JP2000252592A - 光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置

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JP2000252592A
JP2000252592A JP11052128A JP5212899A JP2000252592A JP 2000252592 A JP2000252592 A JP 2000252592A JP 11052128 A JP11052128 A JP 11052128A JP 5212899 A JP5212899 A JP 5212899A JP 2000252592 A JP2000252592 A JP 2000252592A
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JP
Japan
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semiconductor laser
semiconductor
optical disk
layer
disk device
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JP11052128A
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Kenichi Uejima
研一 上島
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Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ピックアップ機構の部品点数低減と小型・
軽量化。 【解決手段】 相互に異なる発振波長を有する複数の半
導体レーザを光源とし、光学系によって光ディスク面に
光ピックアップのためのスポット光を結ぶ光ピックアッ
プ機構を有する光ディスク装置であって、前記複数の半
導体レーザは半導体基板にモノリシックにかつ独立して
駆動するように組み込まれ、近接した位置からそれぞれ
平行にレーザ光を出射する構成になっている。前記半導
体基板の一面側に形成された少なくとも一つの逆バイア
スされるpn接合または高抵抗層と、前記pn接合また
は前記高抵抗層上に形成される複数の半導体層とを有す
るとともに、前記各半導体レーザは前記pn接合または
前記高抵抗層に達する分離溝で電気的に絶縁区画される
半導体層領域に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はDVD(Digital Vi
deo Disk),AS−MO(Advanced Storage-Magneto O
ptical),高速記録CD−R(Compact Disc-Recordabl
e)等の光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置として、DVD−RAM
装置,DVD−ROM装置,DVD−R装置等が知られ
ている。DVD−RAM装置等の光ディスク装置では、
DVDは元よりCDやCD−Rの再生を行う構成になっ
ている。DVD技術については、株式会社、新技術コミ
ュニケーションズ発行、「OplusE」、No.199,199
6-6,P70〜P79に記載されている。また、DVD−RO
M装置については、たとえば、日経BP社発行「日経エ
レクトロニクス」1997年3月24日号、P19およびP20に
記載されている。また、DVD用光ピックアップについ
ては、前記「OplusE」誌のP86〜P92に記載され
ている。この文献には、DVDとCDの互換方式とし
て、2焦点方式,2レンズ方式,2レーザー方式,開口
制限方式等の各方式について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光ディスク(DVD)
装置では、DVDの再生は勿論のこと、CDやCD−R
等の再生も行う必要がある。DVDの再生は波長650
nmの半導体レーザ(赤色半導体レーザ)で行い、CD
やCD−Rの再生は波長780nmの半導体レーザ(赤
外半導体レーザ)で行う。光ディスク装置の光ピックア
ップ機構は、CD読み取り用の発振波長が780nmの
半導体レーザ(LD)と光検出器が一体化されたモジュ
ールを含む光学系と、DVD用の発振波長が650nm
の半導体レーザと検出器を含む光学系を一つにまとめた
光学系になっている。そして、ディスクに対応して前記
光学系を切り換えて再生(読み出し),書き込みを行
う。このように光ディスク装置の光ピックアップ機構
は、半導体レーザが1個であるCD装置に比較して複雑
になり、小型化,軽量化が妨げられている。本発明の目
的は、光ピックアップ機構における部品点数の削減を図
ることができる光ディスク装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、光ピックアップ機構の小型・軽量
化が達成できる光ディスク装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、製造コストの低減が達成できる光
ディスク装置を提供することにある。本発明の前記なら
びにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述お
よび添付図面からあきらかになるであろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。 (1)相互に異なる発振波長を有する複数の半導体レー
ザを光源とし、光学系によって光ディスク面に光ピック
アップのためのスポット光を結ぶ光ピックアップ機構を
有する光ディスク装置であって、前記複数の半導体レー
ザは半導体レーザ素子にモノリシックにかつ独立して駆
動するように組み込まれ、近接した位置からそれぞれ平
行にレーザ光を出射する構成になっている。前記半導体
レーザ素子は、半導体基板と、前記半導体基板の一面側
に形成された少なくとも一つの逆バイアスされるpn接
合または高抵抗層と、前記pn接合または前記高抵抗層
上に形成される多層半導体層とを有するとともに、前記
各半導体レーザは前記pn接合または前記高抵抗層に達
する分離溝で電気的に絶縁区画される前記多層半導体層
に設けられている。前記半導体レーザはリッジ構造でリ
ッジ部分は同じ半導体材料で構成されている。前記半導
体レーザは二つであり、一つは赤外半導体レーザであ
り、他の一つは赤色半導体レーザである。前記赤外半導
体レーザの発振波長は780〜880nmであり、前記
赤色半導体レーザの発振波長は635〜690nmであ
る。前記半導体レーザは、パッケージ本体およびレーザ
光を透過させる光透過窓を有する蓋体とからなるパッケ
ージ内に組み込まれているとともに、前記半導体基板に
設けられた電極は前記パッケージ本体に取り付けられ前
記パッケージの内外に亘って延在する複数の外部電極端
子に接続手段を介して電気的に接続された構成になって
いる。前記半導体レーザの発振波長に対応して切り換え
使用される複数の対物レンズが前記光ディスク面に対面
して配置されている。
【0005】前記(1)の手段によれば、(a)光ディ
スク装置の光ピックアップ機構において、単一の半導体
基板に赤色半導体レーザと赤外半導体レーザがモノリシ
ックに組み込まれ、切り換え使用によって赤外半導体レ
ーザによる再生(読み出し)と、赤色半導体レーザによ
る書き込みが行われる構成になっていることから、従来
のような相互に独立した半導体レーザを組み込む構造に
比較して部品点数の削減が達成できるとともに、光学系
が簡素になり、光ピックアップ機構の小型化が図れる。
したがって、光ディスク装置の小型化・低コスト化が達
成できる。
【0006】(b)赤外半導体レーザおよび赤色半導体
レーザは、半導体基板の一面側に形成された少なくとも
一つの逆バイアスされるpn接合または高抵抗層上の多
層半導体層に形成され、かつ両半導体レーザは前記pn
接合または前記高抵抗層に達する分離溝で電気的に絶縁
区画される構造になっていることから小型になる。ま
た、これら半導体レーザはパッケージ本体と蓋体とから
なるパッケージ内に組み込まれ、この状態で光ディスク
装置に組み込まれていることから、光ピックアップ機構
の光学系は簡素になり光ピックアップ機構の小型化が達
成できる。
【0007】(c)赤外半導体レーザおよび赤色半導体
レーザは、共にリッジ構造でリッジ部分は同じ半導体材
料系で構成されていることからその製造が容易かつ安価
になり、光ディスク装置のコスト低減に寄与する。
【0008】(d)光ディスク装置の光ピックアップ機
構において、前記半導体レーザの発振波長に対応して切
り換え使用される複数の対物レンズが前記光ディスク面
に対面して配置される構造になっていることから、光ピ
ックアップ機構の簡素化が達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を
説明するための全図において、同一機能を有するものは
同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】(実施形態1)図1乃至図4は本発明の一
実施形態(実施形態1)である光ディスク装置に係わる
図であり、図1は光ディスク装置の光ピックアップ機構
を示す模式図、図2は半導体レーザ素子の模式的拡大断
面図、図3は光ディスク装置に組み込まれる半導体レー
ザ装置の一部を切り欠いた斜視図、図4は前記半導体レ
ーザ素子の搭載状態を示す斜視図である。
【0011】本実施形態1の光ディスク装置の光ピック
アップ機構は、CD読み取り用の発振波長が780nm
の半導体レーザ(LD)と、DVD用の発振波長が65
0nmの半導体レーザが、単一の半導体基板にモノリシ
ックに形成された半導体レーザ素子を組み込んだ半導体
レーザ装置をその光学系に有する。前記半導体レーザ素
子からは近接して平行にそれぞれ650nmと780n
mのレーザ光が出射される構成になっている。また、半
導体レーザ素子の電極を選択して電圧を印加することに
よって、650nmのレーザ光または780nmのレー
ザ光を別々に出射させることができる。したがって、光
ディスクに対応するレーザ光の波長の切り換えは、従来
では光学系の切り換えで行っているが、本実施形態1で
は半導体レーザ素子の電極選択によって発振波長を切り
換える。
【0012】図1は本実施形態1の光ディスク装置にお
ける光ピックアップ機構を示す。発振波長が650nm
の半導体レーザと、発振波長が780nmの半導体レー
ザを有する半導体レーザ素子が組み込まれた半導体レー
ザ装置1から出射されるレーザ光2はハーフミラー3,
コリメートレンズ4を順次通り、2レンズアクチュエー
タ5のDVD用対物レンズ6またはCD用対物レンズ7
で絞られて光ディスク8の記録面に集光される構成にな
っている。コリメートレンズ4を通過したレーザ光2
は、レーザ光2が波長650nmである場合は、前記2
レンズアクチュエータ5の切り換え動作によってDVD
用対物レンズ6で絞られて光ディスク8の記録面に集光
され、レーザ光2が波長780nmである場合は、前記
2レンズアクチュエータ5の切り換え動作によってCD
用対物レンズ7で絞られて光ディスク8の記録面に集光
される。光ディスク8の記録面で反射されたレーザ光2
は、DVD用対物レンズ6またはCD用対物レンズ7を
通り、コリメートレンズ4を通ってハーフミラー3で反
射されて光検出器9に焦点を結ぶようになっている。光
検出器9は650nmおよび780nmの光を検出でき
るものが使用される。
【0013】半導体レーザ装置1は、入力信号によって
動作するレーザ駆動回路15で駆動制御される。前記光
検出器9の出力信号はプリアンプ回路16で増幅され、
この増幅された信号は復調器17で復調処理される。復
調器17の出力信号を入力とするAPC(Auto Power C
ontrol)回路18の出力信号によってレーザ駆動回路1
5は補正を行い半導体レーザ装置内の半導体レーザ素子
の各半導体レーザの光出力を制御するようになってい
る。DVD用光源になる半導体レーザは、駆動時、アイ
ドル状態であるバイアスパワーと、このバイアスパワー
よりも低い光出力である読み出しを行う再生パワーと、
前記バイアスパワーよりも高い光出力である書き込みを
行うピークパワーの3形態で使用される。
【0014】つぎに、半導体レーザ素子について説明す
る。図2は2種類の半導体レーザを有する半導体レーザ
素子20を示す断面図である。図2に示すように、半導
体レーザ素子20は、たとえば光導波路(共振器)の延
在方向に沿う縦(奥行き)の長さが250μm、横幅が
300μm、厚さが100μmの矩形体からなってい
る。半導体レーザ素子20は、半導体基板21の1面
(主面)に多層半導体層を有している。この多層半導体
層は前記半導体基板21の表層部分にまで到達するアイ
ソレーション溝(絶縁分離溝)22が設けられている。
このアイソレーション溝22の両側には、それぞれ半導
体レーザ(レーザダイオード)23a,23bが設けら
れている。左側の前記半導体レーザ23aは発振波長が
650nmの赤色半導体レーザ23aであり、右側の前
記半導体レーザ23bは発振波長が780nmの赤外半
導体レーザ23bである。前記赤色半導体レーザ23a
は光ディスクの書き込みができる高出力な半導体レーザ
である。赤色半導体レーザ23aおよび赤外半導体レー
ザ23bは、共にメサ部24a,24bと、このメサ部
24a,24bよりも低い平坦部25a,25bを有し
ている。前記メサ部24a,24b上には、それぞれア
ノード電極26a,26bが設けられ、平坦部25a,
25b上にはカソード電極27a,27bが設けられて
いる。また、半導体基板21の多層半導体層が設けられ
た面側は、前記アノード電極26a,26bおよびカソ
ード電極27a,27bを除いて絶縁膜29で被われて
いる。
【0015】半導体基板21は、たとえばN導電型のG
aAs基板21となっている。GaAs基板21は10
0μm弱の厚さとなり、不純物濃度が2×1018cm~3
程度のSiを含むGaAs板で形成されている。前記G
aAs基板21の一面側、すなわち図2の上面(主面)
側にはそれぞれ多層半導体層が形成されているととも
に、この多層半導体層はアイソレーション溝22によっ
て電気的に分離されている。そして、このアイソレーシ
ョン溝22の左側の多層半導体層に赤色半導体レーザ2
3aが形成され、右側の多層半導体層に赤外半導体レー
ザ23bが形成されている。
【0016】多層半導体層は赤色半導体レーザ23aと
赤外半導体レーザ23bとでは異なっている。赤外半導
体レーザ23bでは、多層半導体層は下から上に向かっ
てP導電型のGaAsからなる厚さ1.0μmのP−G
aAs絶縁層31,厚さ0.5μmのN−GaAs第1
バッファ層32,厚さ1.5μmのN−AlGaInP
クラッド層33,厚さ0.2μmのN−Ga0.5Al0.5
Asクラッド層34,不純物アンドープ(U)の厚さ
0.08μmのU−GaAlAsMQW活性層35,厚
さ0.35μmのP−Ga0.5Al0.5Asクラッド層3
6,厚さ0.1μmのP−GaAs過飽和吸収兼エッチ
ストップ層37,厚さ1.0μmのP−AlGaInP
クラッド層38を有する。また、前記P−GaAs過飽
和吸収兼エッチストップ層37およびP−AlGaIn
Pクラッド層38はストライプ状のリッジ45を形成す
るようにエッチング除去されるとともに、このリッジ4
5の両側のP−Ga0.5Al0.5Asクラッド層36上に
は厚さ1.0μmのN−GaAsブロック層39が形成
されている。また、前記リッジ45およびその両側のN
−GaAsブロック層39上には厚さ2.5μmのP−
GaAsキャップ層40が形成されている。メサ部24
bは前記P−GaAs絶縁層31からP−GaAsキャ
ップ層40に至る多層半導体層で形成され、平坦部25
bはP−GaAs絶縁層31とN−GaAs第1バッフ
ァ層32によって形成されている。このN−GaAs第
1バッファ層32上にはカソード電極27bが形成さ
れ、前記P−GaAsキャップ層40にはアノード電極
26bが形成されている。U−GaAlAsMQW活性
層35やその上下のGaAlAsのAlの混晶比を変化
させることによって、赤外半導体レーザとしては発振波
長が780〜880nmのものが得られる。
【0017】赤色半導体レーザ23aの多層半導体層
は、前記赤外半導体レーザ23bの多層半導体層のN−
GaAsブロック層39上にさらに多層に半導体層を形
成した構造になっている。すなわち、GaAs基板21
上に、780nmの赤外半導体レーザを形成するための
層であるP−GaAs絶縁層31,N−GaAs第1バ
ッファ層32,N−AlGaInPクラッド層33,N
−Ga0.5Al0.5Asクラッド層34,U−GaAlA
sMQW活性層35,P−Ga0.5Al0.5Asクラッド
層36,N−GaAsブロック層39を順次積層形成し
た後、さらにこの上に厚さ0.5μmのN−GaAs第
2バッファ層50,厚さ1.5μmのN−AlGaIn
Pクラッド層51,厚さ0.07μmのU−AlGaI
nPMQW活性層52,厚さ0.3μmのP−AlGa
InP第1クラッド層53,厚さ0.03μmのP−A
lGaInPMQWエッチストップ層54,厚さ1.5
μmのP−AlGaInP第2クラッド層55,厚さ
0.3μmのP−GaInP界面層56が順次積層形成
されている。
【0018】前記P−AlGaInPMQWエッチスト
ップ層54,P−AlGaInP第2クラッド層55,
P−GaInP界面層56はストライプ状のリッジ60
を形成するようにエッチング除去されるとともに、この
リッジ60の両側のP−AlGaInP第1クラッド層
53上には厚さ1.0μmのN−GaAsブロック層5
7が形成されている。また、前記リッジ60およびその
両側のN−GaAsブロック層57上には厚さ2.5μ
mのP−GaAsキャップ層58が形成されている。メ
サ部24aはN−GaAs第2バッファ層50からP−
GaAsキャップ層58に至る多層半導体層で形成さ
れ、平坦部25aはN−GaAs第2バッファ層50に
よって形成されている。このN−GaAs第2バッファ
層50上にはカソード電極27aが形成され、前記P−
GaAsキャップ層58にはアノード電極26aが形成
されている。U−AlGaInPMQW活性層52やそ
の上下のAlGaInPのAlの混晶比を変化させるこ
とによって、赤色半導体レーザとしては発振波長が63
5〜690nmのものが得られる。前記リッジ45,6
0の下の活性層部分が光導波路(共振器)になる。これ
らリッジ45,60の間隔は、たとえば、100μm程
度になっている。
【0019】本実施形態1の半導体レーザ素子20は、
いずれの電極もGaAs基板21の1面側に設けられて
いるとともに、各電極はGaAs基板21からも電気的
に独立した構造となっていることから、光ディスク装置
において回路設計が容易になる。
【0020】このような半導体レーザ素子20は図3に
示すような半導体レーザ装置1に組み込まれる。半導体
レーザ素子20は、アセンブリの主体部品となるパッケ
ージ本体61と、このパッケージ本体61の表面側に取
り付けられる蓋体62とを有している。パッケージは、
パッケージ本体61と蓋体62によって形成される。前
記パッケージ本体61は数mmの厚さの円形の金属板か
らなり、その表面の中央から外れた部分には銅製のヒー
トシンク63が鑞材等で固定されている。前記ヒートシ
ンク63の前記パッケージ本体61の中央に面する側面
(前面)の先端側にはシリコンカーバイト(SiC)か
らなるサブマウント64が固定されている。
【0021】前記サブマウント64は、図4に示すよう
に、半導体レーザ素子20よりも大きい矩形板からな
り、一面の実装面には4本の配線65が設けられてい
る。これらの配線65の一部は前記半導体レーザ素子2
0のアノード電極26a,26bやカソード電極27
a,27bに重なる接続部となっている。この接続部分
には、PbSnからなる半田層66が形成されている。
半田層66は、前記アノード電極26a,26bやカソ
ード電極27a,27bの高さが異なることから、それ
ぞれ厚さが異なっている。半田層66を一定の厚さにす
るには、前記サブマウント64の各部の厚さをエッチン
グ等によって変えておけばよい。半導体レーザ素子20
は、アノード電極26a,26bやカソード電極27
a,27b部分が半田層66を介してサブマウント64
に固定される。半導体レーザ素子20が固定されたサブ
マウント64が前記ヒートシンク63に固定される。ま
た、サブマウント64の搭載された半導体レーザ素子2
0から外れた部分がワイヤを接続するためのワイヤボン
ディング部になる。また、サブマウント64の他面、す
なわち前記ヒートシンク63に固定される固定面にはメ
タライズ層67が形成されている。前記配線65および
メタライズ層67は、たとえば、Ti/Pt/Auの3
層構造となっている。
【0022】一方、前記パッケージ本体61の中央に
は、前記半導体レーザ素子20の後端から出射されるレ
ーザ光を受光する受光素子70が固定されている。ま
た、前記パッケージ本体61には6本の外部電極端子
(リード)71が固定されている。5本のリード71は
絶縁体72を介してパッケージ本体61に貫通状態で固
定されている。残りの1本のリード71はパッケージ本
体61の裏面に突き合わせ状態で固定されている。パッ
ケージ本体61の表面側に突出したリード71の先端
と、前記サブマウント64の配線65のワイヤボンディ
ング部や受光素子70の一方の電極は、導電性のワイヤ
73で電気的に接続されている。受光素子70の裏面の
電極はパッケージ本体61を介して1本のリード71に
電気的に接続される。蓋体62はその天井部分に光透過
窓76を有している。この光透過窓76は前記天井部分
に設けた貫通穴を透明ガラス板77で塞ぐように気密的
に固定することによって形成されている。このような半
導体レーザ装置1においては、所定のリード71にそれ
ぞれ所定の電圧を印加することによって、赤色半導体レ
ーザ23aまたは赤外半導体レーザ23bを動作させて
レーザ光2を光透過窓76から放射することができる。
また、これらの光出力は前記受光素子70でモニターで
きることになる。
【0023】本実施形態1によれば以下の効果を奏す
る。 (1)光ディスク装置の光ピックアップ機構において、
単一の半導体基板21に赤色半導体レーザ23aと赤外
半導体レーザ23bがモノリシックに組み込まれ、切り
換え使用によって赤外半導体レーザ23bによる再生
(読み出し)と、赤色半導体レーザ23aによる書き込
みが行われる構成になっていることから、従来のような
相互に独立した半導体レーザを組み込む構造に比較して
部品点数の削減が達成できるとともに、光学系が簡素に
なり、光ピックアップ機構の小型化が図れる。したがっ
て、光ディスク装置の小型化・低コスト化が達成でき
る。
【0024】(2)赤色半導体レーザ23aおよび赤外
半導体レーザ23bは、半導体基板21の一面側に形成
された少なくとも一つの逆バイアスされるpn接合上の
多層半導体層に形成され、かつ両半導体レーザは前記p
n接合に達するアイソレーション溝(絶縁分離溝)22
で電気的に絶縁区画される構造になっていることから小
型になる。また、これら半導体レーザはパッケージ本体
61と蓋体62とからなるパッケージ内に組み込まれ、
この状態で光ディスク装置に組み込まれていることか
ら、光ピックアップ機構の光学系は簡素になり光ピック
アップ機構の小型化が達成できる。
【0025】(3)赤色半導体レーザ23aおよび赤外
半導体レーザ23bは、共にリッジ構造でリッジ部分は
同じ半導体材料系で構成されていることからその製造が
容易かつ安価になり、光ディスク装置のコスト低減に寄
与する。
【0026】(4)光ディスク装置の光ピックアップ機
構において、前記半導体レーザ(赤色半導体レーザ23
aおよび赤外半導体レーザ23b)の発振波長に対応し
て切り換え使用される複数の対物レンズ(DVD用対物
レンズ6,CD用対物レンズ7)が前記光ディスク8面
に対面して配置される構造になっていることから、光ピ
ックアップ機構の簡素化が達成できる。
【0027】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえ
ば、前記実施形態では、半導体レーザ素子20の赤色半
導体レーザ23aおよび赤外半導体レーザ23bは、半
導体基板21とpn接合を介して電気的に絶縁される構
造になっているが、pn接合に代えて高抵抗層を介在さ
せて電気的絶縁を図る構造にして前記実施例同様な効果
が得られる。また、単一の半導体レーザ素子20は、さ
らに多くの半導体レーザをモノリシックに組み込む構造
としてもよい。
【0028】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。 (1)光ディスク装置の光ピックアップ機構の光源は再
生,書き込みが行える相互に異なる発振波長を有する複
数の半導体レーザを有する構造になっていることから、
光ピックアップ機構は、従来のような相互に独立した半
導体レーザを組み込む構造に比較して部品点数の削減が
達成できるとともに、光学系が簡素になり、光ピックア
ップ機構の小型化が図れる。 (2)赤外半導体レーザおよび赤色半導体レーザは単一
の半導体レーザ素子にモノリシックに組み込まれかつレ
ーザ光の出射部分は近接する構造となることから、光源
も小型になる。 (3)光ピックアップ機構の部品点数の低減,簡素な光
学系および光源の小型化によって、光ピックアップ機構
の小型化が図れ、光ディスク装置の小型化や低コスト化
が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)である光デ
ィスク装置の光ピックアップ機構を示す模式図である。
【図2】本実施形態1の半導体レーザ素子の模式的拡大
断面図である。
【図3】本実施形態1の半導体レーザ装置の一部を切り
欠いた斜視図である。
【図4】前記半導体レーザ素子を搭載するサブマウント
と、半導体レーザ素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ装置、2…レーザ光、3…ハーフミラ
ー、4…コリメートレンズ、5…2レンズアクチュエー
タ、6…DVD用対物レンズ、7…CD用対物レンズ、
8…ディスク、9…光検出器、15…レーザ駆動回路、
16…プリアンプ回路、17…復調器、18…APC回
路、20…半導体レーザ素子、21…半導体基板(Ga
As基板)、22…アイソレーション溝(絶縁分離
溝)、23a…半導体レーザ(赤色半導体レーザ)、2
3b…半導体レーザ(赤外半導体レーザ)、24a,2
4b…メサ部、25a,25b…平坦部、26a,26
b…アノード電極、27a,27b…カソード電極、2
9…絶縁膜、31…P−GaAs絶縁層、32…N−G
aAs第1バッファ層、33…N−AlGaInPクラ
ッド層、34…N−Ga0.5Al0.5Asクラッド層、3
5…U−GaAlAsMQW活性層、36…P−Ga
0.5Al0.5Asクラッド層、37…P−GaAs過飽和
吸収兼エッチストップ層、38…P−AlGaInPク
ラッド層、39…N−GaAsブロック層、40…P−
GaAsキャップ層、45…リッジ、50…N−GaA
s第2バッファ層、51…N−AlGaInPクラッド
層、52…U−AlGaInPMQW活性層、53…P
−AlGaInP第1クラッド層、54…P−AlGa
InPMQWエッチストップ層、55…P−AlGaI
nP第2クラッド層、56…P−GaInP界面層、5
7…N−GaAsブロック層、58…P−GaAsキャ
ップ層、60…リッジ、61…パッケージ本体、62…
蓋体、63…ヒートシンク、64…サブマウント、65
…配線、66…半田層、67……メタライズ層、70…
受光素子、71…外部電極端子(リード)、72…絶縁
体、73…ワイヤ、76…光透過窓、77…透明ガラス
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D119 AA01 AA04 AA38 AA41 BA01 CA10 CA16 DA01 DA05 EC45 EC47 FA05 FA09 FA17 FA29 FA33 JA49 5F073 AA07 AA13 AA53 AA74 AA89 AB06 AB27 BA05 BA06 CA05 CA14 DA34 EA06 EA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に異なる発振波長を有する複数の半
    導体レーザを光源とし、光学系によって光ディスク面に
    光ピックアップのためのスポット光を結ぶ光ピックアッ
    プ機構を有する光ディスク装置であって、前記複数の半
    導体レーザは半導体レーザ素子にモノリシックにかつ独
    立して駆動するように組み込まれ、近接した位置からそ
    れぞれ平行にレーザ光を出射する構成になっていること
    を特徴とする光ディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体レーザ素子は半導体基板と、
    前記半導体基板の一面側に形成された少なくとも一つの
    逆バイアスされるpn接合または高抵抗層と、前記pn
    接合または前記高抵抗層上に形成される多層半導体層と
    を有するとともに、前記各半導体レーザは前記pn接合
    または前記高抵抗層に達する分離溝で電気的に絶縁区画
    される前記多層半導体層に設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体レーザはリッジ構造でリッジ
    部分は同じ半導体材料で構成されていることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体レーザは二つであり、一つは
    赤外半導体レーザであり、他の一つは赤色半導体レーザ
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載の光ディスク装置。
  5. 【請求項5】 前記赤外半導体レーザの発振波長は78
    0〜880nmであり、前記赤色半導体レーザの発振波
    長は630〜697nmであることを特徴とする請求項
    4に記載の光ディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記半導体レーザは、パッケージ本体お
    よびレーザ光を透過させる光透過窓を有する蓋体とから
    なるパッケージ内に組み込まれているとともに、前記半
    導体基板に設けられた電極は前記パッケージ本体に取り
    付けられ前記パッケージの内外に亘って延在する複数の
    外部電極端子に接続手段を介して電気的に接続された構
    成になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  7. 【請求項7】 前記半導体レーザの発振波長に対応して
    切り換え使用される複数の対物レンズが前記光ディスク
    面に対面して配置されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項6のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
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