JP2000233351A - 板ガラスの研磨装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 １台の研磨機で大きな角度から小さな
角度迄の面取り研磨ができるようにする。 【解決手段】 上面に載置する板ガラスを保持する保
持台３７付の走行体３１の走行路上側に設けた左右一対
の対向間隔調整可能なスライダ４２、４３に上下方向に
昇降調整可能な支持部材５２を設け、この支持部材に一
方向に斜交し、かつ斜交角度の調整可能なスピンドル６
２のドライブ機能付軸受６３を取付け、一方のスピンド
ルに板ガラスの一側面上縁を表面に、他方のスピンドル
に板ガラスの他側面下縁に裏面を接触させる回転砥石６
９、７０を設けて、板ガラスを面取り研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、板ガラス（ガラス基
板など）の縁面（二辺或いは四辺など）の面取り加工す
る研磨装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、板ガラスの辺縁面の平行する二条
の縁を面取り加工する場合、図７に示すようにレール１
をガイドとして走行する走行体２上の旋回台３に設けて
ある保持台４上に被加工板ガラスＡを載置し、保持台４
の上面に連通する通路５内の吸引によって保持台４に板
ガラスＡを保持する。

【０００３】次いで、走行体２の雌ネジ６にねじ込んで
ある雄ネジ７をモーター（図示省略）の運転によりドラ
イブして走行体２を走行させる。

【０００４】すると、走行体２の走行路両側に配置して
ある片側の第１回転砥石８により板ガラスＡの一側面の
上縁（角縁）が、もう片側の第２回転砥石９により板ガ
ラスＡの他側面の下縁（角縁）がそれぞれ面取り研磨さ
れる。

【０００５】上記板ガラスＡの四辺の面の上下縁の面取
り研磨は、旋回台３の外周に設けてある歯部１０に噛み
合う歯車１１をモーター１２の運転によって駆動しなが
ら旋回台３を９０度旋回させ、また走行体２を往復走行
させて行なう。

【０００６】上記の第１回転砥石８及び第２回転砥石９
は、水平なガイドレール１３をガイドとして走行し、か
つモーター１４の可逆運転により駆動する雄ネジ１５を
ねじ込んだ雌ネジ付（図示省略）左右一対の対向間隔調
整可能なスライダ２３、２４を設けると共に、この両ス
ライダ２３、２４に垂直なレール２５をガイドとしてス
ライドし、かつモーター２６の可逆運転により駆動する
雄ネジ２７をねじ込んだ雌ネジ付（図示省略）左右一対
の昇降調整可能な支持部材１６、１７を設けて、この両
支持部材１６、１７の下端にモーター１８により駆動す
るスピンドル１９の軸受２０が取付けてある。

【０００７】その際、板ガラスＡの一側面上縁に第１回
転砥石８の表面側板面を上方から、板ガラスＡの他側面
下縁に第２回転砥石９の表面側板面を下方から接触させ
て研磨するので、第１回転砥石８側の支持部材１６の下
方への突出長さが短かく、第２回転砥石９側の支持部材
１７の下方への突出長さが長くなっている。

【０００８】勿論、軸受２０は、支持部材１６、１７に
対しピン２１を介し揺動自在に取付けられ、ボルトとナ
ットとからなる締付具２２により角度調整後の揺動を止
めるようになっている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記のような構成によ
ると、板ガラスの一側面上縁に第１回転砥石の表面を、
板ガラスの他側面下縁に第２回転砥石の表面をそれぞれ
接触させる形式のため、面取り角度が図７に示すような
４５度の場合第２回転砥石側の支持部材の下端側と走行
体側（旋回台）との間に若干の間隙があるので、走行体
の走行を妨げることがない。

【００１０】しかしながら面取り角度が小さく、例えば
１７度にする場合、軸受をそれぞれ回動させ、また支持
部材の昇降及びスライダをスライドさせて調整する。

【００１１】すると、板ガラスの一側面上縁に第１回転
砥石を接触させる側にあっては、支持部材の下方への突
出長さが短かいために、支持部材と旋回台との衝突が起
生しない。

【００１２】一方板ガラスの他側面下縁に第２回転砥石
を接触させる側にあっては、上記の調整にともない下方
への突出長さが長い支持部材の下端側が旋回台の側面に
衝突する。このため、面取り角度の小さい研磨が一側可
能であっても他側ができない。

【００１３】そこで、この発明の課題は、大きな角度か
ら小さな角度迄の面取りができるようにした板ガラスの
研磨装置を提供する。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、適宜の走行手段により走行するよう
に設けた走行体と、この走行体に上面に載置する板ガラ
スを適宜の保持手段により保持するように設けた保持台
と、上記走行体の走行路の直上に水平なガイド手段によ
りガイドすると共に、対向間隔を調整することができる
ように設けた左右一対のスライダと、この両スライダに
それぞれ適宜の昇降手段により昇降調整可能に設けた支
持部材と、この両支持部材に一方向に斜交し、かつ斜交
角度を適宜の手段に調整することができるように設けた
ドライブ機能付平行スピンドルの軸浮と、この両スピン
ドルの下向き先端に取付けた板ガラスの一側面上縁に表
面を接触させる回転砥石及び板ガラスの他側面下縁に裏
面を接触させる回転砥石とからなる構成を採用する。

【００１５】また、保持台に旋回機能を付与した構成
や、回転砥石が、走行体の走行路片側に板ガラスの一側
面上縁研磨の回転砥石と下縁研磨の回転砥石とを前後
に、また走行体の走行路もう片側に板ガラスの他側面下
縁研磨の回転砥石と上縁研磨の回転砥石とを前後に配置
した構成を採用することもある。

【００１６】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を添付図面
に基づいて説明する。

【００１７】この発明の第１の実施形態では、図１から
図４に示すように、３１は適宜の手段により走行する走
行体である。

【００１８】上記走行体３１の走行手段は、図示の場合
二条のレール３２に走行体３１の下面両側に設けてある
スライダ３３をスライド自在に係合すると共に、走行体
３１の下面に固定してある雌ネジ３４にねじ込んである
雄ネジ３５を第１モーター３６の可逆運転により駆動し
て往復走行させるようにしたが、その他の走行手段（ラ
ックとピニオンなど）で往復走行させることもある。

【００１９】また、走行体３１上には、上面に載置する
板ガラスＡを適宜の保持手段により保持する保持台３７
が設けてある。

【００２０】上記保持台３７に載置した板ガラスＡの保
持手段は、図４に示すように保持台３７の上部内に設け
た中空室３８内と保持台３７の上面とが連通する多数の
透孔３９を設けると共に、中空室３８に連通する通路４
０に吸引ホース４１を接続して、中空室３８内の吸引に
より保持台３７上に板ガラスＡを吸着保持させるように
したが、その他の方式により保持することもある。

【００２１】さらに、走行体３１の走行路の上側には、
ガイド手段によりガイドされ、かつ対向間隔を調整する
ことができる左右一対のスライダ４２、４３が設けてあ
る。

【００２２】上記スライダ４２、４３のガイド手段は、
図示の場合水平なフレーム４４に設けた上下二条のガイ
ドレール４５にスライダ４２、４３の裏面蟻溝４６をス
ライド自在に係合し、両スライダ４２、４３の対向間隔
の調整は、図示の場合フレーム４４の両端に据え付けた
第２モーター４７に外端をそれぞれ直結した雄ネジ４
８、４８の対向する内端をフレーム４４に据え付けた軸
受４９により軸承すると共に、この各雄ネジ４８、４８
をスライダ４２、４３の裏面に固定してある雌ネジ５０
にねじ込み、第２モーター４７、４７の可逆運転により
雄ネジ４８、４８を駆動（板ガラスＡの幅を検出器によ
り検出し、検出した幅に左右のスライダ４２、４３の対
向間隔が合致するように運転する）して行なうようにし
たが、上記の調整手段に限定されず、その他の手段や、
手動で行なうこともある。

【００２３】また、両スライダ４２、４３の表面には、
昇降手段により昇降調整可能な支持部材５２が設けてあ
る。

【００２４】上記支持部材５２の昇降調整手段は、図示
の場合、スライダ４２、４３の表面に垂直な二条のガイ
ドレール５３を設けて、このガイドレール５３に支持部
材５２の裏面に設けてある蟻溝５４をスライド自在に係
合してガイドすると共に、両スライダ４２、４３の裏側
に軸承して支持部材５２の裏側の雌ネジ５５にねじ込ん
だ雄ネジ５６をスライダ４２、４３にそれぞれ据え付け
た第３モーター５７に直結し、第３モーター５７の可逆
運転により雄ネジ５６を駆動して昇降（板ガラスＡの研
磨位置高さを検出器により検出し、検出した高さに支持
部材５２の高さを自動的に調整するよう運転する）する
ようにしたが、その他の手段を用いること、或いは手段
で行なうこともある。

【００２５】さらに、両支持部材５２、５２の表面下端
部には、一方向に斜交（雄ネジ５６の軸芯に対し軸芯が
斜めに交差する）し、かつ斜交角度を適宜の調整手段６
１により調整可能なドライブ機能付スピンドル６２の軸
受６３が取付けてある。

【００２６】上記の調整手段６１は、図示の場合支持部
材５２に軸受６３の後面に設けてある円形の座板６４を
重ねると共に、支持部材５２にピン６５を介し座板６４
の中央を回動自在に取付け、座板６４の周縁部に設けて
あるピン６５を中心とする弧状の長孔６６に挿入した締
付けボルト６７を支持部材５２にねじ込んで構成した
が、その他の手段により軸受６３の傾斜角度を調整する
ようにしてよい。

【００２７】スピンドル６２のドライブ機能は、軸受６
３の末端に第４モーター６８を据え付けて、第４モータ
ー６８にスピンドル６２を直結した。

【００２８】また、片方のスピンドル６２の下方に向く
先端には、板ガラスＡの一側面上縁に表面の周縁部を接
触させた回転砥石６９が、もう片方のスピンドル６２の
下方に向く先端には、板ガラスＡの他側面下縁に裏面の
周縁部を接触させた回転砥石７０がそれぞれ取付けてあ
る。

【００２９】上記のように構成すると、保持台３７上に
板ガラスＡを載置したのち、ホース４１から通路４０を
へて中空室３８内を吸引する。すると、各透孔３９の吸
引にともない保持台３７に板ガラスＡが吸着される。

【００３０】次いで、第１モーター３６の正転運転によ
り雄ネジ３５を駆動すると、走行体３１が前進する。

【００３１】走行体３１の前進にともない板ガラスＡの
一側面上縁を回転砥石６９により、板ガラスＡの他側面
下縁を回転砥石７０により研磨する。

【００３２】上記研磨の角度が、図１に示す４５度から
小さな角度、例えば１７度に変更する場合、調整手段６
１の操作により軸受６３、６３を揺動させる。

【００３３】勿論、このとき第３モーター５７の運転に
よって支持部材５２を昇降させ、また第２モーター４７
の運転によってスライダ４２、４３もスライドさせる。

【００３４】上記の研磨角度の調整にともない、片方の
回転砥石６９の板ガラスＡに対する接触部分が上昇する
ことになり、もう片方の回転砥石７０の板ガラスＡに対
する接触部分が上昇することになる。

【００３５】すると、回転砥石７０の研磨部位は、何ら
変ることなく同じ位置になり、かつ回転砥石７０側の軸
受６３も板ガラスＡの上側に位置する。

【００３６】この関係により走行する支持台３７と軸受
６３との衝突がないため、走行体３１の走行を妨げるこ
とがなく、小さな研磨角の調整が可能になる。

【００３７】この発明の第２の実施形態では、第１実施
形態の保持台３７を旋回台８１の上に設ける。

【００３８】上記の旋回台８１は、図１及び図２に示す
ように走行体３１上の固定体８２と、この固定体８２上
でフリーに回転する回転体８３と、回転体８３外周面に
設けた歯部８４と、走行体３１上に据え付けると共に、
歯部８４に噛み合う歯車８５付の第５モーター８６とで
構成されている。

【００３９】すると、走行体３１を前進走行させて板ガ
ラスＡの一辺上縁、他辺下縁を研磨したのち、保持台３
７を９０度旋回させ、次いで走行体３１を後退走行させ
て一辺上縁、他辺下縁を研磨する。

【００４０】その後に保持台３７を９０度旋回させて走
行体３１を前進走行させる繰り返しにより、板ガラスＡ
の四辺上下縁を研磨（面取り加工）する。

【００４１】この発明の第３の実施形態では、図５に示
すように、走行体３１の走行路片側に板ガラスＡの一側
面上縁を、次いで下縁を研磨する回転砥石６９、７０
を、走行体３１の走行路もう片側に板ガラスＡの他側面
下縁を、次いで上縁を研磨する回転砥石７０、６９を配
置する。

【００４２】上記の配置に際し前側の回転砥石６９、７
０の軸受６３は、図１に示すように右下がりの傾斜に、
後側の回転砥石７０、６９の軸受６３は、左下がりの傾
斜（図１の逆に）にする。

【００４３】すると、走行体３１の前進走行により板ガ
ラスＡの二辺の上下縁を研磨（面取り加工）することが
できる。

【００４４】その際、図５に示すように支持台３７を旋
回台８１上に設け、前進後旋回台８１を９０度旋回さ
せ、次いで走行体３１を後退走行させると、板ガラスＡ
の残る二辺の上下縁を研磨することができる。

【００４５】この発明の第４の実施形態では、図６に示
すように第３の実施形態の回転砥石６９、７０の配置を
繰り返す。

【００４６】すると、走行体３１の前進走行と、保持台
３７の９０度旋回によって板ガラスＡの四辺の上下縁を
研磨（面取り加工）することができる。

【００４７】なお、板ガラスＡの保持台３７を定置式
に、回転砥石６９、７０側のフレーム４４を走行体にし
て、板ガラスＡの辺縁を研磨（面取り加工）することも
できる。

【００４８】

【発明の効果】この発明に係る板ガラスの研磨装置は、
以上のように構成してあるので、板ガラスの研磨（面取
り）が、大きな角度から小さな角度迄走行体の走行を妨
げることなく一台の機械で容易に研磨することができ
る。

【００４９】また、保持台の旋回によって研磨辺縁の入
れ替え、すなわち変更が可能になると共に、保持台の直
進や往復によって四辺の研磨を能率よく行なうこともで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施形態を示す正面図

【図２】同上の一部切欠平面図

【図３】同側面図

【図４】保持台の一部切欠正面図

【図５】第３の実施形態の平面図

【図６】第４の実施形態の平面図

【図７】従来の実施形態を示す正面図

【符号の説明】

Ａ 板ガラス ３１ 走行体 ３２ レール ３３ スライダ ３４ 雌ネジ ３５ 雄ネジ ３６ 第１モーター ３７ 保持台 ３８ 中空室 ３９ 透孔 ４０ 通路 ４１ 吸引ホース ４２、４３ スライダ ４４ フレーム ４５ レール ４６ 蟻溝 ４７ 第２モーター ４８ 雄ネジ ５０ 雌ネジ ５２ 支持部材 ５３ レール ５４ 蟻溝 ５５ 雌ネジ ５６ 雄ネジ ５７ 第３モーター ６１ 調整手段 ６２ スピンドル ６３ 軸受 ６４ 座板 ６５ ピン ６６ 長孔 ６７ ボルト ６８ 第４モーター ６９、７０ 回転砥石 ８１ 旋回台 ８２ 固定体 ８３ 回転体 ８４ 歯部 ８５ 歯車 ８６ 第５モーター

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜の走行手段により走行するように設
   けた走行体と、この走行体に上面に載置する板ガラスを
   適宜の保持手段により保持するように設けた保持台と、
   上記走行体の走行路の直上に水平なガイド手段によりガ
   イドすると共に、対向間隔を調整することができるよう
   に設けた左右一対のスライダと、この両スライダにそれ
   ぞれ適宜の昇降手段により昇降調整可能に設けた支持部
   材と、この両支持部材に一方向に斜交し、かつ斜交角度
   を適宜の手段に調整することができるように設けたドラ
   イブ機能付平行スピンドルの軸浮と、この両スピンドル
   の下向き先端に取付けた板ガラスの一側面上縁に表面を
   接触させる回転砥石及び板ガラスの他側面下縁に裏面を
   接触させる回転砥石とからなる板ガラスの研磨装置。
2. 【請求項２】 上記の保持台に旋回機能を付与したこと
   を特徴とする請求項１に記載の板ガラスの研磨装置。
3. 【請求項３】 上記の回転砥石が、走行体の走行路片側
   に板ガラスの一側面上縁研磨の回転砥石と下縁研磨の回
   転砥石とを前後に、また走行体の走行路もう片側に板ガ
   ラスの他側面下縁研磨の回転砥石と上縁研磨の回転砥石
   とを前後に配置したことを特徴とする請求項１に記載の
   板ガラスの研磨装置。