JP2000226251A - ベータアルミナセラミックスの製造方法 - Google Patents

ベータアルミナセラミックスの製造方法

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JP2000226251A
JP2000226251A JP11025435A JP2543599A JP2000226251A JP 2000226251 A JP2000226251 A JP 2000226251A JP 11025435 A JP11025435 A JP 11025435A JP 2543599 A JP2543599 A JP 2543599A JP 2000226251 A JP2000226251 A JP 2000226251A
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aluminum hydroxide
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Hiroki Sugiura
宏紀 杉浦
Toru Shimamori
融 島森
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れたナトリウムイオン伝導特性と機械的強度
を有し、且つ、安価なベータアルミナ質セラミックスの
製造方法を提供する。 【構成】ベータアルミナ質セラミックスの主原料である
α−アルミナにおいて、所定の特性を有するα−アルミ
ナを用いる。ここにいう所定の特性とは、α−アルミナ
中のアルカリ成分の含有量やX線回折パターンにて検出
される特定相等をいう。係るベータアルミナ質セラミッ
クスをナトリウム硫黄電池の固体電解質管に用いた場
合、電池の内部抵抗を低くできるのみならず、長期に渡
り信頼性の高いナトリウム硫黄電池を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナトリウム−硫黄電池
に用いるベ−タアルミナセラミックスに関するものであ
る。また、Na−溶融塩電池、AMTEC、SOxセン
サー等に好適なナトリウムイオン伝導物質としても利用
できるベ−タアルミナセラミックスに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ベータアルミナは、Na2O・xAl2O3(x=5〜
11)の組成式で表される化合物で、ナトリウムイオン伝
導性を有する。ベータアルミナ中のナトリウム固溶量に
より数種の異なった結晶相をとる。主なものはβ−アル
ミナ相(X=9〜11)とβ"−アルミナ相(X=5〜7)の2種
であり、β"−アルミナ相の方がナトリウムイオン伝導
度は高い。しかし、単一相のベータアルミナは容易には
得られず、β−アルミナ相とβ"−アルミナ相との混合
相を持ったセラミックスになりがちである。
【0003】ベータアルミナは優れたナトリウムイオン
伝導性を利用して、ナトリウム−硫黄電池用固体電解質
として研究開発が進められている。しかし、ベータアル
ミナセラミックスはその原材料の純度や製造条件により
ナトリウムイオン伝導特性が変化するため、最適な製造
条件の選定が困難であった。また、ベータアルミナセラ
ミックスのナトリウムイオン伝導性の向上のために、α
アルミナ原料としては高純度のものが必要とされる。こ
のためαアルミナの純度を上げるために製造にかかるコ
ストが高く、実用化の障害となっていた。
【0004】また、ナトリウム−硫黄電池に用いるベー
タアルミナセラミックスは、電池の正極室と負極室との
隔壁の役割も果たしている。隔壁の破損が起こると両活
物質が爆発的に反応を起こし危険であるため、ベータア
ルミナセラミックスには高い機械的強度も要求される。
しかし、出発原料であるαアルミナの純度が低いと焼成
中に低温で液相が生成し、結晶の成長が促進され、ベー
タアルミナセラミックスの強度が低くなるという問題が
あった。
【0005】ナトリウムイオン伝導性の向上のために、
特公平6−24149号公報では、ベータアルミナセラ
ミックスの一次粒子の配向性を制御し、イオン伝導性を
高める方策が提案されている。しかし、通常の工業的な
製法ではその配向性を制御することは困難であり、現実
的ではない。
【0006】また、ある種の金属酸化物をベータアルミ
ナセラミックスに微量添加してイオン伝導性を高める方
策が提案されている。具体的には、特公平7−1029
90号公報ではTa2O5を、特公平6−86325号公報
ではTiO2を、特公平6−96468号公報ではSnOを微
量添加してベータアルミナセラミックスのイオン伝導性
を高める方策が提案されている。しかし、それぞれの方
法で作製したベータアルミナのナトリウムイオン伝導性
は高いものから低いものまでばらつき、各金属酸化物添
加と伝導性向上との因果関係がはっきりしなかった。
【0007】機械的強度向上のためには、ベータアルミ
ナと反応しない高純度のジルコニア微粒子を分散させて
セラミックスを複合強化する方法(米国特許43585
16号)が提案されている。しかし、高純度ジルコニア
は単価が高くコストアップの要因となるため好ましくな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ナト
リウムイオン伝導特性が良く(初期導電性が優れ安定性
にも優れる)、且つ機械的強度に優れ、安価なベータア
ルミナセラミックスの製造方法を提供することにある。
具体的には、高価な高純度αアルミナを使用しなくても
同等な高イオン伝導性及び機械的強度を有し、しかもα
アルミナの製造工程が従来とほとんど変わらないベータ
アルミナセラミックスの製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ベー
タアルミナセラミックスの原料であるαアルミナ及び/
又はαアルミナの原料である水酸化アルミニウムの諸特
性を規定したベータアルミナセラミックスの製造方法を
要旨とする。ここで規定する諸特性とは、X線回折パタ
ーン、水酸化アルミニウムのαアルミナへの仮焼温度及
びアルカリ成分の含有量をいう。
【0010】X線回折パターンに認められるアルミナ相
を「αアルミナ相のみ」に限定した理由は、αアルミナ
相以外の相(例えばγアルミナ相、θアルミナ相)が含
まれるとベータアルミナセラミックスの比抵抗値が高く
なり、ナトリウム−硫黄電池用固体電解質としての性能
が不十分となるからである。
【0011】水酸化アルミニウムから転移させてαアル
ミナを製造する際の仮焼温度を1550℃以下に規定し
た理由は、仮焼温度が1550℃を越えると、生成した
αアルミナの一次粒子が成長し、ベータアルミナにした
ときの焼結性が悪くなるからである。また、水酸化アル
ミニウム中の酸化ナトリウムに換算したナトリウム成分
の含有量を規定した理由は、ナトリウム成分の含有量が
0.1重量%を越えるとベータアルミナセラミックスの
比抵抗値が高くなりすぎ、ナトリウム−硫黄電池用固体
電解質としての性能が不十分となるからである。
【0012】αアルミナ中の酸化カルシウムに換算した
カルシウム成分の含有量を規定した理由は、カルシウム
成分の含有量が0.05重量%を越えると比抵抗値が高
くなりすぎ、ナトリウム−硫黄電池用ベータアルミナセ
ラミックスとしての性能が不十分となるからである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1に記載のベー
タアルミナセラミックスの製造方法において、ベータア
ルミナセラミックスの原料であるαアルミナ及びαアル
ミナの原料である水酸化アルミニウムに含まれるアルカ
リ成分の含有量の範囲を規定したことを要旨とする。
【0014】上記水酸化アルミニウム中の酸化ナトリウ
ムに換算したナトリウム成分の含有量が0.1重量%を
越えると比抵抗値が高くなりすぎ、ナトリウム−硫黄電
池用ベータアルミナセラミックスとしての性能が不十分
となる。逆にナトリウム成分の含有量が0.0005重
量%未満もしくは全く含まれない場合には、焼結性が低
下する。焼結性の低下を補うために焼成温度を高くする
と、今度はナトリウム成分の蒸発が激しくなり、耐火
物、炉壁等と反応してその寿命を縮めたり、均一な焼成
雰囲気の保持を困難にする。
【0015】また、αアルミナの酸化カルシウムに換算
したカルシウム成分の含有量が0.05重量%を越える
と比抵抗値が高くなりすぎ、ナトリウム−硫黄電池用ベ
ータアルミナセラミックスとしての性能が不十分とな
る。逆にカルシウム成分の含有量が0.0005重量%
未満もしくは全く含まれない場合にも、上記ナトリウム
成分の場合と同様の問題が発生する。
【0016】ベータアルミナ製造時に、αアルミナと混
合されるナトリウム化合物としては、炭酸ナトリウム、
硝酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム等の一般的な化合
物が使用可能である。αアルミナとナトリウム化合物と
の混合物の熱処理は一般的な方法によって実施可能であ
り、例えば耐火ルツボに入れ、電気炉等で1200℃〜
1400℃に1〜6時間保持して粉末をベータアルミナ
に合成する方法、または混合物を成形し耐火ルツボで覆
いながら電気炉等で1500℃〜1650℃でベータア
ルミナ焼結体を直接製造する方法等がある。
【0017】請求項3の発明は、原料アルミナ中のαア
ルミナ、(c)成分及び(d)成分との和を99.80
〜99.95重量%の範囲とした原料アルミナを用いた
ベータアルミナの製造方法を要旨とする。係る組成の原
料アルミナを用いれば、特性が良好なベータアルミナセ
ラミックスが容易に低コストで製造可能である。
【0018】
【実施例】以下の実施例1乃至実施例3は、予めベータ
アルミナ化した粉末を用いてセラミックス成形体成形体
を作成、焼成した実施例である。また、実施例4乃至実
施例6は、セラミックス成形体の焼成過程でベータアル
ミナ化するいわゆる反応焼成を用いた実施例である。
【0019】(実施例1)αアルミナ主体のサヤ(内矩
230mm×300mm、深さ50mm)内に1kgの
水酸化アルミニウムを入れ、電気炉にて200℃/hr
で昇温し、設定温度で2hr保持して仮焼し、取り出し
た後40メッシュのフルイを通して原料αアルミナを得
た。
【0020】ベータアルミナの製造は、原料の上記αア
ルミナアルミナと炭酸ナトリウム、安定化剤として炭酸
リチウムを用いた。ここで、炭酸ナトリウム、炭酸リチ
ウムは試薬1級を用いた。αアルミナ、炭酸ナトリウム
を最終的にアルミナ、酸化ナトリウム、酸化リチウムで
90.4%、8.85%、0.75%となるように秤
量、混合し、1250℃で10時間仮焼の後、振動ミル
で粉砕しベータアルミナ粉砕原料を得た。
【0021】次に最終的にアルミナ、酸化ナトリウム、
酸化リチウムで90.4%、8.85%、0.75%と
なるように炭酸ナトリウムを秤量し、上記ベータアルミ
ナ粉砕原料と炭酸リチウムを水溶媒で混合しスラリと
し、スプレードライ造粒し造粒粉末を得た。粉末は焼結
後に外径45mm×長さ400mm×肉厚2.5mmのチ
ューブ形状に成形し、所定の温度で1時間保持して焼成
を行いナトリウム−硫黄電池用ベータアルミナセラミッ
クスを得た。
【0022】上述した製造方法において、水酸化アルミ
ニウムの仮焼温度条件を第1表に示すように数段階に設
定して、異なる相を有する数種のアルミナを得、これら
を原料としてベータアルミナセラミックスを製造した。
その際水酸化アルミニウムの仮焼により生じたアルミナ
の相をX線回折により調べた。また、焼成したベータア
ルミナセラミックスのβ"−アルミナ相生成率の測定、
相対密度の測定、350℃におけるナトリウムイオン伝
導の比抵抗値の測定、内圧強度の測定を行った。その結
果を表1に示す。
【0023】β"−アルミナ相生成率は、焼結体を粉砕
して測定した粉末X線回折データのβ"−アルミナ相(01
11)のピ−ク強度Iβ"とβ−アルミナ相(01 7)のピー
ク強度Iβから次の数式1で算出した。
【0024】
【数1】β"−アルミナ相生成率(%)=100×Iβ"
/(Iβ"+Iβ)
【0025】相対密度測定は、ベータアルミナチューブ
を1本のまま用いた。ベータアルミナの吸湿による影響
を避けるため、エタノールによるアルキメデス法を用い
嵩密度を測定し、理論密度との比(相対密度)を算出し
た。
【0026】比抵抗値は、有底円筒形状のまま、Na−
Naセルで4端子法で350度におけるナトリウムイオ
ン伝導度(比抵抗値:伝導度の逆数)を測定した。
【0027】内圧強度は、有底円筒の内側全体に圧力を
印加し、破壊した時点の強度を有底円筒の形状から計算
して求めたものである。各ロットにつき8本の有底円筒
で内圧強度を測定し、平均値を求めた。
【0028】
【表1】
【0029】この結果から、比較例である試料番号1乃
至試料番号3のように、αアルミナ以外のアルミナ相が
原料アルミナ中に存在すると、ナトリウムイオン伝導の
比抵抗値は5Ω-cmを超え、ナトリウム−硫黄電池用固
体電解質としては不十分な性能であることがわかる。
【0030】比較例である試料番号6のように、αアル
ミナ仮焼条件が1550℃を超えると生成したαアルミ
ナの一次粒子が成長し、ベータアルミナにした際の焼結
性が低下(相対密度が低下)し、更に内圧強度も大幅に
低下し、ナトリウム−硫黄電池用固体電解質としては不
十分な性能であることがわかる。
【0031】一方、実施例である試料番号4及び試料番
号5では、極めて良好な諸特性を示すことがわかる。特
には、比抵抗値が3.3〜3.4Ω-cmと極めて良好
な電気特性を示す。
【0032】(実施例2)前記実施例1の方法におい
て、原料アルミナの前駆体である水酸化アルミニウムに
含まれる不純物としてのナトリウム成分量の違いによ
る、ナトリウム−硫黄電池用ベータアルミナセラミック
スのβ"−アルミナ相生成率、焼結性(相対密度)及び
比抵抗値、内圧強度を測定した。その結果を表2に示
す。測定方法は比較例1と同様である。
【0033】
【表2】
【0034】この結果から、比較例である試料番号4乃
至試料番号5のように、ナトリウム化合物の含有量が
0.1重量%を超えると比抵抗値は5Ωcm以上となり、
ナトリウム−硫黄電池用固体電解質としては不十分な性
能であった。一方、実施例である試料番号1乃至試料番
号3、試料番号6及び試料番号7では、比抵抗値が3.
5Ωcm以下且つ内圧強度が150MPa以上であり、ナト
リウム−硫黄電池用固体電解質に適した性能を有してい
る。また、実施例である試料番号7のように、酸化ナト
リウム成分の含有量が0.0005重量%未満である
と、焼結性が試料番号1乃至試料番号3及び試料番号6
と比較してやや低下し、内圧強度も若干低めになる傾向
が見られた。
【0035】(実施例3)前記実施例の方法において、
原料アルミナに含まれる不純物としてのカルシウム成分
量の違いによるナトリウム−硫黄電池用ベータアルミナ
セラミックスのβ"−アルミナ相生成率、焼結性(相対
密度)及び比抵抗値、内圧強度を測定した。その結果を
表3に示す。測定方法は実施例1と同様である。
【0036】
【表3】
【0037】この結果から、比較例である試料番号3及
び試料番号4のように、カルシウム化合物の含有量が
0.05重量%を超えると比抵抗値は5Ωcm以上となり
ナトリウム−硫黄電池用固体電解質としては不十分な性
能である。実施例である試料番号1、試料番号2、試料
番号5及び試料番号6では、比抵抗値が3.5Ω-cm以
下且つ内圧強度が150MPa以上でナトリウム−硫黄電
池用固体電解質として適した性能を有している。また、
実施例である試料番号6のように、酸化カルシウム成分
の含有量が0.0005重量%未満であると、焼結性が
他の実施例である試料番号1、試料番号2及び試料番号
5と比較してやや低下し、内圧強度も若干低めになる傾
向が見られた。
【0038】(実施例4)αアルミナ主体のサヤ(内矩
230mm×300mm、深さ50mm)内に1kgの
水酸化アルミニウムを入れ、電気炉にて200℃/hr
で昇温し、設定温度で2hr保持して仮焼し、取り出し
た後40メッシュのフルイを通して原料αアルミナを得
た。
【0039】ベータアルミナの製造は、原料の上記αア
ルミナアルミナと炭酸ナトリウム、安定化剤として炭酸
リチウムを用いた。ここで、炭酸ナトリウム、炭酸リチ
ウムは試薬1級を用いた。αアルミナ、炭酸ナトリウ
ム、炭酸リチウムを最終的にアルミナ、酸化ナトリウ
ム、酸化リチウムで90.4%、8.85%、0.75
%となるように秤量し水溶媒でバインダーと共に混合
し、スラリーとした。そしてそのスラリーをスプレード
ライ造粒し造粒粉末を得た。
【0040】粉末は焼結後に長さ400mm×外径45
mm×肉厚2.5mmとなるようチューブ形状に成形
し、所定の温度で1時間保持して反応焼成を行い、ナト
リウム−硫黄電池用ベータアルミナセラミックスを得
た。
【0041】上述した実施例の方法において水酸化アル
ミニウムの仮焼温度条件を第4表に示すように数段階に
設定して、異なる相を有する数種のアルミナを得、これ
らを原料としてベータアルミナセラミックスを製造し
た。その際水酸化アルミニウムの仮焼により生じたアル
ミナの相をX線回折により調べた。また、焼成したベー
タアルミナセラミックスのβ"−アルミナ生成率測定、
相対密度測定、350℃におけるナトリウムイオン伝導
の比抵抗値測定、内圧強度測定を行った。その結果を表
4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】この結果から、実施例である試料番号4及
び試料番号5では、優れた諸特性を有するベータアルミ
ナセラミックスが得られることがわかる。特に比抵抗値
が3.3〜3.4Ω-cmと良好である。一方、比較例
である試料番号1乃至試料番号3のように、αアルミナ
以外のアルミナ相が原料アルミナ中に存在すると、比抵
抗値は5Ω-cm以上で、ナトリウム−硫黄電池用固体電
解質としては不十分な性能であることがわかる。
【0044】また、比較例である試料番号6のように、
αアルミナ仮焼条件が1550℃を超えると、αアルミ
ナの一次粒子が成長し、ベータアルミナにした際の焼結
性が低下(相対密度が低下)し、更に内圧強度も大幅に
低下し、ナトリウム−硫黄電池用固体電解質としては不
十分な性能であることがわかる。
【0045】(実施例5)前記実施例4に記載の反応焼
成法を用いて、原料アルミナの前駆体である水酸化アル
ミニウムに含まれる不純物としてのナトリウム成分量の
違いによる特性の変化を調査した。ナトリウム−硫黄電
池用ベータアルミナセラミックスのβ"−アルミナ相生
成率、焼結性(相対密度)及び比抵抗値、内圧強度を測
定した。その結果を表5に示す。測定方法は実施例1と
同様である。
【0046】
【表5】
【0047】この結果から、実施例である試料番号1乃
至試料番号3、試料番号6、試料番号7では、比抵抗値
が3.5Ωcm以下且つ内圧強度が150MPa以上と良好
な諸特性を有するベータアルミナセラミックスが得られ
ることがわかる。実施例である試料番号7のように、酸
化ナトリウム成分の含有量が0.0005重量%未満で
あると、焼結性が他の実施例である試料番号1乃至試料
番号3、試料番号6と比較してやや低下し、内圧強度も
若干低めになる傾向である。
【0048】一方、比較例である試料番号4及び試料番
号5のように、ナトリウム化合物の含有量が0.1重量
%を超えると比抵抗値は5Ω-cm以上となり、ナトリウ
ム−硫黄電池用固体電解質としては不十分な性能であ
る。
【0049】(実施例6)前記実施例4に記載の反応焼
成法を用いて、原料アルミナに含まれる不純物としての
カルシウム成分量の違いによるナトリウム−硫黄電池用
ベータアルミナセラミックスのβ"−アルミナ相生成
率、焼結性(相対密度)及び比抵抗値、内圧強度を測定
した。その結果を表6に示す。測定方法は実施例1と同
様である。
【0050】
【表6】
【0051】この結果から、実施例である試料番号1、
試料番号2、試料番号5、試料番号6では、比抵抗値が
3.5Ωcm以下且つ内圧強度が150MPa以上でナトリ
ウム−硫黄電池用固体電解質に適した性能を有すことが
分かる。また、実施例である試料番号6のように酸化カ
ルシウム成分の含有量が0.0005重量%未満である
と、焼結性が他の実施例である試料番号1、試料番号
2、試料番号5と比較してやや低下し、内圧強度も若干
低めになる傾向である。
【0052】一方、比較例である試料番号3、試料番号
4のようにカルシウム化合物の含有量が0.05重量%
を超えると、比抵抗値は5Ωcm以上となりナトリウム−
硫黄電池用固体電解質としては不十分な性能である。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、一定性状のαアルミナ
を用いてナトリウム化合物と共に熱処理してナトリウム
−硫黄電池用ベータアルミナセラミックスを製造するこ
とにより、微細で均一な結晶構造を有し、更に高強度、
高密度で焼結性の優れたナトリウム−硫黄電池用ベータ
アルミナセラミックスが提供できる。原料のαアルミナ
は、ある特定の不純物を除くのみで簡単に製造できる純
度の低いものでよく、従来資源、エネルギーを費やして
製造された微細度、純度及び活性度の高いαアルミナを
原料とした場合と同等の比抵抗値、機械的強度を持つナ
トリウム−硫黄電池用ベータアルミナセラミックスが提
供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化アルミニウムを仮焼して得られた
    αアルミナと、ナトリウム化合物とを混合した後、熱処
    理してベ−タアルミナセラミックスを製造する方法にお
    いて、 以下の(a)〜(d)の性質を有するαアルミナを用い
    ることを特徴とするナトリウム−硫黄電池用ベ−タアル
    ミナセラミックスの製造方法。 (a)X線回折パターンにαアルミナ相のみが認められ
    ること。 (b)水酸化アルミニウムから原料のαアルミナを製造
    する際の仮焼温度が1550℃以下であること。 (c)上記水酸化アルミニウム中のナトリウム成分の含
    有量が、酸化ナトリウム換算にて0.1重量%以下であ
    ること。 (d)原料のαアルミナ中のカルシウム成分の含有量
    が、酸化カルシウム換算にて0.05重量%以下である
    こと。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池
    用ベ−タアルミナセラミックスの製造方法であって、 以下の(c)、(d)の性質を有するαアルミナを用い
    ることを特徴とするナトリウム−硫黄電池用ベ−タアル
    ミナセラミックスの製造方法。 (c)上記水酸化アルミニウム中のナトリウム成分の含
    有量が、酸化ナトリウム換算にて0.0005重量%〜
    0.1重量%であること。 (d)原料のαアルミナ中のカルシウム成分の含有量
    が、酸化カルシウム換算にて0.0005重量%〜0.
    05重量%であること。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のナトリウ
    ム−硫黄電池用ベ−タアルミナセラミックスの製造方法
    であって、 αアルミナ粉末中に含まれるアルミナ成分と、酸化ナト
    リウム換算したナトリウム成分と、酸化カルシウム換算
    したカルシウム成分の含有量の和が99.80〜99.
    95重量%であるαアルミナ粉末を用いることを特徴と
    するベ−タアルミナセラミックスの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011028947A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Teijin Ltd 非水系二次電池用セパレータおよび非水系二次電池
KR101213481B1 (ko) * 2010-12-06 2012-12-20 삼성에스디아이 주식회사 베타 알루미나 고체 전해질 및 그 제조방법
KR101400908B1 (ko) 2013-02-13 2014-05-28 한국에너지기술연구원 알루미나와 산화칼슘(CaO)를 이용한 베타 알루미나와 알파 알루미나의 접합 방법 및 이를 이용한 단위 열 전환 발전기.
KR101404045B1 (ko) 2012-07-10 2014-06-10 건국대학교 산학협력단 Na-베타-알루미나 고체전해관 제조 공정에서 소성 스케줄의 조절을 통한 Na-β”-알루미나 결정상 분율 증대 방법

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