以下、本発明の一実施の形態に係る半導体レーザ装置、光ピックアップ装置および光学記録媒体駆動装置について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置の外観斜視図である。
以下の説明では、図1の矢印X,Y,Zで示すように、水平面内で直交する2方向をX方向およびY方向と定義し、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向と定義する。図2以降の図面についても上記と同様にX方向、Y方向およびZ方向を定義する。
図1の半導体レーザ装置100において、金属製のベース110はY方向に延びる略直方体形状を有する。X方向におけるベース110の一方側の面(正面)111にX方向へ延びる金属製のキャップ120が取り付けられている。ベース110にはキャップ120内で、後述の1チップ半導体レーザ素子(図2参照)が実装される。この1チップ半導体レーザ素子とは、後述の複数の半導体レーザ素子が1チップに集積化されたものである。
キャップ120のYZ平面と平行な一側面には、1チップ半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を外部に取り出すための取り出し窓121が設けられている。取り出し窓121は1チップ半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の波長の光を透過する透光性の材料(例えば、透光性の樹脂またはガラス等)からなる。
X方向におけるベース110の他方側の面(背面)112からX方向へ延びるように複数のリードピンp1〜p5が設けられている。詳細は後述する。
ベース110は、正面111のY方向に沿った一辺および背面112のY方向に沿った一辺を含む上面113を有する。また、ベース110は、正面111のY方向に沿った他辺および背面112のY方向に沿った他辺を含む下面114を有する。
以下、X方向において、1チップ半導体レーザ素子からレーザ光が取り出される(出射される)方向を正面側とし、正面の逆の方向を背面側として説明する。
図2は、図1の半導体レーザ装置100の1チップ半導体レーザ素子1000、ベース110およびリードピンp1〜p5を説明するための図である。
図2(a)に1チップ半導体レーザ素子1000の正面図が示されている。1チップ半導体レーザ素子1000は、波長約400nmのレーザ光を出射する半導体レーザ素子(以下、青紫色半導体レーザ素子と呼ぶ。)1、波長約650nmのレーザ光を出射する半導体レーザ素子(以下、赤色半導体レーザ素子と呼ぶ。)2および波長約780nmのレーザ光を出射する半導体レーザ素子(以下、赤外半導体レーザ素子と呼ぶ。)3を備える。
青紫色半導体レーザ素子1はGaN基板上に半導体層を形成することにより作製される。赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3はGaAs基板上に半導体層を形成することにより作製される。
図2(a)に示すように、青紫色半導体レーザ素子1は上面側にストライプ状のリッジ部Riを有する。青紫色半導体レーザ素子1のリッジ部Riの側面の両側には絶縁膜4が形成され、リッジ部Riの上面を覆うようにp電極12が形成され、下面にはn電極15が形成されている。青紫色半導体レーザ素子1にはp型半導体とn型半導体との接合面であるpn接合面10が形成されている。
青紫色半導体レーザ素子1の絶縁膜4は、青紫色半導体レーザ素子1と赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3との間を電気的に絶縁するとともに、青紫色半導体レーザ素子1の電流ブロック層の役割を果たす。
赤色半導体レーザ素子2の上面にはn電極23が形成され、下面にはp電極22が形成されている。赤色半導体レーザ素子2にはp型半導体とn型半導体との接合面であるpn接合面20が形成されている。
赤外半導体レーザ素子3の上面にはn電極33が形成され、下面にはp電極32が形成されている。赤外半導体レーザ素子3にはp型半導体とn型半導体との接合面であるpn接合面30が形成されている。
青紫色半導体レーザ素子1の絶縁膜4にp電極12から離間するようにpパッド電極13,14が形成されている。
pパッド電極13,14の上面にそれぞれはんだ膜Hが形成されている。赤色半導体レーザ素子2のp電極22がはんだ膜Hを介してpパッド電極13上に接合されている。また、赤外半導体レーザ素子3のp電極32がはんだ膜Hを介してpパッド電極14上に接合されている。
これにより、赤色半導体レーザ素子2のp電極22とpパッド電極13とが電気的に接続され、赤外半導体レーザ素子3のp電極32とpパッド電極14とが電気的に接続される。
なお、図2(a)に示すように、pパッド電極13は赤色半導体レーザ素子2との接合部以外の上面が外部に露出している。pパッド電極13の露出部は赤色半導体レーザ素子2から青紫色半導体レーザ素子1のp電極12と反対側の側方に延びる。
また、pパッド電極14は赤外半導体レーザ素子3との接合部以外の上面が外部に露出している。pパッド電極14の露出部は赤外半導体レーザ素子3から青紫色半導体レーザ素子1のp電極12と反対側の側方に延びる。
図2(a)において、X方向およびY方向は、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3のpn接合面10,20,30に平行な方向である。Z方向は青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3のpn接合面10,20,30に垂直な方向である。
青紫色半導体レーザ素子1のp電極12とn電極15との間に電圧が印加されることにより、pn接合面10におけるリッジ部Riの下方の領域(以下、青紫色発光点と呼ぶ。)11から波長約400nmのレーザ光がX方向に出射される。
赤色半導体レーザ素子2のp電極22とn電極23との間に電圧が印加されることにより、pn接合面20における所定の領域(以下、赤色発光点と呼ぶ。)21から波長約650nmのレーザ光がX方向に出射される。
赤外半導体レーザ素子3のp電極32とn電極33との間に電圧が印加されることにより、pn接合面30における所定の領域(以下、赤外発光点と呼ぶ。)31から波長約780nmのレーザ光がX方向に出射される。
図2(b)に1チップ半導体レーザ素子1000のベース110の正面図が示されている。
図2(b)に示すように、ベース110の正面下方側にはX方向に延びる板状のヒートシンク110Sが一体形成されている。このヒートシンク110Sは、図1で説明したベース110の上面113および下面114と平行な実装面110dを有する。実装面110dには上述の1チップ半導体レーザ素子1000が実装される。Z方向において、ベース110にはヒートシンク110Sと対向するように、金属製のリードピンp1〜p5が設けられている。
換言すれば、ベース110において、ヒートシンク110Sは上面113と下面114との中間点よりも下面114に近い位置に配置され、リードピンp1〜p5は上面113と下面114との中間点よりも上面113に近い位置に配置されている。
リードピンp1〜p5はY方向へ順に等間隔で並んでいる。リードピンp1〜p4は絶縁リング110zを介してベース110に取り付けられている。なお、X方向において、リードピンp1〜p4はベース110から正面側にわずかに突出するとともにベース110の背面側からX方向に延びるように取り付けられている(後述の図4参照)。リードピンp5はベース110の背面側からX方向に延びるように接着されている。
これにより、リードピンp1〜p4はベース110と電気的に絶縁され、リードピンp5はベース110と電気的に接続されている。
図2(b)において、ベース110はYZ平面内で矢印Aに示すように長軸を有し、矢印Bに示すように短軸を有する。図2(b)のヒートシンク110Sの実装面110d上に図2(a)の1チップ半導体レーザ素子1000が実装される。ヒートシンク110Sの実装面110dはベース110の長軸の方向と平行である。
図3は図2のベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態を説明するための正面図であり、図4は図2のベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態を説明するための上面図である。
図3および図4に示すように、ヒートシンク110Sの中央部に絶縁性の層を有するサブマウント130が設けられている。サブマウント130の上面側にはサブマウント上面電極131が形成され、サブマウント130の下面側にはサブマウント下面電極132が形成されている。さらに、サブマウント130の正面側中央部に図2(a)の1チップ半導体レーザ素子1000が設けられている。
なお、図では省略しているが、サブマウント下面電極132およびヒートシンク110S間、ならびにサブマウント上面電極131および青紫色半導体レーザ素子1のn電極15間は、それぞれはんだにより接着されている。
これにより、青紫色半導体レーザ素子1のn電極15およびサブマウント上面電極131が電気的に接続され、青紫色半導体レーザ素子1とヒートシンク110Sとがサブマウント130の絶縁性の層により互いに電気的に絶縁される。
ここで、ベース110から正面側にわずかに突出するリードピンp1はワイヤW1を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極13に接続され、リードピンp2はワイヤW2を介してサブマウント上面電極131に接続され、リードピンp3はワイヤW3を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp電極12に接続されている。
ベース110から正面側にわずかに突出するリードピンp4はワイヤW4を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極14に接続されている。
また、ヒートシンク110SはワイヤW6を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極23に接続されるとともに、ワイヤW7を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極33に接続されている。上記のワイヤW1〜W7は、例えばAuからなる。
その結果、リードピンp2とリードピンp3との間に電圧を印加することにより青紫色半導体レーザ素子1が駆動される。また、リードピンp1とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤色半導体レーザ素子2が駆動される。さらに、リードピンp4とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤外半導体レーザ素子3が駆動される。
例えば、青紫色半導体レーザ素子1の駆動時には、リードピンp3に正の電圧が印加され、リードピンp2に負の電圧が印加される。赤色半導体レーザ素子2の駆動時には、リードピンp1に正の電圧が印加され、リードピンp5が接地電位にされる。赤外半導体レーザ素子3の駆動時には、リードピンp4に正の電圧が印加され、リードピンp5が接地電位にされる。
図5は、図3の半導体レーザ装置100の駆動装置の一例を示す図である。図5の駆動装置700は、半導体レーザ装置100、駆動回路701、直流電源702およびスイッチ703を備える。
図5の駆動回路701には、直流電圧Vを発生する直流電源(図示せず)が内蔵されている。この直流電圧Vは、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3の動作電圧よりも高い。直流電源702は、負(逆極性)の直流電圧−Vaを出力する。
駆動回路701の陽極端子701aは、スイッチ703の端子703aに接続される。スイッチ703の端子703bは半導体レーザ装置100のリードピンp4に接続され、端子703cは半導体レーザ装置100のリードピンp1に接続される。スイッチ703の端子703dは半導体レーザ装置100のリードピンp3に接続される。
駆動回路701の陰極端子701bは、ノードaに接続される。ノードaは直流電源702の陽極側に接続されるとともに、半導体レーザ装置100のリードピンp5に接続される。また、ノードaは接地(0V)されている。直流電源702の陰極側は半導体レーザ装置100のリードピンp2に接続される。
スイッチ703が端子703bに切り替えられることにより、赤外半導体レーザ素子3に駆動回路701に内蔵された直流電源により直流電圧Vが印加される。それにより、赤外半導体レーザ素子3から波長約780nmのレーザ光が出射される。
一方、スイッチ703が端子703cに切り替えられることにより、赤色半導体レーザ素子2に駆動回路701に内蔵された直流電源により直流電圧Vが印加される。それにより、赤色半導体レーザ素子2から波長約650nmのレーザ光が出射される。
さらに、スイッチ703が端子703dに切り替えられることにより、青紫色半導体レーザ素子1のp電極12に駆動回路701に内蔵された直流電源により直流電圧Vが印加されるとともに、青紫色半導体レーザ素子1のn電極15に直流電源702の負の直流電圧−Vaが印加される。それにより、青紫色半導体レーザ素子1には、駆動回路701の直流電圧と負の直流電源702の直流電圧との合計電圧V+Vaが青紫色半導体レーザ素子1に印加される。それにより、青紫色半導体レーザ素子1から波長約400nmのレーザ光が出射される。
例えば、青紫色半導体レーザ素子1の動作電圧が4〜6Vであり、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3の動作電圧が2〜2.5Vである場合、直流電圧Vを2〜2.5Vに設定し、負の直流電圧−Vaを−1.5〜−4Vに設定するのが好ましい。
このように、ベース110に5つのリードピンp1〜p5が設けられることにより、青紫色半導体レーザ素子1のn電極15に接続されるリードピンp2に負の電圧を印加することができる。これにより、動作電圧の高い青紫色半導体レーザ素子1を駆動させるための直流電圧を、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3の直流電源と同じにすることができる。
それにより駆動装置700の構成の自由度が高くなっている。そして、駆動装置700の構成が単純化している。
上記のように、第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100においては、リードピンp1〜p5がY方向に配列されているので、ベース110のZ方向における半導体レーザ装置100の薄型化が実現される。
また、3つ以上のリードピンp1〜p5が設けられることにより、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3にそれぞれ独立に電圧を印加することができる。これにより、複数の半導体レーザ素子を個別に駆動することが容易になっている。
1チップ半導体レーザ素子1000は、キャップ120、取り出し窓121およびベース110の正面111により封止されている。これにより、1チップ半導体レーザ素子1000が外気から遮断され、信頼性が向上されている。
なお、キャップ120、取り出し窓121およびベース110の正面111により封止される空間内にN2 ガス等の不活性ガスを充填してもよい。この場合、1チップ半導体レーザ素子1000の信頼性がさらに向上される。
さらに、ベース110の長軸の方向とヒートシンク110Sの実装面110dとが平行になっているので、半導体レーザ装置100をZ方向により薄型化することができる。さらに、ベース110の上面113および下面114は互いに平行となっている。これにより、半導体レーザ装置100をZ方向により薄型化することができる。
第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100においては、ヒートシンク110Sが上面113と下面114との中間点よりも下面114に近い位置に配置されている。これにより、ヒートシンク110S上に1チップ半導体レーザ素子1000を実装する際に、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3の青紫色発光点11、赤色発光点21および赤外発光点31をともに半導体レーザ装置100のほぼ中心となるように調整することができる。
それにより、レーザ光をレンズで集光する場合に、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3の光の取り出し効率がともに向上する。
ベース110、ヒートシンク110S、キャップ120およびリードピンp1〜p5は金属材料からなる。これにより、1チップ半導体レーザ素子1000の放熱が効率的に行われる。また、半導体レーザ装置100の強度が向上されている。
動作電圧の高い青紫色半導体レーザ素子1のn電極15は、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3のn電極23,33と電気的に絶縁されている。これにより、青紫色半導体レーザ素子1はリードピンp2およびリードピンp3との間で電圧が印加されることにより駆動される。赤色半導体レーザ素子2はリードピンp1とリードピンp5との間で電圧が印加されることにより駆動される。赤外半導体レーザ素子3はリードピンp4とリードピンp5との間で電圧が印加されることにより駆動される。それにより、リードピンp2に負の電圧を印加することができる。
ここで、青紫色半導体レーザ素子1は赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3に比べて動作電圧が高いため、それぞれの半導体レーザ素子に印加する電圧の自由度を高める必要がある。
上記のように、本実施の形態に係る半導体レーザ装置100によれば、各半導体レーザ素子に印加する電圧の自由度が向上されている。それにより、駆動装置700の構成の自由度が高くなり、駆動装置700を単純にすることができる。すなわち、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3を個別に駆動する際の印加電圧の調整が容易となっている。
第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100は、上述のように薄型化が実現されるとともに、金属製のベース110がY方向に延びている。それにより、1チップ半導体レーザ素子1000において発生する熱がY方向に広がるので1チップ半導体レーザ素子1000の放熱性が向上されている。その結果、1チップ半導体レーザ素子1000の信頼性が向上している。
第1の実施の形態においては、図2(b)の矢印Aが長軸に相当し、図2(b)の矢印Bが短軸に相当し、Y方向が長軸の方向に相当し、Z方向が短軸の方向に相当し、正面111が一面に相当し、背面112が他面に相当し、ベース110がベース部材に相当し、実装面110dが実装面に相当し、ヒートシンク110Sが台座部に相当する。
また、波長約400nm、波長約650nmおよび波長約780nmのレーザ光が第1、第2および第3の波長の光に相当し、リードピンp1〜p5が3つ以上の端子に相当し、半導体レーザ装置100が半導体レーザ装置に相当する。
さらに、キャップ120は封止部材に相当し、取り出し窓121が透光性部材に相当し、上面113が第1の側面に相当し、下面114が第2の側面に相当し、リードピンp3が第1の端子に相当し、リードピンp1が第2の端子に相当し、リードピンp4が第3の端子に相当し、リードピンp2が第4の端子に相当し、リードピンp5が第5の端子に相当する。
p電極12、p型パッド電極13,14が順に第1、第2および第3の半導体レーザ素子の一方電極に相当し、n電極15が第1の半導体レーザ素子の他方電極に相応し、n電極23,33が順に第2および第3の半導体レーザ素子の他方電極に相当する。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置は以下の点で第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100と構造が異なる。
図6は、第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための正面図である。図6では、第1の実施の形態の説明に用いた図3と同様に、ベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態が示されている。
図6に示すように、第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置100aは、ベース110の中央部上方に出力制御用のフォトダイオード140が設けられている。
さらに、図6によれば、Y方向へ順に等間隔で配列されたリードピンp1〜p5のうち、リードピンp1,p2,p4,p5は絶縁リング110zを介してベース110に取り付けられている。リードピンp1〜p5の中央に位置するリードピンp3はベース110の背面側からX方向に延びるように接着されている。
これにより、リードピンp1,p2,p4,p5がベース110と電気的に絶縁され、リードピンp3がベース110と電気的に接続されている。
リードピンp1はワイヤW1を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極13に接続され、リードピンp2はワイヤW2を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp電極12に接続されている。また、リードピンp4はワイヤW3を介してフォトダイオード140のp電極141に接続されている。なお、フォトダイオード140の図示しないn電極はベース110と電気的に接続されている。さらに、リードピンp5はワイヤW4を介して半導体レーザ装置1000のp側パッド電極14に接続されている。
また、ヒートシンク110SはワイヤW6を介してサブマウント上面電極131に接続され、サブマウント上面電極131はワイヤW7を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極23に接続されるとともに、ワイヤW8を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極33に接続されている。
その結果、リードピンp2とリードピンp3との間に電圧を印加することにより青紫色半導体レーザ素子1が駆動される。また、リードピンp1とリードピンp3との間に電圧を印加することにより赤色半導体レーザ素子2が駆動される。さらに、リードピンp3とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤外半導体レーザ素子3が駆動される。
このように、第2の実施の形態では、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3のn電極15,23,33に対して、サブマウント上面電極131およびヒートシンク110Sが共通のn電極として作用している。
例えば、青紫色半導体レーザ素子1の駆動時には、リードピンp2に正の電圧が印加され、リードピンp3が接地電位にされる。赤色半導体レーザ素子2の駆動時には、リードピンp1に正の電圧が印加され、リードピンp3が接地電位にされる。赤外半導体レーザ素子3の駆動時には、リードピンp5に正の電圧が印加され、リードピンp3が接地電位にされる。
上述のように、フォトダイオード140はリードピンp4にp電極141が接続され、リードピンp3にn電極が接続されている。
これにより、フォトダイオード140が1チップ半導体レーザ素子1000から出射されるレーザ光を受光することにより、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3から出射されるレーザ光をフィードバック制御することができる。
ここで、一般にフォトダイオード140は、受光するレーザ光の発振波長が短いと感度が低下する。しかし、上述のように青紫色半導体レーザ素子1を半導体レーザ装置100aの略中央部に設けることができるので、半導体レーザ装置100aの中央部に設けられたフォトダイオード140に効率よく青紫色半導体レーザ素子1から出射される波長約400nm(青紫色)のレーザ光を照射することができる。
それにより、フォトダイオード140の光強度が増すのでフォトダイオード140に流れるモニタ電流が増加する。その結果、制御信号および雑音比の向上により、青紫色半導体レーザ素子1の出力制御を正確に行なうことができる。
第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置100aにおいて、リードピンp3は青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3のn電極15およびn電極23,33とぞれぞれ電気的に接続されている。これにより、4つのリードピンp1,p2,p3,p5により青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3を個別に駆動することができる。すなわち、少ない本数のリードピンで青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3を個別に駆動することが可能となっている。
第2の実施の形態においては、リードピンp2が第1の端子に相当し、リードピンp1が第2の端子に相当し、リードピンp5が第3の端子に相当し、リードピンp3が第4の端子に相当する。
(第3の参考の形態)
第3の参考の形態に係る半導体レーザ装置は以下の点で第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100と構造が異なる。
図7は、第3の参考の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための正面図である。図7では、第1の実施の形態の説明に用いた図3と同様に、ベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態が示されている。
図7に示すように、第3の参考の形態に係る半導体レーザ装置100bは、ベース110の中央部上方でY方向に等間隔となるようにリードピンp1〜p4が順に配列されている。また、ベース110の中央部下方にリードピンp5が設けられている。
リードピンp1〜p4は絶縁リング110zを介してベース110に取り付けられている。リードピンp5はベース110の背面側からX方向に延びるように接着されている。
これにより、リードピンp1〜p4がベース110と電気的に絶縁され、リードピンp5がベース110と電気的に接続されている。
リードピンp1はワイヤW1を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極13に接続され、リードピンp2はワイヤW2を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp電極12に接続されている。また、リードピンp3はワイヤW3を介してサブマウント上面電極131に接続され、リードピンp4はワイヤW4を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極14に接続されている。
また、ヒートシンク110SはワイヤW6を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極23に接続されるとともに、ワイヤW7を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極33に接続されている。
その結果、リードピンp2とリードピンp3との間に電圧を印加することにより青紫色半導体レーザ素子1が駆動される。また、リードピンp1とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤色半導体レーザ素子2が駆動される。さらに、リードピンp4とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤外半導体レーザ素子3が駆動される。
例えば、青紫色半導体レーザ素子1の駆動時には、リードピンp2に正の電圧が印加され、リードピンp3に負の電圧が印加される。赤色半導体レーザ素子2の駆動時には、リードピンp1に正の電圧が印加され、リードピンp5が接地電位にされる。赤外半導体レーザ素子3の駆動時には、リードピンp4に正の電圧が印加され、リードピンp5が接地電位にされる。
上記のように、第3の参考の形態に係る半導体レーザ装置100bにおいては、複数のリードピンp1〜p5のうち、リードピンp5がリードピンp1〜p4の下方に設けられている。すなわち、リードピンp1〜p5がZ方向において複数列となるように配置されている。
これにより、半導体レーザ装置100bのY方向の長さが制限されている場合でも、複数の配線に対応する数のリードピンを設けることができる。
第3の参考の形態においては、リードピンp2が第1の端子に相当し、リードピンp1が第2の端子に相当し、リードピンp4が第3の端子に相当し、リードピンp3が第4の端子に相当し、リードピンp5が第5の端子に相当する。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る半導体レーザ装置は以下の点で第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100と構造が異なる。
図8は、第4の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための正面図である。図8では、第1の実施の形態の説明に用いた図3と同様に、ベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態が示されている。
図8に示すように、第4の実施の形態に係る半導体レーザ装置100cは、ベース110の中央部上方にY方向に延びるリードフレーム150が取り付けられている。リードフレーム150においては、5つの端子r1〜r5が絶縁性の樹脂151内で順に等間隔となるように配置されている。これにより、端子r1〜r5はベース110と電気的に絶縁されている。
端子r1はワイヤW1を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極13に接続され、端子r2はワイヤW2を介してサブマウント上面電極131に接続されている。端子r3はワイヤW3を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp電極12に接続され、端子r4はワイヤW4を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極14に接続されている。
端子r5はワイヤW5を介してベース110の本体に接続され、ヒートシンク110SはワイヤW6を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極23に接続されるとともに、ワイヤW7を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極33に接続されている。
その結果、端子r2と端子r3との間に電圧を印加することにより青紫色半導体レーザ素子1が駆動される。また、端子r1と端子r5との間に電圧を印加することにより赤色半導体レーザ素子2が駆動される。さらに、端子r4と端子r5との間に電圧を印加することにより赤外半導体レーザ素子3が駆動される。
例えば、青紫色半導体レーザ素子1の駆動時には、端子r2に負の電圧が印加され、端子r3に正の電圧が印加される。赤色半導体レーザ素子2の駆動時には、端子r1に正の電圧が印加され、端子r5が接地電位にされる。赤外半導体レーザ素子3の駆動時には、端子r4に正の電圧が印加され、端子r5が接地電位にされる。
上記のように、第4の実施の形態に係る半導体レーザ装置100cにおいては、第1の実施の形態において用いられるリードピンp1〜p5に代えて、端子r1〜r5を備えるリードフレーム150が用いられている。
これにより、半導体レーザ装置100cの構造が単純化し、半導体レーザ装置100cの製造が容易となる。また、ベース110にリードフレーム150を取り付けることにより、製造コストを低減することができる。
第4の実施の形態においては、端子r3が第1の端子に相当し、端子r1が第2の端子に相当し、端子r4が第3の端子に相当し、端子r2が第4の端子に相当し、端子r5が第5の端子に相当する。
(第5の参考の形態)
第5の参考の形態に係る半導体レーザ装置は以下の点で第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100と構造が異なる。
図9は、第5の参考の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための正面図である。図9では、第1の実施の形態の説明に用いた図3と同様に、ベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態が示されている。
図9に示すように、第5の参考の形態に係る半導体レーザ装置100dは、ベース110の中央部上方でY方向へ順に等間隔となるようにリードピンp1〜p3が配列されている。また、ベース110の中央部下方でY方向へ順に等間隔となるようにリードピンp4〜p6が配列されている。
リードピンp1〜p4,p6は絶縁リング110zを介してベース110に取り付けられている。リードピンp5はベース110の背面側からX方向に延びるように接着されている。
これにより、第5の参考の形態においては、リードピンp1〜p4,p6がベース110と電気的に絶縁され、リードピンp5がベース110と電気的に接続されている。
リードピンp1はワイヤW1を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極13に接続され、リードピンp2はワイヤW2を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp電極12に接続されている。また、リードピンp3はワイヤW3を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極14に接続され、リードピンp4はワイヤW4を介してサブマウント上面電極131に接続されている。
また、ヒートシンク110SはワイヤW7を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極23に接続されるとともに、ワイヤW8を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極33に接続されている。
なお、図9の半導体レーザ装置100dにおいては、リードピンp6は1チップ半導体レーザ素子1000の配線に用いられていない。
その結果、リードピンp2とリードピンp4との間に電圧を印加することにより青紫色半導体レーザ素子1が駆動される。また、リードピンp1とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤色半導体レーザ素子2が駆動される。さらに、リードピンp3とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤外半導体レーザ素子3が駆動される。
例えば、青紫色半導体レーザ素子1の駆動時には、リードピンp2に正の電圧が印加され、リードピンp4に負の電圧が印加される。赤色半導体レーザ素子2の駆動時には、リードピンp1に正の電圧が印加され、リードピンp5が接地電位にされる。赤外半導体レーザ素子3の駆動時には、リードピンp3に正の電圧が印加され、リードピンp5が接地電位にされる。
上記のように、第5の参考の形態に係る半導体レーザ装置100dにおいては、複数のリードピンp1〜p6のうち、リードピンp1〜p3がベース110の上段側に設けられ、リードピンp4〜p6がベース110の下段側に設けられている。すなわち、リードピンp1〜p6がZ方向において複数列(2列)となるように配置されている。
これにより、半導体レーザ装置100bの長軸の方向(Y方向)の長さが制限されている場合でも、複数の配線に対応するリードピンを設けることができる。
第5の参考の形態においては、リードピンp2が第1の端子に相当し、リードピンp1が第2の端子に相当し、リードピンp3が第3の端子に相当し、リードピンp4が第4の端子に相当し、リードピンp5が第5の端子に相当する。
(第6の参考の形態)
第6の参考の形態に係る半導体レーザ装置は以下の点で第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100と構造が異なる。
図10は、第6の参考の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための正面図である。図10では、第1の実施の形態の説明に用いた図3と同様に、ベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態が示されている。
図10に示すように、第6の参考の形態に係る半導体レーザ装置100eは、ベース110の中央部上方に出力制御用のフォトダイオード140が設けられている。
さらに、ベース110の中央部上方でY方向へ順にリードピンp1,p2が配列されている。また、ベース110の中央部下方でY方向へ順に等間隔となるようにリードピンp3〜p5が配列されている。
リードピンp1,p2,p3,p5は絶縁リング110zを介してベース110に取り付けられている。リードピンp4はベース110の背面側からX方向に延びるように接着されている。
これにより、リードピンp1,p2,p3,p5がベース110と電気的に絶縁され、リードピンp4がベース110と電気的に接続されている。
リードピンp1はワイヤW1を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp電極12に接続され、リードピンp2はワイヤW2を介してフォトダイオード140のp電極141に接続されている。また、リードピンp3はワイヤW3を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極13に接続され、リードピンp5はワイヤW5を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極14に接続されている。なお、フォトダイオード140の図示しないn電極はベース110と電気的に接続されている。
また、ヒートシンク110SはワイヤW6を介してサブマウント上面電極131に接続され、サブマウント上面電極131はワイヤW7を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極23に接続されるとともに、ワイヤW8を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極33に接続されている。
その結果、リードピンp1とリードピンp4との間に電圧を印加することにより青紫色半導体レーザ素子1が駆動される。また、リードピンp3とリードピンp4との間に電圧を印加することにより赤色半導体レーザ素子2が駆動される。さらに、リードピンp5とリードピンp4との間に電圧を印加することにより赤外半導体レーザ素子3が駆動される。
このように、第6の参考の形態では、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3のn電極15,23,33に対して、サブマウント上面電極131およびヒートシンク110Sが共通のn電極として作用している。
例えば、青紫色半導体レーザ素子1の駆動時には、リードピンp1に正の電圧が印加され、リードピンp4が接地電位にされる。赤色半導体レーザ素子2の駆動時には、リードピンp3に正の電圧が印加され、リードピンp4が接地電位にされる。赤外半導体レーザ素子3の駆動時には、リードピンp5に正の電圧が印加され、リードピンp4が接地電位にされる。
上述のように、フォトダイオード140はリードピンp2にp電極141が接続され、リードピンp4にn電極が接続されている。
これにより、フォトダイオード140が1チップ半導体レーザ素子1000から出射されるレーザ光を受光することにより、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3から出射されるレーザ光をフィードバック制御することができる。
ここで、一般にフォトダイオード140は、受光するレーザ光の発振波長が短いと感度が低下する。しかし、上述のように青紫色半導体レーザ素子1を半導体レーザ装置100eの略中央部に設けることができるので、半導体レーザ装置100eの中央部に設けられたフォトダイオード140に効率よく青紫色半導体レーザ素子1から出射される波長約400nm(青紫色)のレーザ光を照射することができる。
それにより、フォトダイオード140の光強度が増すのでフォトダイオード140に流れるモニタ電流が増加する。その結果、制御信号および雑音比の向上により、青紫色半導体レーザ素子1の出力制御を正確に行なうことができる。
また、第6の参考の形態に係る半導体レーザ装置100eにおいては、複数のリードピンp1〜p5のうち、リードピンp1,p2がベース110の上段側に設けられ、リードピンp3〜p5がベース110の下段側に設けられている。すなわち、リードピンp1〜p6がZ方向において複数列(2列)となるように配置されている。
これにより、半導体レーザ装置100eの長軸の方向(Y方向)の長さが制限されている場合でも、複数の配線に対応するリードピンを設けることができる。
第6の参考の形態においては、リードピンp1が第1の端子に相当し、リードピンp3が第2の端子に相当し、リードピンp5が第3の端子に相当し、リードピンp4が第4の端子に相当する。
(第7の参考の形態)
第7の参考の形態に係る半導体レーザ装置は以下の点で第6の参考の形態に係る半導体レーザ装置100eと構造が異なる。
図11は、第7の参考の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための正面図である。図11では、第1の実施の形態の説明に用いた図3と同様に、ベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態が示されている。
図11に示すように、第7の参考の形態に係る半導体レーザ装置100fにおいては、第6の参考の形態に係る半導体レーザ装置100eと同様に中央部上方に出力制御用のフォトダイオード140が設けられている。
そして、Y方向においてフォトダイオード140を挟むようにリードピンp1,p2が配列されている。
これらリードピンp1,p2のY方向における配置間隔は、ベース110の下段側に設けられたリードピンp3,p4,p5のY方向における配置間隔と同じである。
また、リードピンp1はY方向においてリードピンp3,p4間の略中央に位置し、リードピンp2はY方向においてリードピンp4,p5間の略中央に位置する。
上述のように、リードピンp1〜p5が配置されることにより、リードピンp1,p2から1チップ半導体レーザ素子1000およびフォトダイオード140までの距離が短くなる。
これにより、リードピンp1と1チップ半導体レーザ素子1000のp電極12とを接続するワイヤW1の長さを短くすることができる。また、リードピンp2とフォトダイオード140のp電極141とを接続するワイヤW2の長さを短くすることができる。
その結果、ワイヤW1,W2のインダクタンス成分が低減されるので、1チップ半導体レーザ素子1000の高周波特性が向上されている。
第7の参考の形態においては、リードピンp1が第1の端子に相当し、リードピンp3が第2の端子に相当し、リードピンp5が第3の端子に相当し、リードピンp4が第4の端子に相当する。
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態に係る半導体レーザ装置は以下の点で第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100と構造が異なる。
図12は、第8の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための正面図であり、図13は第8の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための上面図である。図12および図13では、第1の実施の形態の説明に用いた図3と同様に、ベース110上への1チップ半導体レーザ素子1000の実装状態が示されている。
第8の実施の形態に係る半導体レーザ装置100gにおいては、リードピンp1〜p5と1チップ半導体レーザ素子1000との間の配線が第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100と異なる。
サブマウント130の上面側には上述のサブマウント上面電極131は形成されていない。サブマウント130と青紫色半導体レーザ素子1のn電極15との間には、パターニング電極130cが形成されている。これにより、青紫色半導体レーザ素子1のn電極15およびパターニング電極130cは、ヒートシンク110Sと電気的に絶縁されている。
図12では、リードピンp1〜p5と1チップ半導体レーザ素子1000との間の配線が導電通路W10〜W60により簡易的に示されている。
図12によれば、リードピンp1は導電通路W10を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極13に接続され、リードピンp2は導電通路W20を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極15に接続されている。また、リードピンp3は導電通路W30を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp電極12に接続され、リードピンp4は導電通路W40を介して1チップ半導体レーザ素子1000のp型パッド電極14に接続されている。
また、ヒートシンク110Sは導電通路W50を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極23に接続されるとともに、導電通路W60を介して1チップ半導体レーザ素子1000のn電極33に接続されている。
その結果、リードピンp2とリードピンp3との間に電圧を印加することにより青紫色半導体レーザ素子1が駆動される。また、リードピンp1とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤色半導体レーザ素子2が駆動される。さらに、リードピンp4とリードピンp5との間に電圧を印加することにより赤外半導体レーザ素子3が駆動される。
第8の実施の形態において、図12の導電通路W10〜W60の各々は図13に示すように複数のワイヤおよびサブマウント130上に形成されるパターニング電極により構成されている。
したがって、第8の実施の形態において、サブマウント130は熱伝導率の高い絶縁性の材料から構成されることが好ましい。しかしながら、サブマウント130が導電性の材料により構成される場合には後述のパターニング電極との間に絶縁膜を形成する必要がある。
図13によれば、導電通路W10はパターニング電極130bおよびワイヤW11,W12からなる。サブマウント130上に形成されたパターニング電極130bは、ワイヤW11を介してリードピンp1に接続されるとともに、ワイヤW12を介してp型パッド電極13に接続されている。
導電通路W20は図13で示すように、青紫色半導体レーザ素子1の下部から延びるようにサブマウント130上に形成されたパターニング電極130cおよびワイヤW21からなる。パターニング電極130cは、ワイヤW21を介してリードピンp2に接続されている。
導電通路W30はパターニング電極130dおよびワイヤW31,W32からなる。サブマウント130上に形成されたパターニング電極130dは、ワイヤW31を介してリードピンp3に接続されるとともに、ワイヤW32を介してp電極12に接続されている。
導電通路W40はパターニング電極130eおよびワイヤW41,W42からなる。サブマウント130上に形成されたパターニング電極130eは、ワイヤW41を介してリードピンp4に接続されるとともに、ワイヤW42を介してp型パッド電極14に接続されている。
導電通路W50はパターニング電極130aおよびワイヤW51,W52からなる。サブマウント130上に形成されたパターニング電極130aは、ワイヤW51を介してヒートシンク110Sに接続されるとともに、ワイヤW52を介してn電極23に接続されている。
導電通路W60はパターニング電極130fおよびワイヤW61,W62からなる。サブマウント130上に形成されたパターニング電極130fは、ワイヤW61を介してヒートシンク110Sに接続されるとともに、ワイヤW62を介してn電極33に接続されている。
上記のように、第8の実施の形態に係る半導体レーザ装置100gにおいては、サブマウント130上に形成されたパターニング電極130a〜130fにより1チップ半導体レーザ素子1000の配線に用いられるワイヤの長さが短くされている。
これにより、1チップ半導体レーザ素子1000の配線に用いられるワイヤW11,W12,W21,W31,W32,W41,W42,W51,W52,W61,W62のインダクタンス成分がそれぞれ低減されるので、1チップ半導体レーザ素子1000の高周波特性が向上されている。
また、サブマウント130上に複数のパターニング電極130a〜130fを形成することができるので、サブマウント130およびヒートシンク110Sを大きくすることができる。その結果、放熱性が向上し、1チップ半導体レーザ素子1000の信頼性が向上する。
第8の実施の形態においては、パターニング電極130c,130dが第1の電極に相当し、パターニング電極130a,130bが第2の電極に相当し、パターニング電極130e,130fが第3の電極に相当する。
また、リードピンp3が第1の端子に相当し、リードピンp1が第2の端子に相当し、リードピンp4が第3の端子に相当し、リードピンp2が第4の端子に相当し、リードピンp5が第5の端子に相当する。
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態に係る光ピックアップ装置および光学記録媒体駆動装置は、第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100を備える。
図14は、第9の実施の形態に係る光ピックアップ装置の構造の一例を示す外観斜視図である。
図14に示すように、第9の実施の形態に係る光ピックアップ装置500は、第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100、ケーシング210、ビームスプリッタ220、フォトダイオード230、ミラー240および図示しない上蓋から構成されている。
ここで、図14においても、矢印X,Y,Zで示すようにX方向、Y方向およびZ方向を定義する。図1と同様にX方向は半導体レーザ装置100から出射されるレーザ光の出射方向と一致する。さらに、Y方向は半導体レーザ装置100の長軸の方向と一致する。Z方向は半導体レーザ装置100の短軸の方向と一致する。
なお、図14では、光ピックアップ装置500を構成しない集光レンズ610が示されている。
図14に示すように、ケーシング210は長方形の箱型形状を有する。ケーシング210のYZ平面に平行な一側面にはレーザ取り付け孔211が形成されている。レーザ取り付け孔211はY方向に延びる。このレーザ取り付け孔211には、半導体レーザ装置100が取り付けられる。
レーザ取り付け孔211に取り付けられた半導体レーザ装置100のX方向における同軸上で、かつケーシング210の略中央部にビームスプリッタ220が配置されている。
ケーシング210の内部では、ビームスプリッタ220を中心としてY方向で対向するようにフォトダイオード230およびミラー240が配置されている。フォトダイオード230は、XZ平面に平行なケーシング210の一内側面に取り付けられている。ミラー240のZ方向における同軸上に集光レンズ610が配置されている。
図15は、図14の光ピックアップ装置500の動作時におけるレーザ光の光路を説明するための図である。図15(a)は光ピックアップ装置500の外観斜視図を示し、図15(b)は光ピックアップ装置500の側面図を示す。
図15(a),(b)に示すように、光ピックアップ装置500の動作時においては、光ディスク300が、図示しない駆動機構によりXY平面に平行となるように光ピックアップ装置500および集光レンズ610の上方で保持されるとともに、回転される。
光ピックアップ装置500の動作時において、半導体レーザ装置100から出射されたレーザ光は、実線の矢印に示すようにX方向に沿って出射され、ビームスプリッタ220に入射する。そして、レーザ光はビームスプリッタ220によりXY平面内でY方向に屈折し、ミラー240に入射する。その後、レーザ光はミラー240によりYZ平面内でZ方向に屈折し、集光レンズ610を通じて光ディスク300の表面に入射する。
続いて、光ディスク300により反射されたレーザ光は、破線の矢印で示すように、集光レンズ610を通じてミラー240に入射する。ミラー240に入射したレーザ光はYZ平面内でY方向に屈折し、ビームスプリッタ220を通じてフォトダイオード230に入射する。
このように、第9の実施の形態に係る光ピックアップ装置500においては、半導体レーザ装置100の長軸の方向(Y方向)および半導体レーザ装置100のレーザ光の出射方向(X方向)に平行な平面(XY平面)上に、ビームスプリッタ220、フォトダイオード230およびミラー240が配置されている。
換言すれば、半導体レーザ装置100は、半導体レーザ装置100と、ビームスプリッタ220、フォトダイオード230およびミラー240のうちのいずれか2つの構成部材とで形成される平面において、レーザ光の出射方向に対して垂直な方向に長軸の方向を有する。
また、半導体レーザ装置100は、半導体レーザ装置100と、ビームスプリッタ220、フォトダイオード230およびミラー240のうちのいずれか2つの構成部材とで形成される平面に垂直な方向に短軸の方向を有する。
さらに、換言すれば、半導体レーザ装置100は図示しない駆動機構により保持される光ディスク300対して垂直な方向に短軸の方向を有する。
このように、第9の実施の形態に係る光ピックアップ装置500においては、半導体レーザ装置100が、光ピックアップ装置500の少なくとも3つの構成部材により形成される平面に垂直な方向に短軸の方向を有するので、光ピックアップ装置500のZ方向における薄型化が実現されている。
図16は、第9の実施の形態に係る光学記録媒体駆動装置の構成を示すブロック図である。図16の光学記録媒体駆動装置600は光ディスク300から情報を読み取り、また光ディスク300へ情報を記録する光ディスクドライブ装置である。
光学記録媒体駆動装置600は、上記の光ピックアップ装置500、モータ611、送りモータ612、回転制御系613、信号処理系614、ピックアップ制御系615、送りモータ制御系616およびドライブコントローラ617を含む。
モータ611は、光ディスク300を所定の速度で回転させる。回転制御系613は、モータ611の回転動作を制御する。送りモータ612は、光ピックアップ装置500を光ディスク300の半径方向に移動させる。送りモータ制御系616は、送りモータ612の動作を制御する。光ピックアップ装置500は、光ディスク300にレーザ光を照射するとともに光ディスク300からの反射光束を受光する。ピックアップ制御系615は、光ピックアップ装置500の投受光操作を制御する。
信号処理系614は、図14の光ピックアップ装置500のフォトダイオード230からの出力信号を受け、再生信号、焦点誤差信号およびトラッキング誤差信号を算出し、再生信号をドライブコントローラ617に与え、焦点誤差信号およびトラッキング誤差信号をピックアップ制御系615に与える。ドライブコントローラ617は、ドライブインターフェイス618を介して与えられる指令にしたがって回転制御系613、信号処理系614、ピックアップ制御系615および送りモータ制御系616を制御するとともに、ドライブインターフェイス618を介して再生信号を出力する。
図16の光学記録媒体駆動装置600においては、上記の光ピックアップ装置500が用いられているので、Z方向における薄型化が実現される。
第9の実施の形態においては、光ディスク300が光学記録媒体に相当し、光ピックアップ装置500が光ピックアップ装置に相当し、光学記録媒体駆動装置600が光学記録媒体駆動装置に相当する。
また、X方向およびY方向に平行な面が仮想面に相当し、ビームスピリッタ220が第1の光学素子に相当し、ミラー240が第2の光学素子に相当し、フォトダイオード230が光検出器に相当し、ケーシング210が支持部材に相当する。
さらに、モータ611および回転制御系613が回転駆動部に相当し、集光レンズ610が集光レンズに相当し、送りモータ612および送りモータ制御系616がピックアップ駆動部に相当し、信号処理系614が信号処理部に相当する。
(第10の実施の形態)
第10の実施の形態に係る半導体レーザ装置は以下の点で第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置100と構造が異なる。
図17は、第10の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構造を説明するための正面図である。図17では、ベース110上への1チップ青紫色半導体レーザ素子2000の実装状態が示されている。
1チップ青紫色半導体レーザ素子2000は3つの半導体レーザ素子L1,L2,L3を備える。
3つの半導体レーザ素子L1〜L3は、共通のGaN基板上にそれぞれ半導体層を形成することにより作製されている。半導体レーザ素子L1〜L3の上部には、それぞれp電極e1,e2,e3が形成されている。
半導体レーザ素子L1〜L3は、それぞれ電気的に分離されている。これにより、半導体レーザ素子L1〜L3をそれぞれ個別に駆動することができる。
図17に示すように、第10の実施の形態に係る半導体レーザ装置100hは、ベース110の中央部上方でY方向に等間隔となるようにリードピンp1〜p4が順に配列されている。
リードピンp1〜p3は絶縁リング110zを介してベース110に取り付けられている。リードピンp4はベース110の背面側からX方向に延びるように接着されている。
これにより、リードピンp1〜p3はベース110と電気的に絶縁され、リードピンp4がベース110と電気的に接続されている。
リードピンp1はワイヤW1を介して1チップ青紫色半導体レーザ素子2000のp電極e1に接続され、リードピンp2はワイヤW2を介して1チップ青紫色半導体レーザ素子2000のp電極e2に接続され、リードピンp3はワイヤW3を介して1チップ青紫色半導体レーザ素子2000のp電極e3に接続されている。
また、ヒートシンク110SはワイヤW4およびサブマウント上面電極131を介して1チップ青紫色半導体レーザ素子2000のn電極15に接続されている。
その結果、リードピンp1とリードピンp4との間に電圧を印加することにより半導体レーザ素子L1が駆動される。また、リードピンp2とリードピンp4との間に電圧を印加することにより半導体レーザ素子L2が駆動される。さらに、リードピンp3とリードピンp4との間に電圧を印加することにより半導体レーザ素子L3が駆動される。
例えば、半導体レーザ素子L1の駆動時には、リードピンp1に正の電圧が印加され、リードピンp4が接地電位にされる。半導体レーザ素子L2の駆動時には、リードピンp2に正の電圧が印加され、リードピンp4が接地電位にされる。半導体レーザ素子L3の駆動時には、リードピンp3に正の電圧が印加され、リードピンp4が接地電位にされる。
上記のように、第10の実施の形態に係る半導体レーザ装置100hにおいては、薄型化が実現されるとともに、金属製のベース110がY方向に延びている。それにより発熱の大きい青紫色半導体レーザ素子を複数有する1チップ青紫色半導体レーザ素子2000において発生する熱がY方向に広がるので、1チップ青紫色半導体レーザ素子2000の放熱性が向上されている。その結果、1チップ青紫色半導体レーザ素子2000の信頼性が向上している。
第10の実施の形態においては、リードピンp1が第1の端子に相当し、リードピンp2が第2の端子の相当し、リードピンp3が第3の端子に相当し、リードピンp4が第4の端子に相当する。
(他の構成について)
以上、第1〜第2、第4、第8〜第9の実施の形態及び第3、第5〜第7の参考の形態において説明した半導体レーザ装置100の1チップ半導体レーザ素子1000は、青紫色半導体レーザ素子1、赤色半導体レーザ素子2および赤外半導体レーザ素子3から形成されている。しかしながら、半導体レーザ装置100のヒートシンク110Sに実装される1チップ半導体レーザ素子1000は、他の発光波長を有する半導体レーザ素子を積層したものであってもよい。
また、半導体レーザ装置100のヒートシンク110S上には、必ずしも複数の半導体レーザ素子が積層された1チップ半導体レーザ素子が実装される必要はない。半導体レーザ装置100のヒートシンク110S上には、複数の半導体レーザ素子がY方向に並ぶように配置されてもよい。
半導体レーザ装置100のサブマウント130は、AlN(窒化アルミニウム)、SiC(炭化ケイ素)、Si(ケイ素)またはダイヤモンド等の熱伝導性に優れた絶縁性材料を用いてもよいし、Cu(銅)、CuW(銅タングステン)およびAl(アルミニウム)等の導電性材料を用いてもよいし、用いなくてもよい。
ただし、1チップ半導体レーザ素子1000の駆動方法に応じて、1チップ半導体レーザ素子1000と各リードピンとの接続を行う必要がある。また、導電性材料を用いる場合には、適宜絶縁層等を形成する必要がある。
半導体レーザ装置100のベース110およびヒートシンク110Sは必ずしも、一体形成される必要はなく、個別に作製されてもよい。また、ベース110およびヒートシンク110Sには、Cu、Fe(鉄)およびAlまたはこれらの合金等の熱伝導性に優れた金属材料を用いることが好ましい。
第9の実施の形態において、半導体レーザ装置100は光ピックアップ装置500の少なくとも3つの構成部材により形成される平面に垂直な方向に短軸の方向を有するとしているが、半導体レーザ装置100の短軸の方向は、必ずしも3つの構成部材により形成される平面と正確に垂直となる必要はなく、略垂直であってもよい。