JP3662893B2 - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3662893B2
JP3662893B2 JP2002120776A JP2002120776A JP3662893B2 JP 3662893 B2 JP3662893 B2 JP 3662893B2 JP 2002120776 A JP2002120776 A JP 2002120776A JP 2002120776 A JP2002120776 A JP 2002120776A JP 3662893 B2 JP3662893 B2 JP 3662893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating furnace
heat treatment
furnace
substrate
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002120776A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003317627A (ja
Inventor
高広 加納
照久 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2002120776A priority Critical patent/JP3662893B2/ja
Publication of JP2003317627A publication Critical patent/JP2003317627A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3662893B2 publication Critical patent/JP3662893B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)用基板などに熱処理を施す為に用いられる熱処理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ソーダライムガラスに代表されるガラス製基板やアルミナに代表されるセラミックス製基板の上に、金属あるいは無機材料をガラスボンド成分の溶融や、材料自体の軟化・溶融・焼結により、所定の機能を生じる膜が固着されたりするような、膜形成素材を含む基板が知られている。蛍光表示管の陽極基板、プラズマディスプレイパネル用基板、プラズマアドレス液晶表示装置のプラズマスイッチング基板、フィールドエミッション表示装置用基板などの表示デバイス用基板、厚膜配線基板、あるいはサーマルプリンターヘッドやイメージセンサなどの電子デバイス用基板がそれである。かかる電子デバイス用基板の作製においては、一般に、基板自体のアニールの為やガラス素材を結合剤として応用した機能材料の膜形成の為の熱処理が施される。
【0003】
通常、そのような電子デバイス基板の熱処理においては高い清浄度が要求される為、塵埃などを極力排除したクリーンルーム内でおこなわれる。また、かかる熱処理に用いられる熱処理装置としては、作業効率を向上させる為に複数枚の基板を連続的に搬送しつつその過程で熱処理を施す長手状の焼成炉が広く用いられている。たとえば、特許第3011366号の明細書に記載された膜形成素材を含む基板の焼成装置がそれであり、かかる発明によれば、比較的短い炉長を備えた長手状の焼成炉により、膜形成素材を含む基板を1方向に連続して搬送する過程で熱処理を施すことで、前記基板に高い作業効率で熱処理を施すことができるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、たとえば3時間程度の熱処理をおこなうに際して、前記基板の1方向への搬送速度を0.1m/min程度と設定する場合、炉長は少なくとも18m程度必要となる。そのように、上記長手状の焼成炉はその炉長をいかに短縮したとしても不可避的に相当の長さ寸法となることから、設置面積が比較的大きなものになりがちであるという不具合があった。上述のように、電子デバイス基板の熱処理は専らクリーンルームでおこなわれるものであるが、かかるクリーンルームは単位坪に要する費用が通常の作業室と比較して高額である為、そのように設置面積の比較的大きな焼成炉を用いることによる設備コストの増大は無視できなかった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、複数枚の基板に同時に熱処理を施すことが可能である、設置面積を可及的に抑えた熱処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成する為に、本発明の要旨とするところは、その炉体内に搬入された基板に熱処理を施す為の加熱炉と、その加熱炉内において熱処理の施された基板を搬出する為の搬送装置とを備えた熱処理装置であって、(a)前記加熱炉は、昇降装置によりそれ自体が鉛直方向に昇降させられるものであり、(b)前記搬送装置は、前記加熱炉の炉体内に複数段設けられ、複数枚の前記基板を互いに離隔した状態で前記鉛直方向に互いに平行となるように支持するものであり、(c)前記搬送装置および前記昇降装置の駆動を制御することにより、前記加熱炉の炉体内に支持された複数枚の前記基板の内、最も先にその加熱炉内に搬入された基板を、前記加熱炉の近傍に設けられた搬送路に搬出する制御装置を更に備えたものであることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、前記搬送装置は、前記加熱炉の炉体内に複数段設けられ、複数枚の前記基板を互いに離隔した状態で前記鉛直方向に互いに平行となるように支持するものである為、複数枚の前記基板に同時に熱処理を施すことができる。また、前記加熱炉は、昇降装置によりそれ自体が鉛直方向に昇降させられるものである為、搬入に際して前記基板を所定の段に設けられた搬送装置によって支持することができ、搬出に際してたとえば前記加熱炉に続いて高さ固定の搬送路が設けられている場合、前記加熱炉内において所定時間の熱処理が施された基板を、かかる搬送路に選択的に送り出すことができる。また、前記搬送装置および前記昇降装置の駆動を制御することにより、前記加熱炉の炉体内に支持された複数枚の前記基板の内、最も先にその加熱炉内に搬入された基板を、前記加熱炉の近傍に設けられた搬送路に搬出する制御装置を備えたものであるため、前記基板それぞれに所定時間の熱処理を均等に施すことができる。すなわち、複数枚の前記基板に同時に熱処理を施すことが可能である、設置面積を可及的に抑えた熱処理装置を提供することができる。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記搬送装置は、前記加熱炉内において、10枚以上の前記基板を支持し得るものである。このようにすれば、かかる加熱炉内において、十分にして無理のない枚数の前記基板に同時に熱処理を施すことができるという利点がある。
【0010】
また、好適には、前記熱処理装置は、炉体外に設けられた加熱装置により熱せられた熱風をその炉体内に導入する熱風加熱方式の前記加熱炉と、その加熱炉から分離された炉体を有し、その炉体内に赤外線ヒータを備えた赤外線加熱炉とを備えたものであり、その赤外線加熱炉内において熱処理の施された前記基板が前記加熱炉に搬入される熱処理装置である。このようにすれば、前記基板の温度分布管理に関して、赤外線加熱方式は昇温工程を含めて一般に比較的高精度であり、熱風加熱方式は均熱工程においてとりわけ高い精度を呈する為、たとえば前記赤外線加熱炉を専ら昇温工程に、熱風加熱方式による前記加熱炉を専ら均熱工程に用いることで前記基板の温度分布管理に関して赤外線加熱方式・熱風加熱方式それぞれの利点を享受できるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記赤外線加熱炉と熱風加熱方式による前記加熱炉との間には、その赤外線加熱炉と前記加熱炉とを熱的に遮断する開閉扉が設けられたものである。このようにすれば、前記赤外線加熱炉と熱風加熱方式による前記加熱炉との間の熱干渉が抑制され、それぞれの炉体内における前記基板の温度分布管理の精度がより向上するという利点がある。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
【0013】
図1は、本発明の一実施例である熱処理装置10の構成を示す概略図である。この図に示すように、本実施例の熱処理装置10は、炉体14がフレーム16に支持されることにより位置固定に設けられた第1加熱炉12と、炉体20がたとえば4本の油圧シリンダ22に支持されることにより炉体20それ自体が鉛直方向に昇降させられる第2加熱炉18とを備えて構成されている。また、基板24を1方向に搬送して上記第1加熱炉12に搬入する為の第1搬送路26と、上記第2加熱炉18から搬出された上記基板24を上記1方向に搬送する為の第2搬送路28とが設けられている。なお、上記第1加熱炉12はたとえば赤外線ヒータを備えた赤外線加熱炉であり、上記油圧シリンダ22は加熱炉の高さ位置を変更する為にそれを昇降させる昇降装置として機能している。
【0014】
上記第1加熱炉12の炉体14は、たとえば断熱性耐火物あるいはガラスウールなどの保温材で外部を包まれたステンレス鋼あるいはインコネルなどによる炉心管(マッフル)から構成されたものであり、上記フレーム16により水平状態で支持されている。かかる第1加熱炉12には、その炉体14内に赤外線ヒータ30と、互いに平行に配置されてそれぞれ軸心回りに回転駆動されることにより上記基板24を前記1方向に搬送する為の複数本の搬送ローラ32とが設けられている。その搬送ローラ32の材料としては、たとえばステンレス鋼あるいはアルミナなどのセラミックス材料が好適に用いられる。
【0015】
前記第2加熱炉18は、その炉体20内に、互いに平行に配置されてそれぞれ軸心回りに回転駆動されることにより前記基板24の搬入・搬出をおこなう為の搬送装置として機能する複数本の搬送ローラ34により構成された基板支持装置36を複数段(図においては10段)備えたものであり、かかる複数段の基板支持装置36により、複数枚の前記基板24を互いに離隔した状態で前記鉛直方向に互いに平行となるように支持するものである。上記搬送ローラ34は、たとえば上記第1加熱炉12に設けられていた搬送ローラ32と同じ材料から構成されたものである。ここで、好適には、前記炉体20内には10段以上の上記基板支持装置36が設けられており、その炉体20内において、10枚以上の前記基板24を支持し得るものである。前記炉体20は、たとえばステンレス鋼あるいはインコネルなどから構成されたものであり、前記第1加熱炉12と相対向する炉壁および前記搬送路28と相対向する炉壁における上記基板支持装置36それぞれに対応する部分には、前記基板24の搬入口あるいは搬出口とされる複数本の開口38がそれぞれ貫通して設けられている。すなわち本実施例においては、上記2つの炉壁にそれぞれ10本ずつの上記開口38が形成されている。
【0016】
図2は、前記第2加熱炉18の一部を切り欠いてその構成をさらに詳しく説明する図であり、前記第1加熱炉12と相対向する炉壁に垂直な方向から見た正面図である。この図に示すように、前記第2加熱炉18は、その両端それぞれにおいて前記炉体20内に連通するダクト40と、前記炉体20内の空気を上記ダクト40へと送り込み循環させる為のファン42と、そのファン42を駆動する為のファン用モータ44と、上記ダクト40内に複数本のシーズヒータ48を備えて設けられた加熱装置46とを有するものであり、上述のように炉体20外に設けられた加熱装置46により熱せられた熱風をその炉体20内に導入する熱風加熱方式の加熱炉である。また、上記複数本の搬送ローラ34は、前記炉体20内に固設された1対の支持部材50により、その一端部および軸心方向中央よりも他端寄りの一部においてそれぞれ支持され、その他端は前記炉体20において上記ダクト40に連通する為の開口が設けられていない炉壁に設けられた貫通穴52にそれぞれ挿入されて炉体20外へと突き出されている。
【0017】
図3は、図2におけるIII-III視断面図である。この図に示すように、前記搬送ローラ34において前記炉体20外へ突き出された端部には、スプロケット54がその軸心まわりに相対回転不能に取り付けられており、前記炉体20に固設された断面形状がU字形の長手状軸受56においてそれぞれの搬送ローラ34に対応する部分に設けられた貫通穴58に挿入されている。また、上記長手状軸受56には第2加熱炉内搬送用モータ60が固設されており、その第2加熱炉内搬送用モータ60に取り付けられたモータスプロケット62は上記搬送ローラ34にそれぞれ取り付けられたスプロケット54とチェーン64を介して相互に連結されている。なお、図2においては、最下段の前記基板支持装置36に対応する上記長手状軸受56、第2加熱炉内搬送用モータ60、およびモータスプロケット62のみを図示しており、他の段については省略している。
【0018】
図4は、前記第1加熱炉12について説明する図であり、前記第2加熱炉18と相対向する炉壁に垂直な方向から見た正面図である。この図に示すように、本実施例の熱処理装置10は、好適には、前記第1加熱炉12と前記第2加熱炉18との間に、その第1加熱炉12と前記第2加熱炉18とを熱的に遮断する開閉扉66が設けられたものである。前記フレーム16には板状のベース部材68が固設されており、そのベース部材68には、上記開閉扉66を開閉する為の開閉扉用モータ70と、互いに平行とされた1対のレール72とが設けられている。その1対のレール72には昇降部材74が取り付けられており、その昇降部材74は互いに平行に設けられた1対のアーム部材76によって上記開閉扉66と相互に連結されている。また、上記昇降部材74の上部および下部にその端部を固定されて環状とされたチェーン78は、上記開閉扉用モータ70のモータスプロケット80および前記フレーム16に設けられたスプロケット82に噛み合わされている。上記開閉扉66は、たとえば液晶化ガラス、あるいはアルミナ、シリカ、ムライトといったセラミック焼結体などの断熱性に優れた材料から構成されたものである。また、前記搬送ローラ32は、図4に示すように、前記炉体12をその幅方向に貫通して設けられており、その両端部において軸受84に支持されている。さらにその搬送ローラ32の一端にはスプロケット86がその軸心まわりに相対回転不能に取り付けられ、前記フレーム16に固設された第2加熱炉内搬送用モータ88に取り付けられたモータスプロケット90とチェーン92を介して相互に連結されている。
【0019】
以上のように構成された熱処理装置10においては、(a)前記基板24が前記第1搬送路26により前記1方向に搬送されて前記第1加熱炉12内に搬入され、(b)上記第1加熱炉内搬送用モータ88が駆動されることにより、前記第1加熱炉12内において前記複数本の搬送ローラ32がその軸心まわりに回転駆動させられ、その複数本の搬送ローラ32上に載置された前記基板24が前記1方向に搬送され、その過程において前記赤外線ヒータ30により第1熱処理が施され、(c)前記基板24が前記複数本の搬送ローラ32および搬送ローラ34により前記1方向に搬送されて前記第2加熱炉18内に搬入され、(d)前記第2加熱炉18内において、前記基板24が前記基板支持装置36の何れかに設置された状態で所定時間の第2熱処理が施され、(e)前記第2加熱炉内搬送用モータ60が駆動されることにより前記複数本の搬送ローラ34がその軸心まわりに回転駆動させられ、その複数本の搬送ローラ34上に載置された前記基板24が前記1方向に搬送されて前記第2搬送路28に搬出される。
【0020】
前記炉体20は、前記油圧シリンダ22によりそれ自体が鉛直方向に昇降させられるものである為、搬入に際して前記基板24を所定の段の前記基板支持装置36によって支持することができ、搬出に際して前記基板24を前記第2搬送路28に選択的に送り出すことができる。また、本実施例の熱処理装置10は、前記油圧シリンダ22の駆動を制御することにより、何れかの前記基板支持装置36が前記第1加熱炉12の搬送ローラ32に対応する位置、あるいは前記第2搬送路28に対応する位置に移動するように前記炉体20を昇降させる油圧制御回路94を備えたものであり、かかる油圧制御回路94により、前記基板24の搬入・搬出が適宜おこわなれる。ここで、好適には、前記第1加熱炉12から前記第2加熱炉18に新たな基板24が搬入されるのと同期してその新たな基板24が送り込まれる段に支持されていた基板24が前記第2搬送路28に搬出される。このようにすれば、前記第2加熱炉18内の前記基板支持装置36の全ての段に基板24を支持させた状態で熱処理を施すに際して、基板24の搬入・搬出に要する時間が可及的に短縮される。
【0021】
また、前記開閉扉用モータ70が駆動させられると、モータスプロケット80、チェーン78、およびスプロケット82を介してその回転が前記昇降部材74に上下移動の駆動力として伝達され、その昇降部材74が前記1対のレール72に沿って上下移動させられる。前記昇降部材74が上下移動させられることにより、その昇降部材74と前記アーム部材76を介して連結された前記開閉扉66が上下移動させられ、その開閉扉66が開閉させられる。図4において、実線は前記開閉扉66が上端に位置した状態すなわち開閉扉66が閉じられた状態を示し、細線二点鎖線は前記開閉扉66が下端に位置した状態すなわち開閉扉66が開いた状態を示す。ここで、前述の(c)の過程すなわち前記基板24が前記第1加熱炉12から前記第2加熱炉18へと搬入される過程においてのみ前記開閉扉66を開き、それ以外の場合においては前記開閉扉66を閉めた状態とすることで、前記第1加熱炉12と前記第2加熱炉18との間の熱干渉が好適に抑制される。
【0022】
図5は、本実施例の熱処理装置10の作動において用いられる目標温度およびその作動により得られる前記基板24の温度を示すタイムチャートの一例であり、たとえばプラズマディスプレイパネル用基板に固着された材料膜の乾燥の為の温度プロファイルを示すものである。この図において、熱処理開始から2分経過するまでが前述の(b)の過程における第1熱処理に、2分経過してから22分経過するまでが前述の(d)の過程における第2熱処理にそれぞれ対応する。すなわち、前述の第1熱処理は専ら昇温工程に対応するものであり、前述の第2熱処理は専ら均熱工程に対応するものである。一般に、赤外線加熱方式の熱処理装置によれば、基板の温度分布管理に関して高い精度が期待できる反面、赤外線ヒータの構成が比較的複雑であることや、制御点数が比較的多くなることなどから、熱処理装置それ自体が高価なものになりがちである。一方、熱風加熱方式の熱処理装置によれば、上記昇温工程における基板の温度分布管理に関しては上記赤外線加熱方式の熱処理装置に劣るものの、炉体外に設けられる加熱装置は比較的簡単な構成でこと足り、従って制御点数も比較的少なくて済むことなどから、熱処理装置それ自体が比較的安価であることに加えて、均熱工程に限っては基板の温度分布管理に関して上記赤外線加熱方式の熱処理装置と遜色ない高い精度が得られる。すなわち、本実施例のように、赤外線加熱方式による前記第1加熱炉12を専ら昇温工程に、熱風加熱方式による前記第2加熱炉18を専ら均熱工程に用いることで前記基板24の温度分布管理に関してそれぞれの加熱方式の利点を享受することができる。すなわち、たとえば40インチのプラズマディスプレイパネル用基板の熱処理に際して、前記第1加熱炉12内および前記第2加熱炉18内の何れにおいても、基板面内温度に関して局所的な最高温度・最低温度と平均温度との差が3℃程度以内に抑えられる。図5の温度プロファイルで示すような基板24に固着された材料膜の乾燥に際しては、とりわけ基板24の面内温度勾配が重要となってくるので、そのように基板24の温度分布管理を高い精度でおこなうことができる熱処理装置10が好適に用いられるのである。
【0023】
本実施例の熱処理装置10は、好適には、図6のブロック線図に示すように、前記赤外線ヒータ30、ファン用モータ44、シーズヒータ48、第2加熱炉内搬送用モータ60、開閉扉用モータ70、第1加熱炉内搬送用モータ88、および油圧制御回路94の駆動を予め設定されたプログラムに従って制御する電子制御装置96を備えたものである。かかる電子制御装置96にその動作を制御された熱処理装置10によって、前述の一連の熱処理が前記基板24に施される。また、好適には、上記電子制御装置96は、前記第2加熱炉内搬送用モータ60および前記油圧制御回路94の駆動を制御することにより、前記第2加熱炉18の炉体20内に支持された複数枚の前記基板24の内、最も先にその第2加熱炉18内に搬入された基板24を、前記第2搬送路28に搬出するものである。図5の温度プロファイルに示すように、前記第2加熱炉18内においては前記基板24に20分間程度の熱処理が施されるべきであるが、上述のように、最も先に前記第2加熱炉18内に搬入された基板24を前記第2搬送路28に搬出するように前記第2加熱炉内搬送用モータ60および前記油圧制御回路94の駆動を制御することにより、前記基板24それぞれにたとえば20分間程度といった所定時間の熱処理を均等に施すことができる。
【0024】
このように、本実施例によれば、前記搬送ローラ34が構成する基板支持装置36は、前記第2加熱炉18の炉体20内に複数段設けられ、複数枚の前記基板24を互いに離隔した状態で前記鉛直方向に互いに平行となるように支持するものである為、複数枚の前記基板24に同時に熱処理を施すことができる。また、前記第2加熱炉18は、前記油圧シリンダ22によりそれ自体が鉛直方向に昇降させられるものである為、搬入に際して前記基板24を所定の段に設けられた前記基板支持装置36によって支持することができ、前記第2加熱炉18内において所定時間の熱処理が施された基板24を、前記第2搬送路28に選択的に送り出すことができる。すなわち、複数枚の前記基板24に同時に熱処理を施すことが可能である、設置面積を可及的に抑えた熱処理装置10を提供することができ、前記基板24を連続的に搬送しつつその過程で熱処理を施す従来の焼成炉と比較してその設置面積が1/10〜1/5程度とされる。
【0025】
また、好適には、前記第2加熱炉内搬送用モータ60および前記油圧制御回路94の駆動を制御することにより、前記第2加熱炉18の炉体20内に支持された複数枚の前記基板24の内、最も先にその第2加熱炉18内に搬入された基板24を、前記第2搬送路28に搬出する電子制御装置96を備えたものである為、前記基板24それぞれに所定時間の熱処理を均等に施すことができるという利点がある。
【0026】
また、好適には、前記基板支持装置36は、前記第2加熱炉18内において、10枚以上の前記基板24を支持し得るものである為、かかる第2加熱炉18内において、十分にして無理のない枚数の前記基板24に同時に熱処理を施すことができるという利点がある。
【0027】
また、好適には、前記熱処理装置10は、炉体20外に設けられた前記加熱装置46により熱せられた熱風をその炉体内に導入する熱風加熱方式の前記第2加熱炉18と、その第2加熱炉18から分離された炉体14を有し、その炉体14内に赤外線ヒータ30を備えた第1線加熱炉12とを備えたものであり、その第1加熱炉12内において熱処理の施された前記基板24が前記第2加熱炉18に搬入されるものである為、赤外線加熱方式による前記第1加熱炉12を専ら昇温工程に、熱風加熱方式による前記第2加熱炉18を専ら均熱工程に用いることで前記基板24の温度分布管理に関して赤外線加熱方式・熱風加熱方式それぞれの利点を享受できるという利点があり、たとえば40インチのプラズマディスプレイパネル用基板の熱処理に際して、前記第1加熱炉12内および前記第2加熱炉18内の何れにおいても、基板面内温度に関して局所的な最高温度・最低温度と平均温度との差が3℃程度以内に抑えられる。さらには、比較的安価で済む熱風加熱方式の前記第2加熱炉18を含む構成としたことで、熱処理装置10に要する設備コストが従来の焼成炉と比較して1/3〜1/2程度とされる。
【0028】
また、好適には、前記第1加熱炉12と前記第2加熱炉18との間には、その第1加熱炉12と前記第2加熱炉18とを熱的に遮断する開閉扉66が設けられたものである為、前記第1加熱炉12と前記第2加熱炉18との間の熱干渉が抑制され、それぞれの炉体14および20内における前記基板24の温度分布管理の精度がより向上するという利点がある。
【0029】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに別の態様においても実施される。
【0030】
たとえば、前述の実施例の熱処理装置10は、前記第1加熱炉12、第2加熱炉18、第1搬送路26、および第2搬送路28を備えて構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば前記第2加熱炉18、第1搬送路26、および第2搬送路28から成るもの、あるいは前記第2加熱炉18に対応する熱処理装置のみから成るものであってもよく、また前記第2搬送路28の代わりに前記基板24の温度を常温付近まで降下させる為の冷却装置が設けられたものであっても構わない。
【0031】
また、前記第2加熱炉18は、前記搬送ローラ32により1方向に搬送されることで搬入された基板24に所定時間の熱処理を施し、その基板24を前記搬送ローラ34によりかかる1方向に搬送することで前記搬送路28に搬出するものであったが、本実施例の熱処理装置10は、たとえば前記第1加熱炉12の鉛直下側に前記第2搬送路28に対応する搬送路が設けられたものであってもよく、そのような場合、前記第2加熱炉18は、所定時間の熱処理が施された基板24を前記搬送ローラ34により搬入方向とは逆の方向に搬送することで上記搬送路に搬出することになる。本発明は、そのように動作するものであってもよい。
【0032】
また、前記第2加熱炉18には、昇降装置として前記油圧シリンダ22が設けられたものであったが、たとえば図7に示すような昇降装置を備えたものであってもよい。この図においては、一部にネジが形成され且つその一端にスプロケット100が固設されたたとえば4本の第1軸状部材98が、フレーム102にその軸心まわりに相対回転可能且つその軸心方向に相対移動不能とされて互いに平行となるように配設され、その第1軸状部材98のネジに螺合された昇降部材104と前記炉体20とが第2軸状部材106を介して相互に連結されている。また、上記フレーム102には減速機110を備えたモータ108が固設され、そのモータ108に取り付けられたモータスプロケット112は、上記第1軸状部材98それぞれに取り付けられたスプロケット100とチェーン114を介して相互に連結されている。以上のような構成によれば、上記モータ108が駆動されることにより、上記減速機110、モータスプロケット112、チェーン114、スプロケット100を介して上記複数本の第1軸状部材98にその駆動力が伝わり、それぞれの第1軸状部材98がその軸心まわりに回転させられ、それによりその第1軸状部材98のネジに螺合された上記昇降部材104が昇降させられ、その昇降部材104と上記第2軸状部材106を介して連結された前記炉体20が鉛直方向に昇降させられるのである。
【0033】
また、前記第2加熱炉18は、前記炉体20外に設けられた加熱装置46により熱せられた熱風をその炉体20内に導入する熱風加熱方式の熱処理装置であったが、たとえば前記炉体20内に赤外線ヒータが設けられた赤外線加熱方式の熱処理装置であってもよく、発明の一応の効果を奏するものであればその加熱方式は問わない。
【0034】
また、前記第2加熱炉18は、搬送装置として前記搬送ローラ34を備えたものであったが、たとえばベルトコンベアなどの搬送装置が設けられたものであってもよく、発明の一応の効果を奏するものであればその搬送方式は問わない。
【0035】
その他一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である熱処理装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す熱処理装置に備えられた第2加熱炉の一部を切り欠いてその構成をさらに詳しく説明する図である。
【図3】図2におけるIII-III視断面図である。
【図4】図1に示す熱処理装置に備えられた第1加熱炉について説明する図である。
【図5】図1に示す熱処理装置の作動において用いられる目標温度およびその作動により得られる基板の温度を示すタイムチャートの一例である。
【図6】図1に示す熱処理装置の制御系統を説明するブロック線図である。
【図7】本発明に設けられる昇降装置の他の態様を示す概略図である。
【符号の説明】
10:熱処理装置
12:第1加熱炉
14:炉体
18:第2加熱炉
20:炉体
22:油圧シリンダ
24:基板
28:第2搬送路
30:赤外線ヒータ
34:搬送ローラ
36:基板支持装置
46:加熱装置
66:開閉扉
96:電子制御装置

Claims (4)

  1. その炉体内に搬入された基板に熱処理を施す為の加熱炉と、該加熱炉内において熱処理の施された基板を搬出する為の搬送装置とを備えた熱処理装置であって、
    前記加熱炉は、昇降装置によりそれ自体が鉛直方向に昇降させられるものであり、
    前記搬送装置は、前記加熱炉の炉体内に複数段設けられ、複数枚の前記基板を互いに離隔した状態で前記鉛直方向に互いに平行となるように支持するものであり、
    前記搬送装置および前記昇降装置の駆動を制御することにより、前記加熱炉の炉体内に支持された複数枚の前記基板の内、最も先に該加熱炉内に搬入された基板を、前記加熱炉の近傍に設けられた搬送路に搬出する制御装置を更に備えたものであることを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記搬送装置は、前記加熱炉内において、10枚以上の前記基板を支持し得るものである請求項1の熱処理装置。
  3. 前記熱処理装置は、炉体外に設けられた加熱装置により熱せられた熱風を該炉体内に導入する熱風加熱方式の前記加熱炉と、該加熱炉から分離された炉体を有し、該炉体内に赤外線ヒータを備えた赤外線加熱炉とを備えたものであり、該赤外線加熱炉内において熱処理の施された前記基板が前記加熱炉に搬入される熱処理装置である請求項1または2の熱処理装置。
  4. 前記赤外線加熱炉と熱風加熱方式による前記加熱炉との間には、該赤外線加熱炉と前記加熱炉とを熱的に遮断する開閉扉が設けられたものである請求項の熱処理装置。
JP2002120776A 2002-04-23 2002-04-23 熱処理装置 Expired - Fee Related JP3662893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002120776A JP3662893B2 (ja) 2002-04-23 2002-04-23 熱処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002120776A JP3662893B2 (ja) 2002-04-23 2002-04-23 熱処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003317627A JP2003317627A (ja) 2003-11-07
JP3662893B2 true JP3662893B2 (ja) 2005-06-22

Family

ID=29536905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002120776A Expired - Fee Related JP3662893B2 (ja) 2002-04-23 2002-04-23 熱処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3662893B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003148872A (ja) * 2001-08-28 2003-05-21 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd オーブンシステム
JP4740732B2 (ja) * 2005-12-21 2011-08-03 株式会社九州日昌 加熱装置
CN102522286B (zh) * 2012-01-08 2015-01-07 临安泰利电器有限公司 节能灯管上粉、刷粉设备
JP7465855B2 (ja) * 2021-09-27 2024-04-11 芝浦メカトロニクス株式会社 加熱処理装置、搬入搬出治具、および有機膜の形成方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6193506B1 (en) * 1995-05-24 2001-02-27 Brooks Automation, Inc. Apparatus and method for batch thermal conditioning of substrates
JP3702031B2 (ja) * 1996-03-18 2005-10-05 エスペック株式会社 高集積型熱処理装置
JP3784881B2 (ja) * 1996-03-18 2006-06-14 エスペック株式会社 熱処理装置の昇降装置
JP3410000B2 (ja) * 1997-07-28 2003-05-26 エスペック株式会社 熱処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003317627A (ja) 2003-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3662893B2 (ja) 熱処理装置
JP2001241855A (ja) 連続加熱炉
KR100440667B1 (ko) 기판의 열처리 방법 및 그에 사용하는 연속식 열처리로
CN1517962A (zh) 基板的热处理方法以及热处理炉
JP2003165735A (ja) ガラス基板用熱処理装置
JP2003123651A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法およびそのための炉設備
JP3445733B2 (ja) 熱処理装置
KR100831906B1 (ko) 온도 제어실 및 그 온도 제어실을 이용한 진공 처리 장치
KR100499365B1 (ko) 하이브리드형열처리장치
JP2003292154A (ja) 厚膜印刷基板用熱処理装置および搬送ローラ
US20030118965A1 (en) Soaking apparatus
JPH1022189A (ja) 基板熱処理装置
JP2003077398A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法およびそのための炉設備
JP2002206863A (ja) 連続式熱処理炉
KR200318436Y1 (ko) 피디피 페이스트막 소성용 연속소성로
JP3299882B2 (ja) 加熱炉
JP4338936B2 (ja) Fpd用封着加熱装置
JP3987064B2 (ja) 熱処理装置
JP3920586B2 (ja) 連続焼成炉用リフター装置
JP2000274952A (ja) 熱処理システム
JP2001199528A (ja) 気体浮揚手段を有するリフター、熱処理装置および熱処理方法
JP3584241B2 (ja) 加熱帯および冷却帯を備えたトレイ搬送式連続炉
JP7065240B1 (ja) 連続加熱炉およびそれを用いた被処理物の加熱処理方法
JP3410000B2 (ja) 熱処理装置
JP2000161858A (ja) ガラス基板の熱処理方法および熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees