JP2000299529A - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及びその製造方法

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JP2000299529A JP2000015953A JP2000015953A JP2000299529A JP 2000299529 A JP2000299529 A JP 2000299529A JP 2000015953 A JP2000015953 A JP 2000015953A JP 2000015953 A JP2000015953 A JP 2000015953A JP 2000299529 A JP2000299529 A JP 2000299529A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の半導体レーザ素子を用いて、赤外域と
赤色域のレーザ光を、近接した発光スポット間距離で発
生させる。 【解決手段】 同一の半導体基板上に、発振波長が赤外
域の半導体レーザ共振器と発振波長が赤色域の半導体レ
ーザ共振器とを並列に形成した構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体レーザ素
子及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、光情報記
録再生装置に用いられる半導体レーザ素子及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】次世代光ディスクであるDVD(ディジ
タルヴァーサタイルディスク)は、映像記録として13
5分の動画を再生できること、また情報記録として4.
7ギガバイトの容量を有すること等の特徴を有してい
る。
【0003】DVD再生装置では、DVD(映像記
録)、DVD−ROM(情報記録)、DVD−R(一回
書込みの情報記録)の再生・データの読み出しに加え
て、従来から広く使用されてきたCD、CD−ROM、
CD−Rの再生・データの読み出しが可能であることが
要望されている。
【0004】しかし、DVDはCDと比較して次の2つ
の点で大きな相違があるためシステムの互換性を図るう
えで障害となっている。第1の点は、ディスクの基板厚
さがCDでは1.2mmであるのに対し、DVDでは
0.6mmになっていることである。これは記録密度を
上げるため集光レンズのNA(開口数)を大きくした
時、ディスクの傾きに対する許容度を確保するためであ
る。
【0005】第2の点は、ピックアップで使用する半導
体レーザの発振波長である。ディスク上の集光スポット
径は波長に比例するため、CDでは780nm帯(赤外
域)の半導体レーザを使用していたものが、DVDでは
高密度記録を実現するために650nm帯(赤色域)の
半導体レーザを使用している。
【0006】ディスク上の記録情報を読み取るピックア
ップにとって、基板厚さが異なる2種類のディスクがあ
るのは光学系の収差の点から障害となる。この解決策と
して、現在次のような方法が知られている。
【0007】CD用とDVD用の2つのレンズを切り換
えて使用する方法、2焦点レンズを使用する方法、液晶
シャッターを使用する方法等である(電子材料 199
6年6月号 38ページ参照)。これらの方法を用いる
と、基板厚さが異なるディスクの情報読み出しが可能と
なり、DVD再生装置でCD、CD−ROMの読み出し
が可能となる。
【0008】しかしながら、上記方法では、780nm
帯の光に反応する色素を記録方法に使用しているCD−
Rの情報は、650nm帯の光源を持つDVD装置で再
生することはできない。そのため、CD−Rも再生可能
なDVD用ピックアップとして以下のような方法が提案
されている。
【0009】第1の方法は、再生装置内にCD用ピック
アップ(780nm帯レーザ使用)とDVD用ピックア
ップ(650nm帯レーザ使用)の2つを内蔵する方法
である。しかしこの場合、装置の大型化とコストアップ
につながる。
【0010】第2の方法は、1つのピックアップ内に2
種類の波長の光を出す半導体レーザを組み込む事であ
り、次のような方式が考えられている。 半導体レーザパッケージ内部に発振波長の異なるレー
ザチップを2種類装備する(特開平11−97804号
公報参照)。 1つのレーザチップの隣接する共振器に対して、コー
ティング膜の厚さを変えることで、異なる波長で発振さ
せる(特開平3−9589号公報参照)。 1つのレーザチップの隣接する共振器に対して、活性
層下部の溝幅を変え、活性層のAl含有量を異ならせ、
発振波長を変える(特開昭61−19186号公報参
照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、1つのピ
ックアップ内に2種類の波長の光を出す半導体レーザを
組み込む場合、上記のにおいては、発光スポット間の
距離が問題となる。すなわち、ピックアップの光学系で
は、同一のレンズを用いて2つの異なる波長の光を扱う
ためには、発光スポット間の距離が少なくとも100μ
m以下でなければならない。しかしながら、通常、2つ
の独立したレーザチップをパッケージ内に配置するに
は、並べて配置する関係上、発光スポット間の距離を1
00μm以下にすることは困難で、かつ配置時の誤差も
数十μm程度生ずる。
【0012】また、上記の及びにおいては、活性層
は1回の結晶成長工程で2つの発光点を同時に形成する
ため、その構成材料が同じである。そのためいずれの手
法を用いても、2つの発光点の波長差は10nm程度し
か得られず、DVDとCDで必要とされる650nmと
780nmの2つの発振波長を実現することはできな
い。
【0013】この発明は、このような事情を考慮してな
されたもので、単一の半導体レーザ素子を用いて、赤外
域と赤色域のレーザ光を、近接した発光スポット間距離
で発生させることができるようにした半導体レーザ素子
及びその製造方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、同一の半導
体基板上に、互いに異なる材料を用いた発光層を有する
複数の半導体レーザ共振器を、半導体基板の主面に対し
て並列に配置し、これら半導体レーザ共振器の間に高抵
抗領域を設けてなる半導体レーザ素子である。
【0015】この発明によれば、互いに異なる材料を用
いた発光層を有する複数の半導体レーザ共振器を、半導
体基板の主面に対して並列に配置したので、異なる波長
域のの複数のレーザ光を近接した発光スポット間距離で
平行に発生させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明において、半導体基板と
しては、種々の基板を用いることができる。この半導体
基板としては、例えばn型又はp型のGaAs、In
P、GaN等の基板が挙げられる。
【0017】半導体レーザ共振器は、各発光層(活性層
とも呼ばれる)に互いに異なる5族の材料を含んでいる
ことが必要である。半導体レーザ共振器では、発光層は
一般に3族と5族の材料で構成されるが、その内の5族
の材料が異なっていればよい。3族の材料としては、例
えはGa、Al、In、B等が挙げられる。5族の材料
としては、例えばP、As、N、Sb等が挙げられる。
【0018】複数の半導体レーザ共振器は、どのような
発振波長を有するものであってもよいが、発振波長が赤
色域の共振器と発振波長が赤外域の共振器との2つの共
振器から構成されることが望ましい。発振波長が赤外域
であるとは、780nm程度の波長の光を発生させるこ
とを意味し、発振波長が赤色域であるとは、600nm
帯の波長の光を発生させることを意味する。
【0019】このような構成である場合には、半導体基
板がGaAs基板であれば、発振波長が赤色域の共振器
については発光層をGaInP系の材料で形成し、発振
波長が赤外域の共振器については発光層をGaAs系の
材料で形成すればよい。ここで、InGaP系の材料と
は、GaとAlとで等量の置換が可能であるため、In
GaX Al1-X P(0≦X≦1)の材料であることを意
味する。また、GaAs系の材料とは、GaX Al1-X
As(0≦X≦1)の材料であることを意味する。
【0020】また、例えば半導体基板がInPであれ
ば、1つの共振器の発光層をInGaAsPで形成し、
他のもう1つの共振器の発光層をInGaNSbで形成
してもよい。あるいは、例えば半導体基板がGaNであ
れば、1つの共振器の発光層をInGaNで形成し、他
のもう1つの共振器の発光層をInBP又はInBAs
で形成してもよい。発光層をInGaAsPで形成した
共振器は、出射波長が1.3〜1.5μmであるので、
光ファイバー通信用として利用することができる。ま
た、発光層をInGaNSbで形成した共振器は、出射
波長が2μm以上であるので、長距離光ファイバー通信
用として利用することができる。
【0021】発光層の材料を上記のように選定すること
により、互いに異なる5族の材料を用いた発光層を有す
る複数の半導体レーザ共振器を、半導体基板に配置した
構成とすることができる。
【0022】複数の半導体レーザ共振器は、各発光層
が、半導体基板の主面に対してほぼ同じ高さの位置に存
在する構成であることが望ましい。半導体基板の主面と
は、複数の半導体レーザ共振器を形成するためのベース
となる共通面を意味する。また、複数の半導体レーザ共
振器は、それぞれ屈折率導波構造を有したものであるこ
とが望ましい。
【0023】高抵抗領域は、隣接する半導体レーザ共振
器を電気的に分離するのに十分な抵抗を有するものであ
ればよく、空気を介入させて絶縁するエアーギャップ
や、周辺の半導体よりも抵抗の高い高抵抗半導体層など
で形成することができる。高抵抗半導体層は、プロトン
やガリウムイオンの注入によって形成することができ
る。
【0024】本半導体レーザ素子は、通常、CD及びD
VDの両方に対する記録、再生が可能な記録再生装置内
の光ピックアップに組み込まれて用いられる。
【0025】一つの態様によれば、本発明は、同一の半
導体基板上に、発振波長が赤外域の半導体レーザ共振器
と発振波長が赤色域の半導体レーザ共振器とを並列に形
成したことを特徴とする半導体レーザ素子である。
【0026】この態様の半導体レーザ素子は、半導体基
板の半分の領域に、発振波長が赤外域(または赤色域)
の第1の半導体レーザ共振器を形成し、次に同一の半導
体基板の残り半分の領域に半導体基板の主面に対して並
列にストライプ状の溝を形成し、その溝の中に発振波長
が赤色域(または赤外域)の第2の半導体レーザ共振器
を形成することで構成することができる。この場合、第
1の共振器と第2の共振器の電流経路の分離は、第1の
共振器と第2の共振器との間に、2つの共振器を電気的
に分離するのに十分なエアーギャップのような高抵抗領
域を設けることにより達成することができる。
【0027】高抵抗領域は、2つの共振器を電気的に分
離するのに十分な抵抗を有する高抵抗半導体層で形成し
てもよい。高抵抗半導体層は、ストライプ状の溝の壁面
(側面及び底面)を高抵抗層とし、その高抵抗層の一部
に電流経路を設けた構成とすることが望ましい。この電
流経路は、高抵抗半導体層の一部を不純物拡散で低抵抗
化するか、又は高抵抗半導体層の一部を除去することに
より形成することができる。
【0028】この場合、ストライプ状の溝内に設けた第
2の共振器を屈折率導波型の構造にすることで、安定な
横モード発振を実現することができる。
【0029】本発明の半導体レーザ素子は、表面を平坦
にすることができるため、パッケージに実装する際、パ
ッケージのヒートシンク(放熱)側を、第1の共振器と
第2の共振器に対応する部分にそれぞれに分離すること
で、ジャンクションクダウン(junction-down )の実装
が可能となる。
【0030】もう1つの観点によれば、この発明は、半
導体基板上に所定の材料を用いた発光層を有する第1の
半導体レーザ共振器を形成する工程と、第1の共振器の
近隣に半導体基板の主面に対して並列に開口部を形成す
る工程と、その開口部内に第1の共振器とは異なる材料
を用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を半
導体基板の主面に対して並列に形成する工程と、第1の
共振器と第2の共振器との間に高抵抗領域を形成する工
程を具備することを特徴とする半導体レーザ素子の製造
方法である。
【0031】この製造方法によれば、半導体基板上に第
1の半導体レーザ共振器を形成し、その近隣に開口部を
形成し、その開口部内に第1の共振器とは異なる材料を
用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を形成
し、第1の共振器と第2の共振器との間に高抵抗領域を
形成し、この高抵抗領域で第1と第2の半導体レーザ共
振器を電気的に分離するようにしたので、互いに異なる
材料を用いた発光層を有する発振波長の異なる2つの共
振器を近接して配置することができ、これにより、発振
波長の異なる2つの共振器の近接した発光点間隔が精度
良く実現できる。
【0032】他のもう1つの観点によれば、この発明
は、半導体基板上に所定の材料を用いた発光層を有する
第1の半導体レーザ共振器を形成する工程と、第1の共
振器の近隣に半導体基板の主面に対して並列にストライ
プ状の溝を形成する工程と、そのストライプ状の溝内の
壁面及び底面に高抵抗半導体層を形成する工程と、その
高抵抗半導体層の一部に電流経路を形成する工程と、前
記ストライプ状の溝内に第1の共振器とは異なる材料を
用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を半導
体基板の主面に対して並列に形成する工程を具備するこ
とを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。こ
の製造方法においては、半導体レーザ共振器を形成する
際、ダブルヘテロ構造の一部を除去してリッジ型導波路
ストライプを形成することで、安定な横モード発振を実
現することができる。
【0033】この製造方法によれば、半導体基板上に第
1の半導体レーザ共振器を形成し、その近隣にストライ
プ状の溝を形成し、その溝内の壁面及び底面に高抵抗半
導体層を形成し、高抵抗半導体層の一部に電流経路を形
成し、ストライプ状の溝内に第1の共振器とは異なる材
料を用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を
形成し、高抵抗半導体層で第1と第2の半導体レーザ共
振器を電気的に分離するようにしたので、互いに異なる
材料を用いた発光層を有する発振波長の異なる2つの半
導体レーザ共振器を近接して配置することができ、これ
により、発振波長の異なる2つの共振器の近接した発光
点間隔が精度良く実現できる。
【0034】本発明においては、複数の半導体レーザ共
振器の発光層は別々のエピタキシャル成長工程で形成さ
れるため、結晶材料を独立して選択することができ、発
振波長を780nmと650nmというように別々に設
定することが容易に可能となる。
【0035】また、本発明においては、複数の半導体レ
ーザ共振器が横方向に並んで配置され、かつ表面を平坦
にすることが容易であるため、電気的に分離されたヒー
トシンクへのジャンクションダウン型の実装が可能とな
り、レーザ素子の高温動作に対しても有利である。ま
た、半導体レーザ素子は剛性のない空気、または半導体
レーザ素子と熱伝導率の同じ高抵抗半導体層で分離して
いるので、動作時の発熱による熱膨張等の影響を受けな
い。
【0036】以上のような半導体レーザ素子を使用した
光ディスクピックアップは、1個の半導体レーザチップ
で780nm帯と650nm帯の光を出射することが可
能であるため、DVD用ディスクのみでなく、CD、C
D−ROM、CD−R用ディスクの読み出しができる。
【0037】以下、図面に示す実施の形態に基づいてこ
の発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定
されるものではない。
【0038】実施例1 図1は本発明の半導体レーザ素子の実施例1の断面を示
す説明図である。この半導体レーザ素子は、放熱作用を
持つヒートシンク(サブマウント)102上に半導体レ
ーザチップを融着した構成となっている。この半導体レ
ーザチップは、780nmで発振する共振器と650n
mで発振する共振器との2つを含んでいる。
【0039】図において、101はp−GaAs基板、
111はn−GaAs電流狭窄層、111aはV溝スト
ライプ、112はp−AlGaAsクラッド層、113
はAlGaAs活性層、114はn−AlGaAsクラ
ッド層、115はn−GaAsキャップ層、160はU
型のストライプ状の溝、141は高抵抗層、142は低
抵抗層、121はp−AlGaInPクラッド層、12
2はGaInP活性層、123はn−AlGaInPク
ラッド層、124はn−GaAsキャップ層、103は
共通p型電極、131,151はn型電極、132は電
極131に接続されたリード線、152は電極151に
接続されたリード線である。
【0040】半導体レーザチップ上面の電極は、赤外領
域である780nm発光用の電極131と、赤色領域で
ある650nm発光用の電極151との2つに分割され
ており、下側の共通電極103との間に電流を流すこと
により、それぞれの波長で発光させることが可能であ
る。
【0041】図2および図3は実施例1の半導体レーザ
素子の製造方法を示す説明図であり、これらの図に基づ
いて、実施例1の半導体レーザ素子の製造方法を工程順
に説明する。なお、図面は、一枚のウェーハ中での一組
の半導体レーザに対応する部分のみを示している。
【0042】まず、p−GaAs基板101上にn−G
aAs電流狭窄層111をMOCVD法(metal organi
c chemical vapor deposition :有機金属気相成長法)
で形成した後、フォトリソグラフィーと化学エッチング
法でV溝ストライプ111aを形成する。次いでLPE
(液相成長)法でp−AlGaAsクラッド層112、
AlGaAs活性層113、n−AlGaAsクラッド
層114、n−GaAsキャップ層115を積層し(図
2(a)参照)、ダブルヘテロ構造を有する第1の半導
体レーザ共振器を形成する。この構造のレーザ共振器で
は780nmで発光する。
【0043】次に、第1の共振器上にAl2 3 膜17
0をEB蒸着で形成し、フォトリソグラフィーと化学エ
ッチング法により、V溝ストライプ111aに近接し、
p−GaAs基板101に達する深さをもつU型のスト
ライプ状の溝160を形成する(図2(b)参照)。
【0044】そして、プロトン照射を行うことで、この
溝160の側壁及び底面を高抵抗層141とする(図2
(c)参照)。高抵抗層141は、プロトン照射のかわ
りにガリウムイオンを注入しても形成することができ
る。
【0045】次いでSiNx膜171をp(プラズマ)
−CVD法で成膜し、フォトリソグラフィーおよび化学
エッチング技術を用いて溝160の底面部のSiNx膜
171を除去し、不純物拡散を行って溝160の底面部
のみを低抵抗化し、低抵抗層142とする(図3(d)
参照)。
【0046】その後SiNx膜171を除去し、Al2
3 膜170をマスクとして、MOCVD法により、溝
160内にp−AlGaInPクラッド層121、Ga
InP活性層122、n−AlGaInPクラッド層1
23、n−GaAsキャップ層124からなるダブルヘ
テロ構造の第2の半導体レーザ共振器を形成する(図3
(e)参照)。この構造のレーザ共振器は650nmで
発光する。
【0047】そして、Al2 3 膜170を除去し、p
−GaAs基板101側には共通p型電極103を、n
−GaAsキャップ層115,124側には、リフトオ
フ手法で分離されたn型電極131,151を形成し、
各電極にリード線132,152をそれぞれ接続する
(図3(f)参照)。
【0048】このようにして作成されたウェーハを分割
し、端面コーティング、パッケージ実装を施すことによ
り、半導体レーザ素子を得る。
【0049】本実施例で示した半導体レーザ素子では、
780nm発光部がしきい値電流40mA、650nm
発光部がしきい値電流70mAで発振し、いずれの波長
においても70℃、5mWの条件下で、動作時間2,5
00時間が得られた。
【0050】実施例2 次に、本発明の半導体レーザ素子の実施例2について説
明する。図4は実施例2の半導体レーザ素子の断面を示
す説明図である。
【0051】この半導体レーザ素子は、ヒートシンク2
02上に半導体レーザチップをジャンクションダウンで
融着した構成となっている。ジャンクションダウンと
は、クラッド層で挟まれた活性層(ジャンクション)の
部分がヒートシンク202に近づくように、半導体レー
ザチップのキャップ層の側をヒートシンク202に接続
することである。ヒートシンク202は、絶縁性SiC
で構成され、凹部205が形成されているため、表面は
電気的に分離された2つの区画を有する構成となってい
る。
【0052】図において、201はn−GaAs基板、
212はn−AlGaInPクラッド層、213はAl
GaInP/GaInPのMQW活性層、214はp−
AlGaInPクラッド層、215はp−GaAsキャ
ップ層、216はn−GaAs電流ブロック層、250
はストライプ状の溝、241は高抵抗層、242は電流
経路、221はn−AlGaAsクラッド層、222は
AlGaAs/GaAsのMQW活性層、223はp−
AlGaAsクラッド層、224はp−GaAsキャッ
プ層、225はn−GaAs電流ブロック層、203,
231,251は電極、204は電極203に接続され
たリード線、232は電極231に接続されたリード
線、252は電極251に接続されたリード線である。
【0053】レーザ共振器は、780nmで発振するA
lGaAs/GaAsのMQW活性層222と、650
nmで発振するAlGaInP/GaInPのMQW活
性層213との2つがあり、それぞれ独立した電極25
1,231を持つため、共通電極203との間に電流を
流すことで、780nm発光と650nm発光とを独立
して制御可能である。
【0054】図5および図6は実施例2の半導体レーザ
素子の製造方法を示す説明図であり、これらの図に基づ
いて、実施例2の半導体レーザ素子の製造方法を工程順
に説明する。
【0055】まず、n−GaAs基板201上にn−A
lGaInPクラッド層212、AlGaInP/Ga
InPのMQW活性層213、p−AlGaInPクラ
ッド層214、p−GaAsキャップ層215をMBE
(分子線エピタキシャル)法で積層した後、リッジ型導
波路ストライプとなる部分以外の部分をp−AlGaI
nPクラッド層214の途中までエッチングで除去す
る。次いでエッチングで除去した部分にn−GaAs電
流ブロック層216をMBE法で形成する(図5(a)
参照)。これによりダブルヘテロ構造で、かつリッジ型
導波路ストライプを有する屈折率導波型構造の第1の半
導体レーザ共振器を形成する。この構造のレーザ共振器
は650nmで発光する。
【0056】次いで実施例1と同様に、n−GaAs基
板201に達する深さのストライプ状の溝250を形成
し(図5(b)参照)、その溝250の側壁及び底面を
高抵抗層241化する(図5(c)参照)。
【0057】次いでフォトレジスト271で溝250の
底面以外の部分を保護して、化学エッチング法により溝
250の底面の高抵抗層241を除去し、電流経路24
2を形成する(図5(d)参照)。この電流経路242
は、実施例1と同様に、不純物拡散を行って溝250の
底面部のみを低抵抗化することで形成してもよい。
【0058】その後、溝250の内部に、MOCVD法
でn−AlGaAsクラッド層221、AlGaAs/
GaAsのMQW活性層222、p−AlGaAsクラ
ッド層223、p−GaAsキャップ層224を積層す
る(図6(e)参照)。
【0059】そして、SiNx膜272をマスクとし
て、溝250内に積層したAlGaAs系タブルヘテロ
構造の一部を、p−AlGaAsクラッド層223の途
中までドライエッチング法により除去する。つまり、溝
250内のリッジ型導波路ストライプとなる部分以外の
部分をエッチングで除去し(図6(f)参照)、その除
去した部分にn−GaAs電流ブロック層225を形成
する(図6(g)参照)。これによりダブルヘテロ構造
で、かつリッジ型導波路ストライプを有する屈折率導波
型構造の第2の半導体レーザ共振器を形成する。この構
造のレーザ共振器は780nmで発光する。
【0060】そして、実施例1と同様に、電極203,
231,251を形成し、各電極にリード線204,2
32,252をそれぞれ接続して(図6(h)参照)、
ウェーハを分割し、端面コーティング、パッケージ実装
を施すことにより、半導体レーザ素子を得る。
【0061】この実施例の半導体レーザ素子では、スト
ライプ状の溝250内に形成した第2の半導体レーザ共
振器も屈折率導波型構造を有するので、安定した光モー
ドが実現できる。本実施例では、650nm発光部がし
きい値電流45mAで発振し、780nm発光部がしき
い値電流41mAで発振した。また、ジャンクションダ
ウンでヒートシンク202上に融着しているので、熱の
発生する活性層の部分がヒートシンク202に近くな
り、このため高温動作性能が向上し、70℃、5mWの
条件下で、8,000時間の動作が実現できた。
【0062】なお、本実施例では、ストライプ状の溝2
50内にリッジ型導波路ストライプを有する屈折率導波
型構造の第2の半導体レーザ共振器を形成したが、実施
例1においても、ストライプ状の溝160内にリッジ型
導波路ストライプを有する屈折率導波型構造の第2の半
導体レーザ共振器を形成するようにしてもよい。
【0063】また、本実施例では、半導体レーザ素子を
ジャンクションダウンでヒートシンク202上に融着し
たが、実施例1の半導体レーザ素子においても、ジャン
クションダウンでヒートシンク102上に融着すること
ができる。その場合には、ヒートシンク102を絶縁性
SiCで構成し、ヒートシンク102の表面に、凹部を
設けて電気的に分離した2つの電極を形成し、それらの
電極にそれぞれ電極131,151を対応させて融着
し、ヒートシンク102側の電極にリード線132,1
52をそれぞれ接続すればよい。
【0064】このようにして、半導体基板上に積層され
た第1のダブルヘテロ構造を有する半導体レーザ共振器
に対して平行にストライプ状の溝を形成し、そのストラ
イプ状の溝内の壁面及び底面を高抵抗化し、その高抵抗
化した部分の一部に電流経路を形成し、ストライプ状の
溝内に第2のダブルヘテロ構造の半導体レーザ共振器を
形成して、同一の半導体基板上に、発振波長が赤外域の
半導体レーザ共振器と発振波長が赤色域の半導体レーザ
共振器とを並列に形成する。
【0065】このような構成の半導体レーザ素子であれ
ば、異なるダブルヘテロ構造を有する半導体レーザ共振
器を近接して形成しているため、発振波長を大きく異な
らせることが可能であり、780nm帯と650nm帯
の波長を実現でき、その発光スポット間隔を100μm
以下にすることが可能となる。
【0066】実施例3 次に、本発明の半導体レーザ素子の実施例3について説
明する。図7は実施例3の半導体レーザ素子の断面を示
すす説明図である。
【0067】この半導体レーザ素子は、ヒートシンク3
02上に半導体レーザチップをジャンクションダウンで
融着した構成となっている。ヒートシンク302は、絶
縁性SiCで構成され、凹部307が形成されているた
め、表面は電気的に分離された2つの区画を有する構成
となっている。
【0068】図において、301はn−GaAs基板、
312はn−AlGaAsクラッド層、313はAlG
aAs/GaAsのMQW活性層、314はp−AlG
aAsクラッド層、315はp−GaAsキャップ層、
316はn−AlGaAs電流ブロック層、350は絶
縁のための分離溝、321はn−AlGaInPクラッ
ド層、322はAlGaInP/GaInPのMQW活
性層、323はp−AlGaInPクラッド層、324
はp−GaAsキャップ層、325はn−GaAs電流
ブロック層、303,331,351は電極、305,
306はヒートシンク302上に形成されたMo/Au
電極、304は電極303に接続されたリード線、33
2は電極331に接続されたリード線、352は電極3
51に接続されたリード線である。
【0069】実施例2と同様に、レーザ共振器は、第1
の半導体レーザ共振器である780nmで発振するAl
GaAs/GaAsのMQW活性層313と、第2の半
導体レーザ共振器である650nmで発振するAlGa
InP/GaInPのMQW活性層322との2つがあ
り、これら2つのレーザ活性層は、それらの間に存在す
る分離溝350により分離されている。すなわち、2つ
のレーザ活性層は、高抵抗の空気により絶縁され、それ
ぞれ独立した電極331,351を持つため、共通電極
303との間に電流を流すことで、780nm発光と6
50nm発光とを独立して制御可能である。
【0070】図8および図9は実施例3の半導体レーザ
素子の製造方法を示す説明図であり、これらの図に基づ
いて、実施例3の半導体レーザ素子の製造方法を工程順
に説明する。
【0071】まず、n−GaAs基板301上に、n−
AlGaAsクラッド層312、AlGaAs/GaA
sのMQW活性層313、p−AlGaAsクラッド層
314、p−GaAsキャップ層315をMOCVD法
で積層した後、リッジ型導波路ストライプとなる部分以
外の部分をp−AlGaAsクラッド層314の途中ま
でエッチングで除去する。次いでエッチングで除去した
部分にn−AlGaAs電流ブロック層316をMOC
VD法で形成する(図8(a)参照)。ここで、n−A
lGaAs電流ブロック層316での発振波長における
吸収がないため、レーザ発振光は、電流ブロック層によ
る吸収を受けない。
【0072】これによりダブルヘテロ構造で、かつリッ
ジ型導波路ストライプ構造を有する実屈折率導波型の第
1の半導体レーザ共振器の部分が完成する。この構造の
レーザ共振器は780nmで発光する。
【0073】次に第2の半導体レーザ共振器を形成する
ための準備を行う。まず、リッジ型導波路ストライプ3
19の隣に、基板301に達する深さの共振器形成用の
開口部349を形成する(図8(b)参照)。その方法
は以下のようにして行う。
【0074】まず、第1の共振器の上を含むウェーハ全
面にAl2 3 膜370をEB蒸着で形成する。次にA
2 3 膜370上にフォトレジストを形成し、フォト
リソグラフィーにより、開口部349に相当する部分の
フォトレジストを除去する。次にウエットエッチング法
により、開口部349に相当する部分のAl2 3 膜3
70、n−AlGaAs電流ブロック層316、p−A
lGaAsクラッド層314、AlGaAs/GaAs
のMQW活性層313、n−AlGaAsクラッド層3
12を除去する。表面のAl2 3 膜370を溶かさず
にn−AlGaAsクラッド層312とn−GaAs基
板301との界面でエッチングをストップさせるため
に、エッチャントとして塩酸系のエッチャントを用い
る。これにより開口部349が形成される。
【0075】ここで、後に成長させるn−AlGaIn
Pクラッド層321のモホロジーを良くするために、硫
酸(40℃15s)によりn−GaAs基板301の表
面リンスを行う。
【0076】次に、開口部349及びAl2 3 膜37
0の上に、MBE法により、n−AlGaInPクラッ
ド層321、AlGaInP/GaInPのMQW活性
層322、p−AlGaInPクラッド層323、p−
GaAsキャップ層324を形成する(図8(c)参
照)。このときAl2 3 膜370の上には、多結晶の
層である不要層327が成長するが、この不要層327
はエッチングにより除去する。このエッチングによる除
去では、不要層327以外の部分にフォトレジストを形
成し、硫酸系エッチャント、飽和臭素水系エッチャン
ト、及びアンモニア系エッチャントを使用して、Al2
3 膜370が露出するまで不要層327をエッチング
で除去し、その後、Al2 3 膜370を除去する。
【0077】次に、第2の半導体レーザ共振器の部分を
形成する。まず、ウェーハ表面にSiNx膜371をス
パッタリング法で形成する(図8(d)参照)。次いで
フォトリソグラフィーによりSiNx膜371をマスク
として、AlGaInP系ヘテロ構造の一部をp−Al
GaInPクラッド層323の途中までドライエッチン
グ法により除去し、電流ブロック層形成用の開口部37
4,376を形成する(図9(e)参照)。
【0078】次に、MBE法により、p−AlGaIn
Pクラッド層323上にn−GaAs電流ブロック層3
25を成長させる(図9(f)参照)。このときSiN
x膜371の上には不要層(多結晶のGaAs)328
が成長するが、この不要層328はエッチングにより除
去する。このエッチングによる除去では、不要層328
以外の部分にフォトレジストを形成し、アンモニア系エ
ッチャントを使用して不要層328を除去する。これに
より第2の半導体レーザ共振器の部分が完成する。この
構造の第2の共振器の部分は、650nmで発光し、電
流ブロック層325がGaAsであるため複素屈折率型
の光導波構造となる。
【0079】次に、MBE法でコンタクト層339を形
成し、その上にEB蒸着法でAl23 膜372を形成
する(図9(g)参照)。
【0080】そして、フォトリソグラフィーとドライエ
ッチング法により、第1の共振器の部分と第2の共振器
の部分との間に絶縁のための分離溝350を形成する
(図9(h)参照)。この分離溝350がGaAs基板
301まで至っているので、第1の共振器と第2の共振
器との間は、高抵抗である空気により電気的に絶縁され
る。
【0081】最後に、電極303,331,351を形
成し、各電極にリード線304,332,352をそれ
ぞれ接続する。このようにして作製されたウェーハを分
割し、端面コーティングを行い、ヒートシンク302の
上にジャンクションダウンで実装することにより、半導
体レーザ素子を得る。このようにヒートシンク302の
上にジャンクションダウンで実装した場合には、放熱が
良いので高出力の場合に有利である。なお、半導体レー
ザ素子は、ヒートシンク302の上にジャンクションア
ップ(junction-up )で実装してもよい。
【0082】図10は半導体レーザ素子をジャンクショ
ンアップで実装した場合の例を示す説明図である。この
ように、半導体レーザ素子をヒートシンク302の上に
ジャンクションアップで実装した場合には、ヒートシン
ク302に配線パターンが不要となるので、リード線3
04,332,352のボンディングが容易となり、こ
れにより素子の組み立てが容易となる。また、第1と第
2の共振器で半導体基板301から上部電極331,3
51までの高さが異なっていても、ヒートシンク302
への実装が容易である。
【0083】このようにして得た半導体レーザ素子で
は、第1の共振器はAlGaAsの埋め込みにより実屈
折率型の共振器となり、この共振器からは、導波ロスが
小さく、しきい値の低いレーザ発振が得られる。また第
2の共振器はGaAsの埋め込みにより複素屈折率型の
共振器となり、この共振器は屈折率による光閉じ込めを
行うため、この共振器からは、活性層における水平方向
の光の安定性の高いレーザ発振が得られる。
【0084】本実施例で示した半導体レーザ素子では、
650nm発光部がしきい値電流45mAで発振し、7
80nm発光部がしきい値電流38mAで発振した。信
頼性試験は、70℃、5mWの条件下で9,000時間
の動作が実現できた。
【0085】本実施例では、第1の共振器の部分と第2
の共振器の部分との絶縁を分離溝で行うようにしてお
り、この分離溝は、プロトン照射などの大掛かりな装置
を必要とせず、実績のあるフォトリソグラフィーとドラ
イエッチングを使用して形成することができるので、作
製が容易である。また、第1と第2の共振器で、電流ブ
ロック層を異なる材料で形成できるため、それぞれの共
振器で最適な導波構造を選択することができる。
【0086】なお、本実施例では、リッジ型導波路スト
ライプのリッジ部分を形成する際にエッチストップ層を
使用していないが、より正確な厚さに制御するためにエ
ッチストップ層を導入してもよい。
【0087】また、動作電圧を下げるために、n−Al
GaInPクラッド層321とp−GaAsキャップ層
324との間に中間バンドギャップ層を設けてもよい。
【0088】本実施例では、第1と第2の共振器の電流
ブロック層が異なる材料で構成された例を示したが、双
方の電流ブロック層を同じAlGaAsで構成すること
も可能である。その場合には、第1の共振器と第2の共
振器との双方が実屈折率導波型となるため、より低い発
振しきい値を得ることができる。
【0089】また、活性層にAlGaAs系の材料を用
いた共振器を先に形成し、その後、その共振器に隣接し
て、活性層にAlGaInP系の材料を用いた共振器を
形成するようにしたが、この順序は逆でもよく、活性層
にAlGaInP系の材料を用いた共振器を先に形成
し、その後、その共振器に隣接して、活性層にAlGa
As系の材料を用いた共振器を形成するようにしてもよ
い。
【0090】このようにして、発振波長が赤外域の第1
の半導体レーザ共振器を形成した後、それに隣接して開
口部を形成し、その開口部内に、発振波長が赤色域の第
2の半導体レーザ共振器を形成し、双方の共振器の間に
分離溝を形成することにより、同一の半導体基板上に、
発振波長が赤外域の半導体レーザ共振器と発振波長が赤
色域の半導体レーザ共振器とを並列に形成する。
【0091】このような構成の半導体レーザ素子であれ
ば、双方の活性層を異なる材料で形成することができる
ので、発振波長を大きく異ならせることが可能であり、
780nm帯と650nm帯の波長を実現でき、その発
光スポット間隔を100μm以下にすることが可能とな
る。そのため本発明による半導体レーザ素子を使用した
光ピックアップでは、単一のピックアップでDVDディ
スクとCD/CD−ROM/CD−Rディスクとの双方
の情報の読み出し及び書き込みが可能となる。また、本
発明の半導体レーザ素子は表面が平坦であるため、ジャ
ンクションダウンの実装が可能となり、高温条件下での
レーザ素子の信頼性を向上させることが可能となる。
【発明の効果】この発明によれば、単一の半導体レーザ
素子を用いて、赤外域と赤色域のレーザ光を、近接した
発光スポット間距離で発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザ素子の実施例1の断面を
示す説明図である。
【図2】実施例1の半導体レーザ素子の製造方法を示す
説明図である。
【図3】実施例1の半導体レーザ素子の製造方法を示す
説明図である。
【図4】本発明の半導体レーザ素子の実施例2の断面を
示す説明図である。
【図5】実施例2の半導体レーザ素子の製造方法を示す
説明図である。
【図6】実施例2の半導体レーザ素子の製造方法を示す
説明図である。
【図7】本発明の半導体レーザ素子の実施例3の断面を
示す説明図である。
【図8】実施例3の半導体レーザ素子の製造方法を示す
説明図である。
【図9】実施例3の半導体レーザ素子の製造方法を示す
説明図である。
【図10】実施例3の半導体レーザ素子をジャンクショ
ンアップで実装した場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
101 p−GaAs基板 102,202,302 ヒートシンク 103 共通p型電極 111 n−GaAs電流狭窄層 111a V溝ストライプ 112 p−AlGaAsクラッド層 113 AlGaAs活性層 114 n−AlGaAsクラッド層 115 n−GaAsキャップ層 121 p−AlGaInPクラッド層 122 GaInP活性層 123 n−AlGaInPクラッド層 124 n−GaAsキャップ層 131,151 n型電極 132,152 リード線 141 高抵抗層 142 低抵抗層 160 ストライプ状の溝 201,301 n−GaAs基板 203,231,251,303,331,351 電
極 204,232,252,304,332,352 リ
ード線 205,307 凹部 212,321 n−AlGaInPクラッド層 213,322 AlGaInP/GaInPのMQW
活性層 214,323 p−AlGaInPクラッド層 215,224,315,324 p−GaAsキャッ
プ層 216,225,325 n−GaAs電流ブロック層 221,312 n−AlGaAsクラッド層 222,313 AlGaAs/GaAsのMQW活性
層 223,314 p−AlGaAsクラッド層 241 高抵抗層 242 電流経路 250 ストライプ状の溝 305,306 Mo/Au電極 316 n−AlGaAs電流ブロック層 349 共振器形成用の開口部 350 分離溝 374,376 電流ブロック層形成用の開口部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の半導体基板上に、互いに異なる材
    料を用いた発光層を有する複数の半導体レーザ共振器
    を、半導体基板の主面に対して並列に配置し、これら半
    導体レーザ共振器の間に高抵抗領域を設けてなる半導体
    レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板がGaAs基板からな
    り、前記複数の半導体レーザ共振器は、各発光層に互い
    に異なる5族の材料を含んでなる請求項1記載の半導体
    レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記5族の材料がP、As、又はNであ
    る請求項2記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記複数の半導体レーザ共振器が、発振
    波長が赤色域の共振器と発振波長が赤外域の共振器との
    2つの共振器からなる請求項1記載の半導体レーザ素
    子。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板がGaAs基板からな
    り、前記発振波長が赤色域の共振器は、発光層がInG
    aP系の材料で形成され、前記発振波長が赤外域の共振
    器は、発光層がGaAs系の材料で形成されてなる請求
    項4記載の半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】 前記複数の半導体レーザ共振器は、各発
    光層が、半導体基板の主面に対してほぼ同じ高さの位置
    に存在する請求項1記載の半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】 前記複数の半導体レーザ共振器が、それ
    ぞれ屈折率導波構造を有する請求項1記載の半導体レー
    ザ素子。
  8. 【請求項8】 前記高抵抗領域が、隣接する半導体レー
    ザ共振器が電気的に分離されるのに十分なエアーギャッ
    プで形成されてなる請求項1記載の半導体レーザ素子。
  9. 【請求項9】 前記高抵抗領域が、隣接する半導体レー
    ザ共振器が電気的に分離されるのに十分な抵抗を有する
    高抵抗半導体層で形成されてなる請求項1記載の半導体
    レーザ素子。
  10. 【請求項10】 前記高抵抗半導体層が、プロトン又は
    ガリウムイオンの注入によって形成されてなる請求項9
    記載の半導体レーザ素子。
  11. 【請求項11】 CD及びDVDの両方に対する記録、
    再生が可能な記録再生装置に組み込まれてなる請求項1
    〜10のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子。
  12. 【請求項12】 半導体基板上に所定の材料を用いた発
    光層を有する第1の半導体レーザ共振器を形成する工程
    と、第1の共振器の近隣に半導体基板の主面に対して並
    列に開口部を形成する工程と、その開口部内に第1の共
    振器とは異なる材料を用いた発光層を有する第2の半導
    体レーザ共振器を半導体基板の主面に対して並列に形成
    する工程と、第1の共振器と第2の共振器との間に高抵
    抗領域を形成する工程を具備することを特徴とする半導
    体レーザ素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 半導体基板上に所定の材料を用いた発
    光層を有する第1の半導体レーザ共振器を形成する工程
    と、第1の共振器の近隣に半導体基板の主面に対して並
    列にストライプ状の溝を形成する工程と、そのストライ
    プ状の溝内の壁面及び底面に高抵抗半導体層を形成する
    工程と、その高抵抗半導体層の一部に電流経路を形成す
    る工程と、前記ストライプ状の溝内に第1の共振器とは
    異なる材料を用いた発光層を有する第2の半導体レーザ
    共振器を半導体基板の主面に対して並列に形成する工程
    を具備することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 半導体レーザ共振器を形成する際、ダ
    ブルヘテロ構造の一部を除去してリッジ型導波路ストラ
    イプを形成することを特徴とする請求項12又は13記
    載の半導体レーザ素子の製造方法。
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