JP3353015B2 - 電圧非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents
電圧非直線抵抗体の製造方法Info
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Description
る電圧非直線抵抗体の製造方法に関するもので、特に原
料中添加剤として使用する二酸化珪素(SiO2)に関する
ものである。
ケイ素、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化クロム、
酸化ビスマス、酸化マンガン等の小量の添加物を含有し
た抵抗体は、優れた電圧非直線性を示すことが広く知ら
れており、その性質を利用して避雷器等に使用されてい
る。その一例として、酸化亜鉛を主成分とし、添加剤と
して少なくともSiO2を含む電圧非直線抵抗体は、例えば
特開昭63ー136603号公報に開示されている。
直線抵抗体の製造方法の一例を示すフローチャートであ
る。図2に示すように、従来の電圧非直線抵抗体の製造
方法では、まず上述した二酸化珪素等の添加剤を湿式で
混合し、乾燥、仮焼、湿式粉砕後、酸化亜鉛原料と混合
して混合物スラリーを得る。次に、混合物スラリーをス
プレードライヤ等の噴霧乾燥機で造粒し、造粒物を成
形、脱脂、焼成して電圧非直線抵抗体を得ていた。
珪素を含んでいる場合は、添加剤と酸化亜鉛原料を単に
混合して得た混合物スラリーではその粘性が高くなるた
め、得られた混合物スラリーをそのままスプレードライ
ヤで噴霧乾燥できない問題があった。そのため、上述し
た従来の電圧非直線抵抗体の製造方法においては、添加
剤として、少なくとも二酸化珪素を含む添加剤全体を湿
式混合、乾燥後、仮焼したものを使用しているが、添加
物全体の仮焼には手間と時間が必要であり、またその作
業にあたっては添加剤のロスが多く、不純物が混入する
恐れがある問題があった。
スプレードライヤで噴霧乾燥可能な不純物の混入のない
混合物スラリーを簡単な工程で得ることができる電圧非
直線抵抗体の製造方法を提供しようとするものである。
酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも添加剤として二酸化
珪素を含む電圧非直線抵抗体の製造法において、酸化亜
鉛原料と、500〜1470℃、好ましくは600〜1
100℃で焙焼した二酸化珪素原料と、その他の添加剤
とを混合して混合物スラリーを得、得られた混合物スラ
リーを噴霧乾燥機で造粒し、成形、脱脂、焼成すること
を特徴とするものである。
素原料として、500〜1470℃で焙焼した二酸化珪
素原料を使用し、その他の添加剤原料および酸化亜鉛原
料と混合するだけでスプレードライヤによる噴霧乾燥が
可能な混合物スラリーを得ているため、添加剤を湿式混
合し、乾燥し、仮焼して、さらに湿式粉砕する必要がな
く、混合物スラリーを得るための工程が少なく簡単にす
ることができるとともに、工程が少ない分だけ、高価な
酸化ビスマスや酸化コバルト等のロスがなく、不純物混
入をなくすことができる。
料を使用することにより、他の添加物原料や酸化亜鉛原
料と混合するだけでスプレードライヤによる噴霧乾燥が
可能な混合物スラリーを得ることができるのは、所定温
度の焙焼により二酸化珪素表面の活性が低下し、混合物
スラリーの粘度上昇を抑えるためであると考えられる。
なお、焙焼温度を500〜1470℃と限定したのは、
500℃未満では粘性が500cpを超えるためスプレ
ードライヤによる造粒が不可能であるとともに、147
0℃を越えると二酸化珪素中にクリストバライトが析出
して、得られた電圧非直線抵抗体の開閉サージ耐量等の
電気的特性が悪くなるためである。さらに焙焼温度が6
00〜1100℃であると開閉サージ耐量が12kJ以
上となり好ましい。
mol%を越えると、焙焼による粘性低減効果が少ないた
め、二酸化珪素が3〜10mol%であると好ましい。ま
た、二酸化珪素原料中のNa2O+K2O が0.02wt% を越
えた場合は、焙焼中に二酸化珪素が溶融してしまうた
め、Na2O+K2O ≦0.02wt%であると好ましい。
の一例の工程を示すフローチャートである。図1に従っ
て本発明の電圧非直線抵抗体の製造方法を説明すると、
まず、二酸化珪素原料として、市販の二酸化珪素粉末を
500〜1470℃の所定温度で焙焼後、粉砕したもの
を準備する。次に、準備した二酸化珪素原料と、所定の
粒度に調製した酸化亜鉛原料と、二酸化珪素原料以外の
添加物である所定の粒度に調製した酸化ビスマス、酸化
コバルト、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸化クロ
ム、酸化ニッケル、酸化ホウ素、酸化銀等の添加物と
を、所定量のバインダー(例えば、ポリビニルアルコー
ル水溶液)とともに所定の組成になるように混合して混
合物スラリーを得る。混合物スラリーの水分量は30〜
40wt%が好ましい。
ドライヤにより噴霧乾燥して、平均粒径50〜150μ
m 、水分量が0.5〜2.0wt%の造粒粉を造粒する。
次に、得られた造粒粉を、成形工程において、成形圧力
800〜1000kg/cm2の下で所定の形状に成形する。
次に、得られた成形体を昇温速度10〜100℃/hr、
温度400〜700℃で有機成分を飛散除去して脱脂体
を得る。
0〜70℃/hr で800〜1000℃、保持時間1〜5
時間で焼成し、仮焼体を得、仮焼体の側面に高抵抗層を
形成する。本例では、酸化ビスマス、酸化アンチモン、
酸化亜鉛、酸化珪素等の所定量に有機結合剤としてエチ
ルセルロース、ブチルカルビトール、酢酸nブチル等を
加えた絶縁被覆層用混合物ペーストを、30〜300μ
m の厚さに仮焼体の側面に塗布する。次に、これを昇温
速度20〜100℃/hr、最高保持温度1000〜13
00℃、3〜7時間という条件で本焼成する。この本焼
成時の降温速度は200℃/hr以下とすると好ましい。
チルセルロース、ブチルカルビトール、酢酸nブチル等
を加えたガラスペーストを前記側面の高抵抗層上に50
〜300μm の厚さに塗布し、空気中で昇降温速度50
〜200℃/hr、400〜800℃、保持時間0.5〜
4時間という条件で熱処理することによりガラス層を形
成すると好ましい。その後、得られた電圧非直線抵抗体
の両端面をダイヤモンド砥石等で研磨する。次に、研磨
面を洗浄後、研磨した両端面に例えばアルミニウム等に
よって電極を例えば溶射により設けて電圧非直線抵抗体
を得る。
電圧非直線抵抗体について各種特性を測定した結果につ
いて説明する。実施例 以下の表1に示す焙焼温度で焙焼したSiO2:6mol%、
と、それ以外の添加剤であるBi2O3 :0.8mol%、Cr2O
3 :0.5mol%、Co2O3 :1.0mol%、MnO2:0.5mo
l%、Sb2O3 :1.0mol%、Al2O3 :0.003mol%、Ni
O :1.5mol%と、残部ZnO からなる混合物スラリーを
準備し、この混合物スラリーから上述した製造方法に従
って電圧非直線抵抗体を得た。その際、混合物スラリー
の粘度を測定するとともに、得られた電圧非直線抵抗体
の開閉サージ耐量を測定した。結果を表1に示す。表1
において、開閉サージ耐量は、2msの電流波形を開閉
サージ電流を20回印加した後の耐量をエネルギー値
(クリア値)に換算したものから求めた。
70℃の本発明試料No. 1〜5は、焙焼温度が本発明範
囲外の比較例試料No. 1、2と比べて、混合物スラリー
の粘度がスプレードライヤで噴霧乾燥可能な粘度である
とともに、開閉サージ耐量も良好なことがわかる。
よれば、添加物のうち、二酸化珪素として500〜14
70℃で焙焼した二酸化珪素原料を使用したため、その
他の添加物原料および酸化亜鉛原料と混合するだけでス
プレードライヤで噴霧乾燥可能な混合物スラリーを得る
ことができるため、工程が少なく簡単にすることができ
るとともに、工程が少ない分だけ、高価な酸化ビスマス
や酸化コバルト等のロスが少なく、不純物混入をなくす
ことができる。
工程を示すフローチャートである。
程を示すフローチャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも添加
剤として二酸化珪素を含む電圧非直線抵抗体の製造方法
において、酸化亜鉛原料と、500〜1470℃で焙焼
した二酸化珪素原料と、その他の添加剤とを混合して混
合物スラリーを得、得られた混合物スラリーを噴霧乾燥
機で造粒し、成形、脱脂、焼成することを特徴とする電
圧非直線抵抗体の製造方法。 - 【請求項2】 前記二酸化珪素が3〜10mol%である請
求項1記載の電圧非直線抵抗体の製造方法。 - 【請求項3】 前記二酸化珪素原料中のNa2O、K2O がNa
2O+K2O ≦0.02wt% である請求項1または2記載の
電圧非直線抵抗体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05793992A JP3353015B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05793992A JP3353015B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05258920A JPH05258920A (ja) | 1993-10-08 |
JP3353015B2 true JP3353015B2 (ja) | 2002-12-03 |
Family
ID=13070007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05793992A Expired - Lifetime JP3353015B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3353015B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5065688B2 (ja) * | 2007-01-11 | 2012-11-07 | 株式会社東芝 | 電流−電圧非直線抵抗体 |
JP5150111B2 (ja) * | 2007-03-05 | 2013-02-20 | 株式会社東芝 | ZnOバリスター粉末 |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP05793992A patent/JP3353015B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05258920A (ja) | 1993-10-08 |
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