JPH10289807A - 機能性セラミックス素子 - Google Patents

機能性セラミックス素子

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JPH10289807A
JPH10289807A JP9096967A JP9696797A JPH10289807A JP H10289807 A JPH10289807 A JP H10289807A JP 9096967 A JP9096967 A JP 9096967A JP 9696797 A JP9696797 A JP 9696797A JP H10289807 A JPH10289807 A JP H10289807A
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ceramic element
functional ceramic
strength
insulating member
glass
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JP9096967A
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Takahiko Shindou
尊彦 新藤
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐量性を有する機能性セラミックス素子を
提供する。 【解決手段】 基材1の側面に、溶融温度が300℃か
ら550℃のガラス絶縁材料を塗布し、その後、基材1
を徐々に加熱し、200℃で2時間、400℃で2時間
以上焼付けし、自然放冷することによって、絶縁層2を
形成する。ここで、焼付け後の絶縁層2の表面粗さRm
axは1μm以下とし、厚さは80μm以上300μm
以下とする。また、絶縁層2中の気孔の大きさは直径3
0μm以下とし、気孔率は10%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非直線抵抗体を始
めとする各種抵抗体、及びコンデンサ等の機能性セラミ
ックス素子に係り、特に、その側面に形成される絶縁部
材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高電圧及び高電流から電力系
統を保護する電気回路においては、各種の抵抗体やコン
デンサ等の機能性セラミックス素子が用いられている。
機能性セラミックス素子は、機能性を示す基材、絶縁の
目的で上記基材を覆う高抵抗層の絶縁部材(コーティン
グ材料)、及び電極から構成されている。このような機
能性セラミックス素子の一例として、非直線抵抗体が挙
げられる。非直線抵抗体は、電力系統における異常電圧
を抑制し電力系統を保護するための避雷器等に用いられ
る。
【0003】上記非直線抵抗体は、正常な電圧で絶縁特
性を示し、異常電圧が発生した時には低抵抗性を示すと
いう特性(非直線性)を有する非直線抵抗素子と、上記
絶縁部材及び電極とから構成されている。また、上記非
直線抵抗素子としては、一般に、酸化亜鉛(ZnO)を
主成分とした素子が用いられる。この素子は、ZnO
に、非直線特性を得るために添加物としてビスマス(B
i)、アンチモン(Sb)、コバルト(Co)、マンガ
ン(Mn)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、及び
珪素(Si)等の副成分を加えて、更に水及び有機バイ
ンダを加えて十分混合した後、スプレードライヤ等で造
粒し、加圧成形して焼結した焼結体である。
【0004】そして、このような非直線抵抗素子では、
例えば酸化珪素(SiO2 )、酸化ビスマス(Bi2
2 )、及び酸化アンチモン(Sb2 3 )等の無機酸化
物を水及び有機バインダと共に混合し、上記焼結体の側
面に塗布した後に、1000〜1200℃で焼成して、
絶縁層を形成する。このような絶縁層は、サージが原因
で発生する抵抗体の電極間の閃絡(沿面閃絡)を防止す
るために設けられている。更に、上記焼結体の両端面を
研磨し、アーク溶射等によりアルミニウム等の電極を形
成することにより、非直線抵抗体が製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電力
系統の大容量化及び高電圧化が進み、これに伴い、大き
なサージエネルギーを処理可能な高電圧用避雷器が必要
となってきている。しかしながら、上述した構成を有す
る従来の非直線抵抗体は、絶縁部材が皮膜形成されてい
るため、基材の側面部分の曲げ強度及び熱サイクル強度
等の機械的強度が低下していた。また、従来の絶縁部材
では、側面部分に汚れが付着した場合に有機溶媒等で清
浄化することができないため、そのような汚れにより側
面部分の絶縁抵抗が低下する可能性があった。このよう
な理由から、非直線抵抗体の高耐量化を図ることが困難
であった。
【0006】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
機能性セラミックス素子の側面部分の機械的強度を改善
すると共に、絶縁抵抗の低下を防止することにより、機
能性セラミックス素子の高耐量性を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、請求項1記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、所定の機能を有する基材と、前記基材の側
面に形成された絶縁部材とを備えた機能性セラミックス
素子において、前記絶縁部材が、溶融温度が300℃か
ら550℃の範囲内であるガラス絶縁材料からなること
を特徴としている。
【0008】このような請求項1記載の発明によれば、
機能性セラミックス素子の側面部分の曲げ強度等の機械
的強度を強化することができるため、機能性セラミック
ス素子の高耐量化を図ることができる。また、側面部分
の表面がガラス層であるため、有機溶媒等で清浄化する
ことができ、汚れによる絶縁特性の低下を防止すること
ができる。
【0009】請求項2記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、請求項1記載の発明において、前記絶縁部
材の平均表面粗さRmaxが1μm以下であることを特
徴としている。
【0010】このような請求項2記載の発明によれば、
機能性セラミックス素子の側面部分の強度を強化するこ
とができると共に、強度のばらつきを小さくすることが
できる。このため、機能性セラミックス素子の耐量値を
向上させることができ、その耐量値のばらつきを小さく
することができる。
【0011】請求項3記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、請求項1または2記載の発明において、前
記絶縁部材の平均厚さが80〜200μmの範囲内であ
ることを特徴としている。
【0012】このような請求項3記載の発明によれば、
絶縁部材の引っ張りの残留応力を小さくすると共に、残
留応力の分布を小さくすることができる。そのため、機
能性セラミックス素子の側面部分の強度を強化すること
ができ、高耐量化を実現することができる。
【0013】請求項4記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発明
において、前記絶縁部材の内部に存在する気孔の直径が
30μm以下となるように該絶縁部材が形成されてなる
ことを特徴としている。
【0014】このような請求項4記載の発明によれば、
例えば絶縁部材を側面部分に形成する際に、絶縁部材を
1回の塗布で所定の厚さにするのではなく数回に分けて
塗布する等によって、絶縁部材中の気孔を小さくする。
これにより、機能性セラミックス素子の側面部分の強度
を強化することができ、高耐量化を図ることができる。
【0015】請求項5記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の発明
において、前記絶縁部材中の気孔の割合が10%以下で
あるように該絶縁部材が形成されてなることを特徴とし
ている。
【0016】このような請求項5記載の発明によれば、
例えば絶縁部材を側面部分に形成する際に、静電塗装法
等を用いて絶縁部材中の気孔を少なくして気孔の割合を
10%以下とすることにより、機能性セラミックス素子
の側面部分の強度を強化することができる。
【0017】請求項6記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の発明
において、前記絶縁部材の前記ガラス絶縁材料が、ガラ
ス成分中に、Na2 O及びK2 Oを含むアルカリ金属か
らなる酸化物組成量を、合計して0.8〜2.0wt%
の範囲内で含有することを特徴としている。
【0018】このような請求項6記載の発明によれば、
機能性セラミックス素子の電圧−電流特性を安定させる
ことができるため側面部分の強度を強化することがで
き、耐量値を向上させることができる。
【0019】請求項7記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の発明
において、前記基材の側面に無機材料が形成された上
に、前記ガラス絶縁材料が形成されてなることを特徴と
している。
【0020】このような請求項7記載の発明によれば、
機能性セラミックス素子の側面部分の強度を更に強化す
ることができ、耐量値を更に向上させることができる。
【0021】請求項8記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、請求項7記載の発明において、前記ガラス
絶縁材料の厚さが50μm以上であることを特徴として
いる。
【0022】このような請求項8記載の発明によれば、
ガラス絶縁材料の下部に形成された無機材料の表面粗さ
の影響が小さくなるため、機能性セラミックス素子の側
面部分の強度を強化することができると共に、強度のば
らつきを小さくすることができる。
【0023】請求項9記載の発明による機能性セラミッ
クス素子は、請求項7または8記載の発明において、前
記ガラス絶縁材料の誘電率が前記無機材料の誘電率より
小さい値に調整されていることを特徴としている。
【0024】このような請求項9記載の発明によれば、
機能性セラミックス素子の側面部分の電界を緩和するこ
とができ、機能性セラミックス素子を複数個直列に配置
する場合等に耐量値を向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による機能性セラ
ミックス素子として、非直線抵抗体を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照して説明する。 [1.構成]図1は、本発明の実施の形態による非直線
抵抗体の概略構成図である。この非直線抵抗体は、以下
のようにして作製される。
【0026】まず、ZnOに、Bi2 3 、二酸化マン
ガン(MnO2 )、SiO2 、及び酸化クロム(Cr2
3 )をそれぞれ0.5mol%添加すると共に、酸化
コバルト(Co3 3 )、Sb2 3 、及び酸化ニッケ
ル(NiO)をそれぞれ1mol%添加して原料とす
る。次いで、この原料を水と分散剤の有機バインダ類と
共に混合装置に入れ混合し、この混合物をスプレイード
ライヤで所定の粒径、例えば100μmに噴霧造粒す
る。そして、これらの造粒粉を金型に入れ加圧し、円板
等の所定の形状に成形することにより成形体とする。
【0027】更に、この成形体を空気中で焼成すること
により、添加した有機バインダ類を取り除いて、図1に
示すような焼結体である基材1(ZnOセラミックス)
を作製する。そして、基材1の側面に、溶融温度300
℃〜550℃のガラス絶縁材料を塗布する。このガラス
絶縁材料の主成分は、例えばPbO:75wt%、Si
2 :3wt%、B2 3 :6wt%、及びAl
2 3 :7wt%を含有するホウケイ酸鉛とする。
【0028】すなわち、上記ガラス絶縁材料を10〜2
0μmに微粉砕した後、熱可塑性樹脂と有機溶媒とを混
ぜてペースト状態とし、これを基材1の側面に、刷毛塗
り、スクリーン印刷、もしくはスプレー法により塗布す
る。そして、塗布した後に、基材1を徐々に加熱し、2
00℃で2時間、400℃で2時間以上焼付けし、自然
放冷する。これにより、ガラス絶縁材料からなる絶縁層
2が形成される。
【0029】ここで、上記焼付け温度が高すぎると、基
材1のZnOセラミックとしての機能性(VI特性等)
が低下するため、その機能性が低下しない温度を最高温
度とする。また、焼付け後の絶縁層2の厚さは50μm
以上300μm以下とする。
【0030】次に、基材1の両端面を研磨し、この研磨
面にアルミニウムを溶射して電極2を形成する。このよ
うにして、非直線抵抗体を作製する。なお、上記製造プ
ロセスにおいて、基材1の両端面を研磨して電極2を形
成した後に、側面部分にガラス絶縁材料を塗布するよう
にしてもよい。なお、従来の方法では、高抵抗層である
絶縁層2を形成する際に1000℃以上の焼成が必要だ
ったが、本実施の形態では、350℃の温度でよい。
【0031】[2.作用効果]次に、以上のようにして
作製した本実施の形態による非直線抵抗体の作用効果に
ついて説明する。
【0032】[2−1.従来の非直線抵抗体との側面強
度の比較]図2に、従来の非直線抵抗体の側面部の強度
と、本実施の形態による非直線抵抗体の側面部の強度と
の比較を示す。ここで、側面部の強度とは、非直線抵抗
体の側面部に絶縁層が形成されている状態での絶縁層側
の曲げ強度を示す。また、グラフの横軸は、従来の非直
線抵抗体の側面部の平均強度を100とした場合の強度
比、すなわち側面部の強度/従来の非直線抵抗体の側面
部の平均強度を表し、縦軸は、破壊確率(%)を表して
いる。
【0033】このグラフにおいて、例えば破壊確率が5
0.0%の場合で比較すると、従来の非直線抵抗体の場
合は側面強度比が約1.0であるのに対し、本実施の形
態による非直線抵抗体の場合は約1.3となっている。
このように、同じ破壊確率で比較すると、従来の非直線
抵抗体に比べて本実施の形態による非直線抵抗体の側面
部の機械的強度が大幅に向上することが分かる。
【0034】[2−2.従来の非直線抵抗体との耐量値
の比較]図3に、従来の非直線抵抗体の耐量値と、本実
施の形態による非直線抵抗体の耐量値との比較を示す。
このグラフの横軸は、従来の非直線抵抗体の平均耐量値
を100とした場合の耐量値比、すなわち耐量値/従来
の非直線抵抗体の平均耐量値を表している。
【0035】このグラフにおいて、例えば破壊確率が5
0.0%の場合で比較すると、従来の非直線抵抗体の場
合は側面強度比が約1.0であるのに対し、本実施の形
態による非直線抵抗体の場合は約1.3となっており、
約30%上昇している。このように、同じ破壊確率で比
較すると、従来の非直線抵抗体に比べて本実施の形態に
よる非直線抵抗体の耐量値が大幅に向上することが分か
る。
【0036】[2−3.絶縁層の表面粗さと側面強度と
の関係]図4に、絶縁層2の表面粗さRmaxと側面強
度比との関係を示す。このグラフに示すように、絶縁層
2の表面粗さRmaxが1μm以下(カットオフ0.8
mm)となると、側面強度が高くなると共に、強度のば
らつきが小さくなる。従って、ガラス絶縁材料を塗布し
た後に、再焼付け加熱処理もしくは機械加工等により、
平均表面粗さRmaxを1μm以下とすることにより、
耐量値を向上させると共に、耐量値のばらつきを小さく
することができる。
【0037】[2−4.絶縁層の厚さと側面強度との関
係]図5に、絶縁層2の厚さと側面強度比との関係を示
す。このグラフに示すように、絶縁層2の厚さが80〜
200μmであるとき、側面強度比が大きくなる。すな
わち、絶縁層2の厚さ2を80〜200μmとすること
により、絶縁層2中の引っ張りの残留応力及び残留応力
の分布を小さくすることができ、側面強度を高くするこ
とができる。
【0038】[2−5.絶縁層中の気孔の大きさと側面
強度との関係]図6に、基材1の側面部にガラス絶縁材
料を塗布して焼付けを行った後に絶縁層2中に発生する
気孔の大きさと、側面強度比との関係を示す。このグラ
フに示すように、気孔の大きさ(球換算の直径値)が3
0μm以下である場合、側面強度比が大きくなる。従っ
て、例えば、ガラス絶縁材料を塗布する際に、1回で絶
縁層2を所定の厚さにするのではなく、数回に分けて塗
布して所定の厚さにすることにより、気孔の大きさを小
さくする。これにより、側面強度を大きくすることがで
きる。
【0039】[2−6.絶縁層中の気孔率と側面強度と
の関係]図7に、基材1の側面部にガラス絶縁材料を塗
布して焼付けを行った後に、絶縁層2中に発生する気孔
の割合(気孔率)と、側面強度比との関係を示す。この
グラフに示すように、気孔率が小さい程、側面強度が大
きくなる。従って、例えば、ガラス絶縁材料をセラミッ
クの基材1に塗布する際に、静電塗装法を用いてガラス
絶縁材料に発生する気孔を少なくすることにより、気孔
率を10%以下とする。これにより、側面強度を大きく
することができる。
【0040】[2−7.ガラス絶縁材料中の酸化物組成
量と側面強度との関係]図8に、ガラス絶縁材料に混入
する酸化物の総和と、側面強度比との関係を示す。本実
施の形態では、ガラス絶縁材料に、酸化ナトリウム(N
2 O)及び酸化カリウム(K2 O)等のアルカリ金属
からなる酸化物を混入する。図8のグラフに示すよう
に、アルカリ金属からなる酸化物の組成量の総和が0.
8wt%より増えると、それに伴って側面強度が大きく
なる。
【0041】また、図9に、ガラス絶縁材料中の上記酸
化物組成量の総和と、電圧−電流特性(VI特性)比、
すなわち、1mAの電流における電圧/従来の平均電圧
との関係を示す。このグラフに示すように、アルカリ金
属からなる酸化物組成量の総和が2.0wt%を越える
と、VI特性が低下し始める。従って、ガラス絶縁材料
成分中のNa2 O及びK2 O等のアルカリ金属からなる
酸化物組成量の総和を、0.8wt%〜2.0wt%と
することにより、VI特性を安定させることができ、側
面強度を大きくすることができる。
【0042】[2−8.無機材料を塗布した場合]図1
0に、従来の方法によって作製した非直線抵抗体の側面
強度比と、以下のようにして作製した非直線抵抗体の側
面強度比との比較を示す。すなわち、基材1の表面に、
上述した溶融温度300℃〜550℃のガラス絶縁材料
を塗布する前に、例えば、Al2 3 、もしくは、Al
2 3 及びSiO2 を主成分とする無機材料(例えば、
SiO2 :30wt%、Al2 3 :50wt%を主成
分とする)を、約100μm塗布する。図10のグラフ
に示すように、同じ破壊確率で比較すると、従来の非直
線抵抗体に比べて上記のように作製した非直線抵抗体の
側面部の機械的強度が大幅に向上する。また、無機材料
を塗布した上にガラス絶縁材料を塗布するため、非直線
抵抗体の側面強度を更に高くすることができ、これに伴
い、耐量値も向上させることができる。
【0043】更に、図11に、上記のように無機材料を
塗布した非直線抵抗体において、ガラス絶縁材料の厚さ
と側面強度比との関係を示す。このグラフに示すよう
に、ガラス絶縁材料の厚さが50μm以上の場合に、側
面強度比が大きくなっている。これは、ガラス絶縁材料
の厚さが大きくなる程、ガラス絶縁材料の下部に塗布さ
れた無機材料の表面粗さの影響が小さくなるためであ
る。従って、ガラス絶縁材料の厚さを50μm以上とす
ることにより、側面強度を大きくし、側面強度のばらつ
きを小さくすることができる。
【0044】また、上記のように無機材料を塗布した非
直線抵抗体において、ガラス絶縁材料の誘電率を無機材
料の誘電率より小さくすることにより、非直線抵抗体の
側面部の電界を緩和することができる。図12に、従来
の非直線抵抗体を2個直列に配置した場合の耐量値比
と、上記無機材料を塗布した本実施の形態の非直線抵抗
体を2個直列に配置した場合の耐量値比とを示す。ここ
で、耐量値比は、従来の非直線抵抗体を2個直列に配置
した場合の平均耐量値を100とした場合の耐量値比、
すなわち、耐量値/従来の非直線抵抗体の平均耐量値比
を表している。このグラフに示すように、同じ破壊確率
で比較すると、従来の非直線抵抗体に比べて本実施の形
態による非直線抵抗体の耐量値を大幅に向上させること
ができる。
【0045】[2−9.他の作用効果]また、従来の非
直線抵抗体は、取扱に注意する必要があった。特に、非
直線抵抗体の側面部に絶縁層を形成した後は、かなり神
経質に注意しなければならなかった。例えば、ビニル手
袋等を着用して直接非直線抵抗体に触れないようにする
必要があった。また、、例えば側面部に汚れが付着した
場合には、有機溶媒等で清浄化することができず、その
ために不良品として扱われていた。あるいは、その汚れ
がインパルス耐量等の電気特性の低下につながってい
た。しかしながら、本発明による非直線抵抗体は、側面
部がガラス層となっているため、その表面に汚れが付着
した場合には有機溶媒で清浄化することができる。その
ため、不良品として扱われることがなく、電気特性が低
下することが無い。また、従来のように取扱に神経質に
なる必要がなく、取扱が容易となった。
【0046】[3.他の実施の形態]本発明は上述した
実施の形態に限定されるものではなく、非直線抵抗体に
限らず、他の抵抗体やコンデンサ等の機能性セラミック
ス非直線抵抗体へも適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、非直線
抵抗体等の機能性セラミックス素子の側面に形成する絶
縁部材として、溶融温度が300℃から550℃の範囲
内であるガラス絶縁材料を用いることにより、機能性セ
ラミックス素子の高耐量化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による非直線抵抗体の概
略構成図。
【図2】同実施の形態による非直線抵抗体と従来の非直
線抵抗体の側面強度を比較したグラフ。
【図3】同実施の形態による非直線抵抗体と従来の非直
線抵抗体の耐量値を比較したグラフ。
【図4】絶縁層2の表面粗さと側面強度の関係を示すグ
ラフ。
【図5】絶縁層2の厚さと側面強度の関係を示すグラ
フ。
【図6】絶縁層2中の気孔の大きさと側面強度の関係を
示すグラフ。
【図7】絶縁層2中の気孔の割合と側面強度の関係を示
すグラフ。
【図8】絶縁層2のガラス絶縁材料中のアルカリ金属酸
化物の総量と側面強度の関係を示すグラフ。
【図9】絶縁層2のガラス絶縁材料中のアルカリ金属酸
化物の総量とVI特性の関係を示すグラフ。
【図10】ガラス絶縁材料の下部に無機材料を塗布した
本実施の形態による非直線抵抗体と、従来の非直線抵抗
体の側面強度を比較したグラフ。
【図11】同実施の形態においてガラス絶縁材料の下部
に無機材料を塗布した場合のガラス絶縁材料の厚さと、
側面強度の関係を示すグラフ。
【図12】同実施の形態においてガラス絶縁材料の下部
に無機材料を塗布した場合に、誘電率を調整し、非直線
抵抗体を2個直列した場合の耐量値と、従来の非直線抵
抗体の耐量値とを比較したグラフ。
【符号の説明】
1…基材 2…絶縁層 3…電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の機能を有する基材と、前記基材の
    側面に形成された絶縁部材とを備えた機能性セラミック
    ス素子において、 前記絶縁部材は、溶融温度が300℃から550℃の範
    囲内であるガラス絶縁材料からなることを特徴とする機
    能性セラミックス素子。
  2. 【請求項2】 前記絶縁部材は、平均表面粗さRmax
    が1μm以下であることを特徴とする請求項1記載の機
    能性セラミックス素子。
  3. 【請求項3】 前記絶縁部材は、平均厚さが80〜20
    0μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または
    2記載の機能性セラミックス素子。
  4. 【請求項4】 前記絶縁部材の内部に存在する気孔の直
    径が30μm以下となるように該絶縁部材が形成されて
    なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記
    載の機能性セラミックス素子。
  5. 【請求項5】 前記絶縁部材中の気孔の割合が10%以
    下であるように該絶縁部材が形成されてなることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の機能性セラ
    ミックス素子。
  6. 【請求項6】 前記絶縁部材の前記ガラス絶縁材料は、
    ガラス成分中に、Na2 O及びK2 Oを含むアルカリ金
    属からなる酸化物組成量を、合計して0.8〜2.0w
    t%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれか1項記載の機能性セラミックス素子。
  7. 【請求項7】 前記基材の側面に無機材料が形成された
    上に、前記ガラス絶縁材料が形成されてなることを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の機能性セラ
    ミックス素子。
  8. 【請求項8】 前記ガラス絶縁材料の厚さが50μm以
    上であることを特徴とする請求項7記載の機能性セラミ
    ックス素子。
  9. 【請求項9】 前記ガラス絶縁材料の誘電率が前記無機
    材料の誘電率より小さい値に調整されていることを特徴
    とする請求項7または8記載の機能性セラミックス素
    子。
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JPH10289807A true JPH10289807A (ja) 1998-10-27

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JP9096967A Pending JPH10289807A (ja) 1997-04-15 1997-04-15 機能性セラミックス素子

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JP (1) JPH10289807A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9025310B2 (en) 2013-04-08 2015-05-05 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor and method of manufacturing the same

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