JP2000243607A - 非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents
非直線抵抗体の製造方法Info
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Abstract
を低減する。 【解決手段】 酸化亜鉛,添加物スラリー,有機バイン
ダーを混合して得た原料スラリーを脱泡しスプレードラ
イヤーにより噴霧乾燥して造粒粉を得る(S1)。その
後、前記造粒粉を円盤状の成形体に成形(S2)し、仮焼
することにより前記成形体の脱脂および仮焼結して仮焼
体を得る(S3)。次に、ZnO,Bi2O3,Sb2O3,
SiO2を粉砕・混合して得た混合物スラリーをロータ
リーキルンに供給し、粉砕すると共に乾燥・焙焼して絶
縁粉体を得た後、その絶縁粉体と有機バインダーとを混
練して得られた第1絶縁材を前記仮焼体の所望の部分に
塗布する(S4)。その後、前記仮焼体を焼成して高抵抗
層が形成された焼成体を得る(S5)。そして、前記高抵
抗層には第2絶縁材を塗布(S6)して熱処理し(S7)、
前記焼成体の両端面には電極材料を溶射(S8)して非直
線抵抗体を完成させる。
Description
とし、主に避雷器に組み込まれる非直線抵抗体の製造方
法に関する。
酸化亜鉛(ZnO)を主成分とするものが多く、その添加
物成分(添加物スラリー)として酸化ビスマス,酸化アン
チモン,酸化コバルト,酸化マンガン,酸化クロム,酸
化ニッケル,酸化ケイ素等の複数個の金属酸化物を添加
し、非直線性が高く熱損失の小さい組成配合からなって
いる。
で湿式予備粉砕した後、有機バインダー(結合剤)および
酸化亜鉛と十分混合して混合物(原料スラリー)を得、そ
の原料スラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥し
て流動性の良好な造粒粉を得る。なお、前記有機バイン
ダーには水系の有機バインダー、例えばポリビニルアル
コール(PVA)が用いられている。前記造粒粉を金型プ
レスにより例えば円盤状の成形体に成形し、この成形体
を脱脂する。
000〜1300℃の温度で焼成して、外周面に高抵抗
層(絶縁層)を形成した焼成体を得る。その焼成体の両端
面を平面研削した後、その平面研削した両端面にアルミ
ニウムから成る電極材料を溶射して非直線抵抗体を完成
させる。
O,Bi2O3,Sb2O3,SiO2等の金属酸化物に対
して所定の配合で有機バインダーと有機溶剤とを混合し
てペースト状の絶縁材を得、脱脂する前の成形体,脱脂
した後の成形体,または焼成体の所定の部分に前記絶縁
材をローラー塗布し焼き付け処理して形成されている。
する場合、成形体(または焼成体)の収縮時に熱膨張係数
が異なることから、その成形体と高抵抗層との密着性が
低くなってしまう。そのため、非直線抵抗体の放電耐量
を低下させてしまう。また、脱脂した後の成形体の場
合、バインダー成分が除去されていても焼結されていな
いため、非常に脆弱な状態の成形体に対して高抵抗層を
形成することになり、その成形体の破壊(欠け)が起こり
やすくなってしまう。
のであり、成形体(仮焼体)と高抵抗層との密着性を向上
させると共に成形体が欠けることを低減し、非直線抵抗
体の電気的特性を良好にすると共に製造コストを低減し
た非直線抵抗体の製造方法を提供することにある。
するために、非直線抵抗体の製造方法における第1発明
は、あらかじめZnO,Bi2O3,Sb2O3,SiO2
をボールミル等により粉砕・混合して混合物スラリーを
得、その混合物スラリーをスプレードライヤー等により
瞬時に乾燥すると共にロータリーキルン等により均一に
焙焼して原料偏析の無い絶縁粉体を形成した後、その絶
縁粉体と有機バインダーとを混練して第1絶縁材を形成
する。
て得た添加物スラリーと、有機バインダーと、酸化亜鉛
とを混合して原料スラリーを形成し、その原料スラリー
を脱泡および乾燥して得た造粒粉を円盤状の成形体(直
径32mm,厚さ30mm)に成形した後、その成形体
を仮焼することにより脱脂および仮焼結して仮焼体を形
成する。
縁材を塗布した後、焼成して外周面に高抵抗層が形成さ
れた焼成体を得、前記焼成体の高抵抗層の表面に対して
第2絶縁材を塗布し熱処理して焼き付けた後、前記焼成
体の両端面に対して電極を設けて構成したことを特徴と
する。
体は、粉砕用の羽根車が複数個内蔵されたロータリーキ
ルン内に前記混合物スラリーを所定量供給し、前記羽根
車により粉砕すると同時に、前記ロータリーキルン内の
ヒーターにより乾燥および焙焼して得たことを特徴とす
る。
に基づいて説明する。本発明の実施の形態では、高抵抗
層を形成する方法を改良(第1〜4実施例)して、成形体
(仮焼体)と高抵抗層との密着性を向上させると共に成形
体が欠けることを低減し、非直線抵抗体の電気的特性を
良好にすると共に製造コストを低減することを検討した
ものである。
線抵抗体の製造工程図を示すものである。図1におい
て、ステップS1は造粒粉形成工程を示すものであり、
この工程では、まず非直線抵抗体の主原料である酸化亜
鉛,所定量の添加物スラリー,有機バインダーを混合し
て原料スラリーを得、その原料スラリーを脱泡した後、
スプレードライヤーにより噴霧乾燥して造粒粉を得る。
に送られ、その造粒粉を金型プレスにより直径32m
m,厚さ30mm(φ32−t30)の円盤状の成形体に
成形する。その後、ステップS3に示す仮焼工程にて、
前記成形体を800〜1100°Cの温度で仮焼するこ
とにより、前記成形体の脱脂および仮焼結して仮焼体を
得る。
ものであり、この工程では予めZnO,Bi2O3,Sb
2O3,SiO2を十分に粉砕・混合して混合物スラリー
を形成し、その混合物スラリーを乾燥し800〜110
0°Cの温度で焙焼して絶縁粉体を得た後、その絶縁粉
体と有機バインダーとを混練して得られたペースト状の
第1絶縁材(詳細を第1〜4実施例に基づいて後述する)
を、前記仮焼体の所望の部分(仮焼体の外周面)に対して
塗布する。
前記仮焼体を1000〜1300°Cの温度で焼成する
ことにより、外周面に高抵抗層が形成された焼成体を得
る。ステップS6は第2絶縁材塗布工程を示すものであ
り、この工程では予めガラス粉末を有機バインダーと有
機溶剤とによりペースト状にして第2絶縁材を得、その
第2絶縁材を前記焼成体の高抵抗層表面に塗布する。
り、前記焼成体に塗布された第2絶縁材を空気中で熱処
理することにより、高抵抗層表面にガラス層が形成され
た焼成体を得る。前記焼成体はステップS8に示す電極
材料溶射工程に送られ、前記焼成体の両端面を平滑に研
磨し、その研磨された表面に対してアルミニウムの電極
材料を溶射して非直線抵抗体を完成させる。
布工程にて用いられる第1絶縁材において、第1〜4実
施例に基づいて詳細に説明する。
砕メディアが充填されたボールミルにより、ZnO,B
i2O3,Sb2O3,SiO2を十分に粉砕・混合して混
合物スラリーを得る。その後、前記混合物スラリーをS
US製バットに充填し、その混合物スラリーが充填され
たSUS製バットを恒温槽で乾燥して乾燥粉体を得る。
そして、前記乾燥粉体を前記SUS製バットからサヤに
入れ替え、ガス炉により800〜1100°Cの温度で
焙焼して絶縁粉体を得た後、その絶縁粉体と有機バイン
ダーとを前記ボールミルにより混練してペースト状の第
1絶縁材(以下、絶縁材S1と称する)を形成する。
前記第1実施例に示す混合物スラリーをスラリードライ
ヤーにより瞬間的に乾燥させて乾燥粉体を得、その乾燥
粉体をロータリーキルン内に供給し800〜1100°
Cの温度で焙焼して絶縁粉体を得る。そして、前記絶縁
粉体と有機バインダーとを前記ボールミルにより混練し
てペースト状の第1絶縁材(以下、絶縁材S2と称する)
を形成する。
第1実施例に示す混合物スラリーをロータリーキルン
(第4実施例に示す粉砕用の羽根車は未装着)に対して直
接供給し、そのロータリーキルンにて前記混合物スラリ
ーを乾燥および焙焼して絶縁粉体を得る。そして、前記
絶縁粉体と有機バインダーとを前記ボールミルにより混
練してペースト状の第1絶縁材(以下、絶縁材S3と称
する)を形成する。
A,Bに示すように粉砕用の羽根車を装着したロータリ
ーキルン(詳細を後述する)を用い、前記第3実施例と同
様に前記混合物スラリーを乾燥および焙焼して絶縁粉体
を得、その絶縁粉体と有機バインダーとを前記ボールミ
ルにより混練してペースト状の第1絶縁材(以下、絶縁
材S4と称する)を形成する。
に粉砕メディアを充填したが、その粉砕メディアにはY
2O3部分安定化ジルコニアを用いることが好ましい。ま
た、有機バインダーには、ブチルカルビトール,酢酸n
ブチル等にエチルセルロースを溶解し2〜50pois
eに調整されたものを用いた。
第4実施例におけるロータリーキルンの説明図を示すも
のである。図2Aにおいて、符号21はロータリーキル
ン、符号22は混合物スラリー22aが充填された容器
を示すものである。前記ロータリーキルン21内にはス
クリューフィーダ部23,駆動装置24,炉芯管25が
内蔵され、前記駆動装置24には回転軸24aが設けら
れている。前記駆動装置24により、前記回転軸24a
を介して、前記スクリューフィーダ部23のスクリュー
23aおよび後述する羽根車26が前記回転軸24aの
周方向に回転する。
蔵される粉砕用の羽根車を示すものであり、図2Bの斜
視図に示すように羽根車26の軸方向に穿設された孔2
6aの周方向に対して3個の羽根26bがそれぞれ等間
隔に設けられている。なお、本発明の羽根車26には複
数個の羽根26bが設けられ、図2bに示すように3個
に限定されるものではない。前記の各羽根車26は、各
孔26aを介して前記回転軸24aに連結される。符号
27はヒータを示すものであり、前記炉芯管25の外周
側に複数個設けられる。
を説明する。まず、容器22に充填された混合物スラリ
ー22aを、調整弁22b,ポンプ22cを介して、ロ
ータリーキルン21の供給口21aからスクリューフィ
ーダ部23内に供給する。その供給された混合物スラリ
ー22aを、駆動装置24によって回転するスクリュー
23aにより炉芯管24内に搬送する。そして、前記炉
芯管25内において、前記駆動装置24により羽根車2
6を周方向に回転させると共にヒータ27により加熱す
ることにより、前記混合物スラリー22aを粉砕しなが
ら乾燥および焙焼して、微細な絶縁粉体28を得ること
ができる。
リーキルンを用いることにより、得られる絶縁粉体が塊
状になることを防ぎ、その絶縁粉体の原料偏析を皆無に
することができると共に、混合物スラリーの乾燥と焙焼
とを同時に行うことができる。
絶縁材S1〜S4を用い、図1に示す製造工程を経て非
直線抵抗体の試料を各絶縁材S1〜S4につき10個そ
れぞれ作製し、それら試料において4/10μs放電耐
量試験および剥離発生試験をそれぞれ行った。前記の各
試験結果を下記表1に示した。
非直線抵抗体との比較例(従来法)として、前記混合物ス
ラリーを恒温槽で乾燥させて得た未焙焼の第1絶縁材
(以下、絶縁材Sαと称する)を脱脂前の成形体(または
脱脂後の成形体)の外周面に塗布し焼成して成る非直線
抵抗体の試料10個と、前記混合物スラリーを乾燥およ
び焙焼させて得た第1絶縁材(以下、絶縁材Sβと称す
る)を脱脂前の成形体(または脱脂後の成形体)に塗布し
焼成して成る非直線抵抗体の試料10個とを用いた。ま
た、下記表1中の放電耐量試験結果において、10個の
試料のうち何れも破壊しなかった場合は○印、10個の
試料のうち1個でも破壊してしまった場合を×印で示し
た。
絶縁材Sαを塗布した試料の場合、放電耐量が低く、前
記絶縁材Sαを塗布する際に成形体が破壊してしまい、
歩留まりが低くなってしまった。また、成形体に絶縁材
Sβを塗布した試料の場合には、収縮時において成形体
と高抵抗層との収縮率が一致しないため、成形体から高
抵抗層が剥離してしまい、放電耐量が低くなってしまっ
た。
た絶縁材S1を仮焼体に塗布して成る試料は、仮焼体と
高抵抗層との収縮率に差がないため、仮焼体から高抵抗
層が剥離することはなく放電耐量が向上したことを確認
できた。第2実施例により混合物スラリーをスラリード
ライヤーにより乾燥しロータリーキルンにより焙焼した
絶縁材S2を仮焼体に塗布した試料の場合には、前記絶
縁材S1を用いた試料と同様の理由により、放電耐量が
向上したことを確認できた。絶縁材S1を用いた試料と
比較して絶縁材S2を用いた試料の放電耐量が高いこと
が読み取れるが、この理由として、絶縁材S2における
混合物スラリーの乾燥および焙焼方式により、絶縁粉体
の原料偏析が起こらなかったためと思われる。
れていないロータリーキルンを用いて得た絶縁材S3を
塗布した試料の場合、前記絶縁材Sα,Sβを用いた試
料と同様の放電耐量が得られたが、ロータリーキルンに
より得られた絶縁粉体が塊状になってしまったため、そ
の塊状の絶縁粉体を粉砕する工程が必要となると共に、
その絶縁粉体において原料偏析が見られた。第4実施例
により粉砕用の羽根車を備えたロータリーキルンを用い
て得た絶縁材S4を塗布した試料の場合には、絶縁粉体
が微細で原料偏析が皆無であるため、前記絶縁材Sα,
Sβを用いた試料と比較して、放電耐量が飛躍的に向上
したことを確認できた。
焼して脱脂および仮焼結された仮焼体を形成した後、あ
らかじめ粉砕・混合された混合スラリーをバットで乾燥
しバッチ炉で焙焼した第1絶縁材を前記仮焼体の外周面
に塗布し、その仮焼体を焼成工程にて焼成して外周面に
高抵抗層が形成された焼成体を得ることにより、仮焼体
と高抵抗層との密着性を向上し、その高抵抗層の剥離等
の不良を減少すると共に、第1絶縁材塗布中に仮焼体が
欠けることを低減することができる。
ヤ等により乾燥した後、ロータリーキルン等により焙焼
することにより、絶縁粉体の原料偏析が低減し、高抵抗
層の絶縁性および放電耐量を向上させることができる。
さらに、粉砕用の羽根車を備えたロータリーキルンを用
いて、混合物スラリーを粉砕すると共に乾燥および焙焼
することにより、絶縁粉体の原料偏析を低減すると共に
製造工数を低減することができる。
することができると共に、電気的特性および機械的強度
を向上させることができる。
造工程図。
の概略構成図。
Claims (2)
- 【請求項1】 ZnO,Bi2O3,Sb2O3,SiO2
を粉砕・混合して混合物スラリーを得、その混合物スラ
リーを瞬時に乾燥すると共に均一に焙焼して原料偏析の
無い絶縁粉体を形成した後、その絶縁粉体と有機バイン
ダーとを混練して第1絶縁材を得、 複数個の金属酸化物を粉砕・混合して得た添加物成分
と、有機バインダーと、酸化亜鉛とを混合して原料スラ
リーを形成し、その原料スラリーを脱泡および乾燥して
得た造粒粉を円盤状の成形体に成形した後、その成形体
を仮焼することにより脱脂および仮焼結して仮焼体を形
成し、 前記仮焼体の外周面に前記第1絶縁材を塗布した後、焼
成して外周面に高抵抗層が形成された焼成体を得、前記
焼成体の高抵抗層の表面に対して第2絶縁材を塗布し熱
処理して焼き付けた後、前記焼成体の両端面に対して電
極を設けて構成したことを特徴とする非直線抵抗体の製
造方法。 - 【請求項2】 前記絶縁粉体は、粉砕用の羽根車が複数
個内蔵されたロータリーキルン内に前記混合物スラリー
を所定量供給し、前記羽根車により粉砕すると同時に乾
燥および焙焼して得たことを特徴とする請求項1記載の
非直線抵抗体の製造方法。
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