JP2001138195A - 板ガラスの加工機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持した板ガラスの辺部が自重歪みに
より垂れ下がらないようにして、板ガラスの辺の面や辺
縁を研磨する加工機を提供することにある。 【解決手段】 ガイド手段Ａにより案内され、かつ走
行手段Ｂにより進退走行する走行体Ｃに板面が垂直或い
は垂直に近い姿勢で板ガラス１を保持する保持手段Ｄを
設け、走行体の走行路に回転砥石１０を設けて、板ガラ
スの辺の面を研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、板ガラスの研
磨、すなわち板ガラスの辺の面を研磨したり、或いは板
ガラスの辺の縁を面取り研磨する板ガラスの加工機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、板ガラスの各辺の面を研磨する場
合、往復走行する走行体上に板面が水平な姿勢の板ガラ
スを載せると共に、走行体上に板ガラスを吸引方式によ
って支持させる。

【０００３】そして、走行体を走行させながら走行体の
走行路に設けてある回転砥石により板ガラスの辺の面を
研磨したり、或いは板ガラスの辺の縁を面取り研磨して
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のような研磨方式
によると、板ガラスの板面の面積に対する吸引面積が小
さくなる程、水平な姿勢の板ガラスの自重歪みによる板
ガラスの吸引中央部分に対する辺縁部分の下向き垂れ下
がりが大きくなる。

【０００５】このような状態で研磨すると、板ガラスの
辺の面が板ガラスの板面に対し直角にならない。勿論、
縁の面取り加工の場合でも板ガラスの板面に対する設定
角度の面取り加工もできない。

【０００６】上記の現象は、板ガラスの寸法によって異
なる。

【０００７】上記の板ガラスの自重歪みによる辺縁の垂
れ下がりを極力回避するには、板ガラスの板面に四敵す
る（板ガラスの板面に略近い）吸引支承面にすることで
解決することができる。

【０００８】然しながら、被研磨板ガラスの寸法は、雑
多なため、その都度板ガラスの寸法に応じた吸引支承面
を有するボックスの取り替えが必要になり、かつ多くの
異なる寸法のボックスを必要とする問題が発生する。

【０００９】そこで、この発明の課題は、板ガラスの辺
縁の垂れをなくして研磨する加工機を提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、適宜のガイド手段により案内され、
かつ適宜の進退走行手段により往復走行するように設け
た走行体と、この走行体に板面が垂直或いは垂直に近い
姿勢で板ガラスを着脱自在に保持するように設けた保持
手段と、上記板ガラスの辺の面を研磨するように設けた
回転砥石とからなる構成を採用する。

【００１１】また、適宜のガイド手段により案内され、
かつ適宜の進退手段により往復走行するように設けたス
ライダと、このスライダの走行路に板面が垂直或いは垂
直に近い姿勢で板ガラスを着脱自在に保持するように設
けた保持手段と、上記のスライダに上記板ガラスの辺の
面を研磨するように設けた回転砥石とからなる構成を採
用する。

【００１２】さらに、前記の保持手段に旋回機能を付与
した構成を採用することもある。

【００１３】また、前記保持手段或いは回転砥石のいず
れか片方に接近、離反の機能を付与した構成を採用する
こともある。

【００１４】さらに、前記回転砥石の付近に板ガラスの
辺の縁を研磨する面取り回転砥石を設けた構成を採用す
ることもある。

【００１５】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を添付図面
に基づいて説明する。

【００１６】この発明の第１の実施形態では、図１から
図３に示すように適宜のガイド手段Ａによって前後方向
に案内され、かつ適宜の進退走行手段Ｂによって往復走
行する走行体Ｃには、板面を垂直或いは垂直に近い姿勢
で板ガラス１を着脱自在に保持する保持手段Ｄが設けて
ある。

【００１７】上記のガイド手段Ａは、図示の場合走行体
Ｃの裏面上下に設けてある蟻溝２とフレーム４の前面に
設けてある上下のレール３とをスライド自在に係合した
が、ガイド軸と、このガイド軸を貫通させる貫通孔（図
示省略）などでガイドすることもある。

【００１８】上記の走行手段Ｂは、図示の場合フレーム
４に軸承すると共に、第１モーター５の可逆運転によっ
て駆動する雄ネジ６に走行体Ｃの裏面に設けてある雌ネ
ジ７をねじ込んで構成したが、例えばフレームの全長に
設けてあるラックと走行体に取付けたモーターによって
駆動するピニオン（図示省略）とを噛み合わせる方式を
採用することもある。

【００１９】上記の保持手段Ｄは、図示の場合前面板が
多孔性の、中空内部を接続ホース（図示省略）などによ
る吸引する吸引ボックス９を用いたが、例えば吸盤など
で板ガラス１の片面を吸引することもある。要するに、
板ガラス１の板面を垂直な姿勢で保持する方式であれば
よい。

【００２０】その際、垂直な保持に限定されず、垂直に
近い傾斜（板ガラス１の板面が）であってもよい。

【００２１】また、走行体Ｃの走行路には、板ガラス１
の辺の面を研磨する回転砥石１０が設けてある。

【００２２】上記の回転砥石１０は、第２モーター１１
の駆動軸（出力軸）に取付けてあり、図示のように第２
モーター１１の座台１２を蟻溝と突条との噛み合いによ
って構成したガイド１３により走行体Ｃの走行方向に対
し直角に横切る方向にスライド自在とし、第４モーター
１４によって可逆駆動する雄ネジ１５を座台１２の雌ネ
ジ１６にねじ込んでおくと、第４モーター１４の可逆運
転により第４モーター１１と共に回転砥石１０を図１左
方向或いは右方向に移動させて、板ガラス１の辺の面に
対する回転砥石１０の周面接触位置を自由に調整するこ
とができる。

【００２３】上記のように構成すると、保持手段Ｄによ
って板ガラス１の片面中央を保持させたのち、走行手段
Ｂの運転によって走行体Ｃを走行させながら回転砥石１
０により板ガラス１の辺の面を研磨する。

【００２４】その際、板ガラス１は、その板面が垂直な
姿勢になっているので、板ガラス１の自重歪による辺縁
の垂れがなく、面の研磨が板面に対し直角になる。

【００２５】この発明の第２の実施形態では、図７，８
に示すように、適宜のガイド手段Ａによって前後方向に
案内され、かつ適宜の進退走行手段Ｂによって往復走行
するスライダ６１の走行路には、板面を垂直或いは垂直
に近い姿勢で板ガラス１を着脱自在に保持する保持手段
Ｄが設けてある。

【００２６】上記スライダ６１の走行案内のガイド手段
Ａ及びスライダ６１の往復走行の走行手段Ｂは、第１の
実施形態の走行体Ｃの走行手段と同様につき説明を省略
する。

【００２７】また、上記の保持手段Ｄは、第１の実施形
態と同様につき説明を省略すると共に、固定フレーム６
２に設ける。

【００２８】上記のスライダ６１には、板ガラス１の辺
の面を研磨する第１の実施形態と同様の回転砥石１０が
設けてある。

【００２９】上記のように構成すると、保持手段Ｄによ
って板ガラス１の片面中央を保持させたのち、走行手段
Ｂの運転によってスライダ６１を走行させながら、スラ
イダ６１に設けてある回転砥石１０により板ガラス１の
辺の面を研磨する。

【００３０】その際、板ガラス１は、板面が垂直な姿勢
になっているので、板ガラス１の自重歪による辺縁の垂
れがなく、面の研磨が板面に対し直角になる。

【００３１】この発明の第３の実施形態では、図１から
図３に示す第１の実施形態及び図７，８に示す第２の実
施形態の板ガラス１の保持手段Ｄに旋回機能Ｅを付与さ
せている。

【００３２】上記の旋回機能Ｅは、図示の場合θ軸モー
ター２１により保持手段Ｄの吸引ボックス９が旋回する
ようになっている。

【００３３】上記のように構成すると、第１の実施形態
の走行体Ｃや第２の実施形態のスライダ６１を前方に走
行させながら回転砥石１０により板ガラス１の辺の面を
研磨し、次いで旋回機能Ｅのθ軸モーター２１の運転に
よって保持手段Ｄの吸引ボックス９を９０度回転させ、
そして走行体Ｃ、スライダ６１を後方に走行させながら
回転砥石１０により次の辺の面を研磨する。

【００３４】以上の繰り返しにより板ガラス１の四辺の
面を研磨する。

【００３５】この発明の第４の実施形態では、図１から
図３に示す第１の実施形態及び図７に示す第２の実施形
態の保持手段Ｄ或いは回転砥石１０のいずれか片方に接
近・離反の機能Ｆが付与してある。

【００３６】上記接近・離反の機能Ｆは、図示の場合走
行体Ｃの表面に設けた左右二条のガイド軸３１を吸引ボ
ックス９付θ軸モーター２１の据え付けベース３２の裏
面に設けてある貫通孔３３に貫通させると共に、走行体
Ｃに軸承した雄ネジ３４を第５モーター３５により可逆
駆動し、この雄ネジ３４をベース３２の裏面に設けてあ
る雌ネジ３６にねじ込んで構成し、回転砥石１０側を定
置式にし吸引ボックス９側を可動式にしたが、回転砥石
１０側を可動式に吸引ボックス９側を定置式にすること
もある。

【００３７】上記のように構成すると、数値制御により
第５モーター３５を可逆運転して、正方形以外の、例え
ば長方形や異形の板ガラス１の全辺（周縁）の面を研磨
することができる。

【００３８】この発明の第５の実施形態では、第１、第
２、第３及び第４の実施形態の回転砥石１０の近傍に
は、板ガラス１の辺縁を面取り研磨する面取り回転砥石
４１が設けてある。

【００３９】上記の面取り回転砥石４１の駆動並びに据
え付けは、第１の実施形態の回転砥石１０と同様につき
説明を省略する。

【００４０】すると、回転砥石１０による板ガラス１の
辺の面を研磨するのと同時に面取り回転砥石４１によっ
て板ガラス１の辺の縁を面取り研磨することができる。

【００４１】なお、面取り回転砥石４１は、前後に２
個、すなわち板ガラス１の辺の両縁を研磨するように配
置してあり、両面取り回転砥石４１、４１を同時に使用
する以外に、片方のみを選択して使用することもある。

【００４２】また、第１、第２の実施形態の板ガラスの
加工機では、回転砥石１０のみ、回転砥石１０と一対
（２個）の面取り回転砥石４１とを並べる場合とがあ
り、回転砥石１０と面取り回転砥石４１とが並んでいる
とき、回転砥石１０により辺の面のみを研磨する際、両
面取り回転砥石４１を退避させておく。

【００４３】

【発明の効果】この発明に係る板ガラスの加工機は、以
上のように構成してあるので、板ガラスの自重歪による
辺の垂れがなく板ガラスを立てた姿勢で精度良く辺の面
を研磨したり、辺の縁を面取り加工をすることができ
る。

【００４４】また、保持手段に付与した旋回機能や、保
持手段又は回転砥石側のいずれか片方に付与した接近・
離反機能により板ガラスの全辺の加工は勿論、異形な板
ガラスの加工もできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１、第３、第４の実施形態を示す
縦断正面図

【図２】同上の要部側面図

【図３】同要部を示す横断平面図

【図４】面取り回転砥石の配置を示す要部側面図

【図５】面取り回転砥石の正面図

【図６】回転砥石の配置を示す斜視図

【図７】第２の実施形態の側面図

【図８】同上の縦断正面図

【符号の説明】

Ａ ガイド手段 Ｂ 走行手段 Ｃ 走行体 Ｄ 保持手段 Ｅ 旋回機能 Ｆ 接近・離反機能 １ 板ガラス ２ 蟻溝 ３ レール ４ フレーム ５ 第１モーター ６ 雄ネジ ７ 雌ネジ ９ 吸引ボックス １０ 回転砥石 １１ 第２モーター １２ 座台 １３ ガイド １４ 第４モーター ２１ θ軸モーター ３１ ガイド軸 ３２ ベース ３３ 貫通孔 ３４ 雄ネジ ３５ 第５モーター ３６ 雌ネジ ４１ 面取り回転砥石 ６１ スライダ ６２ 固定フレーム

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜のガイド手段により案内され、かつ
   適宜の進退走行手段により往復走行するように設けた走
   行体と、この走行体に板面が垂直或いは垂直に近い姿勢
   で板ガラスを着脱自在に保持するように設けた保持手段
   と、上記板ガラスの辺の面を研磨するように設けた回転
   砥石とからなる板ガラスの加工機。
2. 【請求項２】 適宜のガイド手段により案内され、かつ
   適宜の進退手段により往復走行するように設けたスライ
   ダと、このスライダの走行路に板面が垂直或いは垂直に
   近い姿勢で板ガラスを着脱自在に保持するように設けた
   保持手段と、上記のスライダに上記板ガラスの辺の面を
   研磨するように設けた回転砥石とからなる板ガラスの加
   工機。
3. 【請求項３】 前記の保持手段に旋回機能を付与したこ
   とを特徴とする請求項１、２に記載の板ガラスの加工
   機。
4. 【請求項４】 前記保持手段或いは回転砥石のいずれか
   片方に接近、離反の機能を付与したことを特徴とする請
   求項１、２に記載の板ガラスの加工機。
5. 【請求項５】 前記回転砥石の付近に板ガラスの辺の縁
   を研磨する面取り回転砥石を設けたことを特徴とする請
   求項１、２に記載の板ガラスの加工機。