JPH08172002A - 電圧非直線型抵抗体の製造方法 - Google Patents
電圧非直線型抵抗体の製造方法Info
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- JPH08172002A JPH08172002A JP6312815A JP31281594A JPH08172002A JP H08172002 A JPH08172002 A JP H08172002A JP 6312815 A JP6312815 A JP 6312815A JP 31281594 A JP31281594 A JP 31281594A JP H08172002 A JPH08172002 A JP H08172002A
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- epoxy resin
- oxide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ZnO素子の製造工程中で素子側面に塗布す
る側面絶縁剤の構成に改良を加えたことにより、沿面絶
縁耐力を向上させることを目的とする。 【構成】 ZnO素子の側面絶縁材として、セラミック
ス系絶縁材料2を塗布し、熱処理後にセラミック・ファ
イバーを含有するエポキシ樹脂系絶縁材料3を塗布して
硬化処理を行うことによって2層構造として形成する。
上記セラミックス系絶縁材料2として、ZnO,BiO
3,Sb2O3,SiO2を用いており、セラミック・ファ
イバーとして、Al2O3,SiO2,ZrO2,TiO2
及びFe2O3のうち少なくとも1種類を採用する。エポ
キシ樹脂としてビスフェノール系液状エポキシ樹脂を採
用し、セラミック・ファイバーのビスフェノール系液状
エポキシ樹脂に対する成分比を0〜75(重量%)とす
る。
る側面絶縁剤の構成に改良を加えたことにより、沿面絶
縁耐力を向上させることを目的とする。 【構成】 ZnO素子の側面絶縁材として、セラミック
ス系絶縁材料2を塗布し、熱処理後にセラミック・ファ
イバーを含有するエポキシ樹脂系絶縁材料3を塗布して
硬化処理を行うことによって2層構造として形成する。
上記セラミックス系絶縁材料2として、ZnO,BiO
3,Sb2O3,SiO2を用いており、セラミック・ファ
イバーとして、Al2O3,SiO2,ZrO2,TiO2
及びFe2O3のうち少なくとも1種類を採用する。エポ
キシ樹脂としてビスフェノール系液状エポキシ樹脂を採
用し、セラミック・ファイバーのビスフェノール系液状
エポキシ樹脂に対する成分比を0〜75(重量%)とす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として酸化亜鉛形避雷
器に組み込まれる電圧非直線型抵抗体の製造方法に関す
るものである。
器に組み込まれる電圧非直線型抵抗体の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛(以下ZnOと略称)を主成分
とする電圧非直線型の抵抗体は、ZnOに副添加成分と
して酸化ビスマス(Bi2O3),酸化アンチモン(Sb
2O3),酸化コバルト(Co2O3),酸化クロム(Cr
2O3),酸化硅素(SiO2),酸化マンガン(Mn
O2),酸化ニッケル(NiO)等の金属酸化物を粉砕
したものを添加することにより、非直線性が高く、熱損
失の小さい組成配合物を得ている。
とする電圧非直線型の抵抗体は、ZnOに副添加成分と
して酸化ビスマス(Bi2O3),酸化アンチモン(Sb
2O3),酸化コバルト(Co2O3),酸化クロム(Cr
2O3),酸化硅素(SiO2),酸化マンガン(Mn
O2),酸化ニッケル(NiO)等の金属酸化物を粉砕
したものを添加することにより、非直線性が高く、熱損
失の小さい組成配合物を得ている。
【0003】通常これらの副添加成分は、ZnOととも
にボール・ミル等で予備粉砕した後、ポリビニルアルコ
ール(PVA)等の有機バインダー溶液と混合して、ス
プレードライヤーで噴霧乾燥して得られる流動性の高い
造粒粉を原材料とし、この原材料を金型成形プレスで略
円柱状に成形して脱脂した後、1000〜1300℃で
数時間焼成する。そして得られたZnO素子に低融点ガ
ラス系の側面絶縁材を塗布して焼付固定し、両平面を十
分に研磨してからアルミニウム等の電極金属を溶射して
製造している。上記ZnO素子を避雷器に組み込む場合
には、絶縁性を持つ支持棒の存在下で、前記多数個のZ
nO素子を支持板とかスプリングを用いて固定し、周囲
を絶縁性碍管で包囲して完成する。
にボール・ミル等で予備粉砕した後、ポリビニルアルコ
ール(PVA)等の有機バインダー溶液と混合して、ス
プレードライヤーで噴霧乾燥して得られる流動性の高い
造粒粉を原材料とし、この原材料を金型成形プレスで略
円柱状に成形して脱脂した後、1000〜1300℃で
数時間焼成する。そして得られたZnO素子に低融点ガ
ラス系の側面絶縁材を塗布して焼付固定し、両平面を十
分に研磨してからアルミニウム等の電極金属を溶射して
製造している。上記ZnO素子を避雷器に組み込む場合
には、絶縁性を持つ支持棒の存在下で、前記多数個のZ
nO素子を支持板とかスプリングを用いて固定し、周囲
を絶縁性碍管で包囲して完成する。
【0004】上記側面絶縁材は主として外部閃絡を防止
するためのものであって、高抵抗層を形成するために、
通常ZnO,BiO3,Sb2O3,SiO2より成るセラ
ミックス系絶縁材料と、PbO,ZnO,Al2O3,B
2O3,SiO2等より成る低融点ガラスとを混合して有
機溶剤で所定の粘度になるように希釈してペースト状に
したものをロール塗布等の手段で塗着し、550〜70
0℃で焼付け処理を施す方法が一般的である。
するためのものであって、高抵抗層を形成するために、
通常ZnO,BiO3,Sb2O3,SiO2より成るセラ
ミックス系絶縁材料と、PbO,ZnO,Al2O3,B
2O3,SiO2等より成る低融点ガラスとを混合して有
機溶剤で所定の粘度になるように希釈してペースト状に
したものをロール塗布等の手段で塗着し、550〜70
0℃で焼付け処理を施す方法が一般的である。
【0005】上記2層で構成される絶縁構造は、避雷器
用電圧非直線抵抗体において電流放電耐量、耐アーク性
等の役割を担っている。
用電圧非直線抵抗体において電流放電耐量、耐アーク性
等の役割を担っている。
【0006】上記ZnO素子は電圧非直線性が高く、熱
損失の小さい組成配合を持ち、且つ一般の弱電用サージ
アブソーバに比べると吸収し得るエネルギーが大きいた
め、大きな体積と大口径サイズを持つものが必要であ
る。前記アルミニウム電極は、この大口径サイズの焼結
体においてサージエネルギーの集電体の役割を有してい
る。
損失の小さい組成配合を持ち、且つ一般の弱電用サージ
アブソーバに比べると吸収し得るエネルギーが大きいた
め、大きな体積と大口径サイズを持つものが必要であ
る。前記アルミニウム電極は、この大口径サイズの焼結
体においてサージエネルギーの集電体の役割を有してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のZnO
素子の製造工程中で、得られたZnO素子の側面にセラ
ミックス系絶縁材料と低融点ガラスとを混合した側面絶
縁材を塗布してから焼付け処理を施しており、この側面
絶縁材が電流放電耐量とか耐アーク性等の役割を担って
いるものであるが、該側面絶縁材は大電流・高エネルギ
ーのインパルスに対して必ずしも充分であるとは言え
ず、沿面フラッシュオーバー現象が発生する惧れがあ
る。
素子の製造工程中で、得られたZnO素子の側面にセラ
ミックス系絶縁材料と低融点ガラスとを混合した側面絶
縁材を塗布してから焼付け処理を施しており、この側面
絶縁材が電流放電耐量とか耐アーク性等の役割を担って
いるものであるが、該側面絶縁材は大電流・高エネルギ
ーのインパルスに対して必ずしも充分であるとは言え
ず、沿面フラッシュオーバー現象が発生する惧れがあ
る。
【0008】本発明はこのような従来のZnO素子を主
体とする電圧非直線抵抗体の製造方法が有している課題
を解消して、2層の側面絶縁材の組成に改良を加えたこ
とにより、沿面絶縁耐力を向上させることができる電圧
非直線型抵抗体の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
体とする電圧非直線抵抗体の製造方法が有している課題
を解消して、2層の側面絶縁材の組成に改良を加えたこ
とにより、沿面絶縁耐力を向上させることができる電圧
非直線型抵抗体の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、酸化亜鉛に副添加成分としての金属酸化
物の粉砕物を加え、有機バインダー溶液と混合して得ら
れたスラリー状の原料をスラリータンクに充填し、上記
の原料をスプレードライヤに送り込んで噴霧乾燥し、得
られた流動性の高い造粒粉の一定量を計量して金型成形
プレスで成形後、脱脂してから所定の温度と時間を保っ
て焼成し、得られたZnO素子側面に側面絶縁材を形成
して抵抗体素子を得るようにした電圧非直線型抵抗体の
製造方法において、得られたZnO素子の側面に、側面
絶縁材としてセラミックス系絶縁材料を塗布し、熱処理
後にセラミック・ファイバーを含有するエポキシ樹脂系
絶縁材料を塗布して硬化処理を行うことによって2層構
造として形成した製造方法を提供する。
成するために、酸化亜鉛に副添加成分としての金属酸化
物の粉砕物を加え、有機バインダー溶液と混合して得ら
れたスラリー状の原料をスラリータンクに充填し、上記
の原料をスプレードライヤに送り込んで噴霧乾燥し、得
られた流動性の高い造粒粉の一定量を計量して金型成形
プレスで成形後、脱脂してから所定の温度と時間を保っ
て焼成し、得られたZnO素子側面に側面絶縁材を形成
して抵抗体素子を得るようにした電圧非直線型抵抗体の
製造方法において、得られたZnO素子の側面に、側面
絶縁材としてセラミックス系絶縁材料を塗布し、熱処理
後にセラミック・ファイバーを含有するエポキシ樹脂系
絶縁材料を塗布して硬化処理を行うことによって2層構
造として形成した製造方法を提供する。
【0010】上記ZnO素子の側面に塗布するセラミッ
クス系絶縁材料として、ZnO,BiO3,Sb2O3,
SiO2を用いており、セラミック・ファイバーとして
Al2O3,SiO2,ZrO2,TiO2及びFe2O3の
うち少なくとも1種類を採用する。又、エポキシ樹脂と
してビスフェノール系液状エポキシ樹脂を採用し、セラ
ミック・ファイバーのビスフェノール系液状エポキシ樹
脂に対する成分比を0〜75(重量%)とする。
クス系絶縁材料として、ZnO,BiO3,Sb2O3,
SiO2を用いており、セラミック・ファイバーとして
Al2O3,SiO2,ZrO2,TiO2及びFe2O3の
うち少なくとも1種類を採用する。又、エポキシ樹脂と
してビスフェノール系液状エポキシ樹脂を採用し、セラ
ミック・ファイバーのビスフェノール系液状エポキシ樹
脂に対する成分比を0〜75(重量%)とする。
【0011】上記エポキシ樹脂系絶縁材料の塗布は、低
粘度配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配合
のものはシート状に成形した後に焼結体の側面に巻き付
けて回転させながら圧接する方法を用いる。
粘度配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配合
のものはシート状に成形した後に焼結体の側面に巻き付
けて回転させながら圧接する方法を用いる。
【0012】上記副添加成分として、酸化ビスマス,酸
化アンチモン,酸化コバルト,酸化クロム,酸化マンガ
ン,酸化硅素,酸化ニッケルの各金属酸化物の何れか、
もしくは混合物を用いる。
化アンチモン,酸化コバルト,酸化クロム,酸化マンガ
ン,酸化硅素,酸化ニッケルの各金属酸化物の何れか、
もしくは混合物を用いる。
【0013】
【作用】かかる電圧非直線型抵抗体の製造方法によれ
ば、ZnO素子の側面にセラミックス系絶縁材料を塗布
し、熱処理後のセラミックス系絶縁材料上にセラミック
・ファイバーを含むエポキシ樹脂系絶縁材料を塗布して
硬化処理を行うことにより、側面絶縁材がセラミックス
系絶縁材料とセラミック・ファイバーを含有するエポキ
シ樹脂系絶縁材料との2層構造として構成される。硬化
処理の終了した焼結体の両端面を研磨してからアルミニ
ウム電極を溶射してZnO素子が完成する。
ば、ZnO素子の側面にセラミックス系絶縁材料を塗布
し、熱処理後のセラミックス系絶縁材料上にセラミック
・ファイバーを含むエポキシ樹脂系絶縁材料を塗布して
硬化処理を行うことにより、側面絶縁材がセラミックス
系絶縁材料とセラミック・ファイバーを含有するエポキ
シ樹脂系絶縁材料との2層構造として構成される。硬化
処理の終了した焼結体の両端面を研磨してからアルミニ
ウム電極を溶射してZnO素子が完成する。
【0014】上記セラミックス絶縁層厚さとエポキシ樹
脂系絶縁層厚さは平均30(μm)以上であり、2ms
方形波放電耐量試験と4/10μs波放電耐量試験を実
施して放電電流での沿面フラッシュオーバーによる累積
破壊率を求めた結果、従来の側面絶縁構造に対して本実
施例にかかる側面絶縁構造は、セラミック・ファイバー
の添加量は僅かであっても4/10μs波放電耐量特性
を示す破壊率が格段に低減しており、沿面絶縁耐力が向
上する。
脂系絶縁層厚さは平均30(μm)以上であり、2ms
方形波放電耐量試験と4/10μs波放電耐量試験を実
施して放電電流での沿面フラッシュオーバーによる累積
破壊率を求めた結果、従来の側面絶縁構造に対して本実
施例にかかる側面絶縁構造は、セラミック・ファイバー
の添加量は僅かであっても4/10μs波放電耐量特性
を示す破壊率が格段に低減しており、沿面絶縁耐力が向
上する。
【0015】エポキシ樹脂系絶縁材料の塗布は、低粘度
配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配合のも
のは、シート状に成形した後に焼結体の側面に巻き付
け、回転させながら圧接することによって良好な塗布状
態が得られる。
配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配合のも
のは、シート状に成形した後に焼結体の側面に巻き付
け、回転させながら圧接することによって良好な塗布状
態が得られる。
【0016】
【実施例】以下本発明にかかる電圧非直線型抵抗体の製
造方法の実施例を説明する。本実施例では上記したZn
O素子の製造工程中で、得られたZnO素子の側面に塗
布する側面絶縁材として、セラミックス系絶縁層とセラ
ミック・ファイバーを含有するエポキシ樹脂系絶縁層の
2層構造としたことが大きな特徴となっている。
造方法の実施例を説明する。本実施例では上記したZn
O素子の製造工程中で、得られたZnO素子の側面に塗
布する側面絶縁材として、セラミックス系絶縁層とセラ
ミック・ファイバーを含有するエポキシ樹脂系絶縁層の
2層構造としたことが大きな特徴となっている。
【0017】本実施例で採用したエポキシ樹脂系絶縁材
料の調製は、所定量のビスフェノール系液状エポキシ樹
脂(2液混合タイプに硬化促進剤を配合したもの)と表
1に示すセラミック・ファイバーを、表2に示す配合比
(成分ベース,重量%)に基づいて混合撹拌することに
より実施した。
料の調製は、所定量のビスフェノール系液状エポキシ樹
脂(2液混合タイプに硬化促進剤を配合したもの)と表
1に示すセラミック・ファイバーを、表2に示す配合比
(成分ベース,重量%)に基づいて混合撹拌することに
より実施した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1に示すセラミック・ファイバーはCR
F−1,CRF−2,CRF−3,CRF−4の4種類
とし、Al2O3,SiO2,ZrO2,TiO2及びFe2
O3を表中に記載した重量%に基づいて混合してある。
表2に示すサンプルA〜Iは、前記ビスフェノール系液
状エポキシ樹脂をベースとしてCRF−1,2,3,4
の配合割合を変えて構成されている。
F−1,CRF−2,CRF−3,CRF−4の4種類
とし、Al2O3,SiO2,ZrO2,TiO2及びFe2
O3を表中に記載した重量%に基づいて混合してある。
表2に示すサンプルA〜Iは、前記ビスフェノール系液
状エポキシ樹脂をベースとしてCRF−1,2,3,4
の配合割合を変えて構成されている。
【0021】尚、本実施例では上記セラミック・ファイ
バーとしてAl2O3,SiO2,ZrO2,TiO2及び
Fe2O3のうち少なくとも1種類の成分をビスフェノー
ル系液状エポキシ樹脂に0〜30(重量%)の割合で添
加した。このセラミック・ファイバーの繊維長は100
(μm)以下、繊維径は10(μm)以上であり、この
セラミック・ファイバーの成分比は0〜75(重量%)
となっている。
バーとしてAl2O3,SiO2,ZrO2,TiO2及び
Fe2O3のうち少なくとも1種類の成分をビスフェノー
ル系液状エポキシ樹脂に0〜30(重量%)の割合で添
加した。このセラミック・ファイバーの繊維長は100
(μm)以下、繊維径は10(μm)以上であり、この
セラミック・ファイバーの成分比は0〜75(重量%)
となっている。
【0022】製造工程は、先ず主原料であるZnO粉末
と、予め所定の割合で混合・粉砕したBi2O3,Sb2
O3,Co2O3,Cr2O3,SiO2,MnO2,NiO
等の金属酸化物とを結合剤としてのポリビニルアルコー
ル(PVA)と分散剤としてのカチオンMAを所定量溶
解したバインダー溶液に添加して、ボール・ミルで十分
に混合して原料スラリーを作成し、得られた原料スラリ
ーを十分に脱泡してからスプレードライヤーで噴霧乾燥
して流動性の高い造粒粉を得た。
と、予め所定の割合で混合・粉砕したBi2O3,Sb2
O3,Co2O3,Cr2O3,SiO2,MnO2,NiO
等の金属酸化物とを結合剤としてのポリビニルアルコー
ル(PVA)と分散剤としてのカチオンMAを所定量溶
解したバインダー溶液に添加して、ボール・ミルで十分
に混合して原料スラリーを作成し、得られた原料スラリ
ーを十分に脱泡してからスプレードライヤーで噴霧乾燥
して流動性の高い造粒粉を得た。
【0023】次に自動システムに基づいて上記の造粒粉
を所定量計量し、乾式プレス金型ダイスで成形を行っ
た。この時の成形体の外形はφ50−t50とし、成形
圧力は350(kgf/cm2)とした。得られた成形
体を800〜1000℃で6時間程度の仮焼を行ってZ
nO素子を得た。
を所定量計量し、乾式プレス金型ダイスで成形を行っ
た。この時の成形体の外形はφ50−t50とし、成形
圧力は350(kgf/cm2)とした。得られた成形
体を800〜1000℃で6時間程度の仮焼を行ってZ
nO素子を得た。
【0024】このようにして得られた図1に示すZnO
素子1の側面に、先ずセラミックス系絶縁材料2を塗布
し、1000℃〜1300℃で10時間焼成した。この
焼成体を更に550℃〜700℃で熱処理を行った。こ
のセラミックス系絶縁材料2は、ZnO,BiO3,S
b2O3,SiO2より成る。
素子1の側面に、先ずセラミックス系絶縁材料2を塗布
し、1000℃〜1300℃で10時間焼成した。この
焼成体を更に550℃〜700℃で熱処理を行った。こ
のセラミックス系絶縁材料2は、ZnO,BiO3,S
b2O3,SiO2より成る。
【0025】熱処理後の焼結体の上記セラミックス系絶
縁材料2上に、表2に示したセラミック・ファイバーを
含むエポキシ樹脂系絶縁材料3で構成された各サンプル
B〜Iを塗布し、100℃〜170℃で10時間〜30
時間の硬化処理を行った。尚、サンプルAはエポキシ樹
脂系絶縁材料が100%であり、セラミック・ファイバ
ーは含有されていない。
縁材料2上に、表2に示したセラミック・ファイバーを
含むエポキシ樹脂系絶縁材料3で構成された各サンプル
B〜Iを塗布し、100℃〜170℃で10時間〜30
時間の硬化処理を行った。尚、サンプルAはエポキシ樹
脂系絶縁材料が100%であり、セラミック・ファイバ
ーは含有されていない。
【0026】このエポキシ樹脂系絶縁材料3の塗布は、
低粘度配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配
合のものは、シート状に成形した後に焼結体の側面に巻
き付け、回転させながら圧接した。
低粘度配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配
合のものは、シート状に成形した後に焼結体の側面に巻
き付け、回転させながら圧接した。
【0027】同時に比較例として、上記エポキシ樹脂系
絶縁材料3に代えて、従来の低融点Pbガラス絶縁ペー
ストを塗布して同様に熱処理したものを作成した。
絶縁材料3に代えて、従来の低融点Pbガラス絶縁ペー
ストを塗布して同様に熱処理したものを作成した。
【0028】次に硬化処理の終了した焼結体の両端面を
研磨してからアルミニウム電極4,4を溶射してZnO
素子を完成させた。そして得られたZnO素子の各サン
プルA〜Iと、上記エポキシ樹脂系絶縁材料3に代えて
低融点Pbガラスを塗布した比較例について、各側面部
分を電子顕微鏡で観察し、絶縁層の厚さを測定した。そ
の結果を表3に示す。
研磨してからアルミニウム電極4,4を溶射してZnO
素子を完成させた。そして得られたZnO素子の各サン
プルA〜Iと、上記エポキシ樹脂系絶縁材料3に代えて
低融点Pbガラスを塗布した比較例について、各側面部
分を電子顕微鏡で観察し、絶縁層の厚さを測定した。そ
の結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3中の供試素子No1は比較例であり、
供試素子No6.7(サンプルF,E)は、本実施例中
に説明したように、エポキシ樹脂塗布方法として上記シ
ート状成形手段を用いており、他の供試素子はロール塗
布方法を用いた。尚、表3は単にセラミックス絶縁層厚
さ(μm)とエポキシ樹脂系絶縁層厚さ(μm)を実測
した結果であって、各層の平均厚は30(μm)以上で
あった。
供試素子No6.7(サンプルF,E)は、本実施例中
に説明したように、エポキシ樹脂塗布方法として上記シ
ート状成形手段を用いており、他の供試素子はロール塗
布方法を用いた。尚、表3は単にセラミックス絶縁層厚
さ(μm)とエポキシ樹脂系絶縁層厚さ(μm)を実測
した結果であって、各層の平均厚は30(μm)以上で
あった。
【0031】次に表3に示す供試素子No1〜10に対
して、2ms方形波放電耐量試験と4/10μs波放電
耐量試験を実施した。2ms方形波放電耐量試験の放電
電流は250Aとして破壊率(%)を求め、4/10μ
s波放電耐量試験の放電電流は50kA,65kA,7
5kA,85kA,95kAとし、各供試素子Noごと
20個ずつについて行い、4/10μs波放電耐量試験
は累積試験とし、放電電流での沿面フラッシュオーバー
による累積破壊率を評価データとした。その結果を表4
に示す。
して、2ms方形波放電耐量試験と4/10μs波放電
耐量試験を実施した。2ms方形波放電耐量試験の放電
電流は250Aとして破壊率(%)を求め、4/10μ
s波放電耐量試験の放電電流は50kA,65kA,7
5kA,85kA,95kAとし、各供試素子Noごと
20個ずつについて行い、4/10μs波放電耐量試験
は累積試験とし、放電電流での沿面フラッシュオーバー
による累積破壊率を評価データとした。その結果を表4
に示す。
【0032】
【表4】
【0033】表4によれば、比較例である供試素子No
1は放電電流85kAでの4/10μs波放電耐量特性
を示す破壊率が100%となっているのに対して、本実
施例を適用した供試素子No2〜10は比較例に較べて
同放電耐量特性がいずれも良化しており、特に供試素子
No6.7(表3のサンプルF,E)は、95kAでの
4/10μs波放電耐量特性を示す破壊率が55%と4
0%となって他のサンプルに比して格段に沿面絶縁耐力
が向上していることが判明した。
1は放電電流85kAでの4/10μs波放電耐量特性
を示す破壊率が100%となっているのに対して、本実
施例を適用した供試素子No2〜10は比較例に較べて
同放電耐量特性がいずれも良化しており、特に供試素子
No6.7(表3のサンプルF,E)は、95kAでの
4/10μs波放電耐量特性を示す破壊率が55%と4
0%となって他のサンプルに比して格段に沿面絶縁耐力
が向上していることが判明した。
【0034】上記の結果から、ZnO素子1の側面絶縁
材として、セラミックス系絶縁層と、表1に示すセラミ
ック・ファイバーが添加されたエポキシ樹脂系絶縁層と
の2層構造としたことにより、このセラミック・ファイ
バーの添加量は僅かであっても沿面絶縁耐力が向上する
ことが理解される。
材として、セラミックス系絶縁層と、表1に示すセラミ
ック・ファイバーが添加されたエポキシ樹脂系絶縁層と
の2層構造としたことにより、このセラミック・ファイ
バーの添加量は僅かであっても沿面絶縁耐力が向上する
ことが理解される。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる電圧非直線型抵抗体の製造方法によれば、ZnO素
子の側面に塗布する側面絶縁剤としてセラミックス系絶
縁材料とセラミック・ファイバーを含有するエポキシ樹
脂系絶縁材料との2層構造を採用したことにより、セラ
ミック・ファイバーの添加量は僅かであっても4/10
μs波放電耐量特性を示す破壊率が格段に低減されて沿
面絶縁耐力を向上させることができる。
かる電圧非直線型抵抗体の製造方法によれば、ZnO素
子の側面に塗布する側面絶縁剤としてセラミックス系絶
縁材料とセラミック・ファイバーを含有するエポキシ樹
脂系絶縁材料との2層構造を採用したことにより、セラ
ミック・ファイバーの添加量は僅かであっても4/10
μs波放電耐量特性を示す破壊率が格段に低減されて沿
面絶縁耐力を向上させることができる。
【0036】又、エポキシ樹脂系絶縁材料の塗布は、低
粘度配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配合
のものは、シート状に成形した後に焼結体の側面に巻き
付け、回転させながら圧接することによって良好な塗布
状態が得られる。
粘度配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配合
のものは、シート状に成形した後に焼結体の側面に巻き
付け、回転させながら圧接することによって良好な塗布
状態が得られる。
【0037】従って本発明によれば、側面絶縁材が大電
流・高エネルギーのインパルスに対しても対応可能とな
って沿面フラッシュオーバー現象が発生する惧れをなく
すことができる電圧非直線型抵抗体の製造方法が提供さ
れる。
流・高エネルギーのインパルスに対しても対応可能とな
って沿面フラッシュオーバー現象が発生する惧れをなく
すことができる電圧非直線型抵抗体の製造方法が提供さ
れる。
【図1】本実施例を適用したZnO素子の構造を示す要
部断面図。
部断面図。
1…ZnO素子 2…セラミックス系絶縁材料 3…エポキシ樹脂系絶縁材料 4…アルミニウム電極
Claims (5)
- 【請求項1】 酸化亜鉛に副添加成分としての金属酸化
物の粉砕物を加え、有機バインダー溶液と混合して得ら
れたスラリー状の原料をスラリータンクに充填し、上記
の原料をスプレードライヤに送り込んで噴霧乾燥し、得
られた流動性の高い造粒粉の一定量を計量して金型成形
プレスで成形後、脱脂してから所定の温度と時間を保っ
て焼成し、得られたZnO素子側面に側面絶縁材を形成
して抵抗体素子を得るようにした電圧非直線型抵抗体の
製造方法において、 得られたZnO素子の側面に、側面絶縁材としてセラミ
ックス系絶縁材料を塗布し、熱処理後にセラミック・フ
ァイバーを含有するエポキシ樹脂系絶縁材料を塗布して
硬化処理を行うことによって2層構造として形成したこ
とを特徴とする電圧非直線型抵抗体の製造方法。 - 【請求項2】 上記ZnO素子の側面に塗布するセラミ
ックス系絶縁材料として、ZnO,BiO3,Sb
2O3,SiO2を用いた請求項1記載の電圧非直線型抵
抗体の製造方法。 - 【請求項3】 上記セラミック・ファイバーとしてAl
2O3,SiO2,ZrO2,TiO2及びFe2O3のうち
少なくとも1種類を採用するとともにエポキシ樹脂とし
てビスフェノール系液状エポキシ樹脂を採用し、セラミ
ック・ファイバーのビスフェノール系液状エポキシ樹脂
に対する成分比を0〜75(重量%)とした請求項1,
2記載の電圧非直線型抵抗体の製造方法。 - 【請求項4】 上記エポキシ樹脂系絶縁材料の塗布は、
低粘度配合のものはロール塗布によって行い、高粘度配
合のものはシート状に成形した後に焼結体の側面に巻き
付けて回転させながら圧接する方法を用いた請求項1,
2,3記載の電圧非直線型抵抗体の製造方法。 - 【請求項5】 前記副添加成分として、酸化ビスマス,
酸化アンチモン,酸化コバルト,酸化クロム,酸化マン
ガン,酸化硅素,酸化ニッケルの各金属酸化物の何れ
か、もしくは混合物を用いた請求項1,2,3,4記載
の電圧非直線型抵抗体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6312815A JPH08172002A (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 電圧非直線型抵抗体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6312815A JPH08172002A (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 電圧非直線型抵抗体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08172002A true JPH08172002A (ja) | 1996-07-02 |
Family
ID=18033751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6312815A Pending JPH08172002A (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 電圧非直線型抵抗体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08172002A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000235905A (ja) * | 1999-02-15 | 2000-08-29 | Meidensha Corp | 非直線抵抗体の製造方法 |
JP2000243607A (ja) * | 1999-02-18 | 2000-09-08 | Meidensha Corp | 非直線抵抗体の製造方法 |
JP2004095739A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-25 | Meidensha Corp | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
EP1436819A1 (en) * | 2001-08-29 | 2004-07-14 | McGraw Edison Company | MECHANICAL REINFORCEMENT TO IMPROVE HIGH CURRENT, SHORT DURATION WITHSTAND OF A MONOLITHIC DISK OR BONDED DISK STACK |
DE10142314B4 (de) * | 2000-08-31 | 2007-07-12 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Widerstand mit nichtlinearer Spannungscharakteristik (Voltage-Nonlinear-Resistor) |
JP2008513982A (ja) * | 2004-09-15 | 2008-05-01 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | バリスタ |
CN104616850A (zh) * | 2015-02-10 | 2015-05-13 | 清华大学 | 一种氧化锌/环氧树脂复合压敏电阻的制备方法 |
-
1994
- 1994-12-16 JP JP6312815A patent/JPH08172002A/ja active Pending
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CN104616850A (zh) * | 2015-02-10 | 2015-05-13 | 清华大学 | 一种氧化锌/环氧树脂复合压敏电阻的制备方法 |
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