JP2001044008A - 酸化亜鉛非直線性抵抗体およびその製造方法 - Google Patents
酸化亜鉛非直線性抵抗体およびその製造方法Info
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- JP2001044008A JP2001044008A JP11218911A JP21891199A JP2001044008A JP 2001044008 A JP2001044008 A JP 2001044008A JP 11218911 A JP11218911 A JP 11218911A JP 21891199 A JP21891199 A JP 21891199A JP 2001044008 A JP2001044008 A JP 2001044008A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 酸化亜鉛非直線性抵抗体の簡略化された製造
方法とその製造方法によって製造された非直線性抵抗体
を提供する。 【解決手段】 酸化亜鉛非直線性抵抗体本体の仮燒結後
に、その側面にセラミック質絶縁層を塗布して本焼成
し、さらにその上にガラスペーストを塗布し、これを5
00〜560℃の温度で2〜8時間焼成し、ガラス保護
層を形成して、酸化亜鉛を主成分とする非直線性抵抗体
を製造する。
方法とその製造方法によって製造された非直線性抵抗体
を提供する。 【解決手段】 酸化亜鉛非直線性抵抗体本体の仮燒結後
に、その側面にセラミック質絶縁層を塗布して本焼成
し、さらにその上にガラスペーストを塗布し、これを5
00〜560℃の温度で2〜8時間焼成し、ガラス保護
層を形成して、酸化亜鉛を主成分とする非直線性抵抗体
を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力の送変電分野
において線路の避雷エネルギーの吸収素子として利用さ
れる非直線性抵抗体避雷器素子の製造方法、とくに酸化
亜鉛を主成分とする電圧非直線性抵抗体とその製造方法
に関するものである。
において線路の避雷エネルギーの吸収素子として利用さ
れる非直線性抵抗体避雷器素子の製造方法、とくに酸化
亜鉛を主成分とする電圧非直線性抵抗体とその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は電力の送変電分野において避雷器
素子として用いられる酸化亜鉛を主成分とする非直線性
抵抗体の断面図である。図1において、1は酸化亜鉛を
主成分とする円柱状の非直線性抵抗体素子本体、2は同
素子本体1の両端面に設けられた金属アルミニウムなど
の金属電極、3は非直線性抵抗体素子本体1の外周側面
に形成された非直線性抵抗体素子と類似質のセラミック
質絶縁保護層、4はこの絶縁性セラミック質層3の上に
形成された同じく絶縁性のガラス保護層である。
素子として用いられる酸化亜鉛を主成分とする非直線性
抵抗体の断面図である。図1において、1は酸化亜鉛を
主成分とする円柱状の非直線性抵抗体素子本体、2は同
素子本体1の両端面に設けられた金属アルミニウムなど
の金属電極、3は非直線性抵抗体素子本体1の外周側面
に形成された非直線性抵抗体素子と類似質のセラミック
質絶縁保護層、4はこの絶縁性セラミック質層3の上に
形成された同じく絶縁性のガラス保護層である。
【0003】このような構造の酸化亜鉛を主成分とする
従来の避雷器素子は、図3の製造工程フローの概要に示
す方法で製造されていた。たとえば酸化亜鉛、酸化ビス
マス、その他微量成分として酸化クロム、酸化ニッケ
ル、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸化ケイ素などを
加えて所定の電気的特性が得られる比率に配合し、これ
をボールミルなどで混合し、さらに成形性を良くするた
めの造粒を行って、所定の大きさの円柱または円板に成
形する。続いてバインダの分解を主目的とする仮焼がな
される。仮焼して、固化した素体の円柱(または円板)
の周囲側面に酸化ビスマス、酸化ケイ素、酸化アンチモ
ンからなる混合粉末を分散したペーストを所定の厚さに
塗布し、乾燥後、酸化性雰囲気の電気炉で燒結(本焼
成)、さらに素子の電気的安定性を付与するためのアニ
ール焼成を行った後、素体の周囲側面にガラス被覆を行
なうためのガラスペーストを所定の厚さに塗布する。乾
燥後、ガラスの熔融焼付けを行なって、最後に素体両端
面にアルミニウムなどの金属電極を付けて製作されてい
る。
従来の避雷器素子は、図3の製造工程フローの概要に示
す方法で製造されていた。たとえば酸化亜鉛、酸化ビス
マス、その他微量成分として酸化クロム、酸化ニッケ
ル、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸化ケイ素などを
加えて所定の電気的特性が得られる比率に配合し、これ
をボールミルなどで混合し、さらに成形性を良くするた
めの造粒を行って、所定の大きさの円柱または円板に成
形する。続いてバインダの分解を主目的とする仮焼がな
される。仮焼して、固化した素体の円柱(または円板)
の周囲側面に酸化ビスマス、酸化ケイ素、酸化アンチモ
ンからなる混合粉末を分散したペーストを所定の厚さに
塗布し、乾燥後、酸化性雰囲気の電気炉で燒結(本焼
成)、さらに素子の電気的安定性を付与するためのアニ
ール焼成を行った後、素体の周囲側面にガラス被覆を行
なうためのガラスペーストを所定の厚さに塗布する。乾
燥後、ガラスの熔融焼付けを行なって、最後に素体両端
面にアルミニウムなどの金属電極を付けて製作されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来の酸化亜鉛避
雷器素子の製造法では、バインダ分解の仮焼から側面の
ガラス被覆焼付けまで4回の熱処理工程があり、熱エネ
ルギー多消費型の製品となっていた。
雷器素子の製造法では、バインダ分解の仮焼から側面の
ガラス被覆焼付けまで4回の熱処理工程があり、熱エネ
ルギー多消費型の製品となっていた。
【0005】本発明は、前記のような酸化亜鉛避雷器素
子の製造工程における問題点を解決すべく行なわれたも
のであり、焼成回数を低減化した製造法およびその方法
により製造された酸化亜鉛非直線抵抗体を提供するもの
である。
子の製造工程における問題点を解決すべく行なわれたも
のであり、焼成回数を低減化した製造法およびその方法
により製造された酸化亜鉛非直線抵抗体を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかわる発明
は、酸化亜鉛を主成分とする非直線性抵抗体の製造方法
において、該抵抗体本体の仮燒結後に、その側面にセラ
ミック質絶縁層を塗布して本焼成し、さらにその上にガ
ラスペーストを塗布し、これを500〜560℃の温度
で2〜8時間焼成してガラス保護層を形成する酸化亜鉛
非直線性抵抗体の製造方法である。
は、酸化亜鉛を主成分とする非直線性抵抗体の製造方法
において、該抵抗体本体の仮燒結後に、その側面にセラ
ミック質絶縁層を塗布して本焼成し、さらにその上にガ
ラスペーストを塗布し、これを500〜560℃の温度
で2〜8時間焼成してガラス保護層を形成する酸化亜鉛
非直線性抵抗体の製造方法である。
【0007】請求項2にかかわる発明は、側面に被覆さ
れるガラスが、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸鉛・亜鉛、ホ
ウケイ酸亜鉛、リンケイ酸亜鉛、リンホウ酸亜鉛、リン
ホウケイ酸亜鉛、リン酸亜鉛アルミニウム、これらにア
ルカリ成分を含む組成物、またはホウケイ酸アルカリの
組成物であって、20〜300℃の範囲の熱膨張係数が
45〜60×10-7℃-1で、かつガラスの軟化温度が4
50〜550℃である請求項1記載の抵抗体の製造方法
である。
れるガラスが、ホウケイ酸鉛、ホウケイ酸鉛・亜鉛、ホ
ウケイ酸亜鉛、リンケイ酸亜鉛、リンホウ酸亜鉛、リン
ホウケイ酸亜鉛、リン酸亜鉛アルミニウム、これらにア
ルカリ成分を含む組成物、またはホウケイ酸アルカリの
組成物であって、20〜300℃の範囲の熱膨張係数が
45〜60×10-7℃-1で、かつガラスの軟化温度が4
50〜550℃である請求項1記載の抵抗体の製造方法
である。
【0008】請求項3にかかわる発明は、アルカリ成分
が酸化ナトリウムまたは酸化カリウムである請求項2記
載の抵抗体の製造方法である。
が酸化ナトリウムまたは酸化カリウムである請求項2記
載の抵抗体の製造方法である。
【0009】請求項4にかかわる発明は、側面に被覆さ
れるガラスが、無機質充填剤を添加した複合物、または
熔融後に結晶化させたガラスである請求項2または3記
載の抵抗体の製造方法である。
れるガラスが、無機質充填剤を添加した複合物、または
熔融後に結晶化させたガラスである請求項2または3記
載の抵抗体の製造方法である。
【0010】請求項5にかかわる発明は、請求項1記載
の抵抗体の製造方法によって製造された、セラミック質
絶縁保護層およびガラス保護層を有する酸化亜鉛非直線
性抵抗体である。
の抵抗体の製造方法によって製造された、セラミック質
絶縁保護層およびガラス保護層を有する酸化亜鉛非直線
性抵抗体である。
【0011】請求項6にかかわる発明は、請求項2記載
の抵抗体の製造方法によって製造されたセラミック質絶
縁保護層およびガラス保護層を有する酸化亜鉛非直線性
抵抗体である。
の抵抗体の製造方法によって製造されたセラミック質絶
縁保護層およびガラス保護層を有する酸化亜鉛非直線性
抵抗体である。
【0012】請求項7にかかわる発明は、請求項3記載
の抵抗体の製造方法によって製造されたセラミック質絶
縁保護層およびガラス保護層を有する酸化亜鉛非直線性
抵抗体である。
の抵抗体の製造方法によって製造されたセラミック質絶
縁保護層およびガラス保護層を有する酸化亜鉛非直線性
抵抗体である。
【0013】請求項8にかかわる発明は、請求項4記載
の抵抗体の製造方法によって製造されたセラミック質絶
縁保護層およびガラス保護層を有する酸化亜鉛非直線性
抵抗体である。
の抵抗体の製造方法によって製造されたセラミック質絶
縁保護層およびガラス保護層を有する酸化亜鉛非直線性
抵抗体である。
【0014】
【発明の実施の形態】広く知られるているように酸化亜
鉛避雷器素子本体は、一般的な半導体素子と同様に、雰
囲気に対して非常に敏感である。そのため、同素子を実
用に供するためには側面に絶縁性の保護層を設けなけれ
ばならない。保護層を設けなかった場合には、たとえば
突入雷インパルスに耐えることができず、側面で沿面閃
絡を起こして破損する。したがって、同素子の製造で
は、素子本体の側面を雰囲気から保護する絶縁被覆層の
形成が不可欠である。とくに、外設変圧器などの保護に
利用される耐雷避雷器として同素子を使用する場合に
は、絶縁油中に浸漬した状態で利用されるため、側面保
護層の絶縁油に対する不浸透性が重要である。
鉛避雷器素子本体は、一般的な半導体素子と同様に、雰
囲気に対して非常に敏感である。そのため、同素子を実
用に供するためには側面に絶縁性の保護層を設けなけれ
ばならない。保護層を設けなかった場合には、たとえば
突入雷インパルスに耐えることができず、側面で沿面閃
絡を起こして破損する。したがって、同素子の製造で
は、素子本体の側面を雰囲気から保護する絶縁被覆層の
形成が不可欠である。とくに、外設変圧器などの保護に
利用される耐雷避雷器として同素子を使用する場合に
は、絶縁油中に浸漬した状態で利用されるため、側面保
護層の絶縁油に対する不浸透性が重要である。
【0015】同素子の製造工程において、もう一つの重
要なポイントは絶縁性の側面被覆層を素子本体と類似質
のセラミック質の下地層とその上のガラス保護層の複層
構造に構成しなければならないことである。
要なポイントは絶縁性の側面被覆層を素子本体と類似質
のセラミック質の下地層とその上のガラス保護層の複層
構造に構成しなければならないことである。
【0016】この理由についてはまだ十分な物理的、化
学的解明がなされていないが、前記セラミック質を施さ
ず、ガラス層被覆を行なった場合、酸化亜鉛非直線性抵
抗体本体とガラス層の境界付近で非直線性効果の劣化が
起こり、必ずしも実用に供しえなかった。
学的解明がなされていないが、前記セラミック質を施さ
ず、ガラス層被覆を行なった場合、酸化亜鉛非直線性抵
抗体本体とガラス層の境界付近で非直線性効果の劣化が
起こり、必ずしも実用に供しえなかった。
【0017】特公平4−4723号公報は前記方法を具
現したものであるが、この方法による実用化に至る特性
改善は成功していない。
現したものであるが、この方法による実用化に至る特性
改善は成功していない。
【0018】さらに、もう一つの同素子製造上のポイン
トは図3の従来の製造プロセスで示されるように、同素
子の課電寿命を長期間に渡って確保するために、素子の
燒結(本焼成)の後に実施されるアニール焼成と呼ばれ
る長時間の熱処理が不可欠である点にある。この理由に
ついても完全に明確にされたわけではないが、先の特公
平4−4723号公報では、素子本体の粒界に存在する
Bi2O3の結晶相の転化率に帰せられるとする。すなわ
ちBi2O3の体心立方晶の生成割合が適切な範囲にある
とき寿命過程での洩れ電流の増加が最小になり、その条
件は素子を500〜600℃で1〜2時間再加熱するこ
とであると説明されている。
トは図3の従来の製造プロセスで示されるように、同素
子の課電寿命を長期間に渡って確保するために、素子の
燒結(本焼成)の後に実施されるアニール焼成と呼ばれ
る長時間の熱処理が不可欠である点にある。この理由に
ついても完全に明確にされたわけではないが、先の特公
平4−4723号公報では、素子本体の粒界に存在する
Bi2O3の結晶相の転化率に帰せられるとする。すなわ
ちBi2O3の体心立方晶の生成割合が適切な範囲にある
とき寿命過程での洩れ電流の増加が最小になり、その条
件は素子を500〜600℃で1〜2時間再加熱するこ
とであると説明されている。
【0019】本発明者らの酸化亜鉛非直線性抵抗体の従
来の製造プロセスに関する詳細な研究によれば、同素子
の望ましい所定の電気的特性と各側面保護層の有無とア
ニール熱処理の間には、表1に示すような関連性が存在
することがわかった。
来の製造プロセスに関する詳細な研究によれば、同素子
の望ましい所定の電気的特性と各側面保護層の有無とア
ニール熱処理の間には、表1に示すような関連性が存在
することがわかった。
【0020】
【表1】
【0021】表1の定性的評価は、電気的特性の3項目
すべてを満足させる組み合わせは両方の側面保護層が存
在し、かつアニール熱処理を実行した場合に限られるこ
とを示している。
すべてを満足させる組み合わせは両方の側面保護層が存
在し、かつアニール熱処理を実行した場合に限られるこ
とを示している。
【0022】一方、素子の製造工程からみると、アニー
ル熱処理とガラス層の焼付け熱処理は比較的近い温度で
行なわれており、これを同一条件で同時に実施できれ
ば、長期信頼性(課電寿命)の確保と側面絶縁層の形成
が同時に確保でき、素子製造の省力化と原低が図れると
考えられる。
ル熱処理とガラス層の焼付け熱処理は比較的近い温度で
行なわれており、これを同一条件で同時に実施できれ
ば、長期信頼性(課電寿命)の確保と側面絶縁層の形成
が同時に確保でき、素子製造の省力化と原低が図れると
考えられる。
【0023】ここで問題となるのは、ガラスによる接着
なり、被膜形成なりの一般的利用における焼付け処理は
数十分のオーダーで行なわれるのが常識となっているの
に対して、アニール熱処理は1時間を越えるような長時
間を必要としていることである。当然ガラスの下地との
過度の反応が危惧される。こうした通念が製造プロセス
の改善を阻害してきた一因と考えられる。
なり、被膜形成なりの一般的利用における焼付け処理は
数十分のオーダーで行なわれるのが常識となっているの
に対して、アニール熱処理は1時間を越えるような長時
間を必要としていることである。当然ガラスの下地との
過度の反応が危惧される。こうした通念が製造プロセス
の改善を阻害してきた一因と考えられる。
【0024】発明者らは、特定範囲の軟化温度と熱膨張
係数を有するガラスを選択することにより、この発明の
酸化亜鉛非直線性抵抗体の簡略化された製造プロセスを
完成させた。
係数を有するガラスを選択することにより、この発明の
酸化亜鉛非直線性抵抗体の簡略化された製造プロセスを
完成させた。
【0025】つぎに、この発明の省略化された酸化亜鉛
非直線性抵抗体の製造プロセスについて、その詳細を説
明する。
非直線性抵抗体の製造プロセスについて、その詳細を説
明する。
【0026】本発明の酸化亜鉛を主成分とする非直線性
抵抗体の製造方法は、該抵抗体側面にセラミック質絶縁
層を塗布、燒結後、アニール焼成を省略して側面に所定
のガラスペーストを塗布し、これを530±30℃の温
度で、5±3時間焼成し、ガラス保護層を形成する製造
法である。
抵抗体の製造方法は、該抵抗体側面にセラミック質絶縁
層を塗布、燒結後、アニール焼成を省略して側面に所定
のガラスペーストを塗布し、これを530±30℃の温
度で、5±3時間焼成し、ガラス保護層を形成する製造
法である。
【0027】まず、酸化亜鉛、酸化ビスマス、微量成分
として酸化クロム、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化
アンチモン、酸化ケイ素を所定の電気的特性が得られる
比率に配合し、これをボールミルなどの混合機で混合、
さらに粉末の成形性を良くするための造粒を行なって所
定の大きさの円柱または円板にプレス成形する。続いて
バインダの分解と成分の固溶を主目的とする仮焼を70
0〜900℃で行なう。仮焼して、固化した素体の円柱
(または円板)の周囲側面に酸化ビスマス、酸化ケイ
素、酸化アンチモンからなる混合粉末を分散したペース
トを所定の厚さに塗布し、乾燥後、酸化性雰囲気の電気
炉でおよそ1200℃で燒結(本焼成)する。この後、
従来プロセスでは、一旦冷却後550℃程度に再加熱
し、5時間程度の熱処理(アニール焼成)を行なってい
たが、本発明ではこのプロセスを省略して、本焼成を終
えた直後の素子の周囲側面にガラスペーストを塗布し、
このガラス保護層の熔融焼付けを530±30℃の温度
で5±3時間の範囲で行なう。このような処理を終えた
素子両端面にアルミニウムなどの金属電極を付けて素子
製造を完了する。以上の製造工程の流れを図示すると図
2の通りになる。
として酸化クロム、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化
アンチモン、酸化ケイ素を所定の電気的特性が得られる
比率に配合し、これをボールミルなどの混合機で混合、
さらに粉末の成形性を良くするための造粒を行なって所
定の大きさの円柱または円板にプレス成形する。続いて
バインダの分解と成分の固溶を主目的とする仮焼を70
0〜900℃で行なう。仮焼して、固化した素体の円柱
(または円板)の周囲側面に酸化ビスマス、酸化ケイ
素、酸化アンチモンからなる混合粉末を分散したペース
トを所定の厚さに塗布し、乾燥後、酸化性雰囲気の電気
炉でおよそ1200℃で燒結(本焼成)する。この後、
従来プロセスでは、一旦冷却後550℃程度に再加熱
し、5時間程度の熱処理(アニール焼成)を行なってい
たが、本発明ではこのプロセスを省略して、本焼成を終
えた直後の素子の周囲側面にガラスペーストを塗布し、
このガラス保護層の熔融焼付けを530±30℃の温度
で5±3時間の範囲で行なう。このような処理を終えた
素子両端面にアルミニウムなどの金属電極を付けて素子
製造を完了する。以上の製造工程の流れを図示すると図
2の通りになる。
【0028】ガラス層の焼付け温度が500℃未満で
は、酸化亜鉛非直線性抵抗体本体のアニール熱処理効果
が発現せず(物理的、化学的理由は明確でないが)、長
期寿命が確保できない。一方、560℃を超える焼付け
温度では、酸化亜鉛非直線性抵抗体本体中のガラス成分
の再溶融が起こり、その微細構造が変化して望ましい電
圧非直線性が発現できない傾向がある。また、加熱時間
が2時間未満では、温度が低い場合と同じく、十分なア
ニール熱処理効果が発現せず、8時間より長い場合に
は、焼付けガラス層の過剰流動が起こってガラス保護層
の厚さ不均一およびガラスと素子本体の化学反応が発生
し、良好な雷インパルス耐量が得られない傾向がある。
は、酸化亜鉛非直線性抵抗体本体のアニール熱処理効果
が発現せず(物理的、化学的理由は明確でないが)、長
期寿命が確保できない。一方、560℃を超える焼付け
温度では、酸化亜鉛非直線性抵抗体本体中のガラス成分
の再溶融が起こり、その微細構造が変化して望ましい電
圧非直線性が発現できない傾向がある。また、加熱時間
が2時間未満では、温度が低い場合と同じく、十分なア
ニール熱処理効果が発現せず、8時間より長い場合に
は、焼付けガラス層の過剰流動が起こってガラス保護層
の厚さ不均一およびガラスと素子本体の化学反応が発生
し、良好な雷インパルス耐量が得られない傾向がある。
【0029】本発明に使用されるガラス層の材質として
は、その温度での粘度が107.6ポイズを示すと規定さ
れた軟化温度が450〜550℃の範囲にあるガラスで
あることが重要である。すなわちこの範囲の軟化温度を
もつガラスを500〜560℃で2〜8時間加熱して素
子側面に焼付けるのである。これによって良好なガラス
被着性とアニール熱処理効果の両方を達成できる。ガラ
スの軟化温度が450℃未満の場合は、アニール効果を
発現する最低温度の500℃においても過度に流動し、
良好なガラス被膜が得られない。軟化温度が550℃を
こえるガラスでは逆に、560℃の焼付け温度で熔融困
難でありガラス被膜が形成されない。
は、その温度での粘度が107.6ポイズを示すと規定さ
れた軟化温度が450〜550℃の範囲にあるガラスで
あることが重要である。すなわちこの範囲の軟化温度を
もつガラスを500〜560℃で2〜8時間加熱して素
子側面に焼付けるのである。これによって良好なガラス
被着性とアニール熱処理効果の両方を達成できる。ガラ
スの軟化温度が450℃未満の場合は、アニール効果を
発現する最低温度の500℃においても過度に流動し、
良好なガラス被膜が得られない。軟化温度が550℃を
こえるガラスでは逆に、560℃の焼付け温度で熔融困
難でありガラス被膜が形成されない。
【0030】さらに第2の条件として、選択したガラス
の20〜300℃の熱膨張係数が45〜60×10-7℃
-1になければならない。これは酸化亜鉛素子本体の熱膨
張係数との関係からくる制約条件であり、その熱膨張係
数が約60×10-7℃-1であるところから、ガラスの熱
膨張係数がそれをこえる場合はガラス側に引張応力が現
れ、破壊しやすくなる。逆に45×10-7℃-1未満で
は、素子本体側が過度の引張応力を受け、素子側を弱め
たり、電気特性を悪化させる。
の20〜300℃の熱膨張係数が45〜60×10-7℃
-1になければならない。これは酸化亜鉛素子本体の熱膨
張係数との関係からくる制約条件であり、その熱膨張係
数が約60×10-7℃-1であるところから、ガラスの熱
膨張係数がそれをこえる場合はガラス側に引張応力が現
れ、破壊しやすくなる。逆に45×10-7℃-1未満で
は、素子本体側が過度の引張応力を受け、素子側を弱め
たり、電気特性を悪化させる。
【0031】前記の特性を持ちうるガラスとしては、ホ
ウケイ酸鉛、ホウケイ酸鉛・亜鉛、ホウケイ酸亜鉛、リ
ンケイ酸亜鉛、リンホウ酸亜鉛、リンホウケイ酸亜鉛、
リン酸亜鉛アルミニウム、およびこれらにアルカリ成分
を含む組成物、およびホウケイ酸アルカリの組成物があ
る。ここでアルカリ成分とは、酸化ナトリウム、酸化カ
リウムなどがあげられる。しかし、これらの単独ガラス
で前記の特性をすべて満足させる組成領域は極めて限定
される。
ウケイ酸鉛、ホウケイ酸鉛・亜鉛、ホウケイ酸亜鉛、リ
ンケイ酸亜鉛、リンホウ酸亜鉛、リンホウケイ酸亜鉛、
リン酸亜鉛アルミニウム、およびこれらにアルカリ成分
を含む組成物、およびホウケイ酸アルカリの組成物があ
る。ここでアルカリ成分とは、酸化ナトリウム、酸化カ
リウムなどがあげられる。しかし、これらの単独ガラス
で前記の特性をすべて満足させる組成領域は極めて限定
される。
【0032】これに対して、前記ガラスに無機質充填剤
を添加するか、前記ガラスを結晶化させたものを用いる
ことにより、必要な特性を得るべき材料選択の幅が拡大
する。
を添加するか、前記ガラスを結晶化させたものを用いる
ことにより、必要な特性を得るべき材料選択の幅が拡大
する。
【0033】無機質充填剤としてはコージェライト(2
MgO・2Al2O3・5SiO2)、β−ユークリプタ
イト(Li2O・Al2O3・2SiO2)、β−スポジュ
メン(Li2O・Al2O3・4SiO2)などがある。熱
膨張係数の調整の点から、これらのように60×10-7
℃-1以下の熱膨張係数をもつ無機質充填剤が好ましい。
MgO・2Al2O3・5SiO2)、β−ユークリプタ
イト(Li2O・Al2O3・2SiO2)、β−スポジュ
メン(Li2O・Al2O3・4SiO2)などがある。熱
膨張係数の調整の点から、これらのように60×10-7
℃-1以下の熱膨張係数をもつ無機質充填剤が好ましい。
【0034】本発明の酸化亜鉛非直線性抵抗体におい
て、セラミック質絶縁保護層の面積付着量は、4〜25
mg/cm2であることが好ましい。4mg/cm2未満
の場合、素体側面の変形や凹凸のために保護層の欠如部
分ができる傾向があり、25mg/cm2をこえる場
合、保護層内部の組織が疎になって、外部雰囲気に直接
触れる可能性が増大し、寿命を悪化させる傾向がでてく
る。一方、ガラス保護層の面積付着量は、10〜40m
g/cm2であることが好ましい。10mg/cm2未満
の場合、絶縁保護効果が不充分で良好な雷インパルス耐
量が得られず、40mg/cm2をこえる場合、ガラス
保護層のクラックや剥離が起こる傾向がある。
て、セラミック質絶縁保護層の面積付着量は、4〜25
mg/cm2であることが好ましい。4mg/cm2未満
の場合、素体側面の変形や凹凸のために保護層の欠如部
分ができる傾向があり、25mg/cm2をこえる場
合、保護層内部の組織が疎になって、外部雰囲気に直接
触れる可能性が増大し、寿命を悪化させる傾向がでてく
る。一方、ガラス保護層の面積付着量は、10〜40m
g/cm2であることが好ましい。10mg/cm2未満
の場合、絶縁保護効果が不充分で良好な雷インパルス耐
量が得られず、40mg/cm2をこえる場合、ガラス
保護層のクラックや剥離が起こる傾向がある。
【0035】
【実施例】以下、実施例に従って詳細を説明する。
【0036】実施例1〜7 電力送変電用耐雷素子として必要な電気的特性が付与さ
れるように、主原料である酸化亜鉛粉末98.5重量%
に、副原料の酸化ビスマス1.0重量%、微量添加物と
して酸化クロム0.05重量%、酸化ニッケル0.05
重量%、酸化マンガン0.1重量%、酸化アンチモン
0.2重量%、酸化ケイ素0.1重量%を加え、ボール
ミルなどで均一に混合した。十分均質に混合された原料
混合体に成形のためのバインダとしてポリビニールアル
コール5重量部を加えて、成形性を良くするために造粒
し、流動性の優れた混合粉体を得た。この造粒粉を所定
の大きさの円柱(φ32×45mm)に成形し、続いて
バインダの分解と固溶体の生成を主目的とする仮焼を7
00〜900℃の仮焼炉で行なった。
れるように、主原料である酸化亜鉛粉末98.5重量%
に、副原料の酸化ビスマス1.0重量%、微量添加物と
して酸化クロム0.05重量%、酸化ニッケル0.05
重量%、酸化マンガン0.1重量%、酸化アンチモン
0.2重量%、酸化ケイ素0.1重量%を加え、ボール
ミルなどで均一に混合した。十分均質に混合された原料
混合体に成形のためのバインダとしてポリビニールアル
コール5重量部を加えて、成形性を良くするために造粒
し、流動性の優れた混合粉体を得た。この造粒粉を所定
の大きさの円柱(φ32×45mm)に成形し、続いて
バインダの分解と固溶体の生成を主目的とする仮焼を7
00〜900℃の仮焼炉で行なった。
【0037】次にこの仮焼体の周囲側面に、酸化ビスマ
ス27重量%、酸化ケイ素31重量%、酸化アンチモン
42重量%からなる混合粉末をブチルカルビトールアセ
テート中に分散させたペーストを所定の厚さ(4mg/
cm2)に塗布し、乾燥後、1200±70℃の酸化性
雰囲気(酸素濃度20%以上)の電気炉で3〜10時間
燒結し、ガラス層被覆前の抵抗体本体を完成した。
ス27重量%、酸化ケイ素31重量%、酸化アンチモン
42重量%からなる混合粉末をブチルカルビトールアセ
テート中に分散させたペーストを所定の厚さ(4mg/
cm2)に塗布し、乾燥後、1200±70℃の酸化性
雰囲気(酸素濃度20%以上)の電気炉で3〜10時間
燒結し、ガラス層被覆前の抵抗体本体を完成した。
【0038】続いて、酸化ホウ素18重量%、五酸化リ
ン15重量%、酸化亜鉛67重量%からなるガラス粉末
95重量部を、バインダ5重量部とともにペースト化し
たガラスペーストを用いて、ローラー式塗布機などで抵
抗体側面に所定の厚さ(20mg/cm2)で塗布し、
これを乾燥後、520℃で6時間焼成し、ガラス保護層
を熔融、焼付けた。
ン15重量%、酸化亜鉛67重量%からなるガラス粉末
95重量部を、バインダ5重量部とともにペースト化し
たガラスペーストを用いて、ローラー式塗布機などで抵
抗体側面に所定の厚さ(20mg/cm2)で塗布し、
これを乾燥後、520℃で6時間焼成し、ガラス保護層
を熔融、焼付けた。
【0039】最後に、金属溶射法などで素子の両端面に
アルミニウムなどの金属電極を付け(厚さ0.2m
m)、酸化亜鉛非直線性抵抗素子を完成した。電気的特
性について、非直線性、課電寿命およびインパルス耐量
を定法に従って、以下の評価基準に基づいて評価した。
アルミニウムなどの金属電極を付け(厚さ0.2m
m)、酸化亜鉛非直線性抵抗素子を完成した。電気的特
性について、非直線性、課電寿命およびインパルス耐量
を定法に従って、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0040】非直線性 電流対電圧の傾きαを、α=d(logI)/d(lo
gV)としたとき(I:電流、V:電圧) ○ : 傾きαが50以上 × : 傾きαが50未満
gV)としたとき(I:電流、V:電圧) ○ : 傾きαが50以上 × : 傾きαが50未満
【0041】課電寿命 130℃の絶縁油中、課電率75%で ○ : 2×103時間以上洩れ電流の増加なし × : 2×103時間未満洩れ電流の増加あり
【0042】インパルス耐量 4×10μs(立上がり4μs、持続時間10μs)の
電流パルスを印加し、 ○ : 30kA以下で破壊なし × : 30kA未満で破壊あり
電流パルスを印加し、 ○ : 30kA以下で破壊なし × : 30kA未満で破壊あり
【0043】表2にガラスの熱的物性値とともに評価結
果を示す(実施例1)。この製造方法によって製作され
た酸化亜鉛素子は良好な電圧非直線性と大きな雷インパ
ルス耐量を持つと同時に、高い課電率(非直線性抵抗体
のしきい電圧と印加電圧の比率)で長時間の寿命が達成
されている。
果を示す(実施例1)。この製造方法によって製作され
た酸化亜鉛素子は良好な電圧非直線性と大きな雷インパ
ルス耐量を持つと同時に、高い課電率(非直線性抵抗体
のしきい電圧と印加電圧の比率)で長時間の寿命が達成
されている。
【0044】別のガラス組成物で行なったその他の実施
例を比較例とともに表2に示す。なお、セラミック質絶
縁保護層の厚さは実施例2:4mg/cm2、実施例
3:10mg/cm2、実施例4:25mg/cm2、実
施例5:8mg/cm2、実施例6:15mg/cm
2で、実施例7:15mg/cm2、ガラス保護層の厚さ
は実施例2:40mg/cm2、実施例3:15mg/
cm2、実施例4:10mg/cm2、実施例5:10m
g/cm2、実施例6:15mg/cm2で、実施例7:
25mg/cm2とした。
例を比較例とともに表2に示す。なお、セラミック質絶
縁保護層の厚さは実施例2:4mg/cm2、実施例
3:10mg/cm2、実施例4:25mg/cm2、実
施例5:8mg/cm2、実施例6:15mg/cm
2で、実施例7:15mg/cm2、ガラス保護層の厚さ
は実施例2:40mg/cm2、実施例3:15mg/
cm2、実施例4:10mg/cm2、実施例5:10m
g/cm2、実施例6:15mg/cm2で、実施例7:
25mg/cm2とした。
【0045】
【表2】
【0046】比較例1〜4 表2に示した軟化温度および熱膨張係数を有するガラス
A〜Dを用いて、実施例1と同様の方法により、酸化亜
鉛非直線性抵抗体を作製した。
A〜Dを用いて、実施例1と同様の方法により、酸化亜
鉛非直線性抵抗体を作製した。
【0047】軟化温度625℃のホウケイ酸アルカリ系
ガラスAでは、ガラスの焼付け温度が630℃となり、
この場合、酸化亜鉛非直線性抵抗体本体中のガラス成分
の再熔融が起こり、その微細構造が変化して望ましい電
圧非直線性が発現できなかった。また軟化温度が615
℃のホウケイ酸亜鉛系ガラスBを、アニール効果を発現
する最高温度560℃で焼成しても、ガラスが熔融せず
皮膜化できなかった。熱膨張係数が83×10-7℃-1の
ホウケイ酸鉛系ガラスCでは、焼付け後、ガラス膜に微
小クラックまたは剥離がみられた。ホウケイ酸鉛系ガラ
スとβ−ユークリプトタイトの複合系ガラスDを460
℃で焼付けしたときは、非直線性は良好であったが雷イ
ンパルス耐量が不充分であった。
ガラスAでは、ガラスの焼付け温度が630℃となり、
この場合、酸化亜鉛非直線性抵抗体本体中のガラス成分
の再熔融が起こり、その微細構造が変化して望ましい電
圧非直線性が発現できなかった。また軟化温度が615
℃のホウケイ酸亜鉛系ガラスBを、アニール効果を発現
する最高温度560℃で焼成しても、ガラスが熔融せず
皮膜化できなかった。熱膨張係数が83×10-7℃-1の
ホウケイ酸鉛系ガラスCでは、焼付け後、ガラス膜に微
小クラックまたは剥離がみられた。ホウケイ酸鉛系ガラ
スとβ−ユークリプトタイトの複合系ガラスDを460
℃で焼付けしたときは、非直線性は良好であったが雷イ
ンパルス耐量が不充分であった。
【0048】このように、アニール効果を発現する焼成
条件で焼付け可能な材質のガラスを特定するとき、従来
の製造工程に含まれるアニール焼成工程を省略しても、
電気的特性を満足する酸化亜鉛非直線性抵抗体を得るこ
とができる。
条件で焼付け可能な材質のガラスを特定するとき、従来
の製造工程に含まれるアニール焼成工程を省略しても、
電気的特性を満足する酸化亜鉛非直線性抵抗体を得るこ
とができる。
【0049】
【発明の効果】本発明の請求項1〜4にかかわる酸化亜
鉛非直線性抵抗体の製造方法では、従来の同素子製造法
で4回行なわれていた加熱処理が3回に低減し、製造工
程の短縮と省エネルギーが図れ、製造コストの低減が可
能となる。
鉛非直線性抵抗体の製造方法では、従来の同素子製造法
で4回行なわれていた加熱処理が3回に低減し、製造工
程の短縮と省エネルギーが図れ、製造コストの低減が可
能となる。
【0050】前記の発明効果を実現するには、従来の製
造工程で行なわれていたアニール焼成という、いわば苛
酷な焼成条件で問題の生じないガラス材質の選択と焼成
条件の特定が必要であったのであり、それは請求項の1
から3に他ならない。
造工程で行なわれていたアニール焼成という、いわば苛
酷な焼成条件で問題の生じないガラス材質の選択と焼成
条件の特定が必要であったのであり、それは請求項の1
から3に他ならない。
【0051】本発明の請求項2にかかわる製造方法によ
れば、ガラスの20〜300℃の熱膨張係数が45〜6
0×10-7℃-1であるので、ガラス側に引張応力が現
れ、破壊しやすくなったり、素子本体側が過度の引張応
力を受けて素子側を弱めることによる電気特性の悪化が
みられない。
れば、ガラスの20〜300℃の熱膨張係数が45〜6
0×10-7℃-1であるので、ガラス側に引張応力が現
れ、破壊しやすくなったり、素子本体側が過度の引張応
力を受けて素子側を弱めることによる電気特性の悪化が
みられない。
【0052】本発明の請求項3〜4にかかわる製造方法
によれば、側面に被覆されるガラスが、無機質充填剤を
添加した複合物、または熔融後に結晶化させたガラスで
あるので、必要な特性を得るべき材料選択の幅が拡大す
る。
によれば、側面に被覆されるガラスが、無機質充填剤を
添加した複合物、または熔融後に結晶化させたガラスで
あるので、必要な特性を得るべき材料選択の幅が拡大す
る。
【0053】本発明の請求項5〜8にかかわる酸化亜鉛
非直線性抵抗体は、非直線性、課電寿命、インパルス耐
量性などの電気特性に優れている。
非直線性抵抗体は、非直線性、課電寿命、インパルス耐
量性などの電気特性に優れている。
【図1】 酸化亜鉛非直線性抵抗体の断面図である。
【図2】 本発明の酸化亜鉛非直線性抵抗体の製造プロ
セスを示す流れ図である。
セスを示す流れ図である。
【図3】 従来の酸化亜鉛非直線性抵抗体の製造プロセ
スを示す流れ図である。
スを示す流れ図である。
1 酸化亜鉛非直線性抵抗体本体、2 金属電極、3
セラミック質絶縁保護層、4 ガラス保護層。
セラミック質絶縁保護層、4 ガラス保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 淳一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 鈴木 敏弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA32 AA37 AA42 AA43 BA04 GA08 GA19 GA33 GA35 5E034 CB01 CC02 DA05 DB11 DB14 DB15 DB17 DE08
Claims (8)
- 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とする非直線性抵抗体
の製造方法において、該抵抗体本体の仮燒結後に、その
側面にセラミック質絶縁層を塗布して本焼成し、さらに
その上にガラスペーストを塗布し、これを500〜56
0℃の温度で2〜8時間焼成してガラス保護層を形成す
ることを特徴とする酸化亜鉛非直線性抵抗体の製造方
法。 - 【請求項2】 側面に被覆されるガラスが、ホウケイ酸
鉛、ホウケイ酸鉛・亜鉛、ホウケイ酸亜鉛、リンケイ酸
亜鉛、リンホウ酸亜鉛、リンホウケイ酸亜鉛、リン酸亜
鉛アルミニウム、これらにアルカリ成分を含む組成物、
またはホウケイ酸アルカリの組成物であって、20〜3
00℃の範囲の熱膨張係数が45〜60×10-7℃
-1で、かつガラスの軟化温度が450〜550℃である
請求項1記載の抵抗体の製造方法。 - 【請求項3】 アルカリ成分が酸化ナトリウムまたは酸
化カリウムである請求項2記載の抵抗体の製造方法。 - 【請求項4】 側面に被覆されるガラスが、無機質充填
剤を添加した複合物、または熔融後に結晶化させたガラ
スである請求項2または3記載の抵抗体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の抵抗体の製造方法によっ
て製造されたセラミック質絶縁保護層およびガラス保護
層を有する酸化亜鉛非直線性抵抗体。 - 【請求項6】 請求項2記載の抵抗体の製造方法によっ
て製造されたセラミック質絶縁保護層およびガラス保護
層を有する酸化亜鉛非直線性抵抗体。 - 【請求項7】 請求項3記載の抵抗体の製造方法によっ
て製造されたセラミック質絶縁保護層およびガラス保護
層を有する酸化亜鉛非直線性抵抗体。 - 【請求項8】 請求項4記載の抵抗体の製造方法によっ
て製造されたセラミック質絶縁保護層およびガラス保護
層を有する酸化亜鉛非直線性抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11218911A JP2001044008A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 酸化亜鉛非直線性抵抗体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11218911A JP2001044008A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 酸化亜鉛非直線性抵抗体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001044008A true JP2001044008A (ja) | 2001-02-16 |
Family
ID=16727258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11218911A Pending JP2001044008A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 酸化亜鉛非直線性抵抗体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001044008A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008098300A (ja) * | 2006-10-10 | 2008-04-24 | Koa Corp | 酸化亜鉛系積層チップバリスタおよびその製造方法 |
JP2010027804A (ja) * | 2008-07-17 | 2010-02-04 | Tdk Corp | 積層チップバリスタおよびその製造方法 |
CN115073163A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-09-20 | 深圳振华富电子有限公司 | 片式压敏电阻器及其制备方法和应用 |
-
1999
- 1999-08-02 JP JP11218911A patent/JP2001044008A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008098300A (ja) * | 2006-10-10 | 2008-04-24 | Koa Corp | 酸化亜鉛系積層チップバリスタおよびその製造方法 |
JP2010027804A (ja) * | 2008-07-17 | 2010-02-04 | Tdk Corp | 積層チップバリスタおよびその製造方法 |
CN115073163A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-09-20 | 深圳振华富电子有限公司 | 片式压敏电阻器及其制备方法和应用 |
CN115073163B (zh) * | 2022-07-01 | 2023-09-01 | 深圳振华富电子有限公司 | 片式压敏电阻器及其制备方法和应用 |
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