JP2000319103A - 水面浮遊性粒状農薬製剤及びその製造法 - Google Patents

水面浮遊性粒状農薬製剤及びその製造法

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JP2000319103A
JP2000319103A JP11132709A JP13270999A JP2000319103A JP 2000319103 A JP2000319103 A JP 2000319103A JP 11132709 A JP11132709 A JP 11132709A JP 13270999 A JP13270999 A JP 13270999A JP 2000319103 A JP2000319103 A JP 2000319103A
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Shigeki Fujita
茂樹 藤田
Susumu Kato
進 加藤
Naomi Sakurada
直巳 桜田
Souki Akashi
宗貴 赤司
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Kumiai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の水面浮遊性粒状農薬製剤の有する水面
浮遊性の問題を改善した、確実に水面浮遊性が得られ、
かつ、農薬有効成分の均一な散布が可能となる水面浮遊
性粒状農薬製剤を提供すること。 【解決手段】 農薬有効成分、界面活性剤、固体担体、
水面浮遊性付与剤および水を含有し、成形後の水の含有
量が水面浮遊性粒状農薬製剤100重量部あたり0.3
部〜6部であることを特徴とする水面浮遊性粒状農薬製
剤およびその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水田あるいは貯水
池等に直接散布する粒状農薬製剤に関し、さらに詳しく
は、省力的、かつ均一な農薬散布が可能な水面浮遊性粒
状農薬製剤及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水田で用いられる農薬製剤は、粒
剤、粉剤、乳剤、水和剤、及びフロアブル剤が一般的で
ある。これらの農薬製剤のなかで粒剤及び粉剤は、通常
10アール当たり3〜4kgを水に希釈しないで直接散
布されてきたが、近年、農薬散布の省力化が叫ばれてお
り、これに対応するために、製剤中の農薬活性成分含有
量を高めて製剤としての散布量を低減することや、ある
いは水田に入らずに畦畔から投げ込むだけで散布可能な
農薬製剤が検討されている。
【0003】以上の要求に対して種々の農薬製剤が検討
され、その技術が公開されている。例えば、農薬活性成
分を比重が1以下のロウ状物質に溶解あるいは分散し、
水溶性増量剤に被覆あるいは含有させた農薬粒剤(特開
昭55−154902号、特開昭56−30901号、
特開平7−101805号)、軽石あるいはパーライト
などの水面浮遊性担体に殺菌成分を担持させた組成物
(特公昭48−1181号)、パーライトにパラフィン
石油樹脂等を用いて殺虫成分を付着させた組成物(特公
昭48−1181号)、パーライトなど水に浮く無機担
体に殺草成分を担持させた組成物(特公昭48−118
2号)、48メッシュ以下の鉱物質粒状担体に農薬活性
成分と撥水性物質を担持させた粒状農薬製剤(特開昭4
8−56831号)、比重1以下で粒径5mm以下の中
空体に農薬活性成分を担持し成形した組成物(特開昭5
8−65203号)、カーバメート系農薬活性成分を水
に対する分配係数が10以上の有機化合物と混合し、
水浮遊性担体に撥水性物質とともに担持させた組成物
(特開平2−174702号)等が開示されている。
【0004】しかし、いずれも農薬活性成分を含んだロ
ウ状物質や農薬活性成分が担持された粒核が長時間水面
に浮遊するため、風による吹き寄せにより農薬活性成分
の濃度むらによる薬効不足や薬害の発生原因となること
がある等の問題点があった。
【0005】最近、農薬活性成分と特定の界面活性剤、
ベントナイト、水浮遊性中空粒子を含有する組成物(特
開平7−82102号)や農薬活性成分と250μm以
下のガラス質中空体と特定の界面活性剤を含有する組成
物(特開平6−345603号)が開示されているが、
必ずしも浮遊性が十分ではなく一部の粒は沈降し、ま
た、浮遊している粒は良好な崩壊性を示さないため、処
理地点の薬剤濃度が高くなることによる薬害、風下吹き
寄せ部分の薬剤濃度が高くなることによる薬害の問題が
あった。
【0006】また、農薬活性成分と比重が1以下の粉末
基剤、特定の性質を有する界面活性剤より成る組成物の
水面浮遊性粒剤を水溶性フィルムに包装した製剤(特開
平7−233002号)、農薬活性成分と焼成バーミキ
ュライトあるいは発泡パーライト、発泡シラス、コルク
及びアセチレン系界面活性剤を含有する製剤を水溶性フ
ィルムに包装した製剤(特開平6−336403号)等
が開示されている。これら製剤は水溶性フィルムに包装
することを前提とした製剤であるが、水溶性フィルムに
包装された粒状物の浮遊性は十分ではなく、一部が沈降
するため、処理地点の薬剤濃度が高くなることによる薬
害の問題が生じるおそれがあった。一方、水に投入する
と一旦水底に沈降し、水溶性担体が溶解するとともに水
面に浮上する粒状農薬組成物(特公昭63−30281
号)も報告されているが、水温等の条件によっては全て
の粒状農薬組成物が浮上しない場合があり、全ての粒状
農薬組成物が浮上した場合でも、沈降していた水底の農
薬土壌残留量が多い問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の水面
浮遊性粒状農薬製剤の有する水面浮遊性の問題を改善し
た、確実に水面浮遊性が得られ、かつ、農薬有効成分の
均一な散布が可能となる水面浮遊性粒状農薬製剤の提供
をその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粒状農薬
製剤の浮遊性について鋭意研究した結果、農薬有効成
分、界面活性剤、固体担体、水面浮遊性付与剤等を含む
粒状農薬製剤において、一定量の水を含有させることに
より水面浮遊性が著しく改善されるとの知見を得、本発
明に至った。
【0009】すなわち本発明は、農薬有効成分、界面活
性剤、固体担体、水面浮遊性付与剤および水を含有し、
成形後の水の含有量が水面浮遊性粒状農薬製剤100重
量部あたり0.3部〜6部であることを特徴とする水面
浮遊性粒状農薬製剤およびその製造法を提供するもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の粒状農薬製剤において、
水面浮遊性とは水面に投入後、短時間水面に浮遊分散
し、その後崩壊分散するような状態を意味し、数時間な
いし数日間の浮遊性を意味するものでない。より好まし
い浮遊性は、水面に投入直後は浮遊し、1から30分間
程度、好ましくは1から15分間程度で実質的に崩壊分
散する程度の浮遊性である。
【0011】本発明の水面浮遊性粒状農薬に用いること
のできる農薬活性成分は、一般に農薬として用いられる
ものであれば特に限定されず、固体あるいは液体状の何
れでも用いることができる。この農薬活性成分は、水に
難溶性あるいは易溶性であってもよく、例えば、除草
剤、殺菌剤、殺虫剤、植物成調節剤等が用いられる。と
りわけ水面施用において有用な農薬活性成分が好適であ
る。
【0012】本発明に用いることのできる農薬活性成分
は、以下例示される農薬活性成分に限定されるものでは
ないが、除草剤の例としては、2−メチル−4−クロロ
フェノキシチオ酢酸−S−エチル(フェノチオール)、
α−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド(ナプロア
ニリド)、5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−
ニトロ安息香酸メチル(ビフェノックス)、S−(4−
クロルベンジル)N,N−ジエチルチオカーバメート
(ベンチオカーブ)、S−ベンジル=1,2−ジメチル
プロピル(エチル)チオカルバマート(エスプロカル
ブ)、S−エチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−
カーボチオエート(モリネート)、S−1−メチル−1
−フェニルエチル=ピペリジン−1−カルボチオアート
(ジメピペレート)、O−3−tert−ブチルフェニ
ル=6−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカルバ
マート(ピリブチカルブ)、2−クロロ−2',6'−ジ
エチル−N−(ブトキシメチル)アセトアニリド(ブタ
クロール)、2−クロロ−2',6'−ジエチル−N−
(2−プロポキシエチル)アセトアニリド(プレチラク
ロール)、(RS)−2−ブロモ−N−(α,α−ジメ
チルベンジル)−3,3−ジメチルブチルアミド(ブロ
モブチド)、2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−
N−メチルアセトアニリド(メフェナセット)、1−
(α,α−ジメチルベンジル)−3−(パラトリル)尿
素(ダイムロン)、メチル=α−(4,6−ジメトキシ
ピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−
O−トルアート(ベンスルフロンメチル)、1−(2−
クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスル
ホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−
イル)尿素(イマゾスルフロン)、エチル=5−(4,
6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスル
ファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシ
ラート(ピラゾスルフロンエチル)、2メチルチオ−
4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン(シメ
トリン)、2−メチルチオ−4,6−ビス(イソプロピ
ルアミノ)−s−トリアジン(プロメトリン)、2−メ
チルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチル
プロピルアミノ)−s−トリアジン(ジメタメトリ
ン)、2,4−ジクロロフェニル−3'−メトキシ−4'
−ニトロフェニルエーテル(クロメトキシニル)、5−
ターシャリ−ブチル−3−(2,4−ジクロロ−5−イ
ソプロポキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリン
−2−オン(オキサジアゾン)、4−(2,4−ジクロ
ロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル−
p−トルエンスルホネート(ピラゾレート)、2−[4
−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピ
ラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン(ピラゾキ
シフェン)、(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−
トリルオキシ)プロピオンアニリド(クロメプロッ
プ)、2−[4−[2,4−ジクロロ−m−トルオイ
ル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]
−4'−メチルアセトフェノン(ベンゾフェナップ)、
S,S'−ジメチル=2−ジフルオロメチル−4−イソブ
チル−6−トリフルオロメチルピリジン−3,5−ジカ
ルボチオアート(ジチオピル)、2−クロロ−N−(3
−メトキシ−2−テニル)−2',6'−ジメチルアセト
アニリド(テニルクロール)、n−ブチル−(R)−2
−[4−(2−フルオロ−4−シアノフェノキシ)フェ
ノキシ]プロピオネート(シハロホップブチル)、3−
[1−(3,5−ジクロルフェニル)−1−メチルエチ
ル]−2,3−ジヒドロ−6−メチル−5−フェニル−
4H−1,3−オキサジン−4−オン(オキサジクロメ
ホン)、3−(4−クロロ−5−シクロペンチルオキシ
−2フリオロフェニル)−5−イソプロピリデン−1,
3−オキサゾリジン−2,4−ジオン(ペントキサゾ
ン)、1−(ジエチルカルバモイル)−3−(2,4,6
−トリメチルフェニルスルフォニル)−1,2,4−トリ
アゾール(カフェンストロール)、N−{[(4,6−
ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニ
ル]}−1−メチル−4−(2−メチル−2H−テトラ
ゾール−5−イル)(アジムスルフロン)、メチル 2
−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキ
シ]−6−[(E)−1−(メトキシイミノ)エチル]
ベンゾエイト(ピリミノバックメチル)等が挙げられ
る。
【0013】また、殺菌剤の例としては、O,O−ジイ
ソプロピル−S−ベンジルチオフォスフェート(IB
P)、3'−イソプロポキシ−2−メチルベンズアニリ
ド(メプロニル)、α,α,α−トリフルオロ−3'−イ
ソプロポキシ−O−トルアニリド(フルトラニル)、
3,4,5,6−テトラクロロ−N−(2,3−ジクロロフ
ェニル)フタルアミド酸(テクロフタラム)、1−(4
−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニ
ル尿素(ペンシクロン)、6−(3,5−ジクロロ−4
−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン(ジク
ロメジン)、メチル=N−(2−メトキシアセチル)−
N−(2,6−キシリル)−DL−アラニナート(メタ
ラキシル)、(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフル
オロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポ
キシエチリデン)−o−トルイジン(トリフルミゾー
ル)、カスガマイシン、バリダマイシン、3−アリルオ
キシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシ
ド(プロベナゾール)、ジイソプロピル−1,3−ジチ
オラン−2−イリデン−マロネート(イソプロチオラ
ン)、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−
b]ベンゾチアゾール(トリシクラゾール)、1,2,
5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1−ij]キノリ
ン−4−オン(ピロキロン)、5−エチル−5,8−ジ
ヒドロ−8−オキソ[1,3]ジオキソロ[4,5−g]
キノリン−7−カルボン酸(オキソリニック酸)、
(Z)−2'−メチルアセトフェノン=4,6−ジメチル
ピリミジン−2−イルヒドラゾン4,5,6,7−テトラ
クロロフタリド(フェリムゾン)、3−(3,5−ジク
ロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソ
イミダゾリジン−1−カルボキサミド(イプロジオン)
等が挙げられる。
【0014】更に、殺虫剤の例としてはO,O−ジメチ
ル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオホス
フェート(MEP)、(2−イソプロピル−4−メチル
ピリミジル−6)−ジエチルチオホスフェート(ダイア
ジノン)、1−ナフチル−N−メチルカーバメート(N
AC)、O,O−ジエチル−O−(3−オキソ−2−フ
ェニル−2H−ピリダジン−6−イル)ホスホロチオエ
ート(ピリダフェンチオン)、O,O−ジメチル−O−
3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエー
ト(クロルピリホスメチル)、ジメチルジカルベトキシ
エチルジオホスフェート(マラソン)、O,O−ジメチ
ル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホス
フェート(ジメトエート)、O,O−ジプロピル−O−
4−メチルチオフェニルホスフェート(プロパホス)、
O,S−ジメチル−N−アセチルホスホロアミドチオエ
ート(アセフェート)、エチルパラニトロフェニルチオ
ノベンゼンホスホネート(EPN)、2−セカンダリ−
ブチルフェニル−N−メチルカーバメート(BPM
C)、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ
[b]フラニル=N−ジブチルアミノチオ−N−メチル
カルバマート(カルボスルファン)、エチル=N−
[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7
−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ]−N−
イソプロピル−β−アラニナート(ベンフラカルブ)、
(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(R
S)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニ
ル)シクロプロパンカルボキシラート(シクロプロトリ
ン)、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロ
ピル=3−フェノキシベンジル=エーテル(エトフェン
プロックス)、1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2
−(N,N−ジメチルアミノ)プロパン塩酸塩(カルタ
ップ)、5−ジメチルアミノ−1,2,3−トリチアンシ
ュウ酸塩(チオシクラム)、S,S'−2−ジメチルアミ
ノトリメチレン=ジ(ベンゼンチオスルホナート)(ベ
ンスルタップ)、2−タ−シャリ−ブチルイミノ−3−
イソプロピル−5−フェニル−1,3,5,6テトラヒド
ロ−2H−1,3,5−チアジアジン−4−オン(ブプロ
フェジン)等が挙げられる。
【0015】更にまた、植物成長調節剤の例としては、
4'−クロロ−2'−(α−ヒドロキシベンジル)イソニ
コチンアニリド(イナベンフィド)、(2RS,3R
S)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル
−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペ
ンタン−3−オール(パクロブトラゾール)、(E)−
(S)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチ
ル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)
ペンタ−1−エン−3−オール(ウニコナゾール)等を
挙げることができる。
【0016】なお、これらの農薬活性成分は単独で、ま
たは2種以上を混合して用いることができ、これら農薬
活性成分の配合割合の合計は、組成物100重量部に対
して、通常、0.1重量部〜70重量部、好ましくは1
重量部〜50重量部である。
【0017】本発明の水面浮遊性粒状農薬には、水面に
浮遊した粒を崩壊させ、農薬有効成分を水中に拡散させ
るための界面活性剤を使用する。この界面活性剤として
は、農薬製剤に一般的なものを用いることができ、例え
ば、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアリー
ルフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキレート、ア
セチレンアルコールおよびアセチレンジオール並びにそ
れらのアルキレンオキシドを付加物等のノニオン性界面
活性剤、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルス
ルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホ
ン酸塩及びその縮合物、アルキル硫酸エステル塩、アル
キル燐酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル
塩、アルキルアリール燐酸エステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンアリールフェニルエーテル燐酸エステル
塩、ポリカルボン酸型高分子活性剤等のアニオン性界面
活性剤等、さらにはシリコーン系界面活性剤、フッ素系
界面活性剤等を挙げることができる。これらの界面活性
剤は単独であるいは2種以上を混合して用いることがで
きる。これらの界面活性剤の配合割合は、組成物100
重量部に対して、通常、0.1重量部〜30重量部、好
ましくは0.5重量部〜20重量部、さらに好ましくは
2重量部〜10重量部である。
【0018】本発明の水面浮遊性粒状農薬には、固体担
体を使用することが必要である。固体担体は水溶性担体
あるいは非水溶性担体を用いることができ、これらを組
み合わせて用いることもできる。水溶性担体としては、
例えば、硫酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、硫酸
ナトリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の有機又は無機
酸塩類、クエン酸、コハク酸等の有機酸類、蔗糖、ラク
トース等の糖類、尿素等を挙げることができる。また、
非水溶性担体としては一般的には鉱物質微粉が用いら
れ、例えば、クレー類、炭酸カルシウム、ベントナイ
ト、タルク、珪藻土、ステアリン酸カルシウム、ホワイ
トカーボン等を挙げることができる。これら固体担体の
配合割合は、組成物100重量部に対して、通常、5重
量部〜80重量部、好ましくは10重量部〜70重量部
である。
【0019】更に、本発明の水面浮遊性粒状農薬には、
これを散布した際、粒が水中に沈むことなく、水面に浮
遊させる性質を付与するための水面浮遊性付与剤が必要
である。この水面浮遊性付与剤は、独立した1個または
複数個の気室を有する物質であり、例えば、真珠岩や黒
曜石よりなるパーライト、シラスよりなる発泡シラス、
アルミノシリケート系で焼成してなるフィライト、珪酸
ソーダあるいは硼砂を発泡させたマイクロバルーン、軽
石、粒状珪藻土、粒状活性炭、木粉、コルク粉、フェノ
ール樹脂よりなるフェノールマイクロバルーン、エポキ
シ樹脂よりなるエコスフェアー、ポリウレタンよりなる
ポリウレタンフォーム、ポリアクリロニトリルよりなる
マイクロスフェアー等が挙げられるが、中でもマイクロ
スフェアーが好適である。マイクロスフェアーは、それ
自体の浮力によって水面に浮遊させる性質を付与するの
ではなく、これを用いて成形する際、非常に多くの空気
を造粒物に混入させることができ、即ち、非常に少ない
含有量でも効果が高いこと、又、紫外線によって中空構
造が容易に破壊されるため、いつまでも水面を漂うこと
がない点で好ましい。これら水面浮遊性付与剤は組成物
100重量部に対して0.3重量部〜30重量部、望ま
しくは0.5重量部〜20重量部を含有させる。
【0020】本発明の水面浮遊性粒状農薬製剤において
水は必須成分である。本発明の水面浮遊性粒状農薬製剤
は、前出の水面浮遊性付与剤と水を含有することによっ
てはじめて良好な水面浮遊性が得られる。水を含有する
ことで水面浮遊性が得られることは、全く意外な知見で
ある。本発明において水の含有量は水面浮遊性粒状農薬
製剤100重量部あたり0.3部〜6部であり、望まし
くは0.8部〜5部である。水が0.3部以下の場合、粒
状農薬製剤を水に投入すると、数秒間は水面に浮遊する
が、その後粒状物内部の空気が抜けて沈降する。一方、
水が6部以上の場合、粒が脆くなり、散布時に粒が衝
突、崩壊することにより微粉が発生するため望ましくな
い。水の含有量は、例えばカールフィッシャー方式の水
分測定装置を用いて測定することができる。
【0021】本発明の水面浮遊性粒状農薬製剤において
は、前記の成分の他に、その他補助剤として結合剤、有
機溶剤等を必要に応じて配合することができる。
【0022】用いることのできる結合剤は農薬粒状組成
物に一般的に用いられるもので、水溶性の物質が望まし
い。例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム
塩、デキストリン、水溶性デンプン、キサンタンガム、
グアシードガム、蔗糖、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム塩、平均分
子量6000〜20000のポリエチレングリコール、
平均分子量10万〜500万のポリエチレンオキサイド
等を挙げることができる。これらの結合剤の配合割合
は、組成物100重量部に対して、通常、0.01重量
部〜10重量部、好ましくは0.1重量部〜5重量部で
ある。
【0023】また、有機溶剤は農薬活性成分を溶解させ
る場合に用いられ、例えば、ジオクチルフタレート、メ
チルナフタレン、アルキルピロリドン、フニルキシリー
ルエタン、グリセリン、アルキレングリコール等を用い
ることができるが、高沸点溶剤が望ましい。これら有機
溶剤の配合量は、農薬活性成分に対して、通常10重量
部〜200重量部である。
【0024】本発明の水面浮遊性粒状農薬製剤は、例え
ば、次のいずれかの方法により製造される。 (1)農薬有効成分、界面活性剤、固体担体、水面浮遊
性付与剤および水を混合し、造粒後、水分が水面浮遊性
粒状農薬製剤100重量部に対して0.3部〜6部とな
るまで乾燥させる方法。 (2)界面活性剤、固体担体、水面浮遊性付与剤および
水を混合し、造粒後、水分が水面浮遊性粒状農薬製剤1
00重量部に対して0.3部〜6部となるまで乾燥し、
次いで農薬有効成分を吸着せしめる方法。
【0025】第1の方法を実施するには、上で説明した
農薬有効成分、界面活性剤、固体担体、水面浮遊性付与
剤、水および必要に応じてその他補助剤を含有し、適当
な形状、例えば、円柱状、球状、俵型、角柱状、レンズ
状等に成形した後、水分を製剤100重量部に対して
0.3部〜6部となるまで乾燥すればよい。各成分の添
加順序は制限されるものではないが、他の原料を混合し
た後水を加えることが好ましい。
【0026】また、成形の方法も特に限定されないが、
全成分を均一に混練した後、一定の大きさの穴を開けた
プレートから押し出して、造粒する方法が好ましい。本
発明においては、プレートに開けた穴の大きさは、一般
に0.5mm〜10mmであることが好ましい。
【0027】得られた造粒物の乾燥は、公知の方法で実
施することができるが、例えば、流動層乾燥、回転ドラ
ム乾燥等、熱風を通気する方法により乾燥することが乾
燥中の製剤の水分を管理する面から好ましい。乾燥中の
製剤の水分を測定する方法としては、例えば、赤外線水
分計により水分を随時測定する方法、予め排気温度と製
剤の水分量との関係を求めておき、排気温度を測定する
方法が挙げられる。
【0028】また、第2の方法を実施するには、まず、
前記の界面活性剤、固体担体、水面浮遊性付与剤、水お
よび必要に応じてその他補助剤を配合し、これを適当な
形状に成形した後、水分を製剤100重量部に対して
0.3部〜6部となるまで乾燥して農薬キャリアーとす
る。次いで、このキャリアーに、農薬有効成分を吸着さ
せることにより水面浮遊性粒状農薬製剤が得られる。
【0029】農薬キャリアーを得るための各成分の添加
順序は制限されないこと、他の成分を混合した後水を加
えることが好ましいことは第1の方法と同じである。ま
た、農薬有効成分を吸着させるにあたっては、適当な有
機溶剤を用いても良い。
【0030】かくして得られる本発明の水面浮遊性粒状
農薬製剤は、それ自体で水田等の水面に散布しても良
く、また、適当な水溶性フィルムの袋で包装した水面投
下型農薬製剤として散布しても良く、何れの場合でも適
切な浮遊性と分散性を有し、農薬有効成分を均一に散布
することができる。
【0031】
【実施例】次に実施例、比較例および試験例を挙げ、本
発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等
に何ら制約されるものではない。
【0032】実 施 例 1 ベンスルフロンメチル1.5部、メフェナセット20
部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル3部
をホワイトカーボン3部に吸着させた界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアリールフェニルエーテル燐酸エステル
塩3部をホワイトカーボン3部に吸着させた界面活性
剤、アセチレンアルコール3部をホワイトカーボン3部
に吸着させた界面活性剤、デキストリン2部および塩化
カリウム55.8部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。
【0033】得られた粉末と、マイクロスフェアー1.
2部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、1.2mmの孔より押し出し造粒を行った。得
られた造粒物を水分が1.5部となるまで乾燥し、水面
浮遊性粒状農薬製剤を得た。
【0034】実 施 例 2 ベンスルフロンメチル1.5部、メフェナセット20
部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル3部
をホワイトカーボン3部に吸着させた界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアリールフェニルエーテル燐酸エステル
塩3部をホワイトカーボン3部に吸着させた界面活性
剤、アセチレンアルコール3部をホワイトカーボン3部
に吸着させた界面活性剤、デキストリン2部、ベントナ
イト5部および塩化カリウム30.5部を均一に混合
後、衝撃式粉砕した。
【0035】得られた粉末と、発泡シラス20部を高速
攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、5
mmの孔より押し出し造粒を行った。得られた造粒物を
水分が3部となるまで乾燥し水面浮遊性粒状農薬製剤を
得た。
【0036】実 施 例 3 ピロキロン30部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩2
部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル燐酸
エステル塩3部をホワイトカーボン3部に吸着させた界
面活性剤、デキストリン3部および硫安34部を均一に
混合後、衝撃式粉砕した。
【0037】得られた粉末と発泡シラス20部を高速攪
拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、3m
mの孔より押し出し造粒を行った。得られた造粒物を水
分が5部となるまで乾燥し水面浮遊性粒状農薬製剤を得
た。
【0038】実 施 例 4 ホワイトカーボン4部、ポリカルボン酸ナトリウム塩3
部、アルキルアリールスルホン酸塩2部、ポリオキシエ
チレンアリールフェニルエーテル3部をホワイトカーボ
ン3部に吸着させた界面活性剤、ポリビニルアルコール
1部、クレー10部、硫安48.5部均一に混合後、衝
撃式粉砕した。
【0039】得られた粉末と発泡シラス25部を高速攪
拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、1.
5mmの孔より押し出し造粒を行った。得られた造粒物
を水分が2.5部となるまで乾燥したものに、エトフェ
ンプロックス4部をフェニルキシリールエタン4部に溶
解した液を吸着し水面浮遊性粒状農薬製剤を得た。
【0040】実 施 例 5 ピリミノバックメチル1.2部、ベンスルフロンメチル
2.1部、メフェナセット9部、ポリオキシエチレンア
リールフェニルエーテル4部をホワイトカーボン4部に
吸着させた界面活性剤、アセチレンアルコール2.5部
をホワイトカーボン2.5部に吸着させた界面活性剤、
ポリビニルアルコール1部、塩化カリウム10部および
無水芒硝62部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。
【0041】得られた粉末と、マイクロスフェアー1部
を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練
後、0.8mmの孔より押し出し造粒を行った。得られ
た造粒物を水分が0.7部となるまで乾燥し水面浮遊性
粒状農薬製剤を得た。
【0042】実 施 例 6 ピリミノバックメチル2.4部、ベンスルフロンメチル
2.1部、カフェンストロール8.4部、ダイムロン18
部、ポリカルボン酸ナトリウム塩5部、ポリオキシエチ
レンアリールフェニルエーテル3部をホワイトカーボン
3部に吸着させた界面活性剤、ポリアクリル酸ナトリウ
ム塩0.1部、ステアリン酸カルシウム2部および硫安
54.2部を均一に混合後、高速気流中で粉砕した。
【0043】得られた粉末と、マイクロスフェアー0.
8部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、2mmの孔より押し出し造粒を行った。得られ
た造粒物を水分が1部となるまで乾燥し水面浮遊性粒状
農薬製剤を得た。
【0044】実 施 例 7 ピリミノバックメチル1.2部、ベンスルフロンメチル
2部、オキサジクロメホン1.6部、ポリオキシエチレ
ンアリールフェニルエーテル2部をホワイトカーボン2
部に吸着させた界面活性剤、ポリオキシエチレンアリー
ルフェニルエーテル燐酸エステル塩1部をホワイトカー
ボン1部に吸着させた界面活性剤、アセチレンアルコー
ル2部をホワイトカーボン2部に吸着させた界面活性
剤、ポリアクリル酸ナトリウム塩0.1部、ベントナイ
ト7部、塩化カリウム15部および無水芒硝59.9部
を均一に混合後、衝撃式粉砕した。
【0045】得られた粉末と、マイクロスフェアー1.
2部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、5mmの孔より押し出し造粒を行った。得られ
た造粒物を水分が2部となるまで乾燥し水面浮遊性粒状
農薬製剤を得た。
【0046】比 較 例 1 ベンスルフロンメチル1.5部、メフェナセット20
部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル3部
をホワイトカーボン3部に吸着させた界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアリールフェニルエーテル燐酸エステル
塩3部をホワイトカーボン3部に吸着させた界面活性
剤、アセチレンアルコール3部をホワイトカーボン3部
に吸着させた界面活性剤、デキストリン2部および塩化
カリウム57.3部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。
【0047】得られた粉末を、マイクロスフェアー1.
2部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、1.2mmの孔より押し出し造粒を行った。得
られた造粒物の水分を完全に除去して粒状農薬製剤を得
た。
【0048】比 較 例 2 ベンスルフロンメチル1.5部、メフェナセット20
部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル3部
をホワイトカーボン3部に吸着させた界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアリールフェニルエーテル燐酸エステル
塩3部をホワイトカーボン3部に吸着させた界面活性
剤、アセチレンアルコール3部をホワイトカーボン3部
に吸着させた界面活性剤、デキストリン2部および塩化
カリウム57.1部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。
【0049】得られた粉末と、マイクロスフェアー1.
2部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、1.2mmの孔より押し出し造粒を行った。得
られた造粒物を水分が0.2部となるまで乾燥し粒状農
薬製剤を得た。
【0050】比 較 例 3 ピリミノバックメチル1.2部、ベンスルフロンメチル
2部、オキサジクロメホン1.6部、ポリオキシエチレ
ンアリールフェニルエーテル2部をホワイトカーボン2
部に吸着させた界面活性剤、ポリオキシエチレンアリー
ルフェニルエーテル燐酸エステル塩1部をホワイトカー
ボン1部に吸着させた界面活性剤、アセチレンアルコー
ル2部をホワイトカーボン2部に吸着させた界面活性
剤、ポリアクリル酸ナトリウム塩0.1部、ベントナイ
ト7部、塩化カリウム15部および無水芒硝61.9部
を均一に混合後、衝撃式粉砕した。
【0051】得られた粉末と、マイクロスフェアー1.
2部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、5mmの孔より押し出し造粒を行った。得られ
た造粒物の水分を完全に除去して粒状農薬製剤を得た。
【0052】比 較 例 4 ピリミノバックメチル1.2部、ベンスルフロンメチル
2部、オキサジクロメホン1.6部、ポリオキシエチレ
ンアリールフェニルエーテル2部をホワイトカーボン2
部に吸着させた界面活性剤、ポリオキシエチレンアリー
ルフェニルエーテル燐酸エステル塩1部をホワイトカー
ボン1部に吸着させた界面活性剤、アセチレンアルコー
ル2部をホワイトカーボン2部に吸着させた界面活性
剤、ポリアクリル酸ナトリウム塩0.1部、塩化カリウ
ム15部および無水芒硝61.7部を均一に混合後、衝
撃式粉砕した。
【0053】得られた粉末と、マイクロスフェアー1.
2部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、6mmの孔より押し出し造粒を行いながら、ス
クレーパーにて15mmの長さに裁断した。得られた造
粒物を横置きにしたドラムに入れ、曲面で構成された外
的形状となるまでドラムを回転し造粒物に転がる動きを
与えた後、水分が0.2部となるまで乾燥し粒状農薬製
剤を得た。
【0054】比 較 例 5 ピリミノバックメチル1.2部、ベンスルフロンメチル
2部、オキサジクロメホン1.6部、ポリオキシエチレ
ンアリールフェニルエーテル2部をホワイトカーボン2
部に吸着させた界面活性剤、ポリオキシエチレンアリー
ルフェニルエーテル燐酸エステル塩1部をホワイトカー
ボン1部に吸着させた界面活性剤、アセチレンアルコー
ル2部をホワイトカーボン2部に吸着させた界面活性
剤、ポリアクリル酸ナトリウム塩0.1部、ベントナイ
ト7部、塩化カリウム15部および無水芒硝53.9部
を均一に混合後、衝撃式粉砕した。
【0055】得られた粉末と、マイクロスフェアー1.
2部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、5mmの孔より押し出し造粒を行った。得られ
た造粒物を水分が8部となるまで乾燥し水面浮遊性粒状
農薬製剤を得た。
【0056】比 較 例 6 ピリミノバックメチル2.4部、ベンスルフロンメチル
2.1部、カフェンストロール8.4部、ダイムロン18
部、ポリカルボン酸ナトリウム塩5部、ポリオキシエチ
レンアリールフェニルエーテル3部をホワイトカーボン
3部に吸着させた界面活性剤、ポリアクリル酸ナトリウ
ム塩0.1部、ステアリン酸カルシウム2部および硫安
55.2部を均一に混合後、高速気流中粉砕した。
【0057】得られた粉末と、マイクロスフェアー0.
8部を高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて
混練後、2mmの孔より押し出し造粒を行った。得られ
た造粒物の水分を完全に除去して粒状農薬製剤を得た。
【0058】比 較 例 7 ピリミノバックメチル1.2部、ベンスルフロンメチル
2部、オキサジクロメホン1.6部、ジオクチルスルホ
サクシネート10部およびデキストリン5部を均一に混
合後、衝撃式粉砕した。
【0059】得られた粉末と、パーライト80.2部を
高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練
後、高速攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混
練後、1.5mmの孔より押し出し造粒を行った。得ら
れた造粒物の水分を完全に除去して粒状農薬製剤を得
た。
【0060】比 較 例 8 ピリミノバックメチル1.2部、ベンスルフロンメチル
2部、オキサジクロメホン1.6部、ラウリル硫酸ナト
リウム塩2部、アルキルアリールスルホン酸塩2部、ポ
リビニルアルコール4部および塩化カリウム57.2部
を均一に混合後、衝撃式粉砕した。
【0061】得られた粉末と、発泡シラス30部を高速
攪拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、
1.5mmの孔より押し出し造粒を行った。得られた造
粒物の水分を完全に除去して粒状農薬製剤を得た。
【0062】試 験 例 1 前記実施例1〜7および比較例1〜8で調製した粒状農
薬製剤について、下記方法により製剤中の水分含量、水
面浮遊・崩壊性および粉塵発生率を調べた。この結果を
表1に示す。
【0063】[ 試 験 方 法 ] (1)製剤中の水分含量測定:カールフィッシャー方式
の水分測定装置(平沼産業製:AQ−7型)を用い、各
粒状農薬製剤の水分含量を120℃の温度条件で測定し
た。測定は各10回行い、平均の水分含量を算出した。
【0064】(2)水面浮遊性・崩壊性試験:各粒状農
薬製剤を任意に100粒選び、水を張った直径30cm
のシャーレに投下し、1分後に水面に浮遊している粒の
個数を数え、水面に投下した粒数に対する百分率を水面
浮遊性とした。また、水を張った直径30cmのシャー
レに1粒ずつ投下し、水面の粒が崩壊分散するまでの時
間を測定し、崩壊性を調べた。崩壊性の試験は水面に浮
遊することができる20粒について行い、1粒当たりの
平均崩壊分散時間を算出した。
【0065】(3)粉塵発生試験:各粒状農薬製剤を直
径50mm、高さ300mmの円柱状紙製容器に精秤し
て100g入れ、上下に50回振った後、150メッシ
ュの篩を用いて篩分し、150メッシュ以下の部分の重
量を測定し、供試した粒状農薬製剤量に対する100分
率を粉塵発生率とした。
【0066】[ 結 果 ]
【表1】
【0067】この結果、水面浮遊性・崩壊性試験におい
て、実施例1〜7の製剤は全ての粒が浮遊したが、比較
例1〜4、6〜8の製剤は沈降する粒が認められた。特
に、比較例3、6の製剤は200粒について測定を行っ
たが、全粒水没したため粒が崩壊分散するまでの時間は
測定できなかった。また、粉塵発生試験においては、実
施例1〜7、比較例1〜4、比較例6〜8の製剤の粉塵
発生量は少なかったが、比較例5の粉塵発生量は多かっ
た。
【0068】試 験 例 2 成分の均一性および土壌表層濃度の測定:実施例1、7
及び比較例1、3の水面浮遊性粒状農薬製剤各6gを、
水深を5cmとした図1に示す5m×5mの水田のA地
点に散布した。散布24時間後に図1に示す各地点(A
〜I)より水を採取して分析し、理論上農薬活性成分が
均一に水に分散した場合の水中濃度を100%とした時
の比率を求め、さらに各地点の水中濃度の標準偏差を平
均値で除し変動率を算出した。
【0069】また、散布24時間後に各地点の土壌を半
径10cm、深さ5cmの範囲で一部の水とともに採取
して分析し、理論上農薬活性成分が均一に散布された場
合の土壌中の成分濃度を100%とした時の比率を求め
た。なお、試験の期間中はA地点からI地点に向って、
風速3〜4m/sの風が吹いていた。この結果を表2お
よび表3に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】実施例1、7の成分の水中均一性、土壌表
層濃度の均一性は良好であったが、比較例1、3は散布
地点の土壌表層濃度が極めて高く薬害の発生が懸念され
た。
【0073】
【発明の効果】本発明の水面浮遊性粒状農薬製剤は、従
来の水面浮遊性粒状農薬製剤の水面浮遊性を改善したも
ので、早期に水中に沈降する粒がなく、また、長時間に
わたって浮遊し続け、吹き寄せられる粒もない。このよ
うに、本発明によれば適切な水面浮遊性が得られるた
め、処理地点の農薬成分濃度が極端に高くなったり、ま
た極端に低くなることがないので、薬害や効果不足の心
配がない。また、水面に浮遊した粒は水面上で崩壊分散
し、水田中に均一に拡散するため、省力的な農薬散布が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 成分の均一性を試験するために用いた水田の
平面図である。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H011 AA01 AB02 AB03 AC01 BA01 BA05 BB03 BB09 BB10 BB14 BC18 BC19 BC20 DA02 DC01 DC06 DC08 DD02 DE13 DH03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農薬有効成分、界面活性剤、固体担体、
    水面浮遊性付与剤および水を含有し、成形後の水の含有
    量が水面浮遊性粒状農薬製剤100重量部あたり0.3
    部〜6部であることを特徴とする水面浮遊性粒状農薬製
    剤。
  2. 【請求項2】 水面に浮遊する粒状農薬製剤が、水面に
    投与後1ないし30分間で実質的に崩壊分散するもので
    ある請求項第1項記載の水面浮遊性粒状農薬製剤。
  3. 【請求項3】 農薬有効成分、界面活性剤、固体担体、
    水面浮遊性付与剤および水を混合し、造粒後、水分が水
    面浮遊性粒状農薬製剤100重量部に対して0.3部〜
    6部となるまで乾燥させることを特徴とする水面浮遊性
    粒状農薬製剤の製造法。
  4. 【請求項4】 界面活性剤、固体担体、水面浮遊性付与
    剤および水を混合し、造粒後、水分が水面浮遊性粒状農
    薬製剤100重量部に対して0.3部〜6部となるまで
    乾燥し、次いで農薬有効成分を吸着せしめることを特徴
    とする水面浮遊性粒状農薬製剤の製造法。
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