JP2000318861A - 一枚取り搬送システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重なり合った複数の板材Ｗから最上位の板材
Ｗを一枚取りする行程と、この板材を搬送テーブル２１
へ送り出す行程を同一行程により行う。 【解決手段】 リフタテーブル装置５における昇降台９
に支持された重なり合った複数の板材Ｗを支持する昇降
台を備えたリフタテーブル装置５を設け、重なり合った
複数の板材Ｗの一側部を同一極に磁化して互いに反発分
離するマグネットフロータ装置１１を設け、リフタテー
ブル装置５の上方に、最上位の板材Ｗの上面を磁力によ
り保持するマグネットローラ４５を送り方向へ回転可能
に設けてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、重なり合った複数
の板材から最上位の板材を一枚取りして、この板材を搬
送方向へ搬送する一枚取り搬送システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】一枚取り搬送システムの先行技術とし
て、実開平３−８５１３１号公報に示すものがあり、以
下、この先行技術について説明する。

【０００３】板材加工機の近傍にはリフタテーブル装置
が設けてあり、このリフタテーブル装置は重なり合った
複数の板材を支持する昇降台を昇降可能に備えている。
ここで、昇降台の昇降により最上位の板材の上面の高さ
位置をほぼ一定に保つことができるように構成してあ
る。また、リフタテーブル装置の周囲を覆うようにスラ
ットコンベア装置が設けてあり、このスラットコンベア
装置は走行可能なエンドレス状の一対のチェーンと、一
対のチェーンの適宜範囲に設けられた複数の支持ローラ
とを備えている。ここで、一対のチェーンを適宜に走行
させることにより、複数の支持ローラにより昇降台の上
方を封鎖した状態と、昇降台の上方を開放した状態に切
り替えることができるように構成してある。

【０００４】上記リフタテーブル装置の一側には板材を
搬送方向へ移動自在に支持する搬送テーブルが設けてあ
る。上記搬送テーブル及びリフタテーブル装置の上方に
は搬送方向へ延伸したガイドレールが設けてあり、この
ガイドレールにはスライダが搬送方向へ往復動可能に設
けてある。上記スライダには昇降バーが昇降可能に設け
てあり、この昇降バーには板材の他端部を吸着する複数
のバキュームパットが設けてある。

【０００５】したがって、昇降台の上方を開放した状態
にし、昇降バーを下降させて、複数のバキュームパット
により最上部の板材の他端部を吸着する。次に、昇降バ
ーを上昇させて、最上位の板材の他端部を持ち上げる。
そして、一対のチェーンを適宜に走行させて、複数の支
持ローラを最上位の板材の下側に位置せしめて、複数の
支持ローラにより昇降台の上方を封鎖した状態にする。
これによって、重ね合わせた複数の板材から最上位の板
材を一枚取りすることができる。

【０００６】最上位の板材を一枚取りした後に、複数の
バキュームパットによりこの板材の他端部を吸着した状
態のもとで、スライダを搬送方向へ往動させることによ
り、板材を搬送テーブルへ送り出すことができる。さら
に、スライダを搬送方向へ往動させることにより、板材
を搬送テーブル上において搬送方向へ搬送することがで
きる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の一枚取り搬送シ
ステムにおいては、重ね合わせた複数の板材から最上位
の板材を一枚取りする行程と、この板材を搬送テーブル
へ送り出す行程が完全に独立しており、作業時間が長く
なって、作業能率が悪くなるという問題がある。そこ
で、本発明は、作業時間の短縮化を図ることができる一
枚取り搬送システムを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明に
あっては、重なり合った複数の板材から最上位の板材を
一枚取りして、この板材を搬送方向へ搬送する一枚取り
搬送システムにおいて、重なり合った複数の板材を支持
する昇降台を昇降可能に備えたリフタテーブル装置を設
け、この昇降台の昇降により最上位の板材の上面の高さ
位置をほぼ一定に保つことができるように構成し、重な
り合った複数の一側部を同一極に磁化して互いに反発分
離させるマグネットフロータ装置を設け、このマグネッ
トフロータ装置は、互いに反発分離した最上位の板材と
上から二番目の板材の間にエアを噴出せしめるエア噴出
口を備え、上記リフタテーブル装置の一側に板材を搬送
方向へ移動自在に支持する搬送テーブルを設け、板材を
搬送方向へ搬送する搬送手段を設け、板材を上記最上位
の板材を搬送テーブル側へ送るため、上記リフタテーブ
ル装置の上方に最上位の板材の上面を磁力により保持す
るマグネットローラを送り方向へ回転可能に設けてなる
ことを特徴とする。

【０００９】請求項１に記載の発明特定事項によると、
マグネットフロータ装置により重ね合わせた複数の板材
の一側部を同一極に磁化して互いに反発分離させて、エ
ア噴出口から反発分離した最上位の板材と上から２番目
の板材の間にエアを噴射する。そして、マグネットロー
ラによって最上位の板材の上面を磁力により保持し、マ
グネットローラを送り方向へ回転させて、この板材を搬
送テーブル側へ送る。これによって、重ね合わせた複数
の板材から最上位の板材を一枚取りするとほぼ同時に、
板材を搬送テーブルへ送り出すことができる。換言すれ
ば、重ね合わせた複数の板材から最上位の板材を一枚取
りする行程と、この板材を搬送テーブルへ送り出す行程
とを同一行程により行うことができる。

【００１０】板材を搬送テーブルへ送り出した後に、搬
送手段によって搬送テーブル上において板材を搬送方向
へ搬送する。

【００１１】請求項２に記載の発明にあっては、請求項
１に記載の発明特定事項の他に、前記搬送テーブルの他
端部が前記マグネットフロータ装置の上側に位置するよ
うに構成し、搬送テーブルの他端部の上方に板材の上面
を磁力により保持するサブマグネットローラを送り方向
へ回転可能に設けてなることを特徴とする。

【００１２】請求項２に記載の発明特定事項によると、
請求項１に記載の発明特定事項による作用の他に、マグ
ネットローラの送り作用によって板材が搬送テーブルの
他端部とサブマグネットローラの間に侵入すると、サブ
マグネットローラによって板材の上面を磁力により保持
することができ、サブマグネットローラの送り方向の回
転により上記板材を搬送テーブル側へ送ることができ
る。換言すれば、マグネットローラの送り作用の他に、
サブマグネットローラの送り作用を奏させることができ
る。

【００１３】請求項３に記載の発明にあっては、請求項
２に記載の発明特定事項の他に、前記マグネットローラ
の内部に電磁石を備え、マグネットローラの送り作用に
よって板材の他端面がマグネットローラの下側に位置す
ると、マグネットローラの電磁石を消磁するように構成
し、同様に、前記サブマグネットローラの内部に電磁石
を備え、サブマグネットローラの送り作用によって板材
の他端面がサブマグネットローラの下側に位置するとサ
ブマグネットローラの電磁力を消磁するように構成して
なることを特徴とする。

【００１４】請求項３に記載の発明特定事項によると、
請求項２に記載の発明特定事項による作用と同様の作用
を奏する。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１６】図１及び図２を参照するに、本発明の実施
の形態に係る一枚取り搬送システム１は、重なり合った
複数の板材Ｗから最上位の板材Ｗを一枚取りして、板材
Ｗを搬送方向（左方向、図１及び図２において左方向）
へ搬送するシステムであって、以下、この一枚取り搬送
システム１について詳細に説明する。

【００１７】パンチプレス等の板材加工機３の近傍には
リフタテーブル装置５が設けてあり、このリフタテーブ
ル装置５は公知の構成であって、重なり合った複数の板
材Ｗをスキッド７，パレット８を介して支持する昇降台
９を昇降可能に備えている。ここで、昇降台９の昇降に
より最上位の板材Ｗの上面の高さ位置をほぼ一定に保つ
ことができるように構成してある。

【００１８】リフタテーブル装置５の左側には重なり合
った複数の板材Ｗの左側部を同一極に磁化して互いに反
発分離させるマグネットフロータ装置１１が支持フレー
ム１３を介して設けてあり、このマグネットフロータ装
置１１は移送シリンダ１５の作動により左右方向へ移動
可能に構成してある。上記マグネットフロータ装置１１
の内部には電磁石１７が備えてあって、マグネットフロ
ータ装置１１の上部（図１及び図２において上部）に
は、互いに反発分離した最上位の板材Ｗと上から２番目
の板材Ｗの間にエアを噴出せしめるエア噴出口１９が備
えてある。

【００１９】上記リフタテーブル装置５の左側には板材
Ｗを搬送方向へ移動自在に支持する搬送テーブル２１が
支持フレーム２３を介して設けてあり、搬送テーブル２
１の右端部がマグネットフロータ装置１１の上側に位置
するように構成してある。上記搬送テーブル２１には複
数の搬送ローラ２５が設けてあって、複数の搬送ローラ
２５が搬送モータ２７の駆動により搬送方向（図２にお
いて矢印ａ方向）へ同期して回転するものである。

【００２０】なお、上記搬送テーブル２３は複数の搬送
ローラ２５を備える他に、搬送方向へ循環走行可能なベ
ルトを備えたコンベアテーブルであっても差し支えな
い。

【００２１】上記リフタテーブル装置５の上方には左右
方向へ伸びたガイドフレーム２９が支柱３１を介して設
けてあり、このガイドフレーム２９にはスライダ３３が
左右方向へ移動可能に設けてある。このスライダ３３を
左右方向へ移動させるため、ガイドフレーム２９には移
送モータ３５に連動連結しかつ左右方向へ伸びたボール
ねじ３７が回転可能に設けてあって、スライダ３３には
このボールねじ３７に螺合したナット部材３９が設けて
ある。上記スライダ３３には第１昇降体４１が第１昇降
エアシリンダ４３の作動により昇降可能に設けてあり、
この第１昇降体４１には最上位の板材Ｗの上面を磁力に
より保持する第１マグネットローラ４５が設けてある。
この第１マグネットローラ４５の内部には電磁石４７が
備えてあって、第１マグネットローラ４３は第１送りモ
ータ４９の駆動により送り方向（図２において矢印ｂ方
向）へ回転可能である。さらに、第１昇降体４１の下部
の適宜位置には第１マグネットローラ４５の送り作用に
よってに板材Ｗの右端面が第１マグネットローラ４５の
下側に位置したことを検出する光学系の第１センサ５１
が設けてあり、この第１センサ５１により所定の検出を
すると第１マグネットローラ４５の電磁石４７を消磁す
るように構成してある。

【００２２】ガイドフレーム２９の左端部には固定部材
５３が設けてあって、この固定部材５３には第２昇降体
５５が第２昇降エアシリンダ５７の作動により昇降可能
に設けてあり、この第２昇降体５５には最上位の板材Ｗ
の上面を磁力により保持する第２マグネットローラ５９
が設けてある。第２マグネットローラ５９の内部には電
磁石６１が備えてあって、第２マグネットローラ５９は
第２送りモータ６３の駆動により送り方向（図２におい
て矢印ｂ方向）へ回転可能である。さらに、第２昇降体
５５の下部には第２マグネットローラ５９の送り作用に
よって板材Ｗの端面が第２マグネットローラ５９の下側
に位置したことを検出する光学系の第２センサ６５が設
けてあり、この第２センサ６５により所定の検出をする
と第２マグネットローラ５９の電磁石６１を消磁するよ
うに構成してある。

【００２３】なお、第２マグネットローラ５９の下限位
置（下降によって最も下がった高さ位置）は適宜手段に
より板材Ｗの板厚に応じて調節できるように構成してあ
る。また、第２昇降エアシリンダ５７の作動により第２
昇降体５５を昇降させる代わりに、サーボモータの駆動
により第２昇降体５５を昇降させるようにしても差し支
えない。

【００２４】次に、本発明の実施の形態の作用について
説明する。

【００２５】まず、移送モータ３５の駆動によりスライ
ダ３３を左右方向へ移動させて、第１マグネットローラ
４５を最上位の板材の右端部の垂直上方（真上）に位置
せしめる。次に、マグネットフロータ装置１１により重
ね合わせた複数の板材Ｗの左側部を同一極に磁化して互
いに反発分離させて、エア噴出口１９から反発分離した
最上位の板材Ｗと上から２番目の板材Ｗの間にエアを噴
出する。そして、第１昇降エアシリンダ４３の作動によ
り第１マグネットローラ４５を第１昇降体４１と一体的
に下降させて（或いは予め下降させておき）、第１マグ
ネットローラ４５によって最上位の板材Ｗの上面を磁力
により保持し、第１送りモータ４９の駆動により第１マ
グネットローラ４５を送り方向へ回転させてこの板材Ｗ
を搬送テーブル２１側へ送る。さらに、第１マグネット
ローラ４５の送り作用によって最上位の板材Ｗが搬送テ
ーブル２１の右端部と第２マグネットローラ５９の間に
侵入すると、予め下限位置に位置した第２マグネットロ
ーラ５９によってこの板材Ｗの上面を磁力により保持
し、第２送りモータ６３の駆動により第２マグネットロ
ーラ５９を送り方向へ回転させて板材Ｗを搬送テーブル
２１側へ送る。これによって、第１マグネットローラ４
５の送り作用及び第２マグネットローラ５９の送り作用
を奏させて、重ね合わせた複数の板材Ｗから最上位の板
材Ｗを一枚取り出するとほぼ同時に、搬送テーブル２１
へ送り出すことができる。換言すれば、重ね合わせた複
数の板材Ｗから最上位の板材Ｗを一枚取りする行程と、
この板材Ｗを搬送テーブル２１へ送り出す行程を同一行
程により行うことができる。

【００２６】板材Ｗを搬送テーブル２１に送り出した後
に、搬送モータ２７の駆動により複数の搬送ローラ２５
を搬送方向へ回転させる。これによって、板材Ｗを搬送
テーブル２１上において搬送方向へ搬送することがで
き、搬送テーブル２１から板材加工機３へ搬入すること
ができる。

【００２７】以上のごとき、本発明の実施の形態によれ
ば、重なり合った複数の板材Ｗから最上位の板材Ｗを一
枚取りする行程と、この板材Ｗを搬送テーブル２１側へ
送り出す行程とを同一行程により行うことができるた
め、作業時間の短縮化を図って作業能率向上の効果を奏
する。

【００２８】特に、第１マグネットローラ４５による送
り作用の他に、第２マグネットローラ５９による送り作
用を奏させることができるため、作業時間がより短くな
って、上記効果はより向上する。

【００２９】なお、本発明は前述のごとき発明の実施の
形態の説明に限るものでなく、種々の態様で実施が可能
である。

【００３０】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、重なり
合って複数の板材から最上位の板材を一枚取りする行程
と、この板材を搬送テーブルへ送り出す行程とを同一行
程により行うことができるため、作業時間の短縮化を図
って作業能率向上の効果を奏する。

【００３１】請求項２に記載の発明によれば、マグネッ
トローラの送り作用の他に、サブマグネットローラの送
り作用を奏させることができるため、作業時間をより短
くして、請求項１に記載の発明の効果をより一層向上さ
せることができる。

【００３２】請求項３に記載の発明によれば、請求項２
に記載の発明の効果と同様の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一枚取り搬送システム１の正面図である。

【図２】本発明の実施の形態の要部の正面図である。

【符号の説明】

１ 一枚取り搬送システム ５ リフタテーブル装置 ９ 昇降台 １１ マグネットフロータ装置 １９ エア噴出口 ２１ 搬送テーブル ２５ 搬送ローラ ４５ 第１マグネットローラ ５９ 第２マグネットローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 重なり合った複数の板材から最上位の板
   材を一枚取りして、この板材を搬送方向へ搬送する一枚
   取り搬送システムにおいて、 重なり合った複数の板材を支持する昇降台を昇降可能に
   備えたリフタテーブル装置を設け、この昇降台の昇降に
   より最上位の板材の上面の高さ位置をほぼ一定に保つこ
   とができるように構成し、重なり合った複数の一側部を
   同一極に磁化して互いに反発分離させるマグネットフロ
   ータ装置を設け、このマグネットフロータ装置は、互い
   に反発分離した最上位の板材と上から二番目の板材の間
   にエアを噴出せしめるエア噴出口を備え、上記リフタテ
   ーブル装置の一側に板材を搬送方向へ移動自在に支持す
   る搬送テーブルを設け、板材を搬送方向へ搬送する搬送
   手段を設け、板材を上記最上位の板材を搬送テーブル側
   へ送るため、上記リフタテーブル装置の上方に最上位の
   板材の上面を磁力により保持するマグネットローラを送
   り方向へ回転可能に設けてなることを特徴とする一枚取
   り搬送システム。
2. 【請求項２】 前記搬送テーブルの他端部が前記マグネ
   ットフロータ装置の上側に位置するように構成し、搬送
   テーブルの他端部の上方に板材の上面を磁力により保持
   するサブマグネットローラを送り方向へ回転可能に設け
   てなることを特徴とする請求項１に記載の一枚取り搬送
   システム。
3. 【請求項３】 前記マグネットローラの内部に電磁石を
   備え、マグネットローラの送り作用によって板材の他端
   面がマグネットローラの下側に位置すると、マグネット
   ローラの電磁石を消磁するように構成し、同様に、前記
   サブマグネットローラの内部に電磁石を備え、サブマグ
   ネットローラの送り作用によって板材の他端面がサブマ
   グネットローラの下側に位置するとサブマグネットロー
   ラの電磁石を消磁するように構成してなることを特徴と
   する請求項２に記載の一枚取り搬送システム。