JP3818815B2 - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザ素子及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、光情報記録再生装置に用いられる半導体レーザ素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代光ディスクであるDVD(ディジタルヴァーサタイルディスク)は、映像記録として135分の動画を再生できること、また情報記録として4.7ギガバイトの容量を有すること等の特徴を有している。
【0003】
DVD再生装置では、DVD(映像記録)、DVD−ROM(情報記録)、DVD−R(一回書込みの情報記録)の再生・データの読み出しに加えて、従来から広く使用されてきたCD、CD−ROM、CD−Rの再生・データの読み出しが可能であることが要望されている。
【0004】
しかし、DVDはCDと比較して次の2つの点で大きな相違があるためシステムの互換性を図るうえで障害となっている。
第1の点は、ディスクの基板厚さがCDでは1.2mmであるのに対し、DVDでは0.6mmになっていることである。これは記録密度を上げるため集光レンズのNA(開口数)を大きくした時、ディスクの傾きに対する許容度を確保するためである。
【0005】
第2の点は、ピックアップで使用する半導体レーザの発振波長である。ディスク上の集光スポット径は波長に比例するため、CDでは780nm帯(赤外域)の半導体レーザを使用していたものが、DVDでは高密度記録を実現するために650nm帯(赤色域)の半導体レーザを使用している。
【0006】
ディスク上の記録情報を読み取るピックアップにとって、基板厚さが異なる2種類のディスクがあるのは光学系の収差の点から障害となる。この解決策として、現在次のような方法が知られている。
【0007】
CD用とDVD用の2つのレンズを切り換えて使用する方法、2焦点レンズを使用する方法、液晶シャッターを使用する方法等である(電子材料 1996年6月号 38ページ参照)。これらの方法を用いると、基板厚さが異なるディスクの情報読み出しが可能となり、DVD再生装置でCD、CD−ROMの読み出しが可能となる。
【0008】
しかしながら、上記方法では、780nm帯の光に反応する色素を記録方法に使用しているCD−Rの情報は、650nm帯の光源を持つDVD装置で再生することはできない。そのため、CD−Rも再生可能なDVD用ピックアップとして以下のような方法が提案されている。
【0009】
第1の方法は、再生装置内にCD用ピックアップ(780nm帯レーザ使用)とDVD用ピックアップ(650nm帯レーザ使用)の2つを内蔵する方法である。しかしこの場合、装置の大型化とコストアップにつながる。
【0010】
第2の方法は、1つのピックアップ内に2種類の波長の光を出す半導体レーザを組み込む事であり、次のような方式が考えられている。
▲1▼半導体レーザパッケージ内部に発振波長の異なるレーザチップを2種類装備する(特開平11−97804号公報参照)。
▲2▼1つのレーザチップの隣接する共振器に対して、コーティング膜の厚さを変えることで、異なる波長で発振させる(特開平3−9589号公報参照)。
▲3▼1つのレーザチップの隣接する共振器に対して、活性層下部の溝幅を変え、活性層のAl含有量を異ならせ、発振波長を変える(特開昭61−19186号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、1つのピックアップ内に2種類の波長の光を出す半導体レーザを組み込む場合、上記の▲1▼においては、発光スポット間の距離が問題となる。すなわち、ピックアップの光学系では、同一のレンズを用いて2つの異なる波長の光を扱うためには、発光スポット間の距離が少なくとも100μm以下でなければならない。しかしながら、通常、2つの独立したレーザチップをパッケージ内に配置するには、並べて配置する関係上、発光スポット間の距離を100μm以下にすることは困難で、かつ配置時の誤差も数十μm程度生ずる。
【0012】
また、上記の▲2▼及び▲3▼においては、活性層は1回の結晶成長工程で2つの発光点を同時に形成するため、その構成材料が同じである。そのためいずれの手法を用いても、2つの発光点の波長差は10nm程度しか得られず、DVDとCDで必要とされる650nmと780nmの2つの発振波長を実現することはできない。
【0013】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、単一の半導体レーザ素子を用いて、赤外域と赤色域のレーザ光を、近接した発光スポット間距離で発生させることができるようにした半導体レーザ素子及びその製造方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明は、半導体基板上に所定の材料を用いた発光層を有する第1の半導体レーザ共振器を形成する工程と、第1の共振器の近隣に半導体基板の主面に対して並列にストライプ状の溝を形成する工程と、そのストライプ状の溝内の壁面及び底面に高抵抗半導体層を形成する工程と、その高抵抗半導体層の一部に電流経路を形成する工程と、前記ストライプ状の溝内に第1の共振器とは異なる材料を用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を半導体基板の主面に対して並列に形成する工程を具備することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。この製造方法においては、半導体レーザ共振器を形成する際、ダブルヘテロ構造の一部を除去してリッジ型導波路ストライプを形成することで、安定な横モード発振を実現することができる。
【0015】
この製造方法によれば、半導体基板上に第1の半導体レーザ共振器を形成し、その近隣にストライプ状の溝を形成し、その溝内の壁面及び底面に高抵抗半導体層を形成し、高抵抗半導体層の一部に電流経路を形成し、ストライプ状の溝内に第1の共振器とは異なる材料を用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を形成し、高抵抗半導体層で第1と第2の半導体レーザ共振器を電気的に分離するようにしたので、互いに異なる材料を用いた発光層を有する発振波長の異なる2つの半導体レーザ共振器を近接して配置することができ、これにより、発振波長の異なる2つの共振器の近接した発光点間隔が精度良く実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明において、半導体基板としては、種々の基板を用いることができる。この半導体基板としては、例えばn型又はp型のGaAs、InP、GaN等の基板が挙げられる。
【0017】
半導体レーザ共振器は、各発光層(活性層とも呼ばれる)に互いに異なる5族の材料を含んでいることが必要である。半導体レーザ共振器では、発光層は一般に3族と5族の材料で構成されるが、その内の5族の材料が異なっていればよい。3族の材料としては、例えはGa、Al、In、B等が挙げられる。5族の材料としては、例えばP、As、N、Sb等が挙げられる。
【0018】
複数の半導体レーザ共振器は、どのような発振波長を有するものであってもよいが、発振波長が赤色域の共振器と発振波長が赤外域の共振器との2つの共振器から構成されることが望ましい。発振波長が赤外域であるとは、780nm程度の波長の光を発生させることを意味し、発振波長が赤色域であるとは、600nm帯の波長の光を発生させることを意味する。
【0019】
このような構成である場合には、半導体基板がGaAs基板であれば、発振波長が赤色域の共振器については発光層をGaInP系の材料で形成し、発振波長が赤外域の共振器については発光層をGaAs系の材料で形成すればよい。ここで、InGaP系の材料とは、GaとAlとで等量の置換が可能であるため、InGaX Al1-X P(0≦X≦1)の材料であることを意味する。また、GaAs系の材料とは、GaX Al1-X As(0≦X≦1)の材料であることを意味する。
【0020】
また、例えば半導体基板がInPであれば、1つの共振器の発光層をInGaAsPで形成し、他のもう1つの共振器の発光層をInGaNSbで形成してもよい。あるいは、例えば半導体基板がGaNであれば、1つの共振器の発光層をInGaNで形成し、他のもう1つの共振器の発光層をInBP又はInBAsで形成してもよい。発光層をInGaAsPで形成した共振器は、出射波長が1.3〜1.5μmであるので、光ファイバー通信用として利用することができる。また、発光層をInGaNSbで形成した共振器は、出射波長が2μm以上であるので、長距離光ファイバー通信用として利用することができる。
【0021】
発光層の材料を上記のように選定することにより、互いに異なる5族の材料を用いた発光層を有する複数の半導体レーザ共振器を、半導体基板に配置した構成とすることができる。
【0022】
複数の半導体レーザ共振器は、各発光層が、半導体基板の主面に対してほぼ同じ高さの位置に存在する構成であることが望ましい。半導体基板の主面とは、複数の半導体レーザ共振器を形成するためのベースとなる共通面を意味する。また、複数の半導体レーザ共振器は、それぞれ屈折率導波構造を有したものであることが望ましい。
【0023】
高抵抗領域は、隣接する半導体レーザ共振器を電気的に分離するのに十分な抵抗を有するものであればよく、空気を介入させて絶縁するエアーギャップや、周辺の半導体よりも抵抗の高い高抵抗半導体層などで形成することができる。高抵抗半導体層は、プロトンやガリウムイオンの注入によって形成することができる。
【0024】
本半導体レーザ素子は、通常、CD及びDVDの両方に対する記録、再生が可能な記録再生装置内の光ピックアップに組み込まれて用いられる。
【0025】
一つの態様によれば、本発明は、同一の半導体基板上に、発振波長が赤外域の半導体レーザ共振器と発振波長が赤色域の半導体レーザ共振器とを並列に形成したことを特徴とする半導体レーザ素子である。
【0026】
この態様の半導体レーザ素子は、半導体基板の半分の領域に、発振波長が赤外域(または赤色域)の第1の半導体レーザ共振器を形成し、次に同一の半導体基板の残り半分の領域に半導体基板の主面に対して並列にストライプ状の溝を形成し、その溝の中に発振波長が赤色域(または赤外域)の第2の半導体レーザ共振器を形成することで構成することができる。この場合、第1の共振器と第2の共振器の電流経路の分離は、第1の共振器と第2の共振器との間に、2つの共振器を電気的に分離するのに十分なエアーギャップのような高抵抗領域を設けることにより達成することができる。
【0027】
高抵抗領域は、2つの共振器を電気的に分離するのに十分な抵抗を有する高抵抗半導体層で形成してもよい。高抵抗半導体層は、ストライプ状の溝の壁面(側面及び底面)を高抵抗層とし、その高抵抗層の一部に電流経路を設けた構成とすることが望ましい。この電流経路は、高抵抗半導体層の一部を不純物拡散で低抵抗化するか、又は高抵抗半導体層の一部を除去することにより形成することができる。
【0028】
この場合、ストライプ状の溝内に設けた第2の共振器を屈折率導波型の構造にすることで、安定な横モード発振を実現することができる。
【0029】
本発明の半導体レーザ素子は、表面を平坦にすることができるため、パッケージに実装する際、パッケージのヒートシンク(放熱)側を、第1の共振器と第2の共振器に対応する部分にそれぞれに分離することで、ジャンクションクダウン(junction-down )の実装が可能となる。
【0030】
もう1つの観点によれば、この発明は、半導体基板上に所定の材料を用いた発光層を有する第1の半導体レーザ共振器を形成する工程と、第1の共振器の近隣に半導体基板の主面に対して並列に開口部を形成する工程と、その開口部内に第1の共振器とは異なる材料を用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を半導体基板の主面に対して並列に形成する工程と、第1の共振器と第2の共振器との間に高抵抗領域を形成する工程を具備することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法である。
【0031】
この製造方法によれば、半導体基板上に第1の半導体レーザ共振器を形成し、その近隣に開口部を形成し、その開口部内に第1の共振器とは異なる材料を用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を形成し、第1の共振器と第2の共振器との間に高抵抗領域を形成し、この高抵抗領域で第1と第2の半導体レーザ共振器を電気的に分離するようにしたので、互いに異なる材料を用いた発光層を有する発振波長の異なる2つの共振器を近接して配置することができ、これにより、発振波長の異なる2つの共振器の近接した発光点間隔が精度良く実現できる。
【0032】
他のもう1つの観点によれば、この発明は、上述した特定の半導体レーザ素子の製造方法で製造された半導体レーザ素子であって、同一の半導体基板上に、互いに異なる材料を用いた発光層を有する複数の半導体レーザ共振器を、半導体基板の主面に対して並列に配置し、これら半導体レーザ共振器の間に高抵抗領域を設けてなる半導体レーザ素子である。
【0033】
この発明によれば、互いに異なる材料を用いた発光層を有する複数の半導体レーザ共振器を、半導体基板の主面に対して並列に配置したので、異なる波長域の複数のレーザ光を近接した発光スポット間距離で平行に発生させることができる。
【0034】
本発明においては、複数の半導体レーザ共振器の発光層は別々のエピタキシャル成長工程で形成されるため、結晶材料を独立して選択することができ、発振波長を780nmと650nmというように別々に設定することが容易に可能となる。
【0035】
また、本発明においては、複数の半導体レーザ共振器が横方向に並んで配置され、かつ表面を平坦にすることが容易であるため、電気的に分離されたヒートシンクへのジャンクションダウン型の実装が可能となり、レーザ素子の高温動作に対しても有利である。また、半導体レーザ素子は剛性のない空気、または半導体レーザ素子と熱伝導率の同じ高抵抗半導体層で分離しているので、動作時の発熱による熱膨張等の影響を受けない。
【0036】
以上のような半導体レーザ素子を使用した光ディスクピックアップは、1個の半導体レーザチップで780nm帯と650nm帯の光を出射することが可能であるため、DVD用ディスクのみでなく、CD、CD−ROM、CD−R用ディスクの読み出しができる。
【0037】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
【0038】
実施例1
図1は本発明の半導体レーザ素子の実施例1の断面を示す説明図である。この半導体レーザ素子は、放熱作用を持つヒートシンク(サブマウント)102上に半導体レーザチップを融着した構成となっている。この半導体レーザチップは、780nmで発振する共振器と650nmで発振する共振器との2つを含んでいる。
【0039】
図において、101はp−GaAs基板、111はn−GaAs電流狭窄層、111aはV溝ストライプ、112はp−AlGaAsクラッド層、113はAlGaAs活性層、114はn−AlGaAsクラッド層、115はn−GaAsキャップ層、160はU型のストライプ状の溝、141は高抵抗層、142は低抵抗層、121はp−AlGaInPクラッド層、122はGaInP活性層、123はn−AlGaInPクラッド層、124はn−GaAsキャップ層、103は共通p型電極、131,151はn型電極、132は電極131に接続されたリード線、152は電極151に接続されたリード線である。
【0040】
半導体レーザチップ上面の電極は、赤外領域である780nm発光用の電極131と、赤色領域である650nm発光用の電極151との2つに分割されており、下側の共通電極103との間に電流を流すことにより、それぞれの波長で発光させることが可能である。
【0041】
図2および図3は実施例1の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図であり、これらの図に基づいて、実施例1の半導体レーザ素子の製造方法を工程順に説明する。なお、図面は、一枚のウェーハ中での一組の半導体レーザに対応する部分のみを示している。
【0042】
まず、p−GaAs基板101上にn−GaAs電流狭窄層111をMOCVD法(metal organic chemical vapor deposition :有機金属気相成長法)で形成した後、フォトリソグラフィーと化学エッチング法でV溝ストライプ111aを形成する。次いでLPE(液相成長)法でp−AlGaAsクラッド層112、AlGaAs活性層113、n−AlGaAsクラッド層114、n−GaAsキャップ層115を積層し(図2(a)参照)、ダブルヘテロ構造を有する第1の半導体レーザ共振器を形成する。この構造のレーザ共振器では780nmで発光する。
【0043】
次に、第1の共振器上にAl2 O3 膜170をEB蒸着で形成し、フォトリソグラフィーと化学エッチング法により、V溝ストライプ111aに近接し、p−GaAs基板101に達する深さをもつU型のストライプ状の溝160を形成する(図2(b)参照)。
【0044】
そして、プロトン照射を行うことで、この溝160の側壁及び底面を高抵抗層141とする(図2(c)参照)。高抵抗層141は、プロトン照射のかわりにガリウムイオンを注入しても形成することができる。
【0045】
次いでSiNx膜171をp(プラズマ)−CVD法で成膜し、フォトリソグラフィーおよび化学エッチング技術を用いて溝160の底面部のSiNx膜171を除去し、不純物拡散を行って溝160の底面部のみを低抵抗化し、低抵抗層142とする(図3(d)参照)。
【0046】
その後SiNx膜171を除去し、Al2 O3 膜170をマスクとして、MOCVD法により、溝160内にp−AlGaInPクラッド層121、GaInP活性層122、n−AlGaInPクラッド層123、n−GaAsキャップ層124からなるダブルヘテロ構造の第2の半導体レーザ共振器を形成する(図3(e)参照)。この構造のレーザ共振器は650nmで発光する。
【0047】
そして、Al2 O3 膜170を除去し、p−GaAs基板101側には共通p型電極103を、n−GaAsキャップ層115,124側には、リフトオフ手法で分離されたn型電極131,151を形成し、各電極にリード線132,152をそれぞれ接続する(図3(f)参照)。
【0048】
このようにして作成されたウェーハを分割し、端面コーティング、パッケージ実装を施すことにより、半導体レーザ素子を得る。
【0049】
本実施例で示した半導体レーザ素子では、780nm発光部がしきい値電流40mA、650nm発光部がしきい値電流70mAで発振し、いずれの波長においても70℃、5mWの条件下で、動作時間2,500時間が得られた。
【0050】
実施例2
次に、本発明の半導体レーザ素子の実施例2について説明する。図4は実施例2の半導体レーザ素子の断面を示す説明図である。
【0051】
この半導体レーザ素子は、ヒートシンク202上に半導体レーザチップをジャンクションダウンで融着した構成となっている。ジャンクションダウンとは、クラッド層で挟まれた活性層(ジャンクション)の部分がヒートシンク202に近づくように、半導体レーザチップのキャップ層の側をヒートシンク202に接続することである。
ヒートシンク202は、絶縁性SiCで構成され、凹部205が形成されているため、表面は電気的に分離された2つの区画を有する構成となっている。
【0052】
図において、201はn−GaAs基板、212はn−AlGaInPクラッド層、213はAlGaInP/GaInPのMQW活性層、214はp−AlGaInPクラッド層、215はp−GaAsキャップ層、216はn−GaAs電流ブロック層、250はストライプ状の溝、241は高抵抗層、242は電流経路、221はn−AlGaAsクラッド層、222はAlGaAs/GaAsのMQW活性層、223はp−AlGaAsクラッド層、224はp−GaAsキャップ層、225はn−GaAs電流ブロック層、203,231,251は電極、204は電極203に接続されたリード線、232は電極231に接続されたリード線、252は電極251に接続されたリード線である。
【0053】
レーザ共振器は、780nmで発振するAlGaAs/GaAsのMQW活性層222と、650nmで発振するAlGaInP/GaInPのMQW活性層213との2つがあり、それぞれ独立した電極251,231を持つため、共通電極203との間に電流を流すことで、780nm発光と650nm発光とを独立して制御可能である。
【0054】
図5および図6は実施例2の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図であり、これらの図に基づいて、実施例2の半導体レーザ素子の製造方法を工程順に説明する。
【0055】
まず、n−GaAs基板201上にn−AlGaInPクラッド層212、AlGaInP/GaInPのMQW活性層213、p−AlGaInPクラッド層214、p−GaAsキャップ層215をMBE(分子線エピタキシャル)法で積層した後、リッジ型導波路ストライプとなる部分以外の部分をp−AlGaInPクラッド層214の途中までエッチングで除去する。次いでエッチングで除去した部分にn−GaAs電流ブロック層216をMBE法で形成する(図5(a)参照)。これによりダブルヘテロ構造で、かつリッジ型導波路ストライプを有する屈折率導波型構造の第1の半導体レーザ共振器を形成する。この構造のレーザ共振器は650nmで発光する。
【0056】
次いで実施例1と同様に、n−GaAs基板201に達する深さのストライプ状の溝250を形成し(図5(b)参照)、その溝250の側壁及び底面を高抵抗層241化する(図5(c)参照)。
【0057】
次いでフォトレジスト271で溝250の底面以外の部分を保護して、化学エッチング法により溝250の底面の高抵抗層241を除去し、電流経路242を形成する(図5(d)参照)。この電流経路242は、実施例1と同様に、不純物拡散を行って溝250の底面部のみを低抵抗化することで形成してもよい。
【0058】
その後、溝250の内部に、MOCVD法でn−AlGaAsクラッド層221、AlGaAs/GaAsのMQW活性層222、p−AlGaAsクラッド層223、p−GaAsキャップ層224を積層する(図6(e)参照)。
【0059】
そして、SiNx膜272をマスクとして、溝250内に積層したAlGaAs系タブルヘテロ構造の一部を、p−AlGaAsクラッド層223の途中までドライエッチング法により除去する。つまり、溝250内のリッジ型導波路ストライプとなる部分以外の部分をエッチングで除去し(図6(f)参照)、その除去した部分にn−GaAs電流ブロック層225を形成する(図6(g)参照)。これによりダブルヘテロ構造で、かつリッジ型導波路ストライプを有する屈折率導波型構造の第2の半導体レーザ共振器を形成する。この構造のレーザ共振器は780nmで発光する。
【0060】
そして、実施例1と同様に、電極203,231,251を形成し、各電極にリード線204,232,252をそれぞれ接続して(図6(h)参照)、ウェーハを分割し、端面コーティング、パッケージ実装を施すことにより、半導体レーザ素子を得る。
【0061】
この実施例の半導体レーザ素子では、ストライプ状の溝250内に形成した第2の半導体レーザ共振器も屈折率導波型構造を有するので、安定した光モードが実現できる。本実施例では、650nm発光部がしきい値電流45mAで発振し、780nm発光部がしきい値電流41mAで発振した。また、ジャンクションダウンでヒートシンク202上に融着しているので、熱の発生する活性層の部分がヒートシンク202に近くなり、このため高温動作性能が向上し、70℃、5mWの条件下で、8,000時間の動作が実現できた。
【0062】
なお、本実施例では、ストライプ状の溝250内にリッジ型導波路ストライプを有する屈折率導波型構造の第2の半導体レーザ共振器を形成したが、実施例1においても、ストライプ状の溝160内にリッジ型導波路ストライプを有する屈折率導波型構造の第2の半導体レーザ共振器を形成するようにしてもよい。
【0063】
また、本実施例では、半導体レーザ素子をジャンクションダウンでヒートシンク202上に融着したが、実施例1の半導体レーザ素子においても、ジャンクションダウンでヒートシンク102上に融着することができる。その場合には、ヒートシンク102を絶縁性SiCで構成し、ヒートシンク102の表面に、凹部を設けて電気的に分離した2つの電極を形成し、それらの電極にそれぞれ電極131,151を対応させて融着し、ヒートシンク102側の電極にリード線132,152をそれぞれ接続すればよい。
【0064】
このようにして、半導体基板上に積層された第1のダブルヘテロ構造を有する半導体レーザ共振器に対して平行にストライプ状の溝を形成し、そのストライプ状の溝内の壁面及び底面を高抵抗化し、その高抵抗化した部分の一部に電流経路を形成し、ストライプ状の溝内に第2のダブルヘテロ構造の半導体レーザ共振器を形成して、同一の半導体基板上に、発振波長が赤外域の半導体レーザ共振器と発振波長が赤色域の半導体レーザ共振器とを並列に形成する。
【0065】
このような構成の半導体レーザ素子であれば、異なるダブルヘテロ構造を有する半導体レーザ共振器を近接して形成しているため、発振波長を大きく異ならせることが可能であり、780nm帯と650nm帯の波長を実現でき、その発光スポット間隔を100μm以下にすることが可能となる。
【0066】
実施例3
次に、本発明の半導体レーザ素子の実施例3について説明する。図7は実施例3の半導体レーザ素子の断面を示すす説明図である。
【0067】
この半導体レーザ素子は、ヒートシンク302上に半導体レーザチップをジャンクションダウンで融着した構成となっている。ヒートシンク302は、絶縁性SiCで構成され、凹部307が形成されているため、表面は電気的に分離された2つの区画を有する構成となっている。
【0068】
図において、301はn−GaAs基板、312はn−AlGaAsクラッド層、313はAlGaAs/GaAsのMQW活性層、314はp−AlGaAsクラッド層、315はp−GaAsキャップ層、316はn−AlGaAs電流ブロック層、350は絶縁のための分離溝、321はn−AlGaInPクラッド層、322はAlGaInP/GaInPのMQW活性層、323はp−AlGaInPクラッド層、324はp−GaAsキャップ層、325はn−GaAs電流ブロック層、303,331,351は電極、305,306はヒートシンク302上に形成されたMo/Au電極、304は電極303に接続されたリード線、332は電極331に接続されたリード線、352は電極351に接続されたリード線である。
【0069】
実施例2と同様に、レーザ共振器は、第1の半導体レーザ共振器である780nmで発振するAlGaAs/GaAsのMQW活性層313と、第2の半導体レーザ共振器である650nmで発振するAlGaInP/GaInPのMQW活性層322との2つがあり、これら2つのレーザ活性層は、それらの間に存在する分離溝350により分離されている。すなわち、2つのレーザ活性層は、高抵抗の空気により絶縁され、それぞれ独立した電極331,351を持つため、共通電極303との間に電流を流すことで、780nm発光と650nm発光とを独立して制御可能である。
【0070】
図8および図9は実施例3の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図であり、これらの図に基づいて、実施例3の半導体レーザ素子の製造方法を工程順に説明する。
【0071】
まず、n−GaAs基板301上に、n−AlGaAsクラッド層312、AlGaAs/GaAsのMQW活性層313、p−AlGaAsクラッド層314、p−GaAsキャップ層315をMOCVD法で積層した後、リッジ型導波路ストライプとなる部分以外の部分をp−AlGaAsクラッド層314の途中までエッチングで除去する。次いでエッチングで除去した部分にn−AlGaAs電流ブロック層316をMOCVD法で形成する(図8(a)参照)。ここで、n−AlGaAs電流ブロック層316での発振波長における吸収がないため、レーザ発振光は、電流ブロック層による吸収を受けない。
【0072】
これによりダブルヘテロ構造で、かつリッジ型導波路ストライプ構造を有する実屈折率導波型の第1の半導体レーザ共振器の部分が完成する。この構造のレーザ共振器は780nmで発光する。
【0073】
次に第2の半導体レーザ共振器を形成するための準備を行う。まず、リッジ型導波路ストライプ319の隣に、基板301に達する深さの共振器形成用の開口部349を形成する(図8(b)参照)。その方法は以下のようにして行う。
【0074】
まず、第1の共振器の上を含むウェーハ全面にAl2 O3 膜370をEB蒸着で形成する。次にAl2 O3 膜370上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィーにより、開口部349に相当する部分のフォトレジストを除去する。次にウエットエッチング法により、開口部349に相当する部分のAl2 O3 膜370、n−AlGaAs電流ブロック層316、p−AlGaAsクラッド層314、AlGaAs/GaAsのMQW活性層313、n−AlGaAsクラッド層312を除去する。表面のAl2 O3 膜370を溶かさずにn−AlGaAsクラッド層312とn−GaAs基板301との界面でエッチングをストップさせるために、エッチャントとして塩酸系のエッチャントを用いる。これにより開口部349が形成される。
【0075】
ここで、後に成長させるn−AlGaInPクラッド層321のモホロジーを良くするために、硫酸(40℃15s)によりn−GaAs基板301の表面リンスを行う。
【0076】
次に、開口部349及びAl2 O3 膜370の上に、MBE法により、n−AlGaInPクラッド層321、AlGaInP/GaInPのMQW活性層322、p−AlGaInPクラッド層323、p−GaAsキャップ層324を形成する(図8(c)参照)。このときAl2 O3 膜370の上には、多結晶の層である不要層327が成長するが、この不要層327はエッチングにより除去する。このエッチングによる除去では、不要層327以外の部分にフォトレジストを形成し、硫酸系エッチャント、飽和臭素水系エッチャント、及びアンモニア系エッチャントを使用して、Al2 O3 膜370が露出するまで不要層327をエッチングで除去し、その後、Al2 O3 膜370を除去する。
【0077】
次に、第2の半導体レーザ共振器の部分を形成する。まず、ウェーハ表面にSiNx膜371をスパッタリング法で形成する(図8(d)参照)。次いでフォトリソグラフィーによりSiNx膜371をマスクとして、AlGaInP系ヘテロ構造の一部をp−AlGaInPクラッド層323の途中までドライエッチング法により除去し、電流ブロック層形成用の開口部374,376を形成する(図9(e)参照)。
【0078】
次に、MBE法により、p−AlGaInPクラッド層323上にn−GaAs電流ブロック層325を成長させる(図9(f)参照)。このときSiNx膜371の上には不要層(多結晶のGaAs)328が成長するが、この不要層328はエッチングにより除去する。このエッチングによる除去では、不要層328以外の部分にフォトレジストを形成し、アンモニア系エッチャントを使用して不要層328を除去する。これにより第2の半導体レーザ共振器の部分が完成する。この構造の第2の共振器の部分は、650nmで発光し、電流ブロック層325がGaAsであるため複素屈折率型の光導波構造となる。
【0079】
次に、MBE法でコンタクト層339を形成し、その上にEB蒸着法でAl2 O3 膜372を形成する(図9(g)参照)。
【0080】
そして、フォトリソグラフィーとドライエッチング法により、第1の共振器の部分と第2の共振器の部分との間に絶縁のための分離溝350を形成する(図9(h)参照)。この分離溝350がGaAs基板301まで至っているので、第1の共振器と第2の共振器との間は、高抵抗である空気により電気的に絶縁される。
【0081】
最後に、電極303,331,351を形成し、各電極にリード線304,332,352をそれぞれ接続する。このようにして作製されたウェーハを分割し、端面コーティングを行い、ヒートシンク302の上にジャンクションダウンで実装することにより、半導体レーザ素子を得る。このようにヒートシンク302の上にジャンクションダウンで実装した場合には、放熱が良いので高出力の場合に有利である。なお、半導体レーザ素子は、ヒートシンク302の上にジャンクションアップ(junction-up )で実装してもよい。
【0082】
図10は半導体レーザ素子をジャンクションアップで実装した場合の例を示す説明図である。
このように、半導体レーザ素子をヒートシンク302の上にジャンクションアップで実装した場合には、ヒートシンク302に配線パターンが不要となるので、リード線304,332,352のボンディングが容易となり、これにより素子の組み立てが容易となる。また、第1と第2の共振器で半導体基板301から上部電極331,351までの高さが異なっていても、ヒートシンク302への実装が容易である。
【0083】
このようにして得た半導体レーザ素子では、第1の共振器はAlGaAsの埋め込みにより実屈折率型の共振器となり、この共振器からは、導波ロスが小さく、しきい値の低いレーザ発振が得られる。また第2の共振器はGaAsの埋め込みにより複素屈折率型の共振器となり、この共振器は屈折率による光閉じ込めを行うため、この共振器からは、活性層における水平方向の光の安定性の高いレーザ発振が得られる。
【0084】
本実施例で示した半導体レーザ素子では、650nm発光部がしきい値電流45mAで発振し、780nm発光部がしきい値電流38mAで発振した。信頼性試験は、70℃、5mWの条件下で9,000時間の動作が実現できた。
【0085】
本実施例では、第1の共振器の部分と第2の共振器の部分との絶縁を分離溝で行うようにしており、この分離溝は、プロトン照射などの大掛かりな装置を必要とせず、実績のあるフォトリソグラフィーとドライエッチングを使用して形成することができるので、作製が容易である。また、第1と第2の共振器で、電流ブロック層を異なる材料で形成できるため、それぞれの共振器で最適な導波構造を選択することができる。
【0086】
なお、本実施例では、リッジ型導波路ストライプのリッジ部分を形成する際にエッチストップ層を使用していないが、より正確な厚さに制御するためにエッチストップ層を導入してもよい。
【0087】
また、動作電圧を下げるために、n−AlGaInPクラッド層321とp−GaAsキャップ層324との間に中間バンドギャップ層を設けてもよい。
【0088】
本実施例では、第1と第2の共振器の電流ブロック層が異なる材料で構成された例を示したが、双方の電流ブロック層を同じAlGaAsで構成することも可能である。その場合には、第1の共振器と第2の共振器との双方が実屈折率導波型となるため、より低い発振しきい値を得ることができる。
【0089】
また、活性層にAlGaAs系の材料を用いた共振器を先に形成し、その後、その共振器に隣接して、活性層にAlGaInP系の材料を用いた共振器を形成するようにしたが、この順序は逆でもよく、活性層にAlGaInP系の材料を用いた共振器を先に形成し、その後、その共振器に隣接して、活性層にAlGaAs系の材料を用いた共振器を形成するようにしてもよい。
【0090】
このようにして、発振波長が赤外域の第1の半導体レーザ共振器を形成した後、それに隣接して開口部を形成し、その開口部内に、発振波長が赤色域の第2の半導体レーザ共振器を形成し、双方の共振器の間に分離溝を形成することにより、同一の半導体基板上に、発振波長が赤外域の半導体レーザ共振器と発振波長が赤色域の半導体レーザ共振器とを並列に形成する。
【0091】
このような構成の半導体レーザ素子であれば、双方の活性層を異なる材料で形成することができるので、発振波長を大きく異ならせることが可能であり、780nm帯と650nm帯の波長を実現でき、その発光スポット間隔を100μm以下にすることが可能となる。そのため本発明による半導体レーザ素子を使用した光ピックアップでは、単一のピックアップでDVDディスクとCD/CD−ROM/CD−Rディスクとの双方の情報の読み出し及び書き込みが可能となる。また、本発明の半導体レーザ素子は表面が平坦であるため、ジャンクションダウンの実装が可能となり、高温条件下でのレーザ素子の信頼性を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
この発明によれば、単一の半導体レーザ素子を用いて、赤外域と赤色域のレーザ光を、近接した発光スポット間距離で発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザ素子の実施例1の断面を示す説明図である。
【図2】実施例1の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図である。
【図3】実施例1の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図である。
【図4】本発明の半導体レーザ素子の実施例2の断面を示す説明図である。
【図5】実施例2の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図である。
【図6】実施例2の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図である。
【図7】本発明の半導体レーザ素子の実施例3の断面を示す説明図である。
【図8】実施例3の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図である。
【図9】実施例3の半導体レーザ素子の製造方法を示す説明図である。
【図10】実施例3の半導体レーザ素子をジャンクションアップで実装した場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
101 p−GaAs基板
102,202,302 ヒートシンク
103 共通p型電極
111 n−GaAs電流狭窄層
111a V溝ストライプ
112 p−AlGaAsクラッド層
113 AlGaAs活性層
114 n−AlGaAsクラッド層
115 n−GaAsキャップ層
121 p−AlGaInPクラッド層
122 GaInP活性層
123 n−AlGaInPクラッド層
124 n−GaAsキャップ層
131,151 n型電極
132,152 リード線
141 高抵抗層
142 低抵抗層
160 ストライプ状の溝
201,301 n−GaAs基板
203,231,251,303,331,351 電極
204,232,252,304,332,352 リード線
205,307 凹部
212,321 n−AlGaInPクラッド層
213,322 AlGaInP/GaInPのMQW活性層
214,323 p−AlGaInPクラッド層
215,224,315,324 p−GaAsキャップ層
216,225,325 n−GaAs電流ブロック層
221,312 n−AlGaAsクラッド層
222,313 AlGaAs/GaAsのMQW活性層
223,314 p−AlGaAsクラッド層
241 高抵抗層
242 電流経路
250 ストライプ状の溝
305,306 Mo/Au電極
316 n−AlGaAs電流ブロック層
349 共振器形成用の開口部
350 分離溝
374,376 電流ブロック層形成用の開口部
Claims (12)
- 半導体基板上に所定の材料を用いた発光層を有する第1の半導体レーザ共振器を形成する工程と、第1の共振器の近隣に半導体基板の主面に対して並列にストライプ状の溝を形成する工程と、そのストライプ状の溝内の壁面及び底面に高抵抗半導体層を形成する工程と、その高抵抗半導体層の一部に電流経路を形成する工程と、前記ストライプ状の溝内に第1の共振器とは異なる材料を用いた発光層を有する第2の半導体レーザ共振器を半導体基板の主面に対して並列に形成する工程を具備することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記半導体基板がGaAs基板からなり、前記第1と第2の半導体レーザ共振器は、各発光層に互いに異なる5族の材料を含んでなる請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記5族の材料がP、As、又はNである請求項2記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記第1と第2の半導体レーザ共振器が、発振波長が赤色域の共振器と発振波長が赤外域の共振器からなる請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記半導体基板がGaAs基板からなり、前記発振波長が赤色域の共振器は、発光層がInGaP系の材料で形成され、前記発振波長が赤外域の共振器は、発光層がGaAs系の材料で形成されてなる請求項4記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記第1と第2の半導体レーザ共振器は、各発光層が、半導体基板の主面に対してほぼ同じ高さの位置に存在する請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記第1と第2の半導体レーザ共振器が、それぞれ屈折率導波構造を有する請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記電流経路が、ストライプ状の溝内の底面に形成された高抵抗半導体層に形成されてなる請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記高抵抗半導体層が、隣接する半導体レーザ共振器が電気的に分離されるのに十分な抵抗を有してなる請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記高抵抗半導体層が、プロトン又はガリウムイオンの注入によって形成されてなる請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 半導体レーザ共振器を形成する際、ダブルヘテロ構造の一部を除去してリッジ型導波路ストライプを形成することを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載の製造方法で製造された半導体レーザ素子であって、CD及びDVDの両方に対する記録、再生が可能な記録再生装置に組み込まれてなる半導体レーザ素子。
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