JP2000128346A - 浮揚装置、浮揚搬送装置および熱処理装置 - Google Patents

浮揚装置、浮揚搬送装置および熱処理装置

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JP2000128346A
JP2000128346A JP12711599A JP12711599A JP2000128346A JP 2000128346 A JP2000128346 A JP 2000128346A JP 12711599 A JP12711599 A JP 12711599A JP 12711599 A JP12711599 A JP 12711599A JP 2000128346 A JP2000128346 A JP 2000128346A
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heat treatment
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Masataka Morita
真登 森田
Yuji Tsutsui
裕二 筒井
Masaru Yoshida
勝 吉田
Nobuhito Yokoyama
暢人 横山
Kenji Tanimoto
憲司 谷本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
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  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理材を熱処理する場合において、使用す
る気体の量を最小限にする。 【解決手段】 亜音速〜音速の範囲の吐出速度で気体を
気体吐出手段10から対象物44に向かって吐出してそ
れにより対象物を浮揚する浮揚装置;対象物に対して気
体を気体吐出手段の気体吐出口12から吐出してそれに
より対象物を上方で浮揚するプレート14を有して成る
浮揚装置であって、プレートは、プレートで開口して気
体を吐出する気体吐出口から放射状に延びる複数の溝部
52を有する浮揚装置;および対象物に対して気体を気
体吐出手段の気体吐出口から吐出して、それによって対
象物を上方で浮揚するプレートを有して成る気体浮揚装
置であって、プレートは、その中央部に気体吐出口を有
し、その気体吐出口を包囲するように周状に複数の溝部
60が形成されている浮揚装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプラズマ・
ディスプレイ・パネルあるいは、太陽電池パネルを最終
製品とする製造工程における製品原材料または部品、中
間製品などのような被処理材としての対象物の熱処理方
法および熱処理装置に関し、より詳しくは、そのような
熱処理方法または熱処理装置内において使用できる対象
物の搬送方法および搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の製品の製造過程において、様々の
熱処理、例えば加熱および冷却処理等が利用されてい
る。具体的には、乾燥、焼成、封着、排気、アニール、
その他の熱処理によって達成される作用は数多く知られ
ている。
【0003】例えば、熱処理の生産性を向上させるため
に、被処理材をメッシュベルトコンベア、ローラハース
等で搬送しつつ、ドーム状あるいはトンネル状の加熱炉
内を通過させて加熱処理を施すことが提案されている。
【0004】図18に、電子部品等の製造に一般的に使
われている電気抵抗加熱によるメッシュベルト搬送式熱
処理装置を模式的に斜視図にて示す。熱処理装置100
では、電気抵抗ヒーターブロック102で囲まれた加熱
マッフル104と呼ばれる金属材により形成されたトン
ネル内を、メッシュベルト106が連続的に一方向へ移
動している。熱処理する被処理材108はこのメッシュ
ベルト106に載せられて供給部(ローダー)110側
から排出部(アンローダー)112側へ移動する。被処
理材108は、加熱マッフル104を通過しながら所定
の温度で加熱される。メッシュベルト106と被処理材
108は、ヒーターブロック102で囲まれたゾーンを
通過すると、冷却水管114が施された冷却マッフル1
16を通過しながら冷却される。
【0005】熱処理に使用される加熱炉には、一般的
に、被処理材の搬送方向に沿って、被処理材を加熱昇温
させる昇温ゾーンと、昇温した被処理材の温度を一定に
維持する恒温ゾーンと、被処理材を冷却降温させる降温
ゾーンとが配置され、被処理材が各ゾーンを順次通過す
る間に所定の熱処理が施されるようになっている。通
常、昇温ゾーンでは熱が加えられ、恒温ゾーンでは放熱
量に見合う分だけ熱が加えられ、降温ゾーンでは熱が奪
われる。
【0006】通常、電子部品の熱処理に用いられる加熱
炉の加熱方式としては、電気エネルギーを利用する電気
抵抗加熱、ランプ照射によるイメージ加熱、気体燃料等
の燃焼熱による加熱があり、これらが単独または組み合
わせて使用される。被処理材のような熱負荷に対して変
動が小さく、安定した熱処理条件を維持するためには、
上述のような加熱方式により、熱容量の大きい雰囲気を
有する熱処理空間を形成する必要があり、熱処理空間を
構成する、熱処理装置の内部構造物をも加熱する必要が
ある。
【0007】上記のような従来の熱処理方法では、被処
理材の熱処理において、被処理材全体に対して均一に昇
温、恒温、降温処理を施す際に、大きな熱処理空間を必
要とし、それに伴い、損失する熱エネルギーが大きい。
この大きな熱処理空間を維持するために、熱処理装置に
投入する熱エネルギーのうち、被処理材が加熱処理にて
実際に有効に消費される熱エネルギー(有効保有熱)の
割合が少なく、大部分の投入熱エネルギーが無駄に消費
されるという問題があり、熱処理のコストが高くなる原
因にもなっていた。
【0008】上述のように、図18は、電子部品等の熱
処理に利用される一般的なメッシュベルト搬送式の熱処
理装置の内部が判るようにした部分切除斜視図である。
このような熱処理装置での熱エネルギーの利用効率が低
い原因は、例えば次の理由が考えられる。
【0009】図19に、従来の熱処理装置の熱勘定図を
示す。実際に熱処理装置に投入される熱エネルギーを1
00%として熱収支を計算すると、被処理材を搬送する
コンベアが出入りするトンネル状の代表的加熱炉では、
常に出入口が開放されているため、加熱炉内に供給され
た熱エネルギーが出入口から放出されてしまう。このよ
うな出入口からの熱エネルギーの放出は、供給された熱
エネルギーの30%程度にもなる。
【0010】また、熱処理装置内では、被処理材に加え
てコンベアをも加熱しなければならないため、コンべア
を加熱するために多くの熱エネルギーが消費される。複
雑な機構装置であり、熱容量も大きなコンベアを加熱す
るには大量の熱エネルギーが必要である。コンベアが加
熱炉を出ると、熱処理装置内でコンベアに供給された熱
エネルギーは外部に放出されてしまい、無駄になる。コ
ンべアが熱処理装置を循環して出入りする毎に、大量の
熱エネルギーをコンベアに供給し、供給された熱エネル
ギーを利用することなく外部に放出していることにな
る。このようなコンベアによる熱エネルギーの持ち出し
は、供給された熱エネルギーの20%程度にもなる。
【0011】更に、従来の熱処理技術では、加熱炉の炉
壁から外部に放出される熱エネルギーの量も大きく、供
給された熱エネルギーの45%程度が炉壁から放出され
てしまう。これらの結果、従来の熱処理装置では、供給
された熱エネルギーのうち、被処理材の加熱処理に利用
できる熱エネルギーは、全体のわずか5%以下程度に過
ぎないと言われており、極めて非効率な熱処理を行って
いるのが現状である。
【0012】本明細書を通じて「熱処理」とは、被処理
材の昇温、恒温、降温またはこれらの組み合わせの処理
であって、被処理材の温度を上げる、下げる、または一
定に保つこと、あるいはこれらのいずれかの組み合わせ
の処理であってもよく、そのために被処理材に熱を加え
ること、またはそれから熱を奪うこと、あるいはこれら
の種々の組み合わせ(場合により断熱することを含んで
もよい)のいずれの処理であってもよい。この熱処理に
よって、被処理材の少なくとも1つの特性(例えば、水
分保有率、重量、電気抵抗、透過率、形成膜厚またはそ
の均一性、内部応力またはひずみ、強度、組成等)が所
定のように変化する。
【0013】例えば、被処理材に熱を加える処理には、
被処理材の温度を所定の温度までに所定時間で上げる処
理、被処理材の温度を所定温度で所定時間維持する処理
および被処理材を所定の温度変化条件にさらす処理等が
含まれる。また、被処理材から熱を奪う処理には、熱を
加えない時の場合、すなわち自然冷却による方法、ある
いは、動力により冷風を吹き付けたり、所定の温度に制
御可能な熱を吸収する面または放熱する面等を利用した
強制冷却による方法により、被処理材の温度を低下させ
る処理が含まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、例えばプラズマ・ディスプレイ・パネルおよび太陽
電池パネル製造における、種々の被処理材を熱処理する
場合における上述の問題点を解消し、使用する気体の量
を最小限にして熱エネルギーの利用効率を向上させて、
生産性の向上および品質のより高い中間製品または最終
製品を提供する熱処理方法よび熱処理装置に適用できる
対象物としての被処理材の浮揚装置および気体浮揚・搬
送装置ならびに浮揚方法および搬送方法を提供すること
にある。
【0015】特に、本発明は、熱処理装置、例えばプラ
ズマ・ディスプレイ・パネルおよび太陽電池製造用熱処
理装置に適用できる搬送方法および装置に関し、熱処理
装置に投入する全熱エネルギーのうち、メッシュベルト
搬送あるいはローラーハース搬送による搬送手段と異な
り、大きな熱損失を極力なくすことができる簡素な搬送
装置として、気体の吐出を搬送に組み合わせることによ
り、被処理材を気体により浮揚(または浮上)させて搬
送する新たな気体浮揚・搬送装置を提供する。
【0016】ところで、被処理材を浮揚・搬送する基本
的な技術は、従来から知られている。また、熱処理空間
内で基板を浮揚して熱処理する装置としては、例えば、
特開平5−29238号公報(出願人:シャープ
(株))にて開示されているように、半導体デバイス製
造工程において、不活性ガスを半導体基板の両面に吹き
付けて基板を浮遊させながら、加熱光を照射することに
よって半導体基板の加熱を行い、同時に所定の基板表面
に不純物(ドーパント)を熱拡散する熱拡散装置が提案
されている。
【0017】しかしながら、実用性を考慮した場合、高
温雰囲気内で気体のみの作用で基板を所定のレベルで所
定の時間範囲内で確実に搬送した後、安定して停止させ
るという浮揚・搬送制御は極めて難しく、また、それを
実現することが可能であるとしても、気体によって基板
を浮揚・搬送させるための気体流量の制御装置のコスト
は極めて高価になることは容易に予想されることであ
る。従って、熱処理による製品の品質を確保しながら、
浪費する熱エネルギーの有効利用を図る上で、気体浮揚
・搬送を実際の製造工程に適応させるには、より現実的
かつ安価で、更に信頼性のある浮揚・搬送方法およびそ
のための装置を提供することが望まれる。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の要旨において、本
発明は、亜音速〜音速の範囲内の所定の吐出速度で気体
吐出手段の気体吐出口から気体を対象物に向かって吐出
して、それによって対象物を浮揚する浮揚装置を提供す
る。この本発明の浮揚装置は、対象物の搬送手段と組み
合わせて、気体浮揚・搬送装置として使用できる。従っ
て、本発明は、処理空間において、対象物を気体により
浮揚させて搬送手段により搬送する際に、対象物を浮揚
させる力を作用する気体が、気体吐出口にて亜音速〜音
速の範囲の所定の吐出速度で対象物に向かって吐出され
ることを特徴とする気体浮揚・搬送装置を提供する。こ
のような装置では、吐出される気体の圧力を調整してそ
のような吐出速度を達成し、それにより、浮揚に必要な
気体の量を極力少なくすることができる。また、本発明
は、対象物を浮揚させる力を作用する気体を、気体吐出
口にて亜音速〜音速の範囲の所定の吐出速度で対象物に
向かって吐出することを特徴とする気体浮揚方法を、更
に、処理空間において、対象物を気体により浮揚させて
搬送する際に、対象物を浮揚させる力を作用する気体
を、気体吐出口にて亜音速〜音速の範囲の所定の吐出速
度で対象物に向かって吐出することを特徴とする気体浮
揚・搬送方法を提供する。
【0019】このような気体浮揚・搬送装置および方法
において、対象物の搬送は、浮揚させた対象物をその状
態で(好ましくは浮揚方向に対して実質的に垂直な方向
または水平方向に)移動させることができるものであれ
ば、いずれの適当な公知の搬送手段で実施してもよく、
例えば、[基礎知識シリーズ]工業炉の形式「工業炉の形
式と材料」(工業炉の基礎知識(日本工業炉協会編、199
3年)2〜5頁)に記載されているいずれの適当な搬送手
段を用いてもよい。また、浮揚した対象物に機械的に力
を加えて押す手段(および好ましくは必要に応じて止め
る手段)を搬送手段として用いることができる。更に、
いわゆるプッシャー手段(押出方式)を適用することも
本発明の搬送の1つの態様である。
【0020】本発明の気体浮揚・搬送装置は、被処理材
の熱処理空間に配置できる。従って、この場合、本発明
の気体浮揚・搬送装置の処理空間は、熱処理空間であ
り、そこで浮揚される対象物は被処理材である。
【0021】従って、第2の要旨において、本発明は、
上述の気体浮揚・搬送装置を有する熱処理装置を提供す
る。更に、本発明は、熱処理空間において、被処理材を
気体により浮揚させて搬送する際に、被処理材を浮揚さ
せる力を作用する気体を、気体吐出口にて亜音速〜音速
の範囲の吐出速度で被処理材に向かって吐出することを
特徴とする熱処理方法を提供する。
【0022】このような本発明は、以下のような気体に
より作用する力に関する考察に基づくものである。使用
する気体は、いずれの適当な気体であってもよく、例え
ば、処理空間または熱処理空間を形成するために必要な
雰囲気ガス、例えば空気、窒素、水素、その他のプロセ
スガス等を使用できる。
【0023】ノズル等の気体吐出手段の気体吐出口から
吐出した気体が、吐出方向に対して垂直な面に作用する
力F(対象物または被処理材に作用する浮揚力に対応す
る)は、気体の密度ρ、気体の流量Qおよび気体の吐出
速度Vとの間で以下の関係(1): F=ρQV (1) を有する。
【0024】即ち、同一の浮揚力Fを得るために、流量
Qを少なくしようとすると、密度ρまたは吐出速度Vを
大きくする必要がある。また、気体の密度ρは、以下の
実在気体の状態方程式を用いて式(2): ρ=P/(zRT) (2) (式中、Pは気体の圧力、zは圧縮係数、Rは気体定
数、Tは気体の温度(絶対温度)である。)と表現でき
る。
【0025】従って、気体の密度ρを大きくするには、
気体の圧力P、従って、熱処理雰囲気の圧力を大きくす
るか、あるいは、気体の温度T(絶対温度)、従って、
熱処理雰囲気の温度を低くするか、あるいは、気体の種
類を変更する方法しかない。通常、他の制約のために気
体の種類および熱処理雰囲気の状態が決まっているの
で、圧力Pおよび温度Tを変えることはできない。例え
ば、圧力Pに関しては、供給系統が高圧配管を必要とす
るので大きくできず、また、温度Tに関しては、常温以
下にするためには、冷却装置が必要となるので低くでき
ない。
【0026】従って、浮揚力Fを大きくするには、気体
の吐出速度Vを大きくする以外に方法がない。ところ
が、気体の吐出速度が過度に大きくなると、ノズル等の
気体吐出手段に工夫が必要となり、結果的に気体吐出手
段が高価になる。
【0027】このようなことを検討した結果、容易かつ
安価に気体吐出手段を用いるには、気体の吐出速度は、
マッハ数で約0.4〜1.0の範囲、即ち、亜音速〜音
速(常温常圧にて約340m/s程度)付近の範囲のいず
れかの所定の速度であるのが好ましく、特に常温常圧に
おいて約125m/s〜340m/sであるのが好まし
く、更に、常温常圧において約275m/s〜325m
/sであるのがより好ましく、それにより、対象物の浮
揚に用いる気体の量を最小限にできることが判った。所
定の速度は、一定であっても、あるいは変化してもよ
く、対象物の性質(例えば、重量、底面積など)に応じ
て目的の浮揚量を考慮して適宜選択できる。また、急に
ステップ状に所定の速度に達しても、あるいは所定の速
度に達するまでは速度ゼロから所定の速度まで徐々に増
えてもよい。
【0028】また、流速Vを一定にした場合、気体の流
量を規定する要因は、気体吐出手段であるノズル等の気
体吐出口の断面積(従って、口径)であるが、上述のよ
うな吐出速度を得るためには、断面円形のノズルの場合
の径寸法は例えば0.3〜1mm程度であるのが好まし
く、また、気体吐出口直前の圧力は例えば0.1〜0.
9MPaであるのが好ましい。
【0029】以下、本発明の気体浮揚・搬送装置を用い
た本発明の熱処理装置を例として説明するが、本発明の
気体浮揚・搬送装置は、熱処理装置にのみ適用できるも
のではなく、気体によって対象物を浮揚させて搬送する
いずれの用途にも適用でき、特に、使用する気体の量を
低減することができる。
【0030】本発明の1つの態様では、本発明の熱処理
装置は、熱処理空間内に本発明の気体浮揚・搬送装置を
有し、この気体浮揚・搬送装置は、気体浮揚手段および
上述の搬送手段を有して成る。気体浮揚手段は、熱処理
すべき被処理材を浮揚させる。この手段は、被処理材に
その下方から気体を吹き付けて被処理材に浮揚力を作用
させることにより被処理材を浮揚させる、例えばノズル
のような気体吐出手段および気体の吐出量をコントロー
ルして安定した浮揚量または浮揚高さを確保する気体供
給手段から構成される。気体供給手段は、気体を所定の
圧力に加圧して気体吐出手段から気体を安定して吐出
し、それによって被処理材の所定の浮揚量を確保する。
【0031】尚、浮揚高さまたは浮揚量は、特に限定さ
れるものではないが、浮揚量が大き過ぎると、吐出され
た気体が被処理材の浮揚に寄与せずに、被処理材とノズ
ルプレートとの間を通過して被処理材の周辺部から単に
抜け出ることになり、無駄になる気体量が増加する。ま
た、浮揚量が少なすぎると、対象物がノズルプレートと
接触して被処理材の品質に悪影響を与える場合がある。
このようなことを考慮した場合、本発明において特に好
ましい浮揚高さ(ノズルプレートと被処理材との間の距
離)は、上方に約0.2mm〜1mmの範囲である。
【0032】本発明の熱処理装置は、上述のような熱処
理空間内に搬送手段を有し、これによって、所定の時刻
および箇所に確実に被処理材を移動させることができ
る。例えば、被処理材に(例えばその搬送方向の後端お
よび場合によりその前端に)当接する部材をチェーンベ
ルト等に取り付け、ベルトが移動/停止することによっ
て部材が移動/停止することによって、部材が被処理材
を押したり、止めたりできる。このような搬送手段によ
り、被処理材を浮揚させた状態で熱処理空間内を所定の
ように(例えば所定の時間で所定の箇所まで)搬送し、
そこで、被処理材を熱処理し、その後、必要に応じて、
被処理材を浮揚させて更に次の箇所に搬送し、そこで、
再度熱処理を実施する。熱処理は、被処理材が浮揚した
状態で、あるいは気体の吐出を停止して浮揚していない
状態で実施してもよい。
【0033】本発明の熱処理装置において、浮揚に用い
る気体の供給圧力は、気体の供給配管系での圧力損失お
よび吐出口での吹き出し損失を加味しなければならない
が、気体吐出手段における圧力としては、圧縮気体生成
コストを考慮しても(吐出速度との関係があるが、)通
常4kgf/cm2またはそれ以下、例えば1〜2kg
f/cm2であれば十分である。
【0034】本発明の1つの好ましい態様では、気体浮
揚手段は、気体吐出手段を有するプレートにより構成さ
れ、このプレートの上で被処理材が浮揚され、また、搬
送手段によってこのプレート上を被処理材が移動する。
また、そのような気体浮揚手段を有する本発明の熱処理
装置は、被処理材の移動方向に沿って並べられた複数の
気体浮揚手段を有して成り(尚、必要に応じて、気体浮
揚手段は、被処理材の移動方向に沿って一列に並んでい
ても、複数列に並んでいてもよい)、被処理材の移動に
伴って、被処理材を浮揚させるために気体を吐出してい
る気体吐出手段が被処理材の移動方向に順にずれてい
く。従って、浮揚すべき被処理材が上方に存在しない場
合、気体浮揚手段の気体吐出手段は気体を吐出していな
い。
【0035】逆に、気体を吐出していない気体吐出手段
を有する気体浮揚手段上に被処理材が搬送されて来る頃
の何れかの時刻(直前、同時、直後を含む)において、
気体吐出手段から気体が吐出され始めて被処理材に浮揚
力が作用する。また、気体を吐出していない気体吐出手
段を有する気体浮揚手段上に被処理材が搬送されて来た
場合であって、既に気体を吐出している他の気体吐出手
段の浮揚力によって、被処理材が浮揚されている状態を
維持できる場合には、気体を吐出していない気体吐出手
段を有する気体浮揚手段上に被処理材が来た時より少し
遅れて気体を気体吐出手段は吐出してもよい。
【0036】気体を吐出することよって浮揚していた被
処理材が気体吐出手段の上方から去った場合には、気体
吐出手段は気体の吐出を停止する。別の態様では、被処
理材が気体浮揚手段の上方にまだ存在する場合であって
も、他の気体浮揚手段が被処理材の浮揚状態を維持でき
る場合には、被処理材が去る少し前に気体の吐出を停止
してよい。
【0037】このような気体浮揚手段では、気体供給手
段が気体吐出手段に供給する気体の量および/または圧
力をコントロールして亜音速〜音速の所定の吐出速度に
する。気体吐出手段と気体供給手段が1つずつ対になる
のが好ましいが、1つの気体供給手段から複数の気体吐
出手段に気体を供給してもよい。
【0038】被処理材の移動(または搬送)は、上述の
ように搬送手段によって実施し、被処理材が浮揚した状
態で、熱処理をすべき所定の箇所に移動してくると、移
動を停止して被処理材を浮揚させている気体の吐出を停
止して、被処理材をプレート上に載置させた状態で所定
の熱処理を実施する。別の態様では、気体の吐出を継続
して被処理材を浮揚させた状態で熱処理を実施してもよ
い。
【0039】熱処理に必要な熱は、いずれの適当な方法
によって供給してもよく、1つの態様では、プレートの
下方および/または上方に設けた適当な熱源からの熱
(例えば輻射熱、伝導熱)により実施できる。例えば、
プレートの下方に設けた熱源によりプレートを加熱し
て、それからの伝熱によって(気体の吐出を停止するこ
とにより)プレート上に載置された被処理材を熱処理で
きる。この態様は、いわゆるホットプレート型と呼ぶこ
とができ、例えば、気体を吐出するノズル等の気体吐出
手段をプレートが有する。また、このようなプレートを
使用する場合であっても、気体吐出手段によって被処理
材を浮揚させた状態で、プレートからの輻射によって被
処理材を所定の温度に加熱して熱処理することができ
る。
【0040】このような加熱の熱源としては、プレート
の下方に配置する電気ヒーター、パネルヒータ等の電気
抵抗加熱手段、あるいは石油、灯油等の液体燃料、また
は都市ガス、LPG等の気体燃料をプレートの下方で燃
焼させて熱を発生するバーナーを使用することができ
る。これらの加熱手段は、プレートを加熱し、それによ
って被処理材を伝熱により直接的に、輻射により間接的
に加熱することができる。別の熱源として、被処理材の
上方に適当な加熱源(例えばヒーター、加熱ランプ)を
設けてよく、それからの輻射熱により被処理材を熱処理
できる。
【0041】場合により、浮揚に使用する気体を予め加
熱しておき、その気体を浮揚のためにと出すると共に、
熱処理空間を加熱することにより、被処理材を熱処理す
ることもできる。被処理材が浮揚した状態で熱処理する
場合には、浮揚に使用する熱を直接熱処理に使用でき
る。例えば、吐出する気体の供給配管系に、熱交換器を
配置して高温熱媒体と吐出すべき気体とを熱交換して間
接的に得られた熱を、被処理材の熱処理のエネルギー源
として利用する。また、気体にとって熱吸収のよい波長
を放射する赤外線ランプ等のイメージ輻射加熱によって
気体を加熱してもよい。あるいは、上述のようなバーナ
ーを気体供給配管系の外側に設けて吐出する気体を加熱
することもできる。
【0042】このように気体を加熱する場合、加熱され
た気体を被処理材に向かって吐出することにより、被処
理材の浮揚と熱処理の双方を同時に実施できる。勿論、
プレートによる加熱と吐出気体による加熱の双方を併用
することも可能である。このように、種々の熱源を使用
できるが、熱源としては、対象とする熱処理方法に対し
て、利用し易く、最も熱効率が優れ、安価なものを選択
することが重要である。
【0043】本発明の1つの好ましい態様では、気体吐
出手段は、プレートに設けた複数の気体吐出口により構
成され、その気体吐出口から気体が所定の吐出速度で吐
出される。プレートに設ける気体吐出口の数は特に限定
されるものではなく、熱処理する被処理材に応じて当業
者であれば適当に選択できる。
【0044】例えば、熱処理装置の熱処理空間が高温で
あると、被処理材もそれ自体の部分毎の温度差、熱処理
空間の温度分布等によって、熱変形し易い場合があり、
また、そのような変形のために、被処理材の浮揚作用が
低下することがある。そのような変形を防止するため、
被処理材の1箇所に向かって集中的に気体を吐出するの
ではなく、被処理材の複数の箇所に、好ましくは被処理
材全体に可及的に均等に浮揚力が作用するように気体を
吐出するのが好ましい。そのためには、複数の吐出口
を、被処理材に対して均等に分散させるのが好ましい。
また、気体吐出手段を複数設ける場合、個々の手段から
吐出される気体の温度および/または流量を調節するこ
とにより、安定した熱雰囲気を乱すことなく、確実な浮
揚作用を得ることができる。
【0045】逆に、熱処理条件において、被処理材が比
較的硬質のものであれば、被処理材の重心付近に向かっ
てその直下に集合して配置した気体吐出口から気体を吐
出してもよく、この場合、複数の気体吐出口の代わり
に、気体吐出口が1つであってもよいが、点で支持する
より、面で支持するほうが安定性の面で好ましいので、
その点では、複数の気体吐出口を設けるのが好ましい場
合がある。
【0046】尚、気体吐出口からの気体の吐出は熱処理
空間内の雰囲気の流動に影響する。特に、精密な熱処理
が必要である場合、浮揚に必要な気体の吐出には、でき
る限り注意が必要である。例えば、高速で吐出する気体
は、熱処理空間の内壁面等に付着したにダスト等の不要
物質を飛散させ、熱処理空間内に悪影響を及ぼし得る不
要物質が含まれる原因となる。そこで、被処理材の品質
に影響する不要物質の飛散を極力抑制するのが好まし
く、そのためには、気体吐出手段を複数設ける場合、気
体吐出手段は、被処理材に浮揚力を作用し得る範囲内に
配置するのが好ましい。換言すれば、被処理材を浮揚す
るために気体を吐出している吐出手段が占める領域(気
体吐出手段が複数である場合は、その気体吐出口の全部
を含むことができる領域)は、被処理材の占有領域(即
ち、被処理材がプレート上に載置された時に、被処理材
が直上に存在することになるプレートの領域)内に含ま
れるのが好ましい、即ち、被処理材を浮揚している場
合、被処理材を浮揚すべく気体を吐出している気体吐出
手段の全ての上方に被処理材が存在するようになってい
るのが好ましい。
【0047】通常、被処理材は、厚さが他のディメンジ
ョンに比べて非常に小さい、長方形または正方形のよう
な矩形のシート形態である場合が多く、その場合、被処
理材は、気体浮揚手段のプレートの中央線(即ち、搬送
方向に平行なプレートを二等分する線)またはその付近
(中央部分)に沿って移動するのが好ましく、この場
合、気体吐出手段は、被処理材の中央線(即ち、搬送方
向に平行な被処理材を二等分する線)またはその付近
(中央部分)に向かって気体が吐出されるように、プレ
ートの中央部分に1つまたは複数の気体吐出口が存在す
るように設けてもよく、あるいは、被処理材の下方で気
体吐出手段が均等に分布するようにプレート全体にわた
って(例えば、錯列状または千鳥状に)設けてもよい。
【0048】本発明の熱処理装置において、複数の気体
吐出手段を集合的に設ける場合、吐出口から吐出される
気体の吐出方向が被処理材の中央部に向かうように90
°(例えばシート状の処理材が水平に浮揚しているとし
た場合には、それに対して垂直方向を意味する。)〜6
0°(垂直の状態から30度傾いた状態)の角度の範囲
で水平方向から傾くような構造として被処理材の所定部
分への吹き付け力、従って浮揚力の分布を均一にして、
安定した浮揚・搬送と加熱処理を行うことが可能とな
る。例えば、被処理材の下方で分布している気体吐出口
からの気体は全て被処理材の中央部の方向に偏って吐出
される。例えば、ノズルのような気体吐出手段の向きを
90°(真上向き)〜60°の範囲で変えることによっ
て実施できる。
【0049】また、別の態様において、複数の気体吐出
手段を設ける場合、気体吐出手段を複数の群に分割し
て、その群毎に、気体を吐出する方向を異なるように、
例えば上述のように気体の吐出角度を異ならせるのが好
ましい場合がある。例えば、被処理材を搬送方向に対し
て垂直(かつ水平)な方向に並べた複数の気体吐出手段
で浮揚させる場合、被処理材の中央部分に気体を吐出す
る気体吐出手段の群は実質的に垂直上向きに気体を吐出
するように調節し、被処理材の中央部分から縁部分かけ
ては、気体を吐出する気体吐出手段の群は実質的に垂直
方向から被処理材の中央部分に向かって傾いた方向に沿
って気体を吐出するように調節してよい。このようにす
ると、被処理材の重量が集中する中央部分における浮揚
力が増し、相対的に重量が軽い周辺部分における浮揚力
が減少し、結果的に、被処理材全体としては均一な浮揚
力を作用させることができる。逆に、被処理材の中央部
分から縁部分かけては、気体を吐出する気体吐出手段の
群は実質的に垂直方向から被処理材の縁部分に向かって
傾いた方向に沿って気体を吐出するように調節してもよ
く、その場合、浮揚力が被処理材全体に作用するので、
安定した浮揚が達成できる。いずれの場合においても、
吐出方向は、上述と同様に90°〜60°の範囲で所定
のように調整するのが好ましい。
【0050】本発明は、第3の要旨において、対象物に
対して気体を吐出してそれによって対象物を上方で浮揚
するプレートを有して成る気体浮揚装置を提供し、この
気体浮揚装置のプレートは、プレートで開口して気体を
吐出する気体吐出口からプレートの周辺部に向かって延
びる、気体吐出口を含む溝部を少なくとも1つ有し、溝
部に含まれる気体吐出口は少なくとも1つである。この
場合、気体吐出口は、溝部の底部において開口してい
る。本発明の気体浮揚装置は、上述の搬送手段と組み合
わせて、気体浮揚・搬送装置として使用できる。従っ
て、本発明は、そのような気体浮揚装置および搬送手段
を有する気体浮揚・搬送装置を提供し、これは、先と同
様に、熱処理装置に適用することができる。
【0051】1つの好ましい態様では、複数の溝部がプ
レート中央部またはその付近から放射状に延び、各溝部
の中央部側の端部に気体吐出口が存在する。この場合、
各溝部の一方の端部は、プレートの中央部に集まるが、
各端部は離れている。別の態様では、溝部がプレート中
央部で一体に接続され、気体吐出口は、溝部が接続され
ているプレート中央部に存在する。この態様において、
気体吐出口が中央部に複数存在するのではなく、中央部
に1つだけ存在してもよく、この場合では、プレート
は、プレートで開口して気体を吐出する気体吐出口およ
び気体吐出口から放射状に延びる複数の溝部を有する。
【0052】このような気体浮揚装置において、気体の
吐出速度は特に限定されないが、先に説明したように、
気体の吐出速度は亜音速〜音速であるのが好ましい。こ
の態様では、吐出口から吐出された気体は、対象物に衝
突し、その後、優先的に溝部に沿って対象物の周辺部に
向かって進む。この場合、気体吐出手段は、中央部に1
つまたは複数設けてよい。溝部は、好ましい態様では、
吐出口を中心として等角度で、あるいは被処理材の搬送
方向もしくはそれに垂直な方向に沿って線対称となるよ
うに放射状に延びているのが好ましい。溝部の数、深
さ、長さ等は、被処理材に応じて適当に選択できる。
【0053】特に、考慮することが好ましいのは、気体
吐出口から気体が吐出された後、気体が可及的に長い距
離を溝部に沿って流れるようにすれば、吐出された気体
が被処理材の下方により長い時間存在できる(即ち、滞
留時間が長い)ので、有効な浮揚を達成できる(逆に、
短い距離を流れる場合には、被処理材の下方に長時間存
在せずに、短時間のうちに被処理材の周辺部から出て、
浮揚力を作用しないことになる)ということである。
【0054】例えば長方形のシート形態のプレート上で
浮揚させる場合、プレートの上に長方形の対角線の交点
(即ち、プレートの中央部)付近で気体吐出口が開口
し、溝が長方形の交点から、対角線に沿って延びるよう
に4本の溝が形成されるように配置するのが特に好まし
い。勿論、中心を通って長辺に平行な溝を設けることも
好ましいが、対角線に沿った溝より長さが短くなる。ま
た、中心を通って長辺に平行な溝を設けてもよいが、溝
の長さが更に短くなる。このことは、プレートの実質的
に全面上に被処理材が存在する場合(即ち、長方形のシ
ート形態の被処理材の中央部が被処理材の対角線の交点
であり、その下にプレートの中央部が存在する場合)に
特に好都合に当てはまり、被処理材の形状によっては、
別の溝の配列が好ましい場合が有り得る。
【0055】例えば、被処理材が実質的に円形のシート
形態の場合では、例えば45°、60°または90°の
等角度で溝部を設けてよく、溝部は、プレートの縁近傍
まで延びている。このように溝部を設けると、吐出され
た気体が溝部を介して均等にプレート全体に広がるの
で、浮揚に使用する気体を効率的に使用でき、その結
果、使用する気体の量を少なくできる。
【0056】他の好ましい態様では、溝部の長手方向に
垂直な断面形状は、矩形または半円形であり、溝部の深
さが吐出口から遠ざかるにつれて浅くなっている、いわ
ゆるテーパー状になっている。
【0057】本発明は、第4の要旨において、対象物に
対して気体を吐出してそれによって対象物を上方で浮揚
するプレートを有して成る気体浮揚装置を提供し、この
気体浮揚装置のプレートは、その中央部に気体吐出口を
有し、その気体吐出口を包囲するように周状に複数の溝
部が形成されている。この本発明の気体浮揚装置は、上
述の搬送手段と組み合わせて、気体浮揚・搬送装置とし
て使用できる。従って、本発明は、そのような気体浮揚
装置および搬送手段を有する気体浮揚・搬送装置を提供
し、これは、先と同様に、熱処理装置に適用することが
できる。
【0058】1つの態様において、気体吐出口は、中央
部に1つまたは複数設けてよい。吐出された気体は、被
処理材に衝突し、その後、溝部と交差しながら放射状に
流れていくが、溝部を設けることにより、気体がその部
分で渦を巻くと共に溝部に存在する気体が、吐出気体の
対象物を浮揚する作用を助長するのでより効率的に対象
物を浮揚でき、浮揚に使用する気体の量を少なくでき
る。周状の溝部は、プレートの周辺部においては必ずし
も連続である必要はなく、部分的に周方向に存在してい
てもよい。周状の形状は、円周状である必要はなく、楕
円周状、長円周状などいずれの形状であってもよいが、
角部分または急激に屈曲する部分が存在しないのが好ま
しい。この気体浮揚装置において、気体の吐出速度は特
に限定されないが、先に説明したように、気体の吐出速
度は亜音速〜音速であるのが好ましい。
【0059】上述のいずれの要旨においても、被処理材
が気体により直接浮揚されるが、別の態様においては、
被処理材を搬送治具の上に載置し、この搬送治具の下面
に向かって気体を吐出することにより搬送治具を浮揚さ
せる。この搬送治具は、垂直な縁を有するプレートであ
ってよく、このプレートは例えば皿状または深さが小さ
い箱状であってよい。このような縁を利用して上述の搬
送手段により搬送治具を搬送することができ、被処理材
に直接接触することなく、被処理材を移動することがで
きる。例えば、箱状の搬送治具を隣接して熱処理空間に
並べ、最後尾の搬送治具に隣接して新たな搬送治具を押
しこむことにより、その押し込み力を熱処理空間内に存
在する浮揚した搬送治具に伝達して、搬送治具を搬送方
向に向かって容易に移動させることができる。また、別
の態様では、ベルトに設けてベルトと共に移動する部材
が搬送治具の縁に当接するようにすると、ベルトの移動
/停止により搬送治具およびその中の被処理材を自在に
移動させることができる。尚、搬送治具は、熱処理条件
では実質的に変形しない材料で形成するのが好ましく、
熱による変形を考慮しなくてよい。
【0060】搬送治具の浮揚は、先に説明した被処理材
の浮揚と同様に実施できる。しかしながら、別の態様で
は、搬送治具の対向する縁部分にのみに向かって気体を
吐出することによって、搬送治具を浮揚させてもよい。
この場合、搬送治具の両縁に浮揚力が作用するので浮揚
状態が安定する。特に好ましい態様では、熱処理装置の
被処理材の搬送方向に沿って両側にレール状に気体吐出
手段を複数配置し、搬送治具の移動に伴って気体吐出手
段が順に気体を吐出して搬送治具を浮揚させるようにな
っているのが好ましい。最も好ましい態様では、そのレ
ール状に配置された気体吐出手段は、好ましくは複数の
気体吐出口が配置される周状部分を有し、その周状部分
と同心状の断面を有する縁部が搬送治具の縁部に設けら
れる。
【0061】本発明の熱処理装置において、気体が熱処
理空間内へ吐出されるので、熱処理空間から気体を除去
する必要があり、従って、熱処理装置には排気口を設
け、それを介して熱処理空間から気体を排出する。気体
の吐出によるダスト等の不要物質の飛散を防止するため
に、気体吐出手段より下方のレベルに、排気口を設け、
それを介して熱処理空間から排気手段により気体を回収
するのが好ましい。これにより、被処理材の浮揚に使用
された気体が速やかに熱処理空間から排出されるので、
吐出気体が熱処理空間内の雰囲気を撹乱することが抑制
され、清浄かつ温度が安定した熱処理雰囲気を維持する
ことが容易になる。
【0062】本発明の熱処理装置において、搬送治具を
使用する場合、被処理材料の搬送方向に沿った搬送治具
の縁部分の上方に位置するようにカバー(または流動制
御カバー)を設けるのが好ましい。このカバーには、搬
送部材の下方から吐出された気体が搬送部材の底面に沿
って流れて搬送部材の縁部において上昇しようとする気
体が衝突し、従って、吐出された気体は、搬送部材のレ
ベルより下方に設けた排気口に優先的に流れ易い。これ
により、気体の吐出によるダスト等の不要物質の被処理
材側での飛散を抑制できる。即ち、このカバーは、熱処
理空間内の雰囲気を乱すことなく、被処理材側での気体
の流動変動を抑え、ダスト等の不要物質の飛散を防止す
ることができる。
【0063】本発明の熱処理装置において、被処理材を
清浄な雰囲気で処理する必要がある場合がある。その場
合、気体吐出手段から吐出する気体としては、清浄度の
高い気体を用いなければならない。吐出する気体の清浄
化には、クリーンルーム、クリーンベンチ等にて通常よ
く使用される性能を有する中性能フィルター、高性能フ
ィルター等の気体清浄手段により気体を濾過して用いる
のが好ましい。例えば金属メッシュまたは多層構造フィ
ルターを使用できる。また、場合により、熱処理時に発
生した気体または粒子状物のようなダスト等、被処理材
に付着すると被処理材の品質に悪影響を与えるものを含
む熱処理雰囲気からそのようなものを除去する気体清浄
手段も必要である。更に、必要に応じて、熱処理空間内
の雰囲気を循環して熱を有効利用する場合には、清浄な
雰囲気を維持することも重要であり、この場合、熱処理
温度の雰囲気に耐えるフィルターのような気体清浄手段
を用いればよい。
【0064】本発明の熱処理装置において、周辺大気を
圧縮機で加圧して除湿した後、ドライエアーとして生産
ラインの原動に用いられている工場エアーと呼ばれる空
気を気体浮揚気体として使用する場合、この空気は、乾
燥状態であるために帯電しているので微細なダストを含
み易い。そのため、被処理材に対して直接的な吹き付け
て浮揚させるために、また、熱処理の雰囲気ガスとして
そのような工場エアーを使用することは、被処理材への
ダスト付着、被処理材が」絶縁体材料の場合には短絡の
発生等の原因となり、被処理材の品質の面で大きな影響
を与えることが多い。このような気体の帯電による様々
な問題は、適当な手段により帯電状態を解消するのが好
ましい。例えば、コロナ放電を利用したイオン発生器に
より発生したイオンを気体に混合して電気的に中和した
り、あるいは気体の加湿または金属フィルターによるア
ース方式を用いた気体除電手段により気体に帯電する静
電気を除去することができ、そのような装置を気体の供
給配管系に設けるのが好ましい。
【0065】本発明の熱処理装置において、被処理材を
浮揚した状態で移動搬送手段により熱処理空間内で被処
理材を移動させるので、被処理材と他の部材との摩擦抵
抗が存在することなく、被処理材を移動させることがで
きるので、非常に容易に被処理材を移動することができ
る。従って、移動の間、被処理材は浮揚状態にある必要
があるので、被処理材の移動方向に沿って配列された気
体吐出手段の内、気体を実際に吐出する気体吐出手段
が、被処理材の移動と共に、順次移動方向にずれていく
必要がある。被処理材が所定の箇所に移動した後は、気
体の吐出を停止して被処理材を加熱プレート上に載置し
て所定の熱処理を実施する。別の態様では、気体の吐出
を継続して被処理材を加熱プレートの上方で浮揚させた
状態で熱処理してよい。この熱処理が終了すると、先と
同様にして、被処理材を気体により浮揚させ、移動搬送
手段によって、次の熱処理領域に移動して次の熱処理を
実施する。
【0066】本発明のいずれの態様においても、被処理
材を浮揚する気体の吐出を停止して、気体浮揚手段上に
被処理材を載置する場合、気体吐出口から気体を吸引し
て被処理材を吸着することにより、被処理材を一時的に
固定することができ、被処理材の静止状態を安定化でき
る。
【0067】本発明の熱処理装置において熱処理する被
処理材は特に限定されるものではないが、特に多量の熱
損失がある熱処理装置を必要とする熱処理材を有効に熱
処理できる。例えば、被処理材料は、プラズマ・ディス
プレー・パネル、太陽電池パネルの中間製品または最終
製品であってよい。このようなパネルの材料は、例えば
セラミック、ガラス(ソーダガラス、高歪み点ガラス、
その他のガラス材料)、金属、その他の構造材料からな
る。
【0068】このような被処理材を対象とする熱処理方
法は、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)につ
いては、銀、酸化錫等の電気電導性材料、誘電体材料、
赤/緑/青色の蛍光体材料、電気絶縁体材料等の乾燥、
焼成、膜形成であり、また、太陽電池パネルについて
は、同じく銀や酸化錫等の透明導電性材料、半導体材料
等の乾燥、焼成、膜形成である。
【0069】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
を更に詳細に説明する。図1に本発明の気体浮揚・搬送
装置に使用できる気体浮揚手段の気体吐出手段の一例の
分解斜視図を模式的に示している。気体吐出手段10
は、複数の気体吐出口12を全面にわたって配したノズ
ルプレート14および同様に開口部16が配された中間
プレート18を有し、電気ヒーター20が中間プレート
18の上方に配置される。電気ヒーター20および中間
プレート18は下ケース22内に配置され、ノズルプレ
ート12は、下ケース22の上に載置される。また、下
ケース22の底面には空気配管24が接続され、気体供
給手段(図示せず)から気体吐出手段10に空気が供給
され、図示した態様では全ての気体吐出口から実質的に
垂直上向き方向に気体が吐出されるように構成されてい
る。ノズルプレート14の面積は、被処理材のプレート
に対向する面の面積に対して90〜100%の大きさと
して、気体吐出口から吐出された気体が実質的に最初に
処理材に衝突することにより、吐出される気体のエネル
ギーを緩和し、被処理材の上面に向かって不要物質が飛
散しにくい構造とするのが好ましい。
【0070】図1に示した分解図を組み立てて形成され
る気体吐出手段10の側断面図を模式的に図2に示して
いる。ノズルプレート14は4隅でボルト26で下ケー
ス22に取り付けられる。中間プレート18はスぺーサ
ー28付きボルト29で下ケース22に一定の高さで取
り付けられる。電気ヒーター20は、電気ヒーター20
と中間プレート18との熱膨張差を回避するためのスぺ
ーサー29を介して中間プレート18上に位置する。下
ケース22の中央に接続され空気配管24を通って供給
される加圧空気が中間プレート18により整流され、ま
た電気ヒーター20で加熱された後、ノズルプレート1
4の気体吐出口12から亜音速〜音速の吐出速度で吐出
される。図示した態様では、電気ヒーター20は、空気
に加えてノズルプレートを加熱し、加熱されたプレート
が吐出された気体により浮揚された被処理材(図示せ
ず)、または、気体が停止してプレート14上に載置さ
れた被処理材を加熱して熱処理する。
【0071】図3に、図1または2に示すような気体吐
出手段10および気体供給手段30を有して成る、本発
明の気体浮揚・搬送装置に使用できる気体浮揚手段32
を模式的斜視図にて示す。図示した態様では、気体吐出
手段10はその内部に電気加熱ヒーター20を有し、気
体供給手段30の気体供給配管24は、その途中に気体
清浄化フィルター34およびコロナ放電を利用したイオ
ン発生器36を有する。その結果、気体吐出手段10か
ら吐出される気体から微細物が除去され、また、気体の
静電気が除去される。図示した態様では、気体供給配管
24は途中で枝分かれして、被処理材の搬送方向に対し
て垂直な方向(矢印で示す方向)に並んだ複数の気体吐
出手段に1つの気体供給手段から気体が供給されるよう
になっている。このように気体吐出手段を配列すると、
被処理材の熱歪みを防止して安定な搬送を可能になる。
また、このように配列された気体吐出手段10に複数の
気体吐出口(図示せず)を設けてこれを複数の群に分割
し、被処理材の熱処理の均等性および吐出する気体の流
量を調節してもよい。このような気体浮揚手段を熱処理
装置において、被処理材の搬送方向(矢印に垂直な方
向)に沿って並べて配置して、適当な搬送手段と組み合
わせて本発明の熱処理装置を形成できる。
【0072】図4に、図3と同様の気体浮揚手段32を
示す。図示した態様では、気体供給配管24の途中に配
置された熱交換器38において高温媒体40と吐出され
る気体が熱交換することにより気体が得る熱を被処理材
の熱処理用エネルギー源として利用する。即ち、気体吐
出手段10から吐出された加熱気体は、被処理材を浮揚
すると共に、熱処理雰囲気を構成し、それにより被処理
材を熱処理する。従って、図示した態様では、電気加熱
ヒーターが省略されているが、図3と同様に電気加熱ヒ
ーターを併用してもよい。
【0073】図5に、本発明の熱処理装置に使用できる
気体浮揚手段を構成する気体吐出手段10の1つの態様
を、被処理材の搬送方向の端部から見た様子、即ち、搬
送方向に垂直な側から見た様子を模式的に示している。
図示した気体吐出手段10は、気体供給配管24を経由
して供給される気体を、ノズルプレート14全体にわた
って均等に分布させた気体吐出口12から亜音速〜音速
の吐出速度で吐出させて搬送治具42を浮揚させる。搬
送治具の上には被処理材(例えばガラス基板)44が載
置され、搬送治具の浮揚により間接的に被処理材が浮揚
し、必要に応じて搬送手段(図示せず)により搬送され
る。プレート14の下方には電気ヒーター20が配置さ
れ、これによりプレート14を加熱し、気体の吐出を停
止することによりプレート14上に載置された被処理材
44を熱処理する。被処理材44を浮揚した状態にてプ
レート14により熱処理することも可能である。尚、図
示した態様では、気体吐出手段内で幅方向に複数配置さ
れたヒーター20により均一性が向上した熱処理が可能
となり、また、吐出される気体を電気ヒーター20によ
り加熱することもできる。
【0074】図5と同様に、図6に気体吐出手段10の
別の態様を示す。図示した態様では、気体吐出口12
は、被処理材44の搬送方向に沿ってその両縁付近の下
方に配置された対のレール状部材46の上面に搬送治具
42の好ましくは縁部の裏側に対向して設けられてい
る。気体供給手段(図示せず)からの気体は、気体供給
配管24を通過して2分されて対のレール状部材46の
気体吐出口12から被処理材44を載置した搬送治具4
2の縁部に気体を吐出し、それにより作用する浮揚力に
よって被処理材44を搬送治具42と一緒に浮揚させ
る。また、レール状部材46の間に電気ヒーター20を
配置することにより搬送部材42を介して被処理材44
を効率よく熱処理できる。
【0075】更に、図6と同様に、図7に気体吐出手段
10の別の態様を示す。図7の態様では、図6の断面矩
形のレール状部材に代えて、断面が円形部分(例えば半
円部分)を有するパイプ状部材48の円形部分の少なく
とも一部分に設けられた吐出口12から気体を吐出さ
せ、パイプ状部材48の円形部分と同心状の円形部分
(例えば半円部分)を有する縁部を有する搬送治具50
を浮揚させる。この搬送治具48の縁部分の間の領域に
は、先と同様に、被処理材44を載置する。図示した態
様では、空気軸受けと同様の原理に基づいて、搬送治具
を浮揚させて搬送する場合、搬送治具50の縁部とパイ
プ状部材48との間の自動調芯が可能となるので、浮揚
および搬送が安定する。
【0076】図8に、本発明の吐出手段に用いるのに好
ましいノズルプレート14の別の態様を斜視図にて模式
的に示す。図面から明らかなように、プレート14はそ
の中央部またはその付近から放射状に延びる複数(図示
した態様では6つ)の溝部52を有し、気体吐出口12
が中央部またはその付近において溝部の底部で開口して
いる。図示した態様においても、気体の吐出速度は亜音
速〜音速であるのが好ましい。
【0077】図8に示したノズルプレート14を有する
気体吐出手段10を図9において側方断面図(図8の線
A−A’に沿った断面)にて模式的に示している。図示
した気体吐出手段10において、ノズルプレート14が
下ケース22上に配置されて、下ケース内に電気ヒータ
ー20が配置されている。
【0078】図8および9に示した態様では、吐出口1
2から吐出された気体は、被処理材44に衝突し、その
後、優先的に溝に沿って被処理材の縁に向かって進む。
この場合、気体吐出口は、中央部に図示するように1つ
または複数設けてよい。溝部は、好ましい態様では、吐
出口を中心として等角度で、あるいは被処理材の搬送方
向もしくはそれに垂直な方向に沿って線対称(例えば図
示した場合では線A−A’に関して線対称)となるよう
に放射状に延びているのが好ましい。図示した態様で
は、溝部の長手方向に垂直な断面形状は矩形である。図
示するように、溝部はプレート14の縁近傍まで延びて
いる。
【0079】図20に、ノズルプレートに溝を形成する
場合における溝の別の好ましい態様を模式的に示す。図
20は、ノズルプレート14を真上から見た場合の模式
図であり、プレートの中央部付近で開口して気体を吐出
する気体吐出口12からプレートの周辺部に向かって延
びる複数の独立した溝部52を有し、気体吐出口12は
溝部52の底部に存在する。溝部52は、プレート14
の中央部付近から周辺部に向かって放射状に延びてお
り、各溝部52は、プレートの中央部側の端部において
気体吐出口12を有する。図示した態様では、各溝部5
2は1つの気体吐出口12を有するが、気体吐出口は複
数存在してもよい。
【0080】溝部の数、長さ、向き等は、適宜選択でき
るが、図示した態様では、プレート14と実質的に同じ
形状または相似形状の長方形シート形態の被処理材を想
定した場合の特に好ましい溝部の配置の例示として、プ
レートの対角線および長辺に沿うように溝部が形成され
ている。本来的に、シート状被処理材は、熱処理におい
て、最も長いディメンション方向(例えば対角線または
長辺方向)に沿って撓み易いが、このように溝部を形成
すると、そのような方向に沿って有効な浮揚力が作用し
易いので、そのような撓みを最小限に抑制できる。
【0081】図20と同様に、図21にノズルプレート
に溝を形成する場合における溝の別の好ましい態様を模
式的に示す。図21は、ノズルプレート14を真上から
見た場合の模式図であり、溝部52がプレート中央部で
一体に接続され、気体吐出口はプレート中央部に存在す
る点で図20と異なる。図示した態様では、気体吐出口
12は複数存在するが、これが単一であってもよい。
【0082】尚、図9に示した態様では、気体吐出口1
2は、ノズルプレート14の中央部が開口するように、
下ケース22を貫通して、気体供給配管24に接続され
たノズル部材54を配置することに形成されている。図
9に示す態様では、開口部の数が1つであるが、図10
および図11に開口部の数を複数とする場合の別の態様
のノズル部材を断面図にて模式的に示している。
【0083】図10に示した態様では、ノズルプレート
14自体がその中央部付近に複数の開口部12を有し、
これらの全ての開口部の下方にノズル部材54が配置さ
れている。この場合、図9に示すようなノズル部材54
を複数形成して取り付ける必要が無いので好都合であ
る。ノズル部材54のプレート14への取り付けは、例
えば溶接、耐熱性接着剤、あるいはボルト等を使用する
機械的な締結によりノズル部材54をプレート14に気
密的に実施できる。
【0084】図11に示した態様では、ノズルプレート
14にノズル部材54を配置できる比較的大きなショル
ダー部56を有する開口部を形成し、それに、ノズル部
材54を嵌め込んで配置する。プレート14とノズル部
材54が実質的に同一の平面を規定する。この態様で
は、ノズル部材54自体が複数の気体吐出口12を有
し、ノズル部材54は、適当なジョイント58を介して
気体供給配管24に接続されている。図示した態様で
は、図10図に示す態様と異なり、ショルダー部56と
相補的な外形を有するノズル部材54を使用することに
より、ノズル部材54をプレートに締結する必要が無く
なり、ノズル部材54とプレート14との間の気密性を
気にする必要がないという利点がある。
【0085】上述のようなノズル部材54は、いずれの
適当な材料で形成してもよく、例えばプレートに金属を
用いる場合、処理条件に対して耐性を有する金属または
セラミック材料で形成してよい。図11においては、使
用するジョイント58は、セラミック材料(例えばアル
ミナ)のように熱伝導率が比較的悪い材料で形成するの
が好ましく、熱処理空間が気体供給配管24等に与える
熱的影響を軽減することができる。尚、図10において
も、ノズル部材54と気体供給配管24との間で同様の
ジョイントを用いてもよい。
【0086】図12に、本発明の吐出手段に用いるのに
好ましいノズルプレート14の別の態様を平面図にて模
式的に示す。このプレートは、中央の複数の気体吐出口
12およびその周囲に存在する複数の周状の溝部60を
有する。気体吐出口12の数は、複数であっても、ある
いは1つであってもよい。吐出された気体は、被処理材
に衝突し、その後、溝部と交差しながらプレート14の
縁に向かって流れていくが、溝部を設けることにより、
気体がその部分で渦を巻くと共に溝部に存在する気体
が、吐出気体の被処理材を浮揚する作用を助長するので
より効率的に被処理材を浮揚でき、浮揚に使用する気体
の量を少なくできる。図示するように、周状の溝部62
は、プレートの周辺部においては必ずしも連続である必
要はなく、部分的に周方向に存在していてもよい。周状
の形状は、円周状である必要はなく、楕円周状、長円周
状などいずれの形状であってもよい。この気体浮揚装置
は、先の気体浮揚装置と同様、本発明の熱処理装置に使
用できる。尚、プレートの周囲には、下ケース(図示せ
ず)への取り付けのためのボルト孔が有る。
【0087】図13に、図12に示したプレート14の
断面図を模式的に示す。図示した態様では、溝部60は
断面矩形であり、気体吐出口12は、先細になった孔
(ノズル)64がプレート14の表面にて開口すること
により形成される。尚、プレート14を下ケース(図示
せず)に締結するためのボルト66も図示している。
【0088】先にも述べたように、気体吐出口から気体
が吐出されて被処理材の周辺部に向かって流れる時間が
長い(即ち、滞留時間が長い)ほど、そのような気体は
被処理材の浮揚に有効に寄与できる。従って、1つの態
様では、気体吐出口12は、図12に示すように、プレ
ートの中央部分に集めるのが好ましい場合がある。この
ように気体吐出口12を中央部分に集めて各気体吐出口
12から周辺部までの各距離の差が小さくなるようにす
ることにより、吐出された気体が周辺部に向かって被処
理材の外側に出ていく時間(従って、滞留時間)が平均
化され、その結果、被処理材に均等な浮揚力が作用し、
熱処理時に被処理材が撓むのが最小限となる。尚、この
ようにノズルを中央部分に集めて配置するノズルとして
は、図10または図11に示したノズルを用いることが
でき、また、ノズルを中央部に集める配置は、図12に
示すような周状の溝部と組み合わせる必要は必ずしもな
く、ノズルを集めて配置すること自体だけでもその効果
を得ることができる。
【0089】図14に、本発明の熱処理装置の一例を、
熱処理装置の端部から見た時の様子(または被処理材の
移動方向に垂直な方向の断面)を模式的に示している。
図示した態様では、例えばプラズマ・ディスプレイ・パ
ネルまたは太陽電池用パネル用のガラス基板を非処理材
として熱処理装置において熱処理する場合に適用でき
る。
【0090】図示した熱処理装置70は、断熱壁72に
囲まれた熱処理空間74を有し、その天井側に上面加熱
用フラットヒーター76が配置され、それによって、搬
送治具42に載置されたガラス基板44を上面から加熱
する。被処理材44の幅方向に沿って配置された3つの
気体吐出手段10にそれぞれ接続された空気配管24を
通して加圧空気が気体吐出手段10の上面に設けた気体
吐出口12から吐出されて搬送治具42の底面に当た
り、ガラス基板44を搬送治具42と共に浮揚させる。
【0091】この時、気体吐出口から吐出された空気に
よって飛散したダストなどの不要物質がガラス基板44
の上面に付着すると基板の品質に悪影響を及ぼすため、
ガラス基板44の移動方向に沿った搬送治具42の縁部
の上方に位置して覆うカバー78を設け、それによっ
て、吐出された気体がガラス基板12の上面側に流れて
いくのを抑制し、速やかにガラス基板42のレベルより
下方に設けた排気口82を介して排気管84を通じて熱
処理空間外に気体を排出する。
【0092】図15に、本発明の熱処理装置の別の一例
を、熱処理装置において被処理材を移動する方向に沿っ
た側から見た時の様子を模式的に示している。図示した
態様では、例えばキャリヤトレイの形態であってよい搬
送治具42が相互に隣接・接触して複数個が熱処理空間
74内に配置され、その中の熱処理すべき被処理材44
が配置される。搬送治具42は、(矢印で示される)移
動方向に沿って搬送される間、その下方に配置された気
体吐出手段10の気体吐出口から亜音速から音速の範囲
で吐出される気体により浮揚され、搬送手段(図示せ
ず)により移動される。移動が終了すると、気体の吐出
を停止して、搬送治具の浮揚状態を停止して所定の熱処
理を実施する。
【0093】図示した態様では、搬送治具42は、対象
物体の移動すべき方向(矢印)に対して垂直な方向に沿
って、対象物体の厚さより十分に大きいディメンション
(または深さ)86を有し、隣接した搬送治具の最後尾
において被処理材を移動すべき方向に力を加えると、そ
の力は、最後の搬送治具からそれに隣接する先行の搬送
治具に伝達され、更にその搬送治具から更に先行の搬送
治具に伝達される、というように力が順に伝達されるよ
うになっている。従って、最後の搬送治具88を前方
(移動方向)に向かって押すことにより、それに先行す
る全ての支持要素を移動させることができる。従って、
図示した態様では、搬送手段は、搬送部材を熱処理装置
内にその外部から押し込む手段、例えばプッシャー90
である。
【0094】このような搬送機構はプッシュ式(または
プラグフロー方式)とも呼ぶことができ、これを熱処理
空間74内に配置すると、搬送治具42に配置した対象
物としての被処理材44が順次を移動し、その間に熱処
理されることになる。搬送治具自体は、その下に位置す
る気体吐出手段10から吹き付けられる気体によって浮
揚されるため、搬送治具の下面では気体との摩擦抵抗が
存在するだけとなり、搬送治具を移動させるために必要
な力は、最小限ですむ。この態様では、被処理材または
搬送治具の移動のためにこれらに力を作用する搬送手段
を熱処理空間内に設ける必要がない点で好都合である。
【0095】図16に、本発明の気体浮揚・移送装置ま
たは熱処理装置において使用できる搬送手段の1つの態
様を模式的に斜視図にて示す。図示した態様では、浮揚
された対象物(または被処理材)44が右方向に搬送さ
れる。この搬送は、右周りに回転するベルト(またはチ
ェーン)92に対象物の後端に当接できる部材94が固
定され、ベルト92の移動と共に右向きに移動するよう
になっている。この部材94が移動すると、対象物44
の後端が押されるので移動する。従って、ベルト92お
よび部材94を他方の側に設けてもよく、搬送が安定す
る。
【0096】図17に、本発明の気体浮揚・移送装置ま
たは熱処理装置において使用できる搬送手段のもう1つ
の態様を模式的に平面図にて示す。図示した態様では、
図16の態様に加えて、対象物44の前端に当接できる
部材96が対象物の両側に設けられている。この部材9
6を設けると、ベルト92の移動を止めて搬送されてい
る対象物44を停止する場合、移動する対象物の慣性力
が大きい場合であっても、それを押さえて確実に対象物
を所定の箇所で停止できる点で好都合である。
【0097】尚、本発明を主として加熱処理の場合を例
にして説明したが、上述の本発明の浮揚装置、気体浮揚
・搬送装置および熱処理装置は、対象物または被処理材
を冷却処理または恒温処理する場合、種々の温度変化に
さらす場合にも、上述と同じように適用することができ
る。異なるのは、対象物に熱を加えるか、除くか、ある
いは熱の出入を断つかの違いであり、対象物の浮揚およ
び搬送に関する上述の説明は、加熱処理以外の熱処理に
も当て嵌る。
【0098】
【発明の効果】ベルト搬送方式が大きな熱容量を有する
こと、気体浮揚搬送方式においても非常に多量の気体が
必要となること、また、搬送手段の摩耗に起因する発塵
による品質劣化のような問題を有する従来のベルトコン
ベア搬送式熱処理装置と比べると、本発明にかかる気体
浮揚装置(または方法)、あるいはそれを利用した熱処
理装置(または方法)によれば、熱処理空間にて、被処
理材により少ない量の気体を吹き付けて浮揚させた状態
で被処理材を移動搬送することができ、その結果、熱処
理空間の内外を出入りする機械的構造部が最小限とな
り、熱処理時の被処理材の品質を確保しつつ、搬送系機
械の熱持ち出しによる熱エネルギーの無駄を極力抑える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気体浮揚・搬送装置に使用できる気
体浮揚手段の気体吐出手段の分解斜視図を模式的に示
す。
【図2】 図1に示した気体吐出手段の側断面図を模式
的に示す。
【図3】 本発明の気体浮揚・搬送装置に使用できる気
体浮揚手段を斜視図を模式的に示す。
【図4】 図3と同様の気体浮揚手段を示す。
【図5】 本発明の熱処理装置に使用できる気体浮揚手
段を構成する気体吐出手段の1つの態様を被処理材の搬
送方向の端部から見た様子を模式的に示す。
【図6】 気体吐出手段の別の態様を示す。
【図7】 気体吐出手段の別の態様を示す。
【図8】 本発明の吐出手段に用いるノズルプレートの
別の態様を斜視図にて模式的に示す。
【図9】 図8に示したノズルプレートを有する気体吐
出手段を側方断面図にて模式的に示す。
【図10】 開口部の数を複数とする場合の態様のノズ
ル部材を断面図にて模式的に示すしている。
【図11】 開口部の数を複数とする場合の別の態様の
ノズル部材を断面図にて模式的に示している。
【図12】 吐出手段に用いるのに好ましいノズルプレ
ートの別の態様を平面図にて模式的に示す。
【図13】 図12に示したプレートの断面図を模式的
に示す。
【図14】 本発明の熱処理装置の一例を、熱処理装置
の端部から見た時の様子を模式的に示す。
【図15】 本発明の熱処理装置の別の態様を熱処理装
置において被処理材を移動する方向に沿った側から見た
時の様子を模式的に示す。
【図16】 本発明の気体浮揚・移送装置または熱処理
装置において使用できる搬送手段の1つの態様を模式的
に斜視図にて示す。
【図17】 本発明の気体浮揚・移送装置または熱処理
装置において使用できる搬送手段の別の1つの態様を模
式的に斜視図にて示す。
【図18】 電子部品等の熱処理に利用される一般的な
メッシュベルト搬送式の熱処理装置の内部が判るように
した部分切除斜視図を示す。
【図19】 従来の熱処理装置の熱勘定図を示す。
【図20】 本発明に基づいたノズルプレートの1つの
態様の上面図を模式的に示す。
【図21】 本発明に基づいたノズルプレートの別の態
様の上面図を模式的に示す。
【符号の説明】
10…気体吐出手段、12…気体吐出口、14…ノズル
プレート、16…開口部、18…中間プレート、20…
電気ヒーター、22…下ケース、24…空気配管、26
…ボルト、28…スぺーサー、29…ボルト、30…気
体供給手段、32…気体浮揚手段、34…気体清浄化フ
ィルター、36…イオン発生器、38…熱交換器、40
…高温媒体、42…搬送治具、44…被処理材(対象
物)、46…レール状部材、48…パイプ状部材、50
…搬送治具、52…溝部、54…ノズル部材、56…シ
ョルダー部、58…ジョイント、60,62…溝部、6
4…ノズル、66…ボルト、70…熱処理装置、72…
断熱壁、74…熱処理空間、76…フラットヒーター、
82…排気口、84…排気管、88…搬送治具、90…
プッシャー、92…ベルト(チェーン)、94,96…
当接部材、100…熱処理装置、102…電気抵抗ヒー
ターブロック、104…加熱マッフル、106…メッシ
ュベルト、108…被処理材、110…供給部、112
…排出部、114…冷却水管、116…冷却マッフル。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/68 H01L 21/68 A (72)発明者 吉田 勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 横山 暢人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 谷本 憲司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜音速〜音速の範囲の所定の吐出速度で
    気体を気体吐出手段の気体吐出口から対象物に向かって
    吐出してそれによって対象物を浮揚する浮揚装置。
  2. 【請求項2】 気体の吐出速度は、マッハ数で0.4〜
    1.0の範囲内である請求項1に記載の浮揚装置。
  3. 【請求項3】 対象物に対して気体を気体吐出手段の気
    体吐出口から吐出して、それによって対象物を上方で浮
    揚するプレートを有して成る浮揚装置であって、プレー
    トで開口して気体を吐出する気体吐出口からプレートの
    周辺部に向かって延びる、気体吐出口を含む溝部を、プ
    レートは少なくとも1つ有する浮揚装置。
  4. 【請求項4】 マッハ数で0.4〜1.0の範囲内の所
    定の吐出速度で気体を対象物に向かって吐出する請求項
    3に記載の浮揚装置。
  5. 【請求項5】 複数の溝部がプレート中央部から放射状
    に延び、各溝部の中央部側の端部に気体吐出口が存在す
    る請求項3または4に記載の浮揚装置。
  6. 【請求項6】 溝部がプレート中央部で一体に接続さ
    れ、気体吐出口はプレート中央部に存在する請求項5に
    記載の浮揚装置。
  7. 【請求項7】 溝部は、気体吐出口の周囲で等角度で放
    射状に延びる請求項3〜6のいずれかに記載の浮揚装
    置。
  8. 【請求項8】 気体吐出口は、プレートに設けた1また
    は複数の開口部およびこの開口部の下方に位置する単一
    のノズル部材により構成され、吐出される気体は、ノズ
    ル部材を介してプレートに設けた開口部から吐出される
    請求項3〜7のいずれかに記載の浮揚装置。
  9. 【請求項9】 気体吐出口は、プレートに設けた開口部
    に取り付けられた、プレートとは別のノズル部材に設け
    た1または複数の開口部により構成され、吐出される気
    体は、ノズル部材を介してその開口部から吐出される請
    求項3〜7のいずれかに記載の浮揚装置。
  10. 【請求項10】 プレートの開口部はショルダー部を有
    し、ノズル部材はショルダー部に嵌め込まれている請求
    9に記載の浮揚装置。
  11. 【請求項11】 対象物に対して気体を気体吐出手段の
    気体吐出口から吐出して、それによって対象物を上方で
    浮揚するプレートを有して成る気体浮揚装置であって、
    プレートは、その中央部に気体吐出口を有し、その気体
    吐出口を包囲するように周状に複数の溝部が形成されて
    いる浮揚装置。
  12. 【請求項12】 マッハ数で0.4〜1.0の範囲内の
    所定の吐出速度で気体を対象物に向かって吐出する請求
    項11に記載の浮揚装置。
  13. 【請求項13】 気体吐出口は、プレートに設けた1ま
    たは複数の開口部およびこの開口部の下方に位置する単
    一のノズル部材により構成され、吐出される気体は、ノ
    ズル部材を介してプレートに設けた開口部から吐出され
    る請求項11または12に記載の浮揚装置。
  14. 【請求項14】 気体吐出口は、プレートに設けた開口
    部に取り付けられた、プレートとは別のノズル部材に設
    けた1または複数の開口部により構成され、吐出される
    気体は、ノズル部材を介してその開口部から吐出される
    請求項11〜13のいずれかに記載の浮揚装置。
  15. 【請求項15】 プレートの開口部はショルダー部を有
    し、ノズル部材はショルダー部に嵌め込まれている請求
    項14に記載の浮揚装置。
  16. 【請求項16】 処理空間において、対象物を気体によ
    り浮揚させて搬送手段により搬送する、請求項1〜15
    のいずれかに記載の浮揚装置を気体浮揚手段として有し
    て成る気体浮揚・搬送装置。
  17. 【請求項17】 気体浮揚手段は、気体吐出手段に加え
    て気体供給手段を有して成り、気体供給手段は、吐出す
    る気体を気体吐出手段に供給する請求項16に記載の気
    体浮揚・搬送装置。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の気体浮
    揚・搬送装置を有して成る、対象物としての被処理材の
    熱処理装置。
  19. 【請求項19】 複数の気体浮揚手段を有して成り、気
    体浮揚手段は被処理材の搬送方向に沿って並べられてい
    る請求項18に記載の熱処理装置。
  20. 【請求項20】 気体浮揚手段は、被処理材の搬送方向
    に沿って複数列で並べられている請求項18または19
    に記載の熱処理装置。
  21. 【請求項21】 被処理材の中央部分に向かって90〜
    60°の角度の範囲の吐出方向で、気体吐出手段の気体
    吐出口から気体が吐出されるようになっている請求項1
    8〜20のいずれかに記載の熱処理装置。
  22. 【請求項22】 気体吐出手段から吐出される気体の温
    度または流量は、気体吐出手段毎に調節できる請求項1
    9〜21のいずれかに記載の熱処理装置。
  23. 【請求項23】 気体供給手段は、吐出する気体を吐出
    する前に、気体を清浄化するフィルターを有する請求項
    18〜22のいずれかに記載の熱処理装置。
  24. 【請求項24】 気体供給手段は、吐出する気体を吐出
    する前に、気体の静電気を除去する気体除電手段を有す
    る請求項18〜23のいずれかに記載の熱処理装置。
  25. 【請求項25】 気体供給手段は、吐出する気体を吐出
    する前に、電気的加熱、燃料の燃焼熱および間接熱交
    換、またはこれらの組み合わせから選択される方法によ
    って気体を加熱する加熱手段を有する請求項18〜24
    のいずれかに記載の熱処理装置。
  26. 【請求項26】 被処理材を搬送治具に載置して、対象
    物としての搬送治具を浮揚させることにより被処理材を
    浮揚させる請求項18〜25のいずれかに記載の熱処理
    装置。
  27. 【請求項27】 被処理材の搬送方向に沿った搬送治具
    の縁部の上方に位置して、吐出された気体が被処理材の
    上面側に流れるのを抑制する流動制御カバーを更に有し
    て成る請求項18〜26のいずれかに記載の熱処理装
    置。
  28. 【請求項28】 吐出された気体を排気するための排気
    口が被処理材のレベルより低い箇所に設けられている請
    求項18〜27のいずれかに記載の熱処理装置。
  29. 【請求項29】 請求項1〜15のいずれかに記載の浮
    揚装置を使用して対象物を浮揚する方法。
  30. 【請求項30】 請求項16または17に記載の気体浮
    揚・搬送装置を使用して対象物を浮揚して搬送する方
    法。
  31. 【請求項31】 請求項18〜28のいずれかに記載の
    熱処理装置を使用する被処理材の熱処理方法。
  32. 【請求項32】 気体吐出手段から吐出される気体の温
    度は、被処理材の温度より高く、その結果、吐出される
    気体は被処理材に熱を加える請求項31に記載の熱処理
    方法。
  33. 【請求項33】 気体吐出手段から吐出される気体の温
    度は、被処理材の温度より低く、その結果、吐出される
    気体は被処理材から熱を奪う請求項31に記載の熱処理
    方法。
  34. 【請求項34】 被処理材が、最終製品としてのプラズ
    マ・ディスプレイ・パネルの原料品または中間品の基板
    である請求項31〜33のいずれかに記載の熱処理方
    法。
  35. 【請求項35】 被処理材が、最終製品としての太陽電
    池パネルの原料品または中間品の基板である請求項31
    〜33のいずれかに記載の熱処理方法。
  36. 【請求項36】 ノズルプレートと被処理材との間の距
    離である、対象物の浮揚高さが0.2〜1mmの範囲内
    である請求項29〜35のいずれかに記載の方法。
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