JPH0928296A - 含水系チョコレート利用食品およびその製造方法、並びにチョコレート利用食品用添加物 - Google Patents

含水系チョコレート利用食品およびその製造方法、並びにチョコレート利用食品用添加物

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JPH0928296A
JPH0928296A JP7182395A JP18239595A JPH0928296A JP H0928296 A JPH0928296 A JP H0928296A JP 7182395 A JP7182395 A JP 7182395A JP 18239595 A JP18239595 A JP 18239595A JP H0928296 A JPH0928296 A JP H0928296A
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chocolate
fatty acid
triglyceride
weight
food
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JP7182395A
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Akitoshi Morishita
昭寿 森下
Yoshinobu Nakajima
義信 中島
Kazuichi Tomonobu
一市 友延
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チョコレート類のもつ豊かな風味と食感をそ
のままチョコレート利用食品に活かすことができ、か
つ、非常に口溶けが良好で、その優れた風味と食感を長
期間維持安定することができ、また、製造時の優れた作
業性をもあわせもつ含水系チョコレート利用食品の提
供。 【構成】 下記(i) に示すTUT型及び/又はTUX型
トリグリセリドを含水系チョコレート利用食品に1〜60
重量%配合する。 (i) 1,3 −位の構成脂肪酸残基のうち少なくとも1つが
炭素数8〜12の飽和脂肪酸(T)からなり、それ以外の
1,3−位の構成脂肪酸残基が炭素数14〜22の飽和脂肪酸
(X)からなり、かつ、2−位の構成脂肪酸残基が炭素
数18の不飽和脂肪酸(U)からなるトリグリセリド(T
UT型+TUX型トリグリセリド)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含水系チョコレート
利用食品に関する。更に詳しくは、製菓、製パン等の食
品分野において広く利用されているチョコレート類を原
料として使用したホイップクリーム類、フィリング類、
バタークリーム類、ガナッシュ類などと呼ばれる含水系
のチョコレート利用食品に関するものである。本発明の
特定の油脂組成と製造方法により得られる含水系チョコ
レート利用食品は、チョコレート類のもつ豊かな風味と
食感をそのままチョコレート利用食品に活かすことがで
き、かつ、非常に口溶けが良好で、その優れた風味と食
感を長期間維持安定することができ、また、製造時の優
れた作業性をもあわせもつものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】チョ
コレート類を原料として使用したホイップクリーム類、
フィリング類、スプレッド類、フラワーペースト類、バ
タークリーム類、ガナッシュ類などと呼ばれるチョコレ
ート利用食品は、製菓、製パン等の食品分野で広く利用
されている。このチョコレート利用食品に使用されるチ
ョコレート類は、カカオ豆を焙煎、ペースト化したカカ
オマスに糖、乳製品等を混合し、精錬行程を経て製造さ
れるが、このカカオマスは約50〜60重量%のカカオ脂と
呼ばれる油脂分を含んでいる。そのため、チョコレート
類には少なくとも少量のカカオ脂は含まれており、チョ
コレート類を用いたチョコレート利用食品にも通常、当
然ながらカカオ脂が含まれている。また、このカカオマ
スはチョコレート類の最も良好な風味を持つ根本の原料
であり、カカオマスを原料としたチョコレート利用食品
(チョコレート類を通じてカカオマスを用いたチョコレ
ート利用食品も当然ながら含む。)は、他のチョコレー
ト風味原料であるカカオパウダーあるいはチョコレート
フレーバーなどを用いたチョコレート利用食品よりも良
好なチョコレート風味を有するものである。カカオマス
を用いないホワイトチョコレート類も、カカオマスから
圧搾して採られた良好なカカオの風味を有するカカオ脂
を原料として用いている。そのため、良好なカカオ風
味、チョコレート風味を有するチョコレート利用食品を
製造するためには、どうしてもカカオ脂が含まれるもの
である。しかしながら、良好なチョコレート風味を出す
ためにカカオマスあるいはカカオ脂の含量を多くして、
チョコレート利用食品中のカカオ脂含量を多くすると、
チョコレート利用食品を作るときの作業性が悪化した
り、組織が荒くなり口当たりがざらついたり、経時的に
油脂の分離や乳化が不安定となり品質が劣化したりしや
すい。これは、カカオ脂が、テンパリング型と呼ばれる
ハードバターであることに由来している。即ちカカオ脂
は、1,3 −ジパルミトイル−2−オレオイルグリセリン
(POP)、1−パルミトイル−2−オレオイル−3−
ステアロイルグリセリン(POS)、1,3 −ステアロイ
ル−2−オレオイルグリセリン(SOS)などの1,3 −
ジ飽和−2−不飽和トリグリセリド(SUS)を主成分
としているが、このようなSUSを主成分とするテンパ
リング型のハードバターと呼ばれる油脂は、チョコレー
ト利用食品を製造する時に、その特有の油脂結晶の性状
から上記の諸問題を生じさせる。現状のチョコレート利
用食品は、カカオマスあるいはカカオ脂を少量入れる
か、または、カカオパウダーやチョコレートフレーバー
を用いてチョコレート風味を付与するか、あるいは、そ
れらを併用させることが行われており、良好なチョコレ
ート風味を強く発現させるために十分な量のカカオマ
ス、カカオ脂をチョコレート利用食品に使用する方法
は、今のところ見出されてはいない。
【0003】一方、チョコレート利用食品のひとつにチ
ョコレート類と乳製品を混ぜたガナッシュ類と呼ばれる
ものがある。ガナッシュ類は、通常、乳化状態が非常に
不安定であり、作業性や品質の安定化が難しいため、様
々な製造方法が提案されている。例えば、一定割合の油
脂、チョコレート、その他の乳化剤類を高圧滅菌処理す
る方法(特開昭59−28447 号公報)、特定の乳化剤また
は安定剤を用いる方法(特開昭62−22551 号公報、特開
平5−284911号公報、特開昭62−248454号公報、特開平
4−248954号公報、特開昭63−222652号公報)、特定の
殺菌方法で菌体由来の品質劣化を防止する方法(特開平
3−76535 号公報)、特定の製造法にて作業性を改善す
る方法(特開平5−111350号公報)などがある。これら
には、ガナッシュの作業性や安定性を向上させるために
様々な手段が講じられているが、極力カカオマスあるい
はカカオ脂の使用量を少なくするために他のテンパリン
グ型以外の油脂やココアパウダー等のカカオ脂を少量し
か含まないチョコレート成分を多用している。そのた
め、上記ガナッシュの問題点は解決するが、その条件と
してカカオマスあるいはカカオ脂の配合量が限定されて
おり、多量に配合させることはできない。これらの方法
は、その全てがカカオマスあるいはカカオ脂を多量に混
合すると、当然ながら風味は良好になっていくが、その
安定性が急激に低下して、上記の作業性や品質劣化等の
諸問題が発現するようになる。カカオマスあるいはカカ
オ脂またはカカオ代用脂等のテンパリング型の油脂をガ
ナッシュ類等のチョコレート利用食品に配合すると、カ
カオ脂やカカオ代用脂等のもつボディ感とシャープな口
溶けが得られるようになる。この特性は、カカオ脂やカ
カオ代用脂等のテンパリング型ハードバター特有の良好
な風味食感の特性であるが、上記の様な諸問題から、こ
のようなボディ感とシャープな口溶けが得られ、かつ、
良好な作業性と品質の安定したチョコレート利用食品
は、現在のところ得られていない。ハンドメイドで製造
され高級洋菓子店で販売されている風味は良好であるが
日持ちのしないガナッシュ、あるいは上記テンパリング
型以外の油脂を用いて作業性や品質の安定性のみを確保
したガナッシュ類等しかなく、その両立は現状の技術で
は不可能に近い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み鋭意検討した結果、特定のトリグリセリド
組成を持つ油脂を配合してなるチョコレート利用食品
は、カカオマスあるいはカカオ脂あるいはカカオ代用脂
を任意で配合できるために良好なチョコレート風味を有
する上に、作業性や品質の安定化が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。また、本発明のチョコ
レート利用食品は、カカオマスあるいはカカオ脂あるい
はテンパリング型カカオ代用脂を用いたことによるシャ
ープな口溶け感を更に向上させることを見出し、本発明
を完成するに至った。即ち、本発明は、下記(i) に示す
TUT型及び/又はTUX型トリグリセリドを1〜60重
量%含有することを特徴とする含水系チョコレート利用
食品である。 (i) 1,3 −位の構成脂肪酸残基のうち少なくとも1つが
炭素数8〜12の飽和脂肪酸(T)からなり、それ以外の
1,3−位の構成脂肪酸残基が炭素数14〜22の飽和脂肪酸
(X)からなり、かつ、2−位の構成脂肪酸残基が炭素
数18の不飽和脂肪酸(U)からなるトリグリセリド(T
UT型+TUX型トリグリセリド)
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、(i) に示すTUT型及び/又は
TUX型トリグリセリド中の飽和脂肪酸残基(T)は、
炭素数8〜12であれば良いが、その中でも炭素数12のラ
ウリン酸(L)が好ましい。また、飽和脂肪酸残基
(X)は炭素数14〜22のものであり、その中でも炭素数
16のパルミチン酸、炭素数18のステアリン酸が好まし
い。上記(i) に示すTUT型及び/又はTUX型トリグ
リセリドの含量はチョコレート利用食品中1〜60重量%
が好ましい。上記トリグリセリドの含量が1重量%未満
であると本発明の効果が十分に得られないことがあり、
60重量%を越えると油脂分が多すぎてもはやチョコレー
ト利用食品としての利用価値を失う場合がある。また、
チョコレート利用食品として適度な保存性と保型性を保
つためには、(i) に示すTUT型及び/又はTUX型ト
リグリセリドが20重量%以下であることが好ましいが、
保存温度が冷蔵(5℃付近)または冷凍(−20℃付近)
温度である場合は、20重量%を越えるほうが好ましい場
合がある。また、本発明の含水系チョコレート利用食品
における水分の含有量は、一般に5〜70重量%程度であ
り、好ましくは10〜60重量%である。
【0006】また、カカオマスあるいはカカオ脂または
TUT型+TUX型トリグリセリドを含有するカカオ代
用脂由来の 1,3−ジ飽和−2−不飽和トリグリセリド
(SUS)の含量は5〜60重量%であることが好まし
く、さらに10〜50重量%であることが好ましい。SUS
が5重量%未満であると本発明の効果が十分に得られ
ず、60重量%を越えると油脂分が多すぎてもはやチョコ
レート利用食品としての利用価値を失ってしまう。これ
を達成するためには、カカオマス、チョコレート、カカ
オ脂、カカオ代用脂のうち一つ以上の原料を4〜80重量
%含有することが好ましい。また、本発明においては、
上記チョコレート利用食品が、通常のチョコレートクリ
ームを製造するときに用いられる超高温瞬間加熱滅菌処
理および均質化処理されることも好ましい態様である。
通常、起泡性O/Wクリーム等の製造法に使用されてい
る超高温加熱滅菌(UHT滅菌)処理を施す方法を本発
明に利用することができる。この場合、上記(i) に示す
トリグリセリドを1〜60重量%含有していれば、UHT
滅菌処理工程時の他の成分組成や冷却条件等の諸条件に
なんら拘束されることなく製造が可能であり、本発明の
効果が得られるものである。即ち、前記テンパータイプ
の油脂を任意で混合しても、転移粗大化による品質劣化
を起こさず、かつ、製造時のボテ等の作業性が問題な
く、起泡性も良好で口溶けもよいものが得られるのであ
る。
【0007】また、ガナッシュ類において、上記(i) の
トリグリセリドがチョコレート類を通じて配合されよう
と、チョコレート類以外の原料から配合されようとなん
ら問題ない。特に、上記(i) に示すトリグリセリドを1
重量%以上含有するチョコレート及びカカオ代用脂のう
ち一つ以上の原料5〜80重量%と、起泡性クリーム20〜
95重量%を5〜50℃の温度域で混合させるガナッシュ類
の製造方法、あるいは、カカオマス、チョコレート、カ
カオ脂及びカカオ代用脂のうち一つ以上の原料4〜80重
量%と、上記(i) に示すトリグリセリドを1重量%以上
含有する起泡性クリーム20〜96重量%を5〜50℃の温度
域で混合させるガナッシュ類の製造方法は、好ましい方
法である。
【0008】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して本発明の
効果をより一層明確にするが、本発明は以下の例示のみ
に限定されるものではない。尚、例中の部および%は全
て重量基準である。 トリグリセリドの調製例1(トリグリセリド試料) パーム油中融点部60部とラウリン酸(ラウリン酸純度98
%)40部を混合し、トリグリセリドの 1,3−位に選択的
なリパーゼを用いてエステル交換し反応生成物を脱酸し
てエステル交換油を得た。このエステル交換油の低融点
部をアセトン分別にて除去し、更に高融点部をヘキサン
分別にて除去し、POL(1−パルミト−2−オレオ−
3−ラウリン)およびLOLを主成分とする中融点部を
45部得た。 トリグリセリドの調製例2(トリグリセリド試料) ハイオレイックサフラワー油25部とステアリン酸(ステ
アリン酸純度92%)45部とラウリン酸(ラウリン酸純度
98%)35部を混合し、トリグリセリドの 1,3−位に選択
的なリパーゼを用いてエステル交換し、反応生成物を脱
酸してエステル交換油を得た。このエステル交換油の低
融点部をヘキサン分別にて除去し、StOL(1−ステ
アロ−2−オレオ−3−ラウリン)およびLOLを主成
分とする中融点部を11部得た。 トリグリセリドの調製例3(トリグリセリド試料) パーム油中融点部50部とステアリン酸(ステアリン酸純
度92%)50部を混合し、トリグリセリドの 1,3−位に選
択的なリパーゼを用いてエステル交換し反応生成物を脱
酸してエステル交換油を得た。このエステル交換油の低
融点部をアセトン分別にて除去し、更に高融点部をヘキ
サン分別にて除去し、POS(1−パルミト−2−オレ
オ−3−ステアリン)を主成分とする中融点部を45部得
た。以上のトリグリセリド試料を使用して各種のチョコ
レート利用食品を下記の方法にて作成した。
【0009】実施例1 カカオマス40部、砂糖45部、トリグリセリド試料15
部、レシチン 0.4部の配合のチョコレートを常法にて作
製した。この配合のチョコレート 100部を40℃にて融解
し、比重 0.6にホイップした10℃の生クリーム150 部と
混合してガナッシュを作製した。 比較例1 実施例1に用いたチョコレート中のトリグリセリド試料
をカカオ脂にする以外は全て同じ方法にてガナッシュ
を作製した。 実施例2 カカオマス20部、全脂粉乳15部、砂糖40部、トリグリセ
リド試料10部、トリグリセリド試料を15部、レシチ
ン 0.4部の配合のチョコレートを常法にて作製した。一
度沸騰させた生クリーム 100部中にこのチョコレート10
0 部を混合し、冷却しながら比重 0.7までホイップし
て、ガナッシュを作製した。 比較例2 実施例2に用いたチョコレート中のトリグリセリド試料
をカカオ脂にする以外は全て同じ方法にてガナッシュ
を作製した。 実施例3 カカオマス15部、トリグリセリド試料10部、生クリー
ム(乳脂肪分40%)75部をホモミキサーで70℃、10分間
予備乳化後、通常の 100kg/cm2 の条件で均一化した
後、 148℃、2秒程度の超高温加熱殺菌(UHT)を行
い再度 100kg/cm2 の条件で均質後冷却、5℃で24時間
以上エージングすることにより起泡性クリームを作製し
た。この起泡性クリーム100 部にグラニュー糖10部を加
え、ホイップして比重0.5 のチョコレートホイップクリ
ームを作製した。 比較例3 実施例3において、トリグリセリド試料に代えてパー
ムオレイン(IV=60)を用いる以外は全て同じ方法にて
起泡性クリームを作製した。この起泡性クリーム100 部
にグラニュー糖10部を加え、ホイップして比重0.5 のチ
ョコレートホイップクリームを作製した。 実施例4 カカオマス10部、パーム中融点部(IV=33)25部、トリ
グリセリド試料10部、レシチン 0.3部、オレイン酸モ
ノグリセリド0.05部、水 48.45部、脱脂粉乳6部、リン
酸塩 0.1部、ショ糖脂肪酸エステル(HLB16) 0.1部
を実施例3と同様に均質化殺菌処理を行い、起泡性クリ
ームを作製した。この起泡性クリーム100 部にグラニュ
ー糖10部を加え、ホイップして比重0.5 のチョコレート
ホイップクリームを作製した。 比較例4 ココアパウダー5部、ヤシ硬化油40部、レシチン 0.3
部、オレイン酸モノグリセリド0.05部、水 48.35部、脱
脂粉乳6部、リン酸塩 0.1部、ショ糖脂肪酸エステル
(HLB16) 0.1部、チョコレート香料 0.1部を実施例
4と同様に均質化殺菌処理を行い、起泡性クリームを作
製した。この起泡性クリーム100 部にグラニュー糖10部
を加え、ホイップして比重0.5 のチョコレートホイップ
クリームを作製した。 実施例5 マーガリン 300部、糖液 160部、カカオマス 100部、ト
リグリセリド試料40部を比重 0.5までホイップして、
チョコレート風味のバタークリームを作製した。 比較例5 実施例5において、カカオマスに代えて市販のチョコレ
ートペースト(カカオパウダー分50%、液状油50%)を
用い、トリグリセリド試料に代えてナタネ硬化油を用
いる以外は全て同じ方法にてバタークリームを作製し
た。 実施例6 カカオマス15部、トリグリセリド試料10部、澱粉10
部、砂糖10部、水飴20部、食塩 0.2部、アルギン酸エス
テル 0.1部、デヒドロ酢酸 0.1部、モノグリセリド 0.5
部、水34部を常法にて加熱溶解、混和錬成を行い、チョ
コレートフラワーペーストを作製した。 比較例6 ココア粉8部、大豆硬化油17部、澱粉10部、砂糖10部、
水飴20部、食塩 0.2部、アルギン酸エステル 0.1部、デ
ヒドロ酢酸 0.1部、モノグリセリド 0.5部、水34部を常
法にて加熱溶解、混和錬成を行い、チョコレートフラワ
ーペーストを作製した。以上の作製したチョコレート利
用食品中のトリグリセリド(i) の含量、SUS成分の含
量、カカオマス、チョコレート、カカオ脂、カカオ代用
脂の総含量および水分量を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】* 組成分析方法:作製したチョコレート利
用食品の油脂分を抽出し、油分を算出、また、その油脂
分を高速液体クロマトグラフィー(Lichrospher 100 RP
-18 ;Merck 社製)で分取分析後、各フラクションを
(Chromspher Lipids: Chrompak 社製)で構成脂肪酸残
基の結合位置を、さらにガスクロマトグラフィー(デラ
ボンドDB−1:Jand W社製)で構成脂肪酸残基の炭
素数を確認した。その数値を基に各含量を算出した。
【0012】以上のようにして作製したチョコレート利
用食品を5℃に3日間保存した後、20人のパネラーによ
る風味、食感・口溶けを評価した。また、作製時と3日
後の品質安定性を官能評価で評価し、かつ、作業性は作
製時の作業人による官能評価で行った。
【0013】
【表2】
【0014】チョコレート風味;◎;非常に良好なチョ
コレート風味を有する。 ○;かなり良好なチョコレート風味を有する。 △;やや良好なチョコレート風味を有する。 −;良好なチョコレート風味を有さない。 ×;全く良好なチョコレート風味を有さない。 食感、口溶け ;◎;非常に良好な食感、口溶けを有
する。 ○;かなり良好な食感、口溶けを有する。 △;やや良好な食感、口溶けを有する。 −;良好な食感、口溶けを有さない。 ×;全く良好な食感、口溶けを有さない。 品質安定性; ○;品質安定性に問題なし。 ×;品質安定性に問題あり。 作業性 ; ○;作業性良好 ×;作業性不良 実施例1〜3および比較例1〜3の比較から、カカオマ
ス等のカカオ脂含有原料と本請求範囲記載の特定のトリ
グリセリド組成をもつ油脂を配合してなるガナッシュ
は、非常に良好なチョコレート風味を有しながら、食感
・口溶けも良好で、かつ、品質安定性および作業性も問
題ないことが認められる。また、実施例4〜6および比
較例4〜6の比較から、SUS成分の含量が少ない比較
例4〜6に比べてカカオマスおよび本請求範囲記載の特
定のグリセリド組成をもつ油脂を配合してなる実施例4
〜6は従来得られなかった良好なチョコレート風味およ
び食感・風味を有しながら品質安定性および作業性も問
題のないことが認められる。
【0015】
【発明の効果】本発明の含水系チョコレート利用食品
は、カカオの本来もつ極めて良好な風味、食感、口溶け
を発現しながら品質安定性も問題なく、製造時の作業性
も良好であり、製菓、製パンをはじめ、含水系チョコレ
ート利用食品に新たな特長をもたらすものである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(i) に示すTUT型及び/又はTU
    X型トリグリセリドを1〜60重量%含有することを特徴
    とする含水系チョコレート利用食品。 (i) 1,3 −位の構成脂肪酸残基のうち少なくとも1つが
    炭素数8〜12の飽和脂肪酸(T)からなり、それ以外の
    1,3−位の構成脂肪酸残基が炭素数14〜22の飽和脂肪酸
    (X)からなり、かつ、2−位の構成脂肪酸残基が炭素
    数18の不飽和脂肪酸(U)からなるトリグリセリド(T
    UT型+TUX型トリグリセリド)
  2. 【請求項2】 トリグリセリド成分(i) の飽和脂肪酸
    (T)が炭素数12のラウリン酸である請求項1記載のチ
    ョコレート利用食品。
  3. 【請求項3】 (i) に示すトリグリセリドの含量が1〜
    20重量%である請求項1又は2記載のチョコレート利用
    食品。
  4. 【請求項4】 1,3 −ジ飽和−2−不飽和型トリグリセ
    リド(SUS)の含量が5〜60重量%である請求項1〜
    3の何れか1項記載のチョコレート利用食品。
  5. 【請求項5】 カカオマス、チョコレート、カカオ脂及
    びカカオ代用脂のうち一つ以上の原料を4〜80重量%含
    有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載
    のチョコレート利用食品。
  6. 【請求項6】 チョコレート利用食品が超高温瞬間加熱
    滅菌処理および均質化処理されたものであることを特徴
    とする請求項1〜5の何れか1項記載のチョコレート利
    用食品。
  7. 【請求項7】 チョコレート利用食品がガナッシュ類で
    ある請求項1〜6の何れか1項記載のチョコレート利用
    食品。
  8. 【請求項8】 上記(i) に示すトリグリセリドを1重量
    %以上含有するチョコレート及びカカオ代用脂のうち一
    つ以上の原料5〜80重量%と、起泡性クリーム20〜95重
    量%を5〜50℃の温度域で混合させることを特徴とする
    ガナッシュ類の製造方法。
  9. 【請求項9】 カカオマス、チョコレート、カカオ脂及
    びカカオ代用脂のうち一つ以上の原料4〜80重量%と、
    上記(i) に示すトリグリセリドを1重量%以上含有する
    起泡性クリーム20〜96重量%を5〜50℃の温度域で混合
    させることを特徴とするガナッシュ類の製造方法。
  10. 【請求項10】 下記(ii)に示すLUL型及び/又はL
    UX型トリグリセリドからなるチョコレート利用食品用
    添加物。 (ii)1,3 −位の構成脂肪酸残基のうち少なくとも1つが
    炭素数14〜22の飽和脂肪酸(X)からなり、それ以外の
    1,3−位の構成脂肪酸残基が炭素数12の飽和脂肪酸(ラ
    ウリン酸:L)からなり、かつ、2−位の構成脂肪酸残
    基が炭素数18の不飽和脂肪酸(U)からなるトリグリセ
    リド(LUL+LUX型トリグリセリド)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000116331A (ja) * 1998-10-15 2000-04-25 Asahi Denka Kogyo Kk 含気チョコレート類及びその製造方法
JP2000189056A (ja) * 1998-12-22 2000-07-11 Asahi Denka Kogyo Kk 含水チョコレート類用油脂組成物
JPWO2002080692A1 (ja) * 2001-03-30 2004-07-22 不二製油株式会社 含水チョコレート類の製造法
JPWO2006003981A1 (ja) * 2004-06-30 2008-04-17 不二製油株式会社 水中油型乳化物およびこれを用いた食品の製造方法

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