JP3019736B2 - タキサン型ジテルペンの製造方法 - Google Patents

タキサン型ジテルペンの製造方法

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JP3019736B2
JP3019736B2 JP6304089A JP30408994A JP3019736B2 JP 3019736 B2 JP3019736 B2 JP 3019736B2 JP 6304089 A JP6304089 A JP 6304089A JP 30408994 A JP30408994 A JP 30408994A JP 3019736 B2 JP3019736 B2 JP 3019736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卵巣癌、乳癌、肺癌等
の治療薬として有用であるタキソールを含むタキサン型
ジテルペンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】卵巣癌、乳癌、肺癌等の治療薬として有
用であるタキソール(Taxol) は、イチイ科イチイ属植物
であるタイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia NUTT) よ
り単離同定されたタキサン型ジテルペンであり、活性と
関連する複雑なエステルグループを有している。タキソ
ールはタイヘイヨウイチイ植物体中のどの部位にも存在
し、その含量は樹皮で最も高いことが報告されている。
現在、タキソールは天然の又は栽培された植物体から採
取されているが、イチイ属植物は地上20cmの高さに成
長するのに10年以上かかる生育の遅い植物であり、また
樹皮を剥ぐと木が枯れてしまうことから、大量のタキソ
ールを得ることは経済的に困難である。もし、タキソー
ル又はタキソールの前駆物質であるバッカチンIII (bac
catin III) 等のタキサン型ジテルペンを組織培養を利
用して生産することができれば、樹木を伐採することな
く、大量のタキソールを容易に得ることができるので有
利である。
【0003】これまでの植物の培養細胞を利用したタキ
ソール生産方法については、タイヘイヨウイチイ(Taxu
s brevifolia NUTT )培養細胞によるタキソール生産方
法が米国で特許(米国特許第5019504 号)になっている
が、そのタキソール生産量は1〜3mg/lと記載されてお
り、工業的生産には不十分である。また、タキソール生
産方法の先行技術としては、タキソール生合成前駆体で
あるバッカチンIII からの半合成法がHoltonらの米国特
許第5015744 号明細書に開示されている。植物の組織培
養法を用いれば、バッカチンIII 等の半合成原料の生産
も可能であり、前記半合成法によるタキソール生産にも
利用できる。
【0004】一般的に実施されている植物組織又は細胞
の培養においては、組織又は細胞の増殖に必要な栄養源
や植物ホルモンを含む培地に予め培養して得られる細胞
を仕込み、小スケールの場合はフラスコ等を用いて拡散
で空気中の酸素を細胞に供給し、大スケールの場合は空
気を培地中に適当なスパージャー等を通して強制通気す
ることで細胞に酸素を供給する。
【0005】しかし、本発明が対象としているタキサン
型ジテルペン産生植物、例えばイチイ科イチイ属植物の
組織又は細胞等を用い、前記の空気を強制的に通気する
方法を詳しく調べた結果、その多くの場合に組織又は細
胞等が褐変し、甚だしい場合は組織又は細胞等が死滅す
るという問題があることを見いだした。また、このよう
な重篤な問題が生じない場合においても、空気強制通気
法においては拡散通気による小スケールの培養に比較し
てタキサン型ジテルペンの生産量が減少することを見い
だした。このような現象はなぜ発生するかについて明ら
かにされたことはこれまでにはなかった。
【0006】前記の空気を強制的に通気する方法は古く
から知られた培養技術であり、植物組織又は細胞を大量
に培養して工業的に利用するに当たっては必須の技術で
ある。しかし、多くの植物種の大量培養で強制通気法で
の培養成績が小スケールの結果を下回るか、ある場合に
は細胞が死滅する等の現象が認められることがあり、単
純にその方法を適用することは不可能であったり、極め
て高度な技術の開発を要することが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、植物
組織培養により効率よくタキサン型ジテルペンを製造す
る方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、タキサン型ジテルペンを産生する植物の組織及
び/又は細胞を強制通気の条件で培養するに当たって、
特別な条件を採用することにより細胞を褐変させること
なく、またタキサン型ジテルペンの生産を抑制すること
なく培養する方法を見いだし、更に検討を加えてタキサ
ン型ジテルペン産生植物の組織又は細胞を用いるタキサ
ン型ジテルペンの効率的な製造方法を完成した。
【0009】即ち、本願第1の発明は、タキサン型ジテ
ルペンを産生する植物の組織及び/又は細胞を、0.0
4%以上の炭酸ガスを含有する酸素含有ガスを用いて培
養することを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方
法である。更に、本願第2の発明は、タキサン型ジテル
ペンを産生する植物の組織及び/又は細胞を培養槽を用
いて培養するに当たり、新たに供給する酸素含有ガスと
該培養槽から排出されるガスの一部を混合したガスを用
いることを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方法
である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
製造方法の対象となるタキサン型ジテルペンとしては、
タキサン骨格を有するジテルペンであれば特に制限はな
く、例えばタキソール、10−デアセチルタキソール、
7−エピタキソ−ル、バッカチンIII 、10−デアセチ
ルバッカチンIII 、7−エピバッカチンIII 、セファロ
マニン、10−デアセチルセファロマニン、7−エピセ
ファロマニン、タキサギフィン及びその類縁体、タキサ
ン1a及びその類縁体、キシロシルセファロマニン、キ
シロシルタキソール等が挙げられる。
【0011】本発明の製造方法に用いられるタキサン型
ジテルペンを産生する植物としては、例えばセイヨウイ
チイ(Taxus baccata LINN)、イチイ(T. cuspidata SIE
B.etZUCC) 、キャラボク(T. cuspidata SIEB.et ZUCC v
ar. nana REHDER)、タイヘイヨウイチイ(T. brevifolia
NUTT)、カナダイチイ(T. canadiensis MARSH)、中国イ
チイ(T. chinensis)、T. media等のイチイ属植物が挙げ
られる。
【0012】前記植物組織又は細胞の培養は、従来から
知られている各種の方法、即ち回分法、連続法又はその
他の方法のいずれも実施可能である。本願第1の発明を
タンク等の培養槽を用いて実施する場合は、細胞に酸素
を供給する目的で酸素含有ガスを培養液内に通気する。
酸素含有ガスとしては、0.04%以上の炭酸ガスを含
有する酸素含有ガス、例えば炭酸ガスを0.04%以上
に冨化した空気が使用可能であるが、窒素等の不活性ガ
スを主体とするガスであって、酸素濃度が5%以上で炭
酸ガス濃度が0.04%以上であれば好適に使用可能で
あり、酸素濃度が5%以上で炭酸ガス濃度が0.04〜
10%の酸素含有ガスを使用することが好ましく、酸素
濃度が10〜25%かつ炭酸ガス濃度が0.1〜5%の
酸素含有ガスを使用することが更に好ましい。
【0013】本願第2の発明をタンク等の培養槽を用い
て実施する場合は、細胞に酸素を供給する目的で培養液
内に通気する酸素含有新鮮ガスとして、空気が使用可能
であるが、窒素等の不活性ガスを主体とする酸素含有ガ
スであれば使用可能である。本願第2の発明においては
培養槽から排出されるガスの一部が循環使用されるが、
その循環する割合は新鮮な酸素含有ガスと混合し槽内に
通気するガスの組成が、好ましくは、酸素濃度が5〜2
5%で炭酸ガス濃度が0.04〜10%、更に好ましく
は、酸素濃度が5〜20%かつ炭酸ガス濃度が0.1〜
5%となるように循環の比率を定めることで本発明の効
果を最大限に発揮可能である。
【0014】本発明における組織培養に用いられる培地
としては、従来から知られている植物の組織培養に用い
られる培地、例えばムラシゲ・スクーグ(1962 年) 〔Mu
rashige & Skoog 〕の培地、リンスマイヤー・スクーグ
(1965 年) 〔Linsmaier Skoog 〕の培地、ウッディー・
プラント・メディウム(1981 年) 〔Woody Plant Mediu
m〕、ガンボルグ〔Gamborg 〕のB−5培地、三井のM
−9培地等が挙げられる。
【0015】これら培地に植物ホルモンを添加し、更に
必要に応じて炭素源、無機成分、ビタミン類、アミノ酸
類等を添加することもできる。植物ホルモンとしては、
例えばインドール酢酸(IAA) 、ナフタレン酢酸(NAA)、
2, 4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D) 等のオーキシ
ン類、カイネチン、ゼアチン、ジヒドロゼアチン等のサ
イトカイニン類が用いられる。
【0016】炭素源としては、ショ糖(スクロース)、
マルトース、ラクトース等の二糖類、グルコース、フル
クトース、ガラクトース等の単糖類、デンプン等の多糖
類あるいはこれら糖源の2種類以上を適当な比率で混合
したものを使用できる。無機成分としては、例えばリ
ン、窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオ
ウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、銅、モリブデン、塩
素、ナトリウム、ヨウ素、コバルト等が挙げられ、これ
らの成分は例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸
カルシウム、塩化カリウム、リン酸水素二カリウム、リ
ン酸二水素カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マ
ンガン、硫酸亜鉛、ホウ酸、硫酸銅、モリブデン酸ナト
リウム、三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、塩化コバ
ルト等の化合物として添加できる。
【0017】ビタミン類としては、例えばビオチン、チ
アミン(ビタミンB1 )、ピリドキシン(ビタミン
6 )、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等が
用いられる。アミノ酸類としては、例えばグリシン、フ
ェニルアラニン、ロイシン、グルタミン、システイン等
を添加できる。
【0018】一般に前記の各成分は、植物ホルモン類が
約0.01〜約10μM 、炭素源が約1 〜約30g/l 、無機成分
が約0.1 μM 〜約100mM 、ビタミン類及びアミノ酸類が
それぞれ約0.1 〜約100mg/l の濃度で用いられる。な
お、本発明には液体培地及び寒天やゲランガム等を通常
0.1 〜1 %含有する固形培地のいずれも使用できるが、
液体培地を用いる方がより効果的である。
【0019】本発明における組織培養においては、前記
植物の根、生長点、葉、茎、種子、花粉、葯、がく等の
組織片又は細胞、あるいはこれらを前記培地又は他の従
来の培地によって組織培養して得られる培養細胞を使用
することができる。また本発明は、Agrobacterium tume
faciens 又はAgrobacterium rhizogenesを植物組織に感
染することによって得られる腫瘍細胞及び/又は毛状根
にも適用できる。
【0020】本発明の製造方法は、各種のタキサン型ジ
テルペンの生産促進物質の存在下に培養する方法と併用
することにより、タキサン型ジテルペンの生産性を更に
高めることができる。タキサン型ジテルペンの生産促進
物質としては、特願平6−104211、6−1042
12、6−104213号明細書等に開示されているジ
ャスモン酸類、特願平6−301179号明細書に開示
されているコロナチン類、又はコロナチン類産生菌又は
その培養液もしくは培養抽出物、特願平6−20115
0号明細書に開示されている重金属を含む化合物類、重
金属を含む錯イオン類及び重金属イオン、特願平6−2
01151号明細書に開示されているアミン類、特願平
6−252528号明細書に開示されている抗エチレン
剤が挙げられる。
【0021】前記ジャスモン酸類としては、一般式
(I):
【0022】
【化1】
【0023】[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e
びR1fは、それぞれ水素原子、水酸基、炭素数1〜6の
アルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し;R
2 、R3 、R4 、R5 及びR6aは、それぞれ水素原子又
は炭素数1〜6のアルキル基を表し;C1 −C2 −C3
−C4 −C5 −C6 からなる側鎖は、1個又は2個以上
の二重結合を含んでいてもよく;R6bは水酸基又は−O
−炭水化物残基を表し;R7 は水酸基、OM(ここで、
Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH
4 を表す。)、NHR8 (ここで、R8 は水素原子、炭
素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルキル基又は
アミノ酸残基を表す。)、OR9 (ここで、R9 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭水化物残基を表す。)又は
炭素数1〜6のアルキル基を表し;nは1〜7の整数を
表し;前記5員環は、隣接する環員炭素原子間で二重結
合を形成してもよい。]で示される化合物、一般式(I
I):
【0024】
【化2】
【0025】[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e
びR1fは、それぞれ水素原子、水酸基、炭素数1〜6の
アルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し;R
2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、それぞれ水素原子又
は炭素数1〜6のアルキル基を表し;C1 −C2 −C3
−C4 −C5 −C6 からなる側鎖は、1個又は2個以上
の二重結合を含んでいてもよく;R7 は水酸基、OM
(ここで、Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原
子又はNH4 を表す。)、NHR8 (ここで、R8 は水
素原子、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアル
キル基又はアミノ酸残基を表す。)、OR9 (ここで、
9 は炭素数1〜6のアルキル基又は炭水化物残基を表
す。)又は炭素数1〜6のアルキル基を表し;nは1〜
7の整数を表し;前記5員環は、隣接する環員炭素原子
間で二重結合を形成してもよい。]で示される化合物、
及び一般式(III) :
【0026】
【化3】
【0027】[式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e
びR1fは、それぞれ水素原子、水酸基、炭素数1〜6の
アルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し;R
2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は、それぞれ水素原子又
は炭素数1〜6のアルキル基を表し;C1 −C2 −C3
−C4 −C5 −C6 からなる側鎖は、1個又は2個以上
の二重結合を含んでいてもよく;R7 は水酸基、OM
(ここで、Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原
子又はNH4 を表す。)、NHR8 (ここで、R8 は水
素原子、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアル
キル基又はアミノ酸残基を表す。)、OR9 (ここで、
9 は炭素数1〜6のアルキル基又は炭水化物残基を表
す。)又は炭素数1〜6のアルキル基を表し;nは1〜
7の整数を表し;前記5員環は、隣接する環員炭素原子
間で二重結合を形成してもよい。]で示される化合物が
挙げられる。
【0028】前記一般式(I)、(II)及び(III) にお
いて、R1a、R1b、R1c、R1d、R 1e、R1f、R2 、R
3 、R4 、R5 、R6 、R6a、R7 、R8 又はR9 で表
される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。
【0029】前記一般式(I)、(II)及び(III) にお
いて、R1a、R1b、R1c、R1d、R 1e又はR1fで表され
る炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ
基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキ
シルオキシ基が挙げられる。
【0030】R7 がOMである場合において、Mで表さ
れるアルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原子として
は、例えばナトリウム、カリウム、カルシウムが挙げら
れる。R7 がNHR8 である場合において、R8 で表さ
れる炭素数1〜6のアシル基は、直鎖、分岐鎖のいずれ
でもよく、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニ
ル基、ブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、アク
リロイル基が挙げられる。
【0031】R7 がNHR8 である場合において、R8
で表されるアミノ酸残基としては、イソロイシル基、チ
ロシル基、トリプトフィル基が挙げられる。R7 がOR
9 である場合において、R9 で表される炭水化物残基、
及び前記一般式(I)においてR6bが−O−炭水化物残
基である場合における炭水化物残基としては、グルコピ
ラノシル基が挙げられる。
【0032】また、前記一般式(I)、(II)及び(II
I) で示される化合物においては、5員環は、隣接する
環員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。前記一般
式(I)で示される化合物の具体例としては、以下に示
す化合物が挙げられる。 (化合物A)
【0033】
【化4】
【0034】(化合物B)
【0035】
【化5】
【0036】(化合物C)
【0037】
【化6】
【0038】(化合物D)
【0039】
【化7】
【0040】前記一般式(II)で示される化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。 (化合物E)
【0041】
【化8】
【0042】(化合物F)
【0043】
【化9】
【0044】(化合物G)
【0045】
【化10】
【0046】(化合物H)
【0047】
【化11】
【0048】前記一般式(III) で示される化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。 (化合物I) R1a,R1b,R1c,R1d,R1e,R1f,R2 ,R3 ,R
4 ,R5 ,R6 :H C3 とC4 の間で二重結合形成 R7 :−OH又は−OCH3 n:1〜3 (化合物J) R1a,R1b,R1c,R1d,R1e,R1f,R2 ,R3 ,R
4 ,R5 ,R6 :H R7 :−OH n :1 前記一般式(III) で示される化合物において、R1a、R
1b、R1c、R1d、R1e又はR1fが水酸基である化合物、
又は5員環において隣接する環員炭素原子間で二重結合
が形成された化合物の具体例としては、例えば、以下に
示す化合物が挙げられる。 (化合物K)
【0049】
【化12】
【0050】(化合物L)
【0051】
【化13】
【0052】(化合物M)
【0053】
【化14】
【0054】(化合物N)
【0055】
【化15】
【0056】前記一般式(I)、(II)又は(III) で示
される化合物の好ましいものとしては、R1a、R1b、R
1c、R1d、R1e、R1f、R2 、R3 、R4 、R5 及びR
6 が水素原子であり、R7 が水酸基又はメトキシ基であ
り、C1 −C2 −C3 −C4−C5 −C6 からなる側鎖
が、二重結合を含まないか、あるいはC1 とC2 、C 2
とC3 又はC3 とC4 の間で二重結合を含む化合物が挙
げられる。
【0057】本発明で使用される前記一般式(I)、
(II)又は(III) で示されるジャスモン酸類には種々の
立体異性体(シストランス異性体、光学異性体)が存在
するが、それぞれの異性体を単独で用いても、混合物の
形で用いてもよい。以上のジャスモン酸類は、全てタキ
サン型ジテルペンの生産性向上に効果を有するが、中で
も前記一般式(I)、(II)及び(III) において、
1a、R1b、R 1c、R1d、R1e、R1f、R2 、R3 、R
4 、R5 及びR6 が水素原子であり、R 7 が水酸基又は
メトキシ基であり、nが1であり、C3 とC4 の間で二
重結合を含んでいる化合物であるツベロン酸、又はツベ
ロン酸メチル、ククルビン酸又はククルビン酸メチル、
及びジャスモン酸又はジャスモン酸メチルが生産性向上
に対する効果の大きさの点から特に好ましい。
【0058】これらジャスモン酸類は、合成により、又
は植物からの抽出等により調製される(H.Yamane et a
l. Agric. Biol. Chem., 44, 2857-2864(1980) )。一
方、ジャスモン酸類は、生長促進や組織の成熟、病害抵
抗性の発現にかかわる諸反応を誘起する植物ホルモン様
物質として、種々の植物が自ら生産することが、吉原照
彦著、植物細胞工学第2巻第4号523 〜531 頁(1990
年)に記載されている。
【0059】従って、ジャスモン酸類は、培養系外から
添加するほかに、使用する培養細胞又は培養組織に自ら
生産させることもできる。この内在性ジャスモン酸類の
培養細胞又は培養組織による生産を促進する方法として
は、微生物の培養物又はその抽出物、熱処理物あるいは
植物抽出物などの培地への添加を例示することができ、
具体的にはM.J.Mueller et al., Proc. Natl. Acad. Sc
i.U.S.A., 90(16), 7490-7494 (1993)に記載の、カビ細
胞壁画分を添加する方法を例示することができる。ま
た、使用する培養細胞又は培養組織に、機械的に又は紫
外線、熱などによって部分的に傷害を与えることによっ
ても、内在性ジャスモン酸の生産量を高めることが可能
であり、具体的には、R.A.Cleeman et al., Proc. Nat
l. Acad. Sci. U.S.A.,89(11), 4938-4941 (1989) に記
載の、機械的に一部の細胞を破壊する方法を例示するこ
とができる。
【0060】ジャスモン酸類は、水に対して難溶性のた
め、通常エタノール、メタノール等の有機溶媒、又は界
面活性剤等に溶解した後、培地に添加する。また、遊離
形のジャスモン酸類は、そのまま用いてもよいし、アル
カリで中和して塩にして用いてもよい。ジャスモン酸類
のうち、前記式(I)又は(III) で示される化合物は、
5員環カルボニル基のα位が、酸、アルカリ、熱によっ
てエピマー化を起こすため、不安定なシス型より安定な
トランス型になりやすい。天然又は合成ジャスモン酸を
用いた平衡実験では、トランス型が90%、シス型が1
0%の状態で存在する。一般にはシス型の方が活性が強
いとされているが、本発明で使用されるジャスモン酸類
は、前記式(I)又は(III) で示される全ての立体異性
体化合物及びその混合物を包含する。
【0061】ジャスモン酸類を使用する場合、培地にお
ける濃度が0.01〜1000μMとすることが必要であり、こ
の中でも特にジャスモン酸類の濃度を0.1 〜500 μMの
範囲に調整することが好ましい。タキサン型ジテルペン
の生産促進物質として用いることができるコロナチン類
としては、一般式(IV):
【0062】
【化16】
【0063】又は一般式(V):
【0064】
【化17】
【0065】[式中、R10は、水酸基、OR11(ここ
で、R11は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭水化物残
基を表す。)、OM1 (ここで、M1 は、アルカリ金属
原子、アルカリ土類金属原子又はNH4 を表す。)又は
NR12a 12b (ここで、R12a及びR12b は、それぞ
れ独立に水素原子、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1
〜6のアルキル基、アミノ酸残基又は一般式(VI):
【0066】
【化18】
【0067】(ここで、R13は、水素原子、水酸基、炭
素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基
又は次式 ーCO−R16 (式中、R16は、水酸基、OM2 (ここで、M2 は,ア
ルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH4 を表
す。)、NR17a 17b (ここで、R17a 及びR
17b は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアシ
ル基、炭素数1〜6のアルキル基又はアミノ酸残基を表
す。)又はOR18(ここで、R18は、炭素数1〜6のア
ルキル基又は炭水化物残基を表す。)を表す。)で示さ
れる基を表し;R 14a 、R14b 、R15a 及びR15b は、
それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアル
キル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)で示
される基を表す。)を表し;R19a 、R19b 、R20a
20b 、R21、R22、R23a 、R23b 、R24a
24 b ,R25a 、R25b 、R26及びR28は、それぞれ独
立に水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は
炭素数1〜6のアルコキシ基を表し;R27は、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭水化物残基を表
し;式中の五員環及び六員環は、隣接する炭素原子間で
二重結合を形成してもよい。]で示される化合物等が挙
げられる。
【0068】前記一般式(IV)、(V)及び(VI)にお
いて、R11、R12a 、R12b 、R13、R14a 、R14b
15a 、R15b 、R17a 、R17b 、R18、R19a 、R
19b 、R20a 、R20b 、R21、R22、R23a 、R23b
24a 、R24b ,R25a 、R25 b 、R26、又はR27で表
される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec −ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
【0069】前記一般式(IV)、(V)及び(VI)にお
いて、R13、R14a 、R14b 、R15 a 、R15b
19a 、R19b 、R20a 、R20b 、R21、R22
23a 、R23b 、R24a 、R24b ,R25a 、R25b 、又
はR26で表される炭素数1〜6のアルコキシ基として
は、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチル
オキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ
基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が
挙げられる。
【0070】R10又はR16が、OM1 又はOM2 である
場合において、M1 又はM2 で表されるアルカリ金属原
子又はアルカリ土類金属原子としては、例えばナトリウ
ム、カリウム、カルシウム等が挙げられる。R10又はR
16が、NR12a NR12b 又はNR17a 17b である場合
において、R12a 、R12b 、R17a 又はR17b で表され
る炭素数1〜6のアシル基は、直鎖、分岐鎖のいずれで
もよく、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、アクリ
ロイル基等が挙げられる。
【0071】R10又はR16が、NR12a NR12b 又はN
17a 17b である場合において、R12a 、R12b 、R
17a 又はR17b で表されるアミノ酸残基としては、例え
ばイソロイシル基、バリル基、グルタミル基、リジル基
等が挙げられる。R10又はR16が、OR11又はOR18
ある場合において、R11又はR18で表される炭水化物残
基としては、例えばグルコピラノシル基が挙げられる。
【0072】前記一般式(V)において、R27で表され
る炭水化物残基としては、例えばグルコピラノシル基が
挙げられる。コロナチン類の好ましい化合物としては、
次式(VII) :
【0073】
【化19】
【0074】で示されるコロナチン、又は次式(VIII):
【0075】
【化20】
【0076】で示されるコロナファシック酸が挙げられ
る。また、コロナチン類産生菌としては、Pseudomonas
属、Xanthomonas 属が知られている。Pseudomonas 属と
しては、具体的には、P. syringae 、P. glycinea、P.
tabaci 、P. aptata 、P. coronafaciens、P. phaseoli
cola 、P. mori 、P. helianthi等を例示できる。ま
た、Xanthomonas 属としては、X. campestris、X. citr
i、X. cucurbitae 、X. phaseoli 、X. pruni等を例示
できる。
【0077】コロナチン類産生菌の増殖は、一般細菌培
養用培地又は最少培地で行うことができる。本発明に使
用するコロナチン類産生菌培養液としては、一例として
それら菌類を培養した培養液を無菌ろ過したものが挙げ
られる。また、コロナチン類産生菌培養抽出物として
は、一例としてそれら菌類を培養した培養液をオートク
レーブ(120℃、15分間)したもの、あるいはそれ
ら菌類の培養液を酸性条件で酢酸エチルなどの有機溶媒
により抽出したもの、あるいはさらにコロナチン、コロ
ナファシック酸を含む画分としてSephadex LH 20カラム
などにより部分精製したものが挙げられる。
【0078】タキサン型ジテルペンの生産促進物質とし
て用いることができる重金属を含む化合物類、重金属を
含む錯イオン類及び重金属イオンにおける重金属類とし
ては、銅族或いは鉄族に属する重金属類であれば特に限
定するものではないが、銅族に属する金属類としては特
に銀を使用することが好ましく、また鉄族に属する金属
類としてはコバルトを使用することが好ましい。更に、
銀或いはコバルトを使用する際は、当該重金属類を含む
化合物、当該金属類を含む錯イオン類、又は当該金属イ
オンの形で使用することが好ましい。また、これらの化
合物等は、それぞれ単独で使用してもよく、組み合わせ
て使用してもよい。
【0079】銀を含む化合物類としては、例えば硝酸
銀、或いは硫酸銀、或いはフッ化銀、或いは塩素酸銀、
或いは過塩素酸銀、或いは酢酸銀、或いは亜硫酸銀、或
いはヘキサフルオロリン(V)酸銀、或いはテトラフル
オロホウ酸銀、或いはジアミン銀(I)硫酸塩、或いは
ジアミノ銀(I)酸カリウム等の化合物類を例示するこ
とができる。これらの中でも特に硝酸銀、硫酸銀等を好
適な化合物類として例示できる。
【0080】銀を含む錯イオン類としては、例えば[Ag
(S2O3)2]3-、或いは[Ag(S2O3)3]5-、或いは[Ag(NH3)2]
+ 、或いは[Ag(CN)2]-、或いは[Ag(CN)3]2-、或いは[Ag
(SCN)2]- 、或いは[Ag(SCN)4]3-の等の錯イオン類を例
示することができる。これらの中でも特に[Ag(S2O3)2]
3-、[Ag(S2O3)3]5-等を好適な錯イオン類として例示で
きる。
【0081】コバルトを含む化合物としては、例えば塩
化コバルト、或いは硝酸コバルト、或いは硫酸コバル
ト、或いはフッ化コバルト、或いは過塩素酸コバルト、
或いは臭化コバルト、或いはヨウ化コバルト、或いはセ
レン酸コバルト、或いはチオシアン酸コバルト、或いは
酢酸コバルト、或いは硫酸アンモニウムコバルト、或い
は硫酸コバルト(II)カリウム、或いはヘキサアンミン
コバルト(III) 塩化物、或いはペンタアンミンアクアコ
バルト(III) 塩化物、或いはニトロペンタアンミンコバ
ルト(III) 塩化物、或いはジクロロテトラアンミンコバ
ルト(III) 塩化物半水和物、或いはジニトロテトラアン
ミンコバルト(III) 塩化物、或いはカルボナトテトラア
ンミンコバルト(III) 塩化物、或いはテトラニトロジア
ンミンコバルト(III) 酸アンモニウム、或いはヘキサニ
トロコバルト(III) 酸ナトリウム、或いはトリス(エチ
レンジアミン)コバルト(III) 塩化物三水和物、或いは
ジクロロビス(エチレンジアミン)コバルト(III) 塩化
物、或いはトリス(オキサラト)コバルト(III) 酸カリ
ウム三水和物、或いはヘキサシアノコバルト(III) 酸カ
リウム、或いは(エチレンジアミンテトラアセタト)コ
バルト(III) 酸カリウム二水和物、或いはヒドリドテト
ラカルボニルコバルト(I)、或いはジカルボニル(シ
クロペンタジエニル)コバルト(I)、或いはオクタカ
ルボニル二コバルト(0)、或いはヘキサカルボニル
(アセチレン)二コバルト(0)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)コバルト(I)、或いは(シクロペンタジエ
ニル)(1,5-シクロオクタジエン)コバルト(I)等の
化合物類を例示することができる。これらの中でも特に
塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト等を好適な
化合物類として例示できる。
【0082】コバルトを含む錯イオン類としては、ペン
タアンミンアクアコバルトイオン、或いはニトロペンタ
アンミンコバルトイオン、或いはジクロロテトラアンミ
ンコバルトイオン、或いはジニトロテトラアンミンコバ
ルトイオン、或いはカルボナトテトラアンミンコバルト
イオン、或いはテトラニトロジアンミンコバルトイオ
ン、或いはヘキサニトロコバルトイオン、或いはトリス
(エチレンジアミン)コバルトイオン、或いはジクロロ
ビス(エチレンジアミン)コバルトイオン、或いはトリ
ス(オキサラト)コバルトイオン、或いはヘキサシアノ
コバルトイオン、或いは(エチレンジアミンテトラアセ
タト)コバルトイオン等の錯イオン類を例示することが
できる。
【0083】前記重金属類の内、銀を含む化合物類、銀
を含む錯イオン類、又は銀イオンは、培地における濃度
が10-8M 〜10-1M とすることが好ましく、特に10-7M 〜
10-2M の範囲に調整することが更に好ましい。またコバ
ルトを含む化合物類、コバルトを含む錯イオン類、又は
コバルトイオンは、培地における濃度が10-6〜10-1Mと
することが好ましく、特に10-5〜10-2M の範囲にするこ
とが更に好ましい。
【0084】タキサン型ジテルペンの生産促進物質とし
て用いることができるアミン類とは、アミン又はその塩
を意味するが、かかるアミン類としては、モノアミン類
或いはポリアミン類のいずれも利用可能であるが、特に
ポリアミン類を使用することが好ましい。更に、前記ア
ミン類としては、アルキル基の一部の水素が水酸基で置
換されていてもよいモノ、ジ又はトリアルキルアミン、
例えばメチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、
ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、もしくはそれらの塩;或い
はポリメチレン部がイミノ基で中断されていてもよく、
アミノ基のHが低級アルキル基で置換されていてもよい
ポリメチレンジアミン、例えばプトレッシン、カダベリ
ン、スペルミジン、スペルミン、エチレンジアミン、N,
N-ジエチル-1,3- プロパンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、もしくはそれらの塩;
或いは環状アルキルアミン、例えばシクロペンチルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、もしくはそれらの塩、或い
はメセナミン、ピペラジン等の環状アミン、もしくはそ
れらの塩が挙げられる。これらアミン類の内で好ましい
ものとしては、例えばプトレッシン〔NH2(CH2)4NH2〕、
カダベリン〔NH2(CH2)5NH2〕、スペルミジン〔NH2(CH2)
3NH(CH2)4NH2〕、スペルミン〔NH2(CH2)3NH(CH2)4NH(CH
2)3NH2〕、エチレンジアミン〔NH2(CH2)2NH2〕、N,N-ジ
エチル-1,3- プロパンジアミン〔(C2H5)2N(CH2)3N
H2 〕、ジエチレントリアミン〔NH2(CH2)2NH(CH2)2N
H2〕等のポリアミン類、もしくはそれらの塩を例示する
ことができる。
【0085】前記アミン類は、培地における濃度が10-8
M 〜10-1M とすることが好ましく、この中でも特に10-7
M 〜10-2M の範囲に調整することが更に好ましい。タキ
サン型ジテルペンの生産促進物質として用いることがで
きる抗エチレン剤としては、培養物のエチレン生合成機
構を阻害するか、及び/又は該培養物内に貯留するかも
しくは該培養物を含む培養器内の気相中或いは培地中に
存在するエチレンを除去する物質であれば特に制限はな
い。
【0086】エチレン生合成機構を阻害する方法として
は、例えばS−アデノシルメチオニンから1−アミノシ
クロプロパン−1−カルボン酸への変換を触媒する酵素
の活性を阻害するか、或いは1−アミノシクロプロパン
−1−カルボン酸からエチレンへの変換を触媒する酵素
の活性を阻害する方法が例示され、前者の機能を有する
化合物としては、例えばアミノオキシ酢酸、アセチルサ
リチル酸、リゾビトキシン、アミノエトキシビニルグリ
シン、メトキシビニルグリシン、α−アミノイソ酪酸、
2,4−ジニトロフェノール等を挙げることができる。
また、前記に例示する化合物の塩、エステル、アミノ酸
誘導体、炭水化物誘導体であってもよい。
【0087】塩としては、例えばナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウム塩、エステルとしては、
例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル、ア
ミノ酸誘導体としては、例えばグリシン、メチオニン、
フェニルアラニン誘導体、炭水化物誘導体としては、例
えばグルコース、マルトース誘導体等が挙げられる。ま
た後者の機能を有する化合物としては、例えば没食子
酸、並びに当該化合物の塩、エステル、アミノ酸誘導体
及び炭水化物誘導体を挙げることができる〔兵藤宏、 昭
和62年度園芸学会秋季大会、 シンポジウム講演要旨、p.1
22、倉石晋、 植物ホルモン、 東京大学出版、p.111〕。
【0088】ここで塩としては、例えばナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム塩、エステルとして
は、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルエステ
ル、アミノ酸誘導体としては、例えばグリシン、メチオ
ニン、フェニルアラニン誘導体、炭水化物誘導体として
は、例えばグルコース、マルトース誘導体等が挙げられ
る。
【0089】更に、培養物内に貯留するか、又は該培養
物を含む培養器内の気相中もしくは培地中に存在するエ
チレンを除去する物質としては、例えば1,5−シクロ
オクタジエン、並びにイソチオシアン酸及び当該化合物
の塩、エステル(例えばアリルイソチオシアネート、ベ
ンジルイソチオシアネート)、アミノ酸誘導体及び炭水
化物誘導体を挙げることができる〔宗像恵、 植物の化学
調節, 29(1), 89-93(1994)〕。
【0090】ここで塩としては、例えばナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム塩、エステルとして
は、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アリル
エステル、アミノ酸誘導体としては、例えばグリシン、
メチオニン、フェニルアラニン誘導体、炭水化物誘導体
としては、例えばグルコース、マルトース誘導体等が挙
げられるが、本発明に係る物質の塩、エステル、アミノ
酸誘導体、炭水化物誘導体は当該化合物類に限定される
ものではない。
【0091】抗エチレン剤は、培地における濃度が10-8
M 〜10-1M とすることが必要であり、この中でも特に抗
エチレン剤の濃度を10-7M 〜10-2M の範囲に調整するこ
とが好ましい。前述のようにタキサン型ジテルペンの生
産促進物質の存在下に培養する場合、ジャスモン酸類
は、培養細胞の対数増殖期ないし定常期に添加すること
が効果的であり、この中でも特に対数増殖期から定常期
に移行する時期にジャスモン酸類を添加することが好ま
しい。また、内在性ジャスモン酸類の生産量を高めるた
めの処理の時期についてもこれと同様である。例えば、
21日おきに細胞を移植している場合には7〜16日目がジ
ャスモン酸類の添加又は内在性ジャスモン酸類の生産量
を高めるための処理の適期にあたり、対数増殖期、例え
ば7〜14日目の細胞を移植する際には、移植直後が適期
にあたる。また、ジャスモン酸類の添加及び内在性ジャ
スモン酸類の生産量を高める処理は、一度に行っても、
複数回に分けて行ってもよいし、また連続的に行っても
よい。
【0092】コロナチン類、又はコロナチン類産生菌又
はその培養液もしくは培養抽出物は、培養細胞の対数増
殖期ないし定常期に添加することが効果的であり、この
中でも特に対数増殖期から定常期に移行する時期に添加
することが好ましい。例えば、21日おきに細胞を移植し
ている場合には7〜16日目がコロナチン類、又はコロナ
チン類産生菌又はその培養液もしくは培養抽出物の添加
の適期にあたる。また、添加方法としては、一度に所定
の量を添加してもよいし、数回に分けて逐次添加しても
よい。
【0093】重金属を含む化合物類、重金属を含む錯イ
オン類、又は重金属イオンは、培養開始時ないし培養細
胞が対数増殖期から定常期に移行する時期までに添加す
ることが効果的であり、特に培養開始時に添加すること
が好ましい。また当該化合物又はイオンの添加は、一度
に行ってもよいし、数回に分けて行ってもよい。アミン
類は、細胞が対数増殖期から定常期に移行する時期まで
に添加することが効果的であり、特に培養開始時に添加
することが好ましい。また当該化合物は、一度に行って
もよいし、数回に分けて行ってもよい。
【0094】抗エチレン剤は、細胞が対数増殖期から定
常期に移行する時期までに添加することが効果的であ
り、特に定常期に移行した直後に添加することが好まし
い。また当該化合物は、一度に行ってもよいし、数回に
分けて行ってもよい。また、タキサン型ジテルペンの生
産促進物質としては、特願平6−291783号明細書
に記載されているサイクロデキストリン等の環状多糖類
を用いてもよい。
【0095】更に、本発明の製造方法は、特願平6−1
46826号に係る発明である、培養器内の気相中の酸
素濃度を培養初期より大気中の酸素濃度未満の条件下に
制御して培養を行うか、或いは組織又は細胞と接する流
動性の培地中の溶存酸素濃度を培養初期よりその温度に
於ける飽和溶存酸素濃度未満である条件下に制御して培
養する方法とも併用することができる。
【0096】ここで、培養初期とは、培養開始時ないし
培養開始後7日目をいい、培養器内の気相中の酸素濃
度、又は組織もしくは細胞と接する流動性の培地中の溶
存酸素濃度の制御は、培養開始時から行うことが好まし
い。また、制御の期間としては、培養全期間を通して該
条件に制御してもよいし、培養全期間中の一部期間のみ
を制御してもよく、特に限定するものではないが、全培
養期間中の、少なくとも3日間制御することが好まし
い。
【0097】培養器内の気相中の酸素濃度は、4ないし
15%に制御することが必要であり、特に6ないし12%に
制御することが好ましい。また、流動性の培地中の溶存
酸素濃度は、その温度における飽和溶存酸素濃度値の1
ないし75%に制御することが必要であり、特に10ないし
75%に制御することが好ましい。また、本発明の製造方
法は、特願平5−284893号、同6−104213
号明細書に開示されている、細胞を比重の違いにより複
数の層に分け、少なくとも1つの層に含まれる細胞を培
養する方法と併用することもできる。
【0098】細胞を比重によって分離する方法として
は、一般に遠心分離用媒体を用いて密度勾配を作成し、
細胞を重層した後、遠心分離する方法が知られている。
遠心分離用媒体としては、Ficoll、Percoll (共にPhar
macia LKB Biotechnology 社製)、ショ糖、塩化セシウ
ム等が用いられる。密度勾配を形成する層の数に特に制
限はない。各層の比重差は、特に限定されるものではな
く、また各比重差は同じであっても異なっていてもよ
い。
【0099】従って、この密度勾配の定義には勾配が連
続的に変化する場合(密度勾配を形成する層の数が無限
大、各層の比重差が0に近い状態)も含む。このように
して密度勾配を形成し、細胞を重層、遠心分離すること
により細胞を比重の違いにより複数の層に分けることが
できる。作成する層の比重は、通常1.00〜1.20g/ml、好
ましくは1.03〜1.11g/mlの範囲である。培養の対象とな
る層としては、少なくとも1つの層を選択し、また全て
の層を選択して培養してもよい。
【0100】複数の層を選択して培養する場合、これら
の複数の層は、それぞれ個別に培養することもできる
が、選択した複数の層のうちの2層以上の層を混合して
培養することもできる。タキサン型ジテルペン産生能の
高い培養細胞は、通常、比重が1.07以下の層に含まれる
細胞を培養して得られるが、培養する細胞や培養の条件
により変動する場合があり、必ずしもこの範囲に限定さ
れるものではない。また、単に比重の違いによって分画
しただけでは、比重の高い層の細胞の方がタキサン型ジ
テルペン含量が高くなる傾向が認められる。従って、よ
り確実にタキサン型ジテルペン高産生培養細胞を取得す
るためには、分画された全ての層の細胞を一定期間培養
した後、各層の細胞に含まれるタキサン型ジテルペン濃
度を測定し、それらの中からタキサン型ジテルペン高産
生細胞を含む層を選択することが望ましい。
【0101】また、例えば1.07g/mlのように、ある1つ
の特定の比重の遠心分離媒体を作成し、前述の方法で遠
心分離することによっても、培養細胞を比重の違いによ
り複数の層に分けることができる。また、本発明の製造
方法と、前述の先願特許に記載の方法のいくつか又は全
てを組み合わせることも可能である。
【0102】以上のようにして得られた培養組織、培養
細胞、培地等の培養物から、メタノール等の有機溶媒に
よる抽出によってタキサン型ジテルペンを分離すること
ができる。また、培地中に適当な吸着剤や有機溶媒を共
存させ、培養中に連続的にタキサン型ジテルペンを回収
することもできる。本発明における組織培養の好ましい
一例としては、次の方法が挙げられる。
【0103】先ず、イチイ属に属する植物の植物体、例
えば根、生長点、葉、茎、種子等から採取される植物片
を殺菌処理後、ゲランガムで固めたウッディー・プラン
ト・メディウムの固体培地上に置床し、10〜35℃で14〜
60日程度経過させて組織片の一部をカルス化させる。こ
のようにして得られたカルスを継代培養すると生育速度
が漸次高まり安定化したカルスが得られる。ここで、安
定化したカルスとは、培養中にカルスの一部がシュート
や根に分化しないでカルスの状態を保持する性質をもち
細胞の生育速度が均質であるものをいう。
【0104】この安定化したカルスを増殖に適した液体
培地、例えばウッディー・プラント液体培地に移して増
殖させる。液体培地において更に生育速度が高められ
る。本発明では、この安定化したカルス又は該カルスを
構成する細胞は、前記の特定の雰囲気下で、固体培地又
は液体培地で培養される。本発明における組織培養の培
養温度としては、通常は約10〜約35℃、特に約23〜約28
℃が増殖速度が大きいので好適である。また、培養期間
としては、14〜42日間が好適である。
【0105】本発明における培養において液体培地を用
いた場合には、培養終了後に培養細胞をデカンテーショ
ン又は濾過等の方法によって培地から分離し、培養細胞
及び/又は培地から目的とするタキサン型ジテルペンを
有機溶媒による抽出等の方法によって分離することがで
きる。
【0106】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に
限定されるものではない。 (実施例1)ナフタレン酢酸を10-5M の濃度になるよう
に添加したウッディー・プラント・メディウムの固体培
地(ゲランガム0.25重量%)に、前もって2%アンチホ
ルミン溶液又は70%エタノール溶液等で滅菌処理したセ
イヨウイチイ(Taxus baccataLINN)の茎の一部を置床
し、25℃で暗所にて静置培養してセイヨウイチイカルス
を得た。次にこのカルス1g(新鮮重)を、前記成分を
同じ濃度で添加したウッディー・プラント・メディウム
の液体培地20ml入りの三角フラスコに移し、ロータリー
シェーカー上で旋回培養(振幅25mm、100rpm)し、21日
毎に植えつぎ、該カルスの生育速度を速めた。
【0107】このようにして得られた培養細胞49g
(新鮮重)と、ウッディー・プラント・メディウムの液
体培地1リットルを図1に示す容積2リットルの培養槽
に移し、通気速度調整弁を通して毎分0.1リット
ルの速度で、炭酸ガスを添加して炭酸ガス濃度を2%に
高めた空気を排気ガスリサイクル弁閉止の状態で通気
しながら、撹拌機を作動して撹拌速度を40rpm とし、
25℃、暗所で21日間培養を行った。培養終了後、細胞
を濾過により回収し分析した結果、細胞収量(乾燥重
量)は15.3gで、タキソール13.2mgが生産さ
れたことが分かった。また、バッカチンIII 収量は3.
9mg、セファロマニン収量は1.7mgであった。
【0108】細胞中に含まれるタキソール等の量は、凍
結乾燥した細胞からメタノール等を用いてタキサン型ジ
テルペンを抽出し、高速液体クロマトグラフィーを用い
て標準品タキソール、セファロマニン、バッカチンIII
等と比較定量することによって測定した。 (実施例2)通気する空気中の炭酸ガス濃度を0.1%
とした以外は実施例1と同様に操作した。結果は表1に
示した。
【0109】(実施例3)通気する空気中の炭酸ガス濃
度を1%とした以外は実施例1と同様に操作した。結果
は表1に示した。 (実施例4)通気する空気中の炭酸ガス濃度を5%とし
た以外は実施例1と同様に操作した。結果は表1に示し
た。
【0110】(実施例5)通気する空気中の炭酸ガス濃
度を0.05%とした以外は実施例1と同様に操作し
た。結果は表1に示した。 (実施例6)図1に示す排気ガスリサイクル弁を開と
し、排気ガスリサイクルポンプを作動してガス混合器
に供給し、新鮮空気と混合した後、培養槽に供給し
た。新鮮空気の供給速度は毎分0.05リットル、排気
ガスのリサイクル速度は毎分0.2リットルで、排気ガ
スのブロー率は20%、培養槽に供給された混合ガスの
炭酸ガス濃度は平均1.6%、酸素濃度は17.7%で
あった。排気管からは排気ガスが新鮮空気の供給速度
と同じ毎分0.05リットルの速度で排出された。その
他の操作は実施例1と同様に行った。結果は表1に示し
た。
【0111】(実施例7)通気する空気中の炭酸ガス濃
度を8%とした以外は実施例1と同様に操作した。結果
は表1に示した。 (比較例1)炭酸ガスを添加しない空気を通気した以外
は実施例1と同様に操作した。通気した空気中の炭酸ガ
ス濃度は0.031±0.002%であった。結果は表
1に示した。
【0112】
【表1】
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、タキサン型ジテルペン
を産生する植物の組織及び/又は細胞を効率よく培養す
ることができ、タキサン型ジテルペンを経済的かつ大量
・簡便に得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により組織培養を行うに当たって用いら
れる培養装置の例を示した図である。
【符号の説明】 培養槽 攪拌機 スパージャー 通気速度調整弁 排気ガスリサイクル弁 排気ガスリサイクルポンプ 排気管 ガス混合器 給気管

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タキサン型ジテルペンを産生する植物の
    組織及び/又は細胞を、0.04%以上の炭酸ガスを含
    有する酸素含有ガスを用いて培養することを特徴とする
    タキサン型ジテルペンの製造方法。
  2. 【請求項2】 酸素含有ガスが0.04〜10%の炭酸
    ガスを含有する酸素含有ガスであることを特徴とする請
    求項1記載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸素含有ガスが0.1〜5%の炭酸ガス
    を含有する酸素含有ガスであることを特徴とする請求項
    1記載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
  4. 【請求項4】 酸素含有ガスが炭酸ガスを0.04〜1
    0%に冨化した空気であることを特徴とする請求項2記
    載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
  5. 【請求項5】 酸素含有ガスが炭酸ガスを0.1〜5%
    に冨化した空気であることを特徴とする請求項3記載の
    タキサン型ジテルペンの製造方法。
  6. 【請求項6】 タキサン型ジテルペンを産生する植物の
    組織及び/又は細胞を培養槽を用いて培養するに当た
    り、酸素含有ガスが、新たに供給する酸素含有ガスと該
    培養槽から排出されるガスの一部を混合したガスである
    ことを特徴とする請求項1記載のタキサン型ジテルペン
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 新たに供給する酸素含有ガスと排気ガス
    を混合したガスの酸素濃度が5〜25%であり、炭酸ガ
    ス濃度が0.04〜10%であることを特徴とする請求
    項6記載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
  8. 【請求項8】 新たに供給する酸素含有ガスと排気ガス
    を混合したガスの酸素濃度が5〜20%であり、炭酸ガ
    ス濃度が0.1〜5%であることを特徴とする請求項6
    記載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
  9. 【請求項9】 タキサン型ジテルペンを産生する植物が
    イチイ属植物であることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
  10. 【請求項10】 イチイ属植物が、セイヨウイチイ(Tax
    us baccata LINN)、イチイ(T. cuspidata SIEB.et ZUC
    C)、キャラボク(T. cuspidata SIEB.et ZUCCvar. nana
    REHDER)、タイヘイヨウイチイ(T. brevifolia NUTT)、
    カナダイチイ(T. canadiensis MARSH)、中国イチイ(T.
    chinensis) 及び T. media よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項9記載のタ
    キサン型ジテルペンの製造方法。
  11. 【請求項11】 タキサン型ジテルペンが、タキソー
    ル、10−デアセチルタキソール、7−エピタキソ−
    ル、バッカチンIII 、10−デアセチルバッカチンIII
    、7−エピバッカチンIII 、セファロマニン、10−
    デアセチルセファロマニン、7−エピセファロマニン、
    タキサギフィン、タキサン1a、キシロシルセファロマ
    ニン及びキシロシルタキソールよりなる群から選ばれる
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10
    のいずれか1項に記載のタキサン型ジテルペンの製造方
    法。
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