JP2000128345A - 気体浮揚・搬送装置、熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents
気体浮揚・搬送装置、熱処理装置および熱処理方法Info
- Publication number
- JP2000128345A JP2000128345A JP11128537A JP12853799A JP2000128345A JP 2000128345 A JP2000128345 A JP 2000128345A JP 11128537 A JP11128537 A JP 11128537A JP 12853799 A JP12853799 A JP 12853799A JP 2000128345 A JP2000128345 A JP 2000128345A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat treatment
- gas
- processed
- levitation
- treated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Tunnel Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 生産性の向上およびり品質の高い中間製品ま
たは最終製品を提供する熱処理装置を提供する。 【解決手段】 所定方向に沿って並べて配置された複数
の被処理材1を熱処理するために、熱処理空間7内で被
処理材を該所定方向に沿って搬送する装置は、気体浮揚
手段3および搬送手段を有し、気体浮揚手段は、(1)
被処理材を浮上させるために浮揚力を作用する被処理材
の一部分に気体を吹き付ける気体吐出手段および(2)
気体吐出手段に気体を供給する気体供給手段を有する気
体浮揚手段を有し、搬送手段は、浮上した被処理材の後
端に当接して、かつ、該所定方向に沿って移動する当接
部材4を有して成り、当接部材が移動することによって
被処理材を押し、それによって、浮上した被処理材を該
所定方向に移動する。
たは最終製品を提供する熱処理装置を提供する。 【解決手段】 所定方向に沿って並べて配置された複数
の被処理材1を熱処理するために、熱処理空間7内で被
処理材を該所定方向に沿って搬送する装置は、気体浮揚
手段3および搬送手段を有し、気体浮揚手段は、(1)
被処理材を浮上させるために浮揚力を作用する被処理材
の一部分に気体を吹き付ける気体吐出手段および(2)
気体吐出手段に気体を供給する気体供給手段を有する気
体浮揚手段を有し、搬送手段は、浮上した被処理材の後
端に当接して、かつ、該所定方向に沿って移動する当接
部材4を有して成り、当接部材が移動することによって
被処理材を押し、それによって、浮上した被処理材を該
所定方向に移動する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理方法、例え
ばプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、あるい
は、太陽電池パネルのような最終製品を製造する方法に
おける原料、中間品等被処理材の熱処理空間における熱
処理方法およびそのための装置に関し、特に、熱処理装
置内で使用して被処理材を熱処理空間内で移動する搬送
装置に関するものである。
ばプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、あるい
は、太陽電池パネルのような最終製品を製造する方法に
おける原料、中間品等被処理材の熱処理空間における熱
処理方法およびそのための装置に関し、特に、熱処理装
置内で使用して被処理材を熱処理空間内で移動する搬送
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の製品の製造過程において、様々の
熱処理、例えば加熱および冷却処理等が利用されてい
る。具体的には、乾燥、焼成、封着、排気、アニール、
その他の熱処理によって達成される作用は数多く知られ
ている。
熱処理、例えば加熱および冷却処理等が利用されてい
る。具体的には、乾燥、焼成、封着、排気、アニール、
その他の熱処理によって達成される作用は数多く知られ
ている。
【0003】例えば、熱処理の生産性を向上させるため
に、被処理材をメッシュベルトコンベア、ローラハース
等で搬送しつつ、ドーム状あるいはトンネル状の加熱炉
内を通過させて加熱処理を施すことが提案されている。
に、被処理材をメッシュベルトコンベア、ローラハース
等で搬送しつつ、ドーム状あるいはトンネル状の加熱炉
内を通過させて加熱処理を施すことが提案されている。
【0004】図8に、電子部品等の製造に一般的に使わ
れている電気抵抗加熱によるメッシュベルト搬送式熱処
理装置を模式的に斜視図にて示す。熱処理装置100で
は、電気抵抗ヒーターブロック102で囲まれた加熱マ
ッフル104と呼ばれる金属材により形成されたトンネ
ル内を、メッシュベルト106が連続的に一方向へ移動
している。熱処理する被処理材108はこのメッシュベ
ルト106に載せられて供給部(ローダー)110側か
ら排出部(アンローダー)112側へ移動する。被処理
材108は、加熱マッフル104を通過しながら所定の
温度で加熱される。メッシュベルト106と被処理材1
08は、ヒーターブロック102で囲まれたゾーンを通
過すると、冷却水管114が施された冷却マッフル11
6を通過しながら冷却される。
れている電気抵抗加熱によるメッシュベルト搬送式熱処
理装置を模式的に斜視図にて示す。熱処理装置100で
は、電気抵抗ヒーターブロック102で囲まれた加熱マ
ッフル104と呼ばれる金属材により形成されたトンネ
ル内を、メッシュベルト106が連続的に一方向へ移動
している。熱処理する被処理材108はこのメッシュベ
ルト106に載せられて供給部(ローダー)110側か
ら排出部(アンローダー)112側へ移動する。被処理
材108は、加熱マッフル104を通過しながら所定の
温度で加熱される。メッシュベルト106と被処理材1
08は、ヒーターブロック102で囲まれたゾーンを通
過すると、冷却水管114が施された冷却マッフル11
6を通過しながら冷却される。
【0005】熱処理に使用される加熱炉には、一般的
に、被処理材の搬送方向に沿って、被処理材を加熱昇温
させる昇温ゾーンと、昇温した被処理材の温度を一定に
維持する恒温ゾーンと、被処理材を冷却降温させる降温
ゾーンとが配置され、被処理材が各ゾーンを順次通過す
る間に所定の熱処理が施されるようになっている。通
常、昇温ゾーンでは熱が加えられ、恒温ゾーンでは放熱
量に見合う分だけ熱が加えられ、降温ゾーンでは熱が奪
われる。
に、被処理材の搬送方向に沿って、被処理材を加熱昇温
させる昇温ゾーンと、昇温した被処理材の温度を一定に
維持する恒温ゾーンと、被処理材を冷却降温させる降温
ゾーンとが配置され、被処理材が各ゾーンを順次通過す
る間に所定の熱処理が施されるようになっている。通
常、昇温ゾーンでは熱が加えられ、恒温ゾーンでは放熱
量に見合う分だけ熱が加えられ、降温ゾーンでは熱が奪
われる。
【0006】通常、電子部品の熱処理に用いられる加熱
炉の加熱方式としては、電気エネルギーを利用する電気
抵抗加熱、ランプ輻射によるイメージ加熱、気体燃料等
の燃焼熱による加熱があり、これらが単独または組み合
わせて使用される。被処理材のような熱負荷に対して変
動が小さく、安定した熱処理条件を維持するためには、
上述のような加熱方式により、熱容量の大きい雰囲気を
有する熱処理空間を形成する必要があり、熱処理空間を
構成する、熱処理装置の内部構造物をも加熱する必要が
ある。
炉の加熱方式としては、電気エネルギーを利用する電気
抵抗加熱、ランプ輻射によるイメージ加熱、気体燃料等
の燃焼熱による加熱があり、これらが単独または組み合
わせて使用される。被処理材のような熱負荷に対して変
動が小さく、安定した熱処理条件を維持するためには、
上述のような加熱方式により、熱容量の大きい雰囲気を
有する熱処理空間を形成する必要があり、熱処理空間を
構成する、熱処理装置の内部構造物をも加熱する必要が
ある。
【0007】上記のような従来の熱処理方法では、被処
理材の熱処理において、被処理材全体に対して均一に昇
温、恒温、降温処理を施す際に、大きな熱処理空間を必
要とし、それに伴い、損失する熱エネルギーが大きい。
この大きな熱処理空間を維持するために、熱処理装置に
投入する熱エネルギーのうち、被処理材が加熱処理にて
実際に有効に消費される熱エネルギー(有効保有熱)の
割合が少なく、大部分の投入熱エネルギーが無駄に消費
されるという問題があり、熱処理のコストが高くなる原
因にもなっていた。
理材の熱処理において、被処理材全体に対して均一に昇
温、恒温、降温処理を施す際に、大きな熱処理空間を必
要とし、それに伴い、損失する熱エネルギーが大きい。
この大きな熱処理空間を維持するために、熱処理装置に
投入する熱エネルギーのうち、被処理材が加熱処理にて
実際に有効に消費される熱エネルギー(有効保有熱)の
割合が少なく、大部分の投入熱エネルギーが無駄に消費
されるという問題があり、熱処理のコストが高くなる原
因にもなっていた。
【0008】上述のように、図8は、電子部品等の熱処
理に利用される一般的なメッシュベルト搬送式の熱処理
装置の内部が判るようにした部分切除斜視図である。こ
のような熱処理装置での熱エネルギーの利用効率が低い
原因は、例えば次の理由が考えられる。
理に利用される一般的なメッシュベルト搬送式の熱処理
装置の内部が判るようにした部分切除斜視図である。こ
のような熱処理装置での熱エネルギーの利用効率が低い
原因は、例えば次の理由が考えられる。
【0009】図9に、従来の熱処理装置の熱勘定図を示
す。実際に熱処理装置に投入される熱エネルギーを10
0%として熱収支を計算すると、被処理材を搬送するコ
ンベアが出入りするトンネル状の代表的加熱炉では、常
に出入口が開放されているため、加熱炉内に供給された
熱エネルギーが出入口から放出されてしまう。このよう
な出入口からの熱エネルギーの放出は、供給された熱エ
ネルギーの30%程度にもなる。
す。実際に熱処理装置に投入される熱エネルギーを10
0%として熱収支を計算すると、被処理材を搬送するコ
ンベアが出入りするトンネル状の代表的加熱炉では、常
に出入口が開放されているため、加熱炉内に供給された
熱エネルギーが出入口から放出されてしまう。このよう
な出入口からの熱エネルギーの放出は、供給された熱エ
ネルギーの30%程度にもなる。
【0010】また、熱処理装置内では、被処理材に加え
てコンベアをも加熱しなければならないため、コンべア
を加熱するために多くの熱エネルギーが消費される。複
雑な機構装置であり、熱容量も大きなコンベアを加熱す
るには大量の熱エネルギーが必要である。コンベアが加
熱炉を出ると、熱処理装置内でコンベアに供給された熱
エネルギーは外部に放出されてしまい、無駄になる。コ
ンべアが熱処理装置を循環して出入りする毎に、大量の
熱エネルギーをコンベアに供給し、供給された熱エネル
ギーを利用することなく外部に放出していることにな
る。このようなコンベアによる熱エネルギーの持ち出し
は、供給された熱エネルギーの20%程度にもなる。
てコンベアをも加熱しなければならないため、コンべア
を加熱するために多くの熱エネルギーが消費される。複
雑な機構装置であり、熱容量も大きなコンベアを加熱す
るには大量の熱エネルギーが必要である。コンベアが加
熱炉を出ると、熱処理装置内でコンベアに供給された熱
エネルギーは外部に放出されてしまい、無駄になる。コ
ンべアが熱処理装置を循環して出入りする毎に、大量の
熱エネルギーをコンベアに供給し、供給された熱エネル
ギーを利用することなく外部に放出していることにな
る。このようなコンベアによる熱エネルギーの持ち出し
は、供給された熱エネルギーの20%程度にもなる。
【0011】更に、従来の熱処理技術では、加熱炉の炉
壁から外部に放出される熱エネルギーの量も大きく、供
給された熱エネルギーの45%程度が炉壁から放出され
てしまう。これらの結果、従来の熱処理装置では、供給
された熱エネルギーのうち、被処理材の加熱処理に利用
できる熱エネルギーは、全体のわずか5%以下程度に過
ぎないと言われており、極めて非効率な熱処理を行って
いるのが現状である。
壁から外部に放出される熱エネルギーの量も大きく、供
給された熱エネルギーの45%程度が炉壁から放出され
てしまう。これらの結果、従来の熱処理装置では、供給
された熱エネルギーのうち、被処理材の加熱処理に利用
できる熱エネルギーは、全体のわずか5%以下程度に過
ぎないと言われており、極めて非効率な熱処理を行って
いるのが現状である。
【0012】本明細書を通じて「熱処理」とは、被処理
材の昇温、恒温、降温またはこれらの組み合わせの処理
であって、被処理材の温度を上げる、下げる、または一
定に保つこと、あるいはこれらのいずれかの組み合わせ
の処理であってもよく、そのために被処理材に熱を加え
ること、またはそれから熱を奪うこと、あるいはこれら
の種々の組み合わせ(場合により断熱することを含んで
もよい)のいずれの処理であってもよい。この熱処理に
よって、被処理材の少なくとも1つの特性(例えば、水
分保有率、重量、電気抵抗、透過率、形成膜厚またはそ
の均一性、内部応力またはひずみ、強度、組成等)が所
定のように変化する。
材の昇温、恒温、降温またはこれらの組み合わせの処理
であって、被処理材の温度を上げる、下げる、または一
定に保つこと、あるいはこれらのいずれかの組み合わせ
の処理であってもよく、そのために被処理材に熱を加え
ること、またはそれから熱を奪うこと、あるいはこれら
の種々の組み合わせ(場合により断熱することを含んで
もよい)のいずれの処理であってもよい。この熱処理に
よって、被処理材の少なくとも1つの特性(例えば、水
分保有率、重量、電気抵抗、透過率、形成膜厚またはそ
の均一性、内部応力またはひずみ、強度、組成等)が所
定のように変化する。
【0013】例えば、被処理材に熱を加える処理には、
被処理材の温度を所定の温度までに所定時間で上げる処
理、被処理材の温度を所定温度で所定時間維持する処理
および被処理材を所定の温度変化条件にさらす処理等が
含まれる。また、被処理材から熱を奪う処理には、熱を
加えない時の場合、すなわち自然冷却による方法、ある
いは、動力により冷風を吹き付けたり、所定の温度に制
御可能な熱を吸収する面または放熱する面等を利用した
強制冷却による方法により、被処理材の温度を低下させ
る処理が含まれる。
被処理材の温度を所定の温度までに所定時間で上げる処
理、被処理材の温度を所定温度で所定時間維持する処理
および被処理材を所定の温度変化条件にさらす処理等が
含まれる。また、被処理材から熱を奪う処理には、熱を
加えない時の場合、すなわち自然冷却による方法、ある
いは、動力により冷風を吹き付けたり、所定の温度に制
御可能な熱を吸収する面または放熱する面等を利用した
強制冷却による方法により、被処理材の温度を低下させ
る処理が含まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、例えばプラズマ・ディスプレイ・パネルおよび太陽
電池パネル製造における、種々の被処理材を熱処理する
場合における上述の問題点を解消し、使用する気体の量
を最小限にして熱エネルギーの利用効率を向上させて、
生産性の向上およびり品質の高い中間製品または最終製
品を提供する熱処理方法よび熱処理装置に適用できる対
象としての被処理材の気体浮揚・搬送装置ならびに熱処
理装置および熱処理方法を提供することにある。
は、例えばプラズマ・ディスプレイ・パネルおよび太陽
電池パネル製造における、種々の被処理材を熱処理する
場合における上述の問題点を解消し、使用する気体の量
を最小限にして熱エネルギーの利用効率を向上させて、
生産性の向上およびり品質の高い中間製品または最終製
品を提供する熱処理方法よび熱処理装置に適用できる対
象としての被処理材の気体浮揚・搬送装置ならびに熱処
理装置および熱処理方法を提供することにある。
【0015】特に、本発明は、熱処理装置、例えばプラ
ズマ・ディスプレイ・パネルおよび太陽電池製造用熱処
理装置に適用できる気体浮揚・搬送装置に関し、熱処理
装置に投入する全熱エネルギーのうち、メッシュベルト
搬送あるいはローラーハース搬送による搬送手段と異な
り、大きな熱損失を極力なくすことができる簡素な搬送
装置として、気体の吐出を搬送に組み合わせることによ
り、被処理材を気体により浮揚(または浮上)させて搬
送する新たな気体浮揚・搬送装置を提供する。
ズマ・ディスプレイ・パネルおよび太陽電池製造用熱処
理装置に適用できる気体浮揚・搬送装置に関し、熱処理
装置に投入する全熱エネルギーのうち、メッシュベルト
搬送あるいはローラーハース搬送による搬送手段と異な
り、大きな熱損失を極力なくすことができる簡素な搬送
装置として、気体の吐出を搬送に組み合わせることによ
り、被処理材を気体により浮揚(または浮上)させて搬
送する新たな気体浮揚・搬送装置を提供する。
【0016】ところで、被処理材を浮揚・搬送する基本
的な技術は、従来から知られている。また、熱処理空間
内で基板を浮揚して熱処理する装置としては、例えば、
特開平5−29238号公報(出願人:シャープ
(株))にて開示されているように、半導体デバイス製
造工程において、不活性ガスを半導体基板の両面に吹き
付けて基板を浮遊させながら、加熱光を照射することに
よって半導体基板の加熱を行い、同時に所定の基板表面
に不純物(ドーパント)を熱拡散する熱拡散装置が提案
されている。
的な技術は、従来から知られている。また、熱処理空間
内で基板を浮揚して熱処理する装置としては、例えば、
特開平5−29238号公報(出願人:シャープ
(株))にて開示されているように、半導体デバイス製
造工程において、不活性ガスを半導体基板の両面に吹き
付けて基板を浮遊させながら、加熱光を照射することに
よって半導体基板の加熱を行い、同時に所定の基板表面
に不純物(ドーパント)を熱拡散する熱拡散装置が提案
されている。
【0017】しかしながら、実用性を考慮した場合、高
温雰囲気内で気体のみの作用で基板を所定のレベルで所
定の時間範囲内で確実に搬送した後、安定して停止させ
るという浮揚・搬送制御は極めて難しく、また、それを
実現することが可能であるとしても、気体によって基板
を浮揚・搬送させるための気体流量の制御装置のコスト
は極めて高価になることは容易に予想されることであ
る。従って、エネルギーの有効利用を図る上で、気体浮
揚・搬送を実際の製造工程に適応させるには、より現実
的かつ安価で、更に信頼性のある浮揚・搬送方法および
そのための装置を提供することが望まれる。
温雰囲気内で気体のみの作用で基板を所定のレベルで所
定の時間範囲内で確実に搬送した後、安定して停止させ
るという浮揚・搬送制御は極めて難しく、また、それを
実現することが可能であるとしても、気体によって基板
を浮揚・搬送させるための気体流量の制御装置のコスト
は極めて高価になることは容易に予想されることであ
る。従って、エネルギーの有効利用を図る上で、気体浮
揚・搬送を実際の製造工程に適応させるには、より現実
的かつ安価で、更に信頼性のある浮揚・搬送方法および
そのための装置を提供することが望まれる。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の要旨において、本
発明は、被処理材を熱処理するために、熱処理空間内で
被処理材を所定方向に沿って搬送する装置であって、気
体浮揚手段および搬送手段を有して成り、気体浮揚手段
は、(1)被処理材を浮上させるために浮揚力を作用す
る被処理材の一部分に気体を吹き付ける気体吐出手段お
よび(2)気体吐出手段に気体を供給する気体供給手段
を有する気体浮揚手段を有して成り、搬送手段は、浮上
した被処理材の後端に当接して、かつ、該所定方向に沿
って移動する当接部材を有して成り、当接部材が移動す
ることによって被処理材を押し、それによって、浮上し
た被処理材を該所定方向に移動することを特徴とする気
体浮揚・搬送装置を提供する。尚、被処理材の数は、1
または複数であり、複数の場合は、該所定方向に沿って
複数並べて配置されていてよく、通常、それが一般的で
ある。
発明は、被処理材を熱処理するために、熱処理空間内で
被処理材を所定方向に沿って搬送する装置であって、気
体浮揚手段および搬送手段を有して成り、気体浮揚手段
は、(1)被処理材を浮上させるために浮揚力を作用す
る被処理材の一部分に気体を吹き付ける気体吐出手段お
よび(2)気体吐出手段に気体を供給する気体供給手段
を有する気体浮揚手段を有して成り、搬送手段は、浮上
した被処理材の後端に当接して、かつ、該所定方向に沿
って移動する当接部材を有して成り、当接部材が移動す
ることによって被処理材を押し、それによって、浮上し
た被処理材を該所定方向に移動することを特徴とする気
体浮揚・搬送装置を提供する。尚、被処理材の数は、1
または複数であり、複数の場合は、該所定方向に沿って
複数並べて配置されていてよく、通常、それが一般的で
ある。
【0019】本発明において、「被処理材」とは熱処理
をするために熱処理空間(通常、複数の対象を一度に収
容できる、水平方向に細長いものであってよい)内を搬
送する対象であり、例えば種々の基板、特にプレートま
たはシート状のものであってよい。被処理材は、気体浮
揚手段から吐出される気体が吹き付けられて浮揚力が作
用する面をその一部分として有する。被処理材の数は、
1またはそれ以上であり、特に限定されるものではな
く、通常、2〜30程度であってよい。具体的な数の選
択は、熱処理の種類、生産性、装置のコスト等を考慮し
て当業者であれば選択できる。尚、本発明は、単一の被
処理材の熱処理を排除するものではないが、効率の点か
らは、被処理材を単独で処理するのは一般的に非効率的
である。このような被処理材は、熱処理空間内で所定方
向に沿って並べて配置されて、その方向に沿って搬送さ
れる。この反応の間に、被処理材は所定のように熱処理
される。
をするために熱処理空間(通常、複数の対象を一度に収
容できる、水平方向に細長いものであってよい)内を搬
送する対象であり、例えば種々の基板、特にプレートま
たはシート状のものであってよい。被処理材は、気体浮
揚手段から吐出される気体が吹き付けられて浮揚力が作
用する面をその一部分として有する。被処理材の数は、
1またはそれ以上であり、特に限定されるものではな
く、通常、2〜30程度であってよい。具体的な数の選
択は、熱処理の種類、生産性、装置のコスト等を考慮し
て当業者であれば選択できる。尚、本発明は、単一の被
処理材の熱処理を排除するものではないが、効率の点か
らは、被処理材を単独で処理するのは一般的に非効率的
である。このような被処理材は、熱処理空間内で所定方
向に沿って並べて配置されて、その方向に沿って搬送さ
れる。この反応の間に、被処理材は所定のように熱処理
される。
【0020】「熱処理」とは、対象に熱を加えること、
対象から熱を奪うこと、対象を断熱状態にすること、あ
るいはこれらのいずれの組み合わせであってもよい。
「所定方向」とは、熱処理空間内において被処理材を移
動すべく予め定めた方向であって、通常は水平方向であ
ってよい。
対象から熱を奪うこと、対象を断熱状態にすること、あ
るいはこれらのいずれの組み合わせであってもよい。
「所定方向」とは、熱処理空間内において被処理材を移
動すべく予め定めた方向であって、通常は水平方向であ
ってよい。
【0021】「気体浮揚手段」は、気体吐出手段および
気体供給手段から構成され、被処理材に対して、浮上さ
せるために浮揚力を作用する部分に、通常被処理材の底
面に、気体を吹き付けて被処理材に浮揚力を作用させて
浮上させるものであれば特に限定されるものではない。
被処理材は、プレートまたはシート状(即ち、厚さに比
較して他のディメンションが大きいもの)の場合が多
く、この場合は、裏面に気体を吹き付ける。一般的に
は、ノズルまたは多孔プレートのような「気体吐出手
段」から被処理材に対して不活性な気体(通常、空気、
窒素、あるいは熱処理空間を形成するその他のプロセス
ガス等)が吹き付けられ、「気体供給手段」は、気体吐
出手段に吹き付ける気体(特にその圧力および/または
量)をコントロールして供給し、安定した浮揚量を確保
する。
気体供給手段から構成され、被処理材に対して、浮上さ
せるために浮揚力を作用する部分に、通常被処理材の底
面に、気体を吹き付けて被処理材に浮揚力を作用させて
浮上させるものであれば特に限定されるものではない。
被処理材は、プレートまたはシート状(即ち、厚さに比
較して他のディメンションが大きいもの)の場合が多
く、この場合は、裏面に気体を吹き付ける。一般的に
は、ノズルまたは多孔プレートのような「気体吐出手
段」から被処理材に対して不活性な気体(通常、空気、
窒素、あるいは熱処理空間を形成するその他のプロセス
ガス等)が吹き付けられ、「気体供給手段」は、気体吐
出手段に吹き付ける気体(特にその圧力および/または
量)をコントロールして供給し、安定した浮揚量を確保
する。
【0022】このような気体浮揚手段は公知であり、例
えば特開昭53−24672号公報に開示されている。
本発明の装置において、被処理材を所定の高さ浮上させ
ることができるものであれば、いずれの公知の気体浮揚
手段を使用してもよい。
えば特開昭53−24672号公報に開示されている。
本発明の装置において、被処理材を所定の高さ浮上させ
ることができるものであれば、いずれの公知の気体浮揚
手段を使用してもよい。
【0023】本発明の装置において、被処理材の熱処理
空間内での移動は、搬送手段が有する当接部材により実
施する。この当接部材は熱処理空間内で被処理材を移動
すべき、被処理材の後端に当接して被処理材を前方に向
かって押すようになっている。
空間内での移動は、搬送手段が有する当接部材により実
施する。この当接部材は熱処理空間内で被処理材を移動
すべき、被処理材の後端に当接して被処理材を前方に向
かって押すようになっている。
【0024】搬送手段は、浮上した被処理材の後端に当
接して、かつ、該所定方向に沿って移動する当接部材を
有して成り、所定方向に移動する当接部材が浮上した被
処理材を押し、それによって、被処理材を該所定方向に
機械的に移動する。このような搬送手段は、所定の時間
に所定の位置へ、確実に被処理材を移動させることがで
き、「プッシュ式搬送」と呼ぶことができる。被処理材
は、少なくともこのように移動する間は浮上している。
従って、移動しない時は、浮上していても、あるいは浮
上していなくてもよい。被処理材は、熱処理空間内を上
述のようにして移動することにより搬送されるが、熱処
理空間内に設けた熱的手段(例えば加熱手段、冷却手
段、断熱手段等)により所定のように熱処理される。
接して、かつ、該所定方向に沿って移動する当接部材を
有して成り、所定方向に移動する当接部材が浮上した被
処理材を押し、それによって、被処理材を該所定方向に
機械的に移動する。このような搬送手段は、所定の時間
に所定の位置へ、確実に被処理材を移動させることがで
き、「プッシュ式搬送」と呼ぶことができる。被処理材
は、少なくともこのように移動する間は浮上している。
従って、移動しない時は、浮上していても、あるいは浮
上していなくてもよい。被処理材は、熱処理空間内を上
述のようにして移動することにより搬送されるが、熱処
理空間内に設けた熱的手段(例えば加熱手段、冷却手
段、断熱手段等)により所定のように熱処理される。
【0025】被処理材の熱処理は、被処理材が浮上して
いる間(搬送手段により移動している間を含んでも、あ
るいは含まなくてもよい)および被処理材が浮上してい
ない間(即ち、浮揚気体の供給が停止して被処理材が熱
処理空間の底部に位置している間の双方、またはいずれ
か(通常は後者)の間に実施される。浮揚に使用する気
体の量を節約する場合には、被処理材を移動する時のみ
気体を供給して浮揚させるのが好ましい。
いる間(搬送手段により移動している間を含んでも、あ
るいは含まなくてもよい)および被処理材が浮上してい
ない間(即ち、浮揚気体の供給が停止して被処理材が熱
処理空間の底部に位置している間の双方、またはいずれ
か(通常は後者)の間に実施される。浮揚に使用する気
体の量を節約する場合には、被処理材を移動する時のみ
気体を供給して浮揚させるのが好ましい。
【0026】本発明の搬送装置の1つの態様では、被処
理材を搬送治具に載置し、搬送治具が熱処理空間内を通
過するようにする。即ち、上述の本発明の装置におい
て、被処理材の代りに搬送治具を気体により浮上させ、
搬送手段により搬送治具を移動させることによって、結
果的に被処理材を搬送する。このような搬送治具は、被
処理材を熱処理する雰囲気において実質的に影響を受け
ず、また、熱処理雰囲気において被処理材に対して悪影
響を与えないのが好ましい。通常、石英ガラス材料、セ
ラミック材料、金属材料からこのような搬送治具を形成
するのが好ましい。搬送治具は、気体吐出手段から吹き
出す気体により浮揚力を受け易い面を有するのが好まし
く、従って、搬送治具は、矩形のプレート状または比較
的浅い皿状の形態であるのが一般的に好ましく、そのよ
うな治具の裏面に向かって気体を吹き付け、反対側の表
面上に被処理材を載置する。
理材を搬送治具に載置し、搬送治具が熱処理空間内を通
過するようにする。即ち、上述の本発明の装置におい
て、被処理材の代りに搬送治具を気体により浮上させ、
搬送手段により搬送治具を移動させることによって、結
果的に被処理材を搬送する。このような搬送治具は、被
処理材を熱処理する雰囲気において実質的に影響を受け
ず、また、熱処理雰囲気において被処理材に対して悪影
響を与えないのが好ましい。通常、石英ガラス材料、セ
ラミック材料、金属材料からこのような搬送治具を形成
するのが好ましい。搬送治具は、気体吐出手段から吹き
出す気体により浮揚力を受け易い面を有するのが好まし
く、従って、搬送治具は、矩形のプレート状または比較
的浅い皿状の形態であるのが一般的に好ましく、そのよ
うな治具の裏面に向かって気体を吹き付け、反対側の表
面上に被処理材を載置する。
【0027】このように搬送治具を使用する場合、被処
理材の形態に影響を受けることなく、確実な搬送が可能
となり、また、熱処理条件によって被処理材が自重によ
り変形するのを防止できるという利点がある。例えば、
気体吐出手段からの高温の気体を吐出することにより気
体の浮揚と熱処理を同時に実施しようとする場合、被処
理材に直接気体を吹き付けて浮揚すると、被処理材中に
大きな温度分布が生じ、熱処理が不均一となったり、ま
た、被処理材中に残留応力によって熱歪みが生じたり、
更に、急激な加熱や冷却によって破壊したりすることが
あるが、このような場合には、搬送治具により被処理材
の直接的な加熱を避けることができる。勿論、別法で
は、吐出する気体による加熱を止めて、他の加熱手段を
用いてもよい。
理材の形態に影響を受けることなく、確実な搬送が可能
となり、また、熱処理条件によって被処理材が自重によ
り変形するのを防止できるという利点がある。例えば、
気体吐出手段からの高温の気体を吐出することにより気
体の浮揚と熱処理を同時に実施しようとする場合、被処
理材に直接気体を吹き付けて浮揚すると、被処理材中に
大きな温度分布が生じ、熱処理が不均一となったり、ま
た、被処理材中に残留応力によって熱歪みが生じたり、
更に、急激な加熱や冷却によって破壊したりすることが
あるが、このような場合には、搬送治具により被処理材
の直接的な加熱を避けることができる。勿論、別法で
は、吐出する気体による加熱を止めて、他の加熱手段を
用いてもよい。
【0028】本発明の1つの態様において、当接部材
は、被処理材の後端に接触する他の被処理材の前端であ
る。即ち、この態様では、被処理材が所定方向に並んで
配列され、ある1つの被処理材は、その直ぐ後に配置さ
れた被処理材により押される。従って、後続の被処理材
が、特にその前端が、それに先行する被処理材の後端に
接触して、何らかの作用により後続の被処理材を前方に
移動させることにより、先行する被処理材が前方に移動
する。このような被処理材の移動は、複数の被処理材が
相互に接触して並んでいる場合、最後尾の被処理材に外
部から前方に向かう力を加えると、その力が次々と前方
に位置する被処理材に伝達れることにより実施でき、従
って、並んでいる被処理材の最後尾を機械的に前向きに
押す力を、例えばプッシャーにより、加えればよい。こ
のような搬送方式は、玉突き式、トコロテン式またはプ
ラグフロー式と呼ぶことができる。この態様では、被処
理材が直接当接するので、一般的に、並んでいる被処理
材が相互に接触できる面積が大きいほど、また、被処理
材の厚さ(即ち、搬送方向に対して垂直なディメンショ
ン)が大きいほど好適である。
は、被処理材の後端に接触する他の被処理材の前端であ
る。即ち、この態様では、被処理材が所定方向に並んで
配列され、ある1つの被処理材は、その直ぐ後に配置さ
れた被処理材により押される。従って、後続の被処理材
が、特にその前端が、それに先行する被処理材の後端に
接触して、何らかの作用により後続の被処理材を前方に
移動させることにより、先行する被処理材が前方に移動
する。このような被処理材の移動は、複数の被処理材が
相互に接触して並んでいる場合、最後尾の被処理材に外
部から前方に向かう力を加えると、その力が次々と前方
に位置する被処理材に伝達れることにより実施でき、従
って、並んでいる被処理材の最後尾を機械的に前向きに
押す力を、例えばプッシャーにより、加えればよい。こ
のような搬送方式は、玉突き式、トコロテン式またはプ
ラグフロー式と呼ぶことができる。この態様では、被処
理材が直接当接するので、一般的に、並んでいる被処理
材が相互に接触できる面積が大きいほど、また、被処理
材の厚さ(即ち、搬送方向に対して垂直なディメンショ
ン)が大きいほど好適である。
【0029】本発明の別の態様では、熱処理空間内にお
いて該所定方向に沿って前方に移動する連続部材に被処
理材の長さに少なくとも実質的に等しい間隔を隔てて締
結されている当接部材により押されて所定方向に沿って
移動する。この態様では、当接部材は、熱処理空間内を
所定方向するベルト、チェーン、ワイヤー等の連続部材
に、当接部材が被処理材の後端の少なくとも一部分に当
接できるように、締結されている。この連続部材は、モ
ーターなどの回転駆動手段の力を適当なローラー、ギヤ
等を介して伝達することにより連続的に所定方向に移動
するようになっている。複数の被処理材を移動する必要
がある場合、熱処理空間内に一度に収容される数の被処
理材の数に対応する数の処理当接部材が連続部材に締結
され、それぞれの当接部材が各被処理材または各搬送治
具の後端に当接してこれらを押す。
いて該所定方向に沿って前方に移動する連続部材に被処
理材の長さに少なくとも実質的に等しい間隔を隔てて締
結されている当接部材により押されて所定方向に沿って
移動する。この態様では、当接部材は、熱処理空間内を
所定方向するベルト、チェーン、ワイヤー等の連続部材
に、当接部材が被処理材の後端の少なくとも一部分に当
接できるように、締結されている。この連続部材は、モ
ーターなどの回転駆動手段の力を適当なローラー、ギヤ
等を介して伝達することにより連続的に所定方向に移動
するようになっている。複数の被処理材を移動する必要
がある場合、熱処理空間内に一度に収容される数の被処
理材の数に対応する数の処理当接部材が連続部材に締結
され、それぞれの当接部材が各被処理材または各搬送治
具の後端に当接してこれらを押す。
【0030】当接部材を締結する間隔は、通常等間隔で
あるのが好ましく、その間隔の間に被処理材が配置され
る必要があるので、間隔は少なくとも被処理材の長さ
(即ち、被処理材の所定方向のディメンション)であ
る。連続部材は、熱処理空間において所定方向に沿って
少なくとも1つ、例えば熱処理空間の一方の縁または中
央線に沿って、配置する必要があり、好ましくは両縁に
沿って2つ配置する。
あるのが好ましく、その間隔の間に被処理材が配置され
る必要があるので、間隔は少なくとも被処理材の長さ
(即ち、被処理材の所定方向のディメンション)であ
る。連続部材は、熱処理空間において所定方向に沿って
少なくとも1つ、例えば熱処理空間の一方の縁または中
央線に沿って、配置する必要があり、好ましくは両縁に
沿って2つ配置する。
【0031】本発明の更にもう1つの態様では、当接部
材が配置された長尺部材の周囲のその一部分に沿って配
置されている。長尺部材は、所定方向およびその逆の方
向に往復直線運動することができる。その結果、当接部
材が被処理材に接触した状態の時(即ち、当接状態が
「オン」である)、長尺部材は前進し、所定距離前方に
進んだ後、そのような当接状態が解除される。この解除
は、当接部材を周囲の一部分に有する長尺部材をその軸
(または長手方向)の周囲で回転することによって、当
接部材が被処理材に当接している状態を解除できる(即
ち、当接状態が「オフ」(即ち、不当接状態)とな
る)。当接状態を解除した状態で、長尺部材は後退し
て、後続の被処理材の後端の箇所まで後退し、その後、
長尺部材の軸の周囲で逆に回転して、後続の被処理材の
後端に当接し、その後、前進する。
材が配置された長尺部材の周囲のその一部分に沿って配
置されている。長尺部材は、所定方向およびその逆の方
向に往復直線運動することができる。その結果、当接部
材が被処理材に接触した状態の時(即ち、当接状態が
「オン」である)、長尺部材は前進し、所定距離前方に
進んだ後、そのような当接状態が解除される。この解除
は、当接部材を周囲の一部分に有する長尺部材をその軸
(または長手方向)の周囲で回転することによって、当
接部材が被処理材に当接している状態を解除できる(即
ち、当接状態が「オフ」(即ち、不当接状態)とな
る)。当接状態を解除した状態で、長尺部材は後退し
て、後続の被処理材の後端の箇所まで後退し、その後、
長尺部材の軸の周囲で逆に回転して、後続の被処理材の
後端に当接し、その後、前進する。
【0032】このように、当接状態のオン→長尺部材の
前進→当接状態のオフ→長尺部材の後退→当接状態のオ
ンのように、長尺部材の前進および後退ならびに当接状
態のオンおよびオフを繰返して被処理材を前方に搬送す
る。尚、当接部材を締結する間隔、長尺部材の数および
その配置は上述の連続部材と同様である。このような長
尺部材は、例えばロッド、シャフト等の形態であってよ
く、これらの回転および直線往復運度はいずれの適当な
方法によって実施してもよい。
前進→当接状態のオフ→長尺部材の後退→当接状態のオ
ンのように、長尺部材の前進および後退ならびに当接状
態のオンおよびオフを繰返して被処理材を前方に搬送す
る。尚、当接部材を締結する間隔、長尺部材の数および
その配置は上述の連続部材と同様である。このような長
尺部材は、例えばロッド、シャフト等の形態であってよ
く、これらの回転および直線往復運度はいずれの適当な
方法によって実施してもよい。
【0033】このような連続部材または長尺部材は、自
体構造が簡単であり、これらを駆動する手段(例えばモ
ーター、ローラー、ギヤ等)は複雑な機構を必要とせ
ず、また、これらの部材に動力を伝達する複雑な装置
は、熱処理空間の外部に配置でき、更に、気体のみを用
いて、被処理材を移動し、停止させる時と比較して、被
処理材の移動および停止を確実にできるという利点があ
る。
体構造が簡単であり、これらを駆動する手段(例えばモ
ーター、ローラー、ギヤ等)は複雑な機構を必要とせ
ず、また、これらの部材に動力を伝達する複雑な装置
は、熱処理空間の外部に配置でき、更に、気体のみを用
いて、被処理材を移動し、停止させる時と比較して、被
処理材の移動および停止を確実にできるという利点があ
る。
【0034】第2の要旨において、本発明は、上述のよ
うな気体浮揚・搬送装置を有する熱処理装置を提供す
る。このような熱処理装置は、熱処理空間の手前で被処
理材を熱処理空間に供給する供給部、および熱処理空間
の後で被処理材を熱処理空間から取り出す排出部を更に
有して成り、供給部および排出部は、熱処理空間と同様
の気体浮揚手段および搬送手段を有して成るのが好まし
い。即ち、被処理材の熱処理装置への供給および熱処理
装置からの取り出しに際しても、気体浮揚手段により浮
上させた状態で搬送手段によって熱処理空間内に被処理
材を供給し、気体浮揚手段により浮上させた状態で搬送
手段によって熱処理空間内から被処理材を取り出す。
うな気体浮揚・搬送装置を有する熱処理装置を提供す
る。このような熱処理装置は、熱処理空間の手前で被処
理材を熱処理空間に供給する供給部、および熱処理空間
の後で被処理材を熱処理空間から取り出す排出部を更に
有して成り、供給部および排出部は、熱処理空間と同様
の気体浮揚手段および搬送手段を有して成るのが好まし
い。即ち、被処理材の熱処理装置への供給および熱処理
装置からの取り出しに際しても、気体浮揚手段により浮
上させた状態で搬送手段によって熱処理空間内に被処理
材を供給し、気体浮揚手段により浮上させた状態で搬送
手段によって熱処理空間内から被処理材を取り出す。
【0035】このような熱処理装置は、プラズマ・ディ
スプレイ・パネル(PDP)または太陽電池パネルを製
造するための原料基板もしくは中間品基板の熱処理に使
用できる。このようなパネルに用いる基板材料は、例え
ば、セラミック、ガラス(ソーダガラス、高歪み点ガラ
スその他のガラス材料)、金属その他の構造材料から形
成されていてよい。また、被処理材の熱処理は、例え
ば、プラズマ・ディスプレイ・パネルについては、銀、
酸化錫等の導電性材料、誘電材料、赤/緑/青色の蛍光
体材料、絶縁性材料等の乾燥、焼成、膜形成であり、更
に、太陽電池パネルについては、同じく銀、酸化錫等の
透明導電性材料、半導体材料等の乾燥、焼成、膜形成で
ある。
スプレイ・パネル(PDP)または太陽電池パネルを製
造するための原料基板もしくは中間品基板の熱処理に使
用できる。このようなパネルに用いる基板材料は、例え
ば、セラミック、ガラス(ソーダガラス、高歪み点ガラ
スその他のガラス材料)、金属その他の構造材料から形
成されていてよい。また、被処理材の熱処理は、例え
ば、プラズマ・ディスプレイ・パネルについては、銀、
酸化錫等の導電性材料、誘電材料、赤/緑/青色の蛍光
体材料、絶縁性材料等の乾燥、焼成、膜形成であり、更
に、太陽電池パネルについては、同じく銀、酸化錫等の
透明導電性材料、半導体材料等の乾燥、焼成、膜形成で
ある。
【0036】第3の要旨において、本発明は、上述の熱
処理装置を用いて被処理材を熱処理する方法をも提供す
る。尚、第1の要旨において説明した気体浮揚・搬送装
置は、熱処理装置に使用できるだけでなく、被処理材の
ような対象を所定方向に搬送するいずれの目的にも使用
できる。
処理装置を用いて被処理材を熱処理する方法をも提供す
る。尚、第1の要旨において説明した気体浮揚・搬送装
置は、熱処理装置に使用できるだけでなく、被処理材の
ような対象を所定方向に搬送するいずれの目的にも使用
できる。
【0037】即ち、本発明は、対象を所定方向に沿って
搬送する装置であって、気体浮揚手段および搬送手段を
有して成り、気体浮揚手段は、(1)対象を浮上させる
ために浮揚力を作用する対象の一部分に気体を吹き付け
る気体吐出手段および(2)気体吐出手段に気体を供給
する気体供給手段を有する気体浮揚手段を有して成り、
搬送手段は、浮上した対象の後端に当接して、かつ、該
所定方向に沿って移動する当接部材を有して成り、当接
部材が移動することによって対象を押し、それによっ
て、浮上した対象を該所定方向に移動することを特徴と
する気体浮揚・搬送装置をも提供する。この装置の特徴
に関しては、上述の熱処理に用いる気体浮揚・搬送装置
に関連した説明が当て嵌る。尚、対象の数は、1または
複数であり、複数の場合、対象は、所定方向に沿って並
べて配置されている。
搬送する装置であって、気体浮揚手段および搬送手段を
有して成り、気体浮揚手段は、(1)対象を浮上させる
ために浮揚力を作用する対象の一部分に気体を吹き付け
る気体吐出手段および(2)気体吐出手段に気体を供給
する気体供給手段を有する気体浮揚手段を有して成り、
搬送手段は、浮上した対象の後端に当接して、かつ、該
所定方向に沿って移動する当接部材を有して成り、当接
部材が移動することによって対象を押し、それによっ
て、浮上した対象を該所定方向に移動することを特徴と
する気体浮揚・搬送装置をも提供する。この装置の特徴
に関しては、上述の熱処理に用いる気体浮揚・搬送装置
に関連した説明が当て嵌る。尚、対象の数は、1または
複数であり、複数の場合、対象は、所定方向に沿って並
べて配置されている。
【0038】
【発明の実施の形態】添付図面を参照して、具体的な実
施態様を例にして本発明を詳細に説明する。図1は、本
発明の気体浮揚・搬送装置を有する熱処理装置を模式的
に示す断面図、即ち、熱処理装置を被処理材の搬送方向
に関してその側方からを見た様子を示す。熱処理装置8
の熱処理空間7には、被処理材としての複数の基板1が
搬送部材としてのトレイ2にそれぞれ載置されている。
トレイ2は、隙間なく左から右に向かう水平な方向であ
る所定方向に沿って並べられている。
施態様を例にして本発明を詳細に説明する。図1は、本
発明の気体浮揚・搬送装置を有する熱処理装置を模式的
に示す断面図、即ち、熱処理装置を被処理材の搬送方向
に関してその側方からを見た様子を示す。熱処理装置8
の熱処理空間7には、被処理材としての複数の基板1が
搬送部材としてのトレイ2にそれぞれ載置されている。
トレイ2は、隙間なく左から右に向かう水平な方向であ
る所定方向に沿って並べられている。
【0039】これらの被処理材1は、所定温度まで例え
ば加熱されて熱処理されるが、その加熱のために加熱手
段6が熱処理空間7内に配置されている。被処理材1を
載置したトレイ2を順に移動させて熱処理空間7内を通
過して搬送するために、熱処理空間7の左端に隣接して
配置されたトレイ2を右水平向きに押し込んでトレイ2
を熱処理空間内に供給するプッシュ式押込装置4(「ト
レイ押込装置」または「プッシャー」とも呼ぶ)が搬送
手段として設けられている。
ば加熱されて熱処理されるが、その加熱のために加熱手
段6が熱処理空間7内に配置されている。被処理材1を
載置したトレイ2を順に移動させて熱処理空間7内を通
過して搬送するために、熱処理空間7の左端に隣接して
配置されたトレイ2を右水平向きに押し込んでトレイ2
を熱処理空間内に供給するプッシュ式押込装置4(「ト
レイ押込装置」または「プッシャー」とも呼ぶ)が搬送
手段として設けられている。
【0040】複数のトレイ2がそれらの間に実質的に隙
間が存在しないように所定方向に沿って配置されている
ので、最後尾のトレイ2が熱処理空間7内に押し込まれ
る時、最先のトレイ2を除く各トレイについて、前に位
置するトレイがその前に位置するトレイに次々と押込力
を伝播していくので、全てのトレイが前方に搬送され
る。被処理材1を載置したトレイ2を確実に熱処理空間
で搬送させるために、隣接するトレイ2間に隙間ができ
ないように、また、気体浮揚による浮上時のトレイの位
置安定のために、供給部側のトレイ押出装置4に対し
て、排出部側にトレイ保持装置5を設ける。
間が存在しないように所定方向に沿って配置されている
ので、最後尾のトレイ2が熱処理空間7内に押し込まれ
る時、最先のトレイ2を除く各トレイについて、前に位
置するトレイがその前に位置するトレイに次々と押込力
を伝播していくので、全てのトレイが前方に搬送され
る。被処理材1を載置したトレイ2を確実に熱処理空間
で搬送させるために、隣接するトレイ2間に隙間ができ
ないように、また、気体浮揚による浮上時のトレイの位
置安定のために、供給部側のトレイ押出装置4に対し
て、排出部側にトレイ保持装置5を設ける。
【0041】トレイ保持装置5はトレイ押出装置4の押
出作用に対する反作用の働きを持ち(従って、これらの
トレイ2は押出装置4および保持装置5によって挟まれ
た状態で保持される)、熱処理空間7内でトレイ2の安
定した位置を保持できる。尚、図1に示す態様の装置で
は、最後尾のトレイ2を除いて、各トレイ2に着目する
と、そのトレイの後端に当接する直ぐ後続のトレイ2、
特にトレイ2の前端が当接部材であり、これが搬送手段
として機能するといえる。
出作用に対する反作用の働きを持ち(従って、これらの
トレイ2は押出装置4および保持装置5によって挟まれ
た状態で保持される)、熱処理空間7内でトレイ2の安
定した位置を保持できる。尚、図1に示す態様の装置で
は、最後尾のトレイ2を除いて、各トレイ2に着目する
と、そのトレイの後端に当接する直ぐ後続のトレイ2、
特にトレイ2の前端が当接部材であり、これが搬送手段
として機能するといえる。
【0042】また、図示した態様では、被処理材1がト
レイ2に載置されているが、被処理材がある程度の厚さ
を有するシート形状である場合には、トレイを省略して
被処理材に直接気体を吹き付けて浮上させることも可能
である。従って、そのような場合では、先と同様に、あ
る被処理材に着目した場合、当接部材は、その被処理材
の直ぐ後続の被処理材、特にその前端であり、これが搬
送部材として機能する。
レイ2に載置されているが、被処理材がある程度の厚さ
を有するシート形状である場合には、トレイを省略して
被処理材に直接気体を吹き付けて浮上させることも可能
である。従って、そのような場合では、先と同様に、あ
る被処理材に着目した場合、当接部材は、その被処理材
の直ぐ後続の被処理材、特にその前端であり、これが搬
送部材として機能する。
【0043】上述のようにトレイ2を前方(右向き)に
搬送する時、移動前の状態を示す図1(a)の状態か
ら、気体供給手段(図示せず)によって気体浮揚手段3
に系外から気体を供給することにより、気体がノズルの
ような気体吐出手段から吐出され、吐出された気体は、
基板1を載せたトレイ2の底面に吹き付けられる。それ
によって、図1(b)に示すように、トレイ2は供給し
た気体の量に応じた浮揚量(または高さ)で浮上する。
搬送する時、移動前の状態を示す図1(a)の状態か
ら、気体供給手段(図示せず)によって気体浮揚手段3
に系外から気体を供給することにより、気体がノズルの
ような気体吐出手段から吐出され、吐出された気体は、
基板1を載せたトレイ2の底面に吹き付けられる。それ
によって、図1(b)に示すように、トレイ2は供給し
た気体の量に応じた浮揚量(または高さ)で浮上する。
【0044】次に、図1(c)に示すように、押出装置
4によって供給側のトレイ2を右水平方向に押し込むこ
とにより、相互に隣接・接触して配置された複数個のト
レイ同士が力を伝搬して、浮揚したトレイ2の全体が右
向きに移動する。この時、気体浮揚手段3とトレイ2と
の間には空気層があるので、トレイを移動する場合に摩
擦力がほとんど作用せず、少ない力で押し込むことがで
きる。
4によって供給側のトレイ2を右水平方向に押し込むこ
とにより、相互に隣接・接触して配置された複数個のト
レイ同士が力を伝搬して、浮揚したトレイ2の全体が右
向きに移動する。この時、気体浮揚手段3とトレイ2と
の間には空気層があるので、トレイを移動する場合に摩
擦力がほとんど作用せず、少ない力で押し込むことがで
きる。
【0045】図1(d)に示すように、1トレイ分の移
動搬送を終了した時点で、空気の供給を停止すると、ト
レイは気体浮揚手段3上に接触して載置され、この後、
トレイ2を熱処理空間内で所定時間保持して所定の熱処
理を実施できる。次に、押出手段を左向きに移動して新
たなトレイ2を左端に設け、更に、右端のトレイを取り
出して熱処理が終了した被処理材2を得、1つの移動サ
イクルが完了する。このように、気体による浮揚工程
(b)→押出装置による浮上時の移動工程(c)→気体
停止による気体浮揚手段上への載置工程(d)→熱処理
工程→処理済みの被処理材の取り出しおよび未処理の被
処理材の供給工程(a)→気体による浮揚工程(b)を
1つのサイクルとして、これを繰り返すことにより、被
処理材は順次移動して熱処理されていく。
動搬送を終了した時点で、空気の供給を停止すると、ト
レイは気体浮揚手段3上に接触して載置され、この後、
トレイ2を熱処理空間内で所定時間保持して所定の熱処
理を実施できる。次に、押出手段を左向きに移動して新
たなトレイ2を左端に設け、更に、右端のトレイを取り
出して熱処理が終了した被処理材2を得、1つの移動サ
イクルが完了する。このように、気体による浮揚工程
(b)→押出装置による浮上時の移動工程(c)→気体
停止による気体浮揚手段上への載置工程(d)→熱処理
工程→処理済みの被処理材の取り出しおよび未処理の被
処理材の供給工程(a)→気体による浮揚工程(b)を
1つのサイクルとして、これを繰り返すことにより、被
処理材は順次移動して熱処理されていく。
【0046】熱処理は、気体浮揚手段上に載置された時
のみに実施する必要は必ずしもなく、熱処理空間内が所
定の熱処理条件に維持されていれば、被処理材が浮揚し
ていようと、そうでなかろうと、熱処理空間内に存在す
る限り、継続的に熱処理される。また、気体停止による
気体浮揚手段上への載置工程は必ずしも必要でなく、浮
上したままで熱処理することも可能である。しかしなが
ら、浮揚のための空気消費量と熱処理空間内の雰囲気の
持ち出し熱を抑えるには、浮上および載置を繰り返して
間欠的に被処理材を移動するのが好ましい。
のみに実施する必要は必ずしもなく、熱処理空間内が所
定の熱処理条件に維持されていれば、被処理材が浮揚し
ていようと、そうでなかろうと、熱処理空間内に存在す
る限り、継続的に熱処理される。また、気体停止による
気体浮揚手段上への載置工程は必ずしも必要でなく、浮
上したままで熱処理することも可能である。しかしなが
ら、浮揚のための空気消費量と熱処理空間内の雰囲気の
持ち出し熱を抑えるには、浮上および載置を繰り返して
間欠的に被処理材を移動するのが好ましい。
【0047】図2に本発明の別の態様の気体浮揚・搬送
装置を模式的に示す。尚、図2(a)では斜視図にて、
図2(b)では平面図にて示し、簡単のため、気体浮揚
手段は省略している。図2では、被処理材9の所定の移
動方向(矢印で示す水平右向き方向)に動くチェーン、
ベルトまたはワイヤーのような連続部材10が、被処理
材の搬送経路の両縁に配置されている(尚、図2(a)
では一方のみを図示)。このような連続部材は、モータ
ーなどの動力をローラー、ギヤ等を介して伝達すること
により、所定方向に移動するようになっている。
装置を模式的に示す。尚、図2(a)では斜視図にて、
図2(b)では平面図にて示し、簡単のため、気体浮揚
手段は省略している。図2では、被処理材9の所定の移
動方向(矢印で示す水平右向き方向)に動くチェーン、
ベルトまたはワイヤーのような連続部材10が、被処理
材の搬送経路の両縁に配置されている(尚、図2(a)
では一方のみを図示)。このような連続部材は、モータ
ーなどの動力をローラー、ギヤ等を介して伝達すること
により、所定方向に移動するようになっている。
【0048】連続部材10には、気体浮揚手段によって
浮上した被処理材9の後端に接触する当接部材11が締
結され、被処理材を移動すべき方向に連続部材10が移
動すると、当接部材11は、被処理材9を押すことにな
り、それによって、被処理材9は所定方向に移動する。
連続部材10の移動を停止すると、当接要素11は停止
し、即ち、当接部材11は被処理材9を押さないので、
浮揚した状態で被処理材9は停止する。停止後、必要に
応じて、気体の吐出を止めて、被処理材を気体浮揚手段
(図示せず)上に載置して、熱処理を継続してよい。所
定時間経過後に、再度気体を吐出して被処理材を浮上さ
せ、その後、連続部材10を動かして所定の位置まで、
被処理材を移動する。
浮上した被処理材9の後端に接触する当接部材11が締
結され、被処理材を移動すべき方向に連続部材10が移
動すると、当接部材11は、被処理材9を押すことにな
り、それによって、被処理材9は所定方向に移動する。
連続部材10の移動を停止すると、当接要素11は停止
し、即ち、当接部材11は被処理材9を押さないので、
浮揚した状態で被処理材9は停止する。停止後、必要に
応じて、気体の吐出を止めて、被処理材を気体浮揚手段
(図示せず)上に載置して、熱処理を継続してよい。所
定時間経過後に、再度気体を吐出して被処理材を浮上さ
せ、その後、連続部材10を動かして所定の位置まで、
被処理材を移動する。
【0049】図示した態様では、1つの被処理材を示し
ているだけであるが、このような被処理材9を複数枚実
質的に等間隔で配置してよく、これらの被処理材の間に
当接部材11を配置してよい(従って、当接部材同士
は、少なくとも被処理材の長さに相当する距離だけ離れ
て配置される。従って、図示した態様では、搬送手段
は、当接部材11を有する連続部材10である。
ているだけであるが、このような被処理材9を複数枚実
質的に等間隔で配置してよく、これらの被処理材の間に
当接部材11を配置してよい(従って、当接部材同士
は、少なくとも被処理材の長さに相当する距離だけ離れ
て配置される。従って、図示した態様では、搬送手段
は、当接部材11を有する連続部材10である。
【0050】尚、図2(b)に示した態様では、当接部
材11が、被処理材の両縁に配置されると共に、被処理
材の前端にも追加の当接部材11’が配置されている。
このようにすると、被処理材9を停止する場合に、被処
理材の慣性による移動を最小限にとどめ、被処理材を所
定の位置に確実に停止することができる。別の態様で
は、特定の1つの被処理材に着目した場合に、その前方
に位置する当接部材11がそのような追加の当接部材と
して機能することもできる。
材11が、被処理材の両縁に配置されると共に、被処理
材の前端にも追加の当接部材11’が配置されている。
このようにすると、被処理材9を停止する場合に、被処
理材の慣性による移動を最小限にとどめ、被処理材を所
定の位置に確実に停止することができる。別の態様で
は、特定の1つの被処理材に着目した場合に、その前方
に位置する当接部材11がそのような追加の当接部材と
して機能することもできる。
【0051】気体浮揚手段は、いずれの適当な態様であ
ってもよく、図1にて示すようなものであってもよい。
このような気体浮揚・搬送装置を熱処理空間内に配置す
る。被処理材の熱処理、搬送は、上述の図1を参照して
説明した場合と実質的に同じであってよく、浮揚、移
動、熱処理を組み合わせたサイクルを繰り返して実施す
る。更に、図2に示す態様では、気体の吐出を停止せず
に連続的に継続して、連続部材の移動を非常に遅くする
ことによって、被処理材を連続的に搬送することも可能
である。
ってもよく、図1にて示すようなものであってもよい。
このような気体浮揚・搬送装置を熱処理空間内に配置す
る。被処理材の熱処理、搬送は、上述の図1を参照して
説明した場合と実質的に同じであってよく、浮揚、移
動、熱処理を組み合わせたサイクルを繰り返して実施す
る。更に、図2に示す態様では、気体の吐出を停止せず
に連続的に継続して、連続部材の移動を非常に遅くする
ことによって、被処理材を連続的に搬送することも可能
である。
【0052】当接要素11は少なくとも1つ設けること
により、その目的を達成できるが、処理すべき被処理材
に応じて数を増やしたり、あるいは当接要素自体の構造
を適当に変えることができる。通常、被処理材の後端の
両角付近で当接するのが好ましく、従って、図2(b)
に示すように、2個の当接要素を使用するのが好まし
い。被処理材9の幅が大きい場合には、後端の中央部付
近に当接要素を設けてもよいし、左右の当接要素11が
つながっていてもよい。
により、その目的を達成できるが、処理すべき被処理材
に応じて数を増やしたり、あるいは当接要素自体の構造
を適当に変えることができる。通常、被処理材の後端の
両角付近で当接するのが好ましく、従って、図2(b)
に示すように、2個の当接要素を使用するのが好まし
い。被処理材9の幅が大きい場合には、後端の中央部付
近に当接要素を設けてもよいし、左右の当接要素11が
つながっていてもよい。
【0053】図3に、本発明の更に別の態様の気体浮揚
・搬送装置を模式的に斜視図(斜め上方向から被処理材
を見た様子に近い図)にて示す。尚、図3においても、
図2と同様に気体浮揚手段は省略している。図示した態
様では、当接部材13を有する、往復運動する長尺部材
12が搬送手段として機能し、それによって、被処理1
4を所定の時間、所定位置および所定方向(太白抜き矢
印)に向かって移動させることによって搬送するような
機構となっている。このような機構では、長尺部材が熱
処理空間内から実質的に出ないようにできるので、熱エ
ネルギーの持ち出し損失は少ない。尚、図2に示した連
続部材の場合であっても、排出部から供給部に戻る部分
も熱処理空間内を経るようにすることにより、熱エネル
ギーの損失を減らすことができる。
・搬送装置を模式的に斜視図(斜め上方向から被処理材
を見た様子に近い図)にて示す。尚、図3においても、
図2と同様に気体浮揚手段は省略している。図示した態
様では、当接部材13を有する、往復運動する長尺部材
12が搬送手段として機能し、それによって、被処理1
4を所定の時間、所定位置および所定方向(太白抜き矢
印)に向かって移動させることによって搬送するような
機構となっている。このような機構では、長尺部材が熱
処理空間内から実質的に出ないようにできるので、熱エ
ネルギーの持ち出し損失は少ない。尚、図2に示した連
続部材の場合であっても、排出部から供給部に戻る部分
も熱処理空間内を経るようにすることにより、熱エネル
ギーの損失を減らすことができる。
【0054】図3では、被処理材14の搬送方向の長さ
より少し大きい等しい間隔で当接部材13を設けた長尺
部材としてのシャフト部材12の往復運動および回転運
動の組み合わせによる搬送シーケンスを示している。当
接部材13は、少なくとも浮上している時に、被処理材
14の後端に当接するように長尺部材12に締結されて
いる。気体が吐出されていないで、被処理材が気体浮揚
手段上に載置されている状態の場合にも当接部材13が
被処理材14に接触しても問題はない。
より少し大きい等しい間隔で当接部材13を設けた長尺
部材としてのシャフト部材12の往復運動および回転運
動の組み合わせによる搬送シーケンスを示している。当
接部材13は、少なくとも浮上している時に、被処理材
14の後端に当接するように長尺部材12に締結されて
いる。気体が吐出されていないで、被処理材が気体浮揚
手段上に載置されている状態の場合にも当接部材13が
被処理材14に接触しても問題はない。
【0055】最初に、気体浮揚手段の気体吐出手段から
気体を吹き付けて被処理材14を浮上させ、当接部材1
3の間に被処理材14を位置させ、図3(a)に示す状
態とし、次に、矢印(細白抜き矢印)の方向に向かって
長尺部材12を当接部材13間の距離だけ直線運動させ
ると、当接部材13は被処理材の後端を前方に向かって
押すことになるので、各被処理材14は前方に進んで被
処理材1つ分だけ前方に移動する。
気体を吹き付けて被処理材14を浮上させ、当接部材1
3の間に被処理材14を位置させ、図3(a)に示す状
態とし、次に、矢印(細白抜き矢印)の方向に向かって
長尺部材12を当接部材13間の距離だけ直線運動させ
ると、当接部材13は被処理材の後端を前方に向かって
押すことになるので、各被処理材14は前方に進んで被
処理材1つ分だけ前方に移動する。
【0056】次に、図3(b)に示すように、細矢印で
示すように、長尺部材12をその軸の回りで回転し、そ
の後、図3(c)に示すように、長尺部材12を逆方向
に同じ距離だけ直線運動させて、更に、その後、図3
(d)に示すように、長尺部材を回転させて、被処理材
の少なくとも浮上時に、当接部材13が被処理材に当接
できるようにする。長尺部材を回転する角度は、特に限
定されるものではなく、例えば90°程度であってもよ
い。このように(a)→(b)→(c)→(d)→
(a)を繰り返すことによって、被処理材を間欠的に搬
送できる。
示すように、長尺部材12をその軸の回りで回転し、そ
の後、図3(c)に示すように、長尺部材12を逆方向
に同じ距離だけ直線運動させて、更に、その後、図3
(d)に示すように、長尺部材を回転させて、被処理材
の少なくとも浮上時に、当接部材13が被処理材に当接
できるようにする。長尺部材を回転する角度は、特に限
定されるものではなく、例えば90°程度であってもよ
い。このように(a)→(b)→(c)→(d)→
(a)を繰り返すことによって、被処理材を間欠的に搬
送できる。
【0057】更に別の態様では、図3に示す態様におい
て、当接部材の構造およびディメンション(特に鉛直方
向の長さ)に応じて、被処理材の浮上時のみ当接部材1
3が被処理材14に接触でき、被処理材が浮上していな
い場合には、当接部材が長尺部材の直線運動を邪魔しな
いようにできる。その場合は、長尺部材の回転は不要と
なる。尚、熱処理は、いずれの時において実施してもよ
い。
て、当接部材の構造およびディメンション(特に鉛直方
向の長さ)に応じて、被処理材の浮上時のみ当接部材1
3が被処理材14に接触でき、被処理材が浮上していな
い場合には、当接部材が長尺部材の直線運動を邪魔しな
いようにできる。その場合は、長尺部材の回転は不要と
なる。尚、熱処理は、いずれの時において実施してもよ
い。
【0058】図4に本発明の気体浮揚搬送装置を有する
熱処理装置を模式的に示す。図示した態様は、図1に示
した熱処理装置をより具体的に一部を切除した斜視図に
て示す。また、図5に、図4に示した熱処理装置に使用
できる気体浮揚・搬送装置を斜視図にて示している。
熱処理装置を模式的に示す。図示した態様は、図1に示
した熱処理装置をより具体的に一部を切除した斜視図に
て示す。また、図5に、図4に示した熱処理装置に使用
できる気体浮揚・搬送装置を斜視図にて示している。
【0059】本発明の熱処理装置20は、例えばプラズ
マ・ディスプレイ・パネルを最終製品とする基板材料の
熱処理を実施する装置である。その構成は、被処理材と
してのガラス基板15を載せた最後尾のキャリアトレイ
16’は、供給部(ローダー)側に配置されたトレイ押
出装置18によって処理空間内に入れられ、順次前方に
移動させられ、それによって、熱処理装置20の内部の
熱処理空間を搬送される。この時、熱処理空間内には、
複数のキャリアトレイ16が相互に隣接・接触して配置
されている。キャリアトレイ16は移動すべき方向に対
して垂直な方向に沿って基板15より十分大きな深さを
有し、供給側の最後尾のキャリアトレイ16を押すこと
によって、その力は装置に配置された前方のキャリアト
レイに次々に伝達され、この搬送方式は上述のプッシュ
方式である。
マ・ディスプレイ・パネルを最終製品とする基板材料の
熱処理を実施する装置である。その構成は、被処理材と
してのガラス基板15を載せた最後尾のキャリアトレイ
16’は、供給部(ローダー)側に配置されたトレイ押
出装置18によって処理空間内に入れられ、順次前方に
移動させられ、それによって、熱処理装置20の内部の
熱処理空間を搬送される。この時、熱処理空間内には、
複数のキャリアトレイ16が相互に隣接・接触して配置
されている。キャリアトレイ16は移動すべき方向に対
して垂直な方向に沿って基板15より十分大きな深さを
有し、供給側の最後尾のキャリアトレイ16を押すこと
によって、その力は装置に配置された前方のキャリアト
レイに次々に伝達され、この搬送方式は上述のプッシュ
方式である。
【0060】トレイ押出装置18を作動させるに際し
て、キャリアトレイ16を浮揚させる必要があり、それ
は、熱処理装置内に内蔵した圧縮機を用いて加圧空気を
空気浮揚部材17に供給して、トレイの裏側に気体を吹
き付けてトレイを浮揚する。熱処理は、被処理材が熱処
理空間内に存在する間、いずれの適当な時に適当な方法
で実施してもよい。熱処理が終了した基板15とキャリ
アトレイ16は排出部側でキャリヤートレイリフター1
9により分離され、基板15は熱処理装置20外に取り
出される。
て、キャリアトレイ16を浮揚させる必要があり、それ
は、熱処理装置内に内蔵した圧縮機を用いて加圧空気を
空気浮揚部材17に供給して、トレイの裏側に気体を吹
き付けてトレイを浮揚する。熱処理は、被処理材が熱処
理空間内に存在する間、いずれの適当な時に適当な方法
で実施してもよい。熱処理が終了した基板15とキャリ
アトレイ16は排出部側でキャリヤートレイリフター1
9により分離され、基板15は熱処理装置20外に取り
出される。
【0061】また、キャリアトレイは、熱処理装置外ま
たは熱処理装置の床下側に設けられた搬送装置を用いれ
ば、供給部(ローダー)側へ逆搬送することもでき、次
の熱処理のために、ガラス基板を載せて再び熱処理空間
内へ供給される。
たは熱処理装置の床下側に設けられた搬送装置を用いれ
ば、供給部(ローダー)側へ逆搬送することもでき、次
の熱処理のために、ガラス基板を載せて再び熱処理空間
内へ供給される。
【0062】図5に示す気体浮揚・搬送装置では、気体
浮揚手段23に気体を供給することにより浮上した、並
んで配列されているトレイ22に関して、トレイ押出装
置のプッシャー25により最後尾のトレイ22を前方に
押し、それにより、前方に位置するトレイを前方に移動
させる。この時、排出部のトレイ保持装置の保持手段2
7がプッシャー25の押出と連動して前方に移動できる
ようになっている。プッシャー25の押出が終了する
と、プッシャー25は元の状態に(矢印と反対向きに)
戻り、次のトレイを配置でき、また、排出部側では、熱
処理が終了した被処理材を取り出した後、保持装置27
は元の状態に(矢印と反対向きに)戻るようになってい
る。尚、26および28は押出装置および保持装置に動
力を伝達するための駆動系を示す。
浮揚手段23に気体を供給することにより浮上した、並
んで配列されているトレイ22に関して、トレイ押出装
置のプッシャー25により最後尾のトレイ22を前方に
押し、それにより、前方に位置するトレイを前方に移動
させる。この時、排出部のトレイ保持装置の保持手段2
7がプッシャー25の押出と連動して前方に移動できる
ようになっている。プッシャー25の押出が終了する
と、プッシャー25は元の状態に(矢印と反対向きに)
戻り、次のトレイを配置でき、また、排出部側では、熱
処理が終了した被処理材を取り出した後、保持装置27
は元の状態に(矢印と反対向きに)戻るようになってい
る。尚、26および28は押出装置および保持装置に動
力を伝達するための駆動系を示す。
【0063】図6に本発明の気体浮揚・搬送装置に使用
できる気体浮揚手段の気体吐出手段の一例の分解斜視図
を模式的に示している。気体吐出手段30は、複数の気
体吐出口32を全面にわたって配したノズルプレート3
4および同様に開口部36が配された中間プレート38
を有し、被処理材を加熱するための電気ヒーター40が
中間プレート38の上方に配置される。電気ヒーター4
0および中間プレート38は下ケース42内に配置さ
れ、ノズルプレート32は、下ケース42の上に載置さ
れる。
できる気体浮揚手段の気体吐出手段の一例の分解斜視図
を模式的に示している。気体吐出手段30は、複数の気
体吐出口32を全面にわたって配したノズルプレート3
4および同様に開口部36が配された中間プレート38
を有し、被処理材を加熱するための電気ヒーター40が
中間プレート38の上方に配置される。電気ヒーター4
0および中間プレート38は下ケース42内に配置さ
れ、ノズルプレート32は、下ケース42の上に載置さ
れる。
【0064】また、下ケース42の底面には空気配管4
4が接続され、気体供給手段(図示せず、例えば圧縮
機、ブロワー等)から気体吐出手段30に空気が供給さ
れ、図示した態様では全ての気体吐出口から実質的に垂
直上向き方向に気体が吐出されるように構成されてい
る。ノズルプレート34の面積は、被処理材のプレート
に対向する面の面積に対して90〜100%の大きさと
して、気体吐出口から吐出された気体が実質的に最初に
処理材に衝突することにより、吐出される気体のエネル
ギーを緩和し、被処理材の上面に向かって不要物質が飛
散しにくい構造とするのが好ましい。
4が接続され、気体供給手段(図示せず、例えば圧縮
機、ブロワー等)から気体吐出手段30に空気が供給さ
れ、図示した態様では全ての気体吐出口から実質的に垂
直上向き方向に気体が吐出されるように構成されてい
る。ノズルプレート34の面積は、被処理材のプレート
に対向する面の面積に対して90〜100%の大きさと
して、気体吐出口から吐出された気体が実質的に最初に
処理材に衝突することにより、吐出される気体のエネル
ギーを緩和し、被処理材の上面に向かって不要物質が飛
散しにくい構造とするのが好ましい。
【0065】図6に示した分解図を組み立てて形成され
る気体吐出手段30の側断面図を模式的に図7に示して
いる。ノズルプレート34は4隅でボルト46で下ケー
ス42に取り付けられる。中間プレート38はスぺーサ
ー付きボルト49で下ケース42に一定の高さで取り付
けられる。電気ヒーター40は、電気ヒーター40と中
間プレート38との熱膨張差を回避するためのスぺーサ
ー48を介して中間プレート44上に位置する。下ケー
ス42の中央に接続され空気配管44を通って供給され
る加圧空気が中間プレート38により整流され、また電
気ヒーター40で加熱された後、ノズルプレート34の
気体吐出口32から亜音速〜音速の吐出速度で吐出され
る。図示した態様では、電気ヒーター40は、空気に加
えてノズルプレートを加熱し、加熱されたプレートが吐
出された気体により浮揚された被処理材(図示せず)、
または、気体が停止してプレート34上に載置された被
処理材を加熱して熱処理する。
る気体吐出手段30の側断面図を模式的に図7に示して
いる。ノズルプレート34は4隅でボルト46で下ケー
ス42に取り付けられる。中間プレート38はスぺーサ
ー付きボルト49で下ケース42に一定の高さで取り付
けられる。電気ヒーター40は、電気ヒーター40と中
間プレート38との熱膨張差を回避するためのスぺーサ
ー48を介して中間プレート44上に位置する。下ケー
ス42の中央に接続され空気配管44を通って供給され
る加圧空気が中間プレート38により整流され、また電
気ヒーター40で加熱された後、ノズルプレート34の
気体吐出口32から亜音速〜音速の吐出速度で吐出され
る。図示した態様では、電気ヒーター40は、空気に加
えてノズルプレートを加熱し、加熱されたプレートが吐
出された気体により浮揚された被処理材(図示せず)、
または、気体が停止してプレート34上に載置された被
処理材を加熱して熱処理する。
【0066】
【発明の効果】本発明にかかる搬送方法および装置等に
よれば、熱処理空間にて、被処理材に気体を吹き付けて
浮揚させた状態で被処理材を移動搬送することにより、
従来のベルトコンベア搬送式炉のように、大きな熱容量
を有するベルト搬送に比べ、熱処理空間の内外を出入り
する機械構造が最小になり、熱間搬送処理にともなう搬
送系機械の熱持ち出しによる熱エネルギーの無駄を極力
抑えることができる。尚、熱処理として非処理材の加熱
処理を例にしてこれを中心に説明したが、本発明は、加
熱処理以外の熱処理、例えば冷却、温度維持等の操作に
適用できるのは言うまでもない。
よれば、熱処理空間にて、被処理材に気体を吹き付けて
浮揚させた状態で被処理材を移動搬送することにより、
従来のベルトコンベア搬送式炉のように、大きな熱容量
を有するベルト搬送に比べ、熱処理空間の内外を出入り
する機械構造が最小になり、熱間搬送処理にともなう搬
送系機械の熱持ち出しによる熱エネルギーの無駄を極力
抑えることができる。尚、熱処理として非処理材の加熱
処理を例にしてこれを中心に説明したが、本発明は、加
熱処理以外の熱処理、例えば冷却、温度維持等の操作に
適用できるのは言うまでもない。
【図1】 本発明における熱処理装置の気体浮揚搬送手
順の模式図。
順の模式図。
【図2】 チェーン式またはワイヤー式による被処理材
の保持および搬送機構の模式図。
の保持および搬送機構の模式図。
【図3】 シャフト式による被処理材の保持および搬送
機構の模式図。
機構の模式図。
【図4】 本発明の空気浮揚形プッシュトレイ搬送方式
の熱処理装置の斜視図。
の熱処理装置の斜視図。
【図5】 図4に示した本発明の熱処理装置内部の搬送
機構の斜視図。
機構の斜視図。
【図6】 本発明の気体浮揚・搬送装置に使用できる気
体浮揚手段の気体吐出手段の模式的分解斜視図。
体浮揚手段の気体吐出手段の模式的分解斜視図。
【図7】 図6に示した気体吐出手段の模式的側断面
図。
図。
【図8】 従来技術の一般的なメッシュベルト搬送式熱
処理装置の斜視図。
処理装置の斜視図。
【図9】 従来の一般的な熱処理炉の熱勘定線図。
1…被処理材、2…搬送部材、3…気体浮揚手段、4…
押出装置、5…保持装置、6…加熱手段、7…熱処理空
間、8…熱処理装置、9…被処理材、10…連続部材、
11…当接部材、11’…追加の当接部材、12…長尺
部材、13…当接部材、14…被処理材、、15…ガラ
ス基板、16…キャリアトレイ、17…空気浮揚ユニッ
ト、18…トレイ押出装置、19…キャリアトレイリフ
ター、20…熱処理装置、21…被処理材、22…搬送
部材、23…気体浮揚手段、24…空気供給配管、25
…押出装置、26…駆動系、27…保持装置、28…駆
動系、30…気体吐出手段、32…気体吐出口、34…
ノズルプレート、36…開口部、38…中間プレート、
40…電気ヒーター、42…下ケース、44…空気配
管、46…ボルト、48…スぺーサー、49…ボルト、
100…熱処理装置、102…電気抵抗ヒーターブロッ
ク、104…加熱マッフル、106…メッシュベルト、
108…被処理材、110…供給部、112…排出部、
114…冷却水管、116…冷却マッフル。
押出装置、5…保持装置、6…加熱手段、7…熱処理空
間、8…熱処理装置、9…被処理材、10…連続部材、
11…当接部材、11’…追加の当接部材、12…長尺
部材、13…当接部材、14…被処理材、、15…ガラ
ス基板、16…キャリアトレイ、17…空気浮揚ユニッ
ト、18…トレイ押出装置、19…キャリアトレイリフ
ター、20…熱処理装置、21…被処理材、22…搬送
部材、23…気体浮揚手段、24…空気供給配管、25
…押出装置、26…駆動系、27…保持装置、28…駆
動系、30…気体吐出手段、32…気体吐出口、34…
ノズルプレート、36…開口部、38…中間プレート、
40…電気ヒーター、42…下ケース、44…空気配
管、46…ボルト、48…スぺーサー、49…ボルト、
100…熱処理装置、102…電気抵抗ヒーターブロッ
ク、104…加熱マッフル、106…メッシュベルト、
108…被処理材、110…供給部、112…排出部、
114…冷却水管、116…冷却マッフル。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 横山 暢人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 谷本 憲司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (13)
- 【請求項1】 被処理材を熱処理するために、熱処理空
間内で被処理材を所定方向に沿って搬送する装置であっ
て、気体浮揚手段および搬送手段を有して成り、 気体浮揚手段は、(1)被処理材を浮上させるために浮
揚力を作用する被処理材の一部分に気体を吹き付ける気
体吐出手段および(2)気体吐出手段に気体を供給する
気体供給手段を有する気体浮揚手段を有して成り、 搬送手段は、浮上した被処理材の後端に当接して、か
つ、該所定方向に沿って移動する当接部材を有して成
り、当接部材が移動することによって被処理材を押し、
それによって、浮上した被処理材を該所定方向に移動す
ることを特徴とする気体浮揚・搬送装置。 - 【請求項2】 被処理材は搬送部材に載置され、この場
合においては、当接部材は、被処理材に代えて、搬送部
材の後端に隣接して搬送部材を押し、その結果、被処理
材を所定方向に移動する請求項1に記載の気体浮揚・搬
送装置。 - 【請求項3】 被処理材を間欠的に搬送し、気体浮揚手
段は、移動する時にのみ、被処理材を浮上させる請求項
1または2に記載の気体浮揚・搬送装置。 - 【請求項4】 被処理材を間欠的または連続的に搬送
し、気体浮揚手段は、被処理材が停止している時も、被
処理材を浮上させる請求項1または2に記載の気体浮揚
・搬送装置。 - 【請求項5】 被処理材は、該所定方向に沿って複数並
べて配置されている請求項1〜4のいずれかに記載の気
体浮揚・搬送装置。 - 【請求項6】 当接部材は、被処理材の後端に接触する
他の被処理材の前端である請求項5に記載の気体浮揚・
搬送装置。 - 【請求項7】 当接部材は、熱処理空間内において該所
定方向に沿って前方に移動する連続部材に被処理材の長
さに実質的に等しい間隔を隔てて締結されている請求項
1〜5のいずれかに記載の気体浮揚・搬送装置。 - 【請求項8】 当接部材は、熱処理空間内において該所
定方向に沿って前後に移動する長尺部材に被処理材の長
さに実質的に等しい間隔を隔てて締結され、当接要素の
被処理材に対する当接状態は、長尺部材の長手方向軸の
回りにおける回転により当接/不当接できるようになっ
ている請求項1〜5のいずれかに記載の気体浮揚・搬送
装置。 - 【請求項9】 搬送部材が、石英ガラス材料またはセラ
ミック材料からできた皿またはプレート状部材であり、
被処理材を載置する面の裏側の面に気体を吹き付けて浮
揚力を作用する請求項2に記載の気体浮揚・搬送装置。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の気体
浮揚・搬送装置を熱処理空間内に有する熱処理装置。 - 【請求項11】 熱処理空間の手前で被処理材を熱処理
空間に供給する供給部、および熱処理空間の後で被処理
材を熱処理空間から取り出す排出部を更に有して成り、
供給部および排出部は、熱処理空間と同様の気体浮揚手
段および搬送手段を有して成る請求項10に記載の熱処
理装置。 - 【請求項12】 被処理材は、プラズマ・ディスプレイ
・パネルまたは太陽電池パネルを製造するための原料基
板もしくは中間品基板である請求項10または11に記
載の熱処理装置。 - 【請求項13】 請求項10〜12のいずれかに記載の
熱処理装置を使用する熱処理方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11128537A JP2000128345A (ja) | 1998-08-20 | 1999-05-10 | 気体浮揚・搬送装置、熱処理装置および熱処理方法 |
US09/372,671 US6336775B1 (en) | 1998-08-20 | 1999-08-12 | Gas floating apparatus, gas floating-transporting apparatus, and thermal treatment apparatus |
CNB99118064XA CN1170106C (zh) | 1998-08-20 | 1999-08-20 | 气体漂浮装置、气体漂浮运送装置及热处理装置 |
CNA2004100567371A CN1590944A (zh) | 1998-08-20 | 1999-08-20 | 气体漂浮装置、气体漂浮运送装置及热处理装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-234064 | 1998-08-20 | ||
JP23406498 | 1998-08-20 | ||
JP11128537A JP2000128345A (ja) | 1998-08-20 | 1999-05-10 | 気体浮揚・搬送装置、熱処理装置および熱処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000128345A true JP2000128345A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=26464170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11128537A Pending JP2000128345A (ja) | 1998-08-20 | 1999-05-10 | 気体浮揚・搬送装置、熱処理装置および熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000128345A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005103593A1 (ja) * | 2004-03-30 | 2005-11-03 | Koyo Thermo Systems Co., Ltd. | 連続熱処理装置および連続熱処理方法 |
JP2009009972A (ja) * | 2007-06-26 | 2009-01-15 | Yokota Technica:Kk | リフロー半田付け装置 |
EP2053663A1 (en) * | 2007-10-25 | 2009-04-29 | Applied Materials, Inc. | Hover cushion transport for webs in a web coating process |
US7758340B2 (en) | 2006-01-06 | 2010-07-20 | Tokyo Electron Limited | Heating device and heating method |
JP2010260658A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Gunma Prefecture | 搬送装置 |
CN110937783A (zh) * | 2019-10-23 | 2020-03-31 | 北京玻锐特科技有限公司 | 一种气体悬浮法原片玻璃成型制作系统 |
CN114300584A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-08 | 成都中建材光电材料有限公司 | 一种太阳能电池芯片的传输装置及退火传输方法 |
WO2024043280A1 (ja) * | 2022-08-25 | 2024-02-29 | 株式会社ナノシステムソリューションズ | ウェーハ検査装置及びウェーハ搬送装置 |
-
1999
- 1999-05-10 JP JP11128537A patent/JP2000128345A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005103593A1 (ja) * | 2004-03-30 | 2005-11-03 | Koyo Thermo Systems Co., Ltd. | 連続熱処理装置および連続熱処理方法 |
US7758340B2 (en) | 2006-01-06 | 2010-07-20 | Tokyo Electron Limited | Heating device and heating method |
JP2009009972A (ja) * | 2007-06-26 | 2009-01-15 | Yokota Technica:Kk | リフロー半田付け装置 |
EP2053663A1 (en) * | 2007-10-25 | 2009-04-29 | Applied Materials, Inc. | Hover cushion transport for webs in a web coating process |
WO2009053289A1 (en) * | 2007-10-25 | 2009-04-30 | Applied Materials, Inc. | Hover cushion transport for webs in a web coating process |
JP2010260658A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Gunma Prefecture | 搬送装置 |
CN110937783A (zh) * | 2019-10-23 | 2020-03-31 | 北京玻锐特科技有限公司 | 一种气体悬浮法原片玻璃成型制作系统 |
CN114300584A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-08 | 成都中建材光电材料有限公司 | 一种太阳能电池芯片的传输装置及退火传输方法 |
CN114300584B (zh) * | 2021-12-31 | 2023-07-14 | 成都中建材光电材料有限公司 | 一种太阳能电池芯片的传输装置及退火传输方法 |
WO2024043280A1 (ja) * | 2022-08-25 | 2024-02-29 | 株式会社ナノシステムソリューションズ | ウェーハ検査装置及びウェーハ搬送装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR960010051B1 (ko) | 플라즈마 cvd장치 | |
US6336775B1 (en) | Gas floating apparatus, gas floating-transporting apparatus, and thermal treatment apparatus | |
US7842230B2 (en) | Continuous carburizing furnace | |
JP2000128346A (ja) | 浮揚装置、浮揚搬送装置および熱処理装置 | |
JP2000128345A (ja) | 気体浮揚・搬送装置、熱処理装置および熱処理方法 | |
JP2001358206A (ja) | 基板の冷却方法およびその装置 | |
JP4849785B2 (ja) | 真空熱処理設備 | |
JP3683166B2 (ja) | 基板の熱処理方法及びそれに用いる連続式熱処理炉 | |
JP2004218956A (ja) | 基板の熱処理方法及び熱処理炉 | |
JP2003123651A (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法およびそのための炉設備 | |
KR100829927B1 (ko) | 반도체 소자 로딩 모듈 및 이를 이용한 반도체 소자 열처리시스템 | |
JP2007225173A (ja) | 熱処理炉及び太陽電池セル | |
JP3461434B2 (ja) | ガラス基板の冷却装置 | |
JPH09113144A (ja) | 加熱炉 | |
JP2003077398A (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法およびそのための炉設備 | |
CN212519485U (zh) | 一种连续式微波单晶硅爆料设备 | |
JP5454935B2 (ja) | 連続式熱処理炉 | |
KR100442018B1 (ko) | 열처리장치 | |
JP2004354043A (ja) | 基板の熱処理方法及びそれに用いる連続式熱処理炉 | |
JPS645757Y2 (ja) | ||
JP2005291515A (ja) | 連続焼成炉および連続焼成方法 | |
JP2002206863A (ja) | 連続式熱処理炉 | |
JP2000203881A (ja) | 連続式焼成炉におけるガラス材の焼成方法 | |
JP2001199528A (ja) | 気体浮揚手段を有するリフター、熱処理装置および熱処理方法 | |
JPH07159768A (ja) | 連続熱処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041221 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050426 |