JP2004022717A - 多波長レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに異なる波長の光を出射する複数のLDを集積した多波長レーザ光源における各LDと単一光学系との関係を改善する。
【解決手段】多波長レーザ光源において、青色レーザダイオード12と、赤外色レーザダイオード13と、赤色レーザダイオード14とを同一基体11上に有し、各レーザダイオードのレーザ光出射点が実質的に同一直線上に配置され、青色レーザダイオード12のレーザ光出射点が赤外色レーザダイオード13と赤色レーザダイオード14のレーザ光出射点の間に配置される。
【選択図】 図1
【解決手段】多波長レーザ光源において、青色レーザダイオード12と、赤外色レーザダイオード13と、赤色レーザダイオード14とを同一基体11上に有し、各レーザダイオードのレーザ光出射点が実質的に同一直線上に配置され、青色レーザダイオード12のレーザ光出射点が赤外色レーザダイオード13と赤色レーザダイオード14のレーザ光出射点の間に配置される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多種の光ディスクの互換性を保つことが可能な光ピックアップ装置に関し、特に、3つの波長のレーザ光を出射することが可能な多波長光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録密度を向上させる記録媒体とそのための再生装置の開発が盛んに行われている。例えば、デジタル多用途ディスク(DVD)は映像の記録媒体として多方面に普及しつつあり、今後の需要の増大が期待されるメディアである。したがって、従来のコンパクトディスク(CD)や録再できるCD(CD−R、CD−RW)などとDVDとの互換性を有する光ピックアップを開発する要望が高まっている。
【0003】
現在、DVDの再生用光源には波長650nm帯の半導体レーザダイオード(LD)が使用されており、CDやCD−Rには波長780nm帯のLDが使用されている。さらに、次世代のDVDでは波長410nm帯のLDが使用される。CD、CD−R/RW、およびDVDなどにおける規格では、ディスク側の録再方式の相違いもあり、どれか一種類のLDで主な規格をカバーすることは不可能である。したがって、全てのメディアとの互換性を確保するためには、上述の3波長のレーザ光を読み書きできるピックアップを搭載することが望ましい。
【0004】
この場合、それぞれの波長に対応するピックアップを一つの録再装置に3つ搭載するという手段もある。しかし、一つの録再装置に3つものピックアップを搭載すれば、その録再装置の大型化が避けられないのみならず、コストの増大を引き起こす。したがって、一つのピックアップによって3種類のメディアに関して読み書きできることが望ましい。そのためには、光ピックアップに3つの波長を出射することが可能な多波長レーザ装置を使用することが必要となる。具体的には、波長780nmの赤外半導体LDと、波長650nmの赤色半導体LDと、波長410nmの青色半導体LDとを近接して配置した半導体レーザ装置が挙げられる。
【0005】
図14はこのような役割を果たす従来の多波長レーザ装置の一例を示す模式的な斜視図であり、互いに発光波長が異なる3種類の半導体LDを集積した多波長レーザ装置のレーザ搭載部分を拡大して示している(例えば、特開2000−174398号参照)。これは、各LDを個別に作製した後に集積したいわゆるハイブリッド型のレーザ装置であり、ヒートシンク131の平坦な面上に、それぞれ赤外色、赤色、および青色の発光波長を有する半導体LD132、133、および134が、この順でそれらのレーザビームの出射方向が互いにほぼ平行になるようにマウントされている。そして、それぞれの半導体LDにはワイヤ135、136、および137が接続されており、各LDが独立に動作できるようにされている。このようなハイブリッド型のレーザ装置では、一つの半導体LDに不良が生じても、それを良品のLDと交換できるので、レーザ装置の歩留まりの低下を抑えることができるメリットがある。
【0006】
図15は、従来の多波長レーザ装置の他の例を示す模式的な斜視図である(例えば、特開平11−186651号公報参照)。この図は搭載されたレーザ部のみを拡大して示しており、これは一つの基板上に3種類の発光波長のレーザ部を気相結晶成長法を利用して形成したいわゆるモノリシック型のレーザ装置である。具体的にはSiC基板141上に、それぞれ赤外レーザ部142、赤レーザ部143、および青レーザ部144がこの横並びの順に配置されており、それぞれ独立に動作し得るように形成されている。モノリシック型のレーザ装置の場合では、一つのレーザ部に不良が生じてもそれを含むレーザ装置全体が不良となるので、歩留まりはそれぞれのレーザ部の歩留まりの掛け合わせとなるが、光ピックアップに重要な要素である発光点位置の制御性に優れるというメリットがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、互いに発光波長の異なる3つ以上のLDを集積する場合、それらのLDをどのように並べるべきかについて、これまでにあまり考慮されていない。しかし、複数のLDを集積して使用する場合、本発明者らの考えによれば、複数のLDの並べ方と光ピックアップの光学系との関係を考慮すべきであり、複数のLDの配置を適切に行うことが重要であると考えられる。
【0008】
理想的には、3つのピックアップを搭載する場合と同様に、レーザの一波長に対応して一つの光学系を準備することが望ましいが、それでは複数のLDを集積して一つのピックアップにする利点が得られない。したがって、光学系としては、一つの発光波長のLDを搭載したピックアップの場合と同様に、単一の光学系を使用することが好ましい。また、複数のLDが集積されたレーザ装置では、それら複数のLDのレーザ光出射点を1点に一致させることは不可能であるから、単一の光学系において、各波長のLDのそれぞれに最適な複数の光学系の役割を果たさせることは困難である。
【0009】
このような従来技術の状況に鑑み、本発明は、互いに異なった波長の光を出射する複数のLDを集積した多波長レーザ装置と単一光学系との関係を改善することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による多波長レーザ装置は、青色レーザダイオードと赤色レーザダイオードと赤外色レーザダイオードとを同一基体上に有し、各レーザダイオードのレーザ光出射点が実質的に同一直線上に配置され、青色レーザダイオードのレーザ光出射点が他の二つのレーザ光出射点の間に配置されることを特徴としている。
【0011】
なお、それらのレーザダイオードは、同一基板上において気相結晶成長法を利用して形成され得る。他方、複数のレーザダイオードは、それぞれ融点の異なる半田を用いて同一基体上にマウントされてもよい。青色レーザダイオードと赤色レーザダイオードと赤外色レーザダイオードとを同一基体上にマウントする場合、それぞれのレーザダイオードに対して融点の異なる半田を融点の高い順に使用することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
単一光学系で単一波長のレーザ光を絞り込むときの問題点としては、一例として各種メディアにおける記録サイズの違いが挙げられる。例えば、青色LDを用いたDVDでは、赤色LDを用いたDVDと比較して、ディスク側の書き込みピットの面積が半分以下となり、レーザビームをより小さなスポットに集光する必要が生じる。したがって、青色LDを用いるDVDでは、その光学系の精度も、赤色LDを用いたDVDよりも高くする必要がある。したがって、多波長レーザ装置中の複数のLDの配置に関しては、最も精度が求められる青色LDを基準にした配置が望まれる。
【0013】
光ピックアップにおいては、レーザ光源をレンズの光軸中心に配置することによて各種の光学的収差を防止することが容易となり、読取りや書込みの精度が安定した光ピックアップを製造することが可能となる。したがって、光学的設定条件が厳しい青色LDを光軸中心に配置することが、精度の安定した光ピックアップの製造の観点から有利となる。しかし、図14や図15に示されているような従来技術による複数のLDの配列では、光ピックアップの光軸中心に青色LD134または144を配置した場合に、赤外LD132または142がその光軸中心から非常に遠くに離れてしまう。したがって、青色LDを光軸中心に配置しても赤色LDおよび赤外LDが共にその光軸から大きく離れない構成が望まれる。
【0014】
(実施形態1)
図1は、実施形態1における多波長レーザ装置のステム上にマウントされた複数のLDを模式的に図解した斜視図である。この多波長レーザ装置において、ステムの先端部の支持基体11の平面上には、青色LD12と赤外LD13と赤色LD14とが配設され、それらのLDが独立に動作できるように電力を供給する第一のワイヤ18、第二のワイヤ19、および第三のワイヤ20がそれぞれ接続されている。そして、青色LD12が他のLD13と14に挟まれて配置されるように構成されている。
【0015】
支持基体11は、銅を主成分とする金属からなっており、ヒートシンクとしても作用する。支持基体11上に配設されるそれぞれのLD12〜14は、それらが出射するレーザビームがほぼ平行になるようにマウントされている。また、各LDはそのn型用電極側が支持基体11側になるように、すなわちpサイドアップでマウントされており、p型用電極側にワイヤが接続される。これらのワイヤ18、19、および20は、LD12、13、および14のストライプ状導波路212、312、および412から離れた位置に接続され、ストライプ状導波路にダメージを与えることを防止し得るように配慮されている。さらに各LDにおいて、導波路のリア側に高反射膜が形成され、ワイヤ18、19、および20と支持基体11とから閾値以上の電流が注入されれば、導波路のフロント側からレーザ光が出射される。次に、この多波長レーザ装置の製造方法について説明する。
【0016】
まず、図2の模式的な斜視図を参照して、青色LD12は複数のGaN系半導体層から構成され、n型GaN基板201上に、有機金属気相成長法(MOCVD)にて形成される。具体的には、n型GaN基板201の第一主面上に、n型GaN下部コンタクト層202、n型Al0.1Ga0.9N下部クラッド層203、n型GaN下部ガイド層204、Inx1Ga1−x1N量子井戸層とInx2Ga1−x2N障壁層(但しx1>x2)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造の活性層205、p型Al0.2Ga0.8Nからなる蒸発防止層206、p型GaN上部ガイド層207、p型Al0.1Ga0.9N上部クラッド層208、およびp型GaN上部コンタクト層211を順に積層する。活性層205は、波長約405nmの光を放射できるように組成と構造が設定される。
【0017】
次に、フォト工程を利用して2μm程度の幅のストライプ状レジストを形成し、反応性イオンエッチング(RIE)などによって上部クラッド層208と上部コンタクト層211を含むリッジストライプ212を形成し、光の導波ができるようにする。続いて酸化珪素膜を蒸着してリフトオフして、電流注入をリッジストライプ212の頂部のみから行うための電流狭窄層213をそのリッジストライプの両側に設ける。
【0018】
さらにリッジストライプ212上には、Pd/Auをこの順に真空蒸着などにより積層したp型用電極214が形成される。このp型用電極214には、ワイヤのボンディングを考慮して、幅広領域を設けることが好ましい。続いて、基板201の第二主面側を研磨などで削ることでウエハ全体の厚みを調整し、その後に基板201の第二主面側にTi/Alをこの順で真空蒸着などにより積層することでn型用電極215を形成する。さらに、LDのマウント時の密着性向上のために、n型用電極215上にMo/Auをこの順で真空蒸着してレーザウェハの形成を完了する。
【0019】
その後に、ウェハをレーザバーに劈開して、レーザ共振器端面を劈開面で形成する。レーザバーのリア側には2種類以上の酸化物層を含む多層反射膜(図示せず)を形成し、レーザ光を共振器のフロント側から取り出せるようにする。さらに、レーザバーから幅200〜300μm程度の複数のチップに分割して、複数の青色LD12を得る。
【0020】
図3を参照して、赤外LD13は複数のAlGaAs系半導体層から構成され、n型GaAs基板301上にMOCVD法または分子線エピタキシー(MBE)法などにより堆積される。より具体的には、n型GaAs基板301の第一主面上に、n型Al0.55Ga0.45As下部クラッド層303、Alx3Ga1−x3As障壁層とAlx4Ga1−x4As量子井戸層(但しx3>x4)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層305、第一のp型Al0.55Ga0.45As上部クラッド層308、p型GaAsからなるエッチストップ層309、第二のp型Al0.55Ga0.45As上部クラッド層310、およびp型GaAs上部コンタクト層311を順に積層する。活性層305は、波長約780nmの光を放射できるように組成と構造が設定される。
【0021】
その後、フォト工程により5μm幅程度の酸化珪素または窒化珪素などのストライプ状マスク(図示せず)を形成した後に、エッチストップ層309に達するまでエッチングし、第二上部クラッド層310と上部コンタクト層311を含むリッジストライプ312を形成して光の導波ができるようにする。リッジストライプ312の両側には、光を閉じ込めのためと電流注入をリッジストライプ312の頂部のみから行うために、n型GaAs埋め込み層313が成長させられる。リッジストライプ312上には、真空蒸着などによってZn/Auをこの順に積層したp型用電極314が形成される。このp型用電極314においても、ワイヤのボンディングを考慮し、幅広領域を設けることが好ましい。
【0022】
続いて、n型GaAs基板301の第二主面側をウェットエッチングなどで削ることで、ウエハ全体の厚みを調整し、その後にn型GaAs基板301の第二主面側にNi/Ge/Auをこの順に真空蒸着などで積層することによってn型用電極315を形成する。続いて、LDのマウント時の密着性を向上させるために、n型用電極315上にMo/Auをこの順で真空蒸着してウェハの形成を完了する。その後、ウェハを複数のバーに劈開して、レーザの共振器端面を劈開面で形成する。レーザバーのリア側には2種類以上の酸化物層を含む多層反射膜(図示せず)を形成して、レーザ光をフロント側から取り出せるようにする。さらに、レーザバーから幅200〜300μm程度の複数のチップを分割して、複数の赤外LD13を得る。
【0023】
図4を参照して、赤色LD14は複数のInAlGaP系半導体層から構成され、n型GaAs基板401上にMBE法により堆積される。具体的には、n型GaAs基板401の第一主面上に、n型Al0.35Ga0.15In0.5P下部クラッド層403、n型Al0.25Ga0.25In0.5P下部ガイド層404、Inx5Ga1−x5P量子井戸層とAlx6Gax7In1−x6−x7P障壁層との交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層405、p型Al0.25Ga0.25In0.50P上部ガイド層407、第一のp型Al0.35Ga0.15In0.50P上部クラッド層408、p型In0.5Ga0.5Pからなるエッチストップ層409、第二のp型Al0.35Ga0.15In0.50P上部クラッド層410、およびp型GaAs上部コンタクト層411を順に積層する。活性層405は、波長650nmの光を放射できるように組成と構造が設定される。
【0024】
次に、フォト工程により5μm幅程度の酸化珪素または窒化珪素などのストライプ状マスク(図示せず)を形成した後に、エッチストップ層409に達するまでエッチングして第二の上部クラッド層410と上部コンタクト層411を含むリッジストライプ412を形成し、光の導波ができるようにする。リッジストライプ412の両側には、光を閉じ込めるためと電流注入をリッジストライプ412の頂部のみから行うために、n型GaAs埋め込み層413が成長させられる。リッジストライプ412上には、Zn/Auをこの順に真空蒸着などによって積層したp型用電極414が形成される。このp型用電極414には、ワイヤのボンディングを考慮して、幅広領域を設けることが好ましい。
【0025】
続いて、n型GaAs基板401の第二主面側をウェットエッチングなどで削ることによってウエハ全体の厚みを調整し、n型GaAs基板401の第二主面側にNi/Ge/Auをこの順で真空蒸着などで積層することによってn型用電極415を形成する。その後、LDのマウント時の密着性を向上させるために、p型用電極414上にMo/Auをこの順で真空蒸着して、ウェハの形成を完了する。続いて、ウェハを複数のバーに劈開して、レーザの共振器端面を劈開面で形成する。レーザバーのリア側には2種類以上の酸化物層を含む多層反射膜(図示せず)を形成して、レーザ光をフロント側から取り出せるようにする。さらにレーザバーから幅200〜300μm程度の複数のチップを分割して、複数の赤色LD14を得る。
【0026】
上述のようにして得られたLD12、13、および14は、図1に示されているように、支持基体11上にマウントされる。支持基体11の中央部に青色LD12を載せ、その両側に赤外LD13と赤色LD14をマウントする。この時、すべてのLDをマウントするために同じ半田材を使用することも不可能ではないが、各LDに対して融点の異なる半田を用いて支持基体11に接続すれば、一つの素子をマウントする際に他の素子の位置ずれなどが起こりにくくて便利である。そのような半田としては、インジウム基、鉛基、錫基、アルミニウム基、金基など、種々の半田材から選択することができる。また、LDのマウントは、最も融点の高い半田を使用するものから順に行うようにする。例えば、青色LD12にはAu80Sn20半田を用い、そして赤外LD13にはAu10Sn90半田を用い、最後に赤色LD14にはIn半田を用いることが可能である。
【0027】
また、LD同士は、互いが接触してショートしないよう、10〜数10μm程度離して配置する。さらに、それぞれの光の出射方向が概略並行となるようにすれば、それぞれのLDのレーザ光出射点間隔は210〜350μm程度となる。光の出射方向は、それぞれのレーザ素子の共振器端面たる劈開面をアライメントとして調整することができる。
【0028】
図5に示されているように、それぞれのLDにはワイヤが接続され、外部から電力が供給できるようにする。支持基体11は、円形の放熱板15と共にステム10本体を構成し、ステム10の外部のリード41に電気的に接続されて、電力を供給できるようになっている。レーザ素子のp側に電力を供給するピン38、39、および40はステム10から絶縁され、外部のリード48、49、および50にそれぞれ直結している。レーザ光として出射される3つの波長の光を透過しうる透過材51を有するキャップ52がステム10に接合され、多波長レーザ装置100が完成する。なお、図5は、レーザ装置の内部をわかりやすくするために、キャップ52の一部を切断した様子を示している。
【0029】
図6には、レーザ装置100の等価回路が示されている。青色LD12、赤外LD13、および赤色LD14のnサイドはアースに接続され、pサイドにそれぞれの素子を駆動する電力供給源が接続されており、それぞれのLDが独立に動作できるように構成されている。
【0030】
本発明においては、青色LDが赤外と赤色の両LD間の中央に配置されるので、青色LDをレンズの光軸中心に配置しても、赤外と赤色の両LDも光軸から極端に遠くない距離に配置することができる。本実施形態では、青色LD12を光軸中心に配置したとして、すべてのLD12〜14が光軸から210〜350μm程度の範囲内にあることとなる。このため、レンズの精度を高くする領域を小さくできるなどの効果が得られ、光ピックアップの製造が容易となる。また赤色LDと赤外LDが光軸からほぼ等距離に配置されることにより、光ピックアップの設計を容易にすることができて、その製造の歩留まり向上をはかることが可能となる。
【0031】
(実施形態2)
図7は、実施形態2における多波長レーザ装置のステムの上部を模式的に図解した斜視図である。なお、本実施形態2に関する図面において、実施形態1と同一または対応する部分については同一符号を付し、その詳細な説明は繰り返されない。
【0032】
本実施形態2に特徴的な点は、支持基体11上にマウントされるレーザ素子31が、同一基板上で異なった波長の光を出射することが可能なモノリシック型になっていることである。すなわち、レーザ素子31においては、青レーザ部32と赤外レーザ部33と赤レーザ部34とが、同一基板上に気相結晶成長によって形成されている。各レーザ部32、33、および34は、それぞれ対応するストライプ状導波路212、312、および412を有し、それぞれに独立に電力供給できるように構成されている。
【0033】
図8〜図13の模式的な断面図を参照して、レーザ素子31の製造方法について説明する。レーザ素子31は、n型GaAs基板301上においてMOCVD法や分子線エピタキシー(MBE)法を利用して形成される。耐熱性の強い順に、青レーザ部32、赤外レーザ部33、その後に赤レーザ部34を形成し、耐熱性の弱い赤レーザ部34に大きい熱負荷がかかることを防止する。
【0034】
具体的には、図8に示すように、まず青レーザ部32をMOCVD法により形成する。最初に、n型GaAs基板301上にn型GaNからなるバッファ層216を成膜する。このバッファ層は、格子定数の異なるGaAs基板上にGaN系半導体層を結晶性よく成長させるために設けられる。続いて、実施形態1における青色LDと同様に、複数のGaN系半導体層をp型GaN上部コンタクト層211までを形成する。
【0035】
その後、CVDや真空蒸着により酸化珪素または窒化珪素などからなる保護膜318をウェハ全面上に形成し、この保護膜にフォト工程とエッチングにより開口部(図示せず)を設ける。残された保護膜帯318と開口部の幅は、それぞれ200μmと550μmにする。そして、反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチングで、青レーザ部32となるべきメサを形成する。その結果、ウェハには青レーザ部32となるべきメサが周期的に存在し、それらのメサ間の谷間において赤外と赤のレーザ部が形成されるべき領域では、n型GaAs基板301が露出される。なお、図8では青レーザ部32となるべきメサが一つと、赤外と赤のレーザ部が形成されるべき谷間が二つ示され、その他は図示省略されている。このことに関しては、図12までの各図においても同様である。
【0036】
図9においては、青レーザ部32上の保護膜318を残したままで、露出されたn型GaAs基板301上に赤外レーザ部33を形成する。まず、実施形態1における赤外LDと同様に、複数のAlGaAs系半導体層をp型GaAs上部コンタクト層311まで成長させる。この時、成長終了後の上部コンタクト層311の表面位置が、青レーザ部32における上部コンタクト層211の表面位置と概略等しくなるように、下部クラッド層303の厚みを変えるなどして調整する。
【0037】
続いて、CVDまたは真空蒸着により酸化珪素または窒化珪素などからなる保護膜316をウェハ全面上に形成し、この保護膜316にフォト工程によりストライプ状の開口部(図示せず)を設ける。この時残された保護膜帯316の位置が、後に赤外レーザ部33となる。残される保護膜帯316と開口部の幅は、それぞれ200μmと550μmにする。保護膜帯316は青レーザ部32間の谷間の上で、かつその端が青レーザ部32から50μm離れた地点に形成される。これによって、青レーザ部32の隣に赤外レーザ部33を作りこむことができる。
【0038】
すなわち、保護膜316の開口部からウェットエッチングやドライエッチングの手法で、赤外レーザ部33となるべきメサを形成する。この工程において、後に赤レーザ部を形成すべき領域と青レーザ部32上とに成長された複数のAlGaAs系半導体層を除去するとともに、青レーザ部32と赤外レーザ部33とを互いに分離する。そして、ウェハ上に残されたメサ間には、幅50μm程度の狭い谷間と、幅300μm程度の広い谷間とが形成される。これらの谷間ではn型GaAs基板301が露出され、広い谷間に赤レーザ部34が形成される。
【0039】
図10において、保護膜318と316を残したままで、露出されたn型GaAs基板301上に赤レーザ部34を形成する。まず、実施形態1における赤色LDと同様に、複数のInGaAlP系半導体層をp型GaAs上部コンタクト層411まで成長させる。その成長終了後の上部コンタクト層411の表面位置が、他の素子レーザ部の上部コンタクト層の表面位置と概略等しくなるように、下部コンタクト層403の厚みを変えるなどして調整する。続いて、赤外レーザ部33と同様に保護膜317を形成し、さらにフォト工程によりストライプ状の開口部(図示せず)を設ける。保護膜317が残される場所は、青レーザ部32および赤外レーザ部33から50μm程度離れた位置であり、ストライプ状の保護膜317の幅は200μmである。この場所は、青レーザ部32と赤外レーザ部33との間の広い谷間に対応する。続いて保護膜317の開口部から、ドライエッチングやウェットエッチングを行えば、赤レーザ部34を形成すると共に他のレーザ部との分離を行うことができる。
【0040】
図11においては、赤外レーザ部33と赤レーザ部34のリッジストライプを形成する。まず、フォト工程を利用して、保護膜帯316と317をさらに細い4μm程度のストライプ状に加工する。この時、すべてのレーザ部の高さが概略等しいので、フォト工程を同時に行うことができる。続いてウェットエッチングにより、上部コンタクト層311と411および第二上部クラッド層310と410をエッチストップ層309と409に達するまでエッチングし、赤外と赤のレーザ部のリッジストライプ312と412を形成する。
【0041】
図12において、赤外と赤のレーザ部のリッジストライプ312と412をn型GaAs埋め込み層313と413でそれぞれ埋め込み、リッジストライプ上部に堆積したn型GaAs層部分を除去する。なお、各レーザ部を分離する谷間において、埋め込み層たるn型GaAsが成長した場合には、その埋め込み層部分をも除去する。続いてリッジストライプ312と412の上および埋め込み層313と413の上に、実施形態1と同様にZn/Auの順で蒸着してp型用電極314を形成する。赤外レーザ部33および赤レーザ部34に対するp型用電極の材料は同じであるから、それらのp型用電極は同時に形成することができる。また、赤外レーザ部33と赤レーザ部34のリッジストライプを青レーザ部32のリッジストライプよりも先に形成するのは、赤外と赤のレーザ部ではn型GaAs層でリッジストライプを埋め込む必要があるからである。すなわち、リッジストライプを埋め込む工程において、青レーザ部32のp型用電極が過度に加熱されて劣化することを避けるためである。
【0042】
図13においては、青レーザ部32のリッジストライプ212を形成する。赤外レーザ部33と赤レーザ部34を保護する保護膜(図示せず)を形成した上で、フォト工程を利用して保護膜帯318を2μm程度の細いストライプ状に加工する。続いて、上部クラッド層208が厚さ0.03μm程度で残るように、上部コンタクト層211と上部クラッド層208をRIEにてエッチングして、ストライプ状導波路212を形成する。この上から、電流狭窄層213およびp型用電極214を形成して青レーザ部32を完成する。
【0043】
次に、n型GaAs基板301の第二主面側を削って厚みを調整し、Ni/Ge/Auをこの順で蒸着してn型用電極315を形成する。さらに、レーザ素子のマウントを容易にするためにn型用電極315上にMo/Auをこの順で真空蒸着し、ウェハの形成を完了する。続いて実施形態1と同様にバー状に劈開して共振器端面を形成後、バーのリア側に多層反射膜(図示せず)を形成する。この多層反射膜は、3種類のレーザ部が出射する光の波長のそれぞれに対して反射率が高くなるように設計する。多層反射膜に使用される材料は、SiO2、TiO2、Al2O3やZrO2といった酸化物や、窒化物、硫化物、ハロゲン化合物などの種々の屈折率を持つ材料を使用でき、条件を満たす組み合わせは数多く考えることができる。なお、反射膜に使用する材料は、メサ端面にコーティングする関係上、絶縁性を持つものでなければならない。最後に、青レーザ部32がレーザ素子31の中央に来るように、赤外レーザ部33と赤レーザ部34との間でレーザバーを分割し、レーザ素子31の形成を完了する。この後、実施形態1と同様にワイヤを接続すればよい。
【0044】
本実施形態においても、青色LDがレーザ装置の中央に配置されているので、実施形態1と同様の効果を得ることが可能である。
【0045】
なお、上述の実施形態中では、レーザ装置のヘッダ部におけるレーザ素子は全てpサイドアップとしたが、これをpサイドダウンとしてマウントしても構わない。また、実施形態2に示したモノリシック型レーザ素子の基板は、GaAs以外にも、GaNやGaPなどを用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明においては、3つの波長のレーザ光を出射することが可能な混載レーザ装置において、青色LDを中央に配置し、その両側に赤色LDと赤外LDを配置している。この結果、レーザ光の絞込みを行う上でもっとも大きな制約を受ける青色LDをレンズの光軸上に配置することができ、光ピックアップの設計を容易化するとともに、製造の容易化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による多波長レーザ装置のヘッダ部の模式的な斜視図である。
【図2】図1のヘッダ部に含まれる青色LDの模式的な斜視図である。
【図3】図1のヘッダ部に含まれる赤外LDの模式的な斜視図である。
【図4】図1のヘッダ部に含まれる赤色LDの模式的な斜視図である。
【図5】本発明の実施形態1による多波長レーザ装置の模式的な斜視図である。
【図6】図5の多波長レーザ装置の等価回路図である。
【図7】本発明の実施形態2による多波長レーザ装置のヘッダ部の模式的な斜視図である。
【図8】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図9】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図10】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図11】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図12】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図13】図7に含まれるレーザ素子の製造工程とその完成像を示す模式的な断面図である。
【図14】従来技術に基づくハイブリッド型多波長レーザ装置の一部を示す模式的な斜視図である。
【図15】従来技術に基づくモノリシック型多波長レーザ装置の一部を示す模式的な斜視図である。
【符号の説明】
100 多波長レーザ装置、11、131、141 支持基体、12、134、144 青色LD、13、132、142 赤外LD、14、133、143赤色LD、18、19、20、135、136、137 ワイヤ、201、301、401 基板、202 下部コンタクト層、203、303、403 下部クラッド層、204、404 下部ガイド層、205、305、405 活性層、206 蒸発防止層、207、407 上部ガイド層、208、308、408 第一の上部クラッド層、309、409 エッチストップ層、310、410 第二の上部クラッド層、211、311、411 上部コンタクト層、212、312、412 リッジストライプ、213 電流狭窄層、313、413 埋め込み層、214、314、414 p型用電極、215、315、415 n型用電極、38、39、40 ピン、41、48、49、50 リード、31 レーザ素子、32 青レーザ部、33 赤外レーザ部、34 赤レーザ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、多種の光ディスクの互換性を保つことが可能な光ピックアップ装置に関し、特に、3つの波長のレーザ光を出射することが可能な多波長光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録密度を向上させる記録媒体とそのための再生装置の開発が盛んに行われている。例えば、デジタル多用途ディスク(DVD)は映像の記録媒体として多方面に普及しつつあり、今後の需要の増大が期待されるメディアである。したがって、従来のコンパクトディスク(CD)や録再できるCD(CD−R、CD−RW)などとDVDとの互換性を有する光ピックアップを開発する要望が高まっている。
【0003】
現在、DVDの再生用光源には波長650nm帯の半導体レーザダイオード(LD)が使用されており、CDやCD−Rには波長780nm帯のLDが使用されている。さらに、次世代のDVDでは波長410nm帯のLDが使用される。CD、CD−R/RW、およびDVDなどにおける規格では、ディスク側の録再方式の相違いもあり、どれか一種類のLDで主な規格をカバーすることは不可能である。したがって、全てのメディアとの互換性を確保するためには、上述の3波長のレーザ光を読み書きできるピックアップを搭載することが望ましい。
【0004】
この場合、それぞれの波長に対応するピックアップを一つの録再装置に3つ搭載するという手段もある。しかし、一つの録再装置に3つものピックアップを搭載すれば、その録再装置の大型化が避けられないのみならず、コストの増大を引き起こす。したがって、一つのピックアップによって3種類のメディアに関して読み書きできることが望ましい。そのためには、光ピックアップに3つの波長を出射することが可能な多波長レーザ装置を使用することが必要となる。具体的には、波長780nmの赤外半導体LDと、波長650nmの赤色半導体LDと、波長410nmの青色半導体LDとを近接して配置した半導体レーザ装置が挙げられる。
【0005】
図14はこのような役割を果たす従来の多波長レーザ装置の一例を示す模式的な斜視図であり、互いに発光波長が異なる3種類の半導体LDを集積した多波長レーザ装置のレーザ搭載部分を拡大して示している(例えば、特開2000−174398号参照)。これは、各LDを個別に作製した後に集積したいわゆるハイブリッド型のレーザ装置であり、ヒートシンク131の平坦な面上に、それぞれ赤外色、赤色、および青色の発光波長を有する半導体LD132、133、および134が、この順でそれらのレーザビームの出射方向が互いにほぼ平行になるようにマウントされている。そして、それぞれの半導体LDにはワイヤ135、136、および137が接続されており、各LDが独立に動作できるようにされている。このようなハイブリッド型のレーザ装置では、一つの半導体LDに不良が生じても、それを良品のLDと交換できるので、レーザ装置の歩留まりの低下を抑えることができるメリットがある。
【0006】
図15は、従来の多波長レーザ装置の他の例を示す模式的な斜視図である(例えば、特開平11−186651号公報参照)。この図は搭載されたレーザ部のみを拡大して示しており、これは一つの基板上に3種類の発光波長のレーザ部を気相結晶成長法を利用して形成したいわゆるモノリシック型のレーザ装置である。具体的にはSiC基板141上に、それぞれ赤外レーザ部142、赤レーザ部143、および青レーザ部144がこの横並びの順に配置されており、それぞれ独立に動作し得るように形成されている。モノリシック型のレーザ装置の場合では、一つのレーザ部に不良が生じてもそれを含むレーザ装置全体が不良となるので、歩留まりはそれぞれのレーザ部の歩留まりの掛け合わせとなるが、光ピックアップに重要な要素である発光点位置の制御性に優れるというメリットがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、互いに発光波長の異なる3つ以上のLDを集積する場合、それらのLDをどのように並べるべきかについて、これまでにあまり考慮されていない。しかし、複数のLDを集積して使用する場合、本発明者らの考えによれば、複数のLDの並べ方と光ピックアップの光学系との関係を考慮すべきであり、複数のLDの配置を適切に行うことが重要であると考えられる。
【0008】
理想的には、3つのピックアップを搭載する場合と同様に、レーザの一波長に対応して一つの光学系を準備することが望ましいが、それでは複数のLDを集積して一つのピックアップにする利点が得られない。したがって、光学系としては、一つの発光波長のLDを搭載したピックアップの場合と同様に、単一の光学系を使用することが好ましい。また、複数のLDが集積されたレーザ装置では、それら複数のLDのレーザ光出射点を1点に一致させることは不可能であるから、単一の光学系において、各波長のLDのそれぞれに最適な複数の光学系の役割を果たさせることは困難である。
【0009】
このような従来技術の状況に鑑み、本発明は、互いに異なった波長の光を出射する複数のLDを集積した多波長レーザ装置と単一光学系との関係を改善することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による多波長レーザ装置は、青色レーザダイオードと赤色レーザダイオードと赤外色レーザダイオードとを同一基体上に有し、各レーザダイオードのレーザ光出射点が実質的に同一直線上に配置され、青色レーザダイオードのレーザ光出射点が他の二つのレーザ光出射点の間に配置されることを特徴としている。
【0011】
なお、それらのレーザダイオードは、同一基板上において気相結晶成長法を利用して形成され得る。他方、複数のレーザダイオードは、それぞれ融点の異なる半田を用いて同一基体上にマウントされてもよい。青色レーザダイオードと赤色レーザダイオードと赤外色レーザダイオードとを同一基体上にマウントする場合、それぞれのレーザダイオードに対して融点の異なる半田を融点の高い順に使用することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
単一光学系で単一波長のレーザ光を絞り込むときの問題点としては、一例として各種メディアにおける記録サイズの違いが挙げられる。例えば、青色LDを用いたDVDでは、赤色LDを用いたDVDと比較して、ディスク側の書き込みピットの面積が半分以下となり、レーザビームをより小さなスポットに集光する必要が生じる。したがって、青色LDを用いるDVDでは、その光学系の精度も、赤色LDを用いたDVDよりも高くする必要がある。したがって、多波長レーザ装置中の複数のLDの配置に関しては、最も精度が求められる青色LDを基準にした配置が望まれる。
【0013】
光ピックアップにおいては、レーザ光源をレンズの光軸中心に配置することによて各種の光学的収差を防止することが容易となり、読取りや書込みの精度が安定した光ピックアップを製造することが可能となる。したがって、光学的設定条件が厳しい青色LDを光軸中心に配置することが、精度の安定した光ピックアップの製造の観点から有利となる。しかし、図14や図15に示されているような従来技術による複数のLDの配列では、光ピックアップの光軸中心に青色LD134または144を配置した場合に、赤外LD132または142がその光軸中心から非常に遠くに離れてしまう。したがって、青色LDを光軸中心に配置しても赤色LDおよび赤外LDが共にその光軸から大きく離れない構成が望まれる。
【0014】
(実施形態1)
図1は、実施形態1における多波長レーザ装置のステム上にマウントされた複数のLDを模式的に図解した斜視図である。この多波長レーザ装置において、ステムの先端部の支持基体11の平面上には、青色LD12と赤外LD13と赤色LD14とが配設され、それらのLDが独立に動作できるように電力を供給する第一のワイヤ18、第二のワイヤ19、および第三のワイヤ20がそれぞれ接続されている。そして、青色LD12が他のLD13と14に挟まれて配置されるように構成されている。
【0015】
支持基体11は、銅を主成分とする金属からなっており、ヒートシンクとしても作用する。支持基体11上に配設されるそれぞれのLD12〜14は、それらが出射するレーザビームがほぼ平行になるようにマウントされている。また、各LDはそのn型用電極側が支持基体11側になるように、すなわちpサイドアップでマウントされており、p型用電極側にワイヤが接続される。これらのワイヤ18、19、および20は、LD12、13、および14のストライプ状導波路212、312、および412から離れた位置に接続され、ストライプ状導波路にダメージを与えることを防止し得るように配慮されている。さらに各LDにおいて、導波路のリア側に高反射膜が形成され、ワイヤ18、19、および20と支持基体11とから閾値以上の電流が注入されれば、導波路のフロント側からレーザ光が出射される。次に、この多波長レーザ装置の製造方法について説明する。
【0016】
まず、図2の模式的な斜視図を参照して、青色LD12は複数のGaN系半導体層から構成され、n型GaN基板201上に、有機金属気相成長法(MOCVD)にて形成される。具体的には、n型GaN基板201の第一主面上に、n型GaN下部コンタクト層202、n型Al0.1Ga0.9N下部クラッド層203、n型GaN下部ガイド層204、Inx1Ga1−x1N量子井戸層とInx2Ga1−x2N障壁層(但しx1>x2)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造の活性層205、p型Al0.2Ga0.8Nからなる蒸発防止層206、p型GaN上部ガイド層207、p型Al0.1Ga0.9N上部クラッド層208、およびp型GaN上部コンタクト層211を順に積層する。活性層205は、波長約405nmの光を放射できるように組成と構造が設定される。
【0017】
次に、フォト工程を利用して2μm程度の幅のストライプ状レジストを形成し、反応性イオンエッチング(RIE)などによって上部クラッド層208と上部コンタクト層211を含むリッジストライプ212を形成し、光の導波ができるようにする。続いて酸化珪素膜を蒸着してリフトオフして、電流注入をリッジストライプ212の頂部のみから行うための電流狭窄層213をそのリッジストライプの両側に設ける。
【0018】
さらにリッジストライプ212上には、Pd/Auをこの順に真空蒸着などにより積層したp型用電極214が形成される。このp型用電極214には、ワイヤのボンディングを考慮して、幅広領域を設けることが好ましい。続いて、基板201の第二主面側を研磨などで削ることでウエハ全体の厚みを調整し、その後に基板201の第二主面側にTi/Alをこの順で真空蒸着などにより積層することでn型用電極215を形成する。さらに、LDのマウント時の密着性向上のために、n型用電極215上にMo/Auをこの順で真空蒸着してレーザウェハの形成を完了する。
【0019】
その後に、ウェハをレーザバーに劈開して、レーザ共振器端面を劈開面で形成する。レーザバーのリア側には2種類以上の酸化物層を含む多層反射膜(図示せず)を形成し、レーザ光を共振器のフロント側から取り出せるようにする。さらに、レーザバーから幅200〜300μm程度の複数のチップに分割して、複数の青色LD12を得る。
【0020】
図3を参照して、赤外LD13は複数のAlGaAs系半導体層から構成され、n型GaAs基板301上にMOCVD法または分子線エピタキシー(MBE)法などにより堆積される。より具体的には、n型GaAs基板301の第一主面上に、n型Al0.55Ga0.45As下部クラッド層303、Alx3Ga1−x3As障壁層とAlx4Ga1−x4As量子井戸層(但しx3>x4)の交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層305、第一のp型Al0.55Ga0.45As上部クラッド層308、p型GaAsからなるエッチストップ層309、第二のp型Al0.55Ga0.45As上部クラッド層310、およびp型GaAs上部コンタクト層311を順に積層する。活性層305は、波長約780nmの光を放射できるように組成と構造が設定される。
【0021】
その後、フォト工程により5μm幅程度の酸化珪素または窒化珪素などのストライプ状マスク(図示せず)を形成した後に、エッチストップ層309に達するまでエッチングし、第二上部クラッド層310と上部コンタクト層311を含むリッジストライプ312を形成して光の導波ができるようにする。リッジストライプ312の両側には、光を閉じ込めのためと電流注入をリッジストライプ312の頂部のみから行うために、n型GaAs埋め込み層313が成長させられる。リッジストライプ312上には、真空蒸着などによってZn/Auをこの順に積層したp型用電極314が形成される。このp型用電極314においても、ワイヤのボンディングを考慮し、幅広領域を設けることが好ましい。
【0022】
続いて、n型GaAs基板301の第二主面側をウェットエッチングなどで削ることで、ウエハ全体の厚みを調整し、その後にn型GaAs基板301の第二主面側にNi/Ge/Auをこの順に真空蒸着などで積層することによってn型用電極315を形成する。続いて、LDのマウント時の密着性を向上させるために、n型用電極315上にMo/Auをこの順で真空蒸着してウェハの形成を完了する。その後、ウェハを複数のバーに劈開して、レーザの共振器端面を劈開面で形成する。レーザバーのリア側には2種類以上の酸化物層を含む多層反射膜(図示せず)を形成して、レーザ光をフロント側から取り出せるようにする。さらに、レーザバーから幅200〜300μm程度の複数のチップを分割して、複数の赤外LD13を得る。
【0023】
図4を参照して、赤色LD14は複数のInAlGaP系半導体層から構成され、n型GaAs基板401上にMBE法により堆積される。具体的には、n型GaAs基板401の第一主面上に、n型Al0.35Ga0.15In0.5P下部クラッド層403、n型Al0.25Ga0.25In0.5P下部ガイド層404、Inx5Ga1−x5P量子井戸層とAlx6Gax7In1−x6−x7P障壁層との交互積層構造からなる多重量子井戸層構造を有する活性層405、p型Al0.25Ga0.25In0.50P上部ガイド層407、第一のp型Al0.35Ga0.15In0.50P上部クラッド層408、p型In0.5Ga0.5Pからなるエッチストップ層409、第二のp型Al0.35Ga0.15In0.50P上部クラッド層410、およびp型GaAs上部コンタクト層411を順に積層する。活性層405は、波長650nmの光を放射できるように組成と構造が設定される。
【0024】
次に、フォト工程により5μm幅程度の酸化珪素または窒化珪素などのストライプ状マスク(図示せず)を形成した後に、エッチストップ層409に達するまでエッチングして第二の上部クラッド層410と上部コンタクト層411を含むリッジストライプ412を形成し、光の導波ができるようにする。リッジストライプ412の両側には、光を閉じ込めるためと電流注入をリッジストライプ412の頂部のみから行うために、n型GaAs埋め込み層413が成長させられる。リッジストライプ412上には、Zn/Auをこの順に真空蒸着などによって積層したp型用電極414が形成される。このp型用電極414には、ワイヤのボンディングを考慮して、幅広領域を設けることが好ましい。
【0025】
続いて、n型GaAs基板401の第二主面側をウェットエッチングなどで削ることによってウエハ全体の厚みを調整し、n型GaAs基板401の第二主面側にNi/Ge/Auをこの順で真空蒸着などで積層することによってn型用電極415を形成する。その後、LDのマウント時の密着性を向上させるために、p型用電極414上にMo/Auをこの順で真空蒸着して、ウェハの形成を完了する。続いて、ウェハを複数のバーに劈開して、レーザの共振器端面を劈開面で形成する。レーザバーのリア側には2種類以上の酸化物層を含む多層反射膜(図示せず)を形成して、レーザ光をフロント側から取り出せるようにする。さらにレーザバーから幅200〜300μm程度の複数のチップを分割して、複数の赤色LD14を得る。
【0026】
上述のようにして得られたLD12、13、および14は、図1に示されているように、支持基体11上にマウントされる。支持基体11の中央部に青色LD12を載せ、その両側に赤外LD13と赤色LD14をマウントする。この時、すべてのLDをマウントするために同じ半田材を使用することも不可能ではないが、各LDに対して融点の異なる半田を用いて支持基体11に接続すれば、一つの素子をマウントする際に他の素子の位置ずれなどが起こりにくくて便利である。そのような半田としては、インジウム基、鉛基、錫基、アルミニウム基、金基など、種々の半田材から選択することができる。また、LDのマウントは、最も融点の高い半田を使用するものから順に行うようにする。例えば、青色LD12にはAu80Sn20半田を用い、そして赤外LD13にはAu10Sn90半田を用い、最後に赤色LD14にはIn半田を用いることが可能である。
【0027】
また、LD同士は、互いが接触してショートしないよう、10〜数10μm程度離して配置する。さらに、それぞれの光の出射方向が概略並行となるようにすれば、それぞれのLDのレーザ光出射点間隔は210〜350μm程度となる。光の出射方向は、それぞれのレーザ素子の共振器端面たる劈開面をアライメントとして調整することができる。
【0028】
図5に示されているように、それぞれのLDにはワイヤが接続され、外部から電力が供給できるようにする。支持基体11は、円形の放熱板15と共にステム10本体を構成し、ステム10の外部のリード41に電気的に接続されて、電力を供給できるようになっている。レーザ素子のp側に電力を供給するピン38、39、および40はステム10から絶縁され、外部のリード48、49、および50にそれぞれ直結している。レーザ光として出射される3つの波長の光を透過しうる透過材51を有するキャップ52がステム10に接合され、多波長レーザ装置100が完成する。なお、図5は、レーザ装置の内部をわかりやすくするために、キャップ52の一部を切断した様子を示している。
【0029】
図6には、レーザ装置100の等価回路が示されている。青色LD12、赤外LD13、および赤色LD14のnサイドはアースに接続され、pサイドにそれぞれの素子を駆動する電力供給源が接続されており、それぞれのLDが独立に動作できるように構成されている。
【0030】
本発明においては、青色LDが赤外と赤色の両LD間の中央に配置されるので、青色LDをレンズの光軸中心に配置しても、赤外と赤色の両LDも光軸から極端に遠くない距離に配置することができる。本実施形態では、青色LD12を光軸中心に配置したとして、すべてのLD12〜14が光軸から210〜350μm程度の範囲内にあることとなる。このため、レンズの精度を高くする領域を小さくできるなどの効果が得られ、光ピックアップの製造が容易となる。また赤色LDと赤外LDが光軸からほぼ等距離に配置されることにより、光ピックアップの設計を容易にすることができて、その製造の歩留まり向上をはかることが可能となる。
【0031】
(実施形態2)
図7は、実施形態2における多波長レーザ装置のステムの上部を模式的に図解した斜視図である。なお、本実施形態2に関する図面において、実施形態1と同一または対応する部分については同一符号を付し、その詳細な説明は繰り返されない。
【0032】
本実施形態2に特徴的な点は、支持基体11上にマウントされるレーザ素子31が、同一基板上で異なった波長の光を出射することが可能なモノリシック型になっていることである。すなわち、レーザ素子31においては、青レーザ部32と赤外レーザ部33と赤レーザ部34とが、同一基板上に気相結晶成長によって形成されている。各レーザ部32、33、および34は、それぞれ対応するストライプ状導波路212、312、および412を有し、それぞれに独立に電力供給できるように構成されている。
【0033】
図8〜図13の模式的な断面図を参照して、レーザ素子31の製造方法について説明する。レーザ素子31は、n型GaAs基板301上においてMOCVD法や分子線エピタキシー(MBE)法を利用して形成される。耐熱性の強い順に、青レーザ部32、赤外レーザ部33、その後に赤レーザ部34を形成し、耐熱性の弱い赤レーザ部34に大きい熱負荷がかかることを防止する。
【0034】
具体的には、図8に示すように、まず青レーザ部32をMOCVD法により形成する。最初に、n型GaAs基板301上にn型GaNからなるバッファ層216を成膜する。このバッファ層は、格子定数の異なるGaAs基板上にGaN系半導体層を結晶性よく成長させるために設けられる。続いて、実施形態1における青色LDと同様に、複数のGaN系半導体層をp型GaN上部コンタクト層211までを形成する。
【0035】
その後、CVDや真空蒸着により酸化珪素または窒化珪素などからなる保護膜318をウェハ全面上に形成し、この保護膜にフォト工程とエッチングにより開口部(図示せず)を設ける。残された保護膜帯318と開口部の幅は、それぞれ200μmと550μmにする。そして、反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチングで、青レーザ部32となるべきメサを形成する。その結果、ウェハには青レーザ部32となるべきメサが周期的に存在し、それらのメサ間の谷間において赤外と赤のレーザ部が形成されるべき領域では、n型GaAs基板301が露出される。なお、図8では青レーザ部32となるべきメサが一つと、赤外と赤のレーザ部が形成されるべき谷間が二つ示され、その他は図示省略されている。このことに関しては、図12までの各図においても同様である。
【0036】
図9においては、青レーザ部32上の保護膜318を残したままで、露出されたn型GaAs基板301上に赤外レーザ部33を形成する。まず、実施形態1における赤外LDと同様に、複数のAlGaAs系半導体層をp型GaAs上部コンタクト層311まで成長させる。この時、成長終了後の上部コンタクト層311の表面位置が、青レーザ部32における上部コンタクト層211の表面位置と概略等しくなるように、下部クラッド層303の厚みを変えるなどして調整する。
【0037】
続いて、CVDまたは真空蒸着により酸化珪素または窒化珪素などからなる保護膜316をウェハ全面上に形成し、この保護膜316にフォト工程によりストライプ状の開口部(図示せず)を設ける。この時残された保護膜帯316の位置が、後に赤外レーザ部33となる。残される保護膜帯316と開口部の幅は、それぞれ200μmと550μmにする。保護膜帯316は青レーザ部32間の谷間の上で、かつその端が青レーザ部32から50μm離れた地点に形成される。これによって、青レーザ部32の隣に赤外レーザ部33を作りこむことができる。
【0038】
すなわち、保護膜316の開口部からウェットエッチングやドライエッチングの手法で、赤外レーザ部33となるべきメサを形成する。この工程において、後に赤レーザ部を形成すべき領域と青レーザ部32上とに成長された複数のAlGaAs系半導体層を除去するとともに、青レーザ部32と赤外レーザ部33とを互いに分離する。そして、ウェハ上に残されたメサ間には、幅50μm程度の狭い谷間と、幅300μm程度の広い谷間とが形成される。これらの谷間ではn型GaAs基板301が露出され、広い谷間に赤レーザ部34が形成される。
【0039】
図10において、保護膜318と316を残したままで、露出されたn型GaAs基板301上に赤レーザ部34を形成する。まず、実施形態1における赤色LDと同様に、複数のInGaAlP系半導体層をp型GaAs上部コンタクト層411まで成長させる。その成長終了後の上部コンタクト層411の表面位置が、他の素子レーザ部の上部コンタクト層の表面位置と概略等しくなるように、下部コンタクト層403の厚みを変えるなどして調整する。続いて、赤外レーザ部33と同様に保護膜317を形成し、さらにフォト工程によりストライプ状の開口部(図示せず)を設ける。保護膜317が残される場所は、青レーザ部32および赤外レーザ部33から50μm程度離れた位置であり、ストライプ状の保護膜317の幅は200μmである。この場所は、青レーザ部32と赤外レーザ部33との間の広い谷間に対応する。続いて保護膜317の開口部から、ドライエッチングやウェットエッチングを行えば、赤レーザ部34を形成すると共に他のレーザ部との分離を行うことができる。
【0040】
図11においては、赤外レーザ部33と赤レーザ部34のリッジストライプを形成する。まず、フォト工程を利用して、保護膜帯316と317をさらに細い4μm程度のストライプ状に加工する。この時、すべてのレーザ部の高さが概略等しいので、フォト工程を同時に行うことができる。続いてウェットエッチングにより、上部コンタクト層311と411および第二上部クラッド層310と410をエッチストップ層309と409に達するまでエッチングし、赤外と赤のレーザ部のリッジストライプ312と412を形成する。
【0041】
図12において、赤外と赤のレーザ部のリッジストライプ312と412をn型GaAs埋め込み層313と413でそれぞれ埋め込み、リッジストライプ上部に堆積したn型GaAs層部分を除去する。なお、各レーザ部を分離する谷間において、埋め込み層たるn型GaAsが成長した場合には、その埋め込み層部分をも除去する。続いてリッジストライプ312と412の上および埋め込み層313と413の上に、実施形態1と同様にZn/Auの順で蒸着してp型用電極314を形成する。赤外レーザ部33および赤レーザ部34に対するp型用電極の材料は同じであるから、それらのp型用電極は同時に形成することができる。また、赤外レーザ部33と赤レーザ部34のリッジストライプを青レーザ部32のリッジストライプよりも先に形成するのは、赤外と赤のレーザ部ではn型GaAs層でリッジストライプを埋め込む必要があるからである。すなわち、リッジストライプを埋め込む工程において、青レーザ部32のp型用電極が過度に加熱されて劣化することを避けるためである。
【0042】
図13においては、青レーザ部32のリッジストライプ212を形成する。赤外レーザ部33と赤レーザ部34を保護する保護膜(図示せず)を形成した上で、フォト工程を利用して保護膜帯318を2μm程度の細いストライプ状に加工する。続いて、上部クラッド層208が厚さ0.03μm程度で残るように、上部コンタクト層211と上部クラッド層208をRIEにてエッチングして、ストライプ状導波路212を形成する。この上から、電流狭窄層213およびp型用電極214を形成して青レーザ部32を完成する。
【0043】
次に、n型GaAs基板301の第二主面側を削って厚みを調整し、Ni/Ge/Auをこの順で蒸着してn型用電極315を形成する。さらに、レーザ素子のマウントを容易にするためにn型用電極315上にMo/Auをこの順で真空蒸着し、ウェハの形成を完了する。続いて実施形態1と同様にバー状に劈開して共振器端面を形成後、バーのリア側に多層反射膜(図示せず)を形成する。この多層反射膜は、3種類のレーザ部が出射する光の波長のそれぞれに対して反射率が高くなるように設計する。多層反射膜に使用される材料は、SiO2、TiO2、Al2O3やZrO2といった酸化物や、窒化物、硫化物、ハロゲン化合物などの種々の屈折率を持つ材料を使用でき、条件を満たす組み合わせは数多く考えることができる。なお、反射膜に使用する材料は、メサ端面にコーティングする関係上、絶縁性を持つものでなければならない。最後に、青レーザ部32がレーザ素子31の中央に来るように、赤外レーザ部33と赤レーザ部34との間でレーザバーを分割し、レーザ素子31の形成を完了する。この後、実施形態1と同様にワイヤを接続すればよい。
【0044】
本実施形態においても、青色LDがレーザ装置の中央に配置されているので、実施形態1と同様の効果を得ることが可能である。
【0045】
なお、上述の実施形態中では、レーザ装置のヘッダ部におけるレーザ素子は全てpサイドアップとしたが、これをpサイドダウンとしてマウントしても構わない。また、実施形態2に示したモノリシック型レーザ素子の基板は、GaAs以外にも、GaNやGaPなどを用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明においては、3つの波長のレーザ光を出射することが可能な混載レーザ装置において、青色LDを中央に配置し、その両側に赤色LDと赤外LDを配置している。この結果、レーザ光の絞込みを行う上でもっとも大きな制約を受ける青色LDをレンズの光軸上に配置することができ、光ピックアップの設計を容易化するとともに、製造の容易化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による多波長レーザ装置のヘッダ部の模式的な斜視図である。
【図2】図1のヘッダ部に含まれる青色LDの模式的な斜視図である。
【図3】図1のヘッダ部に含まれる赤外LDの模式的な斜視図である。
【図4】図1のヘッダ部に含まれる赤色LDの模式的な斜視図である。
【図5】本発明の実施形態1による多波長レーザ装置の模式的な斜視図である。
【図6】図5の多波長レーザ装置の等価回路図である。
【図7】本発明の実施形態2による多波長レーザ装置のヘッダ部の模式的な斜視図である。
【図8】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図9】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図10】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図11】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図12】図7に含まれるレーザ素子の製造工程を示す模式的な断面図である。
【図13】図7に含まれるレーザ素子の製造工程とその完成像を示す模式的な断面図である。
【図14】従来技術に基づくハイブリッド型多波長レーザ装置の一部を示す模式的な斜視図である。
【図15】従来技術に基づくモノリシック型多波長レーザ装置の一部を示す模式的な斜視図である。
【符号の説明】
100 多波長レーザ装置、11、131、141 支持基体、12、134、144 青色LD、13、132、142 赤外LD、14、133、143赤色LD、18、19、20、135、136、137 ワイヤ、201、301、401 基板、202 下部コンタクト層、203、303、403 下部クラッド層、204、404 下部ガイド層、205、305、405 活性層、206 蒸発防止層、207、407 上部ガイド層、208、308、408 第一の上部クラッド層、309、409 エッチストップ層、310、410 第二の上部クラッド層、211、311、411 上部コンタクト層、212、312、412 リッジストライプ、213 電流狭窄層、313、413 埋め込み層、214、314、414 p型用電極、215、315、415 n型用電極、38、39、40 ピン、41、48、49、50 リード、31 レーザ素子、32 青レーザ部、33 赤外レーザ部、34 赤レーザ部。
Claims (4)
- 青色レーザダイオードと赤色レーザダイオードと赤外色レーザダイオードとを同一基体上に有する多波長レーザ装置であって、各前記レーザダイオードのレーザ光出射点が実質的に同一直線上に配置され、前記青色レーザダイオードのレーザ光出射点が他の二つの前記レーザダイオードのレーザ光出射点の間に配置されていることを特徴とする多波長レーザ装置。
- 各前記レーザダイオードは、気相結晶成長法を利用して同一基板上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多波長レーザ装置。
- 各前記レーザダイオードは、それぞれ融点の異なる半田を用いて前記同一基体上にマウントされていることを特徴とする請求項1に記載の多波長レーザ装置。
- 青色レーザダイオードと赤色レーザダイオードと赤外色レーザダイオードとを同一基体上にマウントする方法であって、それぞれのレーザダイオードに対して融点の異なる半田を融点の高い順に使用してマウントすることを特徴とするレーザダイオードのマウント方法。
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