JPH0956387A - タキサン型ジテルペンの製造方法 - Google Patents

タキサン型ジテルペンの製造方法

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JPH0956387A
JPH0956387A JP7213121A JP21312195A JPH0956387A JP H0956387 A JPH0956387 A JP H0956387A JP 7213121 A JP7213121 A JP 7213121A JP 21312195 A JP21312195 A JP 21312195A JP H0956387 A JPH0956387 A JP H0956387A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
less
substituent
arylalkyl
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Application number
JP7213121A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Hara
康弘 原
Takahito Yukimune
敬人 行宗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞お
よび/または組織を、特定のジャスモン酸誘導体の存在
下で培養して、得られる培養物からタキサン型ジテルペ
ンを回収することを特徴とするタキサン型ジテルペンの
製造方法。 【効果】タキソール等のタキサン型ジテルペンの生産性
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卵巣癌、乳癌、肺癌等
の治療薬として有用であるタキソールを含むタキサン型
ジテルペンの製造法に関する。
【0002】
【従来技術】卵巣癌、乳癌、肺癌等の治療薬として有用
であるタキソール(Taxol)は、イチイ科イチイ属植物で
あるタイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia NUTT)より
単離同定されたタキサン型ジテルペンであり、活性と関
連する複雑なエステルグループを有している。タキソー
ルはタイヘイヨウイチイ植物体中のどの部位にも存在
し、その含量は樹皮で最も高いことが報告されている。
現在、タキソールは天然のまたは栽培された植物体中か
ら採取されているが、イチイ属植物は地上20cmの高
さに成長するのに10年以上かかる生育の遅い植物であ
り、また樹皮を剥ぐと木が枯れてしまうことから容易に
大量のタキソールを得ることは困難である。もし、タキ
ソールおよび/またはタキソールの前駆物質であるバッ
カチンIII等のタキサン型ジテルペンの合成が組織培養
を利用して行なうことができれば、樹木を伐採する事な
く、大量のタキソールを容易に得ることができるので有
利である。
【0003】これまでの植物の培養細胞を利用したタキ
ソール生産方法については、タイヘイヨウイチイ(Taxu
s brevifolia NUTT)培養細胞によるタキソール生産が
米国で特許〔US Patent 5,019,504〕になっているが、
そのタキソール生産量は1〜3mg/lと記載されており、工
業的生産には不十分である。また、細胞培養によるタキ
ソールの生産性は不安定であり、選抜で一次的には生産
性の高い細胞が得られるが、継代培養してその含量を維
持することは難しい〔E.R.M.Wickremesine etal., Wor
ld Congress on Cell and Tissue Culture(1992)〕。
【0004】一方、タキソール生産法の先行技術として
は、タキソール生合成前駆体であるバッカチンIIIから
の半合成法がHoltonらの米国特許(US Patent 5,015,74
4)明細書に開示されている。植物の組織培養法を用い
れば、バッカチンIII等の半合成原料の生産も可能であ
り、前記半合成法によるタキソール生産にも利用でき
る。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、植物組織培養により、
タキサン型ジテルペンの簡便な製造法を提供すること
を、目的とする。
【0006】
【課題を達成するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、タキサン型ジテルペンを産生する植物の培養細
胞または培養組織の培地中に以下の一般式(I)〜(V
I)で示される化合物を添加して培養を行なうと、培養
物中のタキサン型ジテルペン生産性が向上することを見
いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、タキサン型ジテルペ
ンを産生する植物の細胞または組織を一般式(I):
【0008】
【化7】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、
水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12
のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素
数6〜12のアリールオキシ基、炭素数12以下のアリ
ール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール基、
炭素数12以下のアリールアルキル基または置換基を有
する炭素数12以下のアリールアルキル基を表し;R7
は、水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ金属原子、ア
ルカリ土類金属原子、またはNH4を表す)、NR8aR8
b(ここで、R8aおよびR8bは、それぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアル
キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以
下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基
を有する炭素数12以下のアリールアルキル基またはア
ミノ酸残基を表す)、OR9(ここで、R9は炭素数1〜
12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭
素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
基、置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル
基または炭水化物残基を表す)または炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1
2以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下の
アリール基、炭素数12以下のアリールアルキル基また
は置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基
を表し;Xは、酸素原子またはN−Y{ここで、Yは水
素原子、水酸基、NR10aR10b(ここで、R10aおよび
R10bは、それぞれ独立に水素原子、アミノカルボニル
基、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアル
キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以
下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基
を有する炭素数12以下のアリールアルキル基またはア
ミノ酸残基を表す)、OR11(ここでR11は、炭素数1
〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、
炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数1
2以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキ
ル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキ
ル基または炭水化物残基を表す)}を表し;nは1〜7
の整数を表し;C1−C2−C3−C4−C5−C6からなる
側鎖は、1個または2個以上の二重結合を含んでいても
よく;前記5員環は、隣接する環員炭素原子間で二重結
合を形成してもよい]、または一般式(II):
【化8】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、
R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素
原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2
〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ
基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数12以
下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基または置
換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基を表
し;R7は、水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ金属
原子、アルカリ土類金属原子またはNH4を表す)、N
R8aR8b(ここで、R8aおよびR8bは、それぞれ独立に
水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12
のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数
12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下
のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル基、
置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基ま
たはアミノ酸残基を表す)、OR9(ここで、R9は炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
ルキル基または炭水化物残基を表す)または炭素数1〜
12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭
素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
基または置換基を有する炭素数12以下のアリールアル
キル基を表し;Xは、水酸基またはNR10aR10b(ここ
でR10aおよびR10bは、それぞれ独立に水素原子、水酸
基、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアル
キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜1
2のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ
基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
ルキル基またはアミノ酸残基を表す)を表し;nは1〜
7の整数を表し;C1−C2−C3−C4−C5−C6からな
る側鎖は、1個または2個以上の二重結合を含んでいて
もよく;前記5員環は、隣接する環員炭素原子間で二重
結合を形成してもよい]、または一般式(III):
【化9】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、
R1h、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立
に水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコ
キシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数1
2以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下の
アリール基、炭素数12以下のアリールアルキル基また
は置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基
を表し;R7は、水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ
金属原子、アルカリ土類金属原子またはNH4を表
す)、NR8aR8b(ここで、R8aおよびR8bは、それぞ
れ独立に水素原子、アミノカルボニル基、炭素数1〜1
2のアシル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2
〜12のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、
置換基を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数1
2以下のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数1
2以下のアリールアルキル基またはアミノ酸残基を表
す)、OR9(ここで、R9は炭素数1〜12のアルキル
基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以下の
アリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール
基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基を有
する炭素数12以下のアリールアルキル基または炭水化
物残基を表す)または炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以下のアリー
ル基、置換基を有する炭素数12以下のアリール基、炭
素数12以下のアリールアルキル基または置換基を有す
る炭素数12以下のアリールアルキル基を表し;Xは、
酸素原子またはN−Y{ここで、Yは水素原子、水酸
基、NR10aR10b(ここで、R10aおよびR10bは、それ
ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
ルキル基またはアミノ酸残基を表す)、OR11(ここで
R11は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12
のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換基
を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下
のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以下
のアリールアルキル基または炭水化物残基を表す)}を
表し;nは1〜7の整数を表し;C1−C2−C3−C4−
C5−C6からなる側鎖は、1個または2個以上の二重結
合を含んでいてもよく;前記6員環は、隣接する環員炭
素原子間で二重結合を形成してもよい]、または一般式
(IV):
【化10】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、
R1h、R1i、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞ
れ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル
基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12の
アルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭
素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
基または置換基を有する炭素数12以下のアリールアル
キル基を表し;R7は、水酸基、OM(ここで、Mはア
ルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子またはNH4を
表す)、NR8aR8b(ここで、R8aおよびR8bは、それ
ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
ルキル基またはアミノ酸残基を表す)、OR9(ここ
で、R9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜1
2のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換
基を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以
下のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以
下のアリールアルキル基または炭水化物残基を表す)ま
たは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のア
ルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有
する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下のア
リールアルキル基または置換基を有する炭素数12以下
のアリールアルキル基を表し;Xは、水酸基またはNR
10aR10b(ここでR10aおよびR10bは、それぞれ独立に
水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアシル基、炭素数
1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12の
アリールオキシ基、炭素数12以下のアリール基、置換
基を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以
下のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以
下のアリールアルキル基またはアミノ酸残基を表す)を
表し;nは1〜7の整数を表し;C1−C2−C3−C4−
C5−C6からなる側鎖は、1個または2個以上の二重結
合を含んでいてもよく;前記6員環は、隣接する環員炭
素原子間で二重結合を形成してもよい]、または一般式
(V):
【化11】 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独
立に水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアル
コキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数
12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下
のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル基ま
たは置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル
基を表し;R6aおよびR6bは、それぞれ独立に水素原
子、水酸基、炭素数1〜4の鎖状炭化水素基、炭素数3
〜12の環状炭化水素を含む基、炭素数12以下のアリ
ール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール基、
炭素数12以下のアリールアルキル基または置換基を有
する炭素数12以下のアリールアルキル基を表し;R7
は、水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ金属原子、ア
ルカリ土類金属原子またはNH4を表す)、NR8aR8b
(ここで、R8aおよびR8bは、それぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアル
キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以
下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基
を有する炭素数12以下のアリールアルキル基またはア
ミノ酸残基を表す)、OR9(ここで、R9は炭素数1〜
12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭
素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
基、置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル
基または炭水化物残基を表す)、炭素数1〜12のアル
キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以
下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基または置
換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基を表
し;Xは、酸素原子またはN−Y{ここで、Yは水素原
子、水酸基、NR10aR10b(ここで、R10aおよびR10b
は、それぞれ独立に水素原子、アミノカルボニル基、炭
素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアルキル
基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以下の
アリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール
基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基を有
する炭素数12以下のアリールアルキル基またはアミノ
酸残基を表す)、OR11(ここでR11は、炭素数1〜1
2のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素
数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以
下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
基、置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル
基または炭水化物基を表す)}を表し;nは1〜7の整
数を表し;前記5員環は、隣接する環員炭素原子間で二
重結合を形成してもよい]、または一般式(VI):
【化12】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞ
れ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル
基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12の
アルコキシ基、 炭素数6〜12のアリールオキシ基、
炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数1
2以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキ
ル基または置換基を有する炭素数12以下のアリールア
ルキル基を表し;R7は、水酸基、OM(ここで、Mは
アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子またはNH4
を表す)、NR8aR8b(ここで、R8aおよびR8bは、そ
れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭
素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニ
ル基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭
素数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリール
アルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリール
アルキル基またはアミノ酸残基を表す)、OR9(ここ
で、R9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜1
2のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換
基を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以
下のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以
下のアリールアルキル基または炭水化物残基を表す)、
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケ
ニル基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する
炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリー
ルアルキル基または置換基を有する炭素数12以下のア
リールアルキル基を表し;Xは、酸素原子またはN−Y
{ここで、Yは水素原子、水酸基、アミノカルボニル
基、NR10aR10b(ここで、R10aおよびR10bは、それ
ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
ルキル基またはアミノ酸残基を表す)、OR11(ここで
R11は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12
のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換基
を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下
のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以下
のアリールアルキル基または炭水化物残基を表す)}を
表し;nは1〜7の整数を表し;C1−C2−C3−C4−
C5からなる炭素鎖は、1個または2個以上の二重結合
を含んでいてもよい]で示される化合物の存在下に培養
し、得られる培養物からタキサン型ジテルペンを回収す
ることを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方法で
ある。
【0009】本発明の製造方法の対象となるタキサン型
ジテルペンとしては、タキサン骨格を有するジテルペン
であれば特に制限はなく、具体的には、タキソール、1
0−デアセチルタキソール、7−エピタキソール、バッ
カチンIII、10−デアセチルバッカチンIII、7−エピ
バッカチンIII、セファロマニン、10−デアセチルセ
ファロマニン、7−エピセファロマニン、バッカチンV
I、タキサン1a、キシロシルセファロマニン、キシロ
シルタキソール、タキソールC、10−デアセチルタキ
ソールC、タキシシンI、タキシシンII、タキシンI、
タキシンII、タキサギフィン等を例示できる。
【0010】本発明の製造方法に用いられるタキサン型
ジテルペンを産生する植物としては、例えば、セイヨウ
イチイ(Taxus baccata LINN)、イチイ(T. cuspidata SI
EB.et ZUCC)、キャラボク(T. cuspidata SIEB.et ZUC
C var. nana REHDER)、タイヘイヨウイチイ(T. brevifo
lia NUTT)、カナダイチイ(T. canadiensis MARSH)、中
国イチイ(T. chinensis)、ヒマラヤイチイ(T. wallichi
ana ZUCC)、T.media等のイチイ属植物が挙げられる。こ
れらの中でもセイヨウイチイおよびT.mediaが特に好ま
しい。
【0011】前記植物の組織培養は、本発明により前記
一般式(I)〜(VI)で示される化合物を添加する以外
は、従来から知られている方法によって行なうことがで
きる。
【0012】前記一般式(I)において、R1a、R1b、
R1c、R1d、R1e、R1f、R2、R3、R4、R5、R6、
R7、R8a、R8b、R9、R10a、R10bおよびR11で表さ
れる炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のア
ルケニル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ブテ
ニル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ペンテニル基、n−ヘキシル基、n−ヘキセニ
ル基、n−オクチル基、n−デシル基等の鎖状炭化水素
基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、モノメチルシクロヘキシル基、シクロプロピル
メチル基、シクロヘキシルメチル基などの環状炭化水素
原子団を含む炭素数3〜12の炭化水素基が挙げられ
る。また、前記一般式(I)において、R1a、R1b、R
1c、R1d、R1e、R1f、R2、R3、R4、R5、R6、R
7、R8a、R8b、R9、R10a、R10bおよびR11で表され
る炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数
12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアル
キル基および置換基を有する炭素数12以下のアリール
アルキル基としては、フェニル基、ナフチル基、モノメ
チルフェニル基、モノメトキシフェニル基、モノクロロ
フェニル基、モノフルオロフェニル基、モノメチルナフ
チル基、ベンジル基、フェニルメチル基、モノメチルベ
ンジル基、モノメトキシベンジル基、モノクロロベンジ
ル基、モノフルオロベンジル基、モノメチルナフチルメ
チル基などが挙げられる。
【0013】前記一般式(I)において、R1a、R1b、
R1c、R1d、R1e、R1f、R2、R3、R4、R5およびR
6で表される炭素数1〜12のアルコキシ基としては、
例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イ
ソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t
−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオ
キシ基、n−オクチルオキシ基等の鎖状炭化水素基を含
むアルコキシ基、シクロプロピルメトキシ基、シクロペ
ンチルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、モノメ
チルシクロヘキシルメトキシ基などの環状炭化水素原子
団を含む炭素数3〜12のアルコキシ基が挙げられ、ま
た炭素数6〜12のアリールオキシ基としては、ベンゾ
キシ基、ナフトキシ基、モノメチルベンゾキシ基、モノ
メチルナフトキシ基などが挙げられる。
【0014】前記一般式(I)において、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表される炭素数1〜12のアシル基
としては、直鎖型炭化水素基、分岐鎖型炭化水素基、芳
香族原子団を有する炭化水素基のいずれでもよく、例え
ばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、バレリル基、ヘキサノイル基、アクロイル基、カプ
ロイル基、ペラルゴイル基、ベンゾイル基、トルオイル
基、サリチロイル基、シンナモイル基等が挙げられる。
【0015】前記一般式(I)において、R7がOMで
ある場合において、Mで表されるアルカリ金属原子およ
びアルカリ土類金属原子としては、例えばナトリウム、
カリウム、カルシウムが挙げられる。
【0016】一般式(I)でR7がNR8aNR8bである
場合およびYがNR10aR10bである場合、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表されるアミノ酸残基としては、例
えばイソロイシル基、チロシル基、トリプトフィル基が
挙げられる。
【0017】一般式(I)でR7がOR9である場合およ
びYがOR11である場合、R9およびR11で表される炭
水化物残基としては、グルコピラノシル基が挙げられ
る。
【0018】また、前記一般式(I)で示される化合物
において、nは1〜7の整数を表し、C1−C2−C3−
C4−C5−C6からなる側鎖は1個または2個以上の二
重結合を含んでいてもよく、前記5員環は、隣接する環
員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。
【0019】前記一般式(II)において、R1a、R1b、
R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R3、R4、R5、
R6、R7、R8a、R8b、R9、R10a、R10bおよびR11
で表される炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜1
2のアルケニル基としては、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
n−ブテニル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、n−ペ
ンチル基、n−ペンテニル基、n−ヘキシル基、n−ヘ
キセニル基、n−オクチル基、n−デシル基等の鎖状炭
化水素基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、モノメチルシクロヘキシル基、シクロプ
ロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基などの環状炭
化水素原子団を含む炭素数3〜12の炭化水素基が挙げ
られる。また、前記一般式(II)において、R1a、R1
b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R3、R4、R
5、R6、R7、R8a、R8b、R9、R10a、R10bおよびR
11で表される炭素数12以下のアリール基、置換基を有
する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下のア
リールアルキル基および置換基を有する炭素数12以下
のアリールアルキル基としては、フェニル基、ナフチル
基、モノメチルフェニル基、モノメトキシフェニル基、
モノクロロフェニル基、モノフルオロフェニル基、モノ
メチルナフチル基、ベンジル基、フェニルメチル基、モ
ノメチルベンジル基、モノメトキシベンジル基、モノク
ロロベンジル基、モノフルオロベンジル基、モノメチル
ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0020】前記一般式(II)において、R1a、R1b、
R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R3、R4、R5、
R6、R10aおよびR10bで表される炭素数1〜12のア
ルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec-ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオ
キシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基
等の鎖状炭化水素基を含むアルコキシ基、シクロプロピ
ルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキ
シルメトキシ基、モノメチルシクロヘキシルメトキシ基
などの環状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12のアル
コキシ基が挙げられ、また炭素数6〜12のアリールオ
キシ基としては、ベンゾキシ基、ナフトキシ基、モノメ
チルベンゾキシ基、モノメチルナフトキシ基などが挙げ
られる。
【0021】前記一般式(II)において、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表される炭素数1〜12のアシル基
としては、直鎖型炭化水素基、分岐鎖型炭化水素基、芳
香族原子団を有する炭化水素基のいずれでもよく、例え
ばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、バレリル基、ヘキサノイル基、アクロイル基、カプ
ロイル基、ペラルゴイル基、ベンゾイル基、トルオイル
基、サリチロイル基、シンナモイル基等が挙げられる。
【0022】前記一般式(II)において、R7がOMで
ある場合において、Mで表されるアルカリ金属原子およ
びアルカリ土類金属原子としては、例えばナトリウム、
カリウム、カルシウムが挙げられる。
【0023】一般式(II)でR7がNR8aNR8bである
場合およびYがNR10aR10bである場合、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表されるアミノ酸残基としては、例
えばイソロイシル基、チロシル基、トリプトフィル基が
挙げられる。
【0024】一般式(II)でR7がOR9である場合およ
びYがOR11である場合、R9およびR11で表される炭
水化物残基としては、グルコピラノシル基が挙げられ
る。
【0025】また、前記一般式(II)で示される化合物
において、nは1〜7の整数を表し、C1−C2−C3−
C4−C5−C6からなる側鎖は1個または2個以上の二
重結合を含んでいてもよく、前記5員環は、隣接する環
員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。
【0026】前記一般式(III)において、R1a、R1
b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R2、R3、
R4、R5、R6、R7、R8a、R8b、R9、R10a、R10b
およびR11で表される炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数2〜12のアルケニル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、n−ブテニル基、sec-ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ペンテニル基、n−ヘキシル
基、n−ヘキセニル基、n−オクチル基、n−デシル基
等の鎖状炭化水素基、シクロプロピル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、モノメチルシクロヘキシル
基、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基
などの環状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12の炭化
水素基が挙げられる。また、前記一般式(III)におい
て、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1
h、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8a、R8b、R9、
R10a、R10bおよびR11で表される炭素数12以下のア
リール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール
基、炭素数12以下のアリールアルキル基および置換基
を有する炭素数12以下のアリールアルキル基として
は、フェニル基、ナフチル基、モノメチルフェニル基、
モノメトキシフェニル基、モノクロロフェニル基、モノ
フルオロフェニル基、モノメチルナフチル基、ベンジル
基、フェニルメチル基、モノメチルベンジル基、モノメ
トキシベンジル基、モノクロロベンジル基、モノフルオ
ロベンジル基、モノメチルナフチルメチル基などが挙げ
られる。
【0027】前記一般式(III)において、R1a、R1
b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R2、R3、
R4、R5およびR6で表される炭素数1〜12のアルコ
キシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−
プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、se
c-ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ
基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基等の
鎖状炭化水素基を含むアルコキシ基、シクロプロピルメ
トキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシル
メトキシ基、モノメチルシクロヘキシルメトキシ基など
の環状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12のアルコキ
シ基が挙げられ、また炭素数6〜12のアリールオキシ
基としては、ベンゾキシ基、ナフトキシ基、モノメチル
ベンゾキシ基、モノメチルナフトキシ基などが挙げられ
る。
【0028】前記一般式(III)において、R8a、R8
b、R10aおよびR10bで表される炭素数1〜12のアシ
ル基としては、直鎖型炭化水素基、分岐鎖型炭化水素
基、芳香族原子団を有する炭化水素基のいずれでもよ
く、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、
ブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、アクロイル
基、カプロイル基、ペラルゴイル基、ベンゾイル基、ト
ルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基等が挙げ
られる。
【0029】前記一般式(III)において、R7がOMで
ある場合において、Mで表されるアルカリ金属原子およ
びアルカリ土類金属原子としては、例えばナトリウム、
カリウム、カルシウムが挙げられる。
【0030】一般式(III)でR7がNR8aNR8bである
場合およびYがNR10aR10bである場合、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表されるアミノ酸残基としては、例
えばイソロイシル基、チロシル基、トリプトフィル基が
挙げられる。
【0031】一般式(III)でR7がOR9である場合お
よびYがOR11である場合、R9およびR11で表される
炭水化物残基としては、グルコピラノシル基が挙げられ
る。
【0032】また、前記一般式(III)で示される化合
物において、nは1〜7の整数を表し、C1−C2−C3
−C4−C5−C6からなる側鎖は1個または2個以上の
二重結合を含んでいてもよく、前記6員環は、隣接する
環員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。
【0033】前記一般式(IV)において、R1a、R1b、
R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R2、R
3、R4、R5、R6、R7、R8a、R8b、R9、R10a、R1
0bおよびR11で表される炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数2〜12のアルケニル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、n−ブテニル基、sec-ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ペンテニル基、n−ヘキシル
基、n−ヘキセニル基、n−オクチル基、n−デシル基
等の鎖状炭化水素基、シクロプロピル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、モノメチルシクロヘキシル
基、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基
などの環状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12の炭化
水素基が挙げられる。また、前記一般式(IV)におい
て、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1
h、R1i、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8a、R8
b、R9、R10a、R10bおよびR11で表される炭素数12
以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のア
リール基、炭素数12以下のアリールアルキル基および
置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基と
しては、フェニル基、ナフチル基、モノメチルフェニル
基、モノメトキシフェニル基、モノクロロフェニル基、
モノフルオロフェニル基、モノメチルナフチル基、ベン
ジル基、フェニルメチル基、モノメチルベンジル基、モ
ノメトキシベンジル基、モノクロロベンジル基、モノフ
ルオロベンジル基、モノメチルナフチルメチル基などが
挙げられる。
【0034】前記一般式(IV)において、R1a、R1b、
R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R1i、R2、R
3、R4、R5およびR6で表される炭素数1〜12のアル
コキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、
sec-ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ
基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基等の
鎖状炭化水素基を含むアルコキシ基、シクロプロピルメ
トキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシル
メトキシ基、モノメチルシクロヘキシルメトキシ基など
の環状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12のアルコキ
シ基が挙げられ、また炭素数6〜12のアリールオキシ
基としては、ベンゾキシ基、ナフトキシ基、モノメチル
ベンゾキシ基、モノメチルナフトキシ基などが挙げられ
る。
【0035】前記一般式(IV)において、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表される炭素数1〜12のアシル基
としては、直鎖型炭化水素基、分岐鎖型炭化水素基、芳
香族原子団を有する炭化水素基のいずれでもよく、例え
ばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、バレリル基、ヘキサノイル基、アクロイル基、カプ
ロイル基、ペラルゴイル基、ベンゾイル基、トルオイル
基、サリチロイル基、シンナモイル基等が挙げられる。
【0036】前記一般式(IV)において、R7がOMで
ある場合において、Mで表されるアルカリ金属原子およ
びアルカリ土類金属原子としては、例えばナトリウム、
カリウム、カルシウムが挙げられる。
【0037】一般式(IV)でR7がNR8aNR8bである
場合およびYがNR10aR10bである場合、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表されるアミノ酸残基としては、例
えばイソロイシル基、チロシル基、トリプトフィル基が
挙げられる。
【0038】一般式(IV)でR7がOR9である場合およ
びYがOR11である場合、R9およびR11で表される炭
水化物残基としては、グルコピラノシル基が挙げられ
る。
【0039】また、前記一般式(IV)で示される化合物
において、nは1〜7の整数を表し、C1−C2−C3−
C4−C5−C6からなる側鎖は1個または2個以上の二
重結合を含んでいてもよく、前記6員環は、隣接する環
員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。
【0040】前記一般式(V)において、R1、R2、R
3、R4、R5、R7、R8a、R8b、R9、R10a、R10bお
よびR11で表される炭素数1〜12のアルキル基、炭素
数2〜12のアルケニル基としては、例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、n−ブテニル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、n−ペンテニル基、n−ヘキシル基、
n−ヘキセニル基、n−オクチル基、n−デシル基等の
鎖状炭化水素基、シクロプロピル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、モノメチルシクロヘキシル基、
シクロプロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基など
の環状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12の炭化水素
基が挙げられる。また、前記一般式(V)において、R
6aおよびR6bで表される官能基については、炭素数1〜
4の鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
n−ブテニル基、sec-ブチル基、t−ブチル基が挙げら
れ、炭素数3〜12の環状炭化水素を含む基としては、
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、モノメチルシクロヘキシル基、シクロプロピルメチ
ル基、シクロヘキシルメチル基が挙げられる。また、前
記一般式(V)において、R1、R2、R3、R4、R5、
R6a、R6b、R7、R8a、R8b、R9、R10a、R10bおよ
びR11で表される炭素数12以下のアリール基、置換基
を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下
のアリールアルキル基および置換基を有する炭素数12
以下のアリールアルキル基としては、フェニル基、ナフ
チル基、モノメチルフェニル基、モノメトキシフェニル
基、モノクロロフェニル基、モノフルオロフェニル基、
モノメチルナフチル基、ベンジル基、フェニルメチル
基、モノメチルベンジル基、モノメトキシベンジル基、
モノクロロベンジル基、モノフルオロベンジル基、モノ
メチルナフチルメチル基などが挙げられる。
【0041】前記一般式(V)において、R1、R2、R
3、R4およびR5で表される炭素数1〜12のアルコキ
シ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec-
ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、
n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基等の鎖状
炭化水素基を含むアルコキシ基、シクロプロピルメトキ
シ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシルメト
キシ基、モノメチルシクロヘキシルメトキシ基などの環
状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12のアルコキシ基
が挙げられ、また炭素数6〜12のアリールオキシ基と
しては、ベンゾキシ基、ナフトキシ基、モノメチルベン
ゾキシ基、モノメチルナフトキシ基などが挙げられる。
【0042】前記一般式(V)において、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表される炭素数1〜12のアシル基
としては、直鎖型炭化水素基、分岐鎖型炭化水素基、芳
香族原子団を有する炭化水素基のいずれでもよく、例え
ばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、バレリル基、ヘキサノイル基、アクロイル基、カプ
ロイル基、ペラルゴイル基、ベンゾイル基、トルオイル
基、サリチロイル基、シンナモイル基等が挙げられる。
【0043】前記一般式(V)において、R7がOMで
ある場合において、Mで表されるアルカリ金属原子およ
びアルカリ土類金属原子としては、例えばナトリウム、
カリウム、カルシウムが挙げられる。
【0044】一般式(V)でR7がNR8aNR8bである
場合およびYがNR10aR10bである場合、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表されるアミノ酸残基としては、例
えばイソロイシル基、チロシル基、トリプトフィル基が
挙げられる。
【0045】一般式(V)でR7がOR9である場合およ
びYがOR11である場合、R9およびR11で表される炭
水化物残基としては、グルコピラノシル基が挙げられ
る。
【0046】また、前記一般式(V)で示される化合物
において、nは1〜7の整数を表し、前記5員環は、隣
接する環員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。
【0047】前記一般式(VI)において、R1、R2、R
3、R4、R5、R6、R7、R8a、R8b、R9、R10a、R1
0bおよびR11で表される炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数2〜12のアルケニル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、n−ブテニル基、sec-ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ペンテニル基、n−ヘキシル
基、n−ヘキセニル基、n−オクチル基、n−デシル基
等の鎖状炭化水素基、シクロプロピル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、モノメチルシクロヘキシル
基、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基
などの環状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12の炭化
水素基が挙げられる。また、前記一般式(VI)におい
て、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8a、R8
b、R9、R10a、R10bおよびR11で表される炭素数12
以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のア
リール基、炭素数12以下のアリールアルキル基および
置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基と
しては、フェニル基、ナフチル基、モノメチルフェニル
基、モノメトキシフェニル基、モノクロロフェニル基、
モノフルオロフェニル基、モノメチルナフチル基、ベン
ジル基、フェニルメチル基、モノメチルベンジル基、モ
ノメトキシベンジル基、モノクロロベンジル基、モノフ
ルオロベンジル基、モノメチルナフチルメチル基などが
挙げられる。
【0048】前記一般式(VI)において、R1、R2、R
3、R4、R5およびR6で表される炭素数1〜12のアル
コキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、
sec-ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ
基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基等の
鎖状炭化水素基を含むアルコキシ基、シクロプロピルメ
トキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシル
メトキシ基、モノメチルシクロヘキシルメトキシ基など
の環状炭化水素原子団を含む炭素数3〜12のアルコキ
シ基、また炭素数6〜12のアリールオキシ基として
は、ベンゾキシ基、ナフトキシ基、モノメチルベンゾキ
シ基、モノメチルナフトキシ基などが挙げられる。
【0049】前記一般式(VI)において、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表される炭素数1〜12のアシル基
としては、直鎖型炭化水素基、分岐鎖型炭化水素基、芳
香族原子団を有する炭化水素基のいずれでもよく、例え
ばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、バレリル基、ヘキサノイル基、アクロイル基、カプ
ロイル基、ペラルゴイル基、ベンゾイル基、トルオイル
基、サリチロイル基、シンナモイル基等が挙げられる。
【0050】前記一般式(VI)において、R7がOMで
ある場合において、Mで表されるアルカリ金属原子およ
びアルカリ土類金属原子としては、例えばナトリウム、
カリウム、カルシウムが挙げられる。
【0051】一般式(VI)でR7がNR8aNR8bである
場合およびYがNR10aR10bである場合、R8a、R8b、
R10aおよびR10bで表されるアミノ酸残基としては、例
えばイソロイシル基、チロシル基、トリプトフィル基が
挙げられる。
【0052】一般式(VI)でR7がOR9である場合およ
びYがOR11である場合、R9およびR11で表される炭
水化物残基としては、グルコピラノシル基が挙げられ
る。
【0053】また、前記一般式(VI)で示される化合物
において、nは1〜7の整数を表し、C1−C2−C3−
C4−C5−C6からなる側鎖は1個または2個以上の二
重結合を含んでいてもよい。
【0054】したがって、前記一般式(I)で示される
化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられ
る。
【0055】(化合物A) R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2、R3、R
4、R5、R6:H R7:OCH3 X:O n:1 C3とC4の間で二重結合
【化13】
【0056】(化合物B) R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2、R3、R
4、R5、R6:H R7:OCH3 X:NOH n:1 C3とC4の間で二重結合
【化14】
【0057】前記一般式(II)で示される化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。
【0058】(化合物C) R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R
3、R4、R5、R6:H R7:OCH3 X:OH n:1 C3とC4の間で二重結合
【化15】
【0059】(化合物D) R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2、R
3、R4、R5、R6:H R7:OCH3 X:NH2 n:1 C3とC4の間で二重結合
【化16】
【0060】前記一般式(III)で示される化合物の具
体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。 (化合物E) R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R
2、R3、R4、R5、R6:H R7:OCH3 X:O n:1 C3とC4の間で二重結合
【化17】
【0061】(化合物F) R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R
2、R3、R4、R5、R6:H R7:OCH3 X:NOH n:1 C3とC4の間で二重結合
【化18】
【0062】前記一般式(IV)で示される化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。 (化合物G) R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R
1i、R2、R3、R4、R5、R6:H R7:OCH3 X:OH n:1 C3とC4の間で二重結合
【化19】
【0063】(化合物H) R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R1h、R
1i、R2、R3、R4、R5、R6:H R7:OCH3 X:NH2 n:1 C3とC4の間で二重結合
【化20】
【0064】前記一般式(V)で示される化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。 (化合物I) R1、R2、R3、R4、R5、R6b:H R6a:CH3 R7:OCH3 X:O n:1
【化21】
【0065】(化合物J) R1、R2、R3、R4、R5、R6b:H R6a:CH3 R7:OCH3 X:NOH n:1
【化22】
【0066】前記一般式(VI)で示される化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。 (化合物K) R1、R2、R3、R4、R5:H R6:CH3 R7:OCH3 X:O n:1 C2とC3の間で二重結合
【化23】
【0067】(化合物L) R1、R2、R3、R4、R5:H R6:CH3 R7:OCH3 X:NOH n:1 C2とC3の間で二重結合
【化24】
【0068】本発明で使用される前記一般式(I)〜
(VI)で示される化合物には種々の異性体が存在する
が、それぞれの異性体を単独で用いても、混合物の形で
用いてもよい。
【0069】これら化合物は、ジャスモン酸誘導体にア
ンモニア誘導体を付加反応させることなどにより調製さ
れる。
【0070】前記一般式(I)〜(VI)で示される化合
物の用途としては、本願に記載の組織培養培地に添加し
て細胞などを培養し、得られる培養物および/または培
地からタキサン型ジテルペンを回収する方法のほか、タ
キサン型ジテルペン産生植物の葉や小枝の収穫前および
/または収穫後に葉や小枝に当該化合物を含む溶液を噴
霧するなどして葉や小枝中のタキサン型ジテルペン含量
を増加させる方法、馬鈴薯の塊茎肥大など従来知られて
いるジャスモン酸誘導体の替わりに各種農業用途に使用
する方法を例示することができる。
【0071】本発明で使用される化合物は、培地におけ
る濃度は通常、0.01〜1000μMであり、この中
でも特に誘導体の濃度を0.1〜500μMの範囲に調
整することが本発明の方法にとって好ましい。
【0072】植物細胞培養物にジャスモン酸類を添加し
て特定の二次代謝産物の生産が促進されることはドイツ
で特許公告[DE 4122208]になっているが、タキサン型
ジテルペンの生産については全く記載されていない。本
発明者らは、先にジャスモン酸類の添加によって培養物
中のタキサン型ジテルペンの産生量が増大することを見
いだしているが[特願平6−36156号、特願平6−
104211号、特願平6−104212号]、本発明
に関わるジャスモン酸類似の構造を有する各化合物に、
ジャスモン酸誘導体同様、タキサン型ジテルペン生産促
進効果があることは予想外のことであった。
【0073】また、前記一般式(I)〜(VI)で示され
る化合物は、種々の植物種の細胞培養に使用することに
よって、その細胞が生産する二次代謝産物の生産性を向
上させることが可能である。たとえば、ムラサキ科ムラ
サキの培養細胞におけるナフトキノン誘導体(シコニ
ン)の生産、キンポウゲ科オウレンの培養細胞における
イソキノリンアルカロイド(ベルベリン、パルマチン、
コプテシン)の生産、キョウチクトウ科ニチニチソウの
培養細胞におけるインドールアルカロイド(カサランチ
ン、アジマリシン)の生産、アカネ科アカネの培養細胞
におけるアントラキノン誘導体(プルプリン)の生産、
ナス科ズボイシアの不定根培養におけるトロパンアルカ
ロイド(スコポラミン、ヒヨシアミン)の生産、ウリ科
ヘチマ培養細胞におけるテルペノイド(ブリオノール
酸)の生産が代表例としてあげられるが、その他の植物
の細胞または組織培養においても、エリシターとして使
用することができる。
【0074】本発明の組織培養に使用される培地として
は、従来から知られている植物の組織培養に用いられる
培地、例えばムラシゲ・スクーグ(1962年)〔Murashige
& Skoog〕の培地、リンスマイヤー・スクーグ(1965年)
〔Linsmaier Skoog〕の培地、ウッディー・プラント・
メディウム(1981年) 〔Woody Plant Medium〕の培地、
ガンボルグ〔Gamborg〕のB−5培地、三井のM−9培
地等が挙げられる。
【0075】これら培地に植物ホルモンを添加し、更に
必要に応じて炭素源、無機成分、ビタミン類、アミノ酸
等を添加することもできる。
【0076】 炭素源としては、シュクロース、マル
トース、ラクトース等の二糖類、グルコース、フルクト
ース、ガラクトース等の単糖類、デンプンあるいはこれ
ら糖源の2種類以上を適当な比率で混合したものを使用
できる。
【0077】無機成分としては、例えばリン、窒素、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マン
ガン、亜鉛、ホウ素、銅、モリブデン、塩素、ナトリウ
ム、ヨウ素、コバルト等があげられ、これらの成分は例
えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、
塩化カリウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素カ
リウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナト
リウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、硫酸
亜鉛、ホウ酸、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸
化モリブデン、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等の化合
物として添加できる。
【0078】植物ホルモンとしては、例えばインドール
酢酸(IAA)、ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフ
ェノキシ酢酸(2,4-D)等のオーキシン類、カイネチン、
ゼアチン、ジヒドロゼアチン等のサイトカイニン類が用
いられる。
【0079】ビタミン類としては、例えばビオチン、チ
アミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB
6)、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等が用
いられる。
【0080】アミノ酸類としては、例えばグリシン、フ
ェニルアラニン、ロイシン、グルタミン、システイン等
を添加できる。
【0081】一般に前記の各成分は、無機成分が約0.1
μM、ないし100mM、炭素源が約1〜約30g/l、植物ホルモ
ン類が約0.01〜約10μM、ビタミン類およびアミノ酸類
がそれぞれ約0.1〜約100mg/lの濃度で用いられる。
【0082】尚、本発明には液体培地および寒天やゲラ
ンガム等を通常0.1〜1%含有する固形培地のいずれも使
用できるが、通常は液体培地が好ましい。
【0083】本発明の組織培養においては、上記植物の
根、生長点、葉、茎、種子、花粉、葯、がく等の組織片
または細胞、あるいはこれらを上記培地あるいは他の従
来の培地によって組織培養して得られる培養細胞を使用
することができる。
【0084】これらの組織または細胞を前記一般式
(I)〜(VI)で表される化合物の存在下に培養する
と、無添加または無処理の場合と比較して、タキサン型
ジテルペンの高生産性培養組織または培養細胞が得られ
る。
【0085】以上のようにして得られた培養組織または
培養細胞および/または培地から、メタノール等の有機
溶媒による抽出によってタキサン型ジテルペンを分離す
ることができる。また、培地中に適当な吸着剤や有機溶
媒を共存させ、連続的にタキサン型ジテルペンを回収す
ることもできる。
【0086】本発明における組織培養の好ましい一例と
しては、次の方法が挙げられる。
【0087】先ずイチイ属に属する植物の植物体、例え
ば根、生長点、葉、茎、種子などから採取される植物片
を殺菌処理後、ゲランガムで固めたウッディー・プラン
ト・メディウムの固体培地上に置床し、10〜35℃で14〜
60日程度経過させて組織片の一部をカルス化させる。こ
のようにして得られたカルスを継代培養すると生育速度
が漸次高まり安定化したカルスが得られる。ここで、安
定化したカルスとは、培養中にカルスの一部がシュート
や根に分化しないでカルスの状態を保持する性質をもち
細胞の生育速度が均質であるものをいう。
【0088】この安定化したカルスを増殖に適した液体
培地、例えばウッディー・プラント・メディウムの液体
培地に移して増殖させる。液体培地において更に生育速
度が高められる。本発明では、この安定化したカルスま
たは該カルスを構成する細胞は、前記一般式(I)〜
(VI)で示される化合物を含有する固体培地または液体
培地で培養される。
【0089】本発明で使用される化合物は、培養細胞が
増殖期ないし定常期に添加することがもっとも効果的で
あり、この中でも特に増殖期から定常期に移行する時期
に化合物を添加することが本発明の方法にとって好まし
い。たとえば、21日おきに細胞を移植している場合に
は7〜16日目が化合物の添加の適期にあたる。また、
二段培養などにおいて、増殖期にある細胞を一段目の培
地から二段目の培地に移すときには、二段目の培養の開
始時または培養初期に当該化合物を添加することが効果
的である。当該化合物の添加方法としては、一度に行っ
てもよいし、複数回に分けて行ってもよい。
【0090】本発明の組織培養における培養温度として
は、通常は約10〜約35℃、特に約23〜28℃が増殖速度が
大きいので好適である。また、培養期間としては、14
〜42日間が好適である。
【0091】本発明の培養方法において液体培地を用い
た場合には、培養終了後に培養細胞をデカンテーション
または濾過等の方法によって培地から分離し、培養細胞
および/または培地から目的とするタキサン型ジテルペ
ンを有機溶媒による抽出等の方法によって分離すること
ができる。
【0092】本発明の効果を高める方法として、特願平
5−284893号、同6−104213号明細書に開
示されている、細胞を比重の違いにより複数の層に分
け、少なくとも一つの層に含まれる細胞を培養する方法
との併用が挙げられる。
【0093】また、本発明は、特願平6−146826
号明細書に記載されている、培養器内の気相中の酸素濃
度を培養初期より大気中の酸素濃度未満の条件下に制御
して培養を行うか、或いは組織および/または細胞と接
する流動性の培地中の溶存酸素濃度を培養初期よりその
温度に於ける飽和溶存酸素濃度未満である条件下に制御
して培養する方法との併用が挙げられる。
【0094】また、本発明は、特願平6−201150
号明細書に記載されている、重金属を含む化合物および
/または重金属イオンの存在下に培養する方法との併用
が挙げられる。
【0095】また、本発明は、特願平6−201151
号明細書に記載されている、アミン類の存在下に培養す
る方法との併用が挙げられる。
【0096】また、本発明は、サイクロデキストリンな
どの環状多糖類の存在下に培養する方法との併用が挙げ
られる。
【0097】以上のようにして得られた培養組織または
培養細胞から、メタノール等の有機溶媒による抽出によ
ってタキサン型ジテルペンを分離することができる。
【0098】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を更
に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0099】〔実施例1〕2%アンチホルミン溶液また
は70%エタノール溶液等で滅菌処理したメディアイチイ
(Taxus media)の種子から無菌的に胚を取り出し、その
一部をナフタレン酢酸を 10-5Mの濃度になるように添
加し、オートクレーブ殺菌したウッディー・プラント・
メディウムの固体培地(ゲランガム0.25重量%)に、置
床し、25℃で暗所にて静置培養してメディアイチイカル
スを得た。次にこのカルス1g(新鮮重)を、上記成分
を同じ濃度で添加し、オートクレーブ殺菌したウッディ
ー・プラント・メディウムの液体培地20ml入りの三角フ
ラスコに移し、ロータリーシェーカー上で旋回培養(振
幅25mm、100rpm)し、14日毎に植えつぎ、該カルスの生
育速度を速めた。
【0100】このようにして得られた培養細胞1g(新
鮮重)を、上記成分を同じ濃度で添加したウッディー・
プラント・メディウムの液体培地20ml入りの三角フラス
コに移して25℃で14日間振盪培養した。培養14日目に、
少量のメタノールに溶解した化合物A〜Lをそれぞれそ
の終濃度が0.01〜1000μMになるように添加し、さらに
14日間培養した。
【0101】培養終了後、メディアイチイ培養細胞を濾
過により採取し、凍結乾燥した後その乾燥重量を測定
し、液体培地1L当たりの培養細胞の生育重量を求め
た。得られた乾燥カルスからメタノール等を用いてタキ
サン型ジテルペンを抽出し、高速液体クロマトグラフィ
ーを用いてタキソールおよびバッカチンIIIの標準品と
比較定量することによってタキサン型ジテルペン収量を
測定した。また、培養ろ液からジクロロメタンを用いて
タキサン型ジテルペン画分を抽出し、以下上記と同様に
定量した。その結果を表1に示す。
【0102】〔比較例1〕実施例1において、化合物A
〜Lを一切添加しない以外は該実施例と同様に操作し
た。その結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【0105】
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、一般式(I)〜(VI)
で表される化合物を含む培地を用いたタキサン型ジテル
ペン産生植物の組織培養によって、大量のタキサン型ジ
テルペンを簡便に得ることが可能になる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タキサン型ジテルペンを産生する植物の細
    胞および/または組織を以下の一般式(I): 【化1】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2、
    R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、
    水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12
    のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素
    数6〜12のアリールオキシ基、炭素数12以下のアリ
    ール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール基、
    炭素数12以下のアリールアルキル基または置換基を有
    する炭素数12以下のアリールアルキル基を表し;R7
    は、水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ金属原子、ア
    ルカリ土類金属原子、またはNH4を表す)、NR8aR8
    b(ここで、R8aおよびR8bは、それぞれ独立に水素原
    子、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアル
    キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以
    下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
    ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基
    を有する炭素数12以下のアリールアルキル基またはア
    ミノ酸残基を表す)、OR9(ここで、R9は炭素数1〜
    12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭
    素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
    以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
    基、置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル
    基または炭水化物残基を表す)または炭素数1〜12の
    アルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1
    2以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下の
    アリール基、炭素数12以下のアリールアルキル基また
    は置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基
    を表し;Xは、酸素原子またはN−Y{ここで、Yは水
    素原子、水酸基、NR10aR10b(ここで、R10aおよび
    R10bは、それぞれ独立に水素原子、アミノカルボニル
    基、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアル
    キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以
    下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
    ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基
    を有する炭素数12以下のアリールアルキル基またはア
    ミノ酸残基を表す)、OR11(ここでR11は、炭素数1
    〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、
    炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数1
    2以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキ
    ル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキ
    ル基または炭水化物残基を表す)}を表し;nは1〜7
    の整数を表し;C1−C2−C3−C4−C5−C6からなる
    側鎖は、1個または2個以上の二重結合を含んでいても
    よく;前記5員環は、隣接する環員炭素原子間で二重結
    合を形成してもよい]で示される化合物の存在下に培養
    し、得られる培養物からタキサン型ジテルペンを回収す
    ることを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方法。
  2. 【請求項2】タキサン型ジテルペンを産生する植物の細
    胞および/または組織を以下の一般式(II): 【化2】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、
    R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素
    原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2
    〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ
    基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数12以
    下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
    ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基または置
    換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基を表
    し;R7は、水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ金属
    原子、アルカリ土類金属原子またはNH4を表す)、N
    R8aR8b(ここで、R8aおよびR8bは、それぞれ独立に
    水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12
    のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数
    12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下
    のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル基、
    置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基ま
    たはアミノ酸残基を表す)、OR9(ここで、R9は炭素
    数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
    基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
    数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
    ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
    ルキル基または炭水化物残基を表す)または炭素数1〜
    12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭
    素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
    以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
    基または置換基を有する炭素数12以下のアリールアル
    キル基を表し;Xは、水酸基またはNR10aR10b(ここ
    でR10aおよびR10bは、それぞれ独立に水素原子、水酸
    基、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアル
    キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜1
    2のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ
    基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
    数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
    ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
    ルキル基またはアミノ酸残基を表す)を表し;nは1〜
    7の整数を表し;C1−C2−C3−C4−C5−C6からな
    る側鎖は、1個または2個以上の二重結合を含んでいて
    もよく;前記5員環は、隣接する環員炭素原子間で二重
    結合を形成してもよい]で示される化合物の存在下に培
    養し、得られる培養物からタキサン型ジテルペンを回収
    することを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】タキサン型ジテルペンを産生する植物の細
    胞および/または組織を以下の一般式(III): 【化3】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、
    R1h、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立
    に水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭
    素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコ
    キシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数1
    2以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下の
    アリール基、炭素数12以下のアリールアルキル基また
    は置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基
    を表し;R7は、水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ
    金属原子、アルカリ土類金属原子またはNH4を表
    す)、NR8aR8b(ここで、R8aおよびR8bは、それぞ
    れ独立に水素原子、アミノカルボニル基、炭素数1〜1
    2のアシル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2
    〜12のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、
    置換基を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数1
    2以下のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数1
    2以下のアリールアルキル基またはアミノ酸残基を表
    す)、OR9(ここで、R9は炭素数1〜12のアルキル
    基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以下の
    アリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール
    基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基を有
    する炭素数12以下のアリールアルキル基または炭水化
    物残基を表す)または炭素数1〜12のアルキル基、炭
    素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以下のアリー
    ル基、置換基を有する炭素数12以下のアリール基、炭
    素数12以下のアリールアルキル基または置換基を有す
    る炭素数12以下のアリールアルキル基を表し;Xは、
    酸素原子またはN−Y{ここで、Yは水素原子、水酸
    基、NR10aR10b(ここで、R10aおよびR10bは、それ
    ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素
    数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
    基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
    数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
    ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
    ルキル基またはアミノ酸残基を表す)、OR11(ここで
    R11は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12
    のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換基
    を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下
    のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以下
    のアリールアルキル基または炭水化物残基を表す)}を
    表し;nは1〜7の整数を表し;C1−C2−C3−C4−
    C5−C6からなる側鎖は、1個または2個以上の二重結
    合を含んでいてもよく;前記6員環は、隣接する環員炭
    素原子間で二重結合を形成してもよい]で示される化合
    物の存在下に培養し、得られる培養物からタキサン型ジ
    テルペンを回収することを特徴とするタキサン型ジテル
    ペンの製造方法。
  4. 【請求項4】タキサン型ジテルペンを産生する植物の細
    胞および/または組織を以下の一般式(IV): 【化4】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、
    R1h、R1i、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞ
    れ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル
    基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12の
    アルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭
    素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
    以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
    基または置換基を有する炭素数12以下のアリールアル
    キル基を表し;R7は、水酸基、OM(ここで、Mはア
    ルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子またはNH4を
    表す)、NR8aR8b(ここで、R8aおよびR8bは、それ
    ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素
    数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
    基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
    数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
    ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
    ルキル基またはアミノ酸残基を表す)、OR9(ここ
    で、R9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜1
    2のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換
    基を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以
    下のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以
    下のアリールアルキル基または炭水化物残基を表す)ま
    たは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のア
    ルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有
    する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下のア
    リールアルキル基または置換基を有する炭素数12以下
    のアリールアルキル基を表し;Xは、水酸基またはNR
    10aR10b(ここでR10aおよびR10bは、それぞれ独立に
    水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアシル基、炭素数
    1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
    基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12の
    アリールオキシ基、炭素数12以下のアリール基、置換
    基を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以
    下のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以
    下のアリールアルキル基またはアミノ酸残基を表す)を
    表し;nは1〜7の整数を表し;C1−C2−C3−C4−
    C5−C6からなる側鎖は、1個または2個以上の二重結
    合を含んでいてもよく;前記6員環は、隣接する環員炭
    素原子間で二重結合を形成してもよい]で示される化合
    物の存在下に培養し、得られる培養物からタキサン型ジ
    テルペンを回収することを特徴とするタキサン型ジテル
    ペンの製造方法。
  5. 【請求項5】タキサン型ジテルペンを産生する植物の細
    胞および/または組織を以下の一般式(V): 【化5】 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独
    立に水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、
    炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアル
    コキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数
    12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下
    のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル基ま
    たは置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル
    基を表し;R6aおよびR6bは、それぞれ独立に水素原
    子、水酸基、炭素数1〜4の鎖状炭化水素基、炭素数3
    〜12の環状炭化水素を含む基、炭素数12以下のアリ
    ール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール基、
    炭素数12以下のアリールアルキル基または置換基を有
    する炭素数12以下のアリールアルキル基を表し;R7
    は、水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ金属原子、ア
    ルカリ土類金属原子またはNH4を表す)、NR8aR8b
    (ここで、R8aおよびR8bは、それぞれ独立に水素原
    子、炭素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアル
    キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以
    下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
    ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基
    を有する炭素数12以下のアリールアルキル基またはア
    ミノ酸残基を表す)、OR9(ここで、R9は炭素数1〜
    12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭
    素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
    以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
    基、置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル
    基または炭水化物残基を表す)、炭素数1〜12のアル
    キル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以
    下のアリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリ
    ール基、炭素数12以下のアリールアルキル基または置
    換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル基を表
    し;Xは、酸素原子またはN−Y{ここで、Yは水素原
    子、水酸基、NR10aR10b(ここで、R10aおよびR10b
    は、それぞれ独立に水素原子、アミノカルボニル基、炭
    素数1〜12のアシル基、炭素数1〜12のアルキル
    基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数12以下の
    アリール基、置換基を有する炭素数12以下のアリール
    基、炭素数12以下のアリールアルキル基、置換基を有
    する炭素数12以下のアリールアルキル基またはアミノ
    酸残基を表す)、OR11(ここでR11は、炭素数1〜1
    2のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素
    数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12以
    下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
    基、置換基を有する炭素数12以下のアリールアルキル
    基または炭水化物基を表す)}を表し;nは1〜7の整
    数を表し;前記5員環は、隣接する環員炭素原子間で二
    重結合を形成してもよい]で示される化合物の存在下に
    培養し、得られる培養物からタキサン型ジテルペンを回
    収することを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方
    法。
  6. 【請求項6】タキサン型ジテルペンを産生する植物の細
    胞および/または組織を以下の一般式(VI): 【化6】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞ
    れ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル
    基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12の
    アルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭
    素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素数12
    以下のアリール基、炭素数12以下のアリールアルキル
    基または置換基を有する炭素数12以下のアリールアル
    キル基を表し;R7は、水酸基、OM(ここで、Mはア
    ルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子またはNH4を
    表す)、NR8aR8b(ここで、R8aおよびR8bは、それ
    ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素
    数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
    基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
    数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
    ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
    ルキル基またはアミノ酸残基を表す)、OR9(ここ
    で、R9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜1
    2のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換
    基を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以
    下のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以
    下のアリールアルキル基または炭水化物残基を表す)、
    炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケ
    ニル基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する
    炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリー
    ルアルキル基または置換基を有する炭素数12以下のア
    リールアルキル基を表し;Xは、酸素原子またはN−Y
    {ここで、Yは水素原子、水酸基、アミノカルボニル
    基、NR10aR10b(ここで、R10aおよびR10bは、それ
    ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアシル基、炭素
    数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル
    基、炭素数12以下のアリール基、置換基を有する炭素
    数12以下のアリール基、炭素数12以下のアリールア
    ルキル基、置換基を有する炭素数12以下のアリールア
    ルキル基またはアミノ酸残基を表す)、OR11(ここで
    R11は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12
    のアルケニル基、炭素数12以下のアリール基、置換基
    を有する炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下
    のアリールアルキル基、置換基を有する炭素数12以下
    のアリールアルキル基または炭水化物残基を表す)}を
    表し;nは1〜7の整数を表し;C1−C2−C3−C4−
    C5からなる炭素鎖は、1個または2個以上の二重結合
    を含んでいてもよい]で示される化合物の存在下に培養
    し、得られる培養物からタキサン型ジテルペンを回収す
    ることを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方法。
  7. 【請求項7】 タキサン型ジテルペンが、タキソール、
    10−デアセチルタキソール、7−エピタキソール、バ
    ッカチンIII、10−デアセチルバッカチンIII、7−エ
    ピバッカチンIII、セファロマニン、10−デアセチル
    セファロマニン、7−エピセファロマニン、バッカチン
    VI、タキサン1a、キシロシルセファロマニン、キシロ
    シルタキソール、タキソールC、10−デアセチルタキ
    ソールC、タキシシンI、タキシシンII、タキシンI、
    タキシンII、タキサギフィンから選ばれる少なくとも1
    種以上である請求項1〜6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 タキサン型ジテルペンを産生する植物が
    イチイ属植物である請求項1〜6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 一般式(I)から(VI)で示される化合
    物の培地中における濃度が0.001〜1000μMである請求
    項1〜6に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7264951B1 (en) 1992-02-20 2007-09-04 Phyton, Inc. Enhanced production of taxol and taxanes by cell cultures of Taxus species
US8338143B2 (en) 1996-05-24 2012-12-25 Phyton Holdings, Llc Enhanced production of paclitaxel and taxanes by cell cultures of Taxus species

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7264951B1 (en) 1992-02-20 2007-09-04 Phyton, Inc. Enhanced production of taxol and taxanes by cell cultures of Taxus species
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