WO2020230391A1 - アンテナ素子、アンテナモジュール、および通信装置 - Google Patents
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Abstract
アンテナ素子の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制する。可視光を透過する第1放射素子(110)は、第1電極(111)と、第2電極(112)とを含む。第1電極(111)は、少なくとも1つの線状導体(CL1,CL2)から形成されている。第2電極(112)は、第1電極(111)を形成している材料の可視光の透過率よりも大きい透過率を有する材料から形成されている。第2電極(112)の導電率は、第1電極(111)の導電率よりも小さい。第1電極(111)および第2電極(112)は、積層方向(Z)において対向している。積層方向(Z)から第1放射素子(110)を平面視したとき、第1放射素子(110)は、第1電極(111)が少なくとも1つの線状導体(CL1,CL2)と重なっている第1領域と第1電極(111)が少なくとも1つの線状導体(CL1,CL2)と重なっていない第2領域(TR)とを有する。
Description
本発明は、アンテナ素子、アンテナモジュール、および通信装置に関する。
従来、可視光の透過領域が形成されたアンテナ素子が知られている。たとえば、特開2001-320218号公報(特許文献1)には、アンテナ素子を形成する導体電極として、メッシュ状に多数の貫通孔を設けることにより光を透過できるものを用いたアンテナが開示されている。
しかし、上記のような導体電極をアンテナ素子の放射素子に用いると、電波を放射可能な面積が減少するため、アンテナ素子の放射効率が低下する。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的はアンテナ素子の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制することである。
本発明の一実施形態に係るアンテナ素子は、可視光を透過する第1放射素子を備える。第1放射素子は、第1電極と、第2電極とを含む。第1電極は、少なくとも1つの線状導体から形成されている。第2電極は、第1電極を形成している材料の可視光の透過率よりも大きい透過率を有する材料から形成されている。第2電極の導電率は、第1電極の導電率よりも小さい。第1電極および第2電極は、積層方向において対向している。積層方向から第1放射素子を平面視したとき、第1放射素子は、第1電極が少なくとも1つの線状導体と重なっている第1領域と第1電極が少なくとも1つの線状導体と重なっていない第2領域とを有する。
本発明の一実施形態に係るアンテナ素子によれば、積層方向から第1放射素子を平面視したとき、第1電極が少なくとも1つの線状導体と重なっている第1領域と第1電極が少なくとも1つの線状導体と重なっていない第2領域とを第1放射素子が有することにより、アンテナ素子の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制することができる。
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。
図1は、アンテナアレイ10を備える通信装置3000のブロック図である。通信装置3000としては、携帯電話,スマートフォン,タブレットなどの携帯端末、あるいは通信機能を有するパーソナルコンピュータなどを挙げることができる。
図1に示されるように、通信装置3000は、アンテナモジュール1100と、ベースバンド信号処理回路を構成するBBIC(Baseband Integrated Circuit)2000とを備える。アンテナモジュール1100は、高周波素子の一例であるRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)140と、アンテナアレイ10とを備える。
通信装置3000は、BBIC2000からアンテナモジュール1100へ伝達されたベースバンド信号を高周波信号にアップコンバートしてアンテナアレイ10から放射する。通信装置3000は、アンテナアレイ10で受信した高周波信号をベースバンド信号にダウンコンバートしてBBIC2000にて信号処理する。
アンテナアレイ10においては、複数のパッチ状のアンテナ素子100が、規則的に配置されている。図1においては、アンテナアレイ10に含まれる複数のアンテナ素子100のうち、点線で囲まれた4つのアンテナ素子100に対応するRFIC140の構成が示されている。
RFIC140は、スイッチ31A~31D,33A~33D,37と、パワーアンプ32AT~32DTと、ローノイズアンプ32AR~32DRと、減衰器34A~34Dと、移相器35A~35Dと、信号合成/分波器36と、ミキサ38と、増幅回路39とを備える。
RFIC140は、たとえば、アンテナアレイ10に含まれる複数のアンテナ素子100に対応する回路要素(スイッチ、パワーアンプ、ローノイズアンプ、減衰器、および移相器)を含む1チップの集積回路部品として形成される。あるいは、当該回路要素については、RFIC140とは別に、アンテナ素子100毎に1チップの集積回路部品として形成されてもよい。
高周波信号を受信する場合、スイッチ31A~31D,33A~33Dがローノイズアンプ32AR~32DR側へ切換えられるとともに、スイッチ37が増幅回路39の受信側アンプに接続される。
アンテナ素子100によって受信された高周波信号は、スイッチ31A~31Dから移相器35A~35Dまでの各信号経路を経由し、信号合成/分波器36によって合波され、ミキサ38によってベースバンド信号にダウンコンバートされ、増幅回路39によって増幅されてBBIC2000へ伝達される。
高周波信号をアンテナアレイ10から送信する場合には、スイッチ31A~31D,33A~33Dがパワーアンプ32AT~32DT側へ切換えられるとともに、スイッチ37が増幅回路39の送信側アンプに接続される。
BBIC2000から伝達されたベースバンド信号は、増幅回路39によって増幅され、ミキサ38によってアップコンバートされる。アップコンバートされた高周波信号は、信号合成/分波器36によって4分波され、移相器35A~35Dからスイッチ31A~31Dまでの各信号経路を通過してアンテナ素子100に給電される。各信号経路に配置された移相器35A~35Dの移相度が個別に調整されることにより、アンテナアレイ10の指向性を調整することが可能となる。
[実施の形態1]
図2は、実施の形態1に係るアンテナモジュール1100の断面図である。図2において、X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交している。図3~図13においても同様である。
図2は、実施の形態1に係るアンテナモジュール1100の断面図である。図2において、X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交している。図3~図13においても同様である。
図2に示されるように、アンテナモジュール1100は、アンテナ素子100と、RFIC140(高周波素子)とを備える。アンテナ素子100は、放射素子110(第1放射素子)と、放射素子113(第2放射素子)と、誘電体層120,121と、接地電極130とを含む。誘電体層120,121は、Z軸方向を積層方向として積層されている。接地電極130は、誘電体層120に配置されている。放射素子110および放射素子113は、誘電体層121に配置されている。接地電極130は、RFIC140と放射素子113との間に配置されている。なお、放射素子110、放射素子113、および接地電極130が配置される誘電体層は、2層に分けられている必要はなく、1層でもよいし、3層以上に分けられていてもよい。
ビア導体150は、接地電極130を貫通し、放射素子113とRFIC140とを接続している。ビア導体150は、接地電極130から絶縁されている。RFIC140は、ビア導体150を介して放射素子113に高周波信号を供給する。
放射素子110は、メッシュ電極111(第1電極)と、平面状の透明電極112(第2電極)とを含む。メッシュ電極111および透明電極112は、Z軸方向に対向している。メッシュ電極111は、透明電極112に接触するように形成されている。メッシュ電極111のZ軸方向の厚みおよび透明電極112のZ軸方向の厚みは、それぞれ3μmおよび6μmである。透明電極112を形成する材料の可視光の透過率は、メッシュ電極111を形成する材料の可視光の透過率よりも大きい。透明電極112の可視光の透過率は、メッシュ電極111全体の可視光の透過率と同程度であってもよい。透明電極112の導電率は、メッシュ電極111の導電率よりも小さく、誘電体層121の導電率よりも大きい。透明電極112の導電率は、たとえばメッシュ電極111の導電率の1/1000以下である。メッシュ電極111は、放射素子113側の透明電極112の面に配置されることにより、透明電極112と放射素子113との間に配置されている。メッシュ電極111は、たとえば銅、アルミニウム、銀、あるいはクロムから形成されている。
透明電極112は、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)から形成されている。透明電極112は、たとえば酸化亜鉛、酸化スズ、あるいはグラフェンから形成されてもよいし、半透明な導体(たとえば厚さ100nm以下のクロムまたはアルミニウム)から形成されてもよい。
アンテナモジュール1100において、放射素子113は給電素子であり、メッシュ電極111は無給電素子である。なお、メッシュ電極111および放射素子113の両方が給電素子であってもよい。
図3は、図2の放射素子110をZ軸方向から平面視した図である。図3に示されるように、メッシュ電極111が透明電極112に透けて見えている。メッシュ電極111は、X軸方向に延在する複数の線状導体CL1と、Y軸方向に延在する複数の線状導体CL2とを含む。複数の線状導体CL1,CL2は、透明電極112に形成されている。複数の線状導体CL1と複数の線状導体CL2とが交差することにより、メッシュ電極111はメッシュ状に形成されている。2つの線状導体CL1と2つの線状導体CL2とによって、Z軸方向に貫通する1つの孔TRが囲まれている。複数の孔TR(第2領域)は、規則的に配置され、可視光の透過領域を形成している。すなわち、放射素子110は、メッシュ電極111が複数の線状導体CL1,CL2と重なっている領域(第1領域)とメッシュ電極111が複数の線状導体CL1,CL2と重なっていない孔TRとを有する。
線状導体CL1,CL2の幅W1およびピッチP1は、たとえば、それぞれ5μmおよび20μmである。Z軸方向から平面視したとき、透明電極112の面積に対する複数の孔TRの面積の割合は5割以上であることが望ましい。メッシュ電極111の可視光の透過率は、80%以上であることが望ましい。
アンテナ素子100においては、透明電極112の導電率よりもメッシュ電極111の導電率の方が大きいため、動作電流の集中する放射素子110の裏面の電流通過損失が低減される。メッシュ電極111を流れる電流によって発生する電界は、透明電極112によって放射素子110の放射面全域に分散される。その結果、メッシュ電極111によって強度が強められた電波が放射素子110の放射面全域からが放射される。すなわち、アンテナ素子100においては、透明電極112によって透明性を確保することに伴う放射効率の低下を、メッシュ電極111によって補うことができる。
なお、アンテナ構成(アンテナ素子あるいはアンテナモジュール)の放射効率とは、アンテナ構成に入力された電力のうち、アンテナ構成から空間に電波として放射された電力の割合である。放射効率が小さいほど、アンテナ構成に入力された電力のうちアンテナ構成の内部で消費された電力の割合が大きいことを意味する。
図4は、比較例に係るアンテナモジュール1900の断面図である。アンテナモジュール1900の構成は、図2のアンテナ素子100がアンテナ素子900に置き換えられた構成である。アンテナ素子900の構成は、アンテナ素子100からメッシュ電極111が除かれた構成である。それ以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
アンテナ素子900における透明電極112の可視光の透過率とアンテナ素子100の放射素子110の可視光の透過率は同等である。しかし、アンテナ素子100の放射効率は-0.341dBであるのに対して、アンテナ素子900の放射効率は-0.914dBである。放射効率についてはアンテナ素子100の方がアンテナ素子900よりも優れている。アンテナ素子100によれば、透明電極112の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制することができる。
図5は、実施の形態1の変形例1に係るアンテナモジュール1110の断面図である。アンテナモジュール1110の構成は、図2のアンテナ素子100がアンテナ素子100Aに置き換えられた構成である。アンテナ素子100Aの構成は、アンテナ素子100の放射素子110が放射素子110A(第1放射素子)に置き換えられた構成である。これら以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
図5に示されるように、放射素子110Aにおいては、メッシュ電極111と透明電極112とが離間して配置されている。メッシュ電極111と透明電極112との間隔は、たとえば20μmである。メッシュ電極111と透明電極112との間には接着層が形成されてもよい。アンテナ素子100Aの放射効率は、-0.455dBである。アンテナ素子100Aの放射効率は、アンテナ素子900の放射効率(-0.914dB)よりも優れている。
アンテナ素子100Aにおいては、メッシュ電極111と透明電極112との間に透明電極112の導電率よりも小さい導電率を有する部材が配置されるため、メッシュ電極111から透明電極112への電力の伝達がアンテナ素子100よりも抑制される。そのため、アンテナ素子100Aの放射効率は、アンテナ素子100の放射効率よりも低い。
図6は、実施の形態1の変形例2に係るアンテナモジュール1120の断面図である。アンテナモジュール1120の構成は、図2のアンテナ素子100がアンテナ素子100Bに置き換えられた構成である。アンテナ素子100Bの構成は、アンテナ素子100の放射素子110が放射素子110B(第1放射素子)に置き換えられた構成である。これら以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
図6に示されるように、放射素子110Bにおけるメッシュ電極111と透明電極112とのZ軸方向における配置は、図2の放射素子110におけるメッシュ電極111と透明電極112とのZ軸方向における配置に対して逆である。透明電極112は、メッシュ電極111と放射素子113との間に配置されている。メッシュ電極111は、放射素子113とは反対側の透明電極112の面に配置されている。
アンテナ素子100Bの放射効率は、-0.847dBである。アンテナ素子100Bの放射効率は、アンテナ素子900の放射効率(-0.914dB)よりも優れている。アンテナ素子100Bにおいては、動作電流の密度が低い放射素子110Bの表面にメッシュ電極111が形成されているため、損失の低減効果が抑制される。そのため、アンテナ素子100Bの放射効率は、アンテナ素子100の放射効率よりも低い。
なお、実施の形態1および変形例1,2においてはアンテナ素子がパッチ状である場合について説明した。実施の形態に係るアンテナ素子はパッチ状のアンテナ素子に限定されず、ダイポールアンテナのような線状のアンテナ素子であってもよい。
以上、実施の形態1および変形例1,2に係るアンテナ素子によれば、アンテナ素子の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制することができる。
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2に係るアンテナモジュール1200の断面図である。アンテナモジュール1200の構成は、図2のアンテナ素子100がアンテナ素子200に置き換えられた構成である。アンテナ素子200の構成は、アンテナ素子100の誘電体層120,121およびビア導体150が、誘電体層220、筐体221、およびビア導体250に置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため,説明を繰り返さない。
図7は、実施の形態2に係るアンテナモジュール1200の断面図である。アンテナモジュール1200の構成は、図2のアンテナ素子100がアンテナ素子200に置き換えられた構成である。アンテナ素子200の構成は、アンテナ素子100の誘電体層120,121およびビア導体150が、誘電体層220、筐体221、およびビア導体250に置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため,説明を繰り返さない。
図7に示されるように、放射素子110は、筐体221を形成する部材の内部に配置されている。放射素子113は、誘電体層220に配置されている。ビア導体250は、接地電極130を貫通し、放射素子113とRFIC140とを接続している。ビア導体250は、接地電極130から絶縁されている。RFIC140は、ビア導体250を介して放射素子113に高周波信号を供給する。
以上、実施の形態2に係るアンテナモジュールによれば、アンテナ素子の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制することができる。
[実施の形態3]
図8は、実施の形態3に係るアンテナモジュール1300の断面図である。アンテナモジュール1300の構成は、図7のアンテナ素子200がアンテナ素子300に置き換えられた構成である。アンテナ素子300の構成は、アンテナ素子200の誘電体層220、筐体221およびビア導体250が、誘電体層320、筐体321、および接続導体350に置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため,説明を繰り返さない。
図8は、実施の形態3に係るアンテナモジュール1300の断面図である。アンテナモジュール1300の構成は、図7のアンテナ素子200がアンテナ素子300に置き換えられた構成である。アンテナ素子300の構成は、アンテナ素子200の誘電体層220、筐体221およびビア導体250が、誘電体層320、筐体321、および接続導体350に置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため,説明を繰り返さない。
図8に示されるように、筐体321は、誘電体層320およびRFIC140を収容する。放射素子110および放射素子113は、筐体321を形成する部材の内部に配置されている。誘電体層320の側の放射素子113の表面は、筐体321から露出している。接続導体350は、ビア導体351と、導電部材352とを含む。
ビア導体351は、誘電体層320に形成され、ビア導体351の一方端がRFIC140に接続されている。ビア導体351は、接地電極130を貫通し、かつ、接地電極130から絶縁されている。導電部材352は、誘電体層320と筐体321との間に形成され、導電部材352の一方端がビア導体351の他方端に接続されている。導電部材352は、たとえば、ばね端子あるいは導電性エラストマーのような弾性力を生じる部材から形成されている。
誘電体層320に筐体321が装着された場合、導電部材352の他方端は、所定の弾性力で放射素子113を押圧する。導電部材352の他方端が放射素子113に押し付けられることにより、導電部材352の他方端が放射素子113に電気的に接続される。RFIC140は、接続導体350を介して放射素子113に高周波信号を供給する。
図9は、実施の形態3の変形例に係るアンテナモジュール1310の断面図である。アンテナモジュール1310の構成は、図8のアンテナ素子300がアンテナ素子300Aに置き換えられた構成である。アンテナ素子300Aの構成は、アンテナ素子300の構成に線路導体353が追加されているとともに、放射素子110および放射素子113の位置がY軸方向に移動された構成である。
図9に示されるように、Z軸方向において放射素子110および放射素子113は、RFIC140と重なっていない。誘電体層320に筐体321が装着された場合に、導電部材352の他方端は、所定の弾性力で線路導体353を押圧する。導電部材352の他方端は、線路導体353に押し付けられることにより、線路導体353に電気的に接続される。線路導体353は、放射素子113と導電部材352他方端とを接続する。RFIC140は、接続導体350および線路導体353を介して放射素子113に高周波信号を供給する。
以上、実施の形態3および変形例に係るアンテナモジュールによれば、アンテナ素子の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制することができる。
[実施の形態4]
図10は、実施の形態4に係るアンテナモジュール1400の断面図である。アンテナモジュール1400の構成は、図2のアンテナ素子100がアンテナ素子400に置き換えられた構成である。アンテナ素子400の構成は、アンテナ素子100の構成から誘電体層121および放射素子113が除かれているとともに、誘電体層120およびビア導体150が誘電体層420およびビア導体450にそれぞれ置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図10は、実施の形態4に係るアンテナモジュール1400の断面図である。アンテナモジュール1400の構成は、図2のアンテナ素子100がアンテナ素子400に置き換えられた構成である。アンテナ素子400の構成は、アンテナ素子100の構成から誘電体層121および放射素子113が除かれているとともに、誘電体層120およびビア導体150が誘電体層420およびビア導体450にそれぞれ置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図10に示されるように、放射素子110は、誘電体層420に配置されている。メッシュ電極111は、接地電極130側の透明電極112の面に配置されることにより、透明電極112と接地電極130との間に配置されている。ビア導体450は、接地電極130を貫通し、メッシュ電極111とRFIC140とを接続している。ビア導体450は、接地電極130から絶縁されている。RFIC140は、ビア導体450を介してメッシュ電極111に高周波信号を供給する。実施の形態4において、メッシュ電極111は、給電素子である。
図11は、実施の形態4の変形例1に係るアンテナモジュール1410の断面図である。アンテナモジュール1410の構成は、図10のアンテナ素子400がアンテナ素子400Aに置き換えられた構成である。アンテナ素子400Aの構成は、アンテナ素子400の構成に筐体421が追加されているとともに、ビア導体450が接続導体450Aに置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図11に示されるように、筐体421は、誘電体層420およびRFIC140を収容する。放射素子110は、筐体421を形成する部材に配置されている。接続導体450Aは、ビア導体451と、導電部材452と、ビア導体453とを含む。
ビア導体451は、誘電体層420に形成され、ビア導体451の一方端がRFIC140に接続されている。ビア導体451は、接地電極130を貫通し、かつ、接地電極130から絶縁されている。ビア導体453は、筐体421に形成されている。ビア導体453の一方端はメッシュ電極111に接続され、ビア導体453の他方端は筐体421から露出している。導電部材452は、誘電体層420と筐体421との間に形成され、導電部材452の一方端がビア導体451の他方端に接続されている。導電部材452は、たとえば、ばね端子あるいは導電性エラストマーのような弾性力を生じる部材から形成されている。
誘電体層420に筐体421が装着された場合、導電部材452の他方端は、所定の弾性力でビア導体453の他方端を押圧する。導電部材452の他方端は、ビア導体453の他方端に押し付けられることにより、ビア導体453の他方端に電気的に接続される。RFIC140は、接続導体450Aを介してメッシュ電極111に高周波信号を供給する。
図12は、実施の形態4の変形例2に係るアンテナモジュール1420の断面図である。アンテナモジュール1420の構成は、図11のアンテナ素子400Aがアンテナ素子400Bに置き換えられた構成である。アンテナ素子400Bの構成は、アンテナ素子400Aの構成に線路導体454が追加されているとともに、放射素子110の位置がY軸方向に移動された構成である。
図12に示されるように、Z軸方向において放射素子110は、RFIC140と重なっていない。線路導体454は、メッシュ電極111とビア導体453とを接続する。RFIC140は、接続導体450Aおよび線路導体454を介してメッシュ電極111に高周波信号を供給する。
以上、実施の形態4および変形例1,2に係るアンテナモジュールによれば、アンテナ素子の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制することができる。
[実施の形態5]
図13は、実施の形態5に係るアンテナモジュール1500の断面図である。アンテナモジュール1500の構成は、図12のアンテナ素子400Bがアンテナ素子500に置き換えられた構成である。アンテナ素子500の構成は、アンテナ素子400Bの筐体421、接続導体450A、および線路導体454が、筐体521、接続導体550、および線路導体554にそれぞれ置き換えられているとともに、LCD(Liquid Crystal Display)522(液晶部材)が追加された構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図13は、実施の形態5に係るアンテナモジュール1500の断面図である。アンテナモジュール1500の構成は、図12のアンテナ素子400Bがアンテナ素子500に置き換えられた構成である。アンテナ素子500の構成は、アンテナ素子400Bの筐体421、接続導体450A、および線路導体454が、筐体521、接続導体550、および線路導体554にそれぞれ置き換えられているとともに、LCD(Liquid Crystal Display)522(液晶部材)が追加された構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
図13に示されるように、筐体521は、誘電体層420およびRFIC140を収容する。LCD522は、筐体521の外部に配置されている。放射素子110は、LCD522に配置されている。線路導体554は、LCD522に形成され、メッシュ電極111に接続されている。放射素子110および線路導体554は、LCD522の製造プロセスにおいてLCD522に配置可能である。接続導体550は、ビア導体551と、導電部材552と、ビア導体553とを含む。
ビア導体551は、誘電体層420に形成され、ビア導体551の一方端がRFIC140に接続されている。ビア導体551は、接地電極130を貫通し、かつ、接地電極130から絶縁されている。ビア導体553は、筐体521に形成されている。ビア導体553の一方端は線路導体554に接続され、ビア導体553の他方端は筐体521から露出している。ビア導体553は、LCD522を貫通し、かつ、LCD522から絶縁されている。導電部材552は、誘電体層420と筐体521との間に形成されている。導電部材552の一方端は、ビア導体551の他方端に接続されている。導電部材552は、たとえば、ばね端子あるいは導電性エラストマーのような弾性力を生じる部材から形成されている。
誘電体層420に筐体521が装着された場合、導電部材552の他方端は、ビア導体553の他方端を所定の弾性力により押圧する。導電部材552の他方端は、ビア導体553の他方端に押し付けられることにより、ビア導体553の他方端に電気的に接続される。RFIC140は、接続導体550および線路導体554を介してメッシュ電極111に高周波信号を供給する。
アンテナモジュール1500が小型化されるほど、アンテナモジュール1500の内部において放射素子110を配置可能なスペースが限定される。また、放射素子110の位置がアンテナモジュール1500の表面に近いほど、アンテナモジュール1500の放射効率を向上させることができる。この点、透明性が確保されている放射素子110によれば、LCD522の表示を損なうことなく、アンテナモジュール1500の表面を形成するLCD522に放射素子110を配置することができる。すなわち、放射素子110によればアンテナモジュールの表示を損なうことなく、アンテナモジュールの小型化を実現することができるとともに、アンテナモジュールの放射効率を向上させることができる。また、透明電極112により、メッシュ電極111のLCD522からの剥離が抑制される。当該剥離の防止という観点から、Z軸方向から放射素子110を平面視したとき、透明電極112は、メッシュ電極111を覆っていることが望ましい。
以上、実施の形態5に係るアンテナモジュールによれば、アンテナ素子の透明性を確保しながら、放射効率の低下を抑制することができる。
今回開示された各実施の形態は、矛盾しない範囲で適宜組み合わされて実施されることも予定されている。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 アンテナアレイ、31A~31D,33A~33D,37 スイッチ、32AR~32DR ローノイズアンプ、32AT~32DT パワーアンプ、34A~34D 減衰器、35A~35D 移相器、36 分波器、38 ミキサ、39 増幅回路、100,100A,100B,200,300,300A,400,400A,400B,500,900 アンテナ素子、110,110A,110B,113 放射素子、111 メッシュ電極、112 透明電極、120,121,220,320,420 誘電体層、130 接地電極、140 RFIC、150,250,351,450,451,453,551,553 ビア導体、221,321,421,521 筐体、350,450A,550 接続導体、352,452,552 導電部材、353,454,554 線路導体、1100,1110,1120,1200,1300,1310,1400,1410,1420,1500,1900 アンテナモジュール、3000 通信装置、CL1,CL2 線状導体。
Claims (15)
- 可視光を透過する第1放射素子を備え、
前記第1放射素子は、
少なくとも1つの線状導体から形成される第1電極と、
前記第1電極を形成している材料の可視光の透過率よりも大きい透過率を有する材料から形成された第2電極とを含み、
前記第2電極の導電率は、前記第1電極の導電率よりも小さく、
前記第1電極および前記第2電極は、積層方向において対向し、
前記積層方向から前記第1放射素子を平面視したとき、前記第1放射素子は、前記第1電極が前記少なくとも1つの線状導体と重なっている第1領域と前記第1電極が前記少なくとも1つの線状導体と重なっていない第2領域とを有する、アンテナ素子。 - 前記少なくとも1つの線状導体は、メッシュ状に形成されている、請求項1に記載のアンテナ素子。
- 前記少なくとも1つの線状導体は、前記第2電極に接触するように形成されている、請求項1または2に記載のアンテナ素子。
- 前記積層方向において前記第1放射素子と対向する接地電極をさらに備え、
前記アンテナ素子は、パッチアンテナである、請求項1~3のいずれか1項に記載のアンテナ素子。 - 前記第1放射素子と前記接地電極との間において前記第1放射素子と対向するように配置された第2放射素子をさらに備え、
前記第2放射素子は、給電素子である、請求項4に記載のアンテナ素子。 - 前記第1電極は、前記第2電極と前記第2放射素子との間に配置されている、請求項5に記載のアンテナ素子。
- 前記アンテナ素子を収容する筐体をさらに備え、
前記第1放射素子は、前記筐体を形成する部材に配置されている、請求項5または6に記載のアンテナ素子。 - 前記第2放射素子は、前記部材の内部に配置されている、請求項7に記載のアンテナ素子。
- 前記第1電極は、前記第2電極と前記接地電極との間に配置され、
前記第1電極は、給電素子である、請求項4に記載のアンテナ素子。 - 前記アンテナ素子を収容する筐体をさらに備え、
前記第1放射素子は、前記筐体を形成する部材に配置されている、請求項9に記載のアンテナ素子。 - 前記積層方向から平面視したとき、前記第2電極の面積に対する前記第2領域の面積の割合は5割以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載のアンテナ素子。
- 前記第2電極は、酸化インジウムスズを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のアンテナ素子。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載のアンテナ素子と、
前記アンテナ素子に高周波信号を供給する高周波素子とを備える、アンテナモジュール。 - 請求項7、8、または10のいずれか1項に記載のアンテナ素子と、
前記アンテナ素子に高周波信号を供給する高周波素子とを備え、
前記筐体は、前記高周波素子をさらに収容する、通信装置。 - 前記筐体の外部に配置された液晶部材をさらに備え、
前記第1放射素子は、前記液晶部材に配置されている、請求項14に記載の通信装置。
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