JPH07149522A - ジルコニア電解質粉体及びその製造方法 - Google Patents

ジルコニア電解質粉体及びその製造方法

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JPH07149522A
JPH07149522A JP5323374A JP32337493A JPH07149522A JP H07149522 A JPH07149522 A JP H07149522A JP 5323374 A JP5323374 A JP 5323374A JP 32337493 A JP32337493 A JP 32337493A JP H07149522 A JPH07149522 A JP H07149522A
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zirconia
alumina
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powder
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JP5323374A
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Masashi Mori
昌史 森
Hibiki Ito
響 伊藤
Toshio Abe
俊夫 阿部
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 緻密焼結温度の低いジルコニア電解質粉体を
低コストにて製造できるようにする。 【構成】 導電率向上用のドーパントを添加し且つナト
リウムあるいはナトリウム系化合物の含有量が2重量%
以下となるまで精製されたジルコニア電解質粉体に、5
重量%以下の高純度アルミナ粉体を機械的手法あるいは
化学的手法により分散させるようにしている。このジル
コニア電解質粉体を固体電解質燃料電池の電解質1とし
て用い、この電解質1と空気極3と燃料極2とを積層し
たものを焼結する共焼結法に用いると、緻密焼結の温度
を低下できるので、信頼性の高い単セル4を低コストに
て製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電率向上用のドーパ
ントを添加して電解質として用いられるジルコニア電解
質粉体及びその製造方法に関する。更に詳述すると、本
発明は、特に、共焼結法による固体電解質燃料電池の電
解質膜の形成に好適なジルコニア粉体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ジルコニア電解質粉体、例えば8〜10
モル%のイットリア(Y2 3 )を添加され結晶構造が
安定化または部分安定化されたジルコニア(ZrO2
は、高温でも電子導電性がほとんどなく、高い酸素イオ
ン(O2-)導電性を持ち、高温での酸化・還元雰囲気中
でも化学的に極めて安定である。そのため、その緻密な
焼結体は、固体電解質燃料電池あるいは酸素センサの電
解質として用いられている。
【0003】このようなジルコニアを固体電解質燃料電
池などの電解質に用いる場合に限らず、一般に、セラミ
ックスを緻密に焼結する温度が低いほど、生産時に必要
なエネルギも少なく、大量生産にも適している。そのた
め、低温(約1300℃)で焼結するジルコニア粉体
は、既に開発され、市販されている。しかしながら、こ
のジルコニア粉体は、高純度で、かつ粒径が極めて小さ
いので、製造工程が複雑になり、製造コストも必然的に
高くなっている。
【0004】一方、図1に示すような平板型固体電解質
燃料電池の電解質にジルコニアを用いる場合には、一般
に図2に示すようなプロセスで単セルが作製されてい
る。
【0005】まず、ジルコニア粉体に有機溶剤や添加剤
などを加えて、スラリー状にする。そして、ドクターブ
レード(テープキャスティング法の一種)法などを用
い、300μm以下の薄い平板(グリーンシート)に加
工する必要がある。このように平板加工されるのは、ジ
ルコニアは、固体電解質燃料電池の電解質として用いる
には、その導電率が充分高くないからである。その後、
グリーンシートをゆっくり熱処理して脱脂、高温焼成な
どすることにより、真平でかつ緻密な電解質1を得る。
そして、最初にスラリーコーティング法などによりこの
電解質1の板上に燃料極2を成膜し、1400℃、2時
間程度の焼成条件で焼き付ける。その後、再び、スラリ
ーコーティングなどにより空気極3を燃料極2と反対側
に成膜し、1200℃、4時間程度の焼成条件で焼成し
て単セル4を得る。このようにして得られた単セル4の
性能は、電極特性の劣化を最小限にとどめることができ
るため、極めて優れている。しかしながら、この製造方
法では、電極2,3の焼き付け工程時に、焼成していな
い電極2,3が熱収縮し、焼成している電解質1が熱膨
張するので、単セル4が大型化すると、電解質1の板に
熱応力が発生し、電解質1に反り、あるいは割れが発生
する。このような電解質1に発生する反り、割れをでき
る限り少なくするためには、電極2,3を極めて薄く成
膜する必要があり、電極2,3の厚さが4μm程度以下
にした場合には反りが少ない単セル4を製造することが
できる。尚、セパレータ5は燃料極3と同様の素材から
なる。また、セパレータ6は空気極2と同様の素材から
形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
薄い電極2,3にした単セル4は、発生した電気が集電
極に到達するまでの電気抵抗が極めて大きいため(つま
り、発電した電子は薄い電極2,3を通って集電される
ので、集電経路部分の比抵抗が高い)、集電極付近でし
か発電していない計算になり、電圧を高めるために積層
してスタックを製造した場合、図3に示すようにスタッ
クは単セルと同等の発電性能を示さない。即ち、単セル
の発電量(電流量)とガス供給量とを一定とすると、電
極の厚さが大きいほど、反応領域は広くなる。そのた
め、厚い電極を持つ高性能な単セルを製造する方法は、
高性能スタックを得るために極めて重要である。
【0007】そこで、図4に示すように、ドクターブレ
ード法などの湿式法によって成形された電解質材、空気
極材、燃料極材のテープを、グリーン(未焼成)の状態
で接着することで一枚のテープとし、このテープから一
回の焼成工程により単セルを製造する共焼結法、言い換
えれば、燃料極材/電解質材/空気極材からなるマルチ
テープを一度に焼成させ、製造する同時焼結法が考案さ
れている。この共焼結法を用いれば、3層は焼成工程で
同時に収縮するので、熱応力が発生することがなく、膜
厚の厚い電極持つ高性能の固体電解質燃料電池の単セル
を低コストにて作製することができると考えられる。
【0008】しかしながら、この共焼結法により固体電
解質燃料電池の単セルを製造する場合、高い製造温度
(長時間の1400℃以上)条件で焼成すると空気極で
あるランタンマンガナイトの触媒活性(O2 を2O2-
する能力)が喪失してしまったり、ランタンマンガナイ
ト((La,Sr)MnO3 )の空気極とジルコニア電
解質との界面に10-3S/cm以下の低い導電率を持つ
ランタンジルコネート(La2 Zr2 7 )、ストロン
チウムジルコネート(SrZrO3 )の層が生成し、単
セルの発電特性を大きく低下させる、電解質、空気
極、燃料極の3層を焼成する工程において各温度での熱
収縮率を同じにする必要がある、熱膨張係数を一致さ
せる必要があるなどの多くの問題を解決する必要があ
る。
【0009】そこで、(1)焼結助剤としてアルミナ
(Al2 3 )やシリカ(SiO2 )などの2次成分を
用いてジルコニアが緻密に焼結する温度を下げる、
(2)より細かいジルコニア粒子(例えば一次粒子径が
200〜500オングストローム(0.02〜0.05
μm)の粒子)を合成することにより緻密焼結温度を低
下させる(細かい粒子は、低い緻密焼結温度を持つ)、
(3)焼結性に影響する不純物を取り除き、高純度化を
図るなどの課題を解決する試みがなされた。
【0010】このような背景の中で、(2)に対応する
ものとして、現在、緻密に焼結する温度が最も低いジル
コニア粉体は、例えば株式会社東ソー製のイットリア安
定化ジルコニア(商品名:TZ−3Y、TZ−8Y、平
均の一次粒子径250オングストローム(0.025μ
m))であり、1300℃〜1400℃の温度で5時間
程度保持することで緻密に焼結する。しかしながら、こ
の粉体は、粒子が細かすぎるため、ドクターブレード法
によって成形されたグリーンシート成膜時の充填率が低
く、その乾燥工程におけるグリーンシート中の上下の熱
収縮の違いや焼成工程中のわずかな温度差により、未焼
成のグリーンシートが反ったり、焼成後のセラミックス
シートに反りが生じたりする。これによって、例えば固
体電解質燃料電池の製品歩留まりの低下や発電性能の低
下を引き起こし、ひいては固体電解質燃料電池の実用化
に最も大きな因子となる信頼性を欠くことになり、実用
化を著しく阻害する欠点がある。
【0011】また、(3)に対応するものとして、ジル
コニア中の酸素イオン電導をより活発にできれば、他の
機器の応用範囲が広まるため、ジルコニアから酸素イオ
ン電導を阻害する2次成分(不純物)などを徹底的に取
り除く技術が研究され、開発されている。
【0012】ジルコニアの工業原料としては、主に天然
鉱物であるジルコンサンドとバテライトとがある。通常
産出するジルコンサンドとバテライトとの化学分析例を
表1に示す。
【表1】
【0013】現在、工業的に用いられているのは、精製
の容易なジルコンサンドがほとんどである。ジルコンサ
ンドは、漂砂鉱床としてオーストラリア、インド、南ア
フリカなど世界各地から採掘されている。
【0014】このジルコンサンドからジルコニアのみを
分離するのに、現在、乾式法あるいは湿式法の2通りの
方法が用いられている。例えば、現在主流である湿式法
について説明すると、図5に示すようなプロセスにな
る。ジルコンサンドをアルカリ溶融し、水洗いによって
SiO2 を可溶分として除去する。そして、残った沈澱
を塩酸溶解し、SiO2 をさらにスラリーとして除去す
る。この時点でジルコニウムはZrOCl(オキシ塩化
ジルコニウム)となっているので、この酸性の液にアル
カリを添加し、中和する。その後、発現する沈澱を濾
過、水洗いし、焼成して高純度ジルコニアを得るという
方法である。
【0015】また、例えば、イットリア安定化ジルコニ
アを共沈法にて合成する場合の一例を紹介する。図6に
示す方法では、オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl)
と塩化イットリウム(YCl3 )を用い、水溶液中で溶
解することにより均一に混合する。この溶液にアンモニ
ア水を滴下して、共沈させ、塩化イオン(Cl- )のな
くなるまで蒸留水で洗浄する。この水酸化物を120℃
でそのまま乾燥させたり、あるいはエチルアルコール
(C2 5 OH)で洗浄してから120℃で乾燥したり
した後、500〜1000℃で30分仮焼することによ
って高純度のイットリア安定化ジルコニア粉体を得るこ
とができる。
【0016】この粉末合成法により合成されたジルコニ
アは、粒径が極めて小さいため、低い温度(1300
〜1400℃)で緻密に焼結させることができる、不
純物が極めて少ないので、高い導電率を持つなどの優れ
た特長を有する。
【0017】しかしながら、このように不純物を徹底的
に取り除くような複雑な粉体製造工程は、ジルコニアの
製造コストを極めて高いものにしてしまう欠点がある。
【0018】ジルコニアを電解質として応用可能するも
のの中の一つに、固体電解質燃料電池がある。中でも、
平板型固体電解質燃料電池の電解質板の製造は、例え
ば、イットリア安定化ジルコニア粉体のまま用いる(円
筒型の固体電解質燃料電池に関しては、塩化物(ZrC
4 とYCl3 )を原料として用いている)。しかしなが
ら、現在のジルコニア電解質の原料費では高すぎて、固
体電解質燃料電池の製造コストを実用可能な価格にする
ことができない。
【0019】本発明は、導電性向上用のドーパントを添
加したジルコニア電解質粉体を低コストにて製造できる
方法及びそれにより得られたジルコニア電解質粉体並び
にその粉体により得られたセラミックス及び固体電解質
燃料電池の単セルを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明のジルコニア電解質粉体は、導電率向上用の
ドーパントを添加し且つナトリウムあるいはナトリウム
系化合物の含有量が2重量%以下であるジルコニア電解
質粉体に、5重量%以下の高純度アルミナ粉体を分散さ
せるようにしている。また、本発明のジルコニア電解質
粉体の製造方法は、導電率向上用のドーパントを添加し
且つナトリウムあるいはナトリウム系化合物の含有量が
2重量%以下となるまで精製されたジルコニア電解質粉
体に、5重量%以下の高純度アルミナ粉体を機械的手法
により分散させるか、あるいはアルミナが5重量%以下
の組成となるように化学的手法により分散させるように
している。
【0021】ここで、導電率向上用のドーパントとして
は、イットリアに特に限定されずカルシア等のその他適
宜のものを採用できる。
【0022】また、ジルコニア中の不純物は、純水洗浄
などにより徹底的に不純物を取り除く処理が施されてい
る必要はなく、通常市販されているものと同程度の安価
なものでよい。即ち、酸化ナトリウムあるいはナトリウ
ムを含んだ種々の化合物(例えば、Na2 ZrO3 、N
aAlO2 など)は2重量%以下であれば問題はない。
【0023】また、アルミナ添加量が5重量%以下を超
えると焼結性及び導電性が共に低下し、かえって電解質
としての実用性に支障を生ずるからである。アルミナが
過剰になると、アルミナ粒子とジルコニア粒子との熱膨
張係数が若干異なるため、焼成時に熱応力が働き、焼結
体にマイクロクラックを発生させ、焼結を妨げる。ま
た、アルミナの添加量を必要以上に増加すると、アルミ
ナは絶縁体であるので、粒界での酸素イオンの移動を妨
害するようになり、導電率を低くする。
【0024】また、ナトリウムあるいはナトリウム系化
合物の含有量が2重量%を越えると、アルミナによる焼
結性及び導電性を低下させる効果が得られなくなるから
である。各種不純物の中でもナトリウムあるいはナトリ
ウム系化合物は、ジルコニア粉体の焼結を大きく阻害し
ている。
【0025】また、本発明の製造方法は、各種ドーパン
トを含んだ安定化ジルコニアを合成する共沈法、水熱合
成法などの種々の粉体製造方法に応用できる。
【0026】
【作用】ジルコニア粒子間に形成されたSiO 2−Al
2 3 −Na2 O層、特にNa2 Oは、ジルコニア粒子
相互の固相拡散を妨げ、緻密焼結に要する温度を上昇さ
せる、焼結性を低下させている。添加したアルミナ(A
2 3 )粒子は、SiO2 やNa2 Oと非常に反応性
が良いので、このSiO2 −Al2 3 −Na2O層と
反応して吸収し、ジルコニア粒子相互の固相拡散を促進
し、緻密焼結に要する温度を低下させている。
【0027】また、添加したアルミナ(Al2 3 )粒
子は、ジルコニアの粒界に存在するSiO2 等のガラス
層を吸収して、ジルコニアの導電性を向上させる。
【0028】次に、8モル%イットリア安定化ジルコニ
ア粉体を例にあげて本発明を説明する。
【0029】導電率向上用ドーパントを添加したジルコ
ニアにアルミナが添加量xを0<x≦5重量%の範囲で
添加されたものの導電率は、図7に示すようにアルミナ
を添加しない場合の導電率とほぼ同等か、あるいは添加
量によっては特異的に向上する。尚、図7の導電率は、
8モル%イットリア安定化ジルコニアにアルミナを添加
したときの値で、固体電解質燃料電池の作動温度である
1000℃の値である。しかしながら、アルミナは電気
を通さない絶縁材料であるため、あまり多く添加すると
ジルコニア中の酸素イオン導電を妨げることになり、ジ
ルコニア本来の導電率を低下させることになる。例え
ば、8モル%イットリア安定化ジルコニアの場合、10
重量%のアルミナを添加したジルコニアの導電率は急激
に低下している。これは、5重量%よりも多くのアルミ
ナを加えると、ジルコニアの導電率が低くなり、固体電
解質燃料電池の電解質として適さなくなるということで
ある。
【0030】反面、アルミナを全く添加しない場合のジ
ルコニアの導電率が最も高いはずであるが、本測定結果
によるとアルミナを添加しないとき(0%重量アルミ
ナ)の導電率は、アルミナを1重量%添加したときより
も導電率が低いことが分かった。
【0031】更に、図8に示すように、0<x≦5の組
成領域では、この微少量アルミナを添加したジルコニア
の焼結性は、アルミナの添加量(x=重量%)が緻密に
焼結する温度を低下させるのに役立ち、アルミナを加え
ていない純粋なジルコニアの緻密焼結温度と比べると最
高で200℃も低くすることができる。特に、1重量%
添加したジルコニアの場合には、1400℃程度の低温
で保持時間なしの焼成条件で緻密(相対密度94%)に
焼結させることができる。このような緻密に焼結できる
低温の焼成条件によると、空気極材料のランタンマンガ
ナイト((La,Sr)MnO3 )とジルコニア電解質
と反応したりすることなく、また空気極自体の触媒活性
も低下することはない。このことは、共焼結法を用いて
高性能な平板型固体電解質燃料電池を製造することが可
能であることを意味する。
【0032】次に、アルミナをジルコニアに添加する
と、なぜこのような特異現象が現れるかを明らかにす
る。これは、固体電解質燃料電池の電解質用ジルコニア
粉体の製造工程の簡略化を図り、低コスト化を検討する
うえで不可欠なことである。
【0033】表2に今回実験に用いた東レ製8モル%イ
ットリア安定化ジルコニア(8YSZ)粉体と大明化学
製アルミナ粉体の組成分析の結果を示す。
【表2】
【0034】また、図9に東レ製8YSZ単体と大明化
学製アルミナ単体との各焼成温度での相対密度変化を示
す。アルミナの焼結は、1000℃付近で始まり、その
相対密度は1400℃、保持時間なしで95%に達し
た。一方、8YSZは、1200℃以上で進行し、16
00℃、保持時間なしの条件でも緻密に焼結しなかっ
た。図8に、8YSZとアルミナを添加した8YSZと
の各焼成温度の相対密度を示す。1重量%アルミナを添
加したジルコニアの焼結性が最も高く、1400℃、保
持時間なしの条件でも緻密に焼結した。1重量%以上の
アルミナ添加組成領域では、アルミナ添加量は増加する
につれて徐々にジルコニアの焼結性が低下することがわ
かった。特に、10重量%を添加したジルコニアの焼結
性は、アルミナを添加していないジルコニアより低くな
ることが分かった。これは、アルミナ粒子とジルコニア
粒子との熱膨張係数が若干異なるため、焼成時に熱応力
が働き、焼結体にマイクロクラックを発生させ、焼結を
妨げているためである。
【0035】このようにジルコニアにアルミナを添加す
るとジルコニアの焼結性が向上することは、従来知られ
ていたが、その原因は明かでなかった。そこで、その原
因を調べるため種々の実験を行った。
【0036】まず、本実験に用いたイットリア安定化ジ
ルコニア中の不純物に関して調べると、その粉体中には
極めて少ない量ではあるがSiO2 、MgO、CaO、
Fe2 3 、Al2 3 、Na2 Oが不純物として混入
していることが分かった(SiO2 は分析装置の検出限
界以下であったが、必ず存在している)。これらの不純
物のうち焼結性に大きく影響しているのは8YSZの粒
子の回り(粒界)に存在するものであると考えられる。
MgO、CaOは、8YSZとの固溶領域が広いため、
ジルコニア粉末合成時(焼成条件:1000℃、2時
間)に既に8YSZの粒子内に存在している。そのた
め、これらの元素は、不純物としてジルコニアの粒界に
は存在しない。これに対して、Fe2 3 は、1200
℃において約2モル%弱、Al2 3 は1700℃にお
いて0.5モル%未満の極めてわずかな量しか固溶せ
ず、またSiO2 とNa2 Oとは8YSZと固溶領域を
持っていないことが知られている。しかしながら、Fe
2 3 は、含有量が他の不純物と比較して1桁以上少な
い上、8YSZへの固溶量もAl2 3 と比較して4倍
以上多いので、ジルコニアの焼結に影響している不純物
として無視できると考えられる。事実、わずかなFe2
3 をジルコニアに添加しても焼結性にほとんど影響が
ないことが分かった。この結果、主な不純物は、SiO
2 、Al2 3 、Na2 Oであると推測することがで
き、粒界に存在して焼結に大きく影響している。
【0037】次に熱分析装置を用いて、このSiO2
Al2 3 −Na2 O系の不純物の挙動を調べた。尚、
ここでAl2 3 とNa2 Oとの量は明かであるが、S
iO2 の量は検出限界以下であったので、SiO2 の量
が検出限界値(試料)、SiO2 の量が検出限界値1
/2(試料)の2つの試料を用いて実験した。分析法
は、熱重量測定と示差熱分析との2通りの手法を用いて
行った。その結果を図10,11に示す。図10に示す
試料の示差熱分析曲線では、50℃付近での吸熱ピー
クが現れているが、このピークは試料中に含まれる水分
の脱水反応によるものと考えられる。2番目に現れる吸
熱ピーク(922℃)は、試料の包晶温度(固体が固体
と液体とに分かれる温度)に起因している。続いて、1
123℃付近に弱い吸熱ピークが現れ、1200℃に到
達する前に発熱ピークに変化している。この複雑な挙動
は、1120℃付近からNa2 Oの蒸発が始まり、それ
に合わせて試料中の相の平衡状態が変化するためであ
る。つまり、試料中からナトリウムの量が少なくなるこ
とで、試料の包晶温度も上昇し、固相と液相との割合に
おいて固相が多くなるほうに移行していく(固化してい
く)ことに起因する発熱のピークである。SiO2 の量
を1/2にした試料では、図11に示すように包晶温
度は746℃付近まで下がることが分かった。また、約
1135℃以上で試料と同様にNa2 Oの蒸発が始ま
っていることが示差熱分析曲線、熱重量測定曲線から明
かである。1200℃を越えた付近の発熱から吸熱に変
化しているピークが試料と比べて大きいのは、試料中
のSiO2 の量が少ないので、試料中の組成が固化する
条件の組成に変化するまでNa2 Oが蒸発しているため
である。
【0038】更に、緻密化が進んでいる1300℃と1
400℃とで焼成(保持時間なし)した後の試料中のナ
トリウム含有量とアルミナの添加量との関係を調べた。
図12の横軸は、ジルコニアに添加したアルミナの量、
縦軸は焼成後の試料中に含まれるナトリウム量を表して
いる。1300℃で焼成した各試料中のナトリウム含有
量は、8YSZが0.0093重量%であり、1重量%
アルミナを添加したジルコニアの場合には、一旦少なく
なった後、アルミナ添加量が多くなるに従い、試料中の
ナトリウム含有量は増加する。この増加の理由は、酸化
ナトリウムが添加したアルミナと反応し、β−アルミナ
系化合物を形成しており、酸化ナトリウムの蒸発が抑え
られていると考えられる。焼結性が最も高かった1重量
%アルミナを添加した8YSZ中の酸化ナトリウムの量
が最も少なかった。
【0039】以上記した種々の実験から、図13および
図14に示すような焼結モデルが考えられる。SiO2
−Al2 3 −Na2 O系では、その組成によりかなり
低い温度で試料中に融体が現れる。本実験に用いた試料
中の不純物の包晶温度は、746〜922℃であること
が分かっている。この温度は、8YSZの初期焼結が起
こった温度であり、SiO2 −Al2 3 −Na2 O系
中の液相が関与している可能性が強い。しかし、液相焼
結では、もし液相が母材(この場合、8YSZ)の拡散
に影響しないなら、母材の緻密化にそれほど効果的には
働かない。なぜなら、セラミックス粒子の緻密化は、現
れた液相が固相に変化する(溶解−析出)過程で急速に
促進されるからである。特に、SiO2 を含んでいる化
合物(あるいはガラス)層は、ジルコニア焼結体中の酸
素イオンの拡散を阻害することからも明らかなように、
焼結には良い影響を与えない。これらのことから、8Y
SZ粉体は、図13のように焼結が進んでいると推測で
きる。アルミナを添加していないジルコニア粉体は、
(A)のようにジルコニア粒子の部分的に極めて薄いS
iO2 −Al2 3 −Na2 O系化合物層が付着してい
る。次に、温度が包晶温度まで上がると、(B)に示す
ように可塑性に富んだガラスあるいは融体(若しくは融
体を含んだ液相−固相の混合相)がジルコニア粒子を引
っ張るように変化する。この層は、母材のジルコニア粒
子を漏らすが、不純物であるのでこのままでは析出反応
が起こらない(固化しない)。しかし、より温度が高く
なると(C)のようにガラス中からナトリウムの蒸気が
発生し、ガラス中のナトリウムが少なくなり、SiO2
−Al2 3 −Na2 O系の融点も上がり、固化するこ
とで、(D)のように焼結が進行する。ただし、このと
きナトリウムの蒸気が再びジルコニア粒子のネックに凝
縮(蒸発−凝縮機構)することで、凝縮を遅らせている
可能性が強い。
【0040】一方、Al2 3 を添加したジルコニアで
は、SiO2 やNa2 Oと非常に反応性の高いAl2
3 が図14のようにジルコニアの焼結を阻害しているS
iO2 −Al2 3 −Na2 O層を反応・吸収してしま
う。そして、ジルコニア粒子の再配列が容易に起こり、
ジルコニア粒子どうしの固相拡散を促進させる。
【0041】このことを確認するために、最も焼結性の
高い東ソー製のTZ−8Yに、焼結に影響を及ぼしてい
ると考えられるSiO2 、Al2 3 及びNa2 Oを添
加し、それらの焼結性を測定した。その結果を図15、
16、及び17に示す。図15に示すように、SiO2
の場合、1重量%添加してもTZ−8Yの焼結性はほと
んど変化しなかった。図16に示すようにAl2 3
1重量%添加すると、東レ製8YSZの場合と同様に1
300〜1400℃付近で焼結性に大きな改善がみられ
た。しかしながら、図17に示すように酸化ナトリウム
Na2 Oは、わずか0.1重量%添加しただけでも、焼
結性挙動が純粋なTZ−8Yに比べて約100℃も高く
なった(焼結性が低くなった)。
【0042】また、超純水を用いて8YSZ粉体を洗浄
することにより、Na2 Oを取り除いたときの8YSZ
の各焼成温度と相対密度との変化を図18に示す。これ
らのことから、高純度ジルコニア粉体の焼結には、図1
7の焼結モデルのように、粉体中のNa2 Oなどの不純
物の量が大きく関与していることを意味している。
【0043】固体電解質燃料電池の構成材料中、ジルコ
ニア電解質は最も導電率が低く、その特性が電池性能に
大きな影響を与える。図7に、1000℃における8Y
SZ中のアルミナ添加量と導電率との関係を示す。導電
率は、1重量%アルミナを添加したときが最も高く、そ
の値が0.16S/cmであった。また、5重量%添加
まではアルミナを添加していない8YSZとほとんど同
じ導電率であったが、10重量%まで添加すると急激に
低下することが分かった。また、図19は、アルミナ添
加重量%の導電率の温度依存性である。このグラフ中の
250〜700℃の導電率から、酸素イオンの動きやす
さの指標となる活性化エネルギを計算すると、8YSZ
に関しては43.4kJ/molが得られ、この値は従
来の報告と一致した。アルミナ添加8YSZの導電率の
温度依存性のグラフから求めた活性化エネルギは、4
3.7〜44.3kJ/molの領域で変化し、アルミ
ナ添加量の増加に従いわずかに大きくなっていくことが
分かった。
【0044】これらの原因を明らかにするために、25
0℃の低温でジルコニア中の導電率をインピーダンス法
により測定・解析した。8YSZと1重量%アルミナを
添加した8YSZとの測定結果を図20に示す。この図
中に描かれている左側の半円は、ジルコニア焼結体中の
粒内のインピーダンスを、右側の半円は粒界インピーダ
ンスを意味する。8YSZの円弧と比べると、1重量%
アルミナを添加した8YSZの円弧は、粒内のインピー
ダンスには差がないが、8YSZと異なり粒界のインピ
ーダンスがほとんどないことが分かる。相対密度にほと
んど差がない試料を用いていることを考えると、図7に
示した8YSZと1重量%のアルミナを添加した8YS
Zの1000℃の導電率の差は、粒界抵抗分の差である
ということができる。
【0045】これらの実験結果から、アルミナを添加し
たジルコニアの焼結体は、図21のようなモデルである
と考えることができる。アルミナを添加していない8Y
SZの焼結体の粒子7は、極めて薄いガラス層8に囲ま
れていたり、あるいは部分的に覆われている(図21
(A))。言い換えれば、8YSZに溶け込むことがで
きないので、ガラス層8は粒界に存在しているというこ
とである。この層8は、おそらくNa2 Oがほとんど含
まれていないSiO2 −Al2 3 系ガラス(あるいは
ムライト)であり、ジルコニア中の酸素イオンの拡散を
妨げている。ところが、アルミナ粒子9を添加すると、
このガラス層8と反応性が高いため、アルミナ粒子9中
にガラス層8と反応しこれを吸収そして固化してしま
う。このように添加したアルミナ粒子9は、酸素イオン
を阻害するガラス層8を取り除いてしまうため(図21
(B))、わずかにアルミナを添加した8YSZ中の粒
界での電気抵抗を減少させていると考えられる。しかし
ながら、アルミナ添加量が増加すると、アルミナ粒子9
は絶縁体であるので、再び粒界での酸素イオンの移動を
妨害するようになる(図21(C))。それゆえ、アル
ミナを必要以上添加すると、導電率を低くしたり、活性
化エネルギを高くしたりする(酸素イオンが動きにくく
なる)。
【0046】また、Na2 Oが2重量%まではアルミナ
添加により同様な効果が得られることが分かった。
【0047】以上、これらの実験結果から、新しい焼結
に関する知見を得るとともに、固体電解質燃料電池など
の電解質に安定化ジルコニア粉体の製造方法に応用する
ことを考えるに至った。言い換えれば、その粉体製造工
程で純水を用いて酸化ナトリウムあるいはナトリウム系
化合物を徹底的に取り除く工程が緩和され、その分、低
コストを期待できることが分かった。
【0048】尚、これら熱分析測定及び不純物が焼結性
に与える影響の実験に用いた試料は次のようにして作製
された。 〔熱分析測定の実験用試料作製例〕 (a)Al2 3 0.6989g、Na2 O 0.5
931g、SiO2 0.1776gを秤量し・混合
し、ペレットに加圧成型した後、1000℃で10時間
焼成した。この混合・焼成の作業を2回繰り返した後、
熱分析測定用の試料とした。 (b)Al2 3 0.6989g、Na2 O 0.5
931g、SiO2 0.0888gを秤量し・混合
し、ペレットに加圧成型した後、1000℃で10時間
焼成した。この混合・焼成の作業を2回繰り返した後、
熱分析測定用の試料とした。 〔極微量の不純物がジルコニアの焼結性に与える影響を
調べる実験の試料作製例〕 (c)東ソー製TZ−8Y(Y2 3 13.5重量
%、Al2 3 <0.005重量%、Na2 O<0.0
26重量%、Fe2 3 <0.004重量%、SiO2
<0.002重量%、その他のZrO2 という組成から
成る。)19.8000gにAl2 3 0.2000
g(1wt%相当)添加し、ボールミルで湿式混合した
後、試料とした。この結果は図14に示されている。こ
の場合、1400℃で十分な焼結性が得られた。 (d)東ソー製TZ−8Y(Y2 3 13.5重量
%、Al2 3 <0.005重量%、Na2 O<0.0
26重量%、Fe2 3 <0.004重量%、SiO2
<0.002重量%、その他のZrO 2という組成から
成る。)9.9900gにNa2 O 0.0100g
(0.1wt%相当)添加し、ボールミルで湿式混合し
た後、試料とした。この結果は図15に示されている。
この場合、Na 2 O単体の添加では焼結性に問題がある
ことが分かる。 (e)東ソー製TZ−8Y(Y2 3 13.5重量
%、Al2 3 <0.005重量%、Na2 O<0.0
26重量%、Fe2 3 <0.004重量%、SiO2
<0.002重量%、その他のZrO2 という組成から
成る。)9.9900gにNa2 O 0.1000g
(1wt%相当)添加し、ボールミルで湿式混合した
後、試料とした。Na2 O単体だと、1wt%の添加で
も不均質なものとなって測定不可能となった。このた
め、Na2 Oを取り除くために従来は精製を繰り返し、
製造コストを高くしている。 (f)東ソー製TZ−8Y(Y2 3 13.5重量
%、Al2 3 <0.005重量%、Na2 O<0.0
26重量%、Fe2 3 <0.004重量%、SiO2
<0.002重量%、その他のZrO2 という組成から
成る。)9.9000gにSiO2 0.1000g
(1wt%相当)添加し、ボールミルで湿式混合した
後、試料とした。この結果は図13に示されている。こ
の結果、SiO2単体の添加では1wt%でも1400
℃では十分な焼結性が得られないことが分かった。 (g)ZrO2 81.29重量%、Y2 3 13.
4重量%、Al2 3 5.03重量%、Na2 O 0.
03重量%、MgO 0.01重量%、CaO0.05
重量%、Fe2 3 0.01重量%、SiO2 <0.
01重量%の組成から成る。この組成は、イットリア安
定化ジルコニアに5重量%アルミナを添加したものであ
り、東レ株式会社製8モル%イットリア安定化ジルコニ
ア(8YSZ)と大明化学株式会社製アルミナとを用い
て達成された。この東レ製ジルコニア10.0000g
にNaHCO3 0.1355g(0.5wt%相当)
添加し、ボールミルで湿式混合した後、試料とした。こ
の結果は図示していないが、1400℃で十分な焼結結
果を得た。 (h)ZrO2 81.29重量%、Y2 3 13.
4重量%、Al2 3 5.03重量%、Na2 O 0.
03重量%、MgO 0.01重量%、CaO0.05
重量%、Fe2 3 0.01重量%、SiO2 <0.
01重量%の組成から成る。この組成は、イットリア安
定化ジルコニアに5重量%アルミナを添加したものであ
り、東レ株式会社製8モル%イットリア安定化ジルコニ
ア(8YSZ)と大明化学株式会社製アルミナとを用い
て達成された。この東レ製ジルコニア10.0000g
にNaHCO3 0.2710g(1wt%相当)添加
し、ボールミルで湿式混合した後、試料とした。この結
果は図示していないが、1400℃で十分な焼結結果を
得た。 (i)ZrO2 81.29重量%、Y2 3 13.
4重量%、Al2 3 5.03重量%、Na2 O 0.
03重量%、MgO 0.01重量%、CaO0.05
重量%、Fe2 3 0.01重量%、SiO2 <0.
01重量%の組成から成る。この組成は、イットリア安
定化ジルコニアに5重量%アルミナを添加したものであ
り、東レ株式会社製8モル%イットリア安定化ジルコニ
ア(8YSZ)と大明化学株式会社製アルミナとを用い
て達成された。この東レ製ジルコニア10.0000g
にNaHCO3 0.5420g(2wt%相当)添加
し、ボールミルで湿式混合した後、試料とした。この結
果は図示していないが、1400℃で十分な焼結結果を
得た。
【0049】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0050】本発明のジルコニア−アルミナ粉体にあっ
ては、8モル%イットリアで結晶構造を安定化させ且つ
ナトリウム成分を取り除く工程を少なくしたジルコニア
粉体と、高純度アルミナ粉体とを原料にする。ジルコニ
ア粉体へのアルミナの添加量(x:重量%)は、0<x
≦5の領域とした。なお、このジルコニア粉体は、導電
率の向上を図るため、他の安定剤で安定化あるいは部分
安定化されたジルコニアでもかまわない。例えば、本粉
体は、分散剤などを用いずに純水を用いてジルコニア−
アルミナをボールミルを用いて24時間混合した後、ス
プレードライヤを用いて急激に乾燥させることによって
均一なジルコニア−アルミナ複合電解質粉体を得た。
【0051】次に、アルミナの添加量および粒径が焼結
性並びに導電性に与える影響を実施例を挙げて説明す
る。
【0052】なお、実験に用いたアルミナを添加する前
のイットリア安定化ジルコニアは、ZrO2 が85,6
2重量%、Y2 3 が14.2重量%であり、これはほ
とんど8モル%イットリア−84モル%ジルコニアに相
当する。しかしながら、現在、どのような方法を用いて
も不純物を0にすることはできないため、本実験に用い
た試料も不純物も、Al2 3 は0.03重量%、Na
2 Oは0.04重量%、MgOは0.01重量%、Ca
Oは0.08重量%、Fe2 3 は0.01重量%、S
iO2 は0.01重量%と非常に少ないが存在してい
る。この中でも、導電率が影響を受けるのは、Fe2
3 とSiO2 との2つであるが、最も少ないことがわか
る。また、このジルコニアの平均粒径は、0.25μm
である。
【0053】〔実施例1〕ZrO2 84.80重量
%、Y2 3 14.0重量%、Al2 3 1.01
重量%、Na2 O 0.03重量%、MgO 0.01
重量%、CaO 0.07重量%、Fe2 3 0.0
1重量%、SiO2 <0.01重量%の組成から成る。
この組成は、イットリア安定化ジルコニアに1重量%ア
ルミナを添加したものであり、東レ株式会社8モル%イ
ットリア安定化ジルコニア(8YSZ)と大明化学株式
会社製アルミナとを用いて達成された。なお、8モル%
イットリア安定化ジルコニアには、電気抵抗を極端に高
くするため影響を及ぼすと考えられるSiO2 やFe2
3 が非常に少なく、不純物もほとんどない。また、ジ
ルコニアの平均粒径は、0.25μm、アルミナの平均
粒径は0.23μmである。この組成の粉体の焼結性
は、図9に1A8YSZとして表されている。また、導
電性は、図8に1A8YSZとして表されている。
【0054】〔実施例2〕ZrO2 83.08重量
%、Y2 3 13.8重量%、Al2 3 3.01
重量%、Na2 O 0.04重量%、MgO 0.01
重量%、CaO 0.05重量%、Fe2 3 0.0
1重量%、SiO2 <0.01重量%の組成から成る。
この組成は、イットリア安定化ジルコニアに3重量%ア
ルミナを添加したものであり、東レ株式会社8モル%イ
ットリア安定化ジルコニア(8YSZ)と大明化学株式
会社製アルミナとを用いて達成された。この場合の、ジ
ルコニアの平均粒径は、0.25μm、アルミナの平均
粒径は0.23μmである。導電率は、図8に3A8Y
SZとして表されている。
【0055】〔実施例3〕ZrO2 81.29重量
%、Y2 3 13.4重量%、Al2 3 5.03
重量%、Na2 O 0.03重量%、MgO 0.01
重量%、CaO 0.05重量%、Fe2 3 0.0
1重量%、SiO2 <0.01重量%の組成から成る。
この組成は、イットリア安定化ジルコニアに5重量%ア
ルミナを添加したものであり、東レ株式会社8モル%イ
ットリア安定化ジルコニア(8YSZ)と大明化学株式
会社製アルミナとを用いて達成された。この場合の、ジ
ルコニアの平均粒径は、0.25μm、アルミナの平均
粒径は0.23μmである。この組成の粉体の焼結性
は、図9に5A8YSZとして表されている。また、導
電性は、図8に5A8YSZとして表されている。
【0056】〔比較例1〕ZrO2 76.71重量
%、Y2 3 13.1重量%、Al2 3 10.0
6重量%、Na2 O 0.03重量%、MgO 0.0
1重量%、CaO0.07重量%、Fe2 3 0.0
1重量%、SiO2 <0.01重量%の組成から成る。
この組成は、イットリア安定化ジルコニアに10重量%
アルミナを添加したものであり、東レ株式会社8モル%
イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)と大明化学株
式会社製アルミナとを用いて達成された。なお、アルミ
ナの平均粒径は0.23μmである。この組成の粉体の
焼結性は、図9に10A8YSZとして表されている。
また、導電性は、図8に10A8YSZとして表されて
いる。
【0057】これらの実施例及び比較例は、図22に示
す方法で評価した。まず、できるだけ均一にジルコニア
−アルミナ粉体が作製できるように、これら粉体に蒸留
水程度の純水を加えてボールミルを用い24時間湿式混
合し、スプレードライヤで急激に乾燥させ、評価粉体と
した。その後、各実施例の粉体を92MPaの圧力でプ
レス成型した。次に、1000〜1600℃の温度領域
で0,5,10時間焼成し評価試料を得た。その後、試
料の大きさを測定し、相対密度を求めた。
【0058】また、各評価試料のアルミナ添加量に対す
る導電率の変化は、図23に示すような交流インピーダ
ンス法を用いた測定装置で測定した。この装置は、ポテ
ンショスタッド11と周波数レスポンスアナライザ12
から電極14を介して試料15に交流電流を流し、その
交流電流の変化をデジタルオシロスコープ13で測定
し、導電率を求めるようにしている。電極14は白金ペ
ーストをコーティングし、1000℃、1時間で焼き付
けた。この装置で測定した値をCole−Coleプロ
ットにより、試料のインピーダンスを解析し、電気抵抗
を求めた。その結果を図7,19,20に示す。
【0059】図9にアルミナ添加量0,1,5重量%の
それぞれの領域における、1100〜1600℃の温度
で保持時間なしの相対密度を示す。アルミナ添加量が0
重量%の場合に比べて1〜5重量%の領域では緻密焼結
温度が150℃以上低下していることが分かる。本結果
からも一定量のアルミナの添加がジルコニアの緻密焼結
温度を低くしていることが分かる。
【0060】なお、上述の実施例は本発明の好適な実施
の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、上述の実施例はジルコニア中にアルミナを
機械的に分散添加した場合を示したが、これに限らず、
化学的に分散するようにしてもよい。この化学的手法と
して、例えば、ゾルゲール法、共沈法などのようにZ,
Y,Alを同時に分散させ、高温酸化雰囲気中にて焼成
する方法、あるいはメッキを用いる方法つまり予めジル
コニア粉末にAlをメッキした後、高温酸化雰囲気中に
て焼成する方法等がある。
【0061】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
のジルコニア電解質粉体の製造方法によると、安定化ジ
ルコニアあるいは部分安定化ジルコニアを電解質として
用いるとき、ジルコニア中のナトリウムあるいはナトリ
ウム系化合物の不純物含有量が2重量%以下となるまで
精製されていれば、アルミナを5重量%以下分散添加す
るだけで緻密焼結させるための温度を低下させるので、
ジルコニア電解質粉体製造時にナトリウムあるいはナト
リウム系化合物を純水を用いて徹底的に取り除く工程を
緩和でき、その分、ジルコニア電解質粉体の製造コスト
を低減することができる。また、このジルコニア電解質
粉体を焼結して電解質を得る場合、1400℃の低温で
十分な焼結性が得られる。したがって、本発明のジルコ
ニア電解質粉体を固体電解質燃料電池の単セルを共焼結
法により形成する場合に用いると、緻密焼結の温度を低
下できるので、空気極の触媒活性を喪失することなく、
また空気極と電解質との界面に低導電性層が形成される
ことない信頼性の高い単セルを低コストにて製造でき
る。
【0062】特に、ジルコニア電解質粉体へのアルミナ
添加量が1重量%の場合には、ナトリウム系化合物の不
純物による焼結性が非常に良好で、しかも導電率を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平板型固体電解質燃料電池の一例の分解斜視図
である。
【図2】従来の単セル製造工程図である。
【図3】単セルの発電状態を示すモデル図である。
【図3】平板型固体電解質燃料電池の他の例の単セルの
平面図である。
【図4】共焼結法による単セルの工程図である。
【図5】湿式法によるジルコニアの製造プロセスを示す
工程図である。
【図6】共沈法によるイットリア安定化ジルコニアの合
成プロセスを示す工程図である。
【図7】アルミナを添加した安定化ジルコニアの導電率
変化を示すグラフである。
【図8】アルミナを添加した安定化ジルコニアの焼成温
度と相対密度変化との関係を示すグラフである。
【図9】東レ製8YSZ(8%イットリア安定化ジルコ
ニア)粉体と大明化学製アルミナ粉体の焼成温度と相対
密度変化を示すグラフである。
【図10】SiO2 −Al2 3 −Na2 O系の熱分析
結果(SiO2 の量を分析検出限界値の場合)を示すグ
ラフである。
【図11】SiO2 −Al2 3 −Na2 O系の熱分析
結果(SiO2 の量を分析検出限界値のの1/2の場
合)を示すグラフである。
【図12】焼成したジルコニア中のアルミナ添加量とナ
トリウムの含有量との関係を示すグラフである。
【図13】アルミナを添加していない場合の8YSZの
焼結機構モデルで、(A)(B)(C)は焼結前、
(D)は焼結後である。
【図14】アルミナを添加した場合の8YSZの焼結機
構モデルで、(A)(B)(C)は焼結前、(D)は焼
結後である。
【図15】東ソー製TZ−8Y(イットリア安定化ジル
コニア)に1重量%SiO2 を添加した場合の焼成温度
と相対密度との関係を示すグラフである。
【図16】東ソー製TZ−8Yに1重量%Al2 3
添加した場合の焼成温度と相対密度との関係を示すグラ
フである。
【図17】東ソー製TZ−8Yに0.1重量%Na2
を添加した場合の焼成温度と相対密度との関係を示すグ
ラフである。
【図18】超純水処理によりNa2 Oを取り除いた東レ
製8YSZの焼成温度と相対密度変化を示すグラフであ
る。
【図19】アルミナを添加した東レ製8YSZの焼成温
度と相対密度変化とを示すグラフである。
【図20】アルミナを添加していないものと添加してい
る東レ製8YSZのインピーダンスのコール・プロット
で表したグラフである。
【図21】アルミナを添加していないものと添加してい
る8YSZの焼結体の微構造のモデル図で、(A)はア
ルミナを添加していないもの、(B)はアルミナを添加
したもの、(C)はアルミナを過剰に添加したものであ
る。
【図22】アルミナ添加ジルコニア粉体の製造及び相対
密度評価方法を示す工程図である。
【図23】アルミナ添加ジルコニア体の導電率の評価装
置の概略図である。
【符号の説明】
1 電解質 2 燃料極 3 空気極 4 平板型固体電解質燃料電池の単セル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】平板型固体電解質燃料電池の一例の分解斜視図
である。
【図2】従来の単セル製造工程図である。
【図3】 単セルの発電状態を示すモデル図である。
【図4】共焼結法による単セルの工程図である。
【図5】湿式法によるジルコニアの製造プロセスを示す
工程図である。
【図6】共沈法によるイットリア安定化ジルコニアの合
成プロセスを示す工程図である。
【図7】アルミナを添加した安定化ジルコニアの導電率
変化を示すグラフである。
【図8】アルミナを添加した安定化ジルコニアの焼成温
度と相対密度変化との関係を示すグラフである。
【図9】東レ製8YSZ(8%イットリア安定化ジルコ
ニア)粉体と大明化学製アルミナ粉体の焼成温度と相対
密度変化を示すグラフである。
【図10】SiO2 −Al2 O3 −Na2 O系の熱分析
結果(SiO2 の量を分析検出限界値の場合)を示すグ
ラフである。
【図11】SiO2 −Al2 O3 −Na2 O系の熱分析
結果(SiO2 の量を分析検出限界値のの1/2の場
合)を示すグラフである。
【図12】焼成したジルコニア中のアルミナ添加量とナ
トリウムの含有量との関係を示すグラフである。
【図13】アルミナを添加していない場合の8YSZの
焼結機構モデルで、(A)(B)(C)は焼結前、
(D)は焼結後である。
【図14】アルミナを添加した場合の8YSZの焼結機
構モデルで、(A)(B)(C)は焼結前、(D)は焼
結後である。
【図15】東ソー製TZ−8Y(イットリア安定化ジル
コニア)に1重量%SiO2 を添加した場合の焼成温度
と相対密度との関係を示すグラフである。
【図16】東ソー製TZ−8Yに1重量%Al2 O3 を
添加した場合の焼成温度と相対密度との関係を示すグラ
フである。
【図17】東ソー製TZ−8Yに0.1重量%Na2 O
を添加した場合の焼成温度と相対密度との関係を示すグ
ラフである。
【図18】超純水処理によりNa2 Oを取り除いた東レ
製8YSZの焼成温度と相対密度変化を示すグラフであ
る。
【図19】アルミナを添加した東レ製8YSZの焼成温
度と相対密度変化とを示すグラフである。
【図20】アルミナを添加していないものと添加してい
る東レ製8YSZのインピーダンスのコール・プロット
で表したグラフである。
【図21】アルミナを添加していないものと添加してい
る8YSZの焼結体の微構造のモデル図で、(A)はア
ルミナを添加していないもの、(B)はアルミナを添加
したもの、(C)はアルミナを過剰に添加したものであ
る。
【図22】アルミナ添加ジルコニア粉体の製造及び相対
密度評価方法を示す工程図である。
【図23】アルミナ添加ジルコニア体の導電率の評価装
置の概略図である。
【符号の説明】 1 電解質 2 燃料極 3 空気極 4 平板型固体電解質燃料電池の単セル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電率向上用のドーパントを添加し且つ
    ナトリウムあるいはナトリウム系化合物の含有量が2重
    量%以下であるジルコニア電解質粉体に、5重量%以下
    の高純度アルミナ粉体を分散させたことを特徴とするジ
    ルコニア電解質粉体。
  2. 【請求項2】 前記高純度アルミナの添加量が1重量%
    であることを特徴とする請求項1記載のジルコニア電解
    質粉体。
  3. 【請求項3】 導電率向上用のドーパントを添加し且つ
    ナトリウムあるいはナトリウム系化合物の含有量が2重
    量%以下となるまで精製されたジルコニア電解質粉体
    に、アルミナが5重量%以下の組成となるように分散さ
    せたことを特徴とするジルコニア電解質粉体の製造方
    法。
JP5323374A 1993-11-30 1993-11-30 ジルコニア電解質粉体及びその製造方法 Pending JPH07149522A (ja)

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