JP2000138512A

JP2000138512A - 平面アンテナを備えた液晶表示装置

Info

Publication number: JP2000138512A
Application number: JP11269323A
Authority: JP
Inventors: Tatsuya Uetake; 達哉上竹
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1998-09-23
Filing date: 1999-09-22
Publication date: 2000-05-16

Abstract

(57)【要約】【課題】平面アンテナを液晶パネルの表示面に一体に
形成する。【解決手段】平面アンテナを備えた液晶表示装置１３
０は、カラーＴＦＴ（thin film transistor）液晶ディ
スプレイに、マイクロ・ストリップ構造の平面アンテナ
を一体に設けたものである。具体的には、ブラックマト
リクス１３２の導体配線をアンテナ素子とし、バックラ
イトの背面の金属反射板を高周波グランドとして利用す
る。ブラックマトリクス１３２の遮光面を形成する導体
配線は、平面アンテナの輪郭線に沿って配設された平面
アンテナの共振周波数の信号を遮断する高周波絶縁部に
よって、平面アンテナと外周部とに分離される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
するものであり、さらに詳細には、液晶パネルに一体に
形成された平面アンテナを備えた液晶表示装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】無線通信装置は、既に確立された通信技
術および新しい通信技術のいずれでもその使用範囲を拡
大しており、小型化の傾向をたどっている。無線通信装
置の例としては、ページャー（携帯用小型無線機呼び出
し機）、電話機、テレビ、ＧＰＳ（groval positioning
system ) 等の衛星受信機、無線ＬＡＮ(local area ne
twork ）等がある。

【０００３】そして、無線通信装置の精度を左右する主
な要素の一つに、無線機のアンテナがあげられる。しか
しながら、このアンテナは、同時に、その大きさのため
に、無線通信装置の小型化を妨げる要因となっている。
なかでも、ホイップアンテナは、比較的大きく、ユーザ
が手にする送信機からの全方向性放射が、人体に悪影響
を及ぼすという問題が近年浮上してきている。さらに、
このホイップアンテナは、シャシから突出するように設
けられているため、壊れやすい。

【０００４】無線通信装置のアンテナには、内蔵型のも
のと、外付け型のものとがある。また、当然考えられる
選択肢の１つとして、いわゆるパッチ型のアンテナを用
いることができる。パッチアンテナは、その名前が示す
ように、薄膜状に形成され、既存の構成の上に積層でき
るように設計されている。

【０００５】図２４は、従来のパネルアンテナ２１０の
平面構造を示している。パネルアンテナ２１０は、導電
性のアンテナ接地面２１４に囲まれるように形成された
導電性の放射素子２１２を含んでいる。パネルアンテナ
２１０は、例えば、絶縁膜上に形成された銅薄膜からな
るコンダクタを含むＰＣ（Printed Circuit ）ボード上
に形成される。放射素子２１２は、アンテナ接地面２１
４と電気的に絶縁するようにパターニングされる。放射
素子（コンダクタ）２１２およびアンテナ接地面（コン
ダクタ）２１４は、これらの下面に積層された上記絶縁
膜の一部分２１６（図中、ハッチングで示す）が露出さ
れるまで上記銅薄膜をエッチングすることによって、互
いに、電気的に絶縁するように形成されている。

【０００６】図２５は、図２４に示す従来のパネルアン
テナ２１０の部分断面図である。絶縁層２１８上に形成
された導電性の放射素子２１２およびアンテナ接地面２
１４は、図中、実細線のハッチングで示されている。図
２５に示すような同一平面上に形成された放射素子２１
２およびアンテナ接地面２１４を備えたパネルアンテナ
２１０は、放射素子２１２を挟んだアンテナ接地面２１
４間の離間距離（ｂ），放射素子（コンダクタ）２１２
の幅（ａ），絶縁層２１８の誘電率（ε_r），アンテナ
接地面２１４の厚さ（ｔ），絶縁層２１８の厚さ
（ｈ），所望の共振周波数の有効波長等の要素間の公知
の関係を考慮して設計される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなパッチアンテナを、制限された大きさに設計した
場合、十分なゲインが得られない、または、指向性の制
御が困難であるといった不都合が生じやすい。

【０００８】そして、十分なゲインが得られないと、関
連無線機の電気的機能が損なわれ、情報の伝達が確実に
行えないという問題をもたらす。また、たとえアンテナ
をシャシに外付けできたとしても、シャシ自体が小型化
される傾向にあるため、適切な通信サービスが提供でき
るように、アンテナを取り付けることは難しい。

【０００９】特に、セル式（通話ゾーン式) 電話におい
ては、アンテナの設計が難しい。一般に、セル式電話本
体の表面積の半分は、キーパッド等のユーザが操作する
スイッチおよび電気表示面等に使われる。通常、キーパ
ッドと液晶表示ディスプレイとは、電話の同一面上に形
成され、ユーザが、キー操作を確認しながら行えるよう
に設計されている。このため、電話のユーザインタフェ
ース側にアンテナを設けることは難しい。ユーザのより
広い表示面およびより高い機能に対する要求は、従来の
パッチアンテナの設置面積をより限定する要因となって
いる。

【００１０】また、たとえ、アンテナを電話の表示面が
形成されている面とは反対側の面に形成できたとして
も、アンテナの方向に、半球状またはそら豆状（kidney
shaped)の通信サービスを提供できるにすぎない。指向
性の高い（偏った）アンテナゲインを有する無線機は、
しばしば、電話のユーザが移動中に、基地局または通信
先の無線機と通信ができない状態になってしまうことが
ある。少なくとも、移動中の通信可能状態を維持するた
めには、通信先の基地局を、頻繁にかえる必要があり、
指向性の高いアンテナゲインを有する無線機を使って通
信することは難しい。さらに、基地局の選択を可能にす
るために、ユーザの通信とは直接関係のない大量の機器
制御情報の通信が必要となる。

【００１１】また、システム内に、複数の指向性アンテ
ナを使用し、結合型全方向性通信圏を形成する構成とす
ることも考えられるが、この場合、以下のような問題が
生じる。つまり、当然のことながら、２つのアンテナを
１つの無線機に搭載することは、１つのアンテナを搭載
するよりも難しく、上述したセル式電話のように、本体
の表面積の大部分が、キーパッドと液晶表示面とで占め
られている構成においては、なおさらである。

【００１２】無線通信装置は、多くの場合、異なる周波
数で同時に動作する受信部と送信部とをそれぞれ１つず
つ備えているが、無線通信装置のなかには、複数の受信
部および送信部を備えたものもある。この場合、上述し
たように、１つの無線通信装置に複数のアンテナを搭載
することは難しい。したがって、１つのアンテナを、そ
れを搭載する多種にわたるすべての送信部および受信部
と接続することができ、かつ、あらゆる周波数域で動作
するように設計する必要がある。１つのアンテナを、複
数の無線通信装置と接続するためには、アンテナ共用器
または時分割多重アンテナスイッチが必要である。しか
し、これらの回路を用いた場合、アンテナの性能を低下
させるだけでなく、無線通信装置の製造にかなりのコス
トを要する上に、シャシ内の限られた貴重なスペースを
占領するという問題が生じる。

【００１３】なお、小型の無線通信装置の電気表示部を
覆うように搭載されているアンテナもある。Woo et al.
の米国特許（USP. No.5,627,548 ）は、液晶表示装置上
に透明な酸化インジウム錫からなる導電膜で形成された
パッチアンテナを開示している。しかしながら、このパ
ッチアンテナに使用されている酸化インジウム錫からな
る導電膜の導電性は低く、したがって、この導電性金属
を用いた場合のアンテナゲインは低い。また、アンテナ
搭載用のスペースが広くとれない限り、上記のパッチア
ンテを他の電気回路の近くに搭載することは難しい。

【００１４】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、液晶パネルの表示面に一
体に形成することができる平面アンテナを備えた液晶表
示装置を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明の平面アンテナを
備えた液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、
液晶パネルの非透光領域を遮光する導体配線を有し、か
つ、該導体配線を放射素子とする平面アンテナを遮光面
内に含むブラックマトリクスを具備していることを特徴
としている。

【００１６】上記の構成により、液晶パネルのブラック
マトリクスを導体配線で形成して、平面アンテナの放射
素子を形成する。なお、この平面アンテナは、マイクロ
・ストリップ構造および共平面構造の何れにも適用でき
る。

【００１７】ここで、上記平面アンテナを備えた液晶表
示装置では、通常液晶パネルが備えているブラックマト
リクスが平面アンテナを含むため、基本構造が従来の液
晶パネルと同一である。つまり、平面アンテナのために
特別な部材を追加する必要がなく、同じサイズで平面ア
ンテナを組み込むことができる。また、液晶パネルの特
性を損なわずに平面アンテナを組み込むことができる。

【００１８】そして、液晶パネルの表示面積が大きくな
る程、平面アンテナを柔軟に配置できるようになる。す
なわち、平面アンテナ１個の開口面積を大きくしたり、
複数個形成してデュアルバンドタイプや、アレイアンテ
ナを構成したりすることが可能になる。

【００１９】以上より、液晶パネルの表示面に一体に形
成した平面アンテナを備えた液晶表示装置を提供するこ
とができる。しかも、アンテナを大面積で設けることが
できるため、十分な利得が確保でき、指向性の制御が容
易である。

【００２０】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記ブラ
ックマトリクスは、上記平面アンテナの輪郭線に沿っ
て、該平面アンテナが通信に用いる周波数帯域を少なく
とも遮断する高周波絶縁部を有することを特徴としてい
る。

【００２１】上記の構成により、さらに、ブラックマト
リクスの遮光面内で、平面アンテナを周囲の導体配線と
高周波絶縁部によって分離することができる。よって、
共振周波数で決まる平面アンテナの形状を、高周波絶縁
部を形成することで確定して、自由に配置することがで
きる。なお、上記の「高周波」とは、液晶パネル上に形
成したアンテナを介して行う無線通信が使用する搬送波
の周波数帯域を意味する。

【００２２】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記高周
波絶縁部は、液晶の駆動による低周波の信号を伝導する
ことを特徴としている。

【００２３】上記の構成により、さらに、上記高周波絶
縁部は、共振周波数の信号を遮断して平面アンテナから
周囲へ伝導させないが、液晶の駆動による低周波の信号
は外部から平面アンテナの放射素子へ伝導する。なお、
上記の「低周波」とは、液晶パネルが画像の表示を行う
ため内部の液晶駆動電極を動作させる信号の最大周波数
を意味する。

【００２４】よって、液晶電極のグランドとして利用さ
れているブラックマトリクスの本来の機能は失われな
い。

【００２５】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記高周
波絶縁部は、上記導体配線の一部が切断されていること
を特徴としている。

【００２６】上記の構成により、さらに、上記高周波絶
縁部が一部の導体配線を切断することによって、高周波
的に平面アンテナのインピーダンスに比べて、周囲の導
電配線とのインピーダンスが十分大きくなる分離回路の
パターンを形成することができる。よって、液晶電極の
グランドとして利用されているブラックマトリクスを、
平面アンテナの高周波グランドとして共用することが可
能となる。

【００２７】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記ブラ
ックマトリクスは、上記の平面アンテナおよび高周波絶
縁部を除く外周部の導体配線が該平面アンテナの高周波
グランドとして接続されていることを特徴としている。

【００２８】上記の構成により、さらに、ブラックマト
リクスに放射素子および高周波グランドが形成されてい
る共平面構造の平面アンテナを実現することができる。
よって、平面アンテナのために特別な部材を追加する必
要がなく、基本構造の液晶パネルと同じサイズで平面ア
ンテナを組み込むことができる。

【００２９】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記液晶
パネルのバックライトの背面に配設されるとともに、上
記平面アンテナの高周波グランドとして接続されている
金属反射板を具備していることを特徴としている。

【００３０】上記の構成により、さらに、ブラックマト
リクスを平面アンテナの放射素子とし、金属反射板を高
周波グランドとするマイクロ・ストリップ構造の平面ア
ンテナを実現することができる。よって、平面アンテナ
のために特別な部材を追加する必要がなく、基本構造の
液晶パネルと同じサイズで平面アンテナを組み込むこと
ができる。

【００３１】さらに、金属反射板が高周波グランドに利
用できるため、放射素子と高周波グランドとの距離を変
更して、インピーダンス整合を行うことができる。ま
た、高周波グランドとの接続が金属反射板との接続であ
るため、構造が簡潔であり、製造が容易である。

【００３２】本発明の平面アンテナを備えた液晶表示装
置は、上記の課題を解決するために、液晶パネルの非透
光領域と一致するように配設された平面アンテナの放射
素子と、該非透光領域を遮光するとともに、該平面アン
テナの高周波グランドとして接続されている導体配線よ
りなるブラックマトリクスとを具備することを特徴とし
ている。

【００３３】上記の構成により、液晶パネルの非透光領
域と一致するように平面アンテナの放射素子とブラック
マトリクスとを形成するとともに、特に、ブラックマト
リクスの導体配線を高周波グランドとして利用する。な
お、この平面アンテナは、マイクロ・ストリップ構造で
ある。

【００３４】ここで、上記平面アンテナを備えた液晶表
示装置では、通常液晶パネルが備えているブラックマト
リクスを高周波グランドとするため、基本構造が従来の
液晶パネルと同一である。よって、平面アンテナの放射
素子を追加するだけで、ほぼ同じサイズで平面アンテナ
を組み込むことができる。また、液晶パネルの特性を損
なわずに平面アンテナを組み込むことができる。

【００３５】そして、液晶パネルの表示面積が大きくな
る程、平面アンテナを柔軟に配置できるようになる。す
なわち、平面アンテナ１個の開口面積を大きくしたり、
複数個形成してデュアルバンドタイプや、アレイアンテ
ナを構成したりすることが可能になる。

【００３６】以上より、液晶パネルの表示面に一体に形
成した平面アンテナを備えた液晶表示装置を提供するこ
とができる。しかも、アンテナを大面積で設けることが
できるため、十分な利得が確保でき、指向性の制御が容
易になる。

【００３７】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記液晶
パネルが、薄膜トランジスタ液晶パネルであることを特
徴としている。

【００３８】上記の構成により、さらに、上記平面アン
テナを薄膜トランジスタ（ＴＦＴ型）液晶パネルの表示
面に一体に形成することができる。なお、共通電極がブ
ラックマトリクスと電気的に接続されているＴＦＴ型液
晶パネルは、共通電極とブラックマトリクスの間を絶縁
する必要がなく、共通電極は通常グランドに接地されて
使用されるため、ブラックマトリクスを高周波グランド
とするのに適している。

【００３９】また、本発明の平面アンテナを備えた液晶
表示装置は、上記の課題を解決するために、第１のＸＹ
座標系にマトリクス状に形成された電気配線に接続され
た複数の調光用トランジスタと、透明接地面とを有する
液晶パネル（液晶ディスプレイ）と、第１の動作周波数
を有する少なくとも１つの第１の平面アンテナとを含
み、前記第１の平面アンテナ（第１の透明アンテナ）
が、高導電性の第１の透明平面放射素子と高導電性の第
１の透明平面アンテナ接地面とを有し、前記第１の透明
平面アンテナ接地面は、前記液晶パネルのマトリクス透
明接地面であることを特徴としている。

【００４０】上記の構成により、複数の調光用トランジ
スタを有する液晶パネル、例えば、薄膜トランジスタ型
の液晶パネルに平面アンテナを組み込むことができる。
加えて、平面アンテナの接地面（高周波グランド）とし
て、液晶パネルの接地面を利用することができる。

【００４１】よって、液晶パネルの表示面に一体に形成
した平面アンテナを備えた液晶表示装置を提供すること
ができる。しかも、アンテナを大面積で設けることがで
きるため、十分な利得が確保でき、指向性の制御が容易
である。また、平面アンテナを液晶パネルの本来の機能
を失わずに組み込むことができる。

【００４２】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、前記第１
の平面アンテナ（第１の透明アンテナ）の第１の透明平
面放射素子および第１の透明平面アンテナ接地面は、前
記第１のＸＹ座標系に重畳する第２のＸＹ座標系に配線
がマトリクス状もしくはＸないしＹの単一方向の平行線
状に形成されてなる金属フィルム構造を有し、前記第１
の平面アンテナおよび液晶パネル（液晶ディスプレイ）
の各非透光部を、重ねて配置することによって、第１の
平面アンテナの透光性を向上させることを特徴としてい
る。

【００４３】上記の構成により、さらに、マトリクス状
もしくはＸないしＹの単一方向の平行線状に形成された
金属配線を有する平面アンテナと、液晶パネルのマトリ
クスとを、各非透光部を重ねて配置することによって、
平面アンテナの透光性を向上させることができる。ゆえ
に、液晶パネルの特性を損なうことなく、平面アンテナ
を組み込むことができる。

【００４４】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、第１の透
明薄膜を含み、前記第１の平面アンテナ（第１の透明ア
ンテナ）の前記第１の透明平面放射素子および第１の透
明平面アンテナ接地面が、前記第１の透明薄膜上におい
て同一平面上に形成されることにより、前記第１の平面
アンテナが、一枚の第１の透明薄膜上に設けられている
ことを特徴としている。

【００４５】上記の構成により、さらに、平面アンテナ
を一枚の透明薄膜上に設けることができる。よって、共
平面構造の平面アンテナを、液晶パネルに組み込むこと
ができる。

【００４６】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、前記液晶
パネル（液晶ディスプレイ）のマトリクスが、カラーフ
ィルタを備えた薄膜トランジスタマトリクスであり、前
記カラーフィルタが、前記液晶パネルのマトリクス透明
接地面と前記第１の透明平面アンテナ接地面とを含むこ
とを特徴としている。

【００４７】上記の構成により、さらに、平面アンテナ
をカラー液晶パネル、例えば、カラーＴＦＴ液晶ディス
プレイに組み込むことができる。しかも、カラーフィル
タ層が、マトリクス透明接地面および第１の透明平面ア
ンテナ接地面を含むように設けることができる。

【００４８】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、複数の平
面アンテナ（透明平面アンテナ）を有し、前記複数の平
面アンテナ（透明平面アンテナ）が、対応する複数の平
面放射素子と共有平面アンテナ接地面とを有し、前記複
数の平面アンテナ（透明アンテナ）が、それぞれ前記第
１のＸＹ座標系に重畳する複数のＸＹ座標系にマトリク
ス状に形成された金属線からなる金属フィルム構造を有
し、前記第１の平面アンテナ（第１の透明アンテナ）お
よび液晶パネル（液晶ディスプレイ）の各非透光部を、
重ねて配置することによって、第１の平面アンテナの透
光性を向上させることを特徴としている。

【００４９】上記の構成により、さらに、複数の平面ア
ンテナの放射素子およびアンテナ接地面の金属配線と、
液晶パネルのマトリクスとを、各非透光部を重ねて配置
することによって、液晶パネルの特性を損なうことな
く、複数の平面アンテナを液晶パネルに組み込むことが
できる。

【００５０】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、前記複数
の平面アンテナ（透明アンテナ）が、共平面構造の平面
アンテナ、透明平面放射素子と透明平面アンテナ接地面
とが異なる平面上に形成されたマイクロ・ストリップ構
造の平面アンテナ、およびこれらの組み合わせからなる
平面アンテナよりなるグループより選ばれる平面アンテ
ナであることを特徴としている。

【００５１】上記の構成により、さらに、共平面構造、
マイクロ・ストリップ構造、あるいはこれらを組み合わ
せた構造で、複数の平面アンテナを液晶パネルと一体に
設けることができる。すなわち、上記の構造から適宜選
択して、平面アンテナを液晶パネルに実装できる。

【００５２】また、本発明の平面アンテナを備えた液晶
表示装置は、上記の課題を解決するために、第１のＸＹ
座標系にマトリクス状に形成された電気配線に接続され
た複数の調光用トランジスタを有する液晶パネル（液晶
ディスプレイ）と、高導電性の第１の透明平面放射素子
を備え、第１の動作周波数を有する少なくとも１つの第
１の平面アンテナ（第１の透明アンテナ）と、前記液晶
パネルの電気配線に対する導電性グランドとして機能す
るとともに、前記第１の平面アンテナの導電性のアンテ
ナ接地面としても機能する接地面とを含むことを特徴し
ている。

【００５３】上記の構成により、複数の調光用トランジ
スタを有する液晶パネル、例えば、ＴＦＴ型の液晶パネ
ルに平面アンテナを組み込むことができる。加えて、平
面アンテナの接地面（高周波グランド）として、液晶パ
ネルの接地面を利用することができる。

【００５４】よって、液晶パネルの表示面に一体に形成
した平面アンテナを備えた液晶表示装置を提供すること
ができる。しかも、アンテナを大面積で設けることがで
きるため、十分な利得が確保でき、指向性の制御が容易
である。また、平面アンテナを液晶パネルの本来の機能
を失わずに組み込むことができる。

【００５５】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、前記第１
の平面アンテナ（第１の透明アンテナ）の第１の透明平
面放射素子および第１の透明平面アンテナ接地面は、前
記第１のＸＹ座標系と密に相関する第２のＸＹ座標系に
配線がマトリクス状もしくはＸないしＹの単一方向の平
行線状に形成されてなる金属フィルム構造を有し、前記
第１の平面アンテナおよび液晶パネル（液晶ディスプレ
イ）の各非透光部を、重ねて配置することによって、第
１の平面アンテナの透光性を向上させることを特徴とし
ている。

【００５６】上記の構成により、さらに、マトリクス状
もしくはＸないしＹの単一方向の平行線状に形成された
金属配線を有する平面アンテナと、液晶パネルのマトリ
クスとを、各非透光部を重ねて配置することによって、
平面アンテナの透光性を向上させることができる。ゆえ
に、液晶パネルの特性を損なうことなく、平面アンテナ
を組み込むことができる。

【００５７】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、第１の透
明薄膜を含み、前記第１の平面アンテナ（第１の透明ア
ンテナ）の前記第１の透明平面放射素子および第１の透
明平面アンテナ接地面が、前記第１の透明薄膜上におい
て同一平面上に形成されることにより、前記第１の平面
アンテナが、一枚の第１の透明薄膜上に設けられている
ことを特徴としている。

【００５８】上記の構成により、さらに、平面アンテナ
の放射素子およびアンテナ接地面を、一枚の透明薄膜
上、すなわち、同一平面上に形成することができる。し
たがって、共平面構造の平面アンテナを液晶表示装置に
実装できる。

【００５９】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、前記液晶
パネル（液晶ディスプレイ）のマトリクスが、カラーフ
ィルタを備えた薄膜トランジスタ型であり、前記カラー
フィルタが、前記液晶パネルの透明接地面と前記第１の
透明平面アンテナ接地面とを含むことを特徴としてい
る。

【００６０】上記の構成により、さらに、薄膜トランジ
スタ型のカラー液晶パネルに平面アンテナを組み込むこ
とができる。加えて、カラーフィルタを、液晶パネルの
マトリクス透明接地面および平面アンテナの接地面を含
むように設けることができる。

【００６１】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記平面
アンテナを介して受信した無線信号を上記液晶パネルへ
の表示信号に変換する信号処理回路を備えた液晶テレビ
に搭載されることを特徴としている。

【００６２】上記の構成により、さらに、上記平面アン
テナを備えた液晶表示装置を搭載した液晶テレビを提供
することができる。よって、アンテナを搭載した薄型カ
ラー壁掛けテレビが実現できる。また、画面が大型化で
ある程、平面アンテナを柔軟に設計することができる。

【００６３】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記平面
アンテナを介して外部機器との通信を行う情報処理回路
を備えたコンピュータに搭載されることを特徴としてい
る。

【００６４】上記の構成により、さらに、上記平面アン
テナを備えた液晶表示装置を搭載したコンピュータを提
供することができる。よって、平面アンテナを搭載し
た、無線方式のインターフェース（ワイヤレスＬＡＮ
等）を持つコンピュータが実現できる。また、画面が大
型化である程、平面アンテナを柔軟に設計することがで
きるため、複数の系統を実装することも可能となる。

【００６５】

【発明の実施の形態】〔実施の形態１〕本発明の一実施
の形態について図１から図６に基づいて説明すれば、以
下のとおりである。

【００６６】本実施の形態に係る平面アンテナを備えた
液晶表示装置（以下、「アンテナ付き液晶表示装置」と
記す）は、カラーＴＦＴ（thin film transistor）液晶
ディスプレイの上部ガラス上に平面アンテナの放射素子
を設けるとともに、ブラックマトリクスを高周波グラン
ドとして利用する構造である。すなわち、カラーＴＦＴ
液晶ディスプレイに、マイクロ・ストリップ構造の平面
アンテナを一体に設けたものである。

【００６７】図１および図２は、本実施の形態に係るア
ンテナ付き液晶表示装置１２０の構成の概略を示す断面
図および斜視図である。また、図３は、上記アンテナ付
き液晶表示装置１２０の構成の概略を示す回路図であ
る。

【００６８】本実施の形態に係るアンテナ付き液晶表示
装置１２０は、液晶パネルと、この液晶パネルの表裏面
のほぼ全面に配設された一対の偏光子と、液晶パネルを
背面から照射するバックライトと、液晶パネルを駆動す
る駆動回路等を備えるとともに、液晶パネルの表面にア
ンテナ素子層を備えて構成されている。

【００６９】上記アンテナ付き液晶表示装置１２０に備
えられる液晶パネルは、アクティブマトリクス基板１１
１と、１枚の対向基板１１２とが、シール材１１３を介
して貼り合わされ、その間隙に液晶層１１４が封入され
た構成を有する。

【００７０】上記アクティブマトリクス基板１１１は、
ガラス等からなる透明基板１１５の上に、複数の走査線
１１６ａと、この走査線１１６ａと直交して配置された
複数の信号線１１６ｂとが設けられ、これら走査線１１
６ａと信号線１１６ｂとからなるマトリクス状の電極配
線の各交差点に、ＩＴＯ（indium tin oxide）等の透明
導電膜からなる画素電極１１６ｃと、この透明電極１１
６ｃを駆動するアクティブ素子であるＴＦＴ１１６ｄと
が配設された構成であるＴＦＴアレイ１１６が形成され
ている。なお、このＴＦＴ１１６ｄは、画素電極１１６
ｃへのデータ信号の供給を制御するものであり、走査線
１１６ａよりＯＮ信号が入力されるとＯＮして、信号線
１１６ｂを介して入力されるデータ信号を画素電極１１
６ｃに書き込む。

【００７１】一方、上記対向基板１１２は、１枚のガラ
ス等からなる透明基板１１７の上に、ブラックマトリク
ス１０１と、カラーフィルタ１００（１００Ｒ，１００
Ｇ，１００Ｂ）と、ＩＴＯ等の透明導電膜からなる共通
電極１１８とがこの順序で形成された構成である。

【００７２】上記ブラックマトリクス１０１は、ＴＦＴ
アレイ１１６に設けられたマトリクス状の走査線１１６
ａおよび信号線１１６ｂと、ＴＦＴ１１６ｄとを覆うよ
うに、マトリクス状に形成されている。具体的には、ブ
ラックマトリクス１０１は、アルミニウム、クロム等の
金属膜などの導電性材料により、ＴＦＴアレイ１１６の
非透光領域に対応したメッシュ状に形成される。そし
て、ブラックマトリクス１０１の対向基板１１２側の表
面は黒化処理されている。これにより、ブラックマトリ
クス１０１は、各画素の色分離を行うとともに、光によ
るＴＦＴ１１６ｄの特性変化を防止するために外部光の
進入を防止する。

【００７３】上記カラーフィルタ１００は、ＴＦＴアレ
イ１１６の画素電極１１６ｃに対向する位置に、画素電
極１１６ｃとほぼ同一形状で設けられる。具体的には、
カラーフィルタ１００は、ブラックマトリクス１０１の
配線間に、赤色フィルタ１００Ｒ、緑色フィルタ１００
Ｇ、青色フィルタ１００Ｂが所定の順序で配設されてい
る。

【００７４】そして、赤色フィルタ１００Ｒ、緑色フィ
ルタ１００Ｇ、青色フィルタ１００Ｂのそれぞれの側面
はメッキされており、このメッキ層を含む接続導体１０
１ａを介して配設されている。この接続導体１０１ａ
は、透光領域を除いて共通電極１１８との間にも形成さ
れているため、ブラックマトリクス１０１と共通電極１
１８とは、接続導体１０１ａを介して電気的に接続され
ている。なお、カラーフィルタ１００は通常絶縁性のも
のが多いが、ブラックマトリクス１０１を高周波グラン
ドとして利用する場合には、カラーフィルタ１００自身
を導電性材料で形成することもできる。

【００７５】ここで、図４は、ブラックマトリクス１０
１および接続導体１０１ａの説明図である。なお、ブラ
ックマトリクス１０１および接続導体１０１ａからなる
導体層（以下、「グランド層１２４」と記すことがあ
る。）は、立体的な金網状となる。そして、グランド層
１２４は、共通電極１１８と接続されるとともに、シャ
シ（外箱）等にグランド接地されている（図３、図
４）。なお、ブラックマトリクス１０１は導電性が高い
が、接続導体１０１ａは高周波的には低導電性である。
したがって、平面アンテナの高周波グランドとしては、
ブラックマトリクス１０１が主に機能することになる。

【００７６】加えて、上記対向基板１１２には、液晶パ
ネルの表面側にアンテナ素子層１０３が形成されてい
る。このアンテナ素子層１０３は、ブラックマトリクス
１０１と同様に、ＴＦＴアレイ１１６の非透光領域に対
応したメッシュ状の金属配線である放射素子１０４を、
偏光子を兼ねた透明な保護膜１０５で被覆した構成であ
る。

【００７７】放射素子１０４は、アルミニウム、クロム
等の金属膜などにより、ＴＦＴアレイ１１６の非透光領
域に対応したメッシュ状に形成される。例えば、放射素
子１０４は、幅２０μｍ、厚さ５μｍの平板状の導電性
配線であり、厚さ１００μｍの保護膜１０５によって被
覆されている。そして、放射素子１０４は表示面側が黒
化処理されている。なお、放射素子１０４は、ＴＦＴア
レイ１１６の非透光領域に対応した平行線状に形成され
てもよい。

【００７８】ここで、図５および図６は、アンテナ素子
層１０３の説明図である。一般に、平面アンテナは、そ
の平面形状、高周波グランドとの距離、平面アンテナと
高周波グランドとの間の層の誘電率によって、共振周波
数が決まる。したがって、図５（ａ）（ｂ）に示すよう
に、アンテナ素子層１０３では、複数の放射素子１０４
から構成される平面アンテナ１２２が、共振周波数から
決定された所定の平面形状に形成されることになる。

【００７９】しかし、図５のように、透明基板１１７上
で、平面アンテナ１２２の部分のみに放射素子１０４の
金属配線が配設されていると、液晶ディスプレイ全体で
透明度が不均一になり視認性が低下する。そこで、図６
（ａ）（ｂ）に示すように、透明基板１１７の全面を覆
うように形成された金属配線から、平面アンテナ１２２
の輪郭を切り出すように絶縁部１２２ａの金属配線を除
去するなどして高周波的に切断して、平面アンテナ１２
２および外周部１２２ｂを形成することもできる。これ
により、透明基板１１７にはほぼ一様に金属配線が配設
されることになり、視認性の低下を抑制できる。なお、
本実施の形態では、外周部１２２ｂはダミー配線であ
り、その金属配線は各所で高周波的に切断しておく方が
望ましい。なお、図５および図６では、平面アンテナ１
２２への給電用配線は省略されている。

【００８０】以上のように、上記アンテナ付き液晶表示
装置１２０は、基本的構造が公知のカラーＴＦＴ液晶パ
ネルプレイであり、ＴＦＴ１１６ｄを制御するマトリク
ス状の電極層（電気配線３４）であるＴＦＴアレイ１１
６と、上部の透明基板１１７（ガラス領域１０２）との
間に、ブラックマトリクス１０１およびカラーフィルタ
１００を有している。そして、このブラックマトリクス
１０１（およびカラーフィルタ１００）が、ＴＦＴアレ
イ１１６に対して必要な接地面と、放射素子１０４の高
周波グランド（第１の透明平面アンテナ接地面４４）と
を兼ねている。

【００８１】なお、上記アンテナ付き液晶表示装置１２
０のブラックマトリクス１０１は、平面アンテナ１２２
からすれば、導体で形成して高周波グランドとして利用
できればよい。よって、ＴＦＴ液晶ディスプレイの構
造、特にブラックマトリクスおよびカラーフィルタの構
造および配設位置は、上記の実施の形態で説明したもの
に限定されない。すなわち、上記ブラックマトリクス１
０１は、液晶パネルの製造を何ら制限することなく、平
面アンテナの高周波グランドを実現するものである。

【００８２】〔実施の形態２〕本発明の他の実施の形態
について図７から図９に基づいて説明すれば、以下のと
おりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態１
において示した部材と同一の機能を有する部材には、同
一の符号を付し、その説明を省略する。

【００８３】本実施の形態に係る平面アンテナを備えた
液晶表示装置（以下、「アンテナ付き液晶表示装置」と
記す）は、カラーＴＦＴ液晶ディスプレイのブラックマ
トリクスを平面アンテナの放射素子とするとともに、バ
ックライト背面の金属反射板を高周波グランドとして利
用する構造である。すなわち、カラーＴＦＴ液晶ディス
プレイに、マイクロ・ストリップ構造の平面アンテナを
一体に設けたものである。

【００８４】図７は、本実施の形態に係るアンテナ付き
液晶表示装置１３０の構成の概略を示す断面図である。
本実施の形態に係るアンテナ付き液晶表示装置１３０
は、前記の実施の形態１に係るアンテナ付き液晶表示装
置１２０（図１）と比較して、アンテナ素子層１０３が
なく、ブラックマトリクス１０１の代わりにブラックマ
トリクス１３２が設けられている。また、バックライト
（図示しない）の背面の金属反射板１３１を、高周波グ
ランドとして利用する。

【００８５】図７中、透明基板１１５と金属反射板１３
１との間には、バックライトが搭載される。そして、こ
の金属反射板１３１を高周波グランドに使う場合には、
この間隔を調整することによって、インピーダンスの整
合を行うことができる。なお、金属反射板１３１は鏡面
上に保護フィルムが形成されている。

【００８６】図８は、ブラックマトリクス１３２の平面
図である。ブラックマトリクス１３２は、平面アンテナ
が形成されていることを除いて、ブラックマトリクス１
０１（図４）と同一の構成である。図８に示すように、
ブラックマトリクス１３２には、２つの平面アンテナ１
３３・１３３が形成されている。

【００８７】具体的には、透明基板１１７の全面を覆う
ように形成された金属配線に、平面アンテナ１３３・１
３３の輪郭に沿って高周波絶縁部１３４・１３４を形成
して、所定の平面形状を有する平面アンテナ１３３・１
３３を外周部１３５から分離している。加えて、ブラッ
クマトリクス１３２では、平面アンテナ１３３・１３３
に外部から給電するための給電用配線１３３ａ・１３３
ａが形成されている。

【００８８】ここで、平面アンテナ１３３および外周部
１３５の金属配線は、通常のブラックマトリクス（ブラ
ックマトリクス１０１）の金属配線と同じである。一
方、高周波絶縁部１３４は、以下のように形成されてい
る。

【００８９】図９は、図８のＢ部の拡大図であり、上記
高周波絶縁部１３４の詳細を示している。すなわち、図
９は、ＴＦＴ液晶ディスプレイのブラックマトリクスを
アンテナ電極に利用する場合の、ブラックマトリクス層
の加工方法を説明するものである。

【００９０】アンテナ付き液晶表示装置１３０のよう
に、ブラックマトリクス１３２が液晶電極のグランドと
して機能する場合、平面アンテナ１３３を切り出すため
に、平面アンテナ１３３と外周部１３５との境界の金属
配線を完全に切断することはできない。そこで、高周波
的にアンテナのインピーダンスに比べて高周波グランド
部とのインピーダンスが十分に大きくなるような分離用
の回路パターンを、平面アンテナ１３３の輪郭に沿って
高周波絶縁部１３４に形成する。

【００９１】例えば、平面アンテナ１３３の輪郭線に沿
って、この輪郭線と直交する方向の金属配線を適当な間
隔で残しながら切断する。図９では、通常のメッシュ状
配線を２本分ずつ挟みながら、切断部１３４ａおよびブ
リッジ配線１３４ｂが形成された絶縁線１３４ｃが４本
形成されている。このとき、隣接する絶縁線１３４ｃ・
１３４ｃでブリッジ配線１３４ｂの位置が一致しないよ
うにずらせて形成されている。また、平面アンテナ１３
３が共振した時にアンテナ素子上で高周波電位がゼロに
なる節点（図８では、Ａ部）付近に、ブリッジ配線１３
４ｂのパターンを集中して形成すれば、高周波特性の劣
化がない。このように、高周波絶縁部１３４は、通常の
配線の領域を挟んで並設された絶縁線４本によって構成
されている。

【００９２】以上のように、分離用の回路パターンであ
る高周波絶縁部１３４を、格子電極の欠陥を少なく形成
することにより、液晶ディスプレイの画質を低下させる
ことなく、ブラックマトリクス１３２に平面アンテナ１
３３を形成することができる。

【００９３】このように、ブラックマトリクス層では、
液晶ディスプレイの視認性を損なわないように、外周部
をできるだけ通常の配線のまま残す。これに対して、上
部ガラスである透明基板１１７等の上のアンテナ電極層
（放射素子１０４）では、ブラックマトリクス１３２の
ように液晶電極のグランドとしての機能は必要ないた
め、平面アンテナの形状が明確であれば、平面アンテナ
を除く領域を各所で切断されたダミー配線とすることが
できる。

【００９４】さらに、ブラックマトリクス層が十分な面
積を有し、平面アンテナの周囲に十分な幅の高周波絶縁
部を形成することができれば、それ以外の領域（外周部
１３５）のブラックマトリクスを高周波グランドとする
ことができる。すなわち、平面アンテナと高周波グラン
ドとが同一層に形成された共平面構造となる。そして、
このアンテナパターンの形成方法は、上部ガラスである
透明基板上のアンテナ電極層にも適用できる。なお、共
平面構造の平面アンテナを備えた液晶表示装置について
は後述する。

【００９５】なお、上記アンテナ付き液晶表示装置１３
０のブラックマトリクス１３２は、導体で形成し、これ
をアンテナ放射素子として利用できればよい。すなわ
ち、ＴＦＴ液晶ディスプレイの構造、特にブラックマト
リクスおよびカラーフィルタの構造および配設位置は、
上記の各実施の形態で説明したものに限定されない。す
なわち、本発明の平面アンテナは、液晶パネルの製造を
何ら制限することなく、実現するためのものである。

【００９６】〔実施の形態３〕本発明のさらに他の実施
の形態について図１０に基づいて説明すれば、以下のと
おりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態１
および２において示した部材と同一の機能を有する部材
には、同一の符号を付し、その説明を省略する。

【００９７】本実施の形態に係る平面アンテナを備えた
液晶表示装置（以下、「アンテナ付き液晶表示装置」と
記す）は、カラーＴＦＴ液晶ディスプレイの上部ガラス
上に平面アンテナの放射素子を設けるとともに、バック
ライト背面の金属反射板を高周波グランドとして利用す
る構造である。すなわち、カラーＴＦＴ液晶ディスプレ
イに、マイクロ・ストリップ構造の平面アンテナを一体
に設けたものである。

【００９８】図１０は、本実施の形態に係るアンテナ付
き液晶表示装置１４０の構成の概略を示す断面図であ
る。本実施の形態に係るアンテナ付き液晶表示装置１４
０は、前記の実施の形態１に係るアンテナ付き液晶表示
装置１２０（図１）と比較して、アンテナ素子層１０３
を平面アンテナとし、バックライト（図示しない）の背
面の金属反射板１３１を高周波グランドとして利用する
構成である。

【００９９】上記のアンテナ素子層１０３および金属反
射板１３１は、前記の実施の形態１および２に説明した
とおりである。なお、アンテナ付き液晶表示装置１４０
では、ブラックマトリクス１４１をアンテナ素子として
も高周波グランドとして利用しないので、カラーＴＦＴ
液晶ディスプレイのブラックマトリクスとして公知のも
のを任意に採用することができる。

【０１００】〔実施の形態４〕本発明のさらに他の実施
の形態について図１１に基づいて説明すれば、以下のと
おりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態１
から３において示した部材と同一の機能を有する部材に
は、同一の符号を付し、その説明を省略する。

【０１０１】本実施の形態に係る平面アンテナを備えた
液晶表示装置（以下、「アンテナ付き液晶表示装置」と
記す）は、カラーＴＦＴ液晶ディスプレイのブラックマ
トリクスに平面アンテナの放射素子と高周波グランドと
を形成する構造である。すなわち、カラーＴＦＴ液晶デ
ィスプレイに、共平面（コプレーナ）構造の平面アンテ
ナを一体に設けたものである。よって、アンテナ付き液
晶表示装置を薄く形成することができる。

【０１０２】図１１は、本実施の形態に係るアンテナ付
き液晶表示装置１５０の構成の概略を示す断面図であ
る。本実施の形態に係るアンテナ付き液晶表示装置１５
０は、前記の実施の形態２に係るアンテナ付き液晶表示
装置１３０（図７）と比較して、アンテナ素子層１０３
がなく、ブラックマトリクス１３２（図８）に平面アン
テナ１３３を形成するとともに、外周部１３５を高周波
グランドとする構成である。

【０１０３】前記の実施の形態２において説明したよう
に、ブラックマトリクス１３２は、平面アンテナ１３３
の輪郭に沿って形成された高周波絶縁部１３４によっ
て、所定の平面形状を有する平面アンテナ１３３が外周
部１３５から分離されている。

【０１０４】そして、本実施の形態に係るアンテナ付き
液晶表示装置１５０のブラックマトリクス１３２では、
共平面構造の平面アンテナの絶縁に十分な幅の高周波絶
縁部１３４を平面アンテナ１３３の周囲に形成して、外
周部１３５を高周波グランドとして利用する。

【０１０５】〔実施の形態５〕本発明のさらに他の実施
の形態について図１に基づいて説明すれば、以下のとお
りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態１か
ら４において示した部材と同一の機能を有する部材に
は、同一の符号を付し、その説明を省略する。

【０１０６】本実施の形態に係る平面アンテナを備えた
液晶表示装置（以下、「アンテナ付き液晶表示装置」と
記す）は、カラーＴＦＴ液晶ディスプレイの上部ガラス
上に平面アンテナの放射素子および高周波グランドを同
一層に形成する構造である。すなわち、カラーＴＦＴ液
晶ディスプレイに、共平面（コプレーナ）構造の平面ア
ンテナを一体に設けたものである。よって、アンテナ付
き液晶表示装置を薄く形成することができる。

【０１０７】図１は、本実施の形態に係るアンテナ付き
液晶表示装置１６０の構成の概略を示す断面図である。
すなわち、本実施の形態に係るアンテナ付き液晶表示装
置１６０は、前記の実施の形態１に係るアンテナ付き液
晶表示装置１２０とほぼ同一の構成であり、放射素子１
０４に平面アンテナ１２２を形成するとともに、外周部
１３５を高周波グランドとする構成である。

【０１０８】図６を用いて説明したように、放射素子１
０４は、平面アンテナ１２２の輪郭に沿って形成された
絶縁部１２２ａによって、所定の平面形状を有する平面
アンテナ１２２が外周部１２２ｂから分離されている。

【０１０９】そして、本実施の形態に係るアンテナ付き
液晶表示装置１６０の放射素子１０４では、外周部１２
２ｂは切断箇所のないメッシュ状に形成されており、高
周波グランドとして利用される。なお、アンテナ付き液
晶表示装置１６０では、ブラックマトリクス１６１をア
ンテナ素子としても高周波グランドとして利用しないの
で、カラーＴＦＴ液晶ディスプレイのブラックマトリク
スとして公知のものを任意に採用することができる。

【０１１０】なお、本発明に係るブラックマトリクス
は、ＴＦＴ液晶ディスプレイに搭載されるブラックマト
リクスであり、導体で形成して、アンテナ放射素子ある
いは高周波グランドとして利用できればよい。すなわ
ち、ＴＦＴ液晶ディスプレイの構造、特にブラックマト
リクスおよびカラーフィルタの構造および配設位置は、
上記の各実施の形態で説明したものに限定されない。す
なわち、本発明の平面アンテナは、液晶パネルの製造を
制限することなく、実現するためのものである。

【０１１１】また、単純マトリクス型液晶ディスプレイ
の液晶電極をアンテナ電極あるいは高周波グランドとし
て利用する方法もある。

【０１１２】図２６は、液晶電極２５１を高周波グラン
ドとして利用する場合の説明図である。なお、図２６で
は、対向して配置される液晶電極の一方のみを示してい
る。

【０１１３】液晶電極駆動回路２５２から入力された比
較的周波数の低い液晶駆動信号は、高周波遮断・低周波
伝導用の第１素子Ｄ１は抜けるが、高周波伝導・低周波
遮断用の第２素子Ｄ２および第３素子Ｄ３は開放と等価
となり、各液晶電極２５１…を個別に駆動することがで
きる。

【０１１４】一方、周波数の高い無線信号は、第２素子
Ｄ２を通して無線機の高周波グランド２５３と回路的に
つながっている。また、第２素子Ｄ２だけで不十分な場
合、第３素子Ｄ３により、液晶電極２５１・２５１間の
高周波伝導度を高めることができる。しかし、液晶電極
２５１…が液晶電極駆動回路２５２…とそれぞれ直結さ
れているため、液晶電極２５１・２５１間を高周波的に
絶縁しなければならない。

【０１１５】これに対して、前記の各実施の形態で説明
したＴＦＴ液晶ディスプレイのブラックマトリクス層
（図４）は、単純マトリクス型液晶の液晶電極とは異な
り、もともとグランド接地されている。したがって、高
周波グランドとして使用する場合（図１，図１１）、上
記の素子Ｄ１〜Ｄ３（図２６）のような回路を付加する
必要がなく、製造上大きなメリットとなる。

【０１１６】また、ブラックマトリクス層をアンテナ電
極として使う場合（図７，図１１）、第１素子Ｄ１のよ
うな高周波遮断・低周波伝導用の回路を低周波の液晶駆
動信号のグランド間に、１カ所から数カ所に設けること
のみで、グランドから分離できる。したがって、ブラッ
クマトリクス層をアンテナの一部として利用する場合、
ＴＦＴ液晶ディスプレイは単純マトリクス型液晶ディス
プレイと比べて、付加部品点数を大幅に削減できる。な
お、図４では、ブラックマトリクス層の配線がシャシ
（筐体）を高周波グランドとして４か所で接続されてい
る。

【０１１７】〔実施の形態６〕本発明のさらに他の実施
の形態について図１２から図１４に基づいて説明すれ
ば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の
実施の形態１から５において示した部材と同一の機能を
有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略す
る。

【０１１８】本実施の形態では、前記の実施の形態１か
ら５において説明した平面アンテナを備えた液晶表示装
置（以下、「アンテナ付き液晶表示装置」と記す）を搭
載した液晶テレビおよびコンピュータについて説明す
る。

【０１１９】図１２は、前記の各アンテナ付き液晶表示
装置１２０，１３０，１４０，１５０，１６０（以下で
は、「液晶パネル１７１」と記す）を搭載したアナログ
またはディジタル方式の液晶テレビ１７０の構成の概略
を示すブロック図である。

【０１２０】上記液晶テレビ１７０は、液晶パネル１７
１と、チューナ（信号処理回路）１７２ａ・１７２ｂ
と、テレビ信号処理回路（信号処理回路）１７３と、液
晶パネル駆動回路（信号処理回路）１７４とを備えて構
成されている。

【０１２１】上記液晶パネル１７１は、カラーＴＦＴ液
晶ディスプレイの表示領域に共振周波数が異なる平面状
のアンテナ（平面アンテナ）１７１ａ・１７１ｂが形成
されている。そして、アンテナ１７１ａ・１７１ｂは、
チューナ１７２ａ・１７２ｂを介して、テレビ信号処理
回路１７３にそれぞれ接続されている。すなわち、液晶
テレビ１７０は、アンテナを２系統備えており、２種類
の周波数帯の電波を受信することができる。なお、チュ
ーナ１７２ａ・１７２ｂは、受信帯域を切り替える。

【０１２２】上記テレビ信号処理回路１７３は、アナロ
グ方式あるいはディジタル方式の信号処理回路であり、
チューナ１７２ａ・１７２ｂから入力された信号をテレ
ビの表示信号に変換して、液晶パネル駆動回路１７４へ
出力する。上記液晶パネル駆動回路１７４は、テレビ信
号処理回路１７３から入力された信号をカラー液晶ディ
スプレイ用に変換して、液晶パネル１７１へ出力する。
そして、液晶パネル１７１が液晶パネル駆動回路１７４
から入力された信号に基づいて表示を行う。

【０１２３】ここで、図１３は、上記液晶テレビ１７０
を携帯型液晶テレビに適用した場合の外観を示す斜視図
である。図１３に示すように、液晶テレビ１７０は、カ
ラーＴＦＴ液晶ディスプレイの表示領域に平面状のアン
テナ１７１ａ・１７１ｂが形成された液晶パネル１７１
が、携帯型の筐体に搭載されている。よって、携帯型の
液晶テレビ１７０は、アンテナが一体として組み込まれ
ているため、従来のテレビでは必須であった外部アンテ
ナおよび外部アンテナとの接続ケーブルがなく、すっき
りとした形状になっている。もちろん、オプションの外
部アンテナのための接続端子を設けることは可能であ
る。

【０１２４】また、図１４は、前記の各アンテナ付き液
晶表示装置１２０，１３０，１４０，１５０，１６０
（以下では、「アンテナ付き液晶表示装置１８１」と記
す）を搭載した無線方式のインタフェースを備えたコン
ピュータ１８０の構成の概略を示すブロック図である。

【０１２５】上記コンピュータ１８０は、液晶パネル１
８１と、高周波ユニット１８２ａ・１８２ｂと、コンピ
ュータ回路部（情報処理回路）１８３と、入出力回路１
８４とを備えて構成されている。

【０１２６】上記液晶パネル１８１は、カラーＴＦＴ液
晶ディスプレイの表示領域に平面状の２組の送受信用の
アンテナ（平面アンテナ）１８１ａＲ・１８１ａＴおよ
びアンテナ（平面アンテナ）１８１ｂＲ・１８１ｂＴが
形成されている。そして、アンテナ１８１ａＲ・１８１
ａＴおよびアンテナ１８１ｂＲ・１８１ｂＴは、高周波
ユニット１８２ａ・１８２ｂを介して、コンピュータ回
路部１８３にそれぞれ接続されている。すなわち、コン
ピュータ１８０は、無線の入出力経路を２系統備えてい
る。なお、高周波ユニット１８２ａ・１８２ｂは、帯域
および伝送方式を切り替える。

【０１２７】上記コンピュータ回路部１８３は、ＣＰＵ
（central processing unit ）やメモリ等を備えた情報
処理装置である。また、高周波ユニット１８２ａ・１８
２ｂは、コンピュータ回路部１８３の内部の信号と、ア
ンテナ１８１ａＲ・１８１ａＴまたはアンテナ１８１ｂ
Ｒ・１８１ｂＴで送受信する無線信号とを、相互に変換
する装置である。

【０１２８】コンピュータ回路部１８３には、受信用ア
ンテナ１８１ａＲ・１８１ｂＲで受信された信号が、高
周波ユニット１８２ａ・１８２ｂを介して入力される。
また、上記液晶パネル１８１は、カラーＴＦＴ液晶ディ
スプレイの表示領域にタッチセンサ（図示しない）を備
えている。よって、液晶パネル１８１のタッチセンサで
検出された信号が、入出力回路１８４のタッチパネル読
取り回路１８４Ｒを介してコンピュータ回路部１８３に
入力される。

【０１２９】そして、コンピュータ回路部１８３は、こ
れらの入力信号を含むデータを処理した結果を、少なく
とも次の２通りに出力することができる。第１に、コン
ピュータ回路部１８３は生成した画像表示信号を入出力
回路１８４の液晶パネル駆動回路１８４Ｗを介して液晶
パネル１８１へ出力して表示する。第２に、コンピュー
タ回路部１８３は生成した通信用信号を高周波ユニット
１８２ａ・１８２ｂを介して送信用アンテナ１８１ａＴ
・１８１ｂＴに入力して、他のコンピュータ等へ送信す
る。

【０１３０】以上のように、本発明の平面アンテナを備
えた液晶表示装置は、液晶パネルを搭載した無線通信装
置において最も広い表面積を占める液晶パネルを、表示
の目的だけでなく、アンテナ設置面として利用すること
を可能とするものである。

【０１３１】具体的には、本発明の平面アンテナを備え
た液晶表示装置は、アンテナ素子を導電性の細線部で透
明薄膜上に形成することによって、従来のパッチアンテ
ナと同様の特性を提供する。さらに、アンテナ素子の配
線を液晶パネルの非透光部であるマトリクス状に形成さ
れた導電性のグリッド配線と重ねて配置することによっ
て、アンテナ素子の層を介しての液晶パネルの表示面の
目視を可能とする。

【０１３２】したがって、本発明の平面アンテナを備え
た液晶表示装置によれば、ユーザが見やすい明るく液晶
ディスプレイを提供することができる。また、上記平面
アンテナを備えた液晶表示装置は、携帯ならびに壁掛け
液晶テレビに適用することができる。特に、携帯型のカ
ラーＴＦＴ液晶テレビにおいては、アンテナを液晶ディ
スプレイと一体化できるため、従来の外部アンテナや接
続ケーブルが不要となり、優れた携帯性を実現すること
ができる。

【０１３３】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、液晶パネルの表示面積がそのまま平面ア
ンテナの配置可能面積となる。よって、開口面積が大き
い平面アンテナや、複数個形成したアレイアンテナを構
成することが可能となり、十分なアンテナ利得が確保で
き、指向性の制御が容易になる。

【０１３４】以下では、さらに、本発明の平面アンテナ
を備えた液晶表示装置を搭載した無線通信装置、すなわ
ち、液晶テレビ等の無線を受信する装置、無線方式のイ
ンタフェースを備えたコンピュータ等の無線を送受信す
る装置、および無線を送信する装置について説明する。
つまり、「無線通信」とは、無線の送信、無線の受信、
無線の送信および受信の何れかを表すものとする。

【０１３５】図１５は、上記無線通信装置に搭載される
液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）のアンテナ構造３０（平面
アンテナを備えた液晶表示装置）の概略を示す斜視図で
ある。なお、以下の説明において、無線通信装置とＬＣ
Ｄのアンテナ構造とは、概して、相互に読み換えること
ができる。

【０１３６】無線通信装置３０は、液晶ディスプレイ３
２を備えている。この液晶ディスプレイ３２は、第１の
ＸＹ座標系３４において、マトリクス状に配された電気
配線と接続された複数の調光用トランジスタを含む公知
の液晶ディスプレイである。例えば、本発明をアクティ
ブマトリクス液晶ディスプレイに適用した場合、上記電
気配線には、高電圧パルスで駆動され、ガラス内に埋設
されたグリッド線、すなわち、Ｘ軸およびＹ軸に沿って
配されるグリッド線が相当する。例えば、１番目の電気
グリッド線がＸ1 グリッド３６に沿って設けられ、２番
目の他の電気グリッド線が、それに直交するようにＹ1
グリッド３８に沿って設けられている。他の電気グリッ
ド線も第１のＸＹ座標系３４のグリッドに対応して設け
られている。

【０１３７】少なくとも、第１の動作周波数を有する第
１の透明アンテナ４０は、液晶ディスプレイ３２の表面
を覆うように形成されている。上記第１の透明アンテナ
４０は、高導電性の第１の透明平面放射素子４２および
高導電性の第１の透明平面アンテナ接地面４４を含んで
いる。通常、この平面アンテナ接地面４４は、ＬＣＤマ
トリクス構造３２と第１の透明平面放射素子４２との間
に設けられている。

【０１３８】図１６は、ＸＹ平面上に金属線がマトリク
ス状に配された金属フィルム構造を有する第１の透明平
面放射素子４２および第１の透明平面アンテナ接地面４
４を備えた無線通信装置３０の斜視図である。この金属
フィルム構造の金属線は、第１のＸＹ座標系３４と密に
相関したＸＹ座標系において、マトリクス状に配されて
いる。また、第１の透明アンテナ４０のマトリクス状の
配線は、液晶ディスプレイ３２の第１のＸＹ座標系３４
に重畳する第２のＸＹ座標系に設けられている。すなわ
ち、ＬＣＤアンテナ構造（無線通信装置）３０をユーザ
側から見ると、第１の透明平面放射素子４２および第１
の透明平面アンテナ接地面４４は、液晶ディスプレイ３
２のマトリクス状の非透光性の電気接続配線３４と重な
っている。

【０１３９】このように、第１の透明アンテナ４０の非
透光部分を、液晶ディスプレイ３２の非透光部分と重ね
て形成することによって、第１の透明アンテナ４０の透
光率を向上させることができる。すなわち、第１の透明
アンテナ４０のマトリクス状に形成された配線は、液晶
ディスプレイ３２のマトリクス状の電気接続配線３４が
配された平面とは、Ｚ軸方向にずれて形成されている。

【０１４０】図１７は、第１の透明アンテナ４０を備え
た無線通信装置３０を示す側面図である。無線通信装置
３０は、さらに、第１の透明薄膜４６を含んでいる。第
１の透明アンテナ４０は、第１の透明薄膜４６上に積層
され、同一平面上（共平面）に形成された第１の透明平
面放射素子４２および第１の透明平面アンテナ接地面４
４を含んでいる。この構成により、第１の透明アンテナ
４０は、一枚の第１の透明薄膜４６上に形成することが
できる。上記の構成に代えて、第１の透明平面放射素子
４２および第１の透明平面アンテナ接地面４４を第１の
透明薄膜４６の下面下に搭載し、上記第１の透明平面放
射素子４２、第１の透明平面アンテナ接地面４４および
液晶ディスプレイ３２が第１の透明薄膜４６で覆われる
ように構成することもできる。

【０１４１】図１６に模式的に示したように、グリッド
またはマトリクス状の金属フィルム構造の第１の透明ア
ンテナ４０を用いた場合、第１の透明平面放射素子４２
および第１の透明平面アンテナ接地面４４の各配線は、
液晶ディスプレイ３２のマトリクス状の電気接続配線と
ほぼ重なるように設けられている。一方、第１の透明ア
ンテナ４０として、共平面（コプレーナ）構造のアンテ
ナ４０を用いた場合、液晶ディスプレイ３２は、割り当
てられた接地面４４とは別に、追加の接地を要する場合
もある。

【０１４２】上記第１の透明薄膜４６は、ポリエチレン
・テレフタレート（ＰＥＴ），ポリエチレンスルホン
（ＰＥＳ），ポリエーテルイミド（ＰＥＩ），ポリカー
ボネイト，ポリイミド，ポリテトラフルオロエチレン，
アクリル系誘導体，ガラス，およびそれらの混合物より
なるグループより選ばれる材料から形成されている。こ
の第１の透明薄膜４６は、１００〜４００μｍの厚さ４
８を有するように形成されている。

【０１４３】金属フィルム構造の金属線は、銅，アルミ
ニウム，金，銀，ニッケル，クロム，チタン，モリブデ
ン，錫，タンタル，マグネシウム，コバルト，プラチ
ナ，タングステン，マンガン，シリコン，ジルコニウ
ム，バナジウム，ニオブ，ハフニウム，および上記物質
の合金よりなるグループより選ばれる材料により形成さ
れている。この金属フィルム構造の厚み５０は、３００
〜１００，０００Åの範囲に設定されている。

【０１４４】図１８は、第１の透明アンテナ４０（図１
７）の平面図であり、直線的（一次元的）に配置された
配線（ワイヤーコンダクタ）をそれぞれ有する第１の透
明平面放射素子４２および第１の透明平面アンテナ接地
面４４の共平面（コプレーナ）構造を示している。図１
８に示す構成では、金属配線は、Ｘ軸方向のＸグリッド
線に沿う方向にのみ設けられている。この構成に代え
て、金属線を、Ｙ軸方向のＹグリッド線に沿う方向にの
み設ける構成（図示せず）としてもよい。すなわち、第
１の透明アンテナ４０の金属配線は、同一平面の液晶デ
ィスプレイ３２の配線とほぼ重なるように形成されてい
れば、Ｘ軸方向に形成されていてもＹ軸方向に形成され
ていてもよい。なお、配線４３は、第１の透明平面放射
素子４２に給電するための配線であり、これらのすべて
に接続されている。

【０１４５】同じく、図１９は、第１の透明アンテナ４
０（図１７）の平面図であり、平面的（二次元的）に配
置された配線（ワイヤーコンダクタ）をそれぞれ有する
第１の透明平面放射素子４２および第１の透明平面アン
テナ接地面４４の共平面（コプレーナ）構造を示してい
る。図１９に示す構成では、マトリクス状の金属配線
は、Ｘ軸方向およびＹ軸方向に網目状に、液晶ディスプ
レイ３２のマトリクス状配線とほぼ重なるように形成さ
れている。

【０１４６】この構成に限らず、第１の透明アンテナ４
０は、その下層に形成された液晶ディスプレイ３２のマ
トリクス状の配線と、高周波的な性能の要求を満たす目
的では各線がすべて対応している必要はない。しかしな
がら、液晶ディスプレイ３２の金属配線３４と第１の透
明アンテナ４０とを同じ領域に設けた場合、同時に視認
性も損なわないために、通常、アンテナの金属線と液晶
ディスプレイの配線とは、重なるように設計される。

【０１４７】ここで、第１の透明アンテナ４０は、配線
が存在しないか、あるいは、配線は存在するが、各線を
部分的に断線することによって電流が流れないようにし
た非導電性の領域を有する構成としてもよい。マイクロ
・ストリップ構造のアンテナ（図１５参照）は、マトリ
クス状の配線が形成された複数の平面を有している。こ
れらの平面は、配線が形成されていない領域と、第１の
透明平面放射素子４２の配線が形成された領域とを有す
る。第１の透明平面放射素子４２の配線は、第１の透明
平面アンテナ接地面４４の配線上に、重なるように形成
されている。さらに、第１の透明平面アンテナ接地面４
４の配線は、液晶ディスプレイ３２の電気配線３４と重
なるように形成されている。

【０１４８】図１６に示す液晶ディスプレイ３２の電気
配線３４および第１の透明アンテナ４０の金属線は、そ
れぞれ、１〜３０μｍの線幅５２に形成されている。ま
た、平行に配された金属線の隣接する金属線間の間隔５
４は、３０μｍ〜１ｍｍに設定されている。

【０１４９】図２０は、図１６のグリッドの詳細を示す
平面図である。図２０に示す構成では、各金属線の線幅
５２は、１０μｍに形成されている。また、隣接する金
属線間の隙間（ギャップ）５４が、４０μｍとなるよう
に設定されている。この金属線（導電線）間のギャップ
５４は、通常、液晶ディスプレイの画素間隔と同一ない
しはその整数倍の間隔にする。この間隔は、通常の無線
通信で使われる上限の周波数に対応する波長である約１
ｃｍから十分短いため、上記のグリッドは高周波的には
一様な平板とみなせる。前述したように、金属フィルム
構造の金属線間のギャップは、金属線が、液晶ディスプ
レイ３２のグリッド構造（図示せず）と重なるように設
定されている。一般に、各金属線の幅や隣接する金属線
間のギャップは、可視光の波長域で、第１の透明アンテ
ナ４０が、６５％以上の透過率を有するように構成され
ている。

【０１５０】前述の図１５に示す構成において、金属フ
ィルム構造は、インジウム錫，酸化インジウム錫，およ
び酸化錫よりなるグループより選ばれる材料で形成され
ている。第１の透明アンテナ４０の上記の材料で形成さ
れた導電性の部材でさえも、高い透光性を有することか
ら、第１の透明平面放射素子４２も第１の透明平面アン
テナ接地面４４も、図１６に示すようにマトリクス状に
形成する必要はない。しかしながら、これらの材料は、
前述の金属ほど高い導電性を有していないため、インジ
ウム錫，酸化インジウム錫，または酸化錫からなる金属
フィルム構造を用いた場合、前述の金属からなる金属フ
ィルム構造を用いた場合と、同等のコンダクタンスを得
るには、第１の透明平面放射素子４２の厚さ５６および
第１の透明平面アンテナ接地面４４の厚さ５８は、それ
ぞれ０．１〜１０μｍの範囲に設定すればよい。

【０１５１】同様に、共平面（コプレーナ）構造の第１
の透明アンテナ４０に、インジウム錫，酸化インジウム
錫，および酸化錫を用いた場合、アンテナの厚さは、
０．１〜１０μｍの範囲に設定すればよい。

【０１５２】図２１は、複数の透明アンテナ６８…の概
略を示す平面図である。透明アンテナ６８…は、各アン
テナに対応する平面放射素子７０，７２，７４，７６
と、平面アンテナ接地面７８を有している構成としても
よい。共平面（コプレーナ）構造の透明アンテナ６８…
は、複数のＸＹ座標系に金属線がマトリクス状に配され
た金属フィルム構造（同図には示されていないが、図１
８および図１９参照）を有している。この構成の各ＸＹ
座標系は、下層の液晶ディスプレイ３２（図１６参照）
の第１のＸＹ座標系３４と高い相関関係を有している。
すなわち、マトリクス状に形成されたアンテナ線は、液
晶ディスプレイ３２の第１の座標系３４と重なるＸＹ座
標系に形成されている。この構成によれば、第１の透明
アンテナ４０の非透光部と、液晶ディスプレイ３２の非
透光部とを重ね合わせることによって、アンテナの透光
性の向上を図ることができる。

【０１５３】他の構成例として、図２１中における７８
がある領域を非導電性とし、透明平面アンテナ接地面７
８を、平面放射素子７０，７２，７４，７６の下層に設
けて、複数の共平面（コプレーナ）マイクロ・ストリッ
プ構造のアンテナ６８…を形成しても良い。複数の透明
アンテナ…６８は、共平面（コプレーナ）構造のアンテ
ナ、平面放射素子と平面アンテナ接地面とが異なる平面
に形成されたマイクロ・ストリップ構造のアンテナ、こ
れらの組み合わせのアンテナからなるグループより選定
される。

【０１５４】図２２は、透明平面放射素子８２が透明平
面アンテナ接地面８４の上層の平面に形成されたマイク
ロ・ストリップ構造のアンテナ８０を示す模式図であ
る。上記の透明平面放射素子８２が形成された平面およ
び透明平面アンテナ接地面８４は、共に、液晶ディスプ
レイ３２の表面を覆うように積層されている。また、複
数のマイクロ・ストリップ構造のアンテナを備え、透明
平面放射素子８２とは別に、複数の透明平面放射素子
（図示せず) が、透明平面放射素子８２上に形成されて
いる構成としてもよい。

【０１５５】図２３は、平面アンテナ接地面９２の上層
に形成された、共平面構造の透明平面放射素子８８・９
０を有する２つのマイクロ・ストリップ構造の透明アン
テナ８６・８６を示す模試図である。これらのマイクロ
・ストリップ構造の透明アンテナ８６・８６は、液晶デ
ィスプレイ３２に積層されている。

【０１５６】本発明の透明平面放射素子は、例えば、パ
ッチアンテナで一般に用いられている長方形または楕円
形の平面構造を有している。また、上記の透明平面放射
素子の代わりに、互いに平行に配された複数の金属線よ
りなるグリッド構造、または互いに平行に配された複数
の金属線と該金属線と直交するように互いに平行に配さ
れた複数の金属線とからなる網目構造をなす相互配置型
の透明平面放射素子を用いることもできる。

【０１５７】以上より、上記無線通信装置に搭載される
アンテナ、すなわち、ハンディータイプの無線通信装置
に適したアンテナとしては、ホイップアンテナに代わる
より頑丈で、人体に悪影響を及ぼすユーザのいる方向の
電波出力が少ないアンテナを用いることが望ましい。ま
た、シャシ外付け型アンテナとしては、所要の放射パタ
ーンと高いゲインとを提供することができるアンテナが
望ましい。

【０１５８】所要の放射パターンと高いゲインとを満た
すためには、アンテナの開口面積を広く取る必要があ
り、上記無線通信装置の最も広い表面積を有するものの
１つである平面表示パネル上に搭載されている構成とす
ることが望ましい。

【０１５９】また、アンテナと液晶パネルとが一体化さ
れた構成とすることが望ましい。これにより、アンテナ
と液晶パネルとを同一工程で製造することができ、製造
コストを削減することができる。

【０１６０】さらに、上記アンテナは、液晶パネルの表
示面の視認性を妨げることなく、液晶パネルと一体化し
て構成されていることが望ましい。

【０１６１】本発明に係る無線通信装置に搭載される平
面アンテナを備えた液晶表示装置のアンテナ構造は、平
面パネル電子表示ディスプレイと、第１の動作周波数を
有する第１の透明アンテナとを備えている。上記第１の
透明アンテナは、高導電性の第１の平面放射素子と、高
導電性の第１の平面接地面とを含んでいる。さらに、上
記第１の透明アンテナは、表示ディスプレイの表面を覆
うように搭載されており、該第１の透明アンテナを介し
て、上記ディスプレイを目視できるように構成されてい
る。この第１の透明アンテナの導電性の部材を、グリッ
ド構造あるいはマトリクス構造とした場合、アンテナの
非透光性の細線部材と、トランジスタ相互接続のＬＣＤ
マトリクスの遮光部材とを重ねて配置することで、液晶
ディスプレイの視認性を向上させることができる。ま
た、液晶ディスプレイとして、ＬＣＤマトリクスと放射
素子との間にカラーフィルタを備えたＴＦＴ型のものを
用いた構成においては、カラーフィルタを共有接地面と
して用いることができる。

【０１６２】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、さら
に、第１の透明薄膜を含む構成としてもよい。この構成
において、上記第１の透明アンテナは、上記第１の透明
薄膜上に、同一平面上に形成された透明平面放射素子お
よび透明平面接地面を含んでいる構成としてもよい。ま
た、上記第１の透明アンテナは、上記透明平面放射素子
と透明平面接地面とが異なる平面上に形成されたマイク
ロストリップ構造としてもよい。上記のいずれの構成に
おいても、アンテナ平面の細配線は、液晶ディスプレイ
の画素を駆動および制御するマトリクス状の接続配線に
対応して設けられている。上記第１の透明薄膜は、ポリ
エチレン・テレフタレート（ＰＥＴ），ポリエチレンス
ルホン（ＰＥＳ），ポリエーテルイミド（ＰＥＩ），ポ
リカーボネイト，ポリイミド，ポリテトラフルオロエチ
レン，アクリル系誘導体，ガラス，およびそれらの混合
物よりなるグループから選ばれる材料から形成されてい
ることが望ましい。

【０１６３】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、金属
フィルム構造が、互いに平行に配された複数の金属線よ
りなるグリッド構造をなすものであってもよいし、互い
に平行に配された複数の金属線と、該金属線と直交する
ように互いに平行に配された複数の金属線とからなる網
目構造をなすものであってもよい。金属フィルム構造
は、銅，アルミニウム，金，銀，ニッケル，クロム，チ
タン，モリブデン，錫，タンタル，マグネシウム，コバ
ルト，プラチナ，タングステン，マンガン，シリコン，
ジルコニウム，バナジウム，ニオブ，ハフニウム，イン
ジウムおよび上記物質の合金よりなるグループより選ば
れる材料により形成されていることが望ましい。グリッ
ド構造のコンダクタを用いた場合、可視光の波長域で、
第１の透明アンテナが６５％以上の透過率を有するよう
に構成されていることが望ましい。また、第１透明平面
接地面および第１の透明平面放射素子として、酸化イン
ジウム錫の透明フィルムを用いてもよい。

【０１６４】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、第２
の周波数で動作する第２の透明アンテナが、第１の透明
平面放射線素子と同一平面上に形成された第２の透明平
面放射素子を有するように構成されていてもよい。すな
わち、上記第１および第２の透明平面放射素子は、同一
平面上（共用接地面）に形成されていてもよい。さら
に、上記第２の透明アンテナは、第１の透明薄膜上に積
層された第２の透明薄膜上に形成された第２の透明平面
放射素子を備え、第１および第２の透明平面放射素子
は、第１の透明平面接地面を共有している構成としても
よい。上記の構成において、第２の透明アンテナは、第
１の透明アンテナと同じ周波数で動作するように構成し
てもよいし、異なる周波数で動作するように構成しても
よい。

【０１６５】本発明の他の構成として、その面上に第１
の透明平面放射素子が形成された第１の透明薄膜と、上
記第１の透明薄膜と積層され、第１の透明平面接地面が
搭載された第２の透明薄膜とを含む構成としてもよい。
この平面アンテナ構造では、アンテナは、２枚の積層さ
れた薄膜上に形成される。

【０１６６】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、透明
平面放射素子が、例えば、パッチアンテナで一般に用い
られている長方形または楕円形の平面構造をなすことが
望ましい。また、上記の透明平面放射素子の代わりに、
互いに平行に配された複数の金属線よりなるグリッド構
造、または互いに平行に配された複数の金属線と該金属
線と直交するように互いに平行に配された複数の金属線
とからなる網目構造をなす相互配置型の透明平面放射素
子を用いることもできる。

【０１６７】最後に、上記の各実施の形態は本発明の範
囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変
更が可能であり、例えば、以下のように構成することが
できる。

【０１６８】本発明に係る無線通信装置に搭載される平
面アンテナを備えた液晶表示装置は、第１のＸＹ座標系
にマトリクス状に形成された電気配線に接続された複数
の調光用トランジスタと、透明接地面とを有する液晶デ
ィスプレイ（ＬＣＤ）と、第１の動作周波数を有する少
なくとも１つの第１の透明アンテナとを含み、前記第１
の透明アンテナが、高導電性の第１の透明平面放射素子
と高導電性の第１の透明平面アンテナ接地面とを有し、
前記第１の透明平面アンテナ接地面が、前記ＬＣＤマト
リクス透明接地面である構成であってもよい。

【０１６９】上記液晶表示装置は、前記第１の透明アン
テナの第１の透明平面放射素子および第１の透明平面ア
ンテナ接地面が、前記第１のＸＹ座標系に重畳する第２
のＸＹ座標系に配線がマトリクス状に形成されてなる金
属フィルム構造を有し、前記第１の透明アンテナおよび
液晶ディスプレイの各非透光部を、重ねて配置すること
によって、第１の透明アンテナの透光性を向上させる構
成であってもよい。

【０１７０】上記液晶表示装置は、第１の透明薄膜を含
み、前記第１の透明アンテナの前記第１の透明平面放射
素子および第１の透明平面アンテナ接地面が、前記第１
の透明薄膜上において同一平面上に形成されることによ
り、前記第１の透明アンテナが、一枚の第１の透明薄膜
上に設けられている構成であってもよい。

【０１７１】上記液晶表示装置は、前記第１の透明薄膜
が、ポリエチレン・テレフタレート（ＰＥＴ），ポリエ
チレンスルホン（ＰＥＳ），ポリエーテルイミド（ＰＥ
Ｉ），ポリカーボネイト，ポリイミド，ポリテトラフル
オロエチレン，アクリル系誘導体，ガラス，およびそれ
らの混合物よりなるグループから選ばれる材料から形成
されている構成であってもよい。

【０１７２】上記液晶表示装置は、前記第１の透明薄膜
が、１００〜４００μｍの範囲の厚さに形成されている
構成であってもよい。

【０１７３】上記液晶表示装置は、前記金属フィルム構
造が、銅，アルミニウム，金，銀，ニッケル，クロム，
チタン，モリブデン，錫，タンタル，マグネシウム，コ
バルト，プラチナ，タングステン，マンガン，シリコ
ン，ジルコニウム，バナジウム，ニオブ，ハフニウム，
インジウムおよび前記物質の合金よりなるグループより
選ばれる材料により形成されている構成であってもよ
い。

【０１７４】上記液晶表示装置は、前記各金属線の幅
が、１〜３０μｍの範囲であり、平行に配された金属線
間の隙間が、３０μｍ〜１ｍｍの範囲である構成であっ
てもよい。

【０１７５】上記液晶表示装置は、前記金属フィルム構
造の金属膜の厚さが３００〜１００，０００Åである構
成であってもよい。

【０１７６】上記液晶表示装置は、前記第１の透明アン
テナの導電性部材が、インジウム錫，酸化インジウム
錫，および酸化錫よりなるグループより選ばれる材料に
より０．１〜１０μｍの厚さに形成されている構成であ
ってもよい。

【０１７７】上記液晶表示装置は、前記第１の透明平面
アンテナが、可視光の波長域で６５％以上の透過率を有
する構成であってもよい。

【０１７８】上記液晶表示装置は、前記液晶ディスプレ
イマトリクスが、カラーフィルタを備えた薄膜トランジ
スタ（ＴＦＴ）マトリクスであり、前記カラーフィルタ
が、前記ＬＣＤマトリクス透明接地面と前記第１の透明
平面アンテナ接地面とを含む構成であってもよい。

【０１７９】上記液晶表示装置は、複数の透明平面アン
テナを有し、前記複数の透明平面アンテナが、対応する
複数の平面放射素子と共有平面アンテナ接地面とを有
し、前記複数の透明アンテナが、それぞれ前記第１のＸ
Ｙ座標系に重畳する複数のＸＹ座標系にマトリクス状に
形成された金属線からなる金属フィルム構造を有し、前
記第１の透明アンテナおよび液晶ディスプレイの各非透
光部を、重ねて配置することによって、第１の透明アン
テナの透光性を向上させる構成であってもよい。

【０１８０】上記液晶表示装置は、前記複数の透明アン
テナが、共平面（コプレーナ）構造の透明アンテナ、透
明平面放射素子と透明平面アンテナ接地面とが異なる平
面上に形成されたマイクロ・ストリップ構造の透明アン
テナ、およびこれらの組み合わせからなる透明アンテナ
よりなるグループより選ばれる透明アンテナである構成
であってもよい。

【０１８１】また、本発明に係る無線通信装置に搭載さ
れる平面アンテナを備えた液晶表示装置のアンテナ構造
は、第１のＸＹ座標系にマトリクス状に形成された電気
配線に接続された複数の調光用トランジスタを有する液
晶ディスプレイと、高導電性の第１の透明平面放射素子
を備え、第１の動作周波数を有する少なくとも１つの第
１の透明アンテナと、前記液晶ディスプレイの電気配線
に対する導電性グランドとして機能するとともに、前記
第１の透明アンテナの導電性のアンテナ接地面としても
機能する接地面とを含む構成であってもよい。

【０１８２】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、前記
第１の透明アンテナの第１の透明平面放射素子および第
１の透明平面アンテナ接地面が、前記第１のＸＹ座標系
と密に相関する第２のＸＹ座標系に配線がマトリクス状
に形成されてなる金属フィルム構造を有し、前記第１の
透明アンテナおよび液晶ディスプレイの各非透光部を、
重ねて配置することによって、第１の透明アンテナの透
光性を向上させる構成であってもよい。

【０１８３】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、第１
の透明薄膜を含み、前記第１の透明アンテナの前記第１
の透明平面放射素子および第１の透明平面アンテナ接地
面が、前記第１の透明薄膜上において同一平面上に形成
されることにより、前記第１の透明アンテナが、一枚の
第１の透明薄膜上に設けられている構成であってもよ
い。

【０１８４】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、前記
第１の透明薄膜が、ポリエチレン・テレフタレート（Ｐ
ＥＴ），ポリエチレンスルホン（ＰＥＳ），ポリエーテ
ルイミド（ＰＥＩ），ポリカーボネイト，ポリイミド，
ポリテトラフルオロエチレン，アクリル系誘導体，ガラ
ス，およびそれらの混合物よりなるグループから選ばれ
る材料から形成されている構成であってもよい。

【０１８５】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、前記
第１の透明薄膜が、１００〜４００μｍの範囲の厚さに
形成されている構成であってもよい。

【０１８６】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、前記
金属フィルム構造が、銅，アルミニウム，金，銀，ニッ
ケル，クロム，チタン，モリブデン，錫，タンタル，マ
グネシウム，コバルト，プラチナ，タングステン，マン
ガン，シリコン，ジルコニウム，バナジウム，ニオブ，
ハフニウム，インジウムおよび前記物質の合金よりなる
グループより選ばれる材料により形成されている構成で
あってもよい。

【０１８７】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、前記
液晶ディスプレイの金属フィルム構造の各金属線の幅
が、１〜３０μｍの範囲であり、平行に配された金属線
間の隙間は、３０μｍ〜１ｍｍの範囲である構成であっ
てもよい。

【０１８８】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、前記
液晶ディスプレイの金属フィルム構造の金属膜の厚さが
３００〜１００，０００Åである構成であってもよい。

【０１８９】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、前記
第１の透明平面アンテナが、可視光の波長域で６５％以
上の透過率を有する構成であってもよい。

【０１９０】上記液晶表示装置のアンテナ構造は、前記
ＬＣＤマトリクスが、カラーフィルタを備えた薄膜トラ
ンジスタ（ＴＦＴ）型であり、前記カラーフィルタが、
前記液晶ディスプレイの透明接地面と前記第１の透明平
面アンテナ接地面とを含む構成であってもよい。

【０１９１】

【発明の効果】本発明の平面アンテナを備えた液晶表示
装置は、以上のように、液晶パネルの非透光領域を遮光
する導体配線を有し、かつ、該導体配線を放射素子とす
る平面アンテナを遮光面内に含むブラックマトリクスを
具備している構成である。

【０１９２】それゆえ、上記平面アンテナを備えた液晶
表示装置では、通常液晶パネルが備えているブラックマ
トリクスが平面アンテナを含むため、基本構造が従来の
液晶パネルと同一である。よって、平面アンテナのため
に特別な部材を追加する必要がなく、同じサイズで平面
アンテナを組み込むことができるという効果を奏する。
また、液晶パネルの特性を損なわずに平面アンテナを組
み込むことができるという効果を奏する。

【０１９３】そして、液晶パネルの表示面積が大きくな
る程、平面アンテナを柔軟に配置できる。よって、平面
アンテナ１個の開口面積を大きくしたり、複数個形成し
てデュアルバンドタイプや、アレイアンテナを構成した
りすることが可能になるという効果を奏する。

【０１９４】以上より、液晶パネルの表示面に一体に形
成した平面アンテナを備えた液晶表示装置を提供するこ
とができるという効果を奏する。しかも、アンテナを大
面積で設けることができるため、十分な利得が確保で
き、指向性の制御が容易であるという効果を奏する。

【０１９５】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、上記ブラックマトリクス
は、上記平面アンテナの輪郭線に沿って、該平面アンテ
ナが通信に用いる周波数帯域を少なくとも遮断する高周
波絶縁部を有する構成である。

【０１９６】それゆえ、さらに、ブラックマトリクスの
遮光面内で、平面アンテナを周囲の導体配線と高周波絶
縁部によって分離することができる。よって、共振周波
数で決まる平面アンテナの形状を、高周波絶縁部を形成
することで確定して、自由に配置することができるとい
う効果を奏する。

【０１９７】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、上記高周波絶縁部は、液
晶の駆動による低周波の信号を伝導する構成である。

【０１９８】それゆえ、さらに、上記高周波絶縁部は、
共振周波数の信号を遮断して平面アンテナから周囲へ伝
導させないが、液晶の駆動による低周波の信号は外部か
ら平面アンテナの放射素子へ伝導する。

【０１９９】よって、液晶電極のグランドとして利用さ
れているブラックマトリクスの本来の機能は失われない
という効果を奏する。

【０２００】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、上記高周波絶縁部は、上
記導体配線の一部が切断されている構成である。

【０２０１】それゆえ、さらに、上記高周波絶縁部が一
部の導体配線を切断することによって、高周波的に平面
アンテナのインピーダンスに比べて、周囲の導電配線と
のインピーダンスが十分大きくなる分離回路のパターン
を形成することができる。よって、液晶電極のグランド
として利用されているブラックマトリクスを、平面アン
テナの高周波グランドとして共用することができるとい
う効果を奏する。

【０２０２】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、上記ブラックマトリクス
は、上記の平面アンテナおよび高周波絶縁部を除く外周
部の導体配線が該平面アンテナの高周波グランドとして
接続されている構成である。

【０２０３】それゆえ、さらに、ブラックマトリクスに
放射素子および高周波グランドが形成されている共平面
構造の平面アンテナを実現することができる。よって、
平面アンテナのために特別な部材を追加する必要がな
く、基本構造の液晶パネルと同じサイズで平面アンテナ
を組み込むことができるという効果を奏する。

【０２０４】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、上記液晶パネルのバック
ライトの背面に配設されるとともに、上記平面アンテナ
の高周波グランドとして接続されている金属反射板を具
備している構成である。

【０２０５】それゆえ、さらに、ブラックマトリクスを
平面アンテナの放射素子とし、金属反射板を高周波グラ
ンドとするマイクロ・ストリップ構造の平面アンテナを
実現することができる。よって、平面アンテナのために
特別な部材を追加する必要がなく、基本構造の液晶パネ
ルと同じサイズで平面アンテナを組み込むことができる
という効果を奏する。

【０２０６】さらに、金属反射板が高周波グランドに利
用できるため、放射素子と高周波グランドとの距離を変
更して、インピーダンス整合を行うことができるという
効果を奏する。また、高周波グランドとの接続が金属反
射板との接続であるため、構造が簡潔であり、製造が容
易であるという効果を奏する。

【０２０７】本発明の平面アンテナを備えた液晶表示装
置は、以上のように、液晶パネルの非透光領域と一致す
るように配設された平面アンテナの放射素子と、該非透
光領域を遮光するとともに、該平面アンテナの高周波グ
ランドとして接続されている導体配線よりなるブラック
マトリクスとを具備する構成である。

【０２０８】それゆえ、上記平面アンテナを備えた液晶
表示装置では、通常液晶パネルが備えているブラックマ
トリクスを高周波グランドとするため、基本構造が従来
の液晶パネルと同一である。よって、平面アンテナの放
射素子を追加するだけで、ほぼ同じサイズで平面アンテ
ナを組み込むことができるという効果を奏する。また、
液晶パネルの特性を損なわずに平面アンテナを組み込む
ことができるという効果を奏する。

【０２０９】そして、液晶パネルの表示面積が大きくな
る程、平面アンテナを柔軟に配置できる。すなわち、平
面アンテナ１個の開口面積を大きくしたり、複数個形成
してデュアルバンドタイプや、アレイアンテナを構成し
たりすることが可能になるという効果を奏する。

【０２１０】以上より、液晶パネルの表示面に一体に形
成した平面アンテナを備えた液晶表示装置を提供するこ
とができるという効果を奏する。しかも、アンテナを大
面積で設けることができるため、十分な利得が確保で
き、指向性の制御が容易になるという効果を奏する。

【０２１１】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、上記液晶パネルが、薄膜
トランジスタ液晶パネルである構成である。

【０２１２】それゆえ、さらに、上記平面アンテナを薄
膜トランジスタ（ＴＦＴ型）液晶パネルの表示面に一体
に形成することができるという効果を奏する。なお、共
通電極がブラックマトリクスと電気的に接続されている
ＴＦＴ型液晶パネルは、共通電極とブラックマトリクス
の間を絶縁する必要がなく、共通電極は通常グランドに
接地されて使用されるため、ブラックマトリクスを高周
波グランドとするのに適している。

【０２１３】本発明の平面アンテナを備えた液晶表示装
置は、以上のように、第１のＸＹ座標系にマトリクス状
に形成された電気配線に接続された複数の調光用トラン
ジスタと、透明接地面とを有する液晶パネル（液晶ディ
スプレイ）と、第１の動作周波数を有する少なくとも１
つの第１の平面アンテナとを含み、前記第１の平面アン
テナ（第１の透明アンテナ）が、高導電性の第１の透明
平面放射素子と高導電性の第１の透明平面アンテナ接地
面とを有し、前記第１の透明平面アンテナ接地面は、前
記液晶パネルのマトリクス透明接地面である構成であ
る。

【０２１４】それゆえ、複数の調光用トランジスタを有
する液晶パネル、例えば、薄膜トランジスタ型の液晶パ
ネルに平面アンテナを組み込むことができる。加えて、
平面アンテナの接地面（高周波グランド）として、液晶
パネルの接地面を利用することができる。

【０２１５】よって、液晶パネルの表示面に一体に形成
した平面アンテナを備えた液晶表示装置を提供すること
ができるという効果を奏する。しかも、アンテナを大面
積で設けることができるため、十分な利得が確保でき、
指向性の制御が容易であるという効果を奏する。また、
平面アンテナを液晶パネルの本来の機能を失わずに組み
込むことができるという効果を奏する。

【０２１６】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、前記第１の平面アンテナ
（第１の透明アンテナ）の第１の透明平面放射素子およ
び第１の透明平面アンテナ接地面は、前記第１のＸＹ座
標系に重畳する第２のＸＹ座標系に配線がマトリクス状
もしくはＸないしＹの単一方向の平行線状に形成されて
なる金属フィルム構造を有し、前記第１の平面アンテナ
および液晶パネル（液晶ディスプレイ）の各非透光部
を、重ねて配置することによって、第１の平面アンテナ
の透光性を向上させる構成である。

【０２１７】それゆえ、さらに、マトリクス状もしくは
ＸないしＹの単一方向の平行線状に形成された金属配線
を有する平面アンテナと、液晶パネルのマトリクスと
を、各非透光部を重ねて配置することによって、平面ア
ンテナの透光性を向上させることができる。ゆえに、液
晶パネルの特性を損なうことなく、平面アンテナを組み
込むことができるという効果を奏する。

【０２１８】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、第１の透明薄膜を含み、
前記第１の平面アンテナ（第１の透明アンテナ）の前記
第１の透明平面放射素子および第１の透明平面アンテナ
接地面が、前記第１の透明薄膜上において同一平面上に
形成されることにより、前記第１の平面アンテナが、一
枚の第１の透明薄膜上に設けられている構成である。

【０２１９】それゆえ、さらに、平面アンテナを一枚の
透明薄膜上に設けることができる。よって、共平面構造
の平面アンテナを、液晶パネルに組み込むことができる
という効果を奏する。

【０２２０】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、前記液晶パネル（液晶デ
ィスプレイ）のマトリクスが、カラーフィルタを備えた
薄膜トランジスタマトリクスであり、前記カラーフィル
タが、前記液晶パネルのマトリクス透明接地面と前記第
１の透明平面アンテナ接地面とを含む構成である。

【０２２１】それゆえ、さらに、平面アンテナをカラー
液晶パネル、例えば、カラーＴＦＴ液晶ディスプレイに
組み込むことができるという効果を奏する。しかも、カ
ラーフィルタ層が、マトリクス透明接地面および第１の
透明平面アンテナ接地面を含むように設けることができ
るという効果を奏する。

【０２２２】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、複数の平面アンテナ（透
明平面アンテナ）を有し、前記複数の平面アンテナ（透
明平面アンテナ）が、対応する複数の平面放射素子と共
有平面アンテナ接地面とを有し、前記複数の平面アンテ
ナ（透明アンテナ）が、それぞれ前記第１のＸＹ座標系
に重畳する複数のＸＹ座標系にマトリクス状に形成され
た金属線からなる金属フィルム構造を有し、前記第１の
平面アンテナ（第１の透明アンテナ）および液晶パネル
（液晶ディスプレイ）の各非透光部を、重ねて配置する
ことによって、第１の平面アンテナの透光性を向上させ
る構成である。

【０２２３】それゆえ、さらに、複数の平面アンテナの
放射素子およびアンテナ接地面の金属配線と、液晶パネ
ルのマトリクスとを、各非透光部を重ねて配置すること
によって、液晶パネルの特性を損なうことなく、複数の
平面アンテナを液晶パネルに組み込むことができるとい
う効果を奏する。

【０２２４】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、前記複数の平面アンテナ
（透明アンテナ）が、共平面構造の平面アンテナ、透明
平面放射素子と透明平面アンテナ接地面とが異なる平面
上に形成されたマイクロ・ストリップ構造の平面アンテ
ナ、およびこれらの組み合わせからなる平面アンテナよ
りなるグループより選ばれる平面アンテナである構成で
ある。

【０２２５】それゆえ、さらに、共平面構造、マイクロ
・ストリップ構造、あるいはこれらを組み合わせた構造
で、複数の平面アンテナを液晶パネルと一体に設けるこ
とができるという効果を奏する。すなわち、上記の構造
から適宜選択して、平面アンテナを液晶パネルに実装で
きるという効果を奏する。

【０２２６】本発明の平面アンテナを備えた液晶表示装
置は、以上のように、第１のＸＹ座標系にマトリクス状
に形成された電気配線に接続された複数の調光用トラン
ジスタを有する液晶パネル（液晶ディスプレイ）と、高
導電性の第１の透明平面放射素子を備え、第１の動作周
波数を有する少なくとも１つの第１の平面アンテナ（第
１の透明アンテナ）と、前記液晶パネルの電気配線に対
する導電性グランドとして機能するとともに、前記第１
の平面アンテナの導電性のアンテナ接地面としても機能
する接地面とを含む構成である。

【０２２７】それゆえ、複数の調光用トランジスタを有
する液晶パネル、例えば、ＴＦＴ型の液晶パネルに平面
アンテナを組み込むことができる。加えて、平面アンテ
ナの接地面（高周波グランド）として、液晶パネルの接
地面を利用することができる。

【０２２８】よって、液晶パネルの表示面に一体に形成
した平面アンテナを備えた液晶表示装置を提供すること
ができるという効果を奏する。しかも、アンテナを大面
積で設けることができるため、十分な利得が確保でき、
指向性の制御が容易であるという効果を奏する。また、
平面アンテナを液晶パネルの本来の機能を失わずに組み
込むことができるという効果を奏する。

【０２２９】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、前記第１の平面アンテナ
（第１の透明アンテナ）の第１の透明平面放射素子およ
び第１の透明平面アンテナ接地面は、前記第１のＸＹ座
標系と密に相関する第２のＸＹ座標系に配線がマトリク
ス状もしくはＸないしＹの単一方向の平行線状に形成さ
れてなる金属フィルム構造を有し、前記第１の平面アン
テナおよび液晶パネル（液晶ディスプレイ）の各非透光
部を、重ねて配置することによって、第１の平面アンテ
ナの透光性を向上させる構成である。

【０２３０】それゆえ、さらに、マトリクス状もしくは
ＸないしＹの単一方向の平行線状に形成された金属配線
を有する平面アンテナと、液晶パネルのマトリクスと
を、各非透光部を重ねて配置することによって、平面ア
ンテナの透光性を向上させることができるという効果を
奏する。ゆえに、液晶パネルの特性を損なうことなく、
平面アンテナを組み込むことができるという効果を奏す
る。

【０２３１】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、第１の透明薄膜を含み、
前記第１の平面アンテナ（第１の透明アンテナ）の前記
第１の透明平面放射素子および第１の透明平面アンテナ
接地面が、前記第１の透明薄膜上において同一平面上に
形成されることにより、前記第１の平面アンテナが、一
枚の第１の透明薄膜上に設けられている構成である。

【０２３２】それゆえ、さらに、平面アンテナの放射素
子およびアンテナ接地面を、一枚の透明薄膜上、すなわ
ち、同一平面上に形成することができるという効果を奏
する。したがって、共平面構造の平面アンテナを液晶表
示装置に実装できるという効果を奏する。

【０２３３】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、前記液晶パネル（液晶デ
ィスプレイ）のマトリクスが、カラーフィルタを備えた
薄膜トランジスタ型であり、前記カラーフィルタが、前
記液晶パネルの透明接地面と前記第１の透明平面アンテ
ナ接地面とを含む構成である。

【０２３４】それゆえ、さらに、薄膜トランジスタ型の
カラー液晶パネルに平面アンテナを組み込むことができ
るという効果を奏する。加えて、カラーフィルタを、液
晶パネルのマトリクス透明接地面および平面アンテナの
接地面を含むように設けることができるという効果を奏
する。

【０２３５】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、上記平面アンテナを介し
て受信した無線信号を上記液晶パネルへの表示信号に変
換する信号処理回路を備えた液晶テレビに搭載される構
成である。

【０２３６】それゆえ、さらに、上記平面アンテナを備
えた液晶表示装置を搭載した液晶テレビを提供すること
ができるという効果を奏する。よって、アンテナを搭載
した薄型カラー壁掛けテレビが実現できるという効果を
奏する。また、画面が大型化である程、平面アンテナを
柔軟に設計することができるという効果を奏する。

【０２３７】さらに、本発明の平面アンテナを備えた液
晶表示装置は、以上のように、上記平面アンテナを介し
て外部機器との通信を行う情報処理回路を備えたコンピ
ュータに搭載される構成である。

【０２３８】それゆえ、さらに、上記平面アンテナを備
えた液晶表示装置を搭載したコンピュータを提供するこ
とができるという効果を奏する。よって、平面アンテナ
を搭載した、無線方式のインターフェース（ワイヤレス
ＬＡＮ等）を持つコンピュータが実現できるという効果
を奏する。また、画面が大型化である程、平面アンテナ
を柔軟に設計することができるため、複数の系統を実装
することも可能となるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る平面アンテナを備
えた液晶表示装置の構成の概略を示す断面図である。

【図２】図１に示す平面アンテナを備えた液晶表示装置
の構成の概略を示す斜視図である。

【図３】図１に示す平面アンテナを備えた液晶表示装置
の構成の概略を示す回路図である。

【図４】図１に示す平面アンテナを備えた液晶表示装置
に設けられるブラックマトリクスの説明図である。

【図５】図１に示す平面アンテナを備えた液晶表示装置
に設けられる放射素子およびブラックマトリクスの説明
図であり、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側面図である。

【図６】図１に示す平面アンテナを備えた液晶表示装置
に設けられる放射素子およびブラックマトリクスの説明
図であり、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側面図である。

【図７】本発明の他の実施の形態に係る平面アンテナを
備えた液晶表示装置の構成の概略を示す断面図である。

【図８】図７に示す平面アンテナを備えた液晶表示装置
の平面アンテナが形成されているブラックマトリクスの
説明図である。

【図９】図７に示すブラックマトリクスの要部の拡大図
である。

【図１０】本発明のさらに他の実施の形態に係る平面ア
ンテナを備えた液晶表示装置の構成の概略を示す断面図
である。

【図１１】本発明のさらに他の実施の形態に係る平面ア
ンテナを備えた液晶表示装置の構成の概略を示す断面図
である。

【図１２】本発明の各実施の形態に係る平面アンテナを
備えた液晶表示装置を搭載した液晶テレビの構成の概略
を示すブロック図である。

【図１３】図１２に示す液晶テレビの一例である携帯型
液晶テレビの外観を示す説明図である。

【図１４】本発明の各実施の形態に係る平面アンテナを
備えた液晶表示装置を搭載したコンピュータの構成の概
略を示すブロック図である。

【図１５】本発明の無線通信装置または液晶表示装置の
アンテナ構造を示す斜視図である。

【図１６】ＸＹ平面上に金属線がマトリクス状に配され
た金属フィルム構造を有する第１の透明平面放射素子お
よび第１の透明平面アンテナ接地面を備えた無線通信装
置の斜視図である。

【図１７】一枚の平面上に形成された透明アンテナを有
する無線通信装置の側面図である。

【図１８】直線的（一次元的）に配置された配線（ワイ
ヤーコンダクタ）をそれぞれ有する第１の透明平面放射
素子および第１の透明平面アンテナ接地面の共平面（コ
プレーナ）構造を示す図１７に示す第１の透明アンテナ
の平面図である。

【図１９】平面的（二次元的）に配置された配線（ワイ
ヤーコンダクタ）をそれぞれ有する第１の透明平面放射
素子および第１の透明平面アンテナ接地面の共平面（コ
プレーナ）構造を示す図１７に示す第１の透明アンテナ
の平面図である。

【図２０】図１５に示すグリッドの詳細を示す拡大平面
図である。

【図２１】同一平面上に形成された複数の透明アンテナ
を示す平面図である。

【図２２】液晶ディスプレイの表面を覆うように形成さ
れ、透明平面アンテナ接地面の上層面に形成された透明
平面放射素子を有するマイクロ・ストリップ構造のアン
テナを示す模式図である。

【図２３】液晶ディスプレイの表面を覆うように形成さ
れ、透明平面アンテナ接地面の上層面に形成された共平
面構造の複数の透明平面放射素子を有する２つのマイク
ロ・ストリップ構造のアンテナを示す模式図である。

【図２４】従来のパネルアンテナの概略の共平面構造を
示す平面図である。

【図２５】図２４に示す従来のパネルアンテナの概略の
部分断面図である。

【図２６】従来の単純マトリクス型液晶ディスプレイの
液晶電極を高周波グランドとして利用する構成を示す説
明図である。

【符号の説明】

１０１ブラックマトリクス１０４放射素子１２０，１３０，１４０，１５０，１６０平面アンテ
ナを備えた液晶表示装置１２２ａ，１３４高周波絶縁部１３１金属反射板１３３平面アンテナ１３５外周部１７０液晶テレビ１７１ａ，１７１ｂアンテナ（平面アンテナ）１７２ａ，１７２ｂチューナ（信号処理回路）１７３テレビ信号処理回路（信号処理回路）１７４液晶パネル駆動回路（信号処理回路）１８０コンピュータ１８１ａＲ，１８１ｂＲ受信用アンテナ（平面アンテ
ナ）１８１ａＴ，１８１ｂＴ送信用アンテナ（平面アンテ
ナ）１８３コンピュータ回路部（情報処理回路）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液晶パネルの非透光領域を遮光する導体配
線を有し、かつ、該導体配線を放射素子とする平面アン
テナを遮光面内に含むブラックマトリクスを具備してい
ることを特徴とする平面アンテナを備えた液晶表示装
置。
【請求項２】上記ブラックマトリクスは、上記平面アン
テナの輪郭線に沿って、該平面アンテナが通信に用いる
周波数帯域を少なくとも遮断する高周波絶縁部を有する
ことを特徴とする請求項１に記載の平面アンテナを備え
た液晶表示装置。
【請求項３】上記高周波絶縁部は、液晶の駆動による低
周波の信号を伝導することを特徴とする請求項２に記載
の平面アンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項４】上記高周波絶縁部は、上記導体配線の一部
が切断されていることを特徴とする請求項３に記載の平
面アンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項５】上記ブラックマトリクスは、上記の平面ア
ンテナおよび高周波絶縁部を除く外周部の導体配線が該
平面アンテナの高周波グランドとして接続されているこ
とを特徴とする請求項２から４の何れかに記載の平面ア
ンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項６】上記液晶パネルのバックライトの背面に配
設されるとともに、上記平面アンテナの高周波グランド
として接続されている金属反射板を具備していることを
特徴とする請求項１から４の何れかに記載の平面アンテ
ナを備えた液晶表示装置。
【請求項７】液晶パネルの非透光領域と一致するように
配設された平面アンテナの放射素子と、該非透光領域を遮光するとともに、該平面アンテナの高
周波グランドとして接続されている導体配線よりなるブ
ラックマトリクスとを具備することを特徴とする平面ア
ンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項８】上記液晶パネルが、薄膜トランジスタ液晶
パネルであることを特徴とする請求項１から７の何れか
に記載の平面アンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項９】第１のＸＹ座標系にマトリクス状に形成さ
れた電気配線に接続された複数の調光用トランジスタ
と、透明接地面とを有する液晶パネルと、第１の動作周波数を有する少なくとも１つの第１の平面
アンテナとを含み、前記第１の平面アンテナが、高導電性の第１の透明平面
放射素子と高導電性の第１の透明平面アンテナ接地面と
を有し、前記第１の透明平面アンテナ接地面は、前記液晶パネル
のマトリクス透明接地面であることを特徴とする平面ア
ンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項１０】前記第１の平面アンテナの第１の透明平
面放射素子および第１の透明平面アンテナ接地面は、前
記第１のＸＹ座標系に重畳する第２のＸＹ座標系に配線
がマトリクス状もしくはＸないしＹの単一方向の平行線
状に形成されてなる金属フィルム構造を有し、前記第１の平面アンテナおよび液晶パネルの各非透光部
を、重ねて配置することによって、第１の平面アンテナ
の透光性を向上させることを特徴とする請求項９に記載
の平面アンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項１１】第１の透明薄膜を含み、前記第１の平面
アンテナの前記第１の透明平面放射素子および第１の透
明平面アンテナ接地面が、前記第１の透明薄膜上におい
て同一平面上に形成されることにより、前記第１の平面
アンテナが、一枚の第１の透明薄膜上に設けられている
ことを特徴とする請求項９に記載の平面アンテナを備え
た液晶表示装置。
【請求項１２】前記液晶パネルのマトリクスが、カラー
フィルタを備えた薄膜トランジスタマトリクスであり、前記カラーフィルタが、前記液晶パネルのマトリクス透
明接地面と前記第１の透明平面アンテナ接地面とを含む
ことを特徴とする請求項９に記載の平面アンテナを備え
た液晶表示装置。
【請求項１３】複数の平面アンテナを有し、前記複数の平面アンテナが、対応する複数の平面放射素
子と共有平面アンテナ接地面とを有し、前記複数の平面アンテナが、それぞれ前記第１のＸＹ座
標系に重畳する複数のＸＹ座標系にマトリクス状に形成
された金属線からなる金属フィルム構造を有し、前記第１の平面アンテナおよび液晶パネルの各非透光部
を、重ねて配置することによって、第１の平面アンテナ
の透光性を向上させることを特徴とする請求項１０に記
載の平面アンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項１４】前記複数の平面アンテナが、共平面構造
の平面アンテナ、透明平面放射素子と透明平面アンテナ
接地面とが異なる平面上に形成されたマイクロ・ストリ
ップ構造の平面アンテナ、およびこれらの組み合わせか
らなる平面アンテナよりなるグループより選ばれる平面
アンテナであることを特徴とする請求項１３に記載の平
面アンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項１５】第１のＸＹ座標系にマトリクス状に形成
された電気配線に接続された複数の調光用トランジスタ
を有する液晶パネルと、高導電性の第１の透明平面放射素子を備え、第１の動作
周波数を有する少なくとも１つの第１の平面アンテナ
と、前記液晶パネルの電気配線に対する導電性グランドとし
て機能するとともに、前記第１の平面アンテナの導電性
のアンテナ接地面としても機能する接地面とを含むこと
を特徴とする平面アンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項１６】前記第１の平面アンテナの第１の透明平
面放射素子および第１の透明平面アンテナ接地面は、前
記第１のＸＹ座標系と密に相関する第２のＸＹ座標系に
配線がマトリクス状もしくはＸないしＹの単一方向の平
行線状に形成されてなる金属フィルム構造を有し、前記第１の平面アンテナおよび液晶パネルの各非透光部
を、重ねて配置することによって、第１の平面アンテナ
の透光性を向上させることを特徴とする請求項１５に記
載の平面アンテナを備えた液晶表示装置。
【請求項１７】第１の透明薄膜を含み、前記第１の平面
アンテナの前記第１の透明平面放射素子および第１の透
明平面アンテナ接地面が、前記第１の透明薄膜上におい
て同一平面上に形成されることにより、前記第１の平面
アンテナが、一枚の第１の透明薄膜上に設けられている
ことを特徴とする請求項１６に記載の平面アンテナを備
えた液晶表示装置。
【請求項１８】前記液晶パネルのマトリクスが、カラー
フィルタを備えた薄膜トランジスタ型であり、前記カラーフィルタが、前記液晶パネルの透明接地面と
前記第１の透明平面アンテナ接地面とを含むことを特徴
とする請求項１５に記載の平面アンテナを備えた液晶表
示装置。
【請求項１９】上記平面アンテナを介して受信した無線
信号を上記液晶パネルへの表示信号に変換する信号処理
回路を備えた液晶テレビに搭載されることを特徴とする
請求項１から１８の何れかに記載の平面アンテナを備え
た液晶表示装置。
【請求項２０】上記平面アンテナを介して外部機器との
通信を行う情報処理回路を備えたコンピュータに搭載さ
れることを特徴とする請求項１から１８の何れかに記載
の平面アンテナを備えた液晶表示装置。