JP2720747B2 - 含水チョコレートの製造法 - Google Patents
含水チョコレートの製造法Info
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造法に関し、特に水分を添加しても固形分の凝集による
ザラツキや粘度上昇がなく、作業性が良好で、かつ風味
の良好な含水チョコレートを製造する方法に関する。
含量が少ないものから多いものまで様々なチョコレート
が存在するが、風味の点では水分含量の多い方が良好で
ある。ところが水分が多くなるとコーティングやモール
ディングなどの成型工程において固化し難いという欠点
があるため、コーティングやモールディングなどの成型
作業が通常のチョコレートと変わらずにできるといった
高含水チョコレートが望まれている。
生地とクリーム類とを混合して製造される、いわゆるガ
ナッシュがあるが、これは水中油型の乳化系になってお
り、冷却してもべとつく、型離れが悪く成型できない、
コーティングに使用した場合にも乾きが遅いなどの欠点
を有する。
添加するのではなく、油中水型のエマルジョンとして添
加する方法(特開昭60-27339号公開公報)もあるが、油
中水型エマルジョン調製のために一工程増えるので、生
産上好ましくなかった。
添加する方法(特開平3-53847 号公開公報)があるが、
この含水チョコレートは、水分含量が少ないものであ
り、機械耐性も弱く、特にスィート系のチョコレートで
はシュガーブルームの発生頻度が高かった。
ーム、洋酒、果汁、フルーツ類などの含水食品を、何ら
加工することなく、そのまま添加することができ、これ
らの含水食品のもつ風味が十分に付与されていて、且つ
口溶け、食感が極めて良好であり、機械耐性が強く、乳
化状態が油中水型に安定しており、このため成型可能
で、コーティングにも使用できる含水チョコレートを容
易に製造する方法を提供するものである。
コレートを製造する際に、乳化剤として低HLBの蔗糖
脂肪酸エステルを使用することによって乳化が安定する
ことを見出したが、さらに品質の良いものを得るため鋭
意研究した結果、特定の糖類、すなわち、水に対する溶
解性が砂糖よりも高い糖類をチョコレートベースに使用
することによって、さらに品質の安定した含水チョコレ
ートを得ることができるという知見を得て本発明を完成
するに至った。
りも高い糖類、HLB値が3以下で主要な結合脂肪酸の
炭素原子数が20〜26の蔗糖脂肪酸エステル及び油脂類を
含有するチョコレートベースと、水性成分とを混合し、
油中水型に乳化することを特徴とする含水チョコレート
の製造法、である。
は、油脂類、カカオマスやココアパウダーなどの固形
分、糖類、乳化剤などを混合し、常法どおりロール掛
け、コンチング処理して得たチョコレート生地を意味す
る。
同様に、カカオ脂、カカオ代用脂、その他の植物性油
脂、乳脂などを単独で、あるいは混合して使用する。
りも高いもの、すなわち、果糖、還元乳糖、無水結晶マ
ルトースや非結晶性糖である直鎖オリゴ糖、イソマルト
オリゴ糖、フラクトオリゴ糖などのオリゴ糖、澱粉加水
分解物、還元澱粉加水分解物などを使用することが必要
である。これらの糖類は、単独で用いてもよいし、二種
以上を併用してもよい。また、上記以外でチョコレート
類に一般に使用される糖類、例えば砂糖、麦芽糖、ぶど
う糖、乳糖、マルチトール、ソルビトール、エリスリト
ールなどを併用してもかまわない。糖類は、製品全量に
対し、20〜60重量%使用するのが適当である。これらの
糖類は水分に溶解し易いため、これまでにない安定な油
中水型エマルジョンを作る効果がある。
な結合脂肪酸の炭素原子数が20〜26の蔗糖脂肪酸エステ
ルを使用することが必要である。特に炭素原子数22個の
不飽和脂肪酸であるエルカ酸の蔗糖脂肪酸エステルを使
用するのが有効である。また、上記以外の乳化剤、例え
ばポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、レシチ
ン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、上記以外の蔗糖脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルなどの一種、又は二種以上を
併用してもかまわない。乳化剤は、チョコレートベース
に対する含量が0.1 〜3重量%になるように添加するの
が適当である。
ー等の油脂を使用した含水ホワイトチョコレートやチー
ズパウダー、ナッツペースト等を組み合わせた含水チー
ズチョコレート、含水ナッツペーストチョコレートなど
も製造することができる。
ルーツ類、各種フルーツ類をペーストにしたもの、洋
酒、天然のクリーム類あるいは牛乳等の他に、従来より
種々開発されてきた動植物性油脂等を使用したクリーム
類、濃縮乳、チーズ類、ナッツ類、天然蜂蜜、コーヒ
ー、紅茶、液糖、黒糖類などが例示でき、これらの一種
または二種以上を使用することができる。これらの含水
食品を水分含量として製品全体の70重量%以下になるよ
うに混合する。水分含量が70重量%を越えると、乳化状
態が不安定になりやすい。
コレートベース原料を常法どおりロール掛け、コンチン
グ処理して得たチョコレートベースを加温溶解し、これ
に加温した水性成分を加え均一に攪拌する。水性成分を
何ら加工処理することなく、そのまま添加することがで
きるのも本発明の特徴のひとつである。
象を生じ、モールディングやコーティングなどの成型が
不可能となり、食感もザラツキが感じられる傾向にある
ので好ましくない。
が混入しているにもかかわらず、固形分の凝集によるザ
ラツキや、粘度上昇がなく、機械耐性も強いため、従来
のチョコレート類の用途にすべて応用できる。例えばモ
ールド成型したり、冷却固化させた後カットしたりすれ
ばそのまま食することができる。また、ケーキ類、ビス
ケット/クッキー類、シュークリームなどの洋菓子類、
アイスクリームなどの冷菓類へのコーティング、同時充
填、スプレー掛けなどに使用することもできる。
するが、これは例示であって本願発明の精神がこれらの
例示によって制限されるものではない。なお、例中、部
および%は何れも重量基準を意味する。
シチン0.4 部、HLB値2の蔗糖脂肪酸エステル(主要
構成脂肪酸がエルカ酸)1.5 部から成る配合にて、常法
に従い油分41.7%のチョコレートベースを調製した。こ
のチョコレートベース35部を45℃に加温溶解したあと、
30℃まで冷却し、テンパリング処理したものに、ストロ
ベリーピューレ65部を加え均一になるように混合して水
分50%の含水チョコレートを製造した。この含水チョコ
レートの乳化型を電気伝導法により調べた結果、油中水
型であった。また、機械耐性も強く、高速で攪拌(プロ
ペラ攪拌700rpm) をおこなっても転相しなかった。これ
をモールドに充填し冷却したところ、型離れがよく、簡
単にモールドから取り出せた。色形、風味は良く、食す
るとたいへん水々しく、口溶けも良かった。
脂17.1部、レシチン0.4 部、HLB値2の蔗糖脂肪酸エ
ステル(主要構成脂肪酸がエルカ酸)1部、HLB値7
の蔗糖脂肪酸エステル(主要構成脂肪酸がステアリン
酸)0.5 部から成る配合にて、常法に従い油分33.1%の
チョコレートベースを調製した。このチョコレートベー
ス70部を45℃に加温溶解したあと、30℃まで冷却し、テ
ンパリング処理したものに、レモン果汁30部を加え均一
になるように混合して水分30%の含水チョコレートを製
造した。この含水チョコレートの乳化型を電気伝導法に
より調べた結果、油中水型であった。また、機械耐性も
強く、高速で攪拌(プロペラ攪拌700rpm) をおこなって
も転相しなかった。これをモールドに充填し冷却したと
ころ、型離れがよく、簡単にモールドから取り出せた。
色形、風味は良く、食するとたいへん水々しく、口溶け
も良かった。
HLB値2の蔗糖脂肪酸エステル(主要構成脂肪酸がエ
ルカ酸)1部から成る配合にて、常法に従い油分36.7%
のチョコレートベースを調製した。このチョコレートベ
ース70部を45℃に加温溶解したあと、30℃まで冷却し、
テンパリング処理したものに、約30℃に加温した市販の
生クリーム(油脂分45%)30部を加え均一になるように
混合して水分16.5%の含水チョコレートを製造した。こ
の含水チョコレートの乳化型を電気伝導法により調べた
結果、油中水型であった。また、機械耐性も強く、高速
で攪拌(プロペラ攪拌700rpm) をおこなっても転相しな
かった。これをテンパリング処理後モールドに充填し冷
却したところ、型離れがよく、簡単にモールドから取り
出せた。色形、風味は良く、食するとたいへん水々し
く、口溶けも良かった。さらに、スィート系のチョコレ
ートに発生し易いシュガーブルームも本実施例の含水チ
ョコレートにおいては見られなかった。
はすべて同様にして実施した。この含水チョコレートの
乳化型を電気伝導法により調べた結果、水中油型であ
り、モールドで成型することができなかった。
リーム、洋酒、果汁、フルーツ類などの含水食品のもつ
風味が十分に付与されていて、且つ安定な油中水型で通
常のチョコレートと同様に使用でき、口溶け、食感が極
めて良好であり、機械耐性の強いチョコレートを提供す
ることが可能になったのである。
Claims (2)
- 【請求項1】 水に対する溶解性が砂糖よりも高い糖
類、HLB値が3以下で主要な結合脂肪酸の炭素原子数
が20〜26の蔗糖脂肪酸エステル及び油脂類を含有するチ
ョコレートベースと、水性成分とを混合し、油中水型に
乳化することを特徴とする含水チョコレートの製造法。 - 【請求項2】 糖類が、果糖、還元乳糖、無水結晶マル
トース、直鎖オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクト
オリゴ糖、澱粉加水分解物、還元澱粉加水分解物から選
ばれる一種、又は二種以上である、請求項1記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5035087A JP2720747B2 (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | 含水チョコレートの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5035087A JP2720747B2 (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | 含水チョコレートの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06245704A JPH06245704A (ja) | 1994-09-06 |
JP2720747B2 true JP2720747B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=12432186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5035087A Expired - Fee Related JP2720747B2 (ja) | 1993-02-24 | 1993-02-24 | 含水チョコレートの製造法 |
Country Status (1)
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JP4331013B2 (ja) * | 2004-02-12 | 2009-09-16 | 森永製菓株式会社 | チョコレート含有菓子の製造方法及びチョコレート含有菓子 |
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JP2012105567A (ja) * | 2010-11-16 | 2012-06-07 | Meiji Co Ltd | 滑らかで優れた口中感を有する油性菓子 |
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-
1993
- 1993-02-24 JP JP5035087A patent/JP2720747B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06245704A (ja) | 1994-09-06 |
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