JP2735320B2 - 非直線抵抗体 - Google Patents

非直線抵抗体

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JP2735320B2 JP1296106A JP29610689A JP2735320B2 JP 2735320 B2 JP2735320 B2 JP 2735320B2 JP 1296106 A JP1296106 A JP 1296106A JP 29610689 A JP29610689 A JP 29610689A JP 2735320 B2 JP2735320 B2 JP 2735320B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は側面に高抵抗層を施こした非直線抵抗体に関
する。
(従来の技術) 電力系統において発生する異常電圧を抑制し、電力系
統を保護するために避雷器が用いられる。
避雷器には正常な電圧では絶縁特性を示し、異常電圧
が印加された時には低い抵抗値となる非直線抵抗体が用
いられる。非直線抵抗体は一般にはバリスタと呼ばれ、
その代表なものとして酸化亜鉛を主成分としたものがあ
る。
一般に、避雷器などに用いられる金属酸化物からなる
非直線抵抗体は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、ビス
マス(Bi)、アンチモ(Sb)、コバルト(Co)、マンガ
ン(Mn)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ケイ素(S
i)の酸化物等からなる副成分を含み、これらの原料を
水及び有機バインダーとともに十分混合した後、スプレ
ードライヤー等で造粒し、成形を行い、仮焼結する。こ
の仮焼体の側面に、沿面閃絡を防止する目的で、焼成後
高抵抗になる物質を塗布し、焼成し高抵抗層を形成す
る。さらに、両端面を研磨し、電極を取付けて製造され
る。
従来の非直線抵抗体の高抵抗層について、更に詳しく
述べれば、たとえばSiO2、Bi2O3、Sb2O3を水及び有機バ
インダーとともに混合し、仮焼体側面に塗布した後、10
00〜1200℃で焼成し高抵抗層を形成する方法などが知ら
れている。
ところが、これら非直線抵抗体を工業的に量産製造す
ると、非直線抵抗性の低下やその特性上のバラツキだけ
ではなく、放電耐量特性などのバラツキが発生するとい
う問題点があり、その安定化製造にいろいろと苦慮して
いる。
(発明が解決しようとする課題) 近年の電力系統は送電コスト低減のため大容量化、高
電圧化が進みそれにともない避雷器も500kVが実用化さ
れ、さらに、近い将来1000kV(UHV)用避雷器も計画さ
れている。これらの避雷器に使用する非直線抵抗体は極
めて大きなサージエネルギーを処理する必要があり、非
直線抵抗体の大容量化、並列接続枚数の増加などの手段
が用いられる。しかし、並列接続枚数の増加は、電流分
担のアンバランスをまねき易いなどといった特性上の問
題から、並列接続枚数は制限され、必然的に非直線抵抗
体の大容量化がはかられなければならない。しかし、厚
みは避雷器の制限電圧等によって制限されるので、素子
径を大きくしなければならない。このようにして、500k
V用などの非直線抵抗体の形状は、φ100〜φ20mm、厚み
は、焼結時の変形及び経済性からt20〜t45にもなる。こ
うした非直線抵抗体は焼結が難しく、しばしば電気特性
のバラツキとなって現れる。従来の方法では、仮焼した
素体に焼成後高抵抗になる物質を塗布した後、焼成し高
抵抗層を形成しているがしばしば素体の適正な焼成温度
と高抵抗層形成の為の適正な温度が合致しない場合が多
くあらわれる。この場合当然良好な電気特性を有する素
子は望むべくも無く安定した製造方法が望まれていた。
本発明は上記の点を考慮して成されたもので、焼結時
の影響を少なくし、放電耐量特性を向上させた非直線抵
抗体を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本発明においては、焼結後
高抵抗層をセラミックコーティング膜である第一の層
と、この第一の層上に設け350〜800℃の軟化点を持つ低
融点ガラスフリット、350〜800℃の軟化点を持つ低融点
ガラスフリット及び耐火性充填剤の混合物、70×10-71/
℃以下の熱膨張係数を有する低融点ガラスフリットある
いは70×10-71/℃以下の熱膨張係数を有する低融点ガラ
スフリット及び耐火性充填剤の混合物から成る第二の層
とで形成している。
(作 用) このようにすることにより、素体、高抵抗層に適正な
焼成温度を選ぶことができ、放電耐量特性を向上させる
ことができる。
(実施例) 以下第1図及び第2図を参照して、本発明の非直線抵
抗体の製造方法の第1の実施例を説明する。まず本実施
例の非直線抵抗体は、第1図に示すような構成となって
いる。図中1は、素体であり、この素体1は円柱状をな
している。この素体1の一対の端面には、電極2が設け
られており、また、その円柱側面には高抵抗層3,4が設
けられている。
上記素体1は、酸化亜鉛を主成分とするものであっ
て、電圧非直線性を有している。一方、高抵抗層3はセ
ラミックコーティング膜であり、高抵抗層4は低融点ガ
ラスフリットにより生成されたガラス被覆膜である。
かかる構成をなす非直線抵抗体は次の様にして製造さ
れる。まず素体1の製造方法から説明する。酸化亜鉛
(ZnO)に、酸化ビスマ(Bi2O3)、酸化マンガン(Mn
O)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化クロム(Cr2O3)をそ
れぞれ0.5モル%、酸化コバルト(Co2O3)、酸化アンチ
モン(Sb2O3)、酸化ニッケル(NiO)をそれぞれ1モル
%添加する。これらの原料を水や分散剤等の有機バイン
ダー類とともに混合装置に入れ混合する。次に、混合物
をスプレードライヤーで、例えば粒径が100ミクロンに
なるように噴霧造粒する。これらの造粒粉を金形に入れ
加圧し、直径125mm、厚さ30mmの円板に成形する。次
に、添加した有機バインダー類を除くため空気中で500
℃で焼成し、さらに、空気中で1200℃で焼成して、素体
1を得るものである。
次に、予め準備したセラミックコーティング材料、例
えば固形分が80wt%のトリブトキシアルミニウムAl(OC
4H9のブタノール溶液をスプレーガンを使用して、
上記素体1の円柱側面に塗布する。セラミックコーティ
ング材料の濃度は、スプレーガンを使用して塗布できれ
ば良く、上記濃度に限らない。また、ハケ塗りなどでも
よく塗布方法は、スプレー法に限らない。
このようにして得られたものを例えば350℃の温度
で、12〜24時間乾燥、硬化させて熱処理した。これによ
って、素体1の円柱側面に高抵抗層3が形成されたこと
になる。次に、PbO−SiO2−B2O3−Al2O3系低融点ガラス
フリットを純水、結合剤とともに混合したスラリーを塗
布し、例えば450℃で焼成しガラス被覆膜を形成させ
た。
さらに、このようにして、得られた焼結素体の両端面
を研磨し、その両端面アルミニウムを容射して電極2を
形成する。これで第1図に示す非直線抵抗体を得ること
ができる。
次にこのようにして得られた非直線抵抗体の放電耐量
特性について、従来の構成による非直線抵抗体と比較し
ながら説明する。上述のようにして完成した非直線抵抗
体に2msの矩形波電流を5回印加して、放電耐量の測定
を行った。第2図に、縦軸に度数、横軸に素子が耐えた
エネルギーの値をとり分布図にして示した。曲線Aは本
発明の、曲線Bは従来の製造方法による非直線抵抗体の
放電耐量特性である。図から明らかなように、従来の製
造方法による非直線抵抗体の放電耐量特性でバラツキが
大きく、耐量エネルギーも小さいことに対して、本実施
例の製造方法による非直線抵抗体では、バラツキが小さ
く、放電耐量特性が良好であることがわかる。したがっ
て、焼結素体1の側面にトリブトキシアルミニウムAl
(OC4H9のブタノール溶液を塗布し、例えば350℃で
熱処理し、塗布物質を熱分解反応により、焼結素体の側
面に高抵抗層3を形成し、更に、ガラスフリット、純水
と結合剤を混合したスラリーを塗布し例えば450℃で焼
結しガラス被覆膜を形成することにより、優れた放電耐
量特性をもつ非直線抵抗体が得られることは明らかであ
る。本実施例により、優れた放電耐量特性をもつ非直線
抵抗体が得られる理由は次の様にか考えられる。前述の
様に従来の方法では、仮焼した素体に焼成後高抵抗にな
る物質を塗布した後、焼成した高抵抗層を形成している
ための素体の適正な焼成温度と高抵抗層形成の適正温度
が合致せずその結果、素体の焼成温度に合せる事になり
良好な高抵抗層が出来ず放電耐量特性が低下している。
しかし、本実施例の様に、焼結素体の側面にトリブトキ
シアルミニウムAl(OC4H9のブタノール溶液を塗布
し、350℃で熱処理し高抵抗層3を形成し、更にその上
にガラスフリットを純水と結合剤と共に混合したスラリ
ーを塗布し450℃で焼成しガラス被覆膜を形成した場
合、一般のAl2O3の焼成塗膜の焼成温度に比べて低い温
度で、トリブトキシアルミニウムAl(OC4H9が 2Al(OC4H9→ Al2O3+3/2C4H9OH+オレフィン (1) と熱分解反応し、Al2O3の焼成塗膜を形成する。
更にガラスフリットは、〜450℃でガラス被覆膜を形
成する。勿論セラミックコーティング材料,ガラスフリ
ットに合った適正な熱処理条件度を選べる事から良好な
高抵抗層が形成され放電耐量特性が良好で、かつ耐量特
性のバラツキが小さくなると考えられる。
以上、本実施例によれば、素体1に側面にトリブトキ
シアルミニウムAl(OC4H9のブタノール溶液を塗布
し、350℃で乾燥、硬化させて熱処理し高抵抗層3を形
成し更に、その上にガラスフリットを純水,合剤と共に
混合したスラリーを塗布し450℃で焼成しガラス被覆膜
を形成する本発明によれば、放電耐量特性に優れた、信
頼性の高い非直線抵抗体を提供することができる。
本実施例において使用されるガラスフリットは350〜8
00℃の軟化点のものであるが350℃以下では堅固な網目
構造を有するガラスが得にくく被覆後に亀裂や剥がれを
生じ優れた放電耐量特性は得られない。又、800℃以上
になると焼結素体に含有されているBi2O3の融点(820
℃)以上に温度を挙げる事になりBi2O3が再び変化し一
度安定化した粒界層を乱すことになり非直線特性そのも
のを損なってしまうからである。
尚、前記実施例による素体のスラリー原料として、酸
化物原料を使用したが、これに限定されるものではな
く、焼結して酸化物になるものであれば良く、例えば、
水酸化物、炭酸化物、シュウ酸化物であっても同様の効
果を得ることができる。さらに、前記実施例で示した以
外の添加物を添加しても良い。例えば、非直線特性を向
上される目的で他の成分を加えても良く、耐湿特性、耐
電圧特性をさらに向上させるために、非直線抵抗体の外
側にガラス成分を焼付けても良い。
本実施例はφ100×t22のものを示したが容量の小さな
ものでも同じ効果がある事を確認している。さらに非直
線抵抗体が大容量化した場合の効果は今まで述べてきた
理由により明らかである。
セラミックコーティング材料のトリブトキシアルミニ
ウムのアルキル基をメチル基、エチル基、プロピル基、
ペンチル基、ヘキシル基と変えた、一般のアルミニウム
・アルコキシドを用いても、上記実施例と同じ効果が得
られることが分った。また、一般式M(OR)n(ただ
し、Mは金属、Rはアルキル基)で表される金属アルコ
キシドに於いて金属Mをチタン、ジルコニア、ケイ素,
鉄,銅,クロム,マグネシウムとした金属アルコキシド
を用いても、実施例と同じ効果が得られる。この理由
は、実施例の(1)式を、 M(OR)n→MOn+n/2R(OH) +オレフィン (2) として考えれば、実施例と同様に考えられる。したがっ
て、高抵抗層原料としてのアルコキシドは、上記実施例
に限らず、一般のアルコキシドでも、同様の効果が得ら
れると考えられる。
次に、本発明の第2の実施例を説明する。この実施例
では高抵抗層4が350〜800℃の軟化点を持つ低融点ガラ
スフリット及び耐火性充填剤の混合物より生成されてい
る。具体的には、PbO−SiO2−B2O3−Al2O3系低融点ガラ
スフリットに耐火性充填剤としての長石を20wt%加えた
混合物を純水,結合剤とともに混合したスラリーを塗布
し、例えば450℃で焼成しガラス被覆膜が形成された。
尚、その他の非直線抵抗体の製造工程は前述の第1の実
施例のそれと同一とした。
そして、このようにして得られた非直線抵抗体の放電
耐量特性を第3図に示す。同図は完成した非直線抵抗体
に2msの矩形波電流を5回印加したときの放電耐量を示
し、縦軸に度数、横軸に非直線抵抗体が耐えたエネルギ
ーの値をとった分布図である。そして、曲線A,曲線は夫
々本実施例及び従来の非直線抵抗体の放電耐量特性であ
る。
本実施例においては、第3図からわかるように第1の
実施例と同様な作用により放電耐量特性の改善を図るこ
とができる。
尚、耐火性充填剤としてアルミナ、シリカ、マグネシ
ア、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、タル
ク、粘土の内少なくとも一種含有するものは長石と同様
な効果が得られた。
また、本実施例においても第1の実施例と同様な変形
例を適用することができることは言うまでもない。
次に、本発明の第3の実施例を説明する。この実施例
では高抵抗層4が50×10-71/℃の熱膨張係数の低融点ガ
ラスフリットで形成されている。具体的には、5×10-7
1/℃の熱膨張係数の低融点ガラスフリットを純水,結合
剤とともに混合したスラリーを塗布し、例えば450℃で
焼成しガラス被覆膜が形成された。尚、その他の非直線
抵抗体の製造工程は前述の第1の実施例のそれと同一と
した。
このようにして得られた非直線抵抗体の放電耐量特性
について、従来の構成による非直線抵抗体と比較しなが
ら説明する。上述のようにして完成した非直線抵抗体に
2msの矩形波電流を5回印加して、放電耐量の測定を行
った。第4図に、縦軸に度数、横軸に素子が耐えたエネ
ルギーの置をとり分布図にして示した。曲線Aは本発明
の、曲線Bは従来の製造方法による非直線抵体の放電耐
量特性である。図から明らかなように、従来の製造方法
による非直線抵抗体の放電耐量特性でバラツキが大き
く、耐量エネルギーも小さいことに対して、本実施例の
製造方法による非直線抵抗体では、バラツキが小さく、
放電耐量特性が良好であることがわかる。したがって、
焼結素体1の側面にトリブトキシアルミニウムAl(OC4H
9のブタノール溶液を塗布し、例えば350℃で熱処理
し、塗布物質を熱分解反応により、焼結素体の側面に高
抵抗層3を形成し、更に、ガラスフリット、純水と結合
剤を混合したスラリーを塗布し例えば450℃で焼成しガ
ラス被覆膜を形成することにより、優れた放電耐量特性
をもつ非直線抵抗体が得られることは明らかである。本
実施例により、優れた放電耐量特性をもつ非直線抵抗体
が得られる理由は次の様に考えられる。前述の様に従来
の方法では、仮焼した素体に焼成高抵抗になる物質を塗
布した後、焼成した高抵抗層を形成しているための素体
の適正な焼成温度と高抵抗層形成の適正温度が合致せず
その結果、素体の焼成温度に合せる事になり良好な高抵
抗層が出来ず放電耐量特性が低下している。しかし、本
実施例の様に、焼結素体の側面にトリブトキシアルミニ
ウムAl(OC4H9のブタノール溶液を塗布し、350℃で
熱処理し高抵抗層3を形成し、更にその上にガラスフリ
ットを純水と結合剤と共に混合したスラリーを塗布し45
0℃で焼成しガラス被覆膜を形成した場合、一般のAl2O3
の焼成塗膜の焼成温度に比べて低い温度で、トリブトキ
シアルミニウムAl(OC4H9が 2Al(OC4H9→ Al2O3+3/2C4H9OH+オレフィン (1) と熱分解反応し、Al2O3の焼成塗膜を形成する。
更にガラスフリットは、〜450℃でガラス被覆膜を形
成する。勿論セラミックコーティング材料に合った適正
な熱処理条件度を選べる事から良好な高抵抗層が形成さ
れ放電耐量特性が良好で、かつ耐量特性のバラツキが小
さくなると考えられる。本実施例によれば、素体1に側
面にトリブトキシアルミニウムAl(OC4H9のブタノ
ール溶液を塗布し、350℃で乾燥、硬化させ高抵抗層3
を形成し更に、その上にガラスフリットを純水,合剤と
共に混合したスラリーを塗布し450℃で焼成しガラス被
覆膜を形成すれば、放電耐量特性に優れた、信頼性の高
い非直線抵抗体を提供することができる。
更に、本実施例において使用されるガラスフリットは
70×10-71/℃以下の熱膨張係数のものであるが熱膨張係
数が70×10-71/℃以上のガラスフリットでは放電耐量特
性が劣り素体が破壊したり亀裂が入ってしまうからであ
る。その原因は明らかではないが次の様に考えられる。
非直線抵抗体の様なセラミックスを焼結とすると残留応
力が存在することがある。原因としては混合工程におけ
る不均質混合、焼成工程における不均一温度分布、雰囲
気むら等がある。これ等が影響し合って素体が不均一な
収縮をすることによって残留応力を生じるものと考えら
れている。
ところが、熱膨張係数の異なる高抵抗層材料を塗布し
たものを焼結するとそれだけで残留応力を生じる。素体
より小さい熱膨張係数の材料を高抵抗層形成用として塗
布し焼結すると素体は十分に収縮仕切れず引張り応力が
残り逆に高抵抗層は素体の収縮力の影響を受け過剰に収
縮することから圧縮応力が残る。ところで非直線抵抗体
の熱膨張係数を行ったところ70×10-71/℃であった。従
って70×10-71/℃以下の材料を塗布すれば高抵抗層に圧
縮応力が残り70×10-71/℃以上の材料を塗布すれば高抵
抗層に引張り応力が残ることになる。
外周部からはいる破壊や亀裂に対して高抵抗層の圧縮
応力は有効に作用する。放電耐量試験による外周部で発
生する破壊や亀裂は、印加エネルギーによって素体が熱
膨張するために発生する引張り熱応力に素体強度が耐え
きれない場合に発生すると考えられている。したがって
素体最外周部のガラス被覆膜に圧縮応力が残る本発明の
素体に耐量エネルギーが印加しても圧縮応力が無くなる
までのエネルギーに消費にされることから見掛け上放電
耐量特性は大きな値を示すことになる。第5図にガラス
フリットの熱膨張係数と放電耐量特性の関係を示したが
70×10-71/℃以上になると悪化するのがわかる。尚、前
記実施例による素体のスラリー原料として、酸化物原料
を使用したが、これに限定されるものではなく、焼結し
て酸化物になるものであれば良く、例えば、水酸化物、
炭酸化物、シュウ酸化物であっても同様の効果を得るこ
とができる。さらに、前記実施例で示した以外の添加物
を添加しても良い。例えば、非直線特性を向上させる目
的で他の成分を加えても良く、耐湿特性、耐電圧特性を
さらに向上させるため、非直線抵抗体の外側にガラス成
分を焼付けても良い。
本実施例はφ100×t22のものを示したが容量の小さな
ものでも同じ効果がある事を確認している。さらに非直
線抵抗体が大容量化した場合の効果は今まで述べてきた
理由により明らかである。
セラミックコーティング材料のトリブトキシアルミニ
ウムのアルキル基をメチル基、エチル基、プロピル基、
ペンチル基、ヘキシル基と変えた、一般のアルミニウム
・アルコキシドを用いても、上記実施例と同じ効果が得
られることが分った。また、一般式M(OR)n(ただ
し、Mは金属、Rはアルキル基)で表される金属アルコ
キシドに於いて金属Mをチタン、ジルコニア、ケイ素,
鉄,銅,クロム,マグネシウムとした金属アルコキシド
を用いても、実施例と同じ効果が得られる。この理由
は、実施例の(1)式を、 M(OR)n→MOn+n/2R(OH) +オレフィン (2) として考えれば、実施例と同様に考えられる。したがっ
て、高抵抗層原料としてのアルコキシドは、上記実施例
に限らず、一般のアルコキシドでも、同様の効果が得ら
れると考えられる。
次に、本発明の第4の実施例を説明する。この実施例
では高抵抗層50×70-71/℃の熱膨張係数の低融点ガラス
フリット及び耐火性充填剤の混合物より生成されてい
る。具体的には、50×70-71/℃の熱膨張係数の低融点ガ
ラスフリットに耐火性充填剤としての長石を20wt%加え
た混合物を純水,結合剤とともに混合したスラリーを塗
布し、例えば450℃で焼成しガラス被覆膜が形成され
た。尚、その他の非直線抵抗体の製造工程は前述の第3
の実施例のそれと同一とした。
そして、このようにして得られた非直線抵抗体の放電
耐量特性を第6図に示す。また、ガラスフリットの熱膨
張係数と放電耐量特性の関係を第7図に示す。
両図からわかるように、第3の実施例と同様な作用に
より、70×10-71/℃以下の熱膨張係数を有する低融点ガ
ラスフリット及び耐火性充填剤の混合物で高抵抗層を形
成することで、放電耐量特性の向上が図られている。
尚、耐火性充填剤としてアルミナ、シリカ、マグネシ
ア、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、タル
ク、粘土の内少なくとも一種含有するものは長石と同様
な効果が得られた。
また、本実施例においても第3の実施系と同様な変形
例に適用することができる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明においては、酸化亜鉛を主
成分とする焼結体の側面に高抵抗層を設けた非直線抵抗
体において、該高抵抗層はトリブトキシアルミニウムを
塗布し、熱処理させたセラミックコーティング膜である
第一の層と、この第一の層上に設け350〜800℃の軟化点
を持つ低融点ガラスフリット、350〜800℃の軟化点を持
つ低融点ガラスフリット及び耐火性充填剤の混合物、70
×10-71/℃以下の熱膨張係数を有する低融点ガラスフリ
ットあるいは70×10-71/℃以下の熱膨張係数を有する低
融点ガラスフリット及び耐火性充填剤の混合物から成る
第二の層とで形成することにより、素体、高抵抗層に適
正な焼成温度を選ぶことができ、放電耐量特性を向上し
た信頼性の高い非直線抵抗体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す非直線抵抗体の断面
図、第2図は本発明の第1の実施例で得た非直線抵抗体
の放電耐量特性図、第3図は本発明の第2の実施例で得
た非直線抵抗体の放電耐量特性図、第4図は本発明の第
3の実施例で得た非直線抵抗体の放電耐量特性図、第5
図は本発明の第3の実施例で得た非直線抵抗体の熱膨張
係数に対する放電耐量特性図、第6図は本発明の第4の
実施例で得た非直線抵抗体の放電耐量特性図、第7図は
本発明の第4の実施例で得た非直線抵抗体の熱膨張係数
に対する放電耐量特性図である。 1……素体、2……電極、 3……高抵抗層。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛を主成分とする焼結体の側面に高
    抵抗層を設けた非直線抵抗体において、該高抵抗層はト
    リブトキシアルミニウムを塗布し、熱処理させたセラミ
    ックコーティング膜である第一の層と、この第一の層上
    に設けられた350〜800℃の軟化点を持つ低融点ガラスフ
    リットにより生成された第二の層から成ることを特徴と
    する非直線抵抗体。
  2. 【請求項2】酸化亜鉛を主成分とする焼結体の側面に高
    抵抗層を設けた非直線抵抗体において、該高抵抗層はト
    リブトキシアルミニウムを塗布し、熱処理させたセラミ
    ックコーティング膜である第一の層と、この第一の層上
    に設けられた350〜800℃の軟化点を持つ低融点ガラスフ
    リット及び耐火性充填材の混合物より生成された第二の
    層から成ることを特徴とする非直線抵抗体。
  3. 【請求項3】酸化亜鉛を主成分とする焼結体の側面に高
    抵抗層を設けた非直線抵抗体において、該高抵抗層はト
    リブトキシアルミニウムを塗布し、熱処理させたセラミ
    ックコーティング膜である第一の層と、この第一の層上
    に設けられた70×10-71/℃以下の熱膨張係数を有する低
    融点ガラスフリットにより生成された第二の層から成る
    ことを特徴とする非直線抵抗体。
JP1296106A 1989-11-16 1989-11-16 非直線抵抗体 Expired - Fee Related JP2735320B2 (ja)

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