JP2000197497A - 半連続培養によるタキソ―ルの大量生産方法 - Google Patents
半連続培養によるタキソ―ルの大量生産方法Info
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Abstract
提供することである。 【解決手段】 イチイ属の植物に由来する植物細胞を、
1乃至15μMのAgNO3が含まれている培地で培養
した後、タキソールを回収することを特徴とする、タキ
ソールの大量生産方法。
Description
物の細胞培養物由来のタキソールの大量生産方法に関す
る。より具体的には、イチイ属植物細胞の半連続培養に
よる、タキソールを高収率で大量生産する方法に関す
る。
ペン化合物である。例えば、タイヘイヨウイチイ(Taxus
brevifolia)の樹皮より単離されたタキソールは、タキ
サン環を有する最初に同定された化合物として有名であ
り、白血病および癌の治療に有効である。最近、タキソ
ールは微小管の解重合を抑制することにより卵巣癌、乳
癌および肺癌患者のそれぞれ約30%、50%および20%を治
すことが可能であると報告された(E.K. Rowinskyら, J.
Natl. Cancer. Inst., 82:1247-1259 (1990) 参照)。
合成法、半合成法および抽出法が用いられてきた。しか
し、全化学合成法はタキソールの複雑な化学構造から予
想できるように非常に高価な試薬を必要とし、また収率
もそれほど高くないので、本分野では実際には使用され
ていない。10-デアセチルバッカチンIII等の前駆体を用
いる半合成法は、イチイ属植物からタキソール前駆体を
単離精製し、さらにタキソール前駆体をタキソールへ変
換する複雑で多数の工程を本質的に必要とするため、幾
つかの欠点がある。この点で、タキソールをイチイ属植
物から直接単離することができる抽出法は経済的な利点
を有するため、本分野で普及した。しかし、この方法は
タキソールを精製するために大量のイチイの樹を本質的
に必要とし、それは最終的には深刻な環境破壊を引き起
こす、という意味でさほど満足すべきものでないことが
示された。
び抽出法の、世界中の化学療法用途にタキソールを提供
する能力は保証されていない;そこで、タキソール生産
の別の手段を研究し、開発する強い理由が存在する。上
記の問題を解決するための有望な別の手段として、タキ
ソール生産のための細胞培養が本分野で提案された。細
胞培養に基づくタキソール生産方法は、先行技術と違っ
て、以下の利点を有する。第1に、胴枯れ病や害虫等に
よる損害によるイチイ植物供給の変動に関わらず、タキ
ソールが安定した方法で生産できる。第2に、細胞培養
物を大きなバイオリアクターの中で増殖させ、そして培
養条件を操作することによってそこからタキソールを大
量に生産させることができる。第3に、他の先行技術の
方法と比較して、細胞培養物はより単純な範囲の化合物
を生成するので、分離および精製がかなり単純化され
る。第4に、他の方法に較べ、細胞培養プロセスは急激
な需要の変化に迅速に適合できる。第5に、細胞培養プ
ロセスにより、タキソールおよびタキソールに変換可能
なバッカチン等のタキサン前駆体を生産できる。
産する方法が本分野で記述されている。USP 5,019,504
はタイヘイヨウイチイの培養細胞を用いてタキソールお
よびその誘導体を生産する方法を開示している。しか
し、ここに記載されたタキソールの収率は 1〜3 mg/L
で、これは産業上の利用には不十分である。そのうえ、
細胞培養によるタキソールの生産は不安定で、選択によ
り高生産性の一次細胞が得られた場合でも、継代培養に
よってその含量を維持することは困難である (E.R.M.Wi
ckremesineら, World Congress on Cell and Tissue Cu
lture (1992) 参照)。
おける前駆体であるバッカチンIIIからの半合成法を教
示する。植物組織培養の使用により、バッカチンIII等
の半合成プロセスのための原料が生成されうる。したが
って、植物組織培養は上記の半合成法によるタキソール
の生産方法にも利用することができる。W0 93/17121
は、培地の組成、増殖速度、および生産速度等を変えな
がらイチイ属植物の細胞を培養することによるタキソー
ルの生産方法を提案する。中国イチイ(Taxus chinensi
s)の場合、18日の培養で24.1mg/Lのタキソールが得ら
れ、バイオマスは2.5日毎に2倍になる。
することによるタキソールの大量生産方法を記述してい
る。タキソール生産性細胞系の半連続培養について、上
記特許には何の教示もなく、また予想できるものでもな
い。このような状況下で、USP 5,407,816は、中国イチ
イの細胞を栄養培地に接種して懸濁物を形成し、次にこ
の懸濁物を培養して懸濁培養物を形成し、次にこれを別
の栄養培地で継代培養し、生産性培養物を形成したとこ
ろ、この培養物は最終的に153 mg/Lの収量でタキソール
およびタキサンを生じる、と記述している。この方法は
タキソールの生産性をかなり改善したが、この方法は組
成が非常に複雑な多数の栄養培地を本質的に必要とし、
またかなり限定された増殖条件のもとで高い生産性が実
現される、という意味でさほど満足すべきものではない
ことが示された。
途に使用できるかどうかを決める重大な因子である高い
生産性という要求を満たすことのできる、タキソール生
産のための実用的で簡素な方法を開発する必要が継続し
ている。本発明によれば、新規なタキソール生産性細胞
系Taxus chinensis SYG-1の半連続培養により、タキソ
ールを高い効率で生産できることが見いだされた。した
がって、本発明の第1の目的は半連続培養によるタキソ
ールの大量生産方法を提供することである。
された新規なタキソール生産性細胞系を提供することで
ある。本発明の上記および他の目的、ならびに特徴は、
添付の図面と共に提供される以下の説明により明らかに
なるであろう。
チイから誘導されたカルスをベースとしてタキソール生
産性細胞系を開発し、そしてその細胞系を本分野で公知
の細胞系と比較した。タキソール生産性細胞系の形態、
生理および増殖条件の比較研究から、新たに開発された
細胞系はタキソール生産性、タキソール分泌様式、等に
鑑みて先行技術の細胞系と幾分異なった、新規な細胞系
であることが確認された。したがって、この細胞系をTa
xus chinensis SYG-1 (以後便宜のため「SYG-1」と呼
ぶ)と名付け、Korean Collection for Type Cultures
(KCTC)、国際寄託機関(IDA)に受託番号 KCTC 0232BPの
もとに1996年3月14日に寄託した。
件を最適化し、そしてSYG-1細胞はB5培地、最も好まし
くは20μM NAA(ナフトキシ酢酸)、0.4μM BAP(6-ベンジ
ルアミノプリン)、1 g/Lカゼイン加水分解物および30g/
Lスクロースを補充したB5培地で、温度24℃の条件下
で、攪拌速度150 rpmで良好に増殖することを確認し
た。他方、タキソールの生産性に対するAgN03、NH4-ク
エン酸塩およびマルトースの効果もまた検討し、そして
発明者らはこれらの添加はタキソールの生産性をかなり
向上させると結論した。
んでなるSYG-1の半連続培養を用いることにより、タキ
ソールを高い収率で調製することが可能である。すなわ
ち: (i)イチイ属植物細胞を1〜10%(w/v)の糖を含有する培地
に接種し、これをインキュベートし;そして(ii)上記の
工程(i)で得られた培養物の1/10から1/2容量を新鮮な培
地に移して上記の工程(i)を繰り返し、残りの培養物に1
〜10%(w/v)の糖を添加し、そしてタキソールの最大生産
時までインキュベートする工程である。
培養物に添加し、これを10〜20日間、より好ましくは10
〜15日間、1〜15μM、より好ましくは5〜10μMの濃度で
インキュベートすることができる。さらに、NH4-クエン
酸塩およびマルトースを、インキュベーション開始後5
〜30日目に、より好ましくは5〜10日目に、それぞれ1〜
15 mM、より好ましくは1〜10 mM、および1〜10%(w/v)、
より好ましくは1〜5%(w/v)の濃度で培養物に添加するこ
とができる。
全培養物の1/10から1/2容量を新鮮な培地(この内容物
は培養の始めに用いられたものと同じである)を含有す
る別のフラスコに移し、培養サイクルを開始する。次
に、全培養物の9/10から1/2に相当する残りの培養物
に、1〜10%(w/v)、より好ましくは1〜5%(w/v)のマルト
ースを添加し、30〜60日間インキュベートする。この間
にタキソールの生産が最大となる。この時、インキュベ
ーションは24℃で、攪拌速度150 rpmで、暗条件下で行
われる。
は、タイヘイヨウイチイ、カナダイチイ(Taxus canaden
sis)、イチイ(Taxus cuspidata)、セイヨウイチイ(Taxu
s baccata)、メキシコイチイ(Taxus globosa)、フロリ
ダイチイ(Taxus floridana)、インドイチイ(Taxus wall
ichiana)、タクスス・メディア(Taxus media)および中
国イチイを含むが、本発明者らによって新たに開発され
たTaxus chinensis SYG-1が最も好ましく用いられる。
本発明の方法によれば、タキソールの生産性を改善する
ためAgN03、NH4-クエン酸塩およびマルトースを添加す
る半連続培養にTaxus chinensis SYG-1を用いた場合、
インキュベーション開始後42〜49日目に300 mg/Lという
レベルのタキソール生産性が観察される。
って生産されたタキソールは、下記の表1に記載の特定
の条件のもとで高速液体クロマトグラフィーを用いて定
量的にアッセイされる。
するが、それらは本発明の範囲を制限するものではな
い。
よびその特徴付け 本発明の細胞系は、カルス誘導によって中国イチイから
単離された。ホルモンを含有する適切な培地を用いて植
物組織をインキュベートすると、未分化細胞であるカル
スが誘導された。中国イチイの樹皮、葉、幹および根由
来の組織を水道水で洗浄し、次亜塩素酸カルシウム溶液
で20〜30分間滅菌した。次に、滅菌した組織を蒸留水で
2〜3回洗浄し、長さ1 cmに刻み、そして20μM NAA(ナフ
トキシ酢酸)、0.4μM BAP (6-ベンジルアミノプリン)、
1 g/Lカゼイン加水分解物および30 g/Lスクロースを0.2
%(w/w)ゼライト(gelite)で固形化した後に補充したB5培
地(Gamborgら, Can. J. Biochem., 46:417-421 (1968)
参照)に移し、24〜26℃で2〜6週間暗条件下でインキュ
ベートし、目的のカルスを誘導した。
えばMS (Murashige T. および F. Skoog F., Physiol.
Plant, 5:473 (1962) 参照)、SH (SchenkおよびHilderb
randt, Can. J. Bot., 50:199-204 (1972) 参照)、WPM
(LloydおよびMccown, Int. Plant Prop. Soc. Proc., 3
0:421-427 (1981) 参照)およびB5培地(前出)にそれぞれ
移して、肉眼でカルスの増殖パターンを観察することに
より、カルスの増殖培地を選択した。上の結果から、カ
ルスは20μM NAA、0.4μM BAPおよび2 g/Lカゼイン加水
分解物を含有するB5培地で良好な増殖を示すことが確認
された。
いて、形態、生理および増殖条件に関する研究を行い、
そして本分野で公知の細胞系と比較した。結果を下記の
表2および3にまとめた。表2および3から分かるように、
本発明において開発された細胞系は、タキソール生産性
およびタキソール分泌様式、等の点で先行技術の細胞系
と区別される特徴を有する。したがって、この細胞系を
Taxus chinensis SYG-1と名付け、Korean Collection f
or Type Cultures (KCTC)、国際寄託機関(IDA)に受託番
号 KCTC 0232BPのもとに1996年3月14日に寄託した。
この細胞系をそれぞれMS、SH、WPMおよびB5培地に移
し、実施例1と同様に増殖パターンを観察した。その結
果、SYG-1細胞はカルス同様、20μM NAA、0.4μM BAPお
よび2 g/Lカゼイン加水分解物を含有するB5培地で良好
に増殖した。さらに、SYG-1細胞は24℃の温度で、攪拌
速度150 rpmで良好に増殖することも確認された。
一部を移しながらカルスの連続培養を4週間毎に行っ
た。カルスの一片を固形培地のプレート上で維持した。
次に、固形培地上で維持したカルスを少量のB5培地に接
種し、細胞が増殖して培養物の全容量が増加するにつ
れ、少量の培地を培養物に補充した。次に、良好に増殖
した細胞系を500 mlの三角フラスコに入れた改変B5培地
中で1/5(v/v)の比率で希釈し、2週間ごとに懸濁培養培
地に接種した。
の効果 AgN03は、植物細胞の成長および二次代謝物の生産に影
響を及ぼす植物ホルモン、エチレンのアンタゴニストで
あることが周知である。したがって、本発明者らは SYG
-1の懸濁培養におけるAgN03のタキソール生産性に対す
る効果を試験した。250mlの三角フラスコに、10μMのAg
N03および25 mlの14日齢細胞培養物を含有する75 mlのB
5培地を注ぎ、実施例2と同様にインキュベートした。次
に、タキソールの生産性をAgN03を含まない対照と比較
した(図1参照)。図1から分かるように、AgN03を培地に
加えた時(−●−)のタキソール生産量98.95 mg/Lは、対
照(−○−)の4.7倍であることが明確に確認された。
クエン酸塩の効果 NH4-クエン酸塩を添加した後、SYG-1の懸濁培養におけ
るタキソールの生産性をモニターした。250 mlの三角フ
ラスコに75 mlのB5培地を注ぎ、この培地に25mlの14日
齢細胞培養物を接種して、実施例2に記載の増殖条件と
同一の条件でインキュベートした。9日間のインキュベ
ーション後、5 mMのNH4-クエン酸塩を培養物に加え、NH
4-クエン酸塩を添加しなかった対照とタキソール生産性
を比較した(図2参照)。図2から分かるように、NH4-クエ
ン酸塩を培地に加えた時(−●−)のタキソール生産量は
約103.6 mg/Lで、これは対照(−○−)の4.9倍であるこ
とが確認された。
トースの効果 植物細胞培養物における糖濃度の増加は、二次代謝物生
産の増加をもたらすことがよく知られている。例えば、
3%(w/v)スクロースおよび5%(w/v)マンニトールの添加が
Daucus(ニンジン属)carotaのカルス培養におけるアント
シアニンの生産性を改善したことが報告されている(Kno
bloch, K.-H.ら, Zeiteshrift fur Natruforschung, 35
c:55-556 (1981) 参照)。また、88 mMスクロースおよび
165 mMマンニトールは、Vitis(ブドウ属)viniferaの懸
濁培養におけるアントシアニンの生産性を増大させた(R
ajendran, L. ら, Biotechnology Letters, 14(8): 707
-712 (1992) 参照)。他方、ある濃度を超えて糖を添加
した場合、恐らく浸透圧のためと思われる、増殖および
二次代謝物生産の低下もまた報告されている(Do, C. B.
および Cormier, F., Plant Cell Reports, 9:500-504
(1990) 参照)。SYG-1へのマルトース添加の効果を評価
した。
注ぎ、この培地に25 mlの14日齢細胞培養物を接種し
て、実施例2に記載の増殖条件と同一の条件でインキュ
ベートした。次に、2%(w/v)および3%(w/v)のマルトース
をそれぞれインキュベーション開始後9日目および21日
目に培養物に添加した。そして、タキソールの生産性を
マルトースを含有しない対照と比較した(図3参照)。図3
から分かるように、マルトースを培地に加えた時(−●
−)のタキソール生産量は112.75 mg/Lで、これは対照
(−○−)の5.3倍であることが確認された。
続培養を用いてタキソールを調製した。250 mlの三角フ
ラスコに80 mlの増殖培地と20 mlの14日齢SYG-1培養物
を加え、そして培養の始めに10μM AgN03を加え、次に5
mM NH4-クエン酸塩および2%(w/v)マルトースをインキ
ュベーション開始後9日目に加えた。インキュベーショ
ン開始後21日目に、全培養物の1/5容量に相当する20 ml
の培養物を80 mlの新鮮な培地を含有する別のフラスコ
に移し、別の培養サイクルを開始させた。次に、全培養
物の4/5容量に相当する80mIの残った培養物に、3%(w/v)
マルトースを添加し、さらに21日間インキュベートし
た。この期間にタキソール生産は最大となる。この時、
インキュベーションは24℃で、攪拌速度150 rpmで実施
した。培養物サンプルを採取し、定期的に微生物汚染を
チェックした。また、培養物中に生産されたタキソール
の量を上記のように高速液体クロマトグラフィー(HPLC,
Waters,U.S.A.)を用いて測定した。その結果、微生物
汚染は観察されず、また、42日間インキュベーションし
た後のタキソール生産性は284 mg/Lであることが確認さ
れた(図4参照)。図4から分かるように、タキソール濃度
は培養サイクルを繰り返すにつれ増大した。
るように、本発明はイチイ属植物の半連続培養による、
タキソールを高収率で大量生産する方法に関する。本発
明によれば、タキソールの生産性を改善するためAgN
03、NH4-クエン酸塩およびマルトースを添加する半連続
培養にTaxus chinensis SYG-1を用いた場合、インキュ
ベーション開始後40〜50日目に300 mg/Lというレベルの
タキソール生産性が観察された。
果を示すグラフである。
酸塩の効果を示すグラフである。
の効果を示すグラフである。
半連続培養におけるタキソールの生産性を示すグラフで
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 イチイ属の植物に由来する植物細胞を、
1乃至15μMのAgNO3が含まれている培地で培養
した後、タキソールを回収することを特徴とする、タキ
ソールの大量生産方法。
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