JPH05844A - 耐熱導電性焼結体 - Google Patents

耐熱導電性焼結体

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JPH05844A
JPH05844A JP3245299A JP24529991A JPH05844A JP H05844 A JPH05844 A JP H05844A JP 3245299 A JP3245299 A JP 3245299A JP 24529991 A JP24529991 A JP 24529991A JP H05844 A JPH05844 A JP H05844A
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JP
Japan
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sintered body
conductivity
atmosphere
temperature
hours
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JP3245299A
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Inventor
Toshifumi Hirayama
俊史 平山
Masanori Nakatani
正則 中谷
Toshio Kawanami
利夫 河波
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Nikkato Corp
Original Assignee
Nikkato Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温においても機械的特性および熱安定性に
優れ、且つ高温度での水蒸気の存在下にも耐久性に優れ
た緻密な導電性材料を提供することを主な目的とする。 【構成】 (1)R1−xCrO (ただし、Rは、ランタニド元素の少なくとも一種;A
は、CaおよびSrの少なくとも一種;0.05≦x≦
0.50)なる組成を有するペロブスカイト型構造の焼
結体であり、(2)焼結体のかさ密度が6.0g/cm
以上であり、(3)大気中1000℃における導電率
が5S/cm以上であり、(4)焼結体の平均結晶粒径
が5〜60μmであり、(5)水蒸気5%を含む100
0℃の雰囲気下で100時間保持した後にも形状的にも
導電性においても安定であることを特徴とする耐熱導電
性焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱体、電極、燃料電
池などの材料として有用な耐熱導電性焼結体に関する。
【0002】
【従来技術】式:RCrO(Rは、ランタニド;以下
同じ)で表される焼結体のRの一部をCaまたはSrで
固溶置換したR(Ca,Sr)CrO、特にLa(C
a,Sr)CrOは、ペロブスカイト型の結晶構造を
有する高融点の耐熱性導電性酸化物として知られてい
る。しかしながら、この材料は、難焼結材料であるた
め、緻密な焼結体が得られ難い。緻密な焼結体が得られ
たとしても、この材料は、高温において応力がかかった
場合の機械的特性に劣り、また経時的な熱安定性に欠け
るという欠点があり、特に水蒸気分圧がある雰囲気中で
は導電性および機械的特性が著しく低下する点で、実用
的材料とはいい難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温におい
ても機械的特性および熱安定性に優れ、且つ高温度での
水蒸気の存在下にも耐久性に優れた緻密な導電性材料を
提供することを主な目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の問題点に留意しつつ研究を重ねた結果、高温
でのR(Ca,Sr)CrO焼結体の機械的特性を改
善するためには、単にその密度を高めるだけではなく焼
結体の平均結晶粒径を特定範囲に制御する必要があるこ
とを見出した。また、上記焼結体の経時的な熱安定性の
低下、特に水蒸気存在下での導電性および機械的特性の
劣化原因は、主に、上記の密度と平均結晶粒径とが特定
範囲に制御されていないことに加えて、焼結体の結晶粒
界、気孔表面などの微小部分における元素の不均一分布
によることをも見出した。
【0005】すなわち、本発明は、下記の耐熱導電性焼
結体を提供するものである: 「(1)R1−xCrO (ただし、Rは、ランタニド元素の少なくとも一種;A
は、CaおよびSrの少なくとも一種;0.05≦x≦
0.50)なる組成を有するペロブスカイト型構造の焼
結体であり、(2)焼結体のかさ密度が6.0g/cm
以上であり、(3)大気中1000℃における導電率
が5S/cm以上であり、(4)焼結体の平均結晶粒径
が5〜60μmであり、(5)水蒸気5%を含む100
0℃の雰囲気下で100時間保持した後にも形状的にも
導電性においても安定であることを特徴とする耐熱導電
性焼結体。
【0006】本発明による耐熱導電性焼結体は、下記の
(1)〜(5)の性質により特徴付けられる。
【0007】(1)R1−xCrO(ただし、R
は、ランタニド元素の少なくとも一種;Aは、Caおよ
びSrの少なくとも一種;0.05≦x≦0.50)で
表される。ランタニド元素とは、原子番号57のランタ
ンから71のルテチウムにいたる15の元素を意味す
る。ランタニド元素は、単独で使用しても良く、或いは
2種以上を併用しても良い。ランタニド元素としては、
La、NdおよびPrがより好ましく、特にLa単独使
用またはLaと他のランタニド元素との混合使用がさら
に好ましい。ランタニド元素として、La、Ndまたは
Prを使用する場合には、特に焼結体の導電性が改善さ
れ、且つ耐熱性も向上する。その反面、これらの元素を
使用する場合には、高密度の焼結体を得るためには、高
温度での焼成が必要となるので、焼成温度の低下を目的
とする場合には、その一部(10〜30モル%程度)を
他のランタニド元素で置換することが好ましい。本発明
耐熱導電性焼結体では、RCrOを基本組成とするペ
ロブスカイト型の酸化物において、Rの一部(0.05
〜0.50モル)をCaおよびSr(以下この両者を総
括して単にAということがある)の少なくとも一種によ
り置換固溶することを必須とする。
【0008】三価のRを二価のAで置換する場合には、
これによって生ずる陽イオンの電荷の不足を三価Crの
一部が四価Crへ変わることにより、補う構造となる。
その結果、Crの三価と四価のホッピング電導が寄与し
て、導電性が大幅に向上する。AによるRの置換量が5
モル%未満の場合には、導電性の改善が十分に行われ
ず、焼結性も低下して、焼結体のかさ密度が低くなり易
い。これに対し、AによるRの置換量が50モル%を上
回る場合には、導電性の一層の改善が認められないのみ
ならず、むしろ焼結体の熱安定性が低下する。Aによる
Rの置換量は、10〜40モル%とすることがより好ま
しい。
【0009】(2)本発明においては、焼結体のかさ密
度を6.0g/cm以上とする。かさ密度が6.0g
/cmを下回る場合には、焼結体の結晶粒子内および
粒界に存在する気孔が多くなり、導電面積の減少による
導電性の低下をもたらすとともに、気密性の低下、熱安
定性の低下および機械的特性の低下を伴う。かさ密度
は、6.1g/cm以上であることがより好ましく、
ガスに対する気密性を維持するためいには、6.2
g/cm以上であることがさらに好ましい。また、焼
結体の室温での曲げ強度は、10kgf/mm以上で
あることが望ましい。
【0010】(3)本発明焼結体においては、大気中1
000℃での導電率が5S/cm以上であることを必要
とする。上記条件下での導電率が5S/cm未満である
場合には、本発明焼結体の利用分野である発熱体、電
極、燃料電池のセパレーターなどとしての導電性が不十
分となり、不適である。大気中1000℃での導電率
は、10S/cm以上であることがより好ましい。本発
明焼結体の導電性は、Rの20〜40モル%をAで置換
した場合に最も高くなり、30S/cm以上にも達す
る。この場合、Aとしては、Srの方がCaよりも好ま
しい。導電性および耐久性の向上の観点からは、アルカ
リ金属酸化物およびSiOの含有量は、それぞれ0.
2%以下であることが好ましい。
【0011】(4)本発明焼結体における平均結晶粒径
は、5〜60μmとする。焼結体の平均結晶粒径が4μ
m未満である場合には、高温で応力がかかった際の機械
的特性、特に強度および耐クリープ性が低下して高温で
の使用時の耐久性が不十分となり、また高温で水蒸気が
存在する雰囲気下で使用する際の安定性および耐久性が
劣化する。さらに、本発明焼結体を平板型燃料電池のセ
パレーターとして使用する場合に、焼結体と接触するラ
ンタンマンガネート系酸化物、ニッケルサーメットなど
との反応が生じやすい。一方、焼結体の平均結晶粒径が
60μmを上回る場合には、耐クリープ性は良好となる
が機械的特性が低下するため、好ましくない。さらに、
結晶粒径が大きい場合には、結晶粒成長過程において、
粒界に空孔が生じて、水蒸気分圧のある雰囲気中での耐
久性に劣るようになり、好ましくない。本発明焼結体に
おける平均結晶粒径は、8〜50μm程度とすることが
好ましい。
【0012】(5)水蒸気5%を含む1000℃の雰囲
気下で100時間保持した後にも形状的にも導電性にお
いても安定している。ここに、“安定性に優れている”
とは、本発明による焼結体を水蒸気5%を含む1000
℃の雰囲気下で100時間保持した後、80〜100℃
で相対湿度80%以上の雰囲気に10日間放置した後に
も、寸法変化と導電性の低下とが実質的に認められない
ことを意味する。この様な安定性は、焼結体を粉末にし
て200〜1000℃の示差熱分析においてシャープな
吸熱反応のないことから、判断される。R1−x
rOで示される焼結体を発熱体、電極、燃料電池セパ
レーターなどとして使用する場合には、長期間の耐久性
が必要である。「水蒸気5%を含む1000℃の雰囲気
下で100時間保持した後にも形状的にも導電性におい
ても安定している」という条件を充足する場合には、こ
の様な用途に使用することができる。この様な安定性
は、上記の(2)および(4)の要件と併せて、特に焼
結体の微小部分で、特に焼結体の結晶粒界、気孔表面な
どの微小部分で元素の分布が不均一となっていないこと
により、達成される。さらに、アルカリ金属酸化物およ
びSiOの含有量をそれぞれ0.2%以下とすること
も、安定性の向上に好都合である。
【0013】本発明による焼結体は、通常以下のように
して製造される。まず、焼結体製作時の各成分の割合が
所定範囲内となる様にR源、A源およびCr源となる各
原料を配合し、混合粉砕して、均一な粉末混合物を得
る。R源、A源およびCr源となる原料としては、酸化
物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、塩化物、しゅ
う酸塩などの化合物の形態のものが使用される。粉末の
粒度は、特に限定されるものではないが、5μm以下程
度とすることが好ましい。一般に、合成過程などにおい
て、Crが容器などに拡散しやすいので、Cr源を若干
多く混合しておくことが好ましい。この点については、
焼結温度および時間などを考慮して適宜定めれば良い
が、例えば、最終的な焼結体組成よりは、Cr源を0.
2重量%程度(Crとして)多く配合しておくこ
とが好ましい。混合は、粉末の湿式混合および乾式混合
のいずれにより行なっても良く、或いは各原料の水溶液
を混合して行なっても良い。
【0014】次いで、上記で得られた粉末混合物をその
主成分(好ましくは70%以上)がR(Ca,Sr)C
rOのペロブスカイト型構造となる温度以上で熱処理
し、合成粉末とする。この熱処理温度は、粉末混合物を
構成する各原料化合物の種類、粒度、混合方法などによ
り変わり得るが、通常700〜1400℃程度の範囲内
にあり、より好ましくは900〜1300℃の範囲内に
ある。熱処理温度が低すぎる場合には、後述の焼結時の
収縮が大きくなって、焼成歪みを生じするので、好まし
くない。一方、熱処理温度が高すぎる場合には、合成粉
末の結晶粒径が大きくなり過ぎて、焼結性を低下させる
ので、やはり好ましくない。熱処理時間は、熱処理温度
とも関係するが、通常0.5〜3時間程度である。
【0015】次いで、上記で得られた合成粉末を分散乃
至微粉砕する。この分散乃至微粉砕は、水或いはアルコ
ールなどの有機溶媒の存在下に行なうことが好ましい。
分散乃至微粉砕は、得られる粉末の平均粒径が2μm以
下で且つ比表面積が2cm/g以上、より好ましくは
平均粒径が1μm以下で且つ比表面積が4cm/g以
上となる程度まで行なうことが好ましい。この分散乃至
微粉砕により、焼結体中の組成の偏析が防止される。
【0016】次いで、所定の粒度に分散乃至粉砕された
粉末をセラミックスの成形における常法に従って、即
ち、CIP、機械プレス、鋳込み、射出、押出し、テー
プ成形などの方法により、所定の形状に成形する。この
際、アクリル系などの公知の成形助剤などの添加剤を併
用しても良いことは言うまでもない。次いで、得られた
成形体を焼成する。焼成時の雰囲気は、減圧、常圧およ
び加圧のいずれであっても良い。焼成温度は、通常15
00〜1900℃程度の範囲内にあり、1600〜18
00℃程度とすることがより好ましい。加圧焼結を行な
う場合には、より低温で焼結体を緻密化させることがで
きる。Caおよび/またはSr成分が少ない場合には、
焼成温度を高める必要がある。低酸素分圧条件下に焼成
した焼結体は、導電性が低下している。したがって、こ
の場合には、酸化物焼結体を大気中1000℃以上の温
度で熱処理することにより、その導電性を向上させるこ
とが好ましい。この熱処理は、必ずしも前記焼結処理に
引続いて行なう必要はなく、上記の条件を充足する限
り、焼結体の使用過程において行なっても良い。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。 (1)R(Ca,Sr)CrO焼結体の耐熱性、導電
性および密度を従来技術では達成できなかった程度まで
高めることができる。 (2)特に熱安定性に優れ、且つ水蒸気が存在する高温
雰囲気での長期間の耐久性にも優れたLa(Ca,S
r)CrO焼結体が得られる。 (3)本発明による焼結体は、高温でも機械的特性に優
れているので、例えば発熱体、固体燃料電池のセパレー
ターやインターコネクターなどとして使用する場合に、
変形、破壊などを生じ難く、これらの信頼性を高める。 (4)水蒸気が存在する酸化性或いは還元性雰囲気にお
いても、気密性を保持し且つ高導電性を長期間維持でき
るので、発熱体、固体燃料電池のセパレーターやインタ
ーコネクターなどの実用材料として有用である。
【0018】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
【0019】実施例1 La、CrおよびSrCOの各原料粉末
をLa0.7Sr0.3CrO組成となる様に配合
し、水の存在下に湿式で混合・分散を行なった後乾燥
し、1200℃で2時間熱処理を行なって、95%以上
がペロブスカイト型構造に合成された粉末を得た。得ら
れた合成粉末を媒体攪拌ミルによりアルミナ製のメディ
アを用いてアルコールの存在下に12時間湿式粉砕し、
平均粒径0.6μmの粉末を得た。次いで、これにアク
リル系成形助剤を加えた後、スプレードライヤーにて成
形用の顆粒粉体(平均粒径60μm)を調製した。この
顆粒粉体を成形圧力3ton/cmでCIP成形し
て、50mm×50mm×5mmの成形体を得た後、大
気中1750℃で4時間焼成した。得られた焼結体をダ
イアモンドと石により研削加工して表面を仕上げたもの
は、下記の特性を有していた。 かさ密度=6.3g/cm 平均結晶粒径=16μm 導電率=50s/cm(1000℃、大気中) 導電率=5s/cm(H中) JIS三点曲げ強度=6.5kgf/mm(1000
℃) さらに、上記の焼結体を水蒸気5%を含む1000℃の
雰囲気中で100時間保持し、相対湿度90%、温度8
5℃の条件下に10日間放置した後、放冷し、室温で寸
法変化と1000℃での導電率とを測定した結果、両者
とも熱処理前の値と変わらなかった。
【0020】実施例2 La1−xSrCrOで示される組成の焼結体のx
の値と焼成条件とを第1表に示す様に種々変えた以外は
実施例1と同様にして、焼結体を製造した。但し、2−
a、2−bおよび2−cは、さらに大気中1300℃で
2時間熱処理した。得られた焼結体の特性を第1表に示
す。 第1表に示す結果から明らかな様に、0.05≦x0.
50の範囲内にある本発明焼結体(2−b〜2−d)
は、密度が高く、機械的特性に優れ、高導電性を具備し
ている。次に、上記の焼結体を水蒸気5%を含む100
0℃の雰囲気中で100時間保持し、相対湿度90%、
温度85℃の条件下に10日間放置した後、放冷し、室
温で寸法変化と1000℃での導電率とを測定した。本
発明焼結体(2−b〜2−d)では、熱処理前の値と変
わらなかった。これに対し、xの量が0.55である比
較焼結体2−eでは、同様の処理後の1000℃での導
電率は、12S/cmにまで大幅に低下していた。
【0021】実施例3 La、Cr、CaCOおよびSrCO
の各原料粉末をLa1−x−yCaSrCrO
成となる様に配合し(但しxおよびyの値ならびに焼成
条件は第2表に示す通り)、それ以外は実施例1と同様
にして焼結体を製造した。但し、試料3−bのみは、焼
成後大気中1300℃で2時間熱処理した。第3表に焼
結体の特性を示す。 第2表および第3表に示す結果から明らかな様に、Ca
とSrとを併用する場合にも、本発明焼結体は、かさ密
度が高く、高導電性を具備している。次に、上記の焼結
体を水蒸気5%を含む1000℃の雰囲気中で100時
間保持し、相対湿度90%、温度85℃の条件下に10
日間放置した後、放冷し、室温で寸法変化と1000℃
での導電率とを測定したところ、両者とも熱処理前の値
と変わらなかった。
【0022】比較例1 La1−xSrCrOで示される組成の焼結体のx
の値と焼成条件とを第4表に示す様に種々変えた以外は
実施例1と同様にして、焼結体を製造した。なお、試料
cのみは、焼結体をさらに大気中1300℃で2時間熱
処理した。得られた焼結体の特性を第5表に示す。 これら焼結体の1000℃におけるJIS三点曲げ強度
は、それぞれ試料a=1.2kgf/mm、試料b=
4.0kgf/mmおよび試料c=3.0kgf/m
であった。これらの値は、実施例1焼結体の6.5
kgf/mmに比して、著しく劣っている。また、試
料aは、かさ密度が低いため、通気性があり、実用的材
料として不適であった。次に、上記の焼結体を水蒸気5
%を含む1000℃の雰囲気中で100時間保持し、相
対湿度90%、温度85℃の条件下に10日間放置した
後、放冷したところ、試料aは崩壊しており、導電率の
測定は不可能であった。また、試料bは、熱処理前に比
して、1.5%膨脹しており、導電率も6S/cmにま
で低下していた。 比較例2 媒体攪拌ミルの媒体としてガラスビーズを使用して、1
2時間湿式粉砕し、合成粉末の平均粒径を1.0μmと
する以外は実施例1と同様にして焼結体を作成し、その
特性を測定した。得られた焼結体のかさ密度は6.4g
/cm、平均結晶粒径は45μm、1000℃の大気
中における導電率は3S/cmであった。さらに、この
焼結体を水蒸気5%を含む1000℃の雰囲気中で10
0時間保持し、相対湿度90%、温度85℃の条件下に
10日間放置した後、放冷したところ、焼結体は崩壊し
ており、導電率の測定は不可能であった。また、焼結体
を化学分析に供したところ、SiOおよびNaOが
それぞれ0.3%および0.1%含まれていた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(1)R1−xCrO(ただし、R
    は、ランタニド元素の少なくとも一種;Aは、Caおよ
    びSrの少なくとも一種;0.05≦x≦0.50)な
    る組成を有するペロブスカイト型構造の焼結体であり、
    (2)焼結体のかさ密度が6.0g/cm以上であ
    り、(3)大気中1000℃における導電率が5S/c
    m以上であり、(4)焼結体の平均結晶粒径が5〜60
    μmであり、(5)水蒸気5%を含む1000℃の雰囲
    気下で100時間保持した後にも形状的にも導電性にお
    いても安定であることを特徴とする耐熱導電性焼結体。 【0001】
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