JPH11154414A - ベータアルミナ電解質及びその製造方法 - Google Patents
ベータアルミナ電解質及びその製造方法Info
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- JPH11154414A JPH11154414A JP9318182A JP31818297A JPH11154414A JP H11154414 A JPH11154414 A JP H11154414A JP 9318182 A JP9318182 A JP 9318182A JP 31818297 A JP31818297 A JP 31818297A JP H11154414 A JPH11154414 A JP H11154414A
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- alumina
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来技術に比較し、更に低温域あるいは低温
域を含む広範囲な温度域での焼成により緻密化して得ら
れる高導電性、高強度のベータアルミナ電解質及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 酸化アルミニウム、酸化ナトリウム及び
酸化マグネシウムよりなるベータアルミナの構成酸化物
に加えて、所定量の酸化鉄を含有してなることを特徴と
するベータアルミナ電解質、及びアルミニウム出発原料
とナトリウム出発原料を混合し、仮焼してベータアルミ
ナの仮焼粉を調製後、該仮焼粉に所定量のマグネシウム
出発原料及び鉄出発原料を添加し、粉砕・混合して成形
後、1540〜1640℃で焼結することを特徴とする
ベータアルミナ電解質の製造方法。
域を含む広範囲な温度域での焼成により緻密化して得ら
れる高導電性、高強度のベータアルミナ電解質及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 酸化アルミニウム、酸化ナトリウム及び
酸化マグネシウムよりなるベータアルミナの構成酸化物
に加えて、所定量の酸化鉄を含有してなることを特徴と
するベータアルミナ電解質、及びアルミニウム出発原料
とナトリウム出発原料を混合し、仮焼してベータアルミ
ナの仮焼粉を調製後、該仮焼粉に所定量のマグネシウム
出発原料及び鉄出発原料を添加し、粉砕・混合して成形
後、1540〜1640℃で焼結することを特徴とする
ベータアルミナ電解質の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はナトリウムイオンを
キャリアとして作動するナトリウム−硫黄電池及びナト
リウム−溶融塩電池等の二次電池あるいはアルカリ金属
熱電変換電池等の固体電解質として用いるベータアルミ
ナ電解質及びその製造方法に関する。
キャリアとして作動するナトリウム−硫黄電池及びナト
リウム−溶融塩電池等の二次電池あるいはアルカリ金属
熱電変換電池等の固体電解質として用いるベータアルミ
ナ電解質及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】べータアルミナ電解質は高いナトリウム
イオン導電性を有するために、ナトリウムイオンをキャ
リアとする各種電池の電解質として利用されている。そ
して、この電解質は電池の内部抵抗のかなりの部分を占
めるため、高導電性でかつ高強度を示す緻密焼結体が望
ましく、また、焼結を行う高温時、例えば1700℃で
揮発しやすいナトリウムを含有するために、なるべく低
温で焼結する方が望ましい。また、ベータアルミナには
βアルミナ(理論組成Na2 O・11Al2 O3)及び
β″アルミナ(理論組成Na2 O・5.3Al2 O3 )
という2種類の結晶形が存在し、β″アルミナの方が導
電性が高く電池として高性能を示すため、実用的には
β″アルミナあるいはβ″アルミナとβ″アルミナの混
合物が多用されている。
イオン導電性を有するために、ナトリウムイオンをキャ
リアとする各種電池の電解質として利用されている。そ
して、この電解質は電池の内部抵抗のかなりの部分を占
めるため、高導電性でかつ高強度を示す緻密焼結体が望
ましく、また、焼結を行う高温時、例えば1700℃で
揮発しやすいナトリウムを含有するために、なるべく低
温で焼結する方が望ましい。また、ベータアルミナには
βアルミナ(理論組成Na2 O・11Al2 O3)及び
β″アルミナ(理論組成Na2 O・5.3Al2 O3 )
という2種類の結晶形が存在し、β″アルミナの方が導
電性が高く電池として高性能を示すため、実用的には
β″アルミナあるいはβ″アルミナとβ″アルミナの混
合物が多用されている。
【0003】ベータアルミナの製造コストを下げるため
には焼成温度を下げる必要がある。しかし、焼成温度を
下げると焼結密度が低下し、強度の低下、イオン導電性
の低下などの原因となる。したがって、ベータアルミナ
特性に影響を与えず、低温での焼結を促進させる添加物
(焼結助剤)を見出すことが重要である。低温緻密化あ
るいは最適焼成温度範囲を広くするための方法として、
特開平4−240155号公報にはベータアルミナに酸
化スズを0.01〜1.0重量%添加する例が、また、
特開平4−240156号公報にはベータアルミナに酸
化イットリウムを0.01〜1.0重量%添加する例が
開示されており、いずれも1580〜1640℃で焼成
すると高いイオン伝導度を有したベータアルミナ質焼結
体が得られるとしている。
には焼成温度を下げる必要がある。しかし、焼成温度を
下げると焼結密度が低下し、強度の低下、イオン導電性
の低下などの原因となる。したがって、ベータアルミナ
特性に影響を与えず、低温での焼結を促進させる添加物
(焼結助剤)を見出すことが重要である。低温緻密化あ
るいは最適焼成温度範囲を広くするための方法として、
特開平4−240155号公報にはベータアルミナに酸
化スズを0.01〜1.0重量%添加する例が、また、
特開平4−240156号公報にはベータアルミナに酸
化イットリウムを0.01〜1.0重量%添加する例が
開示されており、いずれも1580〜1640℃で焼成
すると高いイオン伝導度を有したベータアルミナ質焼結
体が得られるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの従来
技術に比較し、更に低温域あるいは低温域を含む広範囲
な温度域での焼成により緻密化して得られる高導電性、
高強度のベータアルミナ電解質及びその製造方法を提供
しようとするものである。
技術に比較し、更に低温域あるいは低温域を含む広範囲
な温度域での焼成により緻密化して得られる高導電性、
高強度のベータアルミナ電解質及びその製造方法を提供
しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は(1)酸化アル
ミニウム、酸化ナトリウム及び酸化マグネシウムよりな
るベータアルミナの構成酸化物に加えて、全体を100
重量部とした場合に0.1〜2重量部の酸化鉄を含有し
てなることを特徴とするベータアルミナ電解質、(2)
アルミニウム出発原料とナトリウム出発原料を混合し、
仮焼してベータアルミナの仮焼粉を調製後、該仮焼粉に
焼結後のベータアルミナ電解質100重量部中の酸化マ
グネシウムが3.5〜4.5重量部、酸化鉄が0.1〜
2重量部となるような割合でマグネシウム出発原料及び
鉄出発原料を添加し、粉砕・混合して成形後、1540
〜1640℃で焼結することを特徴とするベータアルミ
ナ電解質の製造方法、及び(3)前記焼成温度が154
0〜1560℃であることを特徴とする前記(2)のベ
ータアルミナ電解質の製造方法である。
ミニウム、酸化ナトリウム及び酸化マグネシウムよりな
るベータアルミナの構成酸化物に加えて、全体を100
重量部とした場合に0.1〜2重量部の酸化鉄を含有し
てなることを特徴とするベータアルミナ電解質、(2)
アルミニウム出発原料とナトリウム出発原料を混合し、
仮焼してベータアルミナの仮焼粉を調製後、該仮焼粉に
焼結後のベータアルミナ電解質100重量部中の酸化マ
グネシウムが3.5〜4.5重量部、酸化鉄が0.1〜
2重量部となるような割合でマグネシウム出発原料及び
鉄出発原料を添加し、粉砕・混合して成形後、1540
〜1640℃で焼結することを特徴とするベータアルミ
ナ電解質の製造方法、及び(3)前記焼成温度が154
0〜1560℃であることを特徴とする前記(2)のベ
ータアルミナ電解質の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のベータアルミナ電解質
は、例えば次のようにして製造することができる。先ず
アルミニウム出発原料とナトリウム出発原料を混合し、
原料粉末を調製する。アルミニウム出発原料としては酸
化アルミニウムが好ましい。また、ナトリウム出発原料
としては炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどのナトリ
ウム塩類などが使用できる。アルミニウム出発原料とナ
トリウム出発原料との混合比率はAl2 O3 /Na2 O
のモル比に換算して5〜7の範囲となるようにする。
は、例えば次のようにして製造することができる。先ず
アルミニウム出発原料とナトリウム出発原料を混合し、
原料粉末を調製する。アルミニウム出発原料としては酸
化アルミニウムが好ましい。また、ナトリウム出発原料
としては炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどのナトリ
ウム塩類などが使用できる。アルミニウム出発原料とナ
トリウム出発原料との混合比率はAl2 O3 /Na2 O
のモル比に換算して5〜7の範囲となるようにする。
【0007】アルミニウム出発原料とナトリウム出発原
料を混合後、必要により乾燥、粉砕したのち、1200
〜1350℃で仮焼してβ″化率(全結晶相中に占める
β″アルミナの割合)の高い仮焼粉(例えば、高純度の
アルミナと炭酸ナトリウムを使用した場合のβ″化率は
80〜90%)を得る。仮焼温度が1200℃未満では
仮焼粉のβ″化率が低いため焼結体のβ″化率も低くな
り導電性が低下する。また、1350℃を超えるとナト
リウムの飛散に伴いβ″化率が低くなり、更に、仮焼粉
の焼結が進み粉砕が困難もしくは長時間を要するように
なるので好ましくない。
料を混合後、必要により乾燥、粉砕したのち、1200
〜1350℃で仮焼してβ″化率(全結晶相中に占める
β″アルミナの割合)の高い仮焼粉(例えば、高純度の
アルミナと炭酸ナトリウムを使用した場合のβ″化率は
80〜90%)を得る。仮焼温度が1200℃未満では
仮焼粉のβ″化率が低いため焼結体のβ″化率も低くな
り導電性が低下する。また、1350℃を超えるとナト
リウムの飛散に伴いβ″化率が低くなり、更に、仮焼粉
の焼結が進み粉砕が困難もしくは長時間を要するように
なるので好ましくない。
【0008】このようにして得られた仮焼粉は粒成長し
ているため、焼結性を向上させるために粉砕する必要が
ある。この仮焼粉の粉砕の際にマグネシウム出発原料と
鉄出発原料を添加し、粉砕と同時に混合を行う。この粉
砕・混合はマグネシウム出発原料及び鉄出発原料と水を
添加してスラリとし、湿式粉砕・混合とするのが好まし
い。マグネシウム出発原料としては酸化マグネシウム
や、硝酸マグネシウムなどのマグネシウム塩類などが使
用できる。マグネシウム出発原料の添加割合は焼結後の
ベータアルミナ電解質100重量部中の酸化マグネシウ
ムが3.5〜4.5重量部の範囲となるようにする。酸
化マグネシウムの割合が3.5重量部未満では焼結体の
β″化率が低下してイオン導電性が低下し、4.5重量
部を超えると焼結体の密度が低くなり、イオン導電性や
強度の低下を生じるので好ましくない。
ているため、焼結性を向上させるために粉砕する必要が
ある。この仮焼粉の粉砕の際にマグネシウム出発原料と
鉄出発原料を添加し、粉砕と同時に混合を行う。この粉
砕・混合はマグネシウム出発原料及び鉄出発原料と水を
添加してスラリとし、湿式粉砕・混合とするのが好まし
い。マグネシウム出発原料としては酸化マグネシウム
や、硝酸マグネシウムなどのマグネシウム塩類などが使
用できる。マグネシウム出発原料の添加割合は焼結後の
ベータアルミナ電解質100重量部中の酸化マグネシウ
ムが3.5〜4.5重量部の範囲となるようにする。酸
化マグネシウムの割合が3.5重量部未満では焼結体の
β″化率が低下してイオン導電性が低下し、4.5重量
部を超えると焼結体の密度が低くなり、イオン導電性や
強度の低下を生じるので好ましくない。
【0009】鉄出発原料としては酸化鉄や、硝酸鉄など
の鉄塩類などが使用できる。鉄出発原料の添加割合は焼
結後のベータアルミナ電解質100重量部中の酸化鉄が
0.1〜2重量部の範囲となるようにする。酸化鉄の割
合が0.1重量部未満では低温で焼成したときの焼結体
密度が低下してイオン導電性及び強度が低下し、2重量
部を超えるとイオン導電性のない酸化鉄の量が多くなり
すぎ、イオン導電性が低下するので好ましくない。
の鉄塩類などが使用できる。鉄出発原料の添加割合は焼
結後のベータアルミナ電解質100重量部中の酸化鉄が
0.1〜2重量部の範囲となるようにする。酸化鉄の割
合が0.1重量部未満では低温で焼成したときの焼結体
密度が低下してイオン導電性及び強度が低下し、2重量
部を超えるとイオン導電性のない酸化鉄の量が多くなり
すぎ、イオン導電性が低下するので好ましくない。
【0010】前記により仮焼粉にマグネシウム出発原料
及び鉄出発原料を添加して湿式粉砕・混合して得られた
混合物を所定の形状に成形し、1540〜1640℃に
加熱して焼成し、ベータアルミナ焼結体(ベータアルミ
ナ電解質)を得ることができる。前記混合物がスラリの
形で得られた場合には、スプレードライヤにより乾燥、
造粒することによってより成形が容易となる。焼成温度
が1540℃未満では得られる焼結体の相対密度が低
く、導電率及び圧環強度が低下し、1640℃を超える
と粗大粒子が生成し圧環強度が低下する。本発明の場
合、鉄出発原料の添加により、酸化マグネシウム添加ベ
ータアルミナの通常の焼成温度である1600℃前後の
温度に比較して低温の1540〜1560℃で焼成して
も特性の優れたベータアルミナを得ることができる。す
なわち、1540〜1640℃という従来より低温側に
広い温度範囲で焼成しても特性のばらつきは小さく、炉
内温度を均一に保持するのが難しい安価な焼成炉で焼成
しても特性の安定したベータアルミナが得られるという
利点がある。
及び鉄出発原料を添加して湿式粉砕・混合して得られた
混合物を所定の形状に成形し、1540〜1640℃に
加熱して焼成し、ベータアルミナ焼結体(ベータアルミ
ナ電解質)を得ることができる。前記混合物がスラリの
形で得られた場合には、スプレードライヤにより乾燥、
造粒することによってより成形が容易となる。焼成温度
が1540℃未満では得られる焼結体の相対密度が低
く、導電率及び圧環強度が低下し、1640℃を超える
と粗大粒子が生成し圧環強度が低下する。本発明の場
合、鉄出発原料の添加により、酸化マグネシウム添加ベ
ータアルミナの通常の焼成温度である1600℃前後の
温度に比較して低温の1540〜1560℃で焼成して
も特性の優れたベータアルミナを得ることができる。す
なわち、1540〜1640℃という従来より低温側に
広い温度範囲で焼成しても特性のばらつきは小さく、炉
内温度を均一に保持するのが難しい安価な焼成炉で焼成
しても特性の安定したベータアルミナが得られるという
利点がある。
【0011】前記方法によれば、先ずアルミニウム出発
原料とナトリウム出発原料のみを混合して仮焼するた
め、β″化率の高い仮焼粉を得ることができる。この仮
焼粉を粉砕する際にマグネシウム出発原料に加えて焼結
助剤となる鉄出発原料を加えて混合し、成形後に焼成す
ることにより、従来より低い温度範囲を含む広い範囲の
焼成温度でβ″化率が高く高導電性であり、また、緻密
化した微細な組織を持つベータアルミナ焼結体を得るこ
とができる。
原料とナトリウム出発原料のみを混合して仮焼するた
め、β″化率の高い仮焼粉を得ることができる。この仮
焼粉を粉砕する際にマグネシウム出発原料に加えて焼結
助剤となる鉄出発原料を加えて混合し、成形後に焼成す
ることにより、従来より低い温度範囲を含む広い範囲の
焼成温度でβ″化率が高く高導電性であり、また、緻密
化した微細な組織を持つベータアルミナ焼結体を得るこ
とができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 (実施例1)酸化アルミニウムと炭酸ナトリウムをAl
2 O3 /Na2 Oモル比が6となるように秤量し、水と
分散剤を加え、ボールミルで20時間湿式混合した。得
られたスラリをロータリーエバポレータで濃縮後、12
0℃の乾燥器中で1昼夜乾燥させた。この乾燥物を粉砕
し、500μmのふるいを通した後、仮焼した。仮焼は
200℃/時間で昇温後、1250℃で2時間保持し、
200℃/時間で降温することによって行った。
説明する。 (実施例1)酸化アルミニウムと炭酸ナトリウムをAl
2 O3 /Na2 Oモル比が6となるように秤量し、水と
分散剤を加え、ボールミルで20時間湿式混合した。得
られたスラリをロータリーエバポレータで濃縮後、12
0℃の乾燥器中で1昼夜乾燥させた。この乾燥物を粉砕
し、500μmのふるいを通した後、仮焼した。仮焼は
200℃/時間で昇温後、1250℃で2時間保持し、
200℃/時間で降温することによって行った。
【0013】得られた仮焼粉に対し、4重量%相当量の
酸化マグネシウム及び酸化鉄を0.05〜3重量%添加
し、水と分散剤を加えてボールミルで45時間湿式混合
した。このスラリをスプレードライヤにて乾燥、造粒し
た。この造粒粉を用いて、導電率測定用及び圧環強度測
定用の試料を作製した。導電率測定用の試料は4×4×
20mmの金型で一軸成形後、冷間静水圧プレス(CI
P)で1.5t/cm2 の圧力で2分間保持して成形し
た。また、圧環強度測定用の試料は外径20mm、厚さ
1mm、長さ150mmのチューブ状に同条件でCIP
成形した。得られた成形体を5℃/分の昇温速度で昇温
し、1520〜1640℃で30分保持後、5℃/分で
降温してベータアルミナ焼結体を作製した。
酸化マグネシウム及び酸化鉄を0.05〜3重量%添加
し、水と分散剤を加えてボールミルで45時間湿式混合
した。このスラリをスプレードライヤにて乾燥、造粒し
た。この造粒粉を用いて、導電率測定用及び圧環強度測
定用の試料を作製した。導電率測定用の試料は4×4×
20mmの金型で一軸成形後、冷間静水圧プレス(CI
P)で1.5t/cm2 の圧力で2分間保持して成形し
た。また、圧環強度測定用の試料は外径20mm、厚さ
1mm、長さ150mmのチューブ状に同条件でCIP
成形した。得られた成形体を5℃/分の昇温速度で昇温
し、1520〜1640℃で30分保持後、5℃/分で
降温してベータアルミナ焼結体を作製した。
【0014】このようにして作製した試料を用いて導電
率及び圧環強度を測定した。導電率は3×3×15mm
の試験片に白金電極を焼き付けて、交流4端子法で測定
した。測定温度は300℃とした。圧環強度はφ20m
mのチューブ状の焼結体を、長さ10mmに切り出し、
JISのZ2507にしたがって測定した。
率及び圧環強度を測定した。導電率は3×3×15mm
の試験片に白金電極を焼き付けて、交流4端子法で測定
した。測定温度は300℃とした。圧環強度はφ20m
mのチューブ状の焼結体を、長さ10mmに切り出し、
JISのZ2507にしたがって測定した。
【0015】図1に焼成温度と相対密度の関係を示す。
これより、酸化鉄無添加及び添加量が0.05重量%の
ものは焼成温度を1560℃まで下げると相対密度が9
7%未満に低下するが、酸化鉄添加量が0.1重量%以
上のものは焼成温度を1540℃まで下げても相対密度
が97%以上であることが分かる。
これより、酸化鉄無添加及び添加量が0.05重量%の
ものは焼成温度を1560℃まで下げると相対密度が9
7%未満に低下するが、酸化鉄添加量が0.1重量%以
上のものは焼成温度を1540℃まで下げても相対密度
が97%以上であることが分かる。
【0016】図2に焼成温度と導電率の関係を示す。こ
れより、酸化鉄無添加のものは焼成温度が下がるととも
に導電率も低下する。また、酸化鉄添加量3重量%のも
のは焼成温度を下げても導電率の低下はないが、導電率
は0.2S/cm未満の低い値である。これに対し、酸
化鉄添加量が0.1〜2重量%の範囲では焼成温度を1
540℃まで下げても、導電率は0.2S/cm以上の
高い値を保っていることが分かる。
れより、酸化鉄無添加のものは焼成温度が下がるととも
に導電率も低下する。また、酸化鉄添加量3重量%のも
のは焼成温度を下げても導電率の低下はないが、導電率
は0.2S/cm未満の低い値である。これに対し、酸
化鉄添加量が0.1〜2重量%の範囲では焼成温度を1
540℃まで下げても、導電率は0.2S/cm以上の
高い値を保っていることが分かる。
【0017】図3に焼成温度と圧環強度の関係を示す。
これより、酸化鉄無添加のものは焼成温度が下がるとと
もに圧環強度も低下する。また、酸化鉄添加量3重量
%のものは焼成温度を下げても圧環強度の低下はない
が、圧環強度は250MPa未満の低い値である。これ
に対し、酸化鉄添加量が0.1〜2重量%の範囲では焼
成温度を1540℃まで下げても、圧環強度は250M
Pa以上の高い値を保っていることが分かる。これらの
結果から、酸化鉄の含有量を0.1〜2重量%の範囲と
することにより、従来より低温の1540〜1560℃
の温度域を含む1540〜1640℃という広い温度範
囲での焼成で高導電性、高強度のベータアルミナが得ら
れることが分かる。
これより、酸化鉄無添加のものは焼成温度が下がるとと
もに圧環強度も低下する。また、酸化鉄添加量3重量
%のものは焼成温度を下げても圧環強度の低下はない
が、圧環強度は250MPa未満の低い値である。これ
に対し、酸化鉄添加量が0.1〜2重量%の範囲では焼
成温度を1540℃まで下げても、圧環強度は250M
Pa以上の高い値を保っていることが分かる。これらの
結果から、酸化鉄の含有量を0.1〜2重量%の範囲と
することにより、従来より低温の1540〜1560℃
の温度域を含む1540〜1640℃という広い温度範
囲での焼成で高導電性、高強度のベータアルミナが得ら
れることが分かる。
【0018】
【発明の効果】本発明のベータアルミナ電解質は、従来
のものよりも低温域を含む広い温度範囲で焼成でき、し
かも高い相対密度、導電率、圧環強度を有している。ま
た、本発明の方法によれば、低い焼結温度を含む広い温
度範囲で高導電性、高強度のベータアルミナ焼結体を得
ことができるので、焼成温度の低下あるいは安価な焼成
炉の使用によりベータアルミナの製造コストを低減する
ことができる。
のものよりも低温域を含む広い温度範囲で焼成でき、し
かも高い相対密度、導電率、圧環強度を有している。ま
た、本発明の方法によれば、低い焼結温度を含む広い温
度範囲で高導電性、高強度のベータアルミナ焼結体を得
ことができるので、焼成温度の低下あるいは安価な焼成
炉の使用によりベータアルミナの製造コストを低減する
ことができる。
【図1】実施例における焼成温度と相対密度との関係を
示すグラフ。
示すグラフ。
【図2】実施例における焼成温度と導電率との関係を示
すグラフ。
すグラフ。
【図3】実施例における焼成温度と圧環強度との関係を
示すグラフ。
示すグラフ。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸化アルミニウム、酸化ナトリウム及び
酸化マグネシウムよりなるベータアルミナの構成酸化物
に加えて、全体を100重量部とした場合に0.1〜2
重量部の酸化鉄を含有してなることを特徴とするベータ
アルミナ電解質。 - 【請求項2】 アルミニウム出発原料とナトリウム出発
原料を混合し、仮焼してベータアルミナの仮焼粉を調製
後、該仮焼粉に焼結後のベータアルミナ電解質100重
量部中の酸化マグネシウムが3.5〜4.5重量部、酸
化鉄が0.1〜2重量部となるような割合でマグネシウ
ム出発原料及び鉄出発原料を添加し、粉砕・混合して成
形後、1540〜1640℃で焼成することを特徴とす
るベータアルミナ電解質の製造方法。 - 【請求項3】 前記焼成する温度が1540〜1560
℃であることを特徴とする請求項2に記載のベータアル
ミナ電解質の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9318182A JPH11154414A (ja) | 1997-11-19 | 1997-11-19 | ベータアルミナ電解質及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9318182A JPH11154414A (ja) | 1997-11-19 | 1997-11-19 | ベータアルミナ電解質及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11154414A true JPH11154414A (ja) | 1999-06-08 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013129211A1 (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-06 | 旭硝子株式会社 | ベータアルミナ質焼結体とその製造方法 |
JP2017037769A (ja) * | 2015-08-10 | 2017-02-16 | 日本電気硝子株式会社 | 固体電解質シート及びその製造方法、並びにナトリウムイオン全固体二次電池 |
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-
1997
- 1997-11-19 JP JP9318182A patent/JPH11154414A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9735446B2 (en) | 2012-02-29 | 2017-08-15 | Asahi Glass Company, Limited | Beta-alumina-based sintered compact and its production method |
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