JPH11120817A - 混合イオン電導体 - Google Patents
混合イオン電導体Info
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Abstract
バイスに関するもので、特に高いプロトン伝導性を保有
する酸化物の混合イオン電導体を提供する。 【解決手段】 酸化物イオン伝導性を有するプロトン伝
導性酸化物であって、その酸化物が、一般式Sra Lb
Cec Md O3-α(但し、0<α<1.5)で表される
単位格子組成を有し、置換元素LにMg、Ca若しくは
Baの元素を採用し、置換元素Mは希土類元素とし、式
中のaを0.9≦a≦1.1で、bを0≦b≦0.1
で、cを0.7≦c≦1.0で、且つ、dを0.16≦
d≦0.40として、混合イオン電導体を構成する。
Description
ーなど電気化学デバイスを構成するための酸化物イオン
伝導性とプロトン伝導性とを有する混合イオン電導体に
関して、特に、プロトン伝導性に優れた酸化物系のイオ
ン電導体に関する。
導性を有するプロトンと酸化物イオンの混合イオン電導
体の開発に成功し、特開平05−028820、特開平
06−236114などにおいて公開した。この混合イ
オン電導体は、酸化物イオン伝導性とプロトン伝導性と
を同時に有する電導体であって、バリウムセリウムをベ
ース(BaCe1-x Mx O3-α)としたペロブスカイト
型酸化物からなり、そのセリウムの一部を他の希土類元
素で置換することにより、高いイオン伝導性を発生させ
るものであった。
存性があるけれども、電導性は、酸化物イオン伝導を主
流にして生ずるものであり、発明者らの実験によれば、
酸素分圧が7.3×10-6atm 以上で酸化物イオン伝導
を発現し、水素分圧が2.7×10-3atm 以上でプロト
ン電導を示す。この酸化物系プロトン電導体は、高いプ
ロトン導電率を示すが、酸素のある状態では酸化物イオ
ン伝導性が優先する。
伝導性のみ有する材料が、岩原らによって開発されてい
る(Iwahara et al;Solid State Ionics 28-30 (1988)
573、及び、ibid; J. Electrochemical Soc. 135 (199
8) 529)。これらの材料は、例えば、SrCe0.95Yb
0.05O3-αや、SrCe0.9 Sc0.1 O3-α、また、S
rCe0.9 Y0.1 O3-αなどのSrCeO3-αをベース
にCeの一部を他の希土類元素で少量置き換えたもので
ある。これら酸化物系のプロトン電導体の導電率は、最
も高いもので500℃において8×10-4S/cm程度
であった。
ーや電気化学デバイスへの適用を考えると、それぞれの
用途に対応した最適のイオン電導体が要求される。例え
ば、限界電流式酸素センサでは、低温でも高い酸化物イ
オン電導体が望まれるであろうし、他方、還元ガス検知
センサでは、わずかではあるけれど純粋のプロトン伝導
性のみが要求されるものもある。従来技術では、Ba−
Ce系では、BaCe1-x Mx O3-αのように高いイオ
ン導電率ではあるが酸化物イオンが優先する混合イオン
電導体であった。また、Sr−Ce系では、SrCe
1-x Mx O3-α ( MはYb、Sc、Y、ここでx<
0.15)のような純粋のプロトン電導体があったが、
これはイオン導電率が低いものであった。
トン伝導性とを兼ね備えた材料であるが、これは、多種
多様なセンサへの適用を可能にする。この材料は、電気
化学デバイスの高性能化のためにはプロトンと酸化物イ
オンとの伝導の度合いをかなり自由に制御できて、しか
もプロトン伝導性の高いものであることが必要である。
しかしながら、従来の電導体は、酸化物伝導性とプロト
ン伝導性とを同時に要求されるような特殊なセンサや新
規な電気化学デバイスに適合する混合イオン電導体では
なかった。
を含む電導体は、酸性水分の存在下で崩壊したり、耐酸
性に劣っていた。混合イオン電導体は、上記のような電
気化学デバイスに使用されるためには、構造的に強く、
使用環境に対して化学的にも安定であるように改質する
必要があった。
物イオンとプロトンを電導する混合イオン電導体であっ
て、特に、プロトン伝導性が優先する電導体材料を提供
することを目的とする。さらに、本発明は、センサやデ
バイスとしての実用の観点から、化学的にも機械的にも
安定な混合イオン電導体を提供することを目的とするも
のである。
とプロトン伝導性とを有する混合イオン電導体であっ
て、ペロブスカイト型結晶のSrCeO3-α化合物のC
eの一部を置換可能な3価イオンになり得る遷移金属元
素に比較的多量に置換して、よりプロトン伝導性を優位
にするものである。
次の一般式(1)で表される単位格子組成のペロブスカ
イト型酸化物であることを特徴とするものである。 SrCe1-x Mx O3-α ・・・・(1) ここに、0<α<1.50であり、MはCeの一部を置
換可能な3価イオンになり得る遷移金属元素であり、x
が0.16≦x≦0.4の範囲に相対的に大きくするも
のである。
は、Cs、Y、及びランタノイドから成る希土類元素
(但し、Ceを除く)が好ましく選ばれる。置換元素M
は、好ましくは、重希土類が使用される。ここに、重希
土類の語については、希土類元素の分類法によって、軽
希土類(セリウム族)(原子番号57のLaから63の
Euまで)に対して、重希土類(イットリウム族)は、
Y、Scと周期律表で原子番号64のGdから71のL
uまでの元素をいう。本発明は、重希土類による置換に
よって、特に、プロトン伝導性を高める効果がある。
囲に選ぶが、xをこの範囲で大きくすることにより、ペ
ロブスカイト結晶中に相対的にM3+イオンの置換率を高
くして、特にプロトンの移動度を高いレベルにし、プロ
トン伝導による導電率を上昇させるのである。特に、M
に希土類元素を採用する時、0.16>xでは、プロト
ン伝導性が低く、また、置換率xが大きくなるほどプロ
トン導電率は大きくなるが、x>0.4では、SrCe
O3 格子中へのM元素の固溶により焼結後の結晶に大き
な歪みが生じて崩壊しやすく、所要の強度が得られな
い。
2- 3 で表されるペロブスカイト型結晶の単位格子のCe
4+サイトの一部を3価の遷移金属M3+で置換することに
より、SrCeO3-α結晶中のプロトンの移動度を高め
て、プロトン導電率を高めるものである。
もに、同様に高いプロトン伝導性を示す混合イオン電導
体として、上記ペロブスカイト結晶の単位格子SrCe
O3-α化合物中の上述のCeの3価のM元素による置換
とともに、Srの一部を、他のアルカリ土類金属と置換
することにより達成され、さらにプロトン導電率を高め
るものである。
一般式(2)で表される単位格子組成のペロブスカイト
型酸化物であり、 Sra Lb Cec Md O3-α ・・・・・(2) ここに、置換元素LはMg、Ca及びBaから選ばれた
アルカリ土類金属1種以上で、置換元素MはCe以外の
希土類元素であり、0.9≦a≦1.1で、0≦b≦
0.1で、 0.7≦c≦1.0、及び0.16≦d≦
0.4であり、0<α≦1.5であることを特徴とする
ものである。
が好ましく選ばれ、特に、重希土類が選ばれ、そのなか
でも、特にGdが利用される。他方のプロトン伝導性酸
化物は、式(2)のLには、Mg、Ca又はBaが使用
され、特に好ましくは、Baである。
挙げると、式(1)及び式(2)のプロトン伝導性酸化
物の組成になるように、Sr、Ce、重希土類、及び他
のMg、Ca又はBaのアルカリ土類の酸化物を配合調
製し、高温加熱により焼結してペロブスカイト型結晶に
形成される。このペロブスカイト型結晶の微粒子は、そ
の後圧縮成形し所望形状の成形体とし、これを再度、焼
成して混合イオン電導体とする。
成調製した酸化物原料粉末から固相反応法を用い合成し
て多結晶体とされるが、さらに、固相反応法では、出発
原料の混合を確実にするため、水溶液からの共沈法や、
硝酸塩法、スプレー顆粒法などの従来の手法を用いて混
合粉末とし、焼結にてペロブスカイト型結晶に合成して
も良い。
て、板ないしディスクのバルク状、薄い皮膜状などのよ
うな形状も形成でき、そのための成形法には、CVD、
スパッタ法、溶射法などの技術が利用できる。
体とするために、上記の混合イオン電導体は、上記式
(1)又は(2)で表されるプロトン伝導性酸化物の酸
化物と焼結助剤とから焼結して形成することが好まし
い。
C、Si及びGeより選ばれた元素の化合物が利用さ
れ、具体的には、これら元素から安定して生成可能な酸
化物(Cを除く)、炭化物又は窒化物(Cを除く)が利
用される。酸化物には、B2 O3、Al2 O3 、GaO
2 、SiO2 が挙げられる。窒化物BN、AlNが利用
可能であり、炭化物にはSiC等がある。
物などとして、ペロブスカイト型結晶粒間の粒界の一部
で粘結して焼結体を強固に結合するとともに、結晶粒を
被覆して、結晶粒自体の耐酸性を発現する。
又はGeは金属単体のまま微粉状にして、上記のプロト
ン伝導性酸化物の粒子と混合して、圧縮成形した後焼成
する方法も採用できる。焼成過程で、配合した金属を酸
化させて焼結し、伝導性酸化物の粒子の焼結を促進し、
粒子相互を粘結するものである。
(1)又は(2)で表されるプロトン伝導性酸化物1モ
ルに対して、0.1モル以下とするのが適当で、0.1
モルを越えると、結晶粒界に占める焼結助剤の面域ない
し厚みが大きくなりイオン伝導を阻害して、イオン導電
率を低下させるので好ましくない。
導性を有するプロトン伝導性酸化物として(1)式のS
rCe1-x Mx O3-αの焼結体(ここではMは置換する
希土類元素、0.16<x<0.4、0<α<1.5)
を合成し、種々のガス雰囲気下、200℃〜1000℃
の温度範囲においてその伝導特性を調べたものである。
相反応法を用いた。焼結体の出発原料として炭酸ストロ
ンチウムSrCO3 、酸化セリウム(CeO2 )、及び
他の希土類酸化物(例えばGd2 O3 、Y2 O3 )粉末
を、所望の置換量xにつき、それぞれモル比で1:(1
−x):xの割合で混合し、メノウ乳鉢中エタノール溶
媒を用いて粉砕混合を行った。充分に混合した後、溶媒
を蒸発させ、更にバーナーで脱脂、再度メノウ乳鉢中で
粉砕混合を繰り返した後、円柱状にプレス成形して13
00℃、10時間焼成を行った。焼成したものを粗粉
砕、その後ベンゼン溶媒中遊星ボールミル粉砕をして粒
子の粒度を3μm程度に調整した。
後、約2000kg/cm2 の圧力で静水圧プレスをし
て円柱に圧縮成形し、ついで、1650℃、10時間焼
成して、焼結体を合成した。この焼結体の密度は、理論
密度の98%であり、結晶粒度が15μm以下の緻密な
多結晶体であった。
14mmのディスクに加工し、その両面に0.5cm2
の面積になるように白金ペーストを塗布、焼き付けて白
金電極付き導電率測定試料とした。
き、導電率測定を行った。ただし導電率は、周波数10
Hz〜10kHz、ピーク電圧50mVp-p で、交流イ
ンピーダンス法による抵抗値から算出し、測定装置中の
リード抵抗成分を完全に補正している。
Gd0.2 O3-α組成の焼結体試料のプロトン導電率をア
レニウスプロットにして、第1図に示す。この図には、
従来例として、SrCe0.95Yb0.05O3-αの測定値も
記載した。図から明らかなように、SrCe0.8 Gd
0.2 O3-α焼結体の導電率は、200℃〜1000℃
で、従来のプロトン電導体より高い導電率を示した。
を調べた。酸化物イオン伝導性は、SrCe0.8 Gd
0.2 O3-α焼結体のディスクを固体電解質として、酸素
濃淡電池を組み、その起電圧より調べた。上記試料で
は、500℃でプロトン伝導率の1/10程度の酸化物
イオン導電率であった。このSrCe0.8 Gd0.2 O3-
α焼結体は、酸化物イオン伝導性を有し、しかも高いプ
ロトン伝導性を示す混合イオン電導体であることがわか
った。
電率の変化を実験的に調べた。その結果を第2図に示
す。図から明らかなように置換量xにより導電率が変化
することがわかり、従来にない高い導電率(500℃で
1×10-3S/cmとした場合)は最も低いM=Laで
その置換量xは0.16以上であることがわかった。ま
た、M=Laで置換量x=0.4を超えると、酸化物は
焼結せず合成不可能であった。いずれの置換元素を使用
した場合でも、0.16≦x≦0.40の範囲で、1×
10-3S/cm以上の高い導電率を示すことが明らかに
なった。
製した試料について、水素1atm 雰囲気中で500℃で
の導電率を表1に示す。
がプロトン導電率2.0×10-3S/cm未満であるのに対し
て、Yを含みGdからLuまでの重希土類が2.0×10
-3S/cm以上の高いプロトン導電率を示すことが判る。重
希土類が特に高いプロトン伝導性を示す理由は、必ずし
も明らかでないが、恐らくは、イオン半径的にセリウム
に近く構造的にプロトン導電パスができやすいためと考
えられる。
導性を有するプロトン伝導性酸化物であって、その酸化
物が式(2)のSra Lb Cec Md O3-α(L、Mは
添加元素)で表される単位格子の組成の酸化物について
の例である。それぞれ酸化物の合成は固相反応法を用い
た。ストロンチウム、セリウム、置換元素Lにバリウム
Ba、マグネシウムMg、カルシウムCaを選び、Mに
は、ランタンLaとガドリニウムGdを選んだ。
混合し、メノウ乳鉢中エタノール溶媒を用いて粉砕混合
を行った。充分に混合した後、溶媒を飛ばし、更にバー
ナーで脱脂、再度メノウ乳鉢中で粉砕混合を繰り返した
後、円柱状にプレス成形した圧縮成形体を1300℃で
10時間の予備焼成を行った。
ン溶媒中遊星ボールミル粉砕をして3μm程度に粒度調
製した。得られた粉末を150℃真空乾燥した後、20
00kg/cm2 の圧力で静水圧プレスをして円柱に圧
縮成形し、直ちに1650℃で10時間焼成して、多結
晶焼結体を合成した。この焼結体の密度は、理論密度の
96%以上であり、構造はペロブスカイト型であった。
14mmのディスクに加工し、そのディスク両面に0.
5cm2 の面積になるように白金ペーストを塗布して電
極を焼き付けし、イオン導電率測定試料とした。前実施
例と同様、水素1atm 雰囲気中で500℃で導電率測定
を行った結果を表2に示す。
500℃で1.0×10-3S/cm以上の導電率を示し、
良好なプロトン導電体であることがわかる。また、式
(2)のSra Lb Cec Md O3-α(L、Mは添加元
素)で表される組成の酸化物で、LにMg、Ca、Ba
などの元素を用いた材料はすべてSr単独のものよりプ
ロトン導電率が向上し、その酸化物イオン伝導性は、S
r単独のものに比べわずかに大きいことがわかる。
0のb=0のものより、導電率が大きくなり、前述の方
法でイオン輸率を調べると、酸化物イオン伝導性が、S
r単独のもの(輸率比tH /tO =49)より僅かに大
きい(輸率比tH /tO =19)ことがわかった。
置換元素のbの増加に伴って導電率は増大する(試料N
o3と4)が、Srの量aを増加させても導電率は殆ど
変化しない(試料No5〜8)。a>1.1のとき焼結
体の成形自体が困難で(試料No18)、aが1.1
で、b>0.1としたときも焼結体が成形困難となっ
た。従って(a+b)/(c+d)<1.2の条件を満
たさないと、焼結が困難であろう。
に示すように、導電率は1.0×10-3S/cm以上を得
ることができるが、置換元素Mに最も導電率の低いLa
を採用して、元素La無添加でSrのaを0.9より小
さくした試料No17や、さらに、aを0.9未満で、
cを0.7から1.0にし、且つdを0.16にした試
料No15と16は導電率が非常に低下している。Sr
のaを0.9にして、Ceのcを1より大きくした場合
(試料No18)も同様に著しく導電率を低下させる。
aを0.7以下にしたとき(試料No20)、も焼結困
難であった。(a+b)/(c+d)=1.2が焼結の
限界で、これを超えると、焼結組成物の合成が困難あ
る。その他、式(2)のa、b、c及びdの条件を満た
せば、焼結可能となる。
3-α(L、Mは添加元素)で表される組成の酸化物で、
添加元素Lは少なくともMg、Ca、Baの元素を含
み、添加元素Mは少なくとも希土類元素を含み、かつ組
成比aが0.9から1.1までの範囲であることと、組
成比bが0から0.1までの範囲であることと、組成比
cが0.7から1までの範囲であることと、組成比dが
0.16から0.4までの範囲である酸化物は高いプロ
トン導電性を示すことが明らかになった。
イオン伝導性を有するプロトン伝導性酸化物であって、
その酸化物が式(2)に示す構造を有し、粘結助剤の添
加元素がB、Al、Ga、In、C、Si及びGeを含
む焼結助剤を加えて、電導体とした例を示す。添加元素
は、式(2)の酸化物1モルに対して0.1モル以下の
範囲に調製した。
材料の機械的強度の向上と耐酸性を高める発明である。
従って前記混合イオン電導体に、微量の酸化性元素を添
加することにより、酸化物内および粒界同士の結合性を
高め機械的強度および耐酸性向上を図るものである。
物と、焼結助剤として、B、In、Al、Ga及びSi
を金属で添加して、焼成して焼結体を作成し、次いで、
同様にして、各焼結体の導電率を測定した。焼結助剤の
添加により、導電率はわずかに減少したものの全ての試
料で1.0×10-3S/cm(500℃)以上であっ
た。しかしながら、助剤の添加量を0.1モル以上にし
たとき、導電率は著しく低下し、1.0×10-3S/c
m(500℃)以下になるものもあった。したがって、
焼結助剤の成分元素の添加量の上限は、上記化学式
(1)又は(2)で示したプロトン伝導性酸化物1モル
に対して0.1モルであると考えられる。
いて調べた。機械的強度は、各々焼結体試料を直径13
mmφ厚さ0.2mmに加工し、この試料を1mの高さ
から鉄床に落下させ、割れが生じるかどうか観察する落
下試験によった。まず、粘結助剤の金属元素を加えなか
った試料について落下試験を行ったところ、半数以上が
落下試験で割れを生じた。しかしながら、粘結助剤の金
属元素を加えた試料については、全て落下試験では割れ
を生じなかった。
硝酸溶液に、上記合成した酸化物のディスクを投入し、
酸化物が反応するかどうか観察した。粘結助剤の金属元
素を加えなかった試料について酸浸漬試験を行ったとこ
ろ、1/3の試料が酸浸漬中に格子を出して崩壊が、粘
結助剤の金属元素を加えた試料については、全て変化が
なかった。
ることにより混合イオン電導体の機械的強度と耐酸性が
著しく向上したものと考えられる。
例を示したものに過ぎず、本発明が提案する化学式に従
う他の材料でも同様の結果を得ている。
高いプロトン伝導性を有するSrCe1-x Mx O3-αで
表されるペロブスカイト型の単位格子組成を有する酸化
物であって、Mを3価の遷移金属、特に希土類元素とし
て、0.16≦x≦0.4の比較的多量に置換するよう
にしたので、プロトン伝導性の大きい、従って、導電率
の大きい混合イオン電導体を得ることができる。
ec Md O3-αで表される組成の酸化物であって、Mの
希土類元素とし、LをMg、Ca又はBaによりSrに
一部置換するようにしたので、プロトン伝導性の大き
い、従って、導電率の大きい混合イオン電導体を得るこ
とができる。
伝導性と特に高いプロトン伝導性とを兼ね備えた混合イ
オン電導体を提供でき、従来にない高性能なセンサや燃
料電池の開発や全く新しい電気デバイスの開発を可能に
する。
導性の酸化物に焼結助剤を添加して焼結することによ
り、化学的安定性に優れかつ、構造的に強化できるの
で、長期にわたり安定な高プロトン伝導的な導電体の材
料の係属使用が可能となる。この混合イオン電導体を用
いることにより、どのような条件下、酸性・アルカリ性
環境下でも高性能で長寿命な燃料電池、ガスセンサ、電
気デバイスを構成することを可能にする。
すグラフ。
の関係を示すグラフ。
Claims (9)
- 【請求項1】 酸化物イオン伝導性をも有するプロトン
伝導性酸化物であって、その酸化物が、一般式 SrCe1-x Mx O3-α (但し、0<α<1.5) で表される単位格子組成を有し、MがCeに置換可能な
3価遷移金属であり、且つ、Mの置換量xが0.16≦
x≦0.40の範囲にあることを特徴とする混合イオン
電導体。 - 【請求項2】 上記置換元素Mが、希土類元素であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の混合イオン電導体。 - 【請求項3】 希土類元素が重希土類元素であることを
特徴とする請求項2に記載の混合イオン電導体。 - 【請求項4】 重希土類元素が、Gdであることを特徴
とする請求項3に記載の混合イオン電導体。 - 【請求項5】 酸化物イオン伝導性を有するプロトン伝
導性酸化物であって、その酸化物が、一般式 Sra Lb Cec Md O3-α (但し、0<α<1.5) で表される単位格子組成を有し、 置換元素LがMg、Ca若しくはBaの元素であって、
置換元素Mは希土類元素を含み、 式中のaが0.9≦a≦1.1で、bが0≦b≦0.1
で、cが0.7≦c≦1.0で、且つ、dが0.16≦
d≦0.40であることを特徴とする混合イオン電導
体。 - 【請求項6】 添加元素Mの希土類元素が重希土類元素
であることを特徴とする請求項5記載の混合イオン電導
体。 - 【請求項7】 重希土類元素が、Gdであることを特徴
とする請求項6に記載の混合イオン電導体。 - 【請求項8】 上記混合イオン電導体が、上記酸化物と
焼結助剤とから焼結して成り、 上記の焼結助剤が、上記一般式で表される酸化物1モル
に対して、B、Al、Ga、In、C、Si及びGeよ
り選ばれた元素を0.1モル以下含む化合物であること
を特徴とする請求項5記載の混合イオン電導体。 - 【請求項9】 希土類元素がGdであることを特徴とす
る請求項8記載の混合イオン電導体。
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