JPH05244869A - 油脂組成物 - Google Patents

油脂組成物

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JPH05244869A
JPH05244869A JP4083359A JP8335992A JPH05244869A JP H05244869 A JPH05244869 A JP H05244869A JP 4083359 A JP4083359 A JP 4083359A JP 8335992 A JP8335992 A JP 8335992A JP H05244869 A JPH05244869 A JP H05244869A
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JP
Japan
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oil
fat
fats
oils
fat composition
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JP4083359A
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English (en)
Inventor
Toshitaka Ookouchi
敏尊 大河内
Junko Shinkawa
純子 新川
Tsugio Nishimoto
次雄 西元
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Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】油脂性の製菓用素材を組み合わせた菓子類にお
いて問題となっている油脂移行(マイグレーション)を
防止乃至低下させた油脂組成物を提供する。 【構成】油脂、糖類、蛋白質、乳化剤を混合したもの
に、微粒化シリカゲルを添加した油脂組成物である。 【効果】この発明の油脂組成物は、口溶け、食感が極め
て良好であり、油脂移行耐性にも優れているので、組み
合わせ菓子類への使用に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油脂組成物に関し、
より詳しくは、油脂性の製菓用素材を組み合わせた菓子
類に適した、二酸化ケイ素を含有する油脂組成物であ
る。
【0002】
【従来の技術】油脂性の製菓用素材を組み合わせた菓子
類では、油脂移行(マイグレーション)による商品価値
の損失が大きな問題となっている。組み合わせ菓子のな
かでチョコレート類のセンターとして使用するクリーム
においては、ソフトさ、口溶けの良さ、チョコレート類
との食感の違いを出すために、通常、常温で比較的軟ら
かい油脂(液体油成分の比較的多い油脂)を原料として
用いる。一方、チョコレート類は常温で硬い油脂(液体
油成分の比較的少ない油脂)、例えばココアバター、コ
コアバター代用脂などを原料としている。原料油脂が異
なるので、当然、両者の常温での液体油成分含有量も異
なる。油脂移行発生の主要な要因はこの液体油成分含有
量の差であり、含有量の多い方から少ない方へ液体油成
分の移動が起こる。
【0003】例えばチョコレートとセンタークリームか
ら成るシェル物チョコレート(センターがクリームでシ
ェルがチョコレートである組み合わせ菓子)では、軟ら
かい油脂を含むセンタークリームから硬い油脂を含むチ
ョコレートの方へ油脂移行が起こる。油脂移行の結果と
して、チョコレートは軟化し、極端な場合は常温でベト
つき、シェルの陥没が発生し、包装紙に付着したり、外
観が変形したりするため、実質的に商品価値が失われて
しまう。一方、センタークリーム側では液体油脂成分が
減少するため、製造直後のソフトさ、クリーミーさが損
われ、ボソボソした組織となってしまい、食感、外観と
も悪くなるので、チョコレート側と同様00品価値を失
ってしまう。
【0004】こういった油脂移行を解決する手段とし
て、May 1989「The Manufacturing Confectioner」の7
2〜74頁にあるような種々の方法が提案された。要約
すると次の3項目になる。 センタークリームにココアバター、ココアバター代用
脂など、融点32〜38℃程度の硬い油脂を添加し、硬
さ、融点を上げる。 ファットスタビライザーシステムを用いる。(固型格
子状態を作るために、センタークリームに少量の融点4
0〜70℃の高融点脂を添加する。) センタークリームとチョコレートの境界を砂糖、蛋
白、多糖類のフィルム糖等でコーチングして、油脂移行
を遮断する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した〜
の方法には、次のような欠点があった。 の方法では、大幅な口溶けの低下を招くことなく効果
的に油脂移行を低減できるが、センタークリームの本来
の軟らかさ、クリーミーさが損なわれ、フレーバーも出
にくかった。 の方法では、少量の高融点脂を添加するだけで効果が
出るため、コストは安くてすむが、口溶け、フレーバー
の低下が大きく、口当たりの悪いセンタークリームにな
ってしまった。 の方法はかなり効果的な方法と思われたが、食感上の
違和感、コーチングの作業が非常に煩雑であるなどの問
題があり実用的でなかった。
【0006】この発明が解決しようとする課題は、油脂
移行を防止乃至低下させることにあり、例えば製菓用素
材を組み合わせた菓子類に使用して、常温から30℃近
辺の流通条件下でも良好な油脂移行耐性を保持した油脂
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らが鋭意検討した結果、二酸化ケイ素を添加
することによって、食感、口溶けが極めて良く、かつ油
脂移行耐性に優れた油脂組成物を得ることができた。
【0008】すなわち、この発明は、二酸化ケイ素を含
有してなる油脂組成物に関するものである。
【0009】以下、この発明を詳述する。
【0010】この発明の油脂組成物は、二酸化ケイ素を
含有することを特徴とし、油脂の他に糖類、蛋白質、乳
化剤なども含むことができる。また、適量の色素、香料
などを添加することもできる。
【0011】油脂組成物に含有される二酸化ケイ素は、
食品添加用の微粒二酸化ケイ素や、乾燥剤、吸着剤とし
て使用されているシリカゲルを微粉末化したもの、天然
に産生される結晶性、無定型、ガラス状、コロイド状の
二酸化ケイ素を微粉末化したものなど、合成品、天然物
のどちらであってもよい。
【0012】二酸化ケイ素の平均粒径は20μm以下で
あるのがよく、5μm以下であることがより好ましい。
粒径が50μmより大きいと油脂移行耐性に劣り、食感
の上で好ましくないものとなる。粒径が小さいほど、食
感や口溶けがよい。
【0013】また、組成物中の含有量が、最終的に二酸
化ケイ素として2重量%以下、好ましくは0.5〜1.
0重量%となるようにこれらを添加するのがよい。2重
量%を超えると、食感において好ましくなく、口溶けも
悪くなる。
【0014】この発明に使用される油脂としては、食用
に適する油脂であればどのような油脂であってもよく、
このような油脂原料として、例えば、パーム油、大豆
油、ナタネ油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、ヤシ
油、シア脂などの植物性油脂、ならびに、牛脂、魚油、
豚脂、乳脂などの動物性油脂が挙げられ、上記油脂類の
単独、または混合油脂、あるいはそれらの部分水添、水
添分別、分別、エステル交換などを施した加工油脂であ
って、30℃でのSFI値が40以下、または、融点が
30℃以下で、口溶けに優れ、クリーミーなものが使用
されることが多い。これらの油脂は、組成物全体に対し
て一般に25重量%以上含み、糖類や蛋白質を含む時
は、通常50重量%以下使用するのが好ましい。
【0015】糖類としては、例えば、砂糖、乳糖、麦芽
糖、水飴、糖アルコール、デンプン糖などが挙げられ
る。これらの糖類は、組成物全体に対して30〜50重
量%使用するのが好ましい。
【0016】蛋白質としては、全脂粉乳、脱脂粉乳など
が使用でき、固形分として組成物全体に対して0〜20
重量%使用するのが好ましい。
【0017】乳化剤としてはレシチンを用いるのが好ま
しいが、その他シュガーエステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン縮合リシノール酸エステル、プロピレングリコール脂
肪酸エステル、モノグリセリドなど、一般にチョコレー
トに使用される乳化剤を単独、または二種以上組み合わ
せて使用できる。これらは、組成物全体に対して0.1
〜1.0重量%程度使用できる。
【0018】油脂組成物中の水分含量は一般に10重量
%以下であり、所望により、果汁、酒類、ココアパウダ
ー、コーヒーパウダー、粉末フルーツ、ナッツ類などの
風味材を適量添加してもよい。
【0019】油脂組成物は、チョコレートの製造方法を
参照して作成できる。概要は次のとおりである。配合原
料を混合し、その後、ロール掛けして微粒化する。つい
でコンチェでコンチング処理を行った後、二酸化ケイ素
を混合し、風味調製、脱泡して得られる。
【0020】この発明の油脂組成物は、水分2%以下の
いわゆる無水系クリーム組成物や、水分2〜5%の油中
水型の乳化物、または水分5〜10%の高水分の油中水
型乳化物に、二酸化ケイ素を添加することによっても得
ることができる。
【0021】この発明の油脂組成物は、組み合わせ菓子
のクリーム状油脂組成物であり、特にチョコレート類の
センタークリームに使用するのに最適である。
【0022】
【作用】二酸化ケイ素を用いることによって、油脂組成
物に油脂移行耐性が付与されるメカニズムは、次のよう
に推定される。すなわち、油脂組成物中の二酸化ケイ素
は20〜30nm程度の球形単微粒子が二次、三次的に
ブドウ状に連結してμm単位の一つの粒状物を形成し、
空隙を有するために、比表面積、細孔容積が大きく、高
吸油性となっており油脂組成物中の液体油成分がこの中
に取り込まれ、可動液体油成分が減少し、この結果、油
脂移行耐性が向上するのではないかと考えられる。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、この発明は
実施例に制限されるものではない。実施例中の部及び%
は重量比を示すものである。
【0024】表1に示す配合原料をケンウッドミキサー
で混合し、ロール掛けして微粒化した。次に、60℃で
2〜3時間コンチング処理を行いセンタークリームを作
成した。使用したパ−ム油中融点部は、SFI値が20
℃で40.4、30℃で1.0であった。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1〜5で、表1のセンタークリーム
に対する含有量が二酸化ケイ素として、それぞれ0.1
%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%となるよ
うに微粒化シリカゲル(「サイロページ770」富士デ
ビィソン化学株式会社製 二酸化ケイ素純度99.5%
以上 平均粒径2.5μm )を添加し、油脂組成物を作
成した。また、比較例1では無添加のものを、比較例2
では粒径が50〜75μmのシリカゲル(「ワコーゲル
C−300」和光純薬工業株式会社製)を二酸化ケイ素
として1.0%となるように配合したものを作成した。
【0027】上記実施例1〜5、及び比較例1、2で作
成した油脂組成物に対し油脂滲み出し試験を行った。油
脂滲み出し試験は、図1に示すように、油脂組成物約
1.8gを40〜45℃に昇温して直径1cm程度のリ
ングに流し込み、冷却固化後、濾紙上に乗せ、27℃、
30℃、31℃の各温度で48時間保存した時の油脂滲
み出し比率を求めた。滲み出し比率は、濾紙の重量をあ
らかじめ測定しておき、油脂が滲み出した量(濾紙の重
量増加分)を油脂組成物の総油分量に対する比率で表し
たものである。結果は表2に示した。
【0028】
【表2】油脂滲み出し試験
【0029】次に、上記実施例1〜5、及び比較例1、
2の油脂組成物をセンタークリームに使用して、シェル
物チョコレートを作成した。使用したチョコレート配合
は以下の通りである。0
【0030】
【表3】
【0031】表3のチョコレートは常法通り、テンパリ
ングしてシェル型に成形し、センター部には上記油脂組
成物を35〜40℃に昇温して流し込み、冷却固化し
た。
【0032】調製したシェル物チョコレートは、チョコ
レートと油脂組成物の重量比が1:1である。このシェ
ル物チョコレートを27〜29℃の各温度のサイクル
(17℃で11.5時間保持後温度を上げ、各温度で1
1.5時間保持、その後再び17℃まで温度を下げる。
これを1サイクルとする)にかけ、1日1サイクルで7
日間保存した後のシェルの陥没の有無を観察した。結果
は表4に示した。
【0033】
【表4】シェル陥没試験 〔+:陥没あり(多い程陥没が激しい),−:陥没なし ◎:大変良い,○:良い,△:まあまあ,×:悪い〕
【0034】表2、4の結果から、実施例1〜5では、
油脂の滲み出し耐性及びシェルの陥没耐性に優れてい
た。さらに、食感、口溶けともに良好なものとなった。
比較例1では、食感、口溶けは良かったが、実施例に比
べ油脂の滲み出し耐性に劣っていた。さらに軟らかい油
脂を使用したために、極めて陥没耐性に劣ったものとな
った。また、比較例2では、食感、口溶けも悪く、油脂
の滲み出し耐性及びシェルの陥没耐性にも劣っていた。
【0035】
【発明の効果】この発明に係る油脂組成物は、口溶け、
食感が極めて良好であり、従来では考えられなかった軟
らかい油脂を原料としているにもかかわらず、油脂移行
耐性に優れているので、組み合わせ菓子に使用するのに
適している。また、流通する際には、温度管理が容易に
でき、さらに、その良好な口溶け、食感を流通期間中、
製造直後に近い状態に保つことができるので品質の非常
に優れた製品を提供できるようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の油脂滲み出し試験の実施状
態の断面図である。
【図2】シェルチョコレートの陥没の程度を順に並べた
模式断面図である。左から順に評価は、−、+、++、
+++である。
【符号の説明】
1 センタークリーム 2 リング 3 濾紙 4 シェルチョコレート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化ケイ素を含有してなる油脂組成
    物。
JP4083359A 1992-03-04 1992-03-04 油脂組成物 Pending JPH05244869A (ja)

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JP4083359A JPH05244869A (ja) 1992-03-04 1992-03-04 油脂組成物

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JP4083359A JPH05244869A (ja) 1992-03-04 1992-03-04 油脂組成物

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ID=13800241

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JP (1) JPH05244869A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999062350A1 (en) * 1998-06-03 1999-12-09 Societe Des Produits Nestle S.A. Reduction of chocolate bloom
WO2000065933A1 (en) * 1999-04-30 2000-11-09 The Procter & Gamble Company Food preparation compositions
JP2005534316A (ja) * 2002-08-02 2005-11-17 プラク・ビオヘム・ベー・ブイ 包み込まれている結晶性乳酸
JPWO2023053785A1 (ja) * 2021-09-29 2023-04-06

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