結力が変化して後輪の駆動力が調整され、このようにして、前後輪間の駆動力配分比を制御すると、例えば、旋回走行中の車両の操縦性や安定性などが向上する。
【0015】
又、電磁石313の励磁を停止すると、コントロ−ルクラッチ309が開放され、ボ−ルカム317のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ307が開放されてカップリング301の連結が解除され、車両は二輪駆動状態になる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、カップリング301(回転ケ−ス)がデフキャリヤ325(静止側ケ−シング)の内部に配置され、電磁石313がデフキャリヤ325側に固定された従来の装置は、上記のように、デフキャリヤ325に形成した開口331にグロメット333を取り付けてリ−ド線335を外に引き出している。
【0017】
又、従来の装置のように、デフキャリヤ325が本体322とカバ−324とからなるような分割構造の場合には、一般的な設計手法の一手段としてデフキャリヤの分割部にグロメットを配置している場合もある。
【0018】
いずれにしても、静止側ケ−シングからリ−ド線を引き出すには、引き出し部から異物や水分が侵入するのを防止するためにグロメットが必要であり、グロメットを取り付けるための開口を静止側ケ−シングに加工する必要がある。
【0019】
従って、それだけ部品点数が増えて部品コストが上昇すると共に、加工工数が増えて加工コストが上昇する。
【0020】
又、デフキャリヤ325上のシ−ル手段(グロメット333)を経由してリ−ド線335を引き出す構成は、リ−ド線335の引き出し方向に制約を受け易く、例えば、レイアウト上の理由で、装置の成立が難しくなることがあり、あるいは、デフキャリヤ325が大型になることがある。
【0021】
又、デフキャリヤ325のグロメット333とコア337のシ−ル339とでリ−ド線335用のシ−ル手段が2重に用いられているが、フレキシブルなリ−ド線に用いられるシ−ル手段は、例えば、デフキャリヤ325とコア337のような剛性部材の間に配置されるシ−ル手段より高価であり、この高価なシ−ル手段を2個用いたことによって、コスト高になっている。
【0022】
又、電磁石313は密封状態のデフキャリヤ325の内部に配置されており、放熱性が悪く、温度が上昇し易いから、カップリング301は伝達トルクの制御特性が低下し、性能が不安定になる。
【0023】
そこで、この発明は、電磁石によって操作されるカップリング及びデファレンシャル装置であって、電磁石のリ−ド線を静止側ケ−シングの外部に取り出すためのシ−ル手段が不要であり、シ−ル手段を取り付けるための開口を静止側ケ−シングに加工する必要のないもの、及び、リ−ド線の引き出し方向に対する制約が少なく、リ−ド線用シ−ル手段の使用個数が少なくてすむもの、及び、電磁石の冷却性に優れ性能が安定したものの提供を目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1のカップリングは、ケーシング本体と、一端側が前記ケーシング本体にボルト連結されると共に他端側に開口を有するケーシング蓋部材とからなる静止側ケーシングと、前記開口を有する静止側ケ−シングの内部に配置された一側のケ−ス状トルク伝達部材と、このケ−ス状トルク伝達部材に貫入した他側の軸状トルク伝達部材と、これら両トルク伝達部材の間に配置されたクラッチと、ケ−ス状トルク伝達部材の外部から磁気力によってア−マチャを移動させクラッチを押圧して連結させるリング状の電磁石とを備え、このリング状の電磁石のコア前記ケーシング蓋部材前記開口に固定されると共に前記開口から外部の大気空間に露出しており、そのリード線がコアから静止側ケーシングの外部の大気空間に直接引き出されていることを特徴とする。
【0025】
このように、請求項1のカップリングは、電磁石のコアを静止側ケ−シングの開口部に固定して外部に露出させたことにより、従来例と異なって、電磁石のリ−ド線をコアから直接、静止側ケ−シングの外部に引き出すことが可能になった。
【0026】
従って、グロメットを取り付けるための開口を静止側ケ−シングに加工する必要がないから、それだけ加工工数が減少し、コストが低減される。
【0027】
又、コアからリ−ド線を引き出しているから、グロメットを用いないでも、リ−ド線の引き出し部から異物や水分が静止側ケ−シングに侵入することはない。
【0028】
このように、グロメットを用いないから、それだけ部品点数が減少し、部品コストが低減される。
【0029】
又、リ−ド線は静止側ケ−シングの端部付近で外部に露出するため、装置と周辺部材との干渉に対して、より高い自由度でリ−ド線を取り回すことが可能である。
【0030】
又、コアが露出することで、カップリングは放熱性がよく、伝達トルクの制御特性が向上し、安定性が増す。
【0044】
請求項2の発明は、請求項1に記載のカップリングであって、ケ−ス状トルク伝達部材が、第1ベアリングと電磁石のコアとを介して静止側ケ−シングに支承されていることを特徴とし、請求項1と同等の効果を得る。
【0045】
これに加えて、ベアリングと電磁石のコアとを介してケ−ス状トルク伝達部材を静止側ケ−シングに支承し、ベアリングと電磁石とを径方向に配置したことにより、これらを軸方向に配置する構成に較べて、ベアリングの配置スペ−スだけ、各装置が軸方向に短くなると共に、軽量化されるから、車両に搭載する場合は配置スペ−スと負担重量の点で特に有利である。
【0046】
又、各装置のこのようなコンパクト化に伴って、静止側ケ−シングを短くすれば、更に大幅な軽量化が可能になる。
【0047】
又、ベアリングを小径にすることができ、ベアリングの回転周速が抑制され、耐久性が向上する。
【0048】
更に、ベアリングは電磁石と共に開口部分に配置されるので、放熱性と耐久性が向上する。
【0049】
請求項3の発明は、請求項2記載のカップリングであって、ベアリングが、シ−ル型のベアリングであることを特徴とし、請求項2の構成と同等の効果を得る。
【0050】
これに加えて、ベアリングをシ−ル型にしたことにより、異物や水分の侵入とケ−シング内部の流体漏れなどが防止されるから、ベアリング内部の流体導通を防ぐシ−ルを別途軸方向直列に設けることがなく、部品点数が低減されて低コストになる。
【0051】
又、シ−ルの配置スペ−スだけ、各装置が軸方向に短くなり、軽量化されるから、車載性が更に向上する。
【0052】
又、各装置のコンパクト化に伴って静止側ケ−シングを短くすれば、更に大幅な軽量化が可能になる。
【0053】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のカップリングであって、静止側ケ−シングの開口部に、この開口とリ−ド線とを覆うカバ−が配置されており、このカバ−と電磁石のコアとが静止側ケ−シングにボルトで共締めされていることを特徴とし、それぞれ請求項1乃至請求項3のいずれかと同等の効果を得る。
【0054】
これに加えて、静止側ケ−シングの開口部にリ−ド線を覆うカバ−を設けたから、例えば、車両に用いた場合は、走行中に飛来する障害物などからリ−ド線が保護され、各装置の耐久性が向上する。
【0055】
又、このカバ−と電磁石のコアとを静止側ケ−シングにボルトで共締めしたから、カバ−の固定手段(ボルト)を電磁石の固定手段に共用することが可能になり、これらを共用すれば、それだけ部品点数が低減されて低コストになる。
【0063】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のカップリングであって、ケ−ス状トルク伝達部材のうち、電磁石とア−マチャの間に位置する部分をトルク伝達経路に用いたことを特徴とし、請求項1乃至請求項4のいずれかと同等の効果を得る。
【0064】
これに加えて、ケ−ス状トルク伝達部材のうち電磁石とア−マチャの間に位置する部分をトルク伝達経路に用いたことにより、構造の複雑化が抑制され、部品点数も減少する。
【0065】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のカップリングであって、ケ−ス状トルク伝達部材のうち、電磁石とア−マチャの間に位置する部分をトルク伝達経路に用いないことを特徴とし、請求項1乃至請求項4のいずれかと同等の効果を得る。
【0066】
これに加えて、ケ−ス状トルク伝達部材のうち電磁石とア−マチャの間に位置する部分以外に、トルク伝達経路を形成することにより、磁気力透過部分とトルク伝達経路部分にそれぞれの特性に応じた部材を選定することができる。
【0067】
又、相手側部材(入出力側)との連結形状の自由度を増すことができる。
【0071】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発明であって、電磁石のコアに、静止側ケ−シングの開口部から外側に突き出した突き出し部を設け、リ−ド線が、この突き出し部から引き出され、前記突き出し部に凹部を設け、回転部材側に固定されたダストカバーの先端が前記凹部に貫入し、ダストカバーと凹部がオーバーラップしシールを形成していることを特徴とし、請求項1乃至請求項6の構成のいずれかと同等の効果を得る。
【0072】
これに加えて、電磁石のコアに突き出し部を設け、この突き出し部からリ−ド線を引き出す構成は、静止側ケ−シング、カップリングとリ−ド線の引出し部との距離が大きくなり、リ−ド線がこれらと干渉する恐れが少なくなるから、リ−ド線の引き出し方向に対する制約が更に小さくなる。
【0073】
従って、レイアウト上の理由で、装置の成立がそれだけ容易になると共に、装置を成立させるために、静止側ケ−シングを大型にする必要がなくなる。
【0074】
又、コアのリ−ド線引出し部にグロメット(リ−ド線用のシ−ル)を配置した場合でも、2個のリ−ド線用シ−ル(グロメット333とシ−ル339)を用いた従来例と異なって、高価なリ−ド線用のシ−ルが1個だけですみ、更に、剛性部材であるコアと静止側ケ−シングとの間には、例えば、Oリングのような安価なシ−ルを用いることができるから、それだけ低コストに構成される。
【0075】
又、コアの突き出し部が外気によって効果的に冷却され、電磁石の温度上昇が防止されるから、伝達トルクや差動制限力の制御特性が安定すると共に、オイルの劣化が抑えられて性能が安定し、耐久性が向上する。
【0077】
これに加えて、突き出し部に設けた凹部により、コアと外気との接触面積が広くなるから、コア(電磁石)、カップリングの冷却性が更に向上する。
【0079】
これに加えて、回転部材側にダストカバ−を固定し、その先端をコアの凹部に貫入させたから、ダストカバ−と凹部の間に形成されたオ−バ−ラップ部がシ−ルになり、静止側ケ−シング、カップリングの内部に、塵や砂粒のような異物が侵入することが防止される。
【0080】
このシ−ル機能によって、相対回転部材の間に配置されたシ−ルが砂粒などを巻き込んで破損することが防止され、シ−ル性が保護されるから、オイル漏れや異物の侵入が防止され、長期にわたって装置の性能が正常に保たれる。
【0081】
又、電磁石のコアとケ−ス状トルク伝達部材とのエアギャップに異物が侵入することが防止されるから、回転抵抗の増加と性能低下が防止されると共に、コアとケ−ス状トルク伝達部材の損傷が防止され、更に、エアギャップ(磁気回路)の磁気抵抗が安定し、装置の性能が安定する。
【0082】
【発明の実施の形態】
図1と図2及び図10と図11によってカップリング1(本発明の第1実施形態)の説明をする。
【0083】
図1はカップリング1を示し、図10はカップリング1を用いた四輪駆動車の動力系を示している。又、左右の方向はこの車両の左右の方向であり、図1の左方はこの車両の前方に相当する。なお、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0084】
図10のように、この動力系は、横置きのエンジン3とトランスミッション5、トランスファ7、フロントデフ9、前車軸11、13、左右の前輪15、17、後輪側のプロペラシャフト19、カップリング1、リヤデフ21、後車軸23、25、左右の後輪27、29などから構成されている。
【0085】
このように、カップリング1は後輪側の動力伝達系に配置されており、後輪27、29の連結と切り離し及び伝達トルクの制御を行う。
【0086】
エンジン3の駆動力は、トランスミッション5の出力ギヤ31からリングギヤ33を介してフロントデフ9のデフケ−ス35に伝達され、フロントデフ9から前車軸11、13を介して左右の前輪15、17に配分され、更に、デフケ−ス35からトランスファ7を介してプロペラシャフト19を回転させる。
【0087】
又、カップリング1が連結されると、エンジン3の駆動力は、リヤデフ21から後車軸23、25を介して左右の後輪27、29に配分され、車両は四輪駆動状態になる。
【0088】
又、カップリング1の連結が解除されると、リヤデフ21以下の後輪側が切り離されて車両は二輪駆動状態になる。
【0089】
図10のように、リヤデフ21はデフキャリヤ37(静止側のケ−シング)に収容されている。このデフキャリヤ37はケ−シング本体39(静止側ケ−シングの本体)とフロントケ−シング41(静止側ケ−シングの蓋部材)とをボルト43で連結して構成されている。
【0090】
図1と図10のように、カップリング1はこのフロントケ−シング41に収容されている。
【0091】
カップリング1は、回転ケ−ス45(一側のケ−ス状トルク伝達部材)、連結軸47(他側の軸状トルク伝達部材)、多板式のメインクラッチ49及びコントロ−ルクラッチ51、カムリング53、ボ−ルカム55、プレッシャプレ−ト57、ア−マチャ59、リング状の電磁石61、カバ−63、コントロ−ラなどから構成されている。
【0092】
図1のように、回転ケ−ス45は、前側のロ−タ65(電磁石とア−マチャの間に位置する部分:トルク伝達経路に用いる部分)と中空状の後側ケ−ス67とから構成されており、前側ロ−タ65と後側ケ−ス67は互いの間に設けられたねじ部69によって連結されており、互いの間に設けられた突き当たり部71と、ケ−ス67に取り付けられたスナップリング73とによって位置決めされている。又、前側ロ−タ65と後側ケ−ス67の間にはOリング75が配置されている。
【0093】
後述する非磁性材料のリング129を含めて前側ロ−タ65はトルク伝達経路の部分とされており、動力伝達軸77が一体に形成され、入力トルクをケ−ス67へ伝達する。又、デフキャリヤ37のフロントケ−シング41には開口79が、車両前方側に位置するように設けられており、動力伝達軸77はこの開口79から前方に突き出して、継ぎ手81(図10)側の連結軸にコンパニオンフランジがスプライン連結され、ねじ部78にナットを締め付け固定した後、ボルトにて連結されている。
【0094】
デフキャリヤ37の開口79には、電磁石61のコア83の背面の外周圧入部84が圧入されており、外部に露出している。
【0095】
又、外周圧入部84の前方(図1の左方)にはストッパ部86が形成されており、このストッパ部86で回転ケ−ス45とフロントケ−シング41とが突き当たることにより、回転ケ−ス45の前方(軸方向一方向)への移動を規制している。
【0096】
又、回転ケ−ス45の前側ロ−タ65は両側シ−ルのベアリング85を介してこのコア83に支承されている。このように、コア83とベアリング85は径方向に配置されている。
【0097】
前側ロ−タ65にはダストカバ−87が取り付けられている。このダストカバ−87は動力伝達軸部77とコア83との間を覆って、走行中に飛来する障害物とベアリング85との衝突を防止し、ベアリング85を保護する。
【0098】
ダストカバ−87は、上記のコンパニオンフランジをナットで締め付け固定する際に、コンパニオンフランジの端面と前側ロ−タ65との間で挟持固定される。
【0099】
又、ダストカバ−87の外周側は凹凸状に前方に張り出しており、回転により外気側の異物がフロントケ−シング41内に入るのを抑制している。
【0100】
又、回転ケ−ス45の後側ケ−ス67は両側シ−ルのベアリング89を介してデフキャリヤ37の後側ケ−シング本体39に支承されている。
【0101】
ベアリング89のインナ−レ−ス91と後側ケ−ス67との間には、隙間調整用のワッシャ93が配置されており、後述のように、ケ−シング本体39とフロントケ−シング41との軸方向取り付け隙間を調整する。
【0102】
回転ケ−ス45は、ワッシャ93と当接する側壁94(規制部)によりベアリング89を介してデフキャリヤ37との間で後方(軸方向他方向)への移動を規制され、フロントケ−シング41をケ−シング本体39にボルト43にて連結することにより、回転ケ−ス45の軸方向位置が決定されている。
【0103】
連結軸47は回転ケ−ス45の後側ケ−ス67に貫入している。連結軸47の前端部はニ−ドルベアリング97を介して回転ケ−ス45の前側ロ−タ65に支承されており、後端部は片側シ−ルのベアリング99を介して後側ケ−ス67に支承されている。
【0104】
又、連結軸47のスプライン部101には、ドライブピニオンシャフト103が連結されている。図10のように、このドライブピニオンシャフト103に形成されたドライブピニオンギヤ105は、リヤデフ21側のリングギヤ107と噛み合ってリヤデフ21を回転駆動する。
【0105】
回転ケ−ス45の前後両側に配置された両側シ−ルベアリング85、89によって、回転ケ−ス45とデフキャリヤ37との間に大気室109が形成されている。
【0106】
そして、コア83の外周圧入部84の重力方向上方に位置して形成されたリ−ド線取り出し部110は、大気室109と大気空間とを連通させており、大気室109内の温度上昇による内圧上昇を抑制している。
【0107】
又、回転ケ−ス45は、前側ロ−タ65と後側ケ−ス67間のOリング75と、後側ケ−ス67と連結軸47間の片側シ−ルベアリング99によって密封型にされている。
【0108】
デフキャリヤ37の後側ケ−シング本体39部分には、リヤデフ側の潤滑用オイルが封入されており、ドライブピニオンギヤ105とリングギヤ107の噛み合い部及びこれらの支持ベアリングや各部材の摺動部などを潤滑している。
【0109】
又、回転ケ−ス45の内部にはオイル供給用の流路111からオイルが注入され、注入後このオイル供給用流路111は密封ボ−ル113を圧入してシ−ルされる。回転ケ−ス45の内部に封入するこのオイルには、後側ケ−シング本体39のオイルと異なった専用のオイルが用いられている。
【0110】
この専用オイルの充填率は、密封型にされた回転ケ−ス45の全容量に対して50%〜90%のレベル、好ましくは70%〜85%のレベルであり、残りの部分は空気で占められている。
【0111】
この充填率は、回転ケ−ス45が回転している状態で、コントロ−ルクラッチ51の内周側、つまり、カムリング53の外周スプライン部54が浸るオイルレベルであること、回転ケ−ス45内部の温度上昇時の内圧を吸収できること、又、メインクラッチ49のクラッチ板の表面に例えば、ペーパやカーボンなどのフェーシング材を貼り付けた場合の締結耐久性、すなわちフェーシング材の耐剥離性などの所望の使用条件を満たすように決定される。
【0112】
又、デフキャリヤ37のケ−シング本体39に封入されたオイルと、フロントケ−シング41に封入されたオイルは、シ−ルベアリング89、99によって互いに混ざり合うことが防止されているから、それぞれの用途に適したオイルが選択されている。
【0113】
メインクラッチ49は、回転ケ−ス45の内周と連結軸47の外周との間に配置されている。又、メインクラッチ49と回転ケ−ス45との間にはプレ−ト115が配置されており、メインクラッチ49の押圧力を受けると共に、厚さの異なるものと交換することによって、各クラッチ板の隙間を調整する。
【0114】
コントロ−ルクラッチ51は、回転ケ−ス45の内周とカムリング53との間に配置されており、後述のように、ア−マチャ59によって回転ケ−ス45の前側ロ−タ65に押圧されて締結される。
【0115】
ボ−ルカム55は、カムリング53とプレッシャプレ−ト57との間に配置されている。又、プレッシャプレ−ト57は、連結軸47の外周に形成されたメインクラッチ49のインナ−プレ−トが係合するスプライン部56に係合部58を介して軸方向移動自在に連結されている。
【0116】
又、カムリング53と前側ロ−タ65との間には、ボ−ルカム55のカム反力を受けるスラストベアリング117及びワッシャ118が配置されている。
【0117】
スラストベアリング117はワッシャ118を介して後側ケース67に当接し、後側ケース67の内側壁面の内周側には、スラストベアリング117を収容する円筒部がワッシャ118に当接するように形成されている。
【0118】
円板状のア−マチャ59は、コントロ−ルクラッチ51とプレッシャプレ−ト57との間に配置されている。又、ア−マチャ59は内周側でプレッシャプレ−ト57に対して微小な所定間隔を有して対向しており、コントロ−ルクラッチ51から離れないように、位置を規制されていると共に、外周側ではコントロ−ルクラッチ51とメインクラッチ49の外側クラッチ板が係合する回転ケ−ス45の内周に形成されたスプライン部46の先端に位置を規制されており、電磁石61による引きつけコントロ−ル性を高めている。
【0119】
電磁石61のコア83は、上記のように、デフキャリヤ37の開口79に圧入して固定されていると共に、そのコイル119の部分は、前側ロ−タ65に設けられている凹部121に貫入して、エアギャップ95を形成している。
【0120】
又、上記のように、コア83はデフキャリヤ37の開口79から外部に露出しており、電磁石61のリ−ド線123はコア83から直接外部に引き出されている。
【0121】
コア83に設けられたリ−ド線123の取り出し部110には、固形接着材やゴム製プラグを取り付けて、リ−ド線123の疲労断線を防止し、耐候性を向上させることが可能である。
【0122】
図2のように、リ−ド線123の引き出し部には、カバ−63がボルト125、125によってデフキャリヤ37に固定されており、飛来する障害物などからリ−ド線123を保護し、破損を防止している。
【0123】
又、これらのボルト125はコア83にも螺着されており、電磁石61の回り止めをしている。
【0124】
コントロ−ラは、車速、操舵角、横Gなどから旋回走行を検知し、あるいは、路面状態などに応じて、電磁石61の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。
【0125】
電磁石61が励磁されると、磁力のル−プ127が形成されてア−マチャ59が吸引され、回転ケ−ス45の前側ロ−タ65との間でコントロ−ルクラッチ51を押圧して締結させる。コントロ−ルクラッチ51が締結されると、回転ケ−ス45と連結軸47の間のトルクがボ−ルカム55に掛かり、生じたカムスラスト力によりプレッシャプレ−ト57を介してメインクラッチ49が押圧され、締結する。
【0126】
又、電磁石61のコア83と回転ケ−ス45とのエアギャップ95は、ア−マチャ59が充分な強さで吸引されるように、コア83とベアリング85と前側ロ−タ65との軸方向の取り付け位置をワッシャやスナップリングの厚さを変えることによって、最適値に調整されている。
【0127】
こうしてカップリング1が連結されると、エンジン3の駆動力が後輪27、29に送られ、車両は四輪駆動状態になり、悪路などの走破性や、車体の安定性が向上する。
【0128】
又、電磁石61の励磁電流を制御すると、コントロ−ルクラッチ51の滑りによってボ−ルカム55のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ49の連結力が変化して後輪27、29の駆動力が調整される。
【0129】
このようにして、前後輪間の駆動力配分比を制御すると、例えば、旋回走行中の車両の操縦性や安定性などが向上する。
【0130】
又、電磁石61の励磁を停止すると、コントロ−ルクラッチ51が開放されてボ−ルカム55のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ49が開放されてカップリング1の連結が解除され、車両は二輪駆動状態になる。
【0131】
又、回転ケ−ス45の前側ロ−タ65にはステンレス鋼のような非磁性材料のリング129が配置されている。前側ロ−タ65自体は、動力伝達軸77の部分及びその延長部外周にかけての静的強度と衝撃強度を増すために硬化表面処理としての浸炭処理がなされていると共に、リング129の内外周側及びエアギャップ95を形成する凹状部分121には、前述の強度を考慮した上での防炭剤塗布処理が行われ、磁力のル−プ127を阻害することを抑制し、コントロ−ルクラッチ51の制御性を向上させている。
【0132】
なお、前側ロ−タ65の材質は前述の強度及び磁力の透過性を考慮し、適宜選択可能である。
【0133】
更に、コントロ−ルクラッチ51の各クラッチ板には開孔131及びブリッジ部が形成され、磁力ル−プ127からの磁気漏れを防止し、電磁石61の磁力をア−マチャ59に集中させている。
【0134】
又、上記のように、ア−マチャ59は隣接部材との間で軸方向及び径方向の位置決めがなされているフリ−部材ではあるが、プレッシャプレ−ト57との微小な所定隙間を有する部分は磁力ル−プ127に対して磁束密度の低い内周側外端部であるから、ア−マチャ59の吸引力には実質的に影響を与えない。
【0135】
連結軸47には、区画壁133によって、封入オイルや空気を溜めるため、すなわち、回転ケ−ス45内の容量増大空間部135が形成されている。
【0136】
連結軸47には空間部135と連通する径方向の油路137と、プレッシャプレ−ト57との円周状空間139を介して油路137と連通する軸方向の油路141と、この油路141と連通しメインクラッチ49側のインナ−プレ−トを各1枚隔てて3箇所で開口する径方向の油路143が設けられており、空間部135とメインクラッチ49側をスム−ズに連通させ潤滑性及び冷却性を向上させている。
【0137】
又、連結軸47の外周には、螺旋状の油路145が設けられている。更に、連結軸47と回転ケ−ス45の前側ロ−タ65との間には、容量増大空間部135と連通する円周状空間部147が形成されている。
【0138】
空間部135のオイルは、カップリング1の遠心力により、油路137と円周状空間139と油路141を通って油路143から流出し、メインクラッチ49を潤滑する。又、空間部135のオイルは、円周状空間部147から流出し、油路145から、ニ−ドルベアリング97、スラストベアリング117、カムリング53の内周と連結軸47の外周との摺動面、ボ−ルカム55、コントロ−ルクラッチ51などに供給され、これらをスム−ズに潤滑する。
【0139】
又、プレッシャプレ−ト57には開口148が設けられており、プレッシャプレ−ト57が受けるオイルの抵抗を低減してメインクラッチ49の押圧レスポンスを向上させると共に、メインクラッチ49側にオイルを移動し易くし、メインクラッチ49の潤滑性と冷却性を向上させている。
【0140】
又、カップリング1は、図10の矢印149が示すように、トランスファ7とプロペラシャフト19との間に配置してもよい。
【0141】
この場合、プロペラシャフト19とリヤデフ21との間に配置した場合と同様にして後輪27、29の連結と切り離しとを行う。
【0142】
又、カップリング1は、矢印151、153が示すように、フロントデフ9と前車軸11、13との間に配置してもよく、又、矢印152が示すように、トランスファ7内のギヤ機構と組み合わせて配置してもよく、更に、矢印155、157が示すように、リヤデフ21と後車軸23、25との間に配置してもよい。
【0143】
矢印151、152、153の位置に配置した場合は、カップリング1を連結すると車両は四輪駆動状態になり、連結を解除すると、フロントデフ9の差動回転が自由になり、前輪15、17への駆動力伝達が停止されて、車両は二輪駆動状態になる。
【0144】
又、矢印155、157の位置に配置した場合は、カップリング1を連結すると車両は四輪駆動状態になり、連結を解除すると、リヤデフ21の差動回転が自由になり、後輪27、29への駆動力伝達が停止されて、車両は二輪駆動状態になる。
【0145】
なお、この場合には、トランスファ7内に駆動力断続用のクラッチを設ければ、プロペラシャフト19を完全に静止状態に保つことが可能となり、車両走行燃費が向上する。
【0146】
又、図11は、図10の四輪駆動車と異なった構成の動力系を持つ四輪駆動車を示している。
【0147】
この動力系は、縦置きのエンジン159及びトランスミッション161、トランスファ163、前輪側のプロペラシャフト165、フロントデフ167、前車軸169、171、左右の前輪173、175、後輪側のプロペラシャフト177、リヤデフ179、後車軸181、183、左右の後輪185、187などから構成されている。
【0148】
エンジン159の駆動力は、トランスミッション161からトランスファ163を介して、それぞれ前輪側と後輪側の各プロペラシャフト165、177を回転させる。
【0149】
前輪側プロペラシャフト165の回転は、フロントデフ167から前車軸169、171を介して左右の前輪173、175に配分され、後輪側プロペラシャフト177の回転は、リヤデフ179から後車軸181、183を介して左右の後輪185、187に配分される。
【0150】
図11の車両では、カップリング1は、矢印189、191が示すように、トランスファ163と後輪側プロペラシャフト177との間及びプロペラシャフト177とリヤデフ179との間に配置してもよい。
【0151】
又、カップリング1は、矢印193、195が示すように、トランスファ163と前輪側プロペラシャフト165との間及びプロペラシャフト165とフロントデフ167との間に配置してもよい。
【0152】
後輪側に配置した場合は、後輪181、183の連結と切り離しとを行い、前輪側に配置した場合は、前輪173、175の連結と切り離しとを行う。
【0153】
又、カップリング1を前輪側に配置した場合、前車軸169、171と各前輪173、175との間にハブクラッチ197、199を配置し、これらの連結をカップリング1と連動して解除すれば、カップリング1から前輪173、175までの動力伝達系が、エンジン159の回転と前輪173、175による連れ回りの両方から遮断され、回転が停止して騒音、振動、摩耗などが大きく軽減されると共に、エンジン159の燃費が向上する。
【0154】
又、カップリング1は、矢印201、203が示すように、フロントデフ167と前車軸169、171との間に配置してもよく、矢印205、207が示すように、リヤデフ179と後車軸181、183との間に配置してもよい。
【0155】
前車軸169、171上に配置した場合は、カップリング1を連結すると車両は四輪駆動状態になり、連結を解除すると、フロントデフ167の差動回転が自由になり、前輪173、175への駆動力伝達が停止され、車両は二輪駆動状態になる。
【0156】
又、後車軸181、183上に配置した場合は、カップリング1を連結すると車両は四輪駆動状態になり、連結を解除すると、リヤデフ179の差動回転が自由になり、後輪185、187への駆動力伝達が停止され、車両は二輪駆動状態になる。
【0157】
こうして、カップリング1が構成されている。
【0158】
上記のように、カップリング1は、電磁石61のコア83をデフキャリヤ37の開口79に固定して外部に露出させたことにより、従来例と異なって、電磁石61のリ−ド線123をコア83から直接デフキャリヤ37の外部に引き出している。
【0159】
従って、グロメットを取り付けるための開口をデフキャリヤ37に加工する必要がないから、それだけ加工工数が減少し、加工コストが低減される。
【0160】
又、グロメットを用いないでも、リ−ド線123をコア83から引き出すことによって、リ−ド線123の引き出し部から異物や水分がデフキャリヤ37に侵入することが防止される。
【0161】
又、グロメットを用いないから、それだけ部品点数が減少し、部品コストが低減される。
【0162】
又、回転ケ−ス45はベアリング85と電磁石61のコア83とを介してデフキャリヤ37に支承されており、このように、ベアリング85と電磁石61とを径方向に配置したカップリング1は、これらを軸方向に配置した構成に較べて、ベアリング85の配置寸法だけ軸方向に短くなっている。
【0163】
又、ベアリング85にシ−ル型のベアリングを用いたことによって異物や水分の侵入とオイル漏れなどが防止されるから、ベアリング85の周辺に配置するシ−ルが不要になり、部品点数が低減され、低コストになると共に、カップリング1は、シ−ルの配置寸法だけ軸方向に短くなっている。
【0164】
又、カップリング1は、ベアリング85とシ−ルの配置スペ−スだけ軸方向に短くなったことにより、大幅に軽量化されているから、上記のように、車両の各箇所に搭載する場合、配置スペ−スと負担重量の点で特に有利である。
【0165】
又、カップリング1のこのようなコンパクト化に伴って、デフキャリヤ37(フロントケ−シング41)を短くすれば、更に大幅な軽量化が可能になる。
【0166】
又、デフキャリヤ37の開口79に固定したカバ−63によって、走行中に飛来する障害物などからリ−ド線123が保護されるから、カップリング1の耐久性が大きく向上している。
【0167】
又、このカバ−63と電磁石61のコア83とをボルト125でデフキャリヤ37に共締めしたから、デフキャリヤ37に圧入されている電磁石61の固定機能(回り止め機能)が更に強化されている。
【0168】
なお、カバ−をリング状にし、ボルト125でこのカバ−と電磁石61とをデフキャリヤ37に共締めすれば、カバ−と電磁石61の間で固定手段(ボルト125)を共用することが可能になり、それだけ部品点数が低減され、低コストになる。
【0169】
次に、図3と図4によってカップリング209(第2実施形態)の説明をする。
【0170】
左右の方向は図10の四輪駆動車の左右の方向であり、図3の左方はこの車両の前方に相当する。なお、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0171】
カップリング209は、第1実施形態のカップリング1と同様に、図10の車両の後輪側プロペラシャフト19とリヤデフ21との間に配置されており、後輪27、29側の連結と切り離し及び伝達トルクの制御を行う。
【0172】
以下、カップリング1と同機能部材には同一の符号を与えて参照しながら説明する。
【0173】
カップリング209は、回転ケ−ス45(一側のケ−ス状トルク伝達部材)、連結軸47(他側の軸状トルク伝達部材)、多板式のメインクラッチ49及びコントロ−ルクラッチ51、カムリング53、ボ−ルカム55、プレッシャプレ−ト57、ア−マチャ59、リング状の電磁石61、リング状のねじ211(規制部材:ねじ部材)、コントロ−ラなどから構成されている。
【0174】
電磁石61はデフキャリヤ37の開口79に配置されており、リ−ド線123はコア83から直接外部に引き出されている。
【0175】
このコア83の外周圧入部84の前方(図3の左方)には、ねじ部213とストッパ部215とが形成されている。ねじ211をねじ部213に係合し締め付けることにより、ねじ211とストッパ部215とがフロントケ−シング41(静止側のケ−シング:蓋部材)の開口79を両側から挟み込み、電磁石61をデフキャリヤ37に固定している。
【0176】
ストッパ部215は回転ケ−ス45の前方(軸方向一方向)への移動を規制し、ねじ211により後方(軸方向他方向)への移動を規制し、フロントケ−シング41に対して回転ケ−ス45の軸方向位置が決定されている。
【0177】
又、ストッパ部215とデフキャリヤ37との間に、隙間調整用のワッシャなどを配置すれば、その厚さを変えることによって、電磁石61(コア83)と回転ケ−ス45の前側ロ−タ65とのエアギャップ95を最適値に調整し、磁力をア−マチャ59に効率よく導くことができる。
【0178】
図4のように、回転ケ−ス45の前側ロ−タ65には周上の複数箇所に凸部217が設けられており、後側ケ−ス67には周上の複数箇所に凹部219が設けられている。前側ロ−タ65は凸部217を凹部219に係合させて後側ケ−ス67に連結されている。前側ロ−タ65と後側ケ−ス67は突き当たり部71とスナップリング73とによって位置決めされ、Oリング75でシ−ルされている。
【0179】
前側ロ−タ65は両側シ−ルベアリング85を介してコア83に支承されていると共に、前側ロ−タ65の動力伝達軸77には、継ぎ手81(図10)がコンパニオンフランジを介して連結されており、前側ロ−タ65はこれらを介してプロペラシャフト19側に連結されている。
【0180】
なお、二点鎖線で示すようなジョイント部を介してプロペラシャフト19側の同様なジョイント部に直接連結してもよい。
【0181】
連結軸47(他側の軸状トルク伝達部材)は、回転ケ−ス45の後側ケ−ス67に貫入し、その前端部は摺動ブッシュ223を介して回転ケ−ス45の前側ロ−タ65に支承され、後端部は片側シ−ルベアリング99を介して後側ケ−ス67に支承されている。
【0182】
又、連結軸47はスプライン部101に連結されたドライブピニオンシャフト103などを介してリヤデフ21側に連結されている。
【0183】
このドライブピニオンシャフト103はベアリングによってデフキャリヤ37に支承されており、回転ケ−ス45の後側ケ−ス67は、ドライブピニオンシャフト103と連結軸47と片側シ−ルベアリング99とを介してデフキャリヤ37側に支承されている。
【0184】
又、後側ケ−ス67とデフキャリヤ37との間にはオイルシ−ル225が配置されている。
【0185】
このオイルシ−ル225と、回転ケ−ス45の前側に配置された両側シ−ルベアリング85とによって、回転ケ−ス45とデフキャリヤ37の間に大気室109が形成されている。
【0186】
又、デフキャリヤ37の前側のフロントケ−シング41の上部にはブリ−ザ227が取り付けられている。ブリ−ザ227は大気室109を外部の大気空間と連通させて温度と圧力をほぼ一定に保ち、大気室109から外部へのオイルの噴き出しを防止している。
【0187】
なお、ブリ−ザ227には、管の一端が連結し、管の他端は車両走行時に異物や水滴などの侵入の恐れが少ない車体フレ−ム側に開放されている。
【0188】
又、回転ケ−ス45は、前側Oリング75と後側の片側シ−ルベアリング99とによって密封型にされている。
【0189】
回転ケ−ス45の内部にはオイル供給用の流路229からオイルが注入され、その後オイル供給用流路229は密封ボ−ル113を圧入してシ−ルされる。ケ−シング本体39のオイルとフロントケ−シング41のオイルには、それぞれの用途に応じて適確なオイルが選択されている。
【0190】
又、メインクラッチ49と回転ケ−ス45との間に配置されたプレ−ト115には、オイル供給用流路229との干渉を防止する切り欠き231が設けられている。
【0191】
又、連結軸47には、区画板233を固定することによって容量増大空間部135が形成されている。
【0192】
これにより、第1実施形態と異なって、区画板233が薄いので回転ケ−ス45内の容量増大空間部135の容量を増すことが可能となる。
【0193】
カップリング1と同様に、このオイルは遠心力によって、各油路を介してメインクラッチ49、摺動ワッシャ223、スラストベアリング117、カムリング53の内周と連結軸47の外周との摺動面、ボ−ルカム55、コントロ−ルクラッチ51などに供給され、これらを充分に潤滑する。
【0194】
なお、連結軸47には一体の区画壁がないから、スプライン部101は、ホブカッタ−、あるいは、ブロ−チによって容易に加工できる。
【0195】
又、カップリング209は、図10の車両の矢印149、151、152、153、155、157の各箇所に配置しても、あるいは、図11の車両の矢印189、191、193、195、201、203、205、207の各箇所に配置してもよく、いずれの場合もカップリング1と同等の機能によって、前輪や後輪への駆動力伝達を断続し、伝達される駆動力の制御を行う。
【0196】
こうして、カップリング209が構成されている。
【0197】
カップリング209は、カップリング1と同様に、デフキャリヤ37の開口79に固定した電磁石61のリ−ド線123をコア83から直接デフキャリヤ37の外部に引き出しているから、グロメット取り付け用の開口をデフキャリヤ37に加工する必要がなく、加工工数と加工コストが低減される。
【0198】
又、グロメットを用いないでも、異物や水分がリ−ド線123の引き出し部からデフキャリヤ37に侵入することが防止されると共に、グロメットを用いないだけ部品点数と部品コストが低減される。
【0199】
又、回転ケ−ス45はベアリング85と電磁石61のコア83とを介してデフキャリヤ37に支承されており、このように、ベアリング85と電磁石61とを径方向に配置したカップリング209は、これらを軸方向に配置した構成に較べて、ベアリング85の配置寸法だけ軸方向に短くなっている。
【0200】
又、ベアリング85にシ−ル型のベアリングを用いたことによって、ベアリング85の周辺に配置するシ−ルが不要になり、部品点数とコストが低減されると共に、カップリング209は、シ−ルの配置寸法だけ軸方向に短くなっている。
【0201】
又、カップリング209は、ベアリング85とシ−ルの配置スペ−スだけ軸方向に短くなったことにより、大幅に軽量化されているから、上記のように、図10と図11の車両の各箇所に搭載する場合、配置スペ−スと負担重量の点で特に有利である。
【0202】
又、カップリング209のこのようなコンパクト化に伴って、デフキャリヤ37(フロントケ−シング41)を短くすれば、更に大幅な軽量化が可能になる。
【0203】
又、電磁石61が1個のねじ211によってデフキャリヤ37に固定されているから、このねじ211を着脱するだけで電磁石61の取り付けと取り外しとを容易に行うことができる。
【0204】
又、コア83にストッパ部215を設けたから、このストッパ部215とデフキャリヤ37との間に配置した隙間調整用ワッシャの厚さを変えることによって、電磁石61(コア83)と回転ケ−ス45とのエアギャップ95を最適値に調整し、磁力をア−マチャ59に効率よく導くことができる。
【0205】
又、回転ケ−ス45は、一端側(前方)でベアリング85によりコア83を介して静止側ケ−シングであるフロントケ−シング41に支持され、他端側(後方)でベアリング99により連結軸47、スプライン部101、ドライブピニオンシャフト103とこの支持ベアリングとを介して静止側ケ−シングであるケ−シング本体39に支持されている。
【0206】
従って、他端側(後方)に、回転ケ−ス45を直接デフキャリヤ37側に支持するベアリングなどの支持構造が不要となり、回転ケ−ス45及びデフキャリヤ37の構造が簡易化して、軸方向及び径方向のコンパクト化が可能である。
【0207】
次に、図5によってカップリング401(第3実施形態)の説明をする。
【0208】
左右の方向は図10の四輪駆動車の左右の方向であり、図5の左方はこの車両の前方に相当する。なお、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0209】
カップリング401は、上記各実施形態のカップリング1、209と同様に、図10の車両の後輪側プロペラシャフト19とリヤデフ21との間に配置されており、後輪27、29側の連結と切り離し及び伝達トルクの制御を行う。
【0210】
以下、カップリング1、209と同機能部材には同一の符号を与えて参照しながら説明する。
【0211】
カップリング401は、回転ケ−ス403(一側のケ−ス状トルク伝達部材)、連結軸405(他側の軸状トルク伝達部材)、多板式のメインクラッチ49及びコントロ−ルクラッチ51、カムリング53、ボ−ルカム55、プレッシャプレ−ト57、ア−マチャ59、リング状の電磁石61、コントロ−ラなどから構成されている。
【0212】
電磁石61のコア83は外周圧入部84でデフキャリヤ37の開口79に圧入され、回り止めピン407によって回り止めされている。この回り止めピン407は電磁石61のリ−ド線123の取り出し部110に対して周方向に180°反対の位置に配置されており、装着が容易である。
【0213】
回転ケ−ス403は、前側のロ−タ408(電磁石とア−マチャの間に位置する部分:トルク伝達経路に用いない部分)と中空状のケ−ス67と後側の連結部材409から構成されている。
【0214】
ケ−ス67は前側ロ−タ408のねじ部411に螺着され、互いの間に設けられた突き当たり部412によって位置決めされており、更に、ねじ部411に螺着されたナット413により、設計手法としては一般的な手段であるダブルナット機能によって固定されている。
【0215】
又、ケ−ス67と連結部材409はボルト415で固定されており、これらの間にはオイル漏れを防止するシ−ルリング417が配置されている。
【0216】
又、連結部材409はドライブピニオンシャフト103にスプライン連結されている。
【0217】
このように、ボルト415で固定された連結部材409がドライブピニオンシャフト103にスプライン連結されてトルク伝達経路に用いられており、前側ロ−タ408はケ−ス67に螺着されているから、前側ロ−タ408は、非磁性材料のリング129を含めてトルクの伝達には関与しない。
【0218】
又、トルク伝達部材である連結部材409は、静的強度と衝撃強度とを増すために浸炭処理が施されている。
【0219】
回転ケ−ス403は、前端側を両側シ−ルのベアリング85とコア83を介してデフキャリヤ37のフロントケ−シング41に支承されており、後端側を両側シ−ルのベアリング89を介してデフキャリヤ37のケ−シング本体39に支承されている。
【0220】
又、ベアリング89とケ−シング本体39との間には隙間調整用のワッシャ419が配置されている。
【0221】
回転ケ−ス403は、ワッシャ419と当接するケ−シング本体39の突き当たり部421(規制部)によりベアリング89を介してデフキャリヤ37との間で後方(軸方向の他方向)への移動を規制され、ボルト43によってフロントケ−シング41をケ−シング本体39に固定するだけで、回転ケ−ス403の軸方向位置決めが完了する。
【0222】
又、このワッシャ419の厚さを変えれば、回転ケ−ス403の軸方向位置を調整できる。
【0223】
ドライブピニオンシャフト103はベアリング423によってケ−シング本体39に支承されている。ベアリング423とそのロックナット425との間にはワッシャ427とインナ−プレ−ト429が固定されており、インナ−プレ−ト429とケ−シング本体39との間にはオイルシ−ル431が配置されている。
【0224】
両側シ−ルベアリング89とこのオイルシ−ル431とによって、ケ−シング本体39と回転ケ−ス403とドライブピニオンシャフト103との間に大気室109が形成されている。
【0225】
連結軸405は前方から回転ケ−ス403に貫入している。その前端部はニ−ドルベアリング97を介して前側ロ−タ408に支承されており、後端部はベアリング433を介してケ−ス67に支承されている。
【0226】
相対回転する連結軸405と前側ロ−タ408との間には、断面がX字状のシ−ルであるXリング435が配置され、オイル漏れを防止している。
【0227】
又、連結軸405には、動力伝達軸77が一体に形成されている。この動力伝達軸77にはコンパニオンフランジ437がスプライン連結され、ねじ部78に締め付けたナットによって固定されている。このコンパニオンフランジ437は継ぎ手81(図10)側のフランジにボルトで連結されており、連結軸405をプロペラシャフト19側に連結している。
【0228】
連結軸405には、大径と小径の同軸孔439、441が設けられており、連結部材409に形成された中空のハブ部443は大径の同軸孔439に相対回転自在に貫入している。
【0229】
このハブ部443には、密閉プラグ445が固定されており、同軸孔439、441との間で容量増大空間部135を形成している。この容量増大空間部135には、封入オイルや空気が収容される。
【0230】
又、連結軸405には、径方向の油路447、449が設けられており、油路447は容量増大空間部135とニ−ドルベアリング97とを連通し、油路449は容量増大空間部135とスラストベアリング117とを連通する。
【0231】
又、連結部材409のハブ部443には、外周に螺旋状の油路451が設けられており、ハブ部443と連結軸405の同軸孔439との摺動面を潤滑している。
【0232】
容量増大空間部135のオイルは、カップリング401の遠心力により、各油路447、449からそれぞれニ−ドルベアリング97とスラストベアリング117に送られ、更に、カムリング53の内周と連結軸405の外周との摺動面、ボ−ルカム55、コントロ−ルクラッチ51などに供給され、更に、プレッシャプレ−ト57の開口148と、円周状空間139からメインクラッチ49に送られ、これらを充分に潤滑し、冷却する。
【0233】
又、このとき、螺旋状油路451は、螺旋の歩みによるポンプ作用によってオイルを容量増大空間部135側に押圧し、上記のようなオイルの流れ、つまり、オイル循環作用を促進し、潤滑性と冷却性を大きく向上させる。
【0234】
又、薄い密閉プラグ445によって区画された容量増大空間部135は、第1実施形態と異なって、それだけ容量が増大している。
【0235】
又、連結部材409には一体の区画壁がないから、同軸孔439、441は、ドリルによって容易に加工できる。
【0236】
電磁石61を励磁すると、ア−マチャ59によってコントロ−ルクラッチ51が押圧され、ボ−ルカム55によってメインクラッチ49が押圧され、カップリング401が連結される。
【0237】
カップリング401が連結されると車両は四輪駆動状態になり、第1と2の実施形態と反対に、エンジンの駆動力は連結軸405から回転ケ−ス403側に伝達されて後輪27、29を駆動し、悪路などの走破性や、車体の安定性が向上する。
【0238】
又、励磁電流によってカップリング401の連結力を制御し、後輪27、29への伝達トルクを調整すると、旋回走行中の車両の操縦性や安定性などが向上する。
【0239】
又、電磁石61の励磁を停止すると、カップリング401の連結が解除され、車両は二輪駆動状態になる。
【0240】
なお、カップリング401は、図10の車両の矢印149、151、152、153、155、157の各箇所に配置しても、あるいは、図11の車両の矢印189、191、193、195、201、203、205、207の各箇所に配置してもよく、いずれの場合もカップリング1、209と同等の機能によって、前輪や後輪への駆動力伝達を断続し、伝達される駆動力の制御を行う。
【0241】
こうして、カップリング401が構成されている。
【0242】
カップリング401は、上記のように、回転ケ−ス403の連結部材409をトルク伝達経路にし、磁気回路の一部を構成する前側ロ−タ408をトルク伝達経路から除外した。
【0243】
従って、連結部材409は、磁気透過性の要求から解放され、充分な静的強度と衝撃強度とを持った部材を選定することができる。
【0244】
又、前側ロ−タ408は、強度上の要求から解放され、磁気透過性に優れた部材を選定することができる。
【0245】
更に、連結部材409は、駆動力を入出力する相手側部材との連結形態を、例えば、ボルト連結、スプライン連結、セレ−ション連結、溶接などの中から自由に選択することが可能になる。
【0246】
これに加えて、カップリング401は、第1と第2実施形態のカップリング1、209のそれぞれの特徴を除き、これらと同等の効果を得る。
【0247】
次に、図6によってカップリング501(第4実施形態)の説明をする。
【0248】
このカップリング501は、上記カップリング401の部分的な変形例である。
【0249】
以下、カップリング401と同機能部材には同一の符号を与えて参照しながら説明する。
【0250】
カップリング501は、回転ケ−ス503(一側のケ−ス状トルク伝達部材)、連結軸405(他側の軸状トルク伝達部材)、多板式のメインクラッチ49及びコントロ−ルクラッチ51、カムリング53、ボ−ルカム55、プレッシャプレ−ト57、ア−マチャ59、リング状の電磁石61、コントロ−ラなどから構成されている。
【0251】
回転ケ−ス503は、前側のロ−タ408と中空状のケ−ス505と連結部材409とから構成されている。
【0252】
第3実施形態と異なって、ケ−ス505は鋼で作られている。
【0253】
ケ−ス505は、前側ロ−タ408のねじ部411に螺着されており、互いの間に設けられた突き当たり部412によって位置決めされ、更に、ねじ部411に螺着されたナット413のダブルナット機能によって固定されている。
【0254】
又、ケ−ス505と連結部材409は、互いの間に設けられたスプライン部507によって連結されている。このスプライン部507はケ−ス505と連結部材409との中心合わせを行うと共に、駆動力の伝達を行う。
【0255】
なお、ケ−ス505と連結部材409は圧入によって連結してもよい。
【0256】
又、ケ−ス505と連結部材409はいずれも鋼製であり、これらは溶接で一体にされている。この溶接は、ケ−ス505を、アルミニウム製ではなく鋼製にしたことによって可能になり、容易になった。
【0257】
又、ケ−ス505の、前側ロ−タ408と対向する部分(ハッチングで示す部分)には、磁束漏れを防止するコ−ティング509が施されている。
【0258】
このコ−ティング509は、例えば、CrN、TiNなどのコ−ティング、クロムや亜鉛などのメッキ、フェノ−ル、エポキシ、フッ素、シリコンなどの樹脂塗装、あるいは、合成ゴムの塗装や薄板を配置することによって行うことができる。
【0259】
ケ−ス505を鋼製にしても、これらのコ−ティング509によってケ−ス505からの磁束漏れが防止され、電磁石61の磁力がア−マチャ59に効率よく導かれる。
【0260】
こうして、カップリング501が構成されている。
【0261】
カップリング501は、磁束漏れ防止用のコ−ティング509を施すことにより、回転ケ−ス503のケ−ス505を鋼製にした。
【0262】
ケ−ス505は、アルミニウム製のケ−スと較べて強度が大きく向上するから、薄肉化が可能になり、ケ−ス505の薄肉化によって回転ケ−ス503(カップリング501)及びデフキャリヤ37がコンパクト化され、軽量化されるから、車載性が大きく向上する。
【0263】
又、ケ−ス505と連結部材409とを溶接できるから、連結用のボルトが不要になり、部品点数と部品コストが低減する。
【0264】
これに加えて、カップリング501は、第3実施形態のカップリング401の特徴を除き、これと同等の効果を得る。
【0265】
次に、図7乃至図9によってカップリング601(第5実施形態)の説明をする。
【0266】
左右の方向は図10の四輪駆動車の左右の方向であり、図7の左方はこの車両の前方に相当する。なお、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0267】
カップリング601は、上記実施形態の各カップリングと同様に、図10の車両の後輪側プロペラシャフト19とリヤデフ21との間に配置されており、後輪27、29側の連結と切り離し及び伝達トルクの制御を行う。
【0268】
以下、上記各実施形態と同機能部材には同一の符号を与えて参照しながら説明する。
【0269】
カップリング601は、回転ケ−ス603(一側のケ−ス状トルク伝達部材)、連結軸605(他側の軸状トルク伝達部材)、多板式のメインクラッチ49及びコントロ−ルクラッチ51、カムリング53、ボ−ルカム55、プレッシャプレ−ト57、ア−マチャ59、電磁石61、コントロ−ラなどから構成されている。
【0270】
回転ケ−ス603は、前側のロ−タ607(電磁石とア−マチャの間に位置する部分:トルク伝達経路に用いない部分)と後側のケ−ス609とで構成されている。
【0271】
前側ロ−タ607はケ−ス609のねじ部611に螺着され、互いの間に設けられた突き当たり部613によって位置決めされており、更に、ねじ部611に螺着されたナット615のダブルナット機能によって固定されている。
【0272】
ケ−ス609と前側ロ−タ607との間にはシ−ルリング617が配置され、オイル漏れと、水分や塵のような異物の侵入とを防止している。
【0273】
ケ−ス609の後端には側壁部619が形成されており、この側壁部619には中空のフランジ部材621が植え込みボルト623とナット625によって固定されている。側壁部619とフランジ部材621は、互いの間に形成されたインロ−部627によってセンタリングされている。
【0274】
フランジ部材621にはハブ629が固定されている。このハブ629にはドライブピニオンシャフト103(図10)がスプライン連結されており、フランジ部材621とドライブピニオンシャフト103はこのスプライン連結によって互いにセンタリングされている。
【0275】
又、トルク伝達部材であるフランジ部材621とハブ629には、静的強度と衝撃強度とを増すために浸炭処理が施されている。
【0276】
ドライブピニオンシャフト103は、アンギュラ−コンタクトベアリングによってデフキャリヤ37のケ−シング本体39に支承されている。ドライブピニオンシャフト103にはロックナット630が螺着されており、このロックナット630はハブ629を介して各アンギュラ−コンタクトベアリングにスラスト力を与え、それぞれの径方向の隙間を適正に調整してセンタリングすると共に、軸方向の移動を規制している。
【0277】
このように、回転ケ−ス603は、ドライブピニオンシャフト103を介して容量の大きいアンギュラ−コンタクトベアリングに支持されていると共に、ロックナット630がフランジ部材621とハブ629とを介して回転ケ−ス603をドライブピニオンシャフト103に固定するから、回転ケ−ス603のスラスト力はアンギュラ−コンタクトベアリングが負担している。
【0278】
従って、回転ケ−ス603(カップリング601)は径方向と軸方向の両方で強固に位置決めされ、移動や振動が防止される。
【0279】
又、回転ケ−ス603の内部にはオイル供給用の流路111からオイルが注入され、注入後この流路111は密封ボ−ル113を圧入してシ−ルされている。
【0280】
電磁石61のコア83は、フロントケ−シング41の開口79に嵌合し、センタリングされている。コア83とフロントケ−シング41との間にはOリング631が配置されており、オイル漏れと、水分や塵のような異物の侵入とを防止している。
【0281】
図7乃至図9のように、コア83には開口79から前方に突き出した突き出し部633が形成されており、更に、この突き出し部633の先端側には、外周側と内周側の各フィン635、637の間に凹部639が形成されている。
【0282】
電磁石61のリ−ド線103は、コア83の突き出し部633に取り付けられたグロメット641から外周側のフィン635に設けられた切り欠き643を通って径方向外側に引き出されている。
【0283】
前側ロ−タ607(回転ケ−ス603の前端部)は、両側シ−ルのベアリング85とコア83とを介してフロントケ−シング41に支承されている。
【0284】
連結軸605は、前方から回転ケ−ス603に貫入しており、その前端部はニ−ドルベアリング97を介して前側ロ−タ607に支承され、後端部はベアリング433を介してケ−ス609の側壁部619に支承されている。又、連結軸605と前側ロ−タ607との間にはXリング435が配置され、オイル漏れと異物の侵入とを防止している。
【0285】
連結軸605にはフロントケ−シング41から前方に突き出した動力伝達軸77が一体に形成されており、この動力伝達軸77にはコンパニオンフランジ437(回転部材)がスプライン連結されている。このコンパニオンフランジ437は継ぎ手81(図10)側のフランジ644に連結されており、連結軸605をプロペラシャフト19側に連結している。
【0286】
コンパニオンフランジ437とコア83の突き出し部633との間には、オイルシ−ル645が配置されており、オイル漏れと異物の侵入とを防止している。
【0287】
図7のように、コンパニオンフランジ437にはダストカバ−647が取り付けられており、その先端はコア83の凹部639に貫入している。ダストカバ−647の先端と各フィン635、637は軸方向にオ−バ−ラップしており、互いの間にシ−ル部を形成している。
【0288】
ダストカバ−647は、コンパニオンフランジ437とコア83との間を覆って、走行中に飛来する障害物からオイルシ−ル645を保護する。
【0289】
又、ダストカバ−647のシ−ル機能は、水分や塵のような異物の侵入を防止し、オイルシ−ル645のリップが異物を噛み込んで破損するのを防止し、更に、両側シ−ルのベアリング85を通してコア83とロ−タ607とのエアギャップ95に異物が侵入することを防止する。
【0290】
連結軸605には容量増大空間部649が形成されている。この容量増大空間部649には、封入オイルや空気が収容される。
【0291】
又、連結軸605には径方向の油路651、653が設けられている。油路651は容量増大空間部649とスラストベアリング117とを連通し、又、油路653は3本設けられ、それぞれ容量増大空間部649とメインクラッチ49とを連通している。
【0292】
容量増大空間部649のオイルは、カップリング601の遠心力により、油路651からスラストベアリング117に送られ、更に、カムリング53の内周と連結軸605の外周との摺動面、ボ−ルカム55、コントロ−ルクラッチ51などに供給され、これらを潤滑し、冷却する。又、各油路653からのオイルはメインクラッチ49を潤滑し、冷却する。
【0293】
又、プレッシャプレ−ト57に設けられた開口148と、メインクラッチ49のインナ−プレ−トに設けられた開口655は、オイルの移動を促進して潤滑効果を高めると共に、連結及び連結解除の操作に際して、プレッシャプレ−ト57とインナ−プレ−トの移動を促進し、操作に対するレスポンスを改善する。
【0294】
電磁石61を励磁すると、ア−マチャ59によってコントロ−ルクラッチ51が押圧され、ボ−ルカム55によってメインクラッチ49が押圧され、カップリング601が連結される。
【0295】
カップリング601が連結されると車両は四輪駆動状態になって悪路などの走破性や車体の安定性が向上し、励磁電流を制御してカップリング601から後輪27、29に伝達されるトルクを調整すると、旋回走行中の車両の操縦性や安定性などが向上する。
【0296】
又、電磁石61の励磁を停止すると、カップリング601の連結が解除され、車両は二輪駆動状態になる。
【0297】
なお、カップリング601は、図10の車両の矢印149、151、152、153、155、157の各箇所に配置しても、あるいは、図11の車両の矢印189、191、193、195、201、203、205、207の各箇所に配置してもよく、いずれの場合も上記各実施形態と同等の機能によって、前輪や後輪への駆動力伝達を断続し、伝達される駆動力の制御を行う。
【0298】
こうして、カップリング601が構成されている。
【0299】
上記のように、カップリング601は、電磁石61のコア83に設けた突き出し部633からリ−ド線103を引き出すことにより、リ−ド線103の引出し部であるグロメット641とデフキャリヤ37(フロントケ−シング41)との距離が大きくなって干渉の恐れが少なくなる。
【0300】
従って、リ−ド線103の引き出し方向に対する制約がそれだけ小さくなり、レイアウト上の理由でカップリング601の成立が容易になると共に、カップリング601を成立させるためにデフキャリヤ37を大型にする必要がなくなる。
【0301】
又、リ−ド線用のシ−ル手段を2個(グロメット333とシ−ル339)を用いた従来例と異なって、グロメット641は1個だけですみ、更に、剛性部材であるコア83とフロントケ−シング41との間には、Oリング631のような安価なシ−ルを用いることができるから、カップリング601はそれだけ低コストに構成される。
【0302】
又、フロントケ−シング41の開口79から外部に突き出した突き出し部633が外気によって効果的に冷却されるから、電磁石61の温度特性と、伝達トルクの制御特性が安定する。
【0303】
又、コア83を介してカップリング601が冷却されるから、オイルの劣化が抑えられ、性能が安定し、耐久性が向上する。
【0304】
又、突き出し部633に設けたフィン635、637と凹部639とによって、コア83と外気との接触面積が広くなるから、電磁石61とカップリング601の冷却性が更に向上する。
【0305】
又、ダストカバ−647の先端をコア83の凹部639に貫入させ、フィン635、637とオ−バ−ラップさせてシ−ルを形成したから、上記のように、カップリング601の内部に塵や砂粒のような異物が侵入することが防止され、オイルシ−ル645の破損が防止されてシ−ル性が保護され、更に、エアギャップ95に異物が侵入することが防止される。
【0306】
従って、カップリング601の性能が正常に保たれると共に、エアギャップ95に異物が侵入することによる回転抵抗の増加と性能低下が防止され、コア83とロ−タ607の損傷が防止され、更に、エアギャップ95(磁気回路)の磁気抵抗が安定するから、カップリング601の性能が安定する。
【0307】
又、回転ケ−ス603の後側ケ−ス609をトルク伝達経路にし、磁気回路の一部を構成する前側ロ−タ607をトルク伝達経路から除外したから、ケ−ス609は、磁気透過性の要求から解放され、充分な静的強度と衝撃強度とを持った部材を選定することができると共に、ロ−タ607は、強度上の要求から解放され、磁気透過性に優れた部材を選定することができる。
【0308】
なお、請求項1の発明は、請求項2の特徴を備えた各実施形態のようにカムによってクラッチの連結操作力を増幅するカップリングではなく、電磁石によって操作されるクラッチで一対のトルク伝達部材の連結を断続するカップリングであり、電磁石のリ−ド線をコアから静止側ケ−シングの外部に直接引き出すことにより、静止側ケ−シングの加工工数と部品点数が減少し、コストが低減されるなど、各実施形態と同様の効果を得る。
【0309】
又、請求項3の発明は、電磁石によってクラッチを連結させると、差動が制限されるデファレンシャル装置であって、電磁石のリ−ド線をコアから静止側ケ−シング(デフキャリヤ)の外部に直接引き出すことにより、静止側ケ−シングの加工工数と部品点数が減少し、コストが低減されるなど、各実施形態と同様の効果を得る。
【0310】
なお、各実施形態におけるストッパ部は、静止側ケ−シングに電磁石を固定するための締結ボルトの頭部を利用してもよい。
【0311】
又、ストッパ部と規制部は、摺動部材や皿ばねを介して軸方向に位置決めするように構成してもよい。
【0312】
又、各実施形態で説明したカップリングは、図10、図11におけるプロペラシャフト19、177上に配置し、デフキャリヤ37を車体フレ−ム側にゴム、バネや粘性ダンパを介して取り付け、固定してもよい。
【0313】
又、静止側ケ−シング(特に、蓋部材)については、プレス成型品の板金製を採用し、軽量化や、波状部を形成するなど凹凸形状を工夫し、放熱性を向上させることもできる。
【0314】
【発明の効果】
請求項1のカップリングは、電磁石のコアを静止側ケ−シングの開口部に固定し、リ−ド線をコアから外部に直接引き出したことにより、グロメットを取り付けるための開口を静止側ケ−シングに加工する必要がなくなると共に、グロメットを用いないから、加工工数と部品点数が減少し、コストが低減される。
【0315】
又、静止側ケ−シングの端部側からリ−ド線を外部に引き出すことが可能になり、カップリングと周辺部材との干渉を避けるために、高い自由度でリ−ド線を取り回すことができる。
【0316】
又、コアが露出することで、カップリングの放熱性が向上し、伝達トルクの制御特性と安定性が向上する。
【0319】
請求項2の発明は、請求項1と同等の効果を得ると共に、ケ−ス状トルク伝達部材を支承するベアリングと電磁石とを径方向に配置したことにより、各装置が、ベアリングの配置スペ−スだけ軸方向に短くなり、軽量化されるから、車両に搭載する場合は配置スペ−スと負担重量の点で特に有利である。
【0320】
又、各装置のコンパクト化に伴って、静止側ケ−シングを短くすれば、更に大幅な軽量化が可能になる。
【0321】
又、ベアリングを小径にすることができ、ベアリングの回転周速が抑制され、耐久性が向上する。
【0322】
更に、ベアリングは電磁石と共に開口部分に配置されるので、放熱性と耐久性が向上する。
【0323】
請求項3の発明は、請求項2の構成と同等の効果を得ると共に、シ−ル型のベアリングを用いたことにより、ベアリング内部の流体導通を防ぐシ−ルを別途軸方向直列に設けることがなく、部品点数が低減されて低コストになると共に、各装置が、シ−ルの配置スペ−スだけ軸方向に短くなり、軽量化されるから、車載性が更に向上する。
【0324】
又、各装置のコンパクト化に伴って静止側ケ−シングを短くすれば、更に大幅な軽量化が可能になる。
【0325】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかと同等の効果を得ると共に、静止側ケ−シングの開口部に配置したカバ−によって、車両の走行中に飛来する障害物などからリ−ド線が保護され、各装置の耐久性が向上する。
【0326】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかと同等の効果を得ると共に、静止側ケ−シングの開口部に配置したカバ−によって、車両の走行中に飛来する障害物などからリ−ド線が保護され、各装置の耐久性が向上する。
【0330】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかと同等の効果を得ると共に、ケ−ス状トルク伝達部材のうち電磁石とア−マチャの間に位置する部分をトルク伝達経路に用いたことにより、構造が簡素化され、部品点数が減少する。
【0331】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかと同等の効果を得ると共に、ケ−ス状トルク伝達部材のうち電磁石とア−マチャの間に位置する部分以外に、トルク伝達経路を形成することにより、磁気力透過部分とトルク伝達経路部分にそれぞれの特性に応じた部材を選定することができ、選択の自由度が向上する。
【0332】
又、相手側部材(入出力側)との連結形態の自由度も向上する。
【0335】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の構成のいずれかと同等の効果を得ると共に、電磁石のコアに設けた突き出し部からリ−ド線を引き出すことによってリ−ド線が静止側ケ−シングと干渉する恐れが少なくなり、リ−ド線の引き出し方向に対する制約が更に小さくなる。
【0336】
従って、レイアウトと装置の成立がそれだけ容易になり、又、装置を成立させるために静止側ケ−シングを大型にする必要がなくなる。
【0337】
又、従来例と異なって、リ−ド線用のシ−ルが1個だけですむと共に、剛性部材であるコアと静止側ケ−シングとの間には、Oリングのような安価なシ−ルを用いることができるから、それだけ低コストに構成できる。
【0338】
又、突き出し部が外気によって効果的に冷却され、伝達トルクや差動制限力の制御特性が安定すると共に、オイルの劣化が抑えられて性能が安定し、耐久性が向上する。
【0339】
また、凹部によってコアの突き出し部と外気との接触面積が広くなり、冷却性が更に向上する。
【0340】
また、ダストカバ−とコアの凹部とのシ−ル機能によって異物の侵入が防止され、その内側に配置されたシ−ルが保護され、装置の性能が正常に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のカップリングを示す断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】第2実施形態のカップリングを示す断面図である。
【図4】図3のB矢視図である。
【図5】第3実施形態のカップリングを示す断面図である。
【図6】第4実施形態のカップリングを示す断面図である。
【図7】第5実施形態のカップリングを示す断面図である。
【図8】図7のC矢視図である。
【図9】図7の要部拡大図である。
【図10】各実施形態のカップリングを用いた四輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図である。
【図11】各実施形態のカップリングを用いた他の四輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図である。
【図12】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、209、401、501、601 カップリング
37 デフキャリヤ(静止側ケ−シング)
39 ケ−シング本体(静止側ケ−シングの本体)
41 フロントケ−シング(静止側ケ−シングの蓋部材)
45、403、503、603 回転ケ−ス(一側のケ−ス状トルク伝達部材)
47、405、605 連結軸(他側の軸状トルク伝達部材)
49 多板式のメインクラッチ
51 多板式のコントロ−ルクラッチ
55 ボ−ルカム(カム)
59 ア−マチャ
61 電磁石
63 カバ−
65 前側ロ−タ(電磁石とア−マチャの間に位置する部分:トルク伝達経路に用いる部分)
79 デフキャリヤ37の開口
83 電磁石のコア
86、215 コア83に設けられたストッパ部
94 側壁(規制部)
123 電磁石のリ−ド線
125 カバ−63を固定するボルト(固定手段)
211 ねじ(ねじ部材:規制部材)
213 コア83に設けられたねじ部
408、607 前側ロ−タ(電磁石とア−マチャの間に位置する部分:トルク伝達経路に用いない部分)
421 突き当たり部(規制部)
437 コンパニオンフランジ(回転部材)
633 コア83に設けた突き出し部
639 突き出し部633に設けた凹部
647 ダストカバ−

Claims (7)

  1. ケーシング本体と、一端側が前記ケーシング本体にボルト連結されると共に他端側に開口を有するケーシング蓋部材とからなる静止側ケーシングと、前記開口を有する静止側ケ−シングの内部に配置された一側のケ−ス状トルク伝達部材と、このケ−ス状トルク伝達部材に貫入した他側の軸状トルク伝達部材と、これら両トルク伝達部材の間に配置されたクラッチと、ケ−ス状トルク伝達部材の外部から磁気力によってア−マチャを移動させクラッチを押圧して連結させるリング状の電磁石とを備え、このリング状の電磁石のコア前記ケーシング蓋部材前記開口に固定されると共に前記開口から外部の大気空間に露出しており、そのリード線がコアから静止側ケーシングの外部の大気空間に直接引き出されていることを特徴とするカップリング。
  2. 請求項1に記載の発明であって、ケ−ス状トルク伝達部材が、第1ベアリングと電磁石のコアとを介して静止側ケ−シングに支承されていることを特徴とするカップリング。
  3. 請求項2に記載の発明であって、ベアリングが、シ−ル型のベアリングであることを特徴とするカップリング。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明であって、静止側ケ−シングの開口部に、この開口とリ−ド線とを覆うカバ−が配置されており、このカバ−と電磁石のコアとが静止側ケ−シングにボルトで共締めされていることを特徴とするカップリング。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明であって、ケ−ス状トルク伝達部材のうち、電磁石とア−マチャの間に位置する部分をトルク伝達経路に用いたことを特徴とするカップリング。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明であって、ケ−ス状トルク伝達部材のうち、電磁石とア−マチャの間に位置する部分をトルク伝達経路に用いないことを特徴とするカップリング。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発明であって、電磁石のコアに、静止側ケ−シングの開口部から外側に突き出した突き出し部を設け、リ−ド線が、この突き出し部から引き出され、前記突き出し部に凹部を設け、回転部材側に固定されたダストカバーの先端が前記凹部に貫入し、ダストカバーと凹部がオーバーラップしシールを形成していることを特徴とするカップリング。
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