JP2000189056A - 含水チョコレート類用油脂組成物 - Google Patents
含水チョコレート類用油脂組成物Info
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Abstract
らつきがなく、滑らかな食感を与える含水チョコレート
類を提供し得る油脂組成物を提供すること。 【解決手段】 本発明の含水チョコレート類用油脂組成
物は、対称型ジ−飽和−モノ−モノ不飽和−トリグリセ
リドを40〜90重量%、トランス型脂肪酸を1〜20
重量%含有するものである。本発明の含水チョコレート
類は、上記の本発明の油脂組成物を使用したものであ
る。本発明の含水チョコレート類の製造方法は、上記の
本発明の油脂組成物を使用したチョコレート生地を、テ
ンパリング処理し、これに水性成分を添加、混合するも
のである。
Description
類用油脂組成物、及び該油脂組成物を使用した、作業中
の粘度上昇、分離が抑制され、またざらつきがなく、滑
らかな食感を与える含水チョコレート類及びその製造方
法に関するものである。
ら、チョコレート類の食感に変化を持たせ、今までにな
いチョコレート類を提供しようという試みは数多くなさ
れてきており、特にチョコレート類に水性成分を添加し
て食感に変化を持たせた瑞瑞しいチョコレート類を提供
した物は、いわゆる生チョコであるガナッシュを始め、
多岐にわたっている。
は、水分を可能な限り少なくする事が必須条件であり、
その水分は一般に1%以下とされている。水分が混入し
た場合には、チョコレート類の粘度上昇や、ザラツキが
生じ、作業上も食感的にも悪影響を及ぼす事が一般に知
られており、そのために、水性成分を使用する事が困難
であった。
させる新しい味の開発は様々な角度から行われてきてお
り、例えば次のような公報に記載の発明が挙げられる。
コレート生地と水成分とを、主要な結合脂肪酸が炭素原
子数20〜26である低HLBのショ糖脂肪酸エステル
の存在下に混合して、油中水型に乳化する事を特徴とす
る、含水チョコレート類の製造方法が記載されている。
また、特開平5−64545号公報には、一種または二
種以上のジグリセリドを含有する水分含有チョコレート
類及びその製造方法が記載されている。
親油性のショ糖不飽和脂肪酸ポリエステルを含有させた
チョコレートベースに、牛乳、フレッシュクリーム、プ
ラスチッククリーム、サワークリーム、洋酒、果汁等の
高含水成分を添加する事による、高含水チョコレート類
の製造方法が記載されている。また、特開平3−164
138号公報には、特定のパウダー類を混合した含水呈
味成分を、チョコレート類の生地に練り込むことによ
り、複雑な工程や面倒な作業を要せずに、まろやかで口
当たりが良く、風味に富んだ含水呈味成分入りチョコレ
ート類の製造方法が記載されている。
ト類の粘度上昇や、ザラツキの発生は軽減され、作業性
の面からあるいは食感の面からも改善が見られるが、い
ずれも不充分であり、水性成分の量がある一定以上に増
えると急激に起こる粘度上昇、あるいは経日的に発生す
るザラツキを改善するには至っていない。
水性成分に関する物や、乳化剤等のチョコレート生地中
に使用する微量成分に関する技術であり、チョコレート
生地に使用する油脂に関する物はこれまで全く知られて
いなかった。
昇、分離が抑制され、またざらつきがなく、滑らかな食
感を与える含水チョコレート類を提供し得る油脂組成物
を提供することにある。
の結果、特定の組成をもつ油脂組成物を、含水チョコレ
ート類用に使用することにより、上記目的を達成し得る
ことを知見した。
で、対称型ジ−飽和−モノ−モノ不飽和−トリグリセリ
ドを40〜90%、トランス型脂肪酸を1〜20%含有
する含水チョコレート類用油脂組成物を提供するもので
ある。
類用油脂組成物をその好ましい実施形態について詳述す
る。
型ジ−飽和−モノ−モノ不飽和−トリグリセリドは、炭
素数12〜22の飽和脂肪酸残基がグリセリンの1位と
3位に結合しており、炭素数16〜20のモノ不飽和脂
肪酸残基がグリセリンの2位に結合しているトリグリセ
リドである。ここでいう炭素数12〜22の飽和脂肪酸
とは具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げら
れ、特に炭素数16〜20のパルミチン酸、ステアリン
酸、アラキン酸が工業的にも好ましい。また、炭素数1
6〜20のモノ不飽和脂肪酸としては、パルミトオレイ
ン酸、オレイン酸、カドレン酸等が挙げられる。
飽和−モノ−モノ不飽和−トリグリセリドを40〜90
重量%(以下、単に「%」と略す)、好ましくは45〜
80%含有する。対称型ジ−飽和−モノ−モノ不飽和−
トリグリセリドが40%よりも少ないと、チョコレート
類に使用したとき、チョコレート類の口どけが悪くな
り、90%よりも多いと含水チョコレート類の水性成分
が分離しやすくなる。
るトランス型脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数1
8のトランス型脂肪酸が好ましく、さらに炭素数18で
二重結合の数が1であるトランス酸型脂肪酸が好まし
い。
を1〜20%、好ましくは2〜15%含有する。トラン
ス型脂肪酸が1%よりも少ないと含水チョコレート類に
使用したとき水性成分が分離しやすく、またボテつきが
生じ、20%よりも多いとブルームが発生しやすくな
る。そして、トランス型脂肪酸の80%以上が炭素数1
8のトランス型脂肪酸であることが好ましい。
ステアリル−2−リノレート(以下、「SLS」ともい
う)を好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下
含有する。
のモノ不飽和酸であるエルカ酸を好ましくは4.5%以
下、さらに好ましくは3%以下、最も好ましくは2%以
下含有する。
に使用する油脂原料としては特に限定されず、カカオバ
ター、パーム油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、コクム
脂、マンゴー脂、大豆油、ナタネ油、コーン油、サフラ
ワー油、ひまわり油、米油、綿実油、ヤシ油、パーム核
油、牛脂、豚脂、魚油、乳脂等の動植物油脂、及びこれ
らの分別油、硬化油、エステル交換油等が挙げられる。
本発明の油脂組成物を得るには、これらの油脂原料を使
用し、上述のような組成をもつように調整すればよい。
り、糖類、澱粉類、全脂粉乳、脱脂粉乳、カカオマス、
カカオパウダー、酒類、乳化剤、香料、呈味パウダー
類、着色料等を含有させても良い。このような組成の本
発明の油脂組成物は、含水チョコレート類に使用する。
本発明の油脂組成物を使用したものである。即ち、本発
明の含水チョコレート類は、対称型ジ−飽和−モノ−モ
ノ不飽和−トリグリセリドを40〜90重量%、トラン
ス型脂肪酸を1〜20重量%含有する含水チョコレート
類用油脂組成物を使用したものである。
ョコレート生地からなり、このチョコレート生地に本発
明の油脂組成物を使用する。チョコレート生地に使用す
る、本発明の油脂組成物の使用量は特に限定されず、た
とえば目的とするチョコレート類の規格や、食感に見合
う量を使用すれば良い。
類と糖類を必須成分とし、必要に応じてカカオマスやコ
コアパウダー、粉乳等の各種粉末食品、乳化剤、香料、
色素等の中から選択した原料を任意の割合で混合し、定
法によりロール掛け、コンチング処理して得たものであ
る。糖類としては、砂糖、果糖、ブドウ糖等各種糖類及
び各種糖アルコール等通常食用に使用される糖類であれ
ばいずれでも良く、それらを単独でもしくは併用して使
用することができる。また、各種粉末食品としては、例
えば、ココアパウダー、粉乳、果実粉末、果汁粉末、生
クリーム粉末、チーズ粉末、コーヒー粉末、ヨーグルト
粉末等が例示される。また、乳化剤は、必要に応じて粘
度上昇を抑制する目的で添加する場合があり、このよう
な乳化剤としては特に制限されないが、レシチン、ポリ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル等が挙げられる。
らなる含水チョコレート類において、チョコレート生地
の含有割合は、好ましくは50〜99%、さらに好まし
くは60〜95%であり、水性成分の含有割合は、好ま
しくは1〜50%、さらに好ましくは5〜40%であ
る。
縮果汁、各種フルーツ類及びそのペースト、ジャム、天
然のクリーム類及び牛乳等のほかに、動植物性油脂など
を使用したクリーム類、濃縮乳、練乳、各種液糖等が例
示できる。これらの水性成分は1種又は2種以上で用い
られる。
的製法を以下に示す。まず、本発明の油脂組成物を任意
の量配合し、常法に従ってロール掛け、コンチング処理
して得たチョコレート生地を加温溶解し、必要に応じて
粘度上昇を抑制する目的でレシチン、ポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステル等を添加する。そして、上記
チョコレート生地をテンパリング処理した後、任意に調
整した水性成分を添加混合し、冷却、成形する。
コレート類は、冷却成形してそのまま食することも可能
であるし、ケーキ類、ビスケット類にサンドしたり、ケ
ーキ類、ビスケット類、冷菓等にコーティングしたり、
ケーキ類、シュー等に充填したりすることもできる。
更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら
限定されるものではない。以下の例中、「部」及び
「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味す
る。
部、全脂粉乳10部、対称型ジ−飽和−モノ−モノ不飽
和−トリグリセリドを75%含み、トランス型脂肪酸を
8%(うち炭素数18で2重結合の数が1のトランス酸
型脂肪酸7%)、SLSを1%、エルカ酸を0.1%含
有する植物性油脂40部、レシチン0.3部からなる配
合にて、常法に従いチョコレート生地を得た。また、加
糖全脂練乳70部、生クリーム30部を混合し、水性成
分を得た。上記のチョコレート生地をテンパリング処理
して得たチョコレート生地70部に対し、水性成分30
部を添加混合し、固化させた。このチョコレートは、水
性成分が入ることにより瑞瑞しく非常に口溶け感の良好
な物であり、さらに製造作業上、ザラツキの発生や粘度
上昇等の問題はまったくなかった。
部、ココアバター20部、対称型ジ−飽和−モノ−モノ
不飽和−トリグリセリドを58%含み、トランス型脂肪
酸を17%、(うち炭素数18で2重結合の数が1のト
ランス酸型脂肪酸15%)、SLSを2%、エルカ酸を
0.3%含有する植物性油脂17部、レシチン0.5部
からなる配合にて、常法に従いチョコレート生地を得
た。さらに、転化糖液糖70部、ストロベリー濃縮果汁
30部を混合し、水性成分を得た。上記のチョコレート
生地をテンパリング処理して得たチョコレート生地90
部に対し、水性成分を10部を添加混合し、固化させ
た。このチョコレートは、水性成分が入ることにより瑞
瑞しく非常に口溶け感の良好な物であり、さらに製造作
業上、ザラツキの発生や粘度上昇等の問題はまったくな
かった。
リグリセリドを40〜90%、トランス型脂肪酸を1〜
20%含有する本発明の油脂組成物を使用することによ
り、水性成分を添加した際に起こる粘度上昇、ざらつき
の発生を改善することが可能となり、水性成分を添加し
た、今までにない風味や食感の含水チョコレート類を提
供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 対称型ジ−飽和−モノ−モノ不飽和−ト
リグリセリドを40〜90重量%、トランス型脂肪酸を
1〜20重量%含有することを特徴とする含水チョコレ
ート類用油脂組成物。 - 【請求項2】 上記トランス型脂肪酸の80重量%以上
が、炭素数18のトランス型脂肪酸である請求項1記載
の含水チョコレート類用油脂組成物。 - 【請求項3】 対称型ジ−飽和−モノ−モノ不飽和−ト
リグリセリドを40〜90重量%、トランス型脂肪酸を
1〜20重量%含有する含水チョコレート類用油脂組成
物を使用した含水チョコレート類。 - 【請求項4】 対称型ジ−飽和−モノ−モノ不飽和−ト
リグリセリドを40〜90重量%、トランス型脂肪酸を
1〜20重量%含有する含水チョコレート類用油脂組成
物を使用したチョコレート生地を、テンパリング処理
し、これに水性成分を添加、混合することを特徴とする
含水チョコレート類の製造方法。
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