JP2000272083A - 平版印刷機の湿し装置 - Google Patents

平版印刷機の湿し装置

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JP2000272083A
JP2000272083A JP2000076042A JP2000076042A JP2000272083A JP 2000272083 A JP2000272083 A JP 2000272083A JP 2000076042 A JP2000076042 A JP 2000076042A JP 2000076042 A JP2000076042 A JP 2000076042A JP 2000272083 A JP2000272083 A JP 2000272083A
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dampening
transfer roller
dampening device
transfer
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JP2000076042A
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Peter Heiler
ハイラー ペーター
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Heidelberger Druckmaschinen AG
Original Assignee
Heidelberger Druckmaschinen AG
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F7/00Rotary lithographic machines
    • B41F7/20Details
    • B41F7/24Damping devices
    • B41F7/26Damping devices using transfer rollers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
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    • B41F7/20Details
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平版印刷のためのさらに他の湿し装置を提供
する。 【解決手段】 転移ローラ4が湿しローラ3とともに、
湿しローラ3のローラ軸6に対してオフセットされた揺
動軸8を中心として揺動可能である。揺動軸8が実質的
に、転移ローラ4によって湿し装置ローラ5とともに形
成される円周側の接点14を通る接線52の上に位置し
ている。この湿し装置1は有利にはエマルジョン薄層湿
し装置として構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿しローラと、転
移ローラと、湿し装置ローラとを備えていて、転移ロー
ラが再調整力によって湿し装置ローラに保持可能であ
る、請求項1の前提項に記載の平版印刷機の湿し装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ドイツ特許明細書2902228C2号
には、2種類の異なる実施形態による2種類の湿し装置
が説明されている。同特許明細書の図1に示されている
第1実施形態に基づく、冒頭に述べた分野に相当する湿
し装置では、湿し装置ローラはばねの作用下で着けロー
ラに当接するものの、この湿し装置ローラは元ローラの
ローラ軸に対してオフセットされた揺動軸を中心として
揺動可能ではない。元ローラ自体がそもそも揺動可能で
ないのである。元ローラと同軸に位置している湿し装置
ローラの揺動軸も、実質的に、湿し装置ローラによって
着けローラとともに形成される円周側の接点を通って延
びる接線上に位置しているのでなく、この接線から遠く
離れている。図5に湿された第2の実施形態に基づく分
野の異なる湿し装置では、湿し装置ローラは元ローラと
ともに支持体に支持されていて、元ローラのローラ軸に
対してオフセットされピンで形成された揺動軸を中心と
して揺動可能である。支持体に作用するばねは着けロー
ラが版胴に当接し続けることを保証するものの、湿し装
置ローラはばね力の作用下で着けローラに保持されるの
ではない。これらの両湿し装置はいわゆるエマルジョン
薄膜湿し装置ないしノンアルコール直接被膜湿し装置で
はない。
【0003】さらに別の湿し装置が、ドイツ特許出願公
開明細書2909765号に記載されている。この転移
ローラは元ローラのローラ軸を中心として揺動可能であ
り、このローラ軸に対してオフセットされた揺動軸を中
心として揺動可能なのではない。
【0004】さらに別の湿し装置が、ドイツ特許出願公
開明細書2822350A1号に記載されている。この
湿し装置では、アームに支持された調量ローラは湿しロ
ーラのローラ軸に対してオフセットされた揺動軸を中心
に揺動可能ではあるものの、この調量ローラはたとえば
重量、ガス圧力、ばね力といった再調整力の作用下で湿
し装置ローラへの当接を保持されるものではない。しか
も湿しローラはオフセットされた揺動軸を中心として揺
動可能ではない。また、同明細書に記載されている湿し
装置は、湿し水伝達経路に配置されたすべての湿し装置
ローラが親インキ性ではなくてたとえばゴム引きされて
いないので、いわゆるエマルジョン薄膜湿し装置でもな
い。上述した理由により、同明細書に記載されている湿
し装置はノンアルコールないし減アルコールのエマルジ
ョン薄膜湿しの原理には反している。 米国特許出願明
細書4949637号には、それぞれの湿し装置ローラ
が印刷インキも湿し水もいずれも運び、そのためにゴム
でできていて、版胴の円周速度に対応した周速度で駆動
されるさらに別の湿し装置が記載されている。このよう
な湿し装置は、普通、ノンアルコールないし減アルコー
ルの直接薄膜湿し装置またはエマルジョン薄膜湿し装置
と呼ばれている。この湿し装置は、湿しローラの長軸を
中心として揺動可能な、つまりこの長軸に対してオフセ
ットされた揺動軸を中心として揺動可能なのではない、
揺動可能な支持部材に支持された転移ローラを含んでい
る。湿しローラではなくて転移ローラをスリットガイド
に沿って調節することで、湿しローラに対する転移ロー
ラの押圧力と、ローラ溝で運ばれる薄膜層の厚さが調整
可能である。
【0005】さらに他の湿し装置が米国特許出願明細書
5540145号に記載されている。この湿し装置も同
様にエマルジョン薄膜湿し装置であり、多くの構成要件
で直前に述べた湿し装置と類似している。
【0006】特開昭51−92204号公報に記載され
ている湿し装置は、支持レバーに係合するばねによって
版胴と摩擦接触させることの可能な着けローラを有して
はいるものの、この湿し装置には湿しローラと転移ロー
ラが欠けている。この湿し装置は、湿し水の着けローラ
に供給を行う、湿し水を吸収する物体と摩擦接触してい
る金属ローラを含んでおり、この物体の脚部が湿し水容
器に湿しされている。着けローラは金属ローラととも
に、金属ローラのローラ軸に対してオフセットされた支
持軸を中心として揺動可能である。吸収を行う物体によ
って版へ供給可能な湿し水の量は比較的少ないので、こ
の湿し装置は高速の印刷速度で印刷を行う印刷機には適
していない。
【0007】ドイツ特許出願公開明細書2940594
A1には、湿し水送りローラと呼ばれている湿しローラ
と、水着けローラとを有している湿し装置が記載されて
いるが、この湿し装置では水着けローラは湿し水を直接
湿し水送りローラから渡されるのであって、転移ローラ
を介して供給されるのではない。この水着けローラは湿
し水送りローラのローラ軸に対してオフセットされた揺
動軸を中心として揺動可能ではあるが、湿し水送りロー
ラはそもそも揺動可能ではない。
【0008】さらに、ハイデルベルガー・ドゥルックマ
シーネン・アーゲー社が発行しているパンフレットシリ
ーズ「GTO 52−Tips」のなかのパンフレット
「イソプロパノールのない印刷(IPA)」ないし「P
rinting without Isopropan
ol(IPA)」には、直接薄膜湿し装置が言及されて
おり、その操作と手入れについて同パンフレットのなか
で示唆が与えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
を出発点として、本発明の目的は、平版印刷のためのさ
らに他の湿し装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的は請求項1の特
徴を備えた湿し装置によって達成される。
【0011】湿しローラと、転移ローラと、湿し装置ロ
ーラとを備え、特に重力、ガス圧力、またはばね力など
の再調整力によって転移ローラを湿し装置ローラに当接
させた状態に保持可能である、平版印刷機の湿し装置
は、転移ローラが湿しローラとともに、湿しローラのロ
ーラ軸に対してオフセットされた揺動軸を中心として揺
動可能であり、この揺動軸は実質的に、転移ローラによ
って湿し装置ローラとともに形成される円周側の接触点
を通る接線上に位置していることを特徴とする。転移ロ
ーラと湿し装置ローラの共通の揺動軸が正確にまたは近
似的に転移ローラと湿し装置ローラの共通の接線上に位
置するという状況が成立し、このとき接線は、湿し装置
ローラへの転移ローラの当てつけ法線に対して垂直に延
び、湿し装置ローラへの転移ローラの押圧に対する反力
のない支持に関して非常に有利である。接線が通過して
いる円周側の接点が、転移ローラによって湿し装置ロー
ラとともに形成されたスリップ間隙である場合には、ス
リップ間隙で湿し水薄膜ないしエマルジョン薄膜をせん
断するときに作用するせん断力が、転移ローラを揺動軸
を中心に揺動させているトルクに及ぶことがない。した
がって再調整力によって生成される、湿し装置ローラへ
の転移ローラの押当て力は、たとえば転移ローラと湿し
装置ローラの周速度の間の速度差の変化に起因してスリ
ップ間隙でせん断力が変化したときでも、常に一定のま
まに保たれる。
【0012】揺動軸が湿しローラと転移ローラのローラ
軸に対してオフセットされているという状況は、この両
ローラが同一のローラ支持体で支持されることを可能に
し、このとき両ローラの溝における押圧ストライプ幅
は、調節装置による湿しローラの変位によって調整可能
にすることができる。このことは、湿し装置ローラに対
する転移ローラの正確に再現された押し当てに関して非
常に有利であり、これについては後の箇所でさらに詳細
に説明する。
【0013】エマルジョン湿し装置または直接薄膜湿し
装置としての湿し装置の構成に関しては、両方の方策の
それぞれが(両方の方策とは、一つには揺動軸のオフセ
ット、もう一つは揺動軸を接線の上または付近に配置す
ることを意味する)それ自体で、かつそれぞれ他方の方
策とは無関係に有利であるとともに、これらの方策の組
合せによって格別の利点が生まれる。
【0014】本発明による湿し装置では、湿し装置ロー
ラに対する転移ローラの押圧はさらに有利なことに再調
整力で自動調整される。転移ローラによって湿し装置と
ともに形成される押圧ストライプの幅は、転移ローラを
湿し装置ローラに力を重視して押し当てることによっ
て、両ローラの耐用寿命全体にわたって一定に保つこと
ができる。このことは工場側によるローラの固定調節に
くらべて、あるいは利用者側で定期的な間隔で手動によ
って再調整されるべきローラの調節にくらべて著しい利
点である。
【0015】公知の工場側によるローラの固定調節とは
異なり、本発明の湿し装置では、使用に起因して発生す
る湿し装置ローラおよび/または転移ローラの直径変化
がまったく問題ではなくなり、相応の調整方向の再調整
力の作用によって補正される。ここで述べたような直径
変化にはさまざまな種類の原因があり得る。
【0016】一方では、湿し装置ローラの周囲のゴム被
覆が湿し水や洗浄水の作用で膨張し、それによって湿し
装置ローラの直径が増大する。
【0017】他方では、このような柔軟な湿し装置ロー
ラは転移ローラの上を転動することによって磨耗する可
能性がある。湿し装置ローラと転移ローラが湿し装置の
作動時に互いの周速度の差を増大させながら転動してい
ると、湿し装置ローラのいっそう激しい磨減が起こるこ
とがある。磨耗と磨減によって湿し装置ローラの直径は
減っていく。
【0018】通常はこれら両方の要因が重なり合ってお
り、たとえば第1の段階では湿し装置ローラの膨張が、
そしてこれに続く第2の段階では湿し装置ローラの磨減
が主要な要因となり、それによって湿し装置ローラの直
径はその耐用寿命にわたって変動する。
【0019】非常にメンテナンスフリーな本発明の湿し
装置では、湿し装置ローラの耐用寿命にわたって押圧ス
トライプ幅の点検の必要がなく、また湿し装置ローラや
転移ローラの手動による再調節の必要がない。
【0020】湿し装置ローラへの転移ローラの押圧をさ
まざまな種類の印刷条件に適合させるために、当然なが
ら再調整力の大きさは調整可能であり得る。転移ローラ
に作用する再調整力がたとえばばねによって生成される
ばね力である場合、押圧時に作用するばね力は、ばねの
初期応力を変えることによって調整可能であり得る。
【0021】有利には、転移ローラは再調整力(ここで
は調節力)の作用のみによって、版に湿し水を着けてい
る間、回転している湿し装置ローラに当たったまま保た
れ、したがって追加的に固定されない。
【0022】しかしながら、本発明の範囲には、転移ロ
ーラと湿し装置ローラが停止しているか、または同一の
周速度で回転しており、そのため転移ローラが再調整力
で規定される押圧力でたとえば湿し装置ローラに対する
ばね作用で当てられているときには、両方のローラで形
成されるロール間隙にせん断力が作用しないという構造
上の変形例も属している。これによれば、再調整力によ
って調整される転移ローラの湿し装置ローラに対する相
対位置は、追加的な固定装置、たとえばクランプ装置を
用いて保つことができるので、その後で版に湿し水を着
けるためにローラ回転駆動のスイッチオンまたは切換を
行って異なる周速度ないし転動スリップでのローラ回転
にしたときに、一定の押圧力がそのまま維持される。両
ローラの直径変化は、この構造上な変形例では再調整力
(ここでは補償力)によってまだ固定を行う以前に補正
される。
【0023】以下に説明する各実施態様は、構造上また
は機能的に特に有利な本発明の湿し装置の発展形であ
る。
【0024】湿し水容器から版までの湿し水の搬送経路
で間隙地点の数をできるだけ少なくするという点で有利
な実施態様では、湿し装置ローラは、版に当接するか、
版との間に間隔をおくかを選択的に設定可能な水着けロ
ーラである。しかしながら特定の利用ケースではこれと
は異なり、湿し装置ローラは、湿し水を最初に述べた転
移ローラから湿し装置ローラへ転移するさらに別の転移
ローラであってもよい。
【0025】同様に、湿し水の搬送経路で間隙地点をで
きるだけ少なくするという点で有利な別の実施態様で
は、転移ローラが、湿しローラと転動接触している調量
ローラである。したがって、この実施態様では、転移ロ
ーラが一方では湿しローラから受け取った湿し水を湿し
装置ローラに転移するとともに他方では湿しローラとと
もに湿し水薄膜の生成と湿し水の調量のための、広さを
調整可能なローラ間隙を形成することによって転移ロー
ラが二重の機能をもつことになる。
【0026】湿し装置ローラから離れた洗浄位置に転移
ローラを変位させるという点で有利な実施態様では、転
移ローラはローラ調整駆動装置によって、再調整力の可
撓な復帰作用に抗して湿し装置ローラとの間に間隔をお
くように変位可能である。直接薄膜湿し装置として湿し
装置を構成するという点で有利な実施態様では、転移ロ
ーラはローラ回転駆動装置によって、湿し装置ローラの
周速度とは異なる周速度で駆動される。
【0027】これとの関連では、転移ローラがこれと隣
接する両方のローラとともに、それぞれが固有の機能を
果たす2つの異なるローラ間隙を形成するというすでに
上述した方策が格別に有利となる。
【0028】転移ローラによって湿し装置ローラととも
に形成されるスリップ間隙では、版の印刷画像によって
引き起こされる障害は、湿し装置ローラ上にある湿し水
薄膜において周方向で解消され、このとき転移ローラは
有利には湿し装置ローラよりもゆっくりと回転する。
【0029】転移ローラによって湿しローラとともに形
成されるローラ間隙はすでに述べたように薄膜生成の役
目を果たし、このとき調量ローラとして機能する転移ロ
ーラは湿しローラ上で転動スリップすることなく回転す
ることができる。
【0030】湿し水を湿し水容器から版まで搬送するロ
ーラ列における3つだけのローラという少ない数は、特
に直接薄膜湿し装置として湿し装置を構成したときに有
利であり、この場合、ノンアルコールの湿し水を使用す
ると、あるいは湿し水中にアルコール代替物質を使用す
ると非常に安定な印刷インキ−湿し水−エマルジョンが
保証される。
【0031】同様に、直接薄膜湿し装置としての湿し装
置の構成に関して有利な別の実施態様では、転移ローラ
がローラ回転駆動装置によって、湿し装置で給湿される
回転する版の円周速度とは異なる周速度で駆動され、こ
のとき転移ローラは有利には版よりもはるかにゆっくり
と、すなわち低い周速度で回転する。
【0032】たとえば変形したローラや真円でないロー
ラによって引き起こされる、印刷作業中における転移ロ
ーラと湿し装置ローラとの間の法線力の変動を防ぐこと
に関して、または少なくとも充分に減らすことに関して
有利な実施態様では、転移ローラと湿しローラの共通の
揺動軸は、第1の回転方向では回転し易く、第2の回転
方向では回転しにくいピボットベアリングとして構成さ
れており、それによって転移ローラはこのピボットベア
リングを中心として動き易く湿し装置ローラのほうに向
かうように揺動可能、かつ動き難く湿し装置ローラから
離れるように揺動可能である。揺動軸のこうした特殊な
構成により、湿し装置ローラに対する転移ローラの再現
可能に正確な押し当て運動が保証され、それと同時に湿
し装置ローラからの転移ローラの胴逃がし運動の緩衝作
用が保証される。
【0033】以下に説明するピボットベアリングは、一
方では本発明による湿し装置のすぐ上で説明した実施態
様のピボットベアリングの有利な変形例であるととも
に、他方では湿し装置とは無関係な独立した発明でもあ
る。したがって、このピボットベアリングに関連する独
立請求項7では任意に請求項6を引用する。
【0034】被印刷体を処理する機械、特に印刷機にお
けるピボットベアリング、特に揺動軸を形成する湿し装
置のピボットベアリングは、それ自体で容易に回転可能
なフリーホイールクラッチが連結穴の中で回転し難く滑
り支承されていて継手ピンが回転不能にフリーホイール
クラッチに差し込まれているか(第1の変形例)、ある
いはそれ自体容易に回転可能なフリーホイールクラッチ
が継手ピンに動き難く回転可能に滑り支承されていて回
転不能に連結穴に差し込まれている(第2の変形例)か
のいずれかを特徴とする。
【0035】ピボットベアリングの両方の代替的な変形
例における特徴は、ピボットベアリングに支持されてい
る機械部分、たとえば湿し装置の湿しローラと転動ロー
ラとを支持するローラ支持体が第1の回転方向では動き
易く、かつ第2の回転方向では動き難く、ピボットベア
リングを中心として回転可能または揺動可能なことであ
る。
【0036】機械部分が第1の回転方向に回転すると
き、フリーホイールクラッチの回転はそのフリーホイー
ル回転方向においてそれ自体で行われる。このとき、第
1の変形例ではフリーホイールクラッチないしその外側
リングによって連結穴とともに形成され、第2の変形例
ではフリーホイールクラッチないしその内側リングによ
って継手ピンとともに形成される滑り軸受の内部ではま
ったく回転が行われず、あるいはほとんど回転が行われ
ない。
【0037】機械部分がその逆の第2の回転方向に回転
するとき、フリーホイールクラッチの回転はそれ自体で
ロックされており、ないしフリーホイールクラッチの逆
回転はブロックされており、それによってフリーホイー
ルクラッチによって連結穴とともに、または継手ピンと
ともに形成される滑り軸受での回転だけが行われる。フ
リーホイールクラッチそれ自体は、機械工作で頻繁に利
用される機械要素である。それにもかかわらず、ここで
カール・ハンザ出版社ミュンヘンで1989年にウィー
ンで刊行され、大学教授資格のある工学博士ヴェルナー
・クラウゼ(Werner Krause)によって編
集された専門書「精密工学の設計要素(Konstru
ktionselemente der Feinme
chanik」(ISBN3−446−15332−
2)と、同書の特に512頁および513頁を指摘して
おく。この専門書では特に、回転方向に依存した形状回
転ロック機構(一方の部分が他方の部分と嵌合すること
によってある方向の回転のみをロックする)をもつクラ
ッチと、回転方向に依存した摩擦方向ロック機構(摩擦
によってある方向の回転のみをロックする)をもつクラ
ッチとにフリーホイールクラッチを区分できることが記
載されている。形状方向ロック機構をもつフリーホイー
ルクラッチには、たとえばラチェットや非常に低い回転
数をもつ運動に利用される歯車方向ロック機構によるフ
リーホイールクラッチが属している。より大きい回転数
には、たとえばクランプローラフリーホイールまたはク
ランプ体フリーホイールとして作られていて、玉軸受の
ようないわゆる取付型フリーホイールとして納品可能・
使用可能な、有利なことに騒音の少ない摩擦方向ロック
機構をもつフリーホイールクラッチが用いられる。
【0038】湿し装置の揺動軸を形成するピボットベア
リングを構成するには、このような取付型フリーホイー
ルを使用するのが有利である。
【0039】フリーホイールクラッチへ回転不能に差し
込まれた継手ピンを備える、本発明によるピボットベア
リングの第1の変形例では、継手ピンは回転しないよう
に別の機械部分に固定されている。連結穴に回転不能に
差し込まれたフリーホイールクラッチを備える第2の実
施態様では、連結穴を有している機械部分が回転しない
ように別の機械部分に固定されている。ピボットベアリ
ングを形成するためにフリーホイールクラッチを本発明
にしたがって用いる場合、連結穴を有する機械部分によ
って回転運動が継手ピンに伝達されず、また継手ピンに
よっても連結穴を有する機械部分に回転運動が伝達され
ない。
【0040】ピボットベアリングの上述した両変形例で
は、その動き難い滑り軸受は、軸受ブッシュを考慮に入
れたうえで構成することができる。ブッシュの使用で有
利なのはその切削加工性が優れていることであり、それ
によってたとえばフリーホイールクラッチをまったく切
削加工することなく、滑り軸受の動き難さに必要な直径
の適合寸法を製作することができる。滑り軸受の形成に
ブッシュを使用することは、ブッシュが滑り軸受の比較
的柔軟な磨耗部分として機能するとともに交換部品とし
て低コストで製造できるという理由によっても有利であ
る。滑り軸受の内部での摩擦によって生じる、外側リン
グおよび/または内側リングが硬化されていてよいフリ
ーホイールの磨耗はこれによって最低限に抑えられる。
【0041】第1の変形例では、ブッシュは回転不能に
機械部分に差し込まれていてよく、このときブッシュの
内壁が連結穴を形成し、その内部では比較的摩擦の大き
いフリーホイールの外側リングが回転可能である。しか
しながらブッシュは回転不能にフリーホイールの外側リ
ングに差し込まれてたとえば焼きばめされていてもよ
く、それによってブッシュは実質的にフリーホイールク
ラッチの構成要素となる。この場合にはブッシュの外面
は機械部分の内部にある連結穴とともに動き難い滑り軸
受を形成する。
【0042】継手ピンの上に回転し難く回転可能に滑り
支承されたフリーホイールクラッチをもつピボットベア
リングの第2の変形例では、やはり前記と同様に、フリ
ーホイールクラッチがブッシュに載っていてこのブッシ
ュが継手ピンに載っていることが可能である。たとえば
フリーホイールクラッチの内側リングが回転しないよう
にブッシュの外面に載っていると、ブッシュの内面は継
手ピンとともに動き難い滑り軸受を形成する。しかしな
がらブッシュは継手ピンに対して回転しないようにこれ
に載っていてもよく、このときブッシュの外面はフリー
ホイールの内側リングとともに滑り軸受を形成する。
【0043】これまでの説明で何度も触れたフリーホイ
ールクラッチの内側リングは、クランプローラフリーホ
イールではしばしば内側スター(Innenster
n)とも呼ばれ、またリングに連結されたクランプ体を
もつフリーホイールクラッチではクランプ体リング(球
軸受と似たもの)とも呼ばれている。
【0044】本発明のピボットベアリングは、一方の揺
動方向には低い摩擦で揺動可能かつ別の揺動方向には高
い摩擦で動き難く揺動可能であるべき、1つ1つの揺動
可能な機械部分を支持するのに適している。したがっ
て、このピボットベアリングは、方向に依存した回転す
る緩衝装置として作用することができる。
【0045】湿し水の量の調量に関して有利な本発明の
湿し装置の実施態様では、転移ローラと湿しローラとが
調整可能な相互のローラ軸間隔でともに1つのローラ支
持体に支持されている。たとえば転移ローラが湿しロー
ラに対して相対的に変位することで、湿しローラに対す
る転移ローラの適合を調整することができ、これに伴っ
て、押圧しあっている両方のローラで形成されるロール
間隙を通じて運ばれる湿し水の量を調整することができ
る。ローラ軸間隔を調整するために、ローラ支持体に調
整装置を配置してもよい。
【0046】湿し装置ローラに対する転移ローラの当て
つけの再現性が高いという点で有利な実施態様では、湿
しローラの回転軸と転移ローラの回転軸との間のローラ
軸間隔が、選択的に転移ローラの方向に向かってまたは
転移ローラから離れる方向に向かって、ローラ支持体に
構成された調節装置によって調整可能である。したがっ
て、ローラ押圧を調整するための転移ローラの変位はも
はや必要なく、転移ローラは固定位置で、ローラ支持体
に対して相対的にローラ支持体で回転可能に支持されて
いてよい。それにより、ローラ支持体が揺動軸を中心と
して、ないし揺動軸を形成するピボットベアリングを中
心として揺動したときに、転移ローラは常に絶対的に同
じ湿し装置ローラの円周位置で湿し装置ローラに当接す
ることが保証される。転移ローラと、ローラ支持体にお
ける再調整力の作用点との一定の間隔が保証され、転移
ローラと揺動軸との一定の間隔も保証されるので、これ
らの間隔が変化してしまうと生じる、湿し装置ローラに
対する転移ローラの押圧力の変化も排除される。
【0047】湿しローラの洗浄に関して有利な実施態様
では、湿しローラはその軸方向に振動する横振りローラ
に当接させることが可能である。したがって、横振りロ
ーラから湿しローラに洗浄液を転移させることができ、
湿し装置を洗浄するときに湿しローラ上にある汚れを横
振りローラによって除去することができる。このとき湿
しローラおよび/または横振りローラを柔軟になるよう
に被覆すると有利である。たとえば湿しローラは円周上
の柔軟なゴム層を備えている。
【0048】横振りローラが軸方向で見て湿しローラよ
りも短いという場合には、洗浄時における横振りローラ
の振動の結果、それ自体(横振りローラが湿しローラに
対して相対的に中間位置にいる場合)横振りローラに軸
方向で突出する、湿しローラの末端の円周領域もともに
捕らえられるので、湿しローラはその長さ全体にわたっ
て横振りローラによって洗浄される。転移ローラは同様
に横振りローラより長くてもよく、たとえば湿しローラ
と同じ長さであってよく、湿しローラに当接することで
湿しローラによってともに洗浄される。
【0049】横振りローラへの湿しローラの押し当て
は、湿しローラを支持しているローラ支持体が揺動軸受
を中心として揺動することによって引き起される。
【0050】転移ローラの洗浄に関して有利な実施態様
では、軸方向に振動する横振りローラに転移ローラを当
接させることが可能である。したがって、転移ローラ上
を転動する横振りローラは洗浄液を転移ローラへ転移し
て、転移ローラから汚れ、たとえば残留インキを除去す
ることができる。転移ローラを横振りローラに押し当て
るため、転移ローラを支持しているローラ支持体は、ロ
ーラ支持体が回転可能に支持されていて揺動軸を形成し
ているピボットベアリングを中心に揺動可能であってよ
い。
【0051】この実施態様で横振りローラが軸方向で見
て転移ローラよりも短い場合には、転移ローラを洗浄す
るときの横振りローラの振動によって、先の実施態様と
の関連ですでに述べた横振りローラによる湿しローラの
洗浄の場合と基本的に同一の利点が得られる。横振りロ
ーラに突出している転移ローラのローラ端部が横振りロ
ーラの振動によって捕らえられ、それによって転移ロー
ラはその長さ全体にわたって横振りローラで洗浄され
る。このとき湿しローラは横振りローラより長くてよ
く、たとえば転移ローラと同じ長さであってよく、転移
ローラによってともに洗浄され、このとき湿しローラは
転移ローラに当接している。
【0052】湿しローラと、調量ローラとして構成され
た転移ローラとは、(特に水着けローラとして構成され
ている)湿し装置ローラよりも軸方向で長くするべきで
あり、それによって画像領域の中へのいわゆる側方の水
シミの転移が防止される。
【0053】湿しローラと調量ローラが協働することに
より、湿し装置を作動させたときにしばしばこのような
水シミが、湿しローラと調量ローラのローラ縁部付近の
両端の外周領域に生じる。水を含んだ円周ストライプ
は、ローラのそれぞれの側方縁から測定して、他方のロ
ーラ端部の方向に約1センチほど延びることがある。水
シミが軸方向で湿し装置ローラに突出する外周領域に生
じることにより、この余剰水は湿し装置ローラへ転移せ
ず、湿し装置ローラから版へと転移することがない。し
たがって、湿しローラと調量ローラを湿し装置ローラに
くらべてやや長く構成することで、印刷品質を劣化させ
る水シミの作用を防止する技術的解決策が与えられる。
【0054】湿しローラと転移ローラがインキを運ばな
いアルコール湿し装置として本発明による湿し装置を構
成することが考えられるが、この場合には発明された技
術的解決策からはそれ以上の問題は生じない。
【0055】本発明による湿し装置の直接薄膜湿し装置
としての有利な構成では、湿しローラと転移ローラがイ
ンキを運び、そのために円周側にたとえばそれぞれ1つ
の硬質または軟質のゴム層を備えている。したがって、
直接薄膜湿し装置の場合にはアルコール湿し装置と違っ
て、湿しローラと転移ローラも洗浄できるようにするこ
とが必要である。湿しローラ、および調量ローラとして
構成された転移ローラを洗浄するには、そのために洗浄
時に湿しローラまたは転移ローラの上で転動するさらに
別のローラによって、湿しローラまたは転移ローラに洗
浄液を供給しなくてはならない。
【0056】たとえば第1の洗浄バリエーションでは、
洗浄液が別のローラから転移ローラへ転移され、転移ロ
ーラから湿しローラへと渡される。このとき別のローラ
は、洗浄液の供給と反対方向に進行する、湿しローラお
よび転移ローラの洗浄で除去された残留インキの搬出と
いう役目を果たす。このとき転移ローラおよび/または
他のローラ(横振りローラ)が柔軟に被覆されていると
有利である。第2の洗浄バリエーションによれば、転移
ローラ上にある残留インキを湿しローラによって、そし
て湿しローラ上にある残留インキを洗浄時に湿しローラ
上で転動する別のローラによって除去することが同様に
可能であり、すなわち転移ローラは湿しローラによって
同時に洗浄される。このとき湿しローラおよび/または
は別のローラ(横振りローラ)が柔軟に被覆されている
と有利である。
【0057】いずれの洗浄バリエーションでも、汚れた
水シミまたはエマルジョンしみが存在している湿しロー
ラまたは調量ローラの両側の外周領域が洗浄時に横振り
ローラによって捕らえられるような大きさに行程幅が設
定された、洗浄時に軸方向に振動する横振りローラとし
て別のローラが構成されていると有利である。側方の行
程幅は、横振りローラの左側の側方縁も右側の側方縁も
いずれも、洗浄時に横振りローラが押し当てられるそれ
ぞれのローラすなわち湿しローラまたは転移ローラの対
応する側方縁を少しだけ越えるように設定されている
と、やはり有利である。
【0058】格別に調量を正確に調整可能な湿し装置の
構成という点で有利な実施形態では、湿しローラ上を少
なくとも2つのローラが転動し、そのうちの1つのロー
ラは軸方向で振動する横振りローラに当接させるか、ま
たは横振りローラと間隔をおくかのいずれかに選択的に
設定可能である。有利には、これらの2つのローラは転
移ローラとニップローラとで形成され、このときニップ
ローラは湿しローラの回転方向に見て、蓄えられた湿し
水に湿しされる湿しローラの円周領域に後置されている
とともに、湿しローラへの転移ローラの当接部位に前置
されている。このときニップローラは、たとえば洗浄の
ために横振りローラに押し当て可能なローラである。
【0059】ニップローラの軸方向の長さは、印刷領域
で不利に作用するニップローラ上の側方の水シミを防止
するという理由から横振りローラの長さよりもやや長
く、かつ湿しローラおよび転移ローラの長さと同じ長さ
に設計されていてよく、このとき(先に述べた各実施態
様と同じく)横振りローラが中間位置にいるときに横振
りローラの側方縁に突出するニップローラの末端の外周
領域は、横振りローラによって行われるニップローラの
洗浄時に、横振りローラの振動によってともに捕らえら
れる。ニップローラの洗浄、およびニップローラによる
湿しローラの洗浄、ならびに湿しローラに当接している
転移ローラの洗浄は、上述の2つの実施態様との関連で
説明したようなやり方で、洗浄時にローラ列を介して湿
し装置と連結されるインキ装置に配属された洗浄装置を
用いて行われる。
【0060】湿し水の平滑化、および湿し装置を直接薄
膜湿し装置として構成した場合におけるエマルジョン形
成、ならびに版に塗布する前のエマルジョンの平滑化に
関して有利な実施態様では、給湿のときに横振りローラ
が湿し装置ローラと転動接触する。たとえば横振りロー
ラは恒常的な当接で、水着けローラとして構成された湿
し装置ローラに当接する。
【0061】湿し装置ローラへの転移ローラの当接が駆
動装置の影響によって損なわれないという点で有利な実
施態様では、転移ローラを駆動するローラ回転駆動装置
が転移ローラとともに、湿しローラのローラ軸に対して
オフセットされた揺動軸を中心として揺動可能である。
たとえばローラ回転駆動装置は電動モータであって、転
移ローラを支持していて揺動軸を中心に揺動するローラ
支持体に取りつけられている。したがって、転移ローラ
を駆動するために、および湿し装置ローラに対する転移
ローラの転動スリップを生成するためにローラ回転駆動
装置によって生成された駆動力を、駆動力によってロー
ラ支持体に及ぼされてローラ支持体を揺動軸を中心に揺
動させるローラ支持体への再調整力の作用と同方向また
は反対方向を向いたトルクが防止されるように、ローラ
回転駆動装置から転移ローラへ伝達することが可能であ
る。
【0062】少なからぬケースでは、この実施態様とは
異なる、ローラ支持体による電動モータの外部への配置
が必要となる場合があり、このとき駆動力は電動モータ
からたとえば歯付きVベルトまたは歯車を含む伝動装置
を介して転移ローラへと伝達される。この場合には、た
とえばVベルトの延びに相当する駆動力の作用線が揺動
軸を通過して、または少なくとも揺動軸の付近を通過し
て延びるように伝動装置を配置するのが有利である。こ
のようにすれば電動モータがローラ支持体の外部に配置
されていても、駆動によって生じ、湿し装置への転移ロ
ーラの当接を乱すように作用し、ローラ支持体に及ぼさ
れるトルクが防止される。
【0063】本発明による湿し装置とその実施態様は特
にオフセット輪転印刷機に適しており、またブランケッ
ト胴のない平版直刷(ダイリソ印刷)で印刷を行う印刷
機の場合でも平版に湿し水を着けるのに利用することが
できる。
【0064】有利には、湿し装置は、アルコールやアル
コール代替物質を用いることなく高い印刷品質が得ら
れ、冷却が必要なく、非常に操作が容易で、印刷枚葉紙
のより短い乾燥時間やより好ましい試し刷り挙動が少な
い始動時の損紙で(アルコール湿し装置と比較した場
合)達成可能である、エマルジョン薄膜湿し装置ないし
直接薄膜湿し装置として構成されている。
【0065】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0066】図1には、輪転印刷機として構成され、被
印刷体枚葉紙を印刷するための平版印刷機2(plan
ographic printing)が複数のオフセ
ット印刷装置18を有する版胴11、ブランケット胴2
1、および圧胴22をそれぞれ含んでいる。この場合、
版胴11上に張り渡された版12は湿し装置1によって
湿し水を着けられ、インキ装置19によってインキ着け
される。
【0067】図2には、版12に湿し水を着けている途
中の湿し装置1が詳細に描かれている。湿し水容器35
に蓄えられている湿し水は、3つのローラ3,4,およ
び5からなるローラ列を介して版12まで運ばれ、この
とき湿しローラ3は湿し水を湿し水容器35からすくい
取り、調量ローラとして機能する転移ローラ4とともに
湿し水調量のための押圧間隙を形成し、転移ローラ4は
湿しローラ3から受けとった湿し水を水着けローラとし
て構成された湿し装置ローラ5に渡し、この湿し装置ロ
ーラによって湿し水は版12に塗布される。
【0068】版12に湿し水を着けるとき、湿し装置1
には、インキ着けローラ20として構成されたインキ装
置ローラからこれに当接する(一点鎖線)連結ローラ4
7を介して湿し装置ローラ5へ、さらにそこから部分的
に転移ローラ4および湿しローラ3に到達する印刷イン
キがインキ装置19から供給される。湿し水搬送経路を
形成するローラ3,4,および5は円周側にインキを運
ぶ被覆を備えており、このとき詳細に言えば湿しローラ
3と湿し装置ローラ5はたとえば軟質ゴム55からなる
比較的柔軟な外装を有しており、転移ローラ4はたとえ
ば硬質ゴム54からなる比較的硬質の外装を有してい
る。連結ローラ47と、湿し装置ローラ5にのみ常に当
接している横振りローラ17は、外側が同じく親インキ
性に施工されており、そのためにリルサン(Rilsa
n:親油性硬質ナイロン樹脂の商号)で被覆されている
か、または硬質ゴムで外装されていてよく、それによっ
てローラ3から5および47のそれぞれの上に程度の差
こそあれ湿し水を添加された印刷インキ−湿し水−エマ
ルジョンが存在することになる。
【0069】湿し装置1をインキ装置19から連結解除
するために、連結ローラ47は湿し装置ローラ5との接
触を維持しながら、インキ着けローラ20に対する間隔
位置(実線)に変位可能である。湿しローラ3と転移ロ
ーラ4は、ともに1つのローラ支持体15で回転可能に
支持されている。
【0070】ローラ支持体15は、間にローラ3および
4が支持されている同種の2つの支持プレートからなっ
ている。ローラ支持体15は、機械フレーム51に配置
された支持体揺動軸受27を中心に揺動可能である。支
持体揺動軸受8は、ローラ3および4のローラ軸6およ
び7に対して間隔おき、かつ平行に位置する揺動軸8を
形成している。
【0071】ばね9は、ローラ支持体15に作用してこ
れを時計回りと反対に揺動軸8を中心として揺動させる
再調整力ないしばね力FF を生成し、それによって転移
ローラ4は湿し装置ローラ5へ可撓的に押しつけられ
る。再調整力FF は、湿し装置ローラ5の周速度を変え
ながら、湿し装置ローラ5に対する転移ローラ4の押圧
力を一定に保つ自動制御式の押圧力を生む。再調整力F
F の大きさは力調整装置56によって調整可能である。
転移ローラ4が図示しているように湿し装置ローラ5に
当接しているときには、この力調整装置56を用いて、
ばね9が作用下にあるところのばね9の初期押圧力を調
整可能である。力調整装置56は、ばね9が差し込まれ
ているばねボルトにねじ締結可能なナットであってよ
く、それによりばね9は必要な初期押圧力だけ圧縮され
る。
【0072】ローラ支持体15に作用する支持体調節駆
動装置25を用いて、ローラ支持体15およびこれとと
もにローラ3および4は再調整力FF の作用に抗して時
計回りに揺動可能なので、転移ローラ4は図3に示すよ
うな湿し装置ローラ5との間隔へ揺動可能であるととも
に、湿しローラ3は同時に図3に示す横振りローラ17
との当接位置へ揺動可能である。
【0073】水着けローラとして構成された湿し装置ロ
ーラ5はローラ支持体49で回転可能に支持されてお
り、このローラ支持体とともにそのフレーム固定された
支持体揺動軸受50を中心に揺動可能なので、湿し装置
ローラ5は選択的に版12に対する当接位置(図2)と
間隔位置(図3)へ変位可能である。支持体揺動軸受5
0は横振りローラ17の回転軸と同軸に配置されている
ので、横振りローラは湿し装置ローラ5が変位しても一
緒に変位させられる必要がない。ローラ支持体49は、
転移ローラ5を互いの間に受容する2つの二重アームの
揺動レバーで構成されている。
【0074】ローラ支持体49を支持体揺動軸受50を
中心に揺動させる支持体アクチュエータ26は、支持体
アクチュエータ25とまったく同様に、かつ湿し水容器
を上昇および下降させる容器アクチュエータ36と同じ
く、圧力媒体液で作動可能な、たとえば空気圧式の往復
ピストンシリンダとして構成されていてよい。
【0075】電子的な制御装置45は駆動装置25,2
6および36を互いに同期させながら制御するばかりで
なく、転移ローラ4と湿しローラ3を駆動する、ローラ
支持体15に取り付けられた電動モータ式のローラ回転
駆動装置10も、版胴11を駆動する電動モータ式の胴
回転駆動装置23に対して速度補正された適合のもとで
制御する。制御装置45は同じくローラ回転駆動装置1
0を、湿し装置1の図示した構成では胴回転駆動装置2
3の機能ユニットとして形成されている転移ローラ5を
駆動するローラ回転駆動装置に対する速度補正で制御す
る。
【0076】このようにして次の事柄が達成される。す
なわちローラ3および4の円周速度は、印刷速度が変わ
るとその都度の変更に合わせて従属制御される。しかし
ローラ4および5は給湿のときには互いに異なる周速度
で互いに転動し、このとき制御装置45によって、湿し
装置ローラ5の周速度に関する百分率の速度差を転移ロ
ーラ4の周速度にプリセット可能である。制御装置45
は、印刷速度が変わるとプリセットされている速度差が
維持されるように、または特性曲線に応じて印刷速度の
変化に従属制御されるように、ローラ回転駆動装置10
を制御する。転移ローラ4は湿し装置ローラ5よりも低
い周速度で回転する。プログラミングされた、または制
御装置45を操る印刷工によって実行された、ローラ4
および5の間の差速度の変更によって、給湿のときに転
移ローラ4から湿し装置ローラ5へ転移される湿し水の
量が調整可能である。
【0077】転移ローラ4は常に湿しローラ3に当接し
ており、このときローラ3および4は相互のわずかな転
動スリップをもって互いの上を転動している。この転動
スリップの大きさは、たとえばローラ3および4を駆動
しながらこれらを相互に、かつローラ回転駆動装置10
と接続している歯車伝動装置43の構成によってプリセ
ットされていてよい。
【0078】転移ローラ4に対する湿しローラ3の押圧
力、およびこれに伴って両方のローラ3および4によっ
て形成される押圧間隙を通して運ばれる湿し水薄膜ない
しエマルジョン薄膜の層厚は、ローラ軸間隔aを調整す
るための調整装置16によって調整可能である。調整装
置16は、調整ねじ40によって転移ローラ4へ近づく
ように、およびこれから遠ざかるように調節可能な、湿
しローラ3のローラピンを受容する軸受ブッシュまたは
軸受シェル41で構成されている。ガイド部は、軸受シ
ェル41が中でスライドする、ローラ支持体15のガイ
ド溝42として構成されているので、ローラ軸6は連結
中心に沿ってローラ軸7のほうへと移動可能である。図
2では見えない湿しローラ3のローラ端部には、両端で
ローラ調節をするためにこのような調整装置16がもう
一つローラ支持体15に配置されている。
【0079】再調整力FF は、引張負荷可能または有利
には圧力負荷可能な螺旋状に巻かれたばね9の代わり
に、ガス圧ばねによって生成することもできる。たとえ
ばそのためにローラアクチュエータ25を形成する往復
ピストンシリンダを、二重に作用する往復ピストンシリ
ンダとして構成してもよい。上述した改良形ではばね9
の代わりに、ばね9を受容するシリンダ室の中に圧力下
にあるガスが入っている。しかしながら支持体アクチュ
エータ25に追加して、再調整力FF を生成する、ロー
ラ支持体15と結合された別の空気圧シリンダを設ける
ことも可能である。
【0080】また、再調整力FF として、たとえばロー
ラ3および4の自重によってローラ支持体15および場
合によりローラ回転駆動装置10とともに生じる重量を
作用させることも可能である。ただし、図2に描かれた
湿し装置の構成では、揺動軸8に対する上述した質量の
相対位置は、転移ローラを湿し装置ローラ5から離すよ
うに揺動するモーメントが生成されることになるので、
このような場合には追加的な重量片をローラ支持体15
に取り付けるか、またはローラ支持体にたとえばロープ
伝動装置を介して結合することができ、それによって生
じる装荷質量体と、ローラ3,4と、ローラ支持体15
と、場合によりローラ回転駆動装置10との重量から、
転移ローラ4を湿し装置ローラ5に向かって揺動軸8を
中心に揺動させるトルクが生じる。
【0081】図3には、インキ装置19に配属されてい
る洗浄装置を用いて洗浄中の湿し装置1が描かれてい
る。洗浄装置の構造と作動様式は、ニップローラ46の
追加によって改良された湿し装置1の構成との関連で図
7に示す洗浄装置37に対応している。
【0082】図3には、繰出された支持体アクチュエー
タ25によって湿し装置ローラ5が支持体揺動軸50を
中心に版12から離れるように揺動している様子が描か
れている。ローラ支持体15は繰出された支持体アクチ
ュエータ25によって、給湿位置(図3)から変化した
洗浄位置へと揺動軸8を中心に揺動しており、それによ
って転移ローラ4は湿し装置ローラ5から胴逃がしさ
れ、湿しローラ3は有利にはその当初の位置に残ってい
る横振りローラ17に当てつけられている。
【0083】調整装置57を用いて、横振りローラ17
に対する湿しローラ3の押圧力を調整することが可能で
ある。調整装置57は、支持体アクチュエータ25の行
程幅とローラ支持体15の揺動角とを制限する移動可能
なストッパとして、機械フレーム51にねじ込まれた調
整ねじという形で構成されている。
【0084】制御装置45は給湿位置(図2)から洗浄
位置(図3)へと湿し装置1が切り替わるときに、支持
体アクチュエータ25および26、ならびに容器アクチ
ュエータ36を次のようにして互いに同期させて制御す
る。すなわち、まず容器アクチュエータ36が起動させ
られて引き込まれ、それによってもはや湿しローラ3の
揺動経路内にはいなくなる。次いで支持体アクチュエー
タ25が起動されて繰出され、それによってローラ支持
体15は、湿しローラ3が横振りローラ17に当接する
まで時計回りに揺動する。すると支持体アクチュエータ
26が起動されて繰出され、それによってローラ支持体
49は時計回りに揺動し、水着けローラとして構成され
ている湿し装置ローラ5は版12と接触しなくなる。洗
浄位置(図3)から給湿位置(図2)への湿し装置1の
切換は、上記と逆の順序で行われる。
【0085】さらに、支持体アクチュエータ25および
26は制御装置45によって、インキ着けローラ20お
よびさらに別のインキ着けローラによって版12へのイ
ンキ着けが開始される前に、インキ装置19および/ま
たは版12が事前に湿し水を着けられ、湿し装置ローラ
5が版12から胴逃がしされているときに湿し装置1が
インキ装置19で事前にインキ着けされるようにも制御
可能である。インキ装置19と湿し装置19のこうした
事前給湿と事前インキ着けは、インキ着けローラおよび
その他の図示しないインキ着けローラが版12から胴逃
がしされているという点で、図3に示す切換と異なって
いる。1つまたは複数のインキ着けローラのこのような
胴逃がしは、湿し装置1を洗浄するときにも(図3およ
び図7)有利となる場合が少なくない。
【0086】版12だけを事前給湿するときは、ローラ
47を分離位置(実線で示す)へと連結相応に変位させ
ることによって湿し装置1からインキ装置19への湿し
水の流れを遮断し、転移ローラ4は湿し装置ローラ5に
当てつけられるとともに湿し装置ローラは版12に当て
つけられる。
【0087】版12とインキ装置19を一緒に事前給湿
するための事前給湿切換が、すぐ上で述べたような版1
2だけを事前給湿するための事前給湿切換と異なってい
るのは、連結ローラ47がその連結位置(一点鎖線で示
す)に変位しているために、湿し装置ローラ5からの湿
し水の流れが直接版12へ、およびローラ20および4
7を介して行われるという点だけである。
【0088】第3の可能な事前給湿切換はインキ装置1
9だけを事前給湿するのに用いられ、湿し装置ローラ5
が版12から持上げられているという点で、先に述べた
ような版12の事前給湿と組み合わされたインキ装置1
9の事前給湿をするための第2の事前給湿切換と異なっ
ている。
【0089】印刷中断時に湿し装置1がとる位置が給湿
位置(図2)と異なっているのは、水着けローラとして
構成された湿し装置ローラ5が版21から持上げられて
おり、このときローラ支持体15は図2と図3に示す各
位置の間の中間位置に揺動しているため、転移ローラ4
はすでに湿し装置ローラ5から持上げられていて、湿し
ローラ3がすでに横振りローラ17に当接していること
がないという点だけである。しかしながら湿し装置ロー
ラ5が版12から持上げられている場合には、ローラ4
および5の接触が残っていることも可能である。
【0090】洗浄位置(図3)に切り換えられた湿し装
置の洗浄中、洗浄液供給装置39(図7)によってイン
キ装置19に持ち込まれた洗浄液は、互いに転動接触し
ているローラ20,47,5,17および3を介して転
移ローラ4まで到達するので、洗浄液はいま挙げたすべ
てのローラ上にある残留インキを落とすことができる。
落とされた残留インキは反対方向に湿し装置1からイン
キ装置19へと運ばれ、ここでインキ装置ローラ53に
当てつけ可能なドクター38(図7)によってインキ装
置19から除去される。
【0091】図4では、同じ長さのローラ3および4が
横振りローラ17よりも長く、横振りローラ17のほう
は湿し装置ローラ5より長くなっている様子がよくわか
る。さらに、両方の側方の軸受プレートが描かれてお
り、これらでローラ支持体15が構成されているととも
に、これらの軸受プレートは安定性を高めるために、ロ
ーラ3および4と平行に延びる1つまたは複数の連結ト
ラバースで互いに結合されていてもよい。
【0092】ローラ回転駆動装置10はローラ支持体1
5にねじ締結された電動モータであり、ローラ支持体1
5を形成している両方の軸受プレートの間で場所をとら
ないように配置されている。歯車伝動装置43は回転駆
動装置10の駆動軸に装着された歯車で構成されてお
り、この歯車は湿しローラ3の軸ピンの上に装着された
歯車と噛み合っていて、こちらの歯車は転移ローラ4の
軸ピンの上に装着された歯車と噛み合っている。横振り
ローラ17の回転は、これに匹敵する詳細には図示しな
い歯車伝動装置を介して、版胴11を駆動している胴回
転駆動装置23によって駆動される。
【0093】横振りローラ17の軸方向での振動は、横
振りローラ17のピンの上にある2つの環状ディスクの
間をローラが延びている揺動可能なローラレバーを有す
る横振り駆動装置48によって駆動される。図4では、
横振りローラ17がその左右への運動の際に転移ローラ
4のそれぞれのローラ端部を越える様子もよく見てとる
ことができる。横振りローラ17のそれぞれのローラ側
面エッジの位置は、その中間位置にあるときが太い線で
描かれており、横振り往復運動の両方の折り返し点にあ
るときが一点鎖線で描かれている。
【0094】図5には、図2に示す湿し装置のいくつか
の部品が拡大して描かれており、以下の説明と関連しな
い部品はここには描かれていない。支持体揺動軸受27
の揺動軸8(実線で示す)は、法線44に相当するロー
ラ4および5の回転軸の連結中心線に対して垂直に、こ
れらのローラ4および5の接点14を通って延びる接線
52のちょうど上にある。押圧力FP は法線44に沿っ
て作用して、揺動軸8を中心とする再調整力FF によっ
て生成されたトルクに対する対抗トルクを生成する。
【0095】ローラ4および5の互いに異なる周速度
は、ローラ4および5によって形成される押圧間隙を通
じて運ばれる液体(ここでは印刷インキ−湿し水−エマ
ルジョン)が単に分割をうけるばかりでなく、せん断力
S によるせん断もうけるという結果をもたらす。せん
断力FS の作用線は接線52と一致しているので、揺動
軸8はせん断力FS の作用線上にあることになる。揺動
軸8のこうした有利な配置によって、湿し装置ローラ5
への転移ローラ4の当てつけを損なうようなトルクをせ
ん断力FS がローラ支持体15に及ぼし得ないことが保
証される。たとえばローラ4および5の周速度が変化す
ることでせん断力FS の大きさが変わった場合、調整装
置56で調整され、ばね9の応力とこの応力から生じる
再調整力F F の大きさとで規定される、ローラ4および
5相互の押圧力FP は一定に保たれる。
【0096】たとえば取付スペースがないために揺動軸
8を正確に接線52上に位置するように配置することが
不可能な場合には、法線力(押圧力FP に対する反力)
と同方向を向いていて再調整力FF と反対方向を向いて
いる揺動軸8を中心としたトルクをせん断力FS が転移
ローラ4ないしローラ支持体15に及ぼすような接線5
2の側に位置するように揺動軸8を配置すると有利であ
る。支持体揺動軸受およびこれに伴う揺動軸8のこのよ
うな可能な代替的配置は破線で示されている。それによ
って湿し装置ローラ5に対する転移ローラ4の自動制御
式の適合が得られる。せん断力FS の上昇は、転移ロー
ラ4を湿し装置ローラ5から揺動軸8を中心として接触
損失なしにわずかに離れるように揺動させるトルクを生
じさせ、それによって転移ローラ4から湿し装置ローラ
5へ及ぼされる法線力は自動的に減少する。その一方で
せん断力FS の大きさは法線力に依存しているので、法
線力の減少の結果としてせん断力FS も低下する。図5
の接線52の右側に描かれた揺動軸8をもつ湿し装置
は、せん断力が低下したときこれとは逆に反応する。多
くの使用ケースでは、接線52を中心とする円形の領域
内に揺動軸8を配置すれば充分である。円形の領域の両
側の境界は、接線52とそれぞれの境界線との間の角度
αでそれぞれ規定される。角度αは15°であるか、ま
たはこれよりも小さい。法線44と各境界線との交点
は、法線間隔xだけ接線52に対してオフセットされて
いる。法線間隔xは、支持体揺動軸受27の静止摩擦係
数とそのピボットベアリング直径dとの積と同じか、ま
たはこれよりも小さい。
【0097】ローラ支持体15の連結穴に直接(つまり
フリーホイールや連結ブッシュなしで)滑り支承された
継手ピンをもつ、非常に簡単に構成された図示しない支
持体揺動軸受27であれば、ピボットベアリング直径d
は継手ピン直径に相当し、ないしは継手ピンによって連
結穴とともに形成される滑り軸受の呼び寸法に相当する
ことになる。
【0098】円形の領域の内部に揺動軸8を配置した場
合、接線52に対して相対的に、湿し装置ローラ5に対
する転移ローラ4のすでに上述した自動制御式の適合が
得られる側(図5の右側)を優先するべきである。接線
間隔Iが比較的短い場合、ないし揺動軸8を中心とした
法線力のレバーアームが比較的短い場合には、この揺動
軸を所定の円形の領域よりもやや外側に配置してもよ
い。
【0099】図6には支持体旋回軸受27が詳細に描か
れている。機械フレーム51にある穴に、軸受ブッシュ
31が回転不能に嵌め込まれている。フリーホイールク
ラッチ28は軸受ブッシュ31の連結穴32に回転可能
に差し込まれている。取付形態で構成されているフリー
ホイールクラッチ28は外側リング29と内側リング3
0からなっている。フリーホイールクラッチ28の代替
的な実施形態では、内側リングが、互いに離れていて転
がり軸受の転動体に匹敵するリング形状で配置された複
数の部分で構成されていてもよい。図示したフリーホイ
ールクラッチ28では、外側リング29の外面はブッシ
ュ31の内面とともに滑り軸受34を形成しており、こ
の滑り軸受の内側の摩擦は、フリーホイールクラッチ2
8がフリーホイール方向に回転したときに外側リング2
9と内側リング30の間で作用するフリーホイールクラ
ッチ28の内側の摩擦よりも大きい。内側リング30
は、ローラ支持体15に取り付けられた継手ピン33に
回転しないように装着されている。法線間隔X(図5)
を規定するピボットベアリング直径dは滑り軸受34の
呼び寸法である。
【0100】図6に示す支持体揺動軸受27の機能をよ
り理解しやすくするため、追加的に図2も援用すること
にする。
【0101】再調整力FF によって惹起される、揺動軸
8を中心とした時計と反対回りのローラ支持体15の揺
動があると、継手ピンによって連行される内側リング3
0のほとんどの摩擦のない、外側リング29に対する相
対的な回転が行われ、軸受ブッシュ31に対する外側リ
ング29の相対的な回転はほとんど行われない。したが
って、ローラ4および5の間の押圧間隙におけるより強
い流体力学的な不均一性によってもたらされる、湿し装
置ローラ5からの転移ローラ4の一時的な離反がある
と、この離反は再調整力FF によって動き易く、かつ迅
速な反応で反対の調整方向の再調整で補償される。
【0102】ローラ支持体15が揺動軸8を中心として
時計回りに回転するときにはフリーホイールクラッチ2
8がブロックしているので、外側リング29に対する内
側リング30の回転は不可能であり、継手ピン33が回
転すると外側リング29は内側リング30によって連行
される。こうした時計回りのローラ支持体15の揺動は
滑り軸受34の内部でのみ行われ、このとき外側リング
29は比較的大きな摩擦で軸受ブッシュ31の内部で円
周方向に摺動する。
【0103】滑り軸受34に必要な動き難い動き嵌め
は、軸受ブッシュ31の穴の切削加工によって、軸受ブ
ッシュの穴を外側リング29の外径に寸法的に適合させ
ることによってのみ達成することができる。したがっ
て、大量生産品として製造されるフライホイールクラッ
チ28の製造メーカによってすでに高精度に研磨された
外側リング29の外径は、もう一度加工しなおす必要は
ない。外側リング29の摺動面は硬化されているのに対
して、軸受ブッシュ31の摺動面はそれに比べると軟質
な材料からなっている。
【0104】支持体揺動軸受27の内部では回転方向に
依存して摩擦の大きさが異なるので、流体力学的な不均
一性によって生じる湿し装置ローラ5からの転移ローラ
4の離反は、印刷画像でマイナスに作用する湿し装置な
いしエマルジョン薄膜の急激な変動が回避されるように
減衰されることが保証される。
【0105】図7には、すでに説明した湿し装置1が改
良された形で、構造や機能が同一の部分には同一の符号
を用いて描かれている。したがって以下においては、す
でに説明した構成と比較して、改良された構成の相違点
に限って詳述する。改良された構成は当然ながら同じく
支持体アクチュエータ25および26、調整装置16お
よび57、ばね9とその力調整装置56、容器アクチュ
エータ36、湿し装置ローラ5を支持するローラ支持体
49、およびその定置に支持された横振りローラ17と
同軸な支持体揺動軸受、ならびにフリーホイールクラッ
チ28を備えた支持体揺動軸受27の特殊な構成を含ん
でいるが、これらの部品は図7にはあらためて描き込ん
ではいない。
【0106】すでに説明した構成(図2から図5)とま
ったく同様に、横振りローラ17は常に、かつ湿し装置
ローラ5で版12を給湿するときには排他的に湿し装置
ローラ5に当接している。改良された構成における連結
ローラ47の機能も、すでに説明した構成の機能と同一
である。
【0107】すでに説明した構成との主要な相違点は、
図7に示す改良された構成には第3のローラがニップロ
ーラ46としてローラ3および4とともに揺動軸8を中
心に揺動可能、かつその回転軸を中心に回転可能にロー
ラ支持体15に支持されていることである。ニップロー
ラ46は湿しローラ3とともに形成される押圧間隙で湿
し装置薄膜ないしエマルジョン薄膜を生成する役目を果
たし、給湿中には湿しローラ3とのみ当接している。
【0108】図7に示す構成では、調整装置16が湿し
ローラ3の代わりにニップローラ46に配属されるの
で、薄膜層厚を規定するニップローラ46のローラ軸と
湿しローラ3のローラ軸6との間のローラ軸間隔が、調
整装置16でニップローラ46を変位させることで可変
であることが有利となり得る。図7に示す湿し装置の洗
浄位置では、ニップローラ46は横振りローラ17に当
接している。ニップローラ46は軸方向で横振りローラ
17よりも長くて湿しローラ3と同じ長さ、かつ転移ロ
ーラ4とも同じ長さである。横振りローラ17から側方
に突出するニップローラ46の末端の円周領域は、図3
に示すローラ3および17の場合にそうであると同じよ
うに横振りローラ17の振動によって捕らえられる。
【0109】ローラ3,4および46に描き入れてある
実線の矢印は、転移ローラ4が湿し装置ローラ5から離
されている場合、洗浄時におけるこれらのローラ3,4
および46の回転方向を表している。ローラ3,4およ
び46に一点鎖線で描き入れてある反対方向を向いた矢
印は、転移ローラ4が湿し装置ローラ5のほうへ揺動し
て当接していて、かつニップローラ46が横振りローラ
17から揺動して離れている場合、版12の給湿時にお
けるこれらのローラ3,4および46の回転方向を表し
ている。
【0110】電子的な制御装置45(図3)はローラ回
転駆動装置10をこのように制御するので、図7に示す
その他のローラ5,17,47,20および53は、版
12の給湿時でも湿し装置1の洗浄時でも常に矢印記号
で示す同一の回転方向に回転する。ローラ回転駆動装置
10のプログラミングされた回転方向切換により、また
は同様に可能なローラ回転駆動装置10からのローラ
3,4および46の連結解除、および電動モータで嵌合
的に駆動されるローラ17によるこれらのローラ3,4
および46の摩擦駆動によって、ローラ17および46
は洗浄位置(図7)において互いに同期して転動し、ロ
ーラ4および5は詳しく図示しない版12の給湿時にお
いて同様に互いに同期して転動することが保証される。
【0111】改良された示し装置の場合でも、洗浄装置
37は、すでに改良されていない湿し装置(図2から図
7)との関連で説明したようなやり方で機能し、ここで
さらに強調しておくと、洗浄液供給装置39によってま
ず洗浄液はインキ装置19へ、正確に言えばインキ装置
ローラ53へ噴射され、次いで一定の洗浄液分散時間が
過ぎるのを待機し、その間に洗浄液は湿し装置1へ達し
て、このときに初めてドクター38がインキ装置ローラ
53に当てつけられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】湿し装置を含む平版印刷機を示す図である。
【図2】湿し作業中における湿し装置の第1の実施形態
を示す図である。
【図3】洗浄作業中における図2の湿し装置を示す図で
ある。
【図4】図2で側面図として描かれている湿し装置を下
側から見た図である。
【図5】図2に描かれている湿し装置の一部を示す拡大
図である。
【図6】第1または第2の実施形態によって構成された
湿し装置のピボットベアリングを示す図である。
【図7】湿し装置の第2の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 湿し装置 2 平版印刷機 3 湿しローラ 4 転位ローラ 5 湿し装置ローラ 6,7 ローラ軸 8 揺動軸 9 ばね 10 ローラ回転駆動装置 11 版胴 12 版 14 接点 15 ローラ支持体 16 調整装置 17 横振りローラ 18 オフセット印刷装置 19 インキ装置 20 インキ着けローラ 21 ブランケット胴 22 圧胴 23 胴回転駆動装置 25,26 支持体調整駆動装置 27 支持体揺動軸受 28 フリーホイールクラッチ 29 外側リング 30 内側リング 31 軸受ブッシュ 32 継手穴 33 継手ピン 34 滑り軸受 35 湿し水容器 36 容器調整駆動装置 37 洗浄装置 38 ドクター 39 水供給装置 40 調整ねじ 42 ガイド溝 43 歯車伝動装置 44 法線 45 電気制御装置 46 ニップローラ 47 連結ローラ 49 ローラ支持体 50 支持体揺動軸受 51 機械フレーム 52 接線 53 インキ装置ローラ FF 再調整力 FP 押圧力 FS せん断力 α 角度 a ローラ軸間隔 d 継手ピン直径 D 継手穴直径 I 接線距離 X 法線距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390009232 Kurfuersten−Anlage 52−60,Heidelberg,Fede ral Republic of Ger many (72)発明者 ペーター ハイラー ドイツ連邦共和国 76694 フォルスト グレゴール−ウームホフ−シュトラーセ 2

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿しローラ(3)、転移ローラ(4)、
    および湿し装置ローラ(5)を備えた平版印刷機の湿し
    装置(1)であって、転移ローラ(4)は再調整力(F
    F )によって、特に重力、ガス圧力、またはばね力(F
    F )によって湿し装置ローラ(5)に当接した状態に保
    持可能であり、特に親インキ性であることによってエマ
    ルジョンを運ぶローラ(3,4,5)を備えている、平
    版印刷機の湿し装置において、 前記転移ローラ(4)が前記湿しローラ(3)ととも
    に、前記湿しローラ(3)のローラ軸(6)に対してオ
    フセットされた揺動軸(8)を中心として揺動可能であ
    り、前記揺動軸(8)は実質的に、前記転移ローラ
    (4)によって前記湿し装置ローラ(5)とともに形成
    される円周側の接点(14)を通る接線(52)の上に
    位置していることを特徴とする、平版印刷機の湿し装
    置。
  2. 【請求項2】 前記湿し装置ローラ(5)が版(12)
    に押し当て可能な水着けローラである、請求項1記載の
    湿し装置。
  3. 【請求項3】 前記転移ローラ(4)が前記湿しローラ
    (3)に当接している調量ローラである、請求項1また
    は2記載の湿し装置。
  4. 【請求項4】 前記転移ローラ(4)がローラ調整駆動
    装置(26)によって再調整力(FF )の作用に抗して
    前記湿し装置ローラ(5)から胴逃がし可能である、請
    求項1から3までのいずれか1項記載の湿し装置。
  5. 【請求項5】 前記転移ローラ(4)がローラ回転駆動
    装置(10)によって転動スリップをもって前記湿し装
    置ローラ(5)に対して相対的に駆動される、請求項1
    から4までのいずれか1項記載の湿し装置。
  6. 【請求項6】 前記揺動軸(8)が、前記湿し装置ロー
    ラ(5)に対する前記転移ローラ(4)の当てつけ方向
    へは動き易く回転可能、かつ前記湿し装置ローラ(5)
    からの前記転移ローラ(4)の胴逃がし方向へは動き難
    く回転可能なピボットベアリング(27から34)とし
    て構成されている、請求項1から5までのいずれか1項
    記載の湿し装置。
  7. 【請求項7】 特に請求項6記載の湿し装置(1)の揺
    動軸(8)を形成するピボットベアリング(27から3
    4)としての、被印刷体を加工する機械における、特に
    印刷機におけるピボットベアリング(27から34)に
    おいて、 それ自体で動き易く回転可能なフライホイールクラッチ
    (28)が連結穴(32)で動き難く回転可能に滑り支
    承されていて継手ピン(33)が回転不能に前記フリー
    ホイールクラッチ(28)に差し込まれており、あるい
    はそれ自体で動き易く回転可能なフライホイールクラッ
    チ(28)が継手ピン(33)に動き難く回転可能に滑
    り支承されていて回転不能に連結穴(32)に差し込ま
    れていることを特徴とするピボットベアリング。
  8. 【請求項8】 前記転移ローラ(4)と前記湿しローラ
    (3)がそれぞれのローラ軸(6および7)の間の調整
    可能なローラ軸間隔(a)をもって共通のローラ支持体
    (15)に支持されている、請求項1から7までのいず
    れか1項記載の湿し装置。
  9. 【請求項9】 前記ローラ軸間隔(a)が、前記ローラ
    支持体(15)にある調整装置(16)によって前記転
    移ローラ(4)に対して相対的に前記湿しローラ(3)
    が変位することで調整可能である、請求項8記載の湿し
    装置。
  10. 【請求項10】 前記湿しローラ(3)が軸方向に振動
    する横振りローラ(17)に当てつけ可能である、請求
    項1から9までのいずれか1項記載の湿し装置。
  11. 【請求項11】 前記転移ローラ(4)が軸方向に振動
    する横振りローラ(17)に押し当て可能である、請求
    項1から9までのいずれか1項記載の湿し装置。
  12. 【請求項12】 前記湿しローラ(3)に2つのローラ
    (4および46)が当接しており、これらのうちの一方
    のローラ(46)は軸方向に振動する横振りローラ(1
    7)に押し当て可能である、請求項1から11までのい
    ずれか1項記載の湿し装置。
  13. 【請求項13】 前記横振りローラ(17)が前記湿し
    装置ローラ(5)に当接している、請求項10から12
    までのいずれか1項記載の湿し装置。
  14. 【請求項14】 前記ローラ回転駆動装置(10)が前
    記ローラ支持体(15)に取り付けられた電動モータで
    ある、請求項5から13までのいずれか1項記載の湿し
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から14までのいずれか1項
    に基づいて構成された湿し装置(1)を備えている平版
    印刷機(2)、特にオフセット輪転印刷機。
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