JP2004218956A - 基板の熱処理方法及び熱処理炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉の加熱室内で膜形成素材を含む基板の熱処理を行う際に、室内の平均温度が異なる他の隣接する加熱室からの熱的影響によって、基板内に温度分布が生じるのを抑制し、基板全体を均一に熱処理することができる基板の熱処理方法と熱処理炉を提供する。
【解決手段】被熱処理体の搬送方向に対して区画された複数の加熱室25,26,27,・・のうち、隣接する他の加熱室の少なくとも一方と室内の平均温度が異なる加熱室においては、当該加熱室に設けられた各加熱用電気ヒーター14の設定温度を被熱処理体22の搬送方向で異なる値となるように制御しつつ、当該加熱室内において、前記被熱処理体(基板)22の搬送方向の入口側と出口側の温度を、当該基板22内の目標温度分布よりも大きな分布を有するように維持して、前記基板22を均一に熱処理する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプレイパネル用のガラス基板に代表される膜形成素材を含む基板の熱処理方法とそれに用いる熱処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、壁掛けテレビやマルチメディア用ディスプレイとして利用できる大画面フラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」という。)の実用化が着々と進行しつつある。このような大画面FPDとしては、自発光型で広い視野角を持ち、品質表示が良いという品質面のメリットと、作製プロセスが簡単で大型化が容易という製造面でのメリットを兼ね備えた、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という。)が最有力候補として挙げられている。
【0003】PDPの製造は、例えば図3に示すように、前面ガラス、背面ガラスと称する大型ガラス基板の表面に、印刷、乾燥、焼成の工程を複数回繰り返す厚膜法により、電極、誘導体、蛍光体等の種々の部材を逐次形成して行き、最終的に前面ガラスと背面ガラスとを封着することにより行われる。
【0004】このPDP用ガラス基板のような膜形成素材を含む基板の熱処理は、基板の搬送方向に対し基板の前後の温度差があまり重要でない工程では連続搬送される。一方、基板の搬送方向に対し基板の前後の温度差が重要視される工程においては、被熱処理体の搬送方向に対して区画された複数の加熱室と、隣接する加熱室へ被熱処理体を間欠的に搬送するための搬送手段とを備え、各加熱室を個別に温度制御することにより、所望の温度曲線に従って、昇温、保温、及び降温する方法で行うのが一般的である。
【0005】このように区画された加熱室にて熱処理を行うのは、基板表面の温度をできる限り均一にするためである。基板表面の温度分布が大きい状態で熱処理を行うと基板や基板上に形成した部材(膜)に歪みが生じ、更にこれに起因して割れ、欠け等の欠陥が生じる。各加熱室は、基板を載置したセッターを、一般的には1枚内包する大きさを持ち、被熱処理体の搬送方向(炉の長手方向)及び炉の幅方向に対していくつかに分割された加熱手段が設けられている。それら分割された加熱手段は、一般に、各々が独立した制御系にて個別に温度制御できるようになっており、従来の膜形成素材を含む基板の熱処理においては、区画された各加熱室内の温度(雰囲気温度)がそれぞれ一定となるように各加熱手段の温度制御がなされていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3011366号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】通常、各加熱室間には、隣接する加熱室からの熱的影響を防ぐために隔壁などが設けられているが、温度設定の異なる隣接する加熱室間では、相互の熱的影響を完全に防止することは困難である。このため、前記のように、各加熱室内の温度が一定となるように意図して加熱手段の温度を制御しても、その加熱室内で所定時間熱処理を受けた基板の温度は、隣接する他の加熱室からの熱的影響によって、搬送方向で異なりを見せるようになり、均一な熱処理品質が得られないという問題があった。
【0008】また、隣接する加熱室への被熱処理体の搬送は、ローラーコンベア、チェーンコンベア、ウォーキングビーム等の何れの搬送手段を用いても、数十秒ないし数分の時間を要するので、設定温度の異なる隣接する加熱室間で基板を搬送する際には、移動先の加熱室へより早く送られる搬送方向の前部(基板の炉の出口側に近い部位)と遅れて送られる後部(基板の炉の入口側に近い部位)とで、どうしても熱履歴に異なりが生じ、その結果、基板内に温度分布が生じてしまうという問題があった。
【0009】本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、加熱室内で膜形成素材を含む基板の熱処理を行う際に、室内の平均温度が異なる他の隣接する加熱室からの熱的影響によって、基板内に温度分布が生じるのを抑制し、基板全体を均一に熱処理することができる基板の熱処理方法を提供することを目的とする。また、本発明は、それらの熱処理方法に好適に用いることのできる熱処理炉を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、被熱処理体の搬送方向に対して区画された複数の加熱室と、隣接する加熱室へ被熱処理体を搬送するための搬送手段と、各加熱室に、少なくとも被熱処理体の搬送方向に対していくつかに分割され、各々が独立した制御系にて個別に温度制御可能な加熱手段とを含む熱処理炉を用いて、膜形成素材を含む基板を熱処理する方法であって、前記複数の加熱室のうち、隣接する他の加熱室の少なくとも一方と室内の平均温度が異なる加熱室においては、当該加熱室に設けられた各加熱手段の設定温度を被熱処理体(基板)の搬送方向で異なる値となるように制御しつつ、当該加熱室内において、前記基板の搬送方向の入口側と出口側の雰囲気温度を、当該基板内の目標温度分布よりも大きな分布を有するように維持して、前記基板を均一に熱処理することを特徴とする基板の熱処理方法、が提供される。
【0011】また、本発明によれば、被熱処理体の搬送方向に対して区画された複数の加熱室と、隣接する加熱室へ被熱処理体を搬送するための搬送手段と、各加熱室に、少なくとも被熱処理体の搬送方向に対していくつかに分割され、各々が独立した制御系にて個別に温度制御可能な加熱手段とを含む熱処理炉であって、前記加熱室に設けられた各加熱手段の設定温度が被熱処理体(基板)の搬送方向で異なる値となるように制御できる温度制御装置と、前記加熱室内において、前記基板の搬送方向の入口側と出口側の温度のうちいずれか低い側の加熱手段として、輻射熱を主として発生する輻射ヒータとを備え、前記加熱室内の温度(雰囲気温度)分布は均等にせず、室内温度の低い側の加熱に前記輻射ヒータの輻射熱を利用することにより、前記基板を均一に熱処理することを特徴とする熱処理炉、が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の熱処理方法に使用される熱処理炉は、被熱処理体の搬送方向に対して区画された複数の加熱室と、隣接する加熱室へ被熱処理体を搬送するための搬送手段とを備える。各加熱室には、少なくとも被熱処理体の搬送方向に対していくつかに分割された加熱手段が設けられている。それら分割された加熱手段は、各々が独立した制御系にて個別に温度制御できるようになっている。
【0013】なお、前記搬送手段には、隣接する加熱室へ被熱処理体を間欠的に搬送する間欠送り方式の搬送手段を用いることが好ましい。ここで、「間欠的に搬送する」とは、炉の入口側からn番目の加熱室にて被熱処理体を静止させて所定時間熱処理を行った後、当該被熱処理体を可及的速やかに隣接する炉の入口側からn+1番目の加熱室に移動し、再び被熱処理体を静止させて所定時間熱処理を行うという操作を繰り返す搬送方法をいう。このような搬送方法が可能な限りにおいて、搬送手段の種類は特に限定されず、例えばウォーキングビームを用いたり、ローラーコンベア、チェーンコンベアを間欠的に駆動させてもよい。
【0014】本発明の熱処理方法では、前記のように区画された複数の加熱室のうち、隣接する他の加熱室の少なくとも一方(炉の入口側方向に隣接する加熱室と炉の出口側方向に隣接する加熱室の何れか一方又は両方)と室内の平均温度が異なる加熱室において、当該加熱室に設けられた各加熱手段の設定温度を被熱処理体の搬送方向で異なる値となるように制御することにより、当該加熱室内において、前記基板の搬送方向の入口側と出口側の雰囲気温度を、当該基板内の目標温度分布よりも大きな分布を有することを許容し、言い換えると、加熱室内の温度(雰囲気温度)分布を均等にすることはしないで、室内温度の低い側における基板の加熱には、輻射ヒータ等加熱手段の輻射熱を利用して、当該加熱室内にて熱処理されている膜形成素材を含む基板に対して、隣接する他の加熱室が及ぼす熱的影響を相殺する。
【0015】すなわち、PDP用ガラス基板のような膜形成素材を含む基板は、一般に、各加熱室を順次移動しながら、所望の温度曲線に従い、昇温、保温、降温(冷却)という工程を経て熱処理されるが、例えば基板の降温を行う降温域の加熱室では、炉の出口側に近いものほど室内温度が低く設定されるので、降温域の加熱室内に搬送された基板は、炉の入口側に近い部位においては、隣接する室内平均温度のより高い加熱室の熱的影響を受けて、基板の温度が目標値より高くなりやすく、逆に炉の出口側に近い部位においては、隣接する室内平均温度のより低い加熱室の熱的影響を受けて、基板の温度が目標値より低くなりやすい。
【0016】このため、従来のように各加熱室内の温度がそれぞれ一定となるように加熱手段の温度を制御したとしても、隣接する他の加熱室が基板に対して及ぼす熱的影響によって、基板内に搬送方向の温度分布が生じ、基板や基板に形成された膜の歪み、割れ、欠け等の欠陥の原因となる。
【0017】そこで、本発明の熱処理方法においては、隣接する他の加熱室の熱的影響によって基板温度が目標値より低くなりやすい部位を加熱する加熱手段については、その熱的影響による温度低下を相殺するように設定温度を高い値に制御して当該部位周辺の雰囲気温度を上昇させ、逆に隣接する他の加熱室の熱的影響によって基板温度が目標値より高くなりやすい部位を加熱する加熱手段については、その熱的影響による温度上昇を相殺するように設定温度を低い値に制御して当該部位周辺の雰囲気温度を下降させるというように、同一の加熱室に設けられた各加熱手段の設定温度を被熱処理体(基板)の搬送方向で異なる値となるように制御する。そして、加熱室内の温度(雰囲気温度)分布はあえて均等にすることはせず、室内温度(雰囲気温度)の低い側における基板の加熱には、輻射ヒータ等の加熱手段による輻射熱をより多く利用することにより、結果として基板を均一に熱処理することができることを見出したものである。
【0018】例えば、隣接する加熱室との室内平均温度の差が30℃である降温域の加熱室の上部(炉天井)に、図1(a)のようにA〜Iの9つに分割され各々が独立した制御系にて個別に温度制御可能な加熱手段を設けて、40インチのPDP用ガラス基板の加熱を行う場合において、図1(b)のように分割された加熱手段A〜Iの設定温度をすべて同一としたとき(平坦設定)と、図1(c)のように中央部の加熱手段D〜Fの設定温度(510℃)に対し、入口側の加熱手段G〜Iの設定温度を低めの値(500℃)とし、出口側の加熱手段A〜Cの設定温度を高めの値(530℃)としたとき(勾配設定)とで、所定時間加熱した後の基板の温度分布を調べると、図1(d)のように▲1▼〜▲9▼の9箇所に温度計を設置したガラス基板の当該各設置箇所の温度とその偏差は表1のようになり、平坦設定時より勾配設定時のほうが基板内の温度分布が小さかった。このとき、同様に、加熱室内の温度(雰囲気温度)として、図1(d)の▲1▼〜▲9▼の上方50cmの箇所の温度を測定したところ、表2に示すように、加熱室内の温度分布は基板の温度分布よりも大きかった。
【0019】
【表1】
Figure 2004218956
【0020】
【表2】
Figure 2004218956
【0021】本発明の熱処理方法では、このように同一の加熱室内において、分割された各加熱手段の設定温度を被熱処理体(基板)の搬送方向で異なる値となるように制御して、当該加熱室内において、前記基板の搬送方向の入口側と出口側の温度を、当該基板内の目標温度分布よりも大きな分布、例えば、図2に示すように、各加熱手段の設定温度を入口側と出口側でΔ30℃の温度差を有するように制御することにより、加熱室内の温度(雰囲気温度)分布として、入口側と出口側で約Δ17℃の温度差となることを許容しつつ、即ち、加熱室内の温度(雰囲気温度)分布をあえて均等にすることはせず、一方、基板の均一加熱のため、室内温度の低い側における基板の加熱に対し、その他の部位の加熱手段よりも輻射ヒータ等加熱手段の輻射熱を多く利用することによって、当該基板の最高温度の部位と最低温度の部位との温度差ΔTが6℃以下となるようにし、隣接する他の加熱室が及ぼす熱的影響を相殺したものである。
【0022】ここで、基板の最高温度の部位と最低温度の部位との温度差ΔTが6℃以下となるようにするために、室内温度の低い側における基板の加熱に輻射熱を多く利用することとしても、加熱室内の温度(雰囲気温度)分布としては、加熱室内の温度差がΔ7℃〜Δ20℃程度とすることが好ましく、Δ8℃〜Δ15℃がさらに好ましい。また、前記した表1、表2の結果は、目安で温度差をつけた場合であり、基板搬送方向の前後温度差、同幅方向の温度差は、加熱手段の設定温度の微調整で更に縮小できることは言うまでもない。
【0023】本発明の熱処理方法では、上記のように隣接する他の加熱室が及ぼす熱的影響を相殺できるため、言い換えると、加熱室と隣接する加熱室との間の熱的分割の程度を多少犠牲にできるため、加熱室から隣接する加熱室への基板の搬送を迅速かつ効率的に行うことができるという利点を併せ持つ。
【0024】本発明の熱処理方法において、加熱室内の温度(雰囲気温度)分布を均等(Δ6℃以内)にしようとして、室内温度の低い側の加熱手段の設定温度をΔ30℃より大きい温度差となるようにさらに高くすると、隣接する加熱室への熱的影響が大きくなり過ぎて好ましくない。なお、基板の昇温を行う昇温域の加熱室については、入口側の加熱手段の設定温度を高めの値に制御し、出口側の加熱手段の設定温度を低めの値に制御して、前記の例とは逆になるようにすることにより、基板の均熱化を達成することができる。
【0025】また、炉壁等からの熱的影響により、炉の幅方向においても基板の温度分布が生じるような場合には、加熱手段を被熱処理体の搬送方向(炉の長手方向)のみならず、炉の幅方向にも分割し、各加熱手段の設定温度を当該幅方向においても異なる値となるように制御することにより、前記熱的影響を相殺し、より均一な熱処理を行うことが可能である。
【0026】次に、本発明の熱処理方法に好適に使用できる熱処理炉について説明する。本発明の熱処理方法を実施するのに好適な熱処理炉は、前述のように、その基本的な構成として、被熱処理体の搬送方向に対して区画された複数の加熱室と、隣接する加熱室へ被熱処理体を搬送するための搬送手段とを備える。各加熱室には、少なくとも被熱処理体の搬送方向に対していくつかに分割された加熱手段が設けられており、それら分割された加熱手段は、各々が独立した制御系にて個別に温度制御できるようになっている。
【0027】また、この熱処理炉は、その特徴的な構成として、加熱室に設けられた各加熱手段の設定温度が被熱処理体(基板)の搬送方向で異なる値となるように制御できる温度制御装置を有するとともに、加熱室内における温度の低い側の加熱手段として輻射ヒータを備え、これにより、加熱室内の温度(雰囲気温度)分布は均等にせず、室内温度の低い側の加熱に前記輻射ヒータの輻射熱を利用することによって、基板を均一に熱処理するという目的を達成することができる。
なお、本発明において、加熱手段としては通常のヒータを用いることができるが、加熱室内の温度の低い側の加熱手段として、輻射熱を主として放射するタイプの輻射ヒータを用いることが好ましい。このことにより、前記の如く、加熱室内の温度(雰囲気温度)分布が均等でなくとも、室内温度の低い側における基板の加熱に対し、その他の部位の加熱手段よりも輻射ヒータ等加熱手段の輻射熱を多く利用するようにすることによって、隣接する加熱室への熱的影響を抑えつつ、当該基板の最高温度の部位と最低温度の部位との温度差が6℃以下となるような基板の均一加熱を実現できる。
【0028】加熱手段と被熱処理体の移動領域との間には、マッフルを配置することが好ましく、そのマッフルの一部又は全部が赤外線照射率の高い材質からなるものであることが特に好ましい。加熱手段から発せられる熱を、一旦、マッフルで受けることにより、マッフルから遠赤外線若しくは近赤外線が照射されるため、被熱処理体をより迅速に加熱することが可能となるからである。また、当該マッフルで加熱手段と被熱処理体の移動領域とを気密的に隔離することにより、被熱処理体の移動領域におけるクリーン度が確保されるという効果もある。
【0029】マッフルを構成する赤外線照射率の高い材質としては、SiCを含有する焼結体が好ましく、中でもSi含浸SiCが特に好ましい。Si含浸SiCは、炭化珪素と炭素とを主成分とする成形体を、金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中にて、金属珪素を含浸させながら焼結させることによって得られるものであり、例えば結晶化ガラスとの比較においても、図4に示すように顕著に高い赤外線照射率を示し、また、熱伝導率も非常に高い。
【0030】搬送手段には、前述したような被熱処理体を間欠的に搬送する間欠送り方式のものと、被熱処理体を各加熱室に静止させず、常に移動させながら連続的に搬送する連続送り方式のものとがある。本発明においては、間欠送り方式の搬送手段が好適に用いられるが、被熱処理体の昇温を行う昇温域の加熱室間及び被熱処理体の保温を行う保温域の加熱室間の搬送には、連続送り方式の搬送手段を用い、被熱処理体の降温(冷却)を行う降温域の加熱室間の搬送には間欠送り方式の搬送手段を用いるというように、区域によって両者を使い分けるようにしてもよい。
【0031】図5は、本発明に係る熱処理炉を具体的に示す一実施例の基板搬送方向と直角方向の断面図、図6は、当該実施例の基板搬送方向と平行な横断面図である。
【0032】図5及び6において、熱処理炉10は、主に鋼板で形成された炉缶体11とその内側に設置される断熱層12と、該断熱層12の内側であって、炉内空間に面する部位に配置するマッフル13から構成されている。さらに、加熱用電気ヒーター14が熱処理炉10の上部及び下部に設けられている。また、加熱用電気ヒーター14の発熱量を制御する温度計(熱電対)15は、その先端がマッフル13に接触する部位に設置されている。炉缶体11の外部には、被熱処理体22を搬送するリターンコンベア16が炉缶体11の下部に、制御盤17と配線配管18が炉缶体11の側部に配置され、これら全体を覆うように化粧板19が配置されている。
【0033】セッター21及びセッター21に載置される被熱処理体であるPDP基板22は、炉内搬送面に沿って複数配列された搬送用ローラー20の回転で炉10内を移動し、前記加熱用電気ヒーター14により焼成処理が施される。なお、炉缶体11の外部には、前記搬送用ローラー20の荷重を受けつつ自在に回転を保持する可動受け部23が設けられ、また前記搬送用ローラー20の片端には荷重を受けつつ搬送用ローラー20に回転力を与える駆動部24が配置されている。
【0034】熱処理炉10は、図6に示すように、被熱処理体22の搬送方向に対して区画された複数の加熱室25,26,27,・・を有しており、また、各加熱室25,26,27,・・には、被熱処理体22の搬送方向に対して3つに区画された加熱用電気ヒーター14が設けられている。なお、30は隔壁を示しており、各加熱室25,26,27,・・の間に設けられて、加熱室と隣接する加熱室との間において熱的分割を所定程度行うものである。
【0035】以上において、熱電対15で測定されたマッフル13の温度は、制御盤17内に備えられた温度調節計TICに入力され、そこからの制御出力を制御ユニットSSCに入力する。そして、制御ユニットSSCでは、必要電力を加熱用電気ヒーター14に供給して、マッフル13の温度を目標の温度に維持するのである。ここで温度調節計TICや制御ユニットSSCは各加熱用電気ヒーター14個別あるいは複数の加熱用電気ヒーター14のグループ毎に配置される。このようにして、各加熱室25,26,27,・・においては、それぞれ3つに区画された加熱用電気ヒーター14により、各々が独立した制御系として個別に温度制御を行うことができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、加熱室内で膜形成素材を含む基板を熱処理する際に、室内の平均温度が異なる他の隣接する加熱室からの熱的影響によって、基板内に温度分布が生じるのを抑制し、基板全体を均一に熱処理することができる。また、本発明の熱処理方法及び熱処理炉では、隣接する他の加熱室が及ぼす熱的影響を相殺できるため、加熱室と隣接する加熱室との間の熱的分割の程度を多少犠牲にして加熱室から隣接する加熱室への基板の搬送を迅速かつ効率的に行うことができるという利点を併せ持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理方法に係る実施形態の一例を示す説明図で、(a)は加熱手段の構成の概略を示し、(b)は平坦設定時における加熱手段の設定温度を示し、(c)は勾配設定時における加熱手段の設定温度を示し、(d)は被熱処理体であるガラス基板と当該基板上に設置された温度計の位置を示す。
【図2】加熱室内における各加熱手段の設定温度分布、加熱室内温度分布(雰囲気温度分布)及び基板内の温度分布を示す説明図である。
【図3】PDPの製造工程を示す工程図である。
【図4】Si含浸SiCの赤外線照射率を示すグラフである。
【図5】本発明に係る熱処理炉を具体的に示す一実施例の基板搬送方向と直角方向の断面図である。
【図6】図5に示す実施例の基板搬送方向と平行な横断面図である。
【符号の説明】
10…熱処理炉、11…炉缶体、12…断熱層、13…マッフル、14…加熱用電気ヒーター、15…温度計(熱電対)、16…リターンコンベア、17…制御盤、18…配線配管、19…化粧板、20…搬送用ローラー、21…セッター、22…被熱処理体(PDP基板)、23…可動受け部、24…駆動部、25,26,27…加熱室。

Claims (9)

  1. 被熱処理体の搬送方向に対して区画された複数の加熱室と、隣接する加熱室へ被熱処理体を搬送するための搬送手段と、各加熱室に、少なくとも被熱処理体の搬送方向に対していくつかに分割され、各々が独立した制御系にて個別に温度制御可能な加熱手段とを含む熱処理炉を用いて、膜形成素材を含む基板を熱処理する方法であって、
    前記複数の加熱室のうち、隣接する他の加熱室の少なくとも一方と室内の平均温度が異なる加熱室においては、当該加熱室に設けられた各加熱手段の設定温度を被熱処理体(基板)の搬送方向で異なる値となるように制御しつつ、当該加熱室内において、前記基板の搬送方向の入口側と出口側の雰囲気温度を、当該基板内の目標温度分布よりも大きな分布を有するように維持して、前記基板を均一に熱処理することを特徴とする基板の熱処理方法。
  2. 前記加熱室内の温度(雰囲気温度)分布は均等にせず、室内温度の低い側の加熱に前記加熱手段の輻射熱を利用することにより、前記基板を均一に熱処理する請求項1記載の熱処理方法。
  3. 前記搬送手段が、隣接する加熱室へ被熱処理体を間欠的に搬送する間欠送り方式の搬送手段である請求項1または2記載の熱処理方法。
  4. 前記基板を、昇温、保温及び降温という工程で熱処理する場合において、前記基板が降温を行う加熱室に存在するときに、当該基板の最高温度の部位と最低温度の部位との温度差ΔTが6℃以下となるように、加熱室に設けられた各加熱手段の設定温度を制御する請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱処理方法。
  5. 被熱処理体の搬送方向に対して区画された複数の加熱室と、隣接する加熱室へ被熱処理体を搬送するための搬送手段と、各加熱室に、少なくとも被熱処理体の搬送方向に対していくつかに分割され、各々が独立した制御系にて個別に温度制御可能な加熱手段とを含む熱処理炉であって、
    前記加熱室に設けられた各加熱手段の設定温度が被熱処理体(基板)の搬送方向で異なる値となるように制御できる温度制御装置と、
    前記加熱室内において、前記基板の搬送方向の入口側と出口側の温度のうちいずれか低い側の加熱手段として、輻射熱を主として発生する輻射ヒータとを備え、
    前記加熱室内の温度(雰囲気温度)分布は均等にせず、室内温度の低い側の加熱に前記輻射ヒータの輻射熱を利用することにより、前記基板を均一に熱処理することを特徴とする熱処理炉。
  6. 前記加熱手段と被熱処理体の移動領域との間に、マッフルが配置され、当該マッフルの一部又は全部が赤外線照射率の高い材質からなるものである請求項5記載の熱処理炉。
  7. 前記赤外線照射率の高い材質が、SiCを含有する焼結体である請求項6記載の熱処理炉。
  8. 前記搬送手段が、隣接する加熱室へ被熱処理体を間欠的に搬送する間欠送り方式の搬送手段である請求項5〜7のいずれか一項に記載の熱処理炉。
  9. 被熱処理体の昇温を行う昇温域の加熱室間及び被熱処理体の保温を行う保温域の加熱室間の搬送には、連続送り方式の搬送手段が用いられ、被熱処理体の降温を行う降温域の加熱室間の搬送には、間欠送り方式の搬送手段が用いられる請求項5〜8のいずれか一項に記載の熱処理炉。
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