JP7065240B1 - 連続加熱炉およびそれを用いた被処理物の加熱処理方法 - Google Patents

連続加熱炉およびそれを用いた被処理物の加熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被処理物の処理効率を向上させる。【解決手段】ここで開示される連続加熱炉10は、連続加熱炉10は、搬入口11aと、搬出口11bとを有し、内部に搬送空間11cを備える炉体11と、炉体11内で被処理物Aを加熱するヒータ15と、加熱用耐火物Aを搬送方向に搬送する複数の搬送ローラ12と、複数の搬送ローラ12を駆動する駆動装置20とを備えている。炉体11内には、加熱領域Rhと、搬入口11aと近接し、加熱領域Rhよりも上流側の上流領域Ruと、搬出口11bと近接し、加熱領域Rhよりも下流側の下流領域Rdとが設けられている。加熱領域Rhでは、上流領域Ruよりも搬送速度が速くなるように搬送ローラ12が駆動され、下流領域Rdでは、加熱領域Rhよりも搬送速度が遅くなるように搬送ローラ12が駆動されている。【選択図】図4

Description

本開示は、連続加熱炉およびそれを用いた被処理物の加熱処理方法に関する。
連続加熱炉は、被処理物を搬送しながら連続的に加熱処理する加熱炉である。連続加熱炉には、複数本の搬送ローラを回転駆動することにより、被処理物を搬送しつつ熱処理を施す加熱炉がある。このような連続加熱炉は、ローラハースキルンとも称される。
実開平5-10993号公報には、先行搬送ローラ群と後続搬送ローラ群を有するローラハースキルンが開示されている。かかるローラハースキルンには、先行搬送ローラ群と後続搬送ローラ群との間に配設された二速度搬送ローラ群と、被焼成品を検知する検知器とがさらに設けられている。かかるローラハースキルンでは、搬送された被焼成品が後続搬送ローラ群を離脱したことを検知器によって検知する。そして、先行搬送ローラ群および二速度搬送ローラ群の搬送速度を後続搬送ローラ群よりも早くすることによって、先行する被焼成品を後続の被焼成品から引き離すことができるとされている。
実開平5-10993号公報
ところで、例えば、半導体材料や電池に用いられる活物質材料等の被処理物を大量に処理する場合には、被処理物は連続加熱炉で連続的に加熱処理が施されうる。その際、例えば、上面が開口した容器であるサヤや板状のセッター等の加熱用耐火物が用いられうる。被処理物は、加熱用耐火物に配置され、順次搬送され、加熱処理が施される。本発明者は、加熱用耐火物に配置した被処理物の処理効率を向上させたいと考えている。
ここに開示される連続加熱炉は、加熱用耐火物に配置された被処理物を、搬送方向に搬送しながら連続的に加熱するための連続加熱炉であって、搬入口と、搬出口とを有し、内部に搬送空間を備える炉体と、前記炉体内で前記被処理物を加熱するヒータと、加熱用耐火物を搬送方向に搬送する複数の搬送ローラと、複数の搬送ローラを駆動する駆動装置とを備えている。炉体内には、加熱領域と、搬入口と近接し、加熱領域よりも上流側の上流領域と、搬出口と近接し、加熱領域よりも下流側の下流領域とが設けられている。加熱領域では、上流領域よりも搬送速度が速くなるように搬送ローラが駆動され、下流領域では、加熱領域よりも搬送速度が遅くなるように搬送ローラが駆動されている。
かかる連続加熱炉によれば、被処理物の処理効率を向上させることができる。
上流領域および下流領域には、ヒータが設けられていなくてもよい。
上流領域および下流領域のうち少なくともいずれか一方には、ヒータが設けられていてもよい。
加熱領域には、相互に搬送速度の異なる少なくとも2つの領域が設定されていてもよい。
複数の搬送ローラは、領域ごとに異なる駆動装置に駆動されており、搬送速度は、駆動装置によって領域ごとにそれぞれ独立に設定可能であってもよい。
連続加熱炉は、炉体内の温度分布と加熱用耐火物の熱膨張率とによって搬送速度が定められるように構成されていてもよい。
炉体内において、最高温度と最低温度の差が800℃以上であってもよい。
ここに開示される技術の他の側面として、加熱用耐火物に配置された被処理物を、搬送方向に搬送しながら連続的に加熱するための連続加熱炉を用いて加熱処理する方法が提供される。連続加熱炉として、上記の連続加熱炉を用いるとともに、加熱用耐火物としてアルミナ、ジルコニアまたはマグネシアから構成されている加熱用耐火物を用いてもよい。
図1は、連続加熱炉10を模式的に示す縦断面図である。 図2は、図1のII-II断面図である。 図3は、連続加熱炉10の側面の一部を表す模式図である。 図4は、炉内温度と搬送速度との関係を示すグラフである。 図5は、搬送ローラ12と駆動装置20の接続関係を示す模式図である。
以下、本開示における典型的な実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
〈連続加熱炉10〉
連続加熱炉10は、加熱用耐火物に配置された被処理物Aを、搬送方向に搬送しながら連続的に加熱するための連続加熱炉である。以下では、加熱用耐火物Aに配置された被処理物のことを、「被処理物A」とも称する。図1は、連続加熱炉10を模式的に示す縦断面図である。図2は、図1のII-II断面図である。図2では、連続加熱炉10の横断面が示されている。図3は、連続加熱炉10の側面の一部を表す模式図である。図3には、カバー40の側面が取り外された状態の連続加熱炉10の側面が図示されている。図1では、被処理物Aの搬送方向は矢印で示されている。この実施形態では、被処理物Aは、幅方向に隙間を空けた状態で複数列(図2に示されている実施形態では、3列)に並べて搬送される。被処理物を配置する加熱用耐火物Aは、加熱処理する被処理物に応じて適宜選択される。加熱用耐火物Aは、例えば、ムライト・コーディライト、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、カーボン等から構成されているものが用いられうる。
連続加熱炉10は、搬送ローラの回転に被処理物を搬送しつつ加熱する、いわゆるローラハースキルンである。図1に示されているように、連続加熱炉10は、搬入口11aと、搬出口11bとを有し、内部に搬送空間11cを備える炉体11と、加熱用耐火物Aを搬送方向に搬送する複数の搬送ローラ12と、炉体11内で被処理物Aを加熱するヒータ15と、複数の搬送ローラ12を駆動する駆動装置20(図2参照)とを備えている。なお、図2では、ヒータ15の図示は省略されている。
〈炉体11〉
炉体11は、加熱用耐火物Aが搬送される直線状の搬送空間11cを囲っている。搬送空間11cは、トンネル状に形成されている。炉体11は、搬送空間11cの搬送方向の周りを全周に亘って囲っている。炉体11に囲まれた搬送空間11cには、搬入口11aから搬出口11bに向かって加熱用耐火物Aを搬送する搬送方向が設定されている。連続加熱炉10は、搬入口11aおよび搬出口11bが開放されている、いわゆる大気炉であってもよい。連続加熱炉10は、搬入口11aおよび搬出口11bに炉体11内の雰囲気を制御するため開閉可能な蓋やシャッターが設けられた、いわゆる雰囲気炉であってもよい。搬入口11aおよび搬出口11bには、例えば、加熱用耐火物Aを搬入するための入口コンベアや、加熱用耐火物Aを搬出するための出口コンベアが接続されていてもよい。
この実施形態では、炉体11は、断熱材13と、外壁14とから構成されている。後述する加熱領域Rhでは、断熱材13は、搬送空間11cの搬送方向の周りを全周に亘って囲っている。後述する上流領域Ruおよび下流領域Rdでは、搬送空間11cは断熱材13によって囲われておらず、外壁14が搬送空間11cの搬送方向の周りを全周に亘って囲っている。
断熱材13としては、例えば、所定の形状に成形されたセラミックファイバーボードが厚み方向に積み重ねられたものが用いられうる。セラミックファイバーボードは、例えば、いわゆるバルクファイバーに無機フィラーと無機・有機結合材とが添加されて板状に成形された板材である。断熱材13の厚さは、搬送空間11aの熱が十分に断熱される程度の所要の厚さに設定されている。断熱材13の外側は、外壁14に覆われている。外壁14は、剛性および耐熱性に優れる金属製の材料によって構成される。外壁14には、例えば、ステンレス等が用いられうる。
炉体11は、基台16に載せられている。基台16は、図2に示されているように、上側フレーム16aと、支柱フレーム16bと、下側フレーム16cとを有している。上側フレーム16aは、炉体11の下面が乗せられる土台となりうる。支柱フレーム16bは、上側フレーム16aから下方へ延びており、炉体11が載せられた上側フレーム16aを支持している。下側フレーム16cは、支柱フレーム16bから垂直に延びている。基台16には、後述する駆動装置20等が取り付けられてもよい。
〈搬送ローラ12〉
搬送ローラ12は、加熱用耐火物を搬送方向に搬送するためのローラである。炉体11には、搬送方向に沿って複数の搬送ローラ12が並べられている。複数の搬送ローラ12は、円筒形状のローラであり、加熱用耐火物Aを支持できるように高さを揃え、予め定められたピッチで搬送空間11cに並べられている。搬送ローラ12は、図2に示されているように、搬送方向と直交する方向に沿って炉体11の両側の側壁11dの挿通孔11eを貫通している。搬送ローラ12としては、例えば、セラミックローラや金属ローラ等が用いられる。搬送ローラ12は、図示しない軸受を介して、支持板12a,12bに回転可能に支持されている。支持板12a,12bは、横長の板材である。支持板12a,12bは、炉体11の外部に設けられている。支持板12a,12bは、炉体11の外部に取り付けられたカバー40の内側に収められている。支持板12a,12bは、カバー40の底面に設けられた支柱41に取り付けられている。
この実施形態では、搬送ローラ12の支持板12a側の端部にはスプロケット31が取り付けられている。スプロケット31は、隣り合うスプロケット31と、ローラチェーン34を介して接続されている(図3参照)。ローラチェーン34によって接続されたスプロケット31は、同じタイミングで同じ速度で回転する。また、搬送ローラ12の支持板12b側の端部には、スプロケットは取り付けられていない。搬送ローラ12の支持板12b側の端部は、支持板12a側の回転に合わせて回転するように構成されている。
〈駆動装置20〉
駆動装置20は、搬送ローラ12の回転を駆動する。駆動装置20としては、例えば、モータ等が用いられうる。駆動装置20は、搬送ローラ12の回転を伝達する動力伝達機構30を介して搬送ローラ12の回転を駆動する。この実施形態では、動力伝達機構30は、図3に示されているように、スプロケット31~33と、ローラチェーン34とを備えている。スプロケット33には、駆動装置20(図2参照)からの動力が伝えられる。搬送ローラ12の回転速度は、エンコーダによって搬送ローラ12の回転数が検出され、インバータによって駆動装置20の出力が制御さることで調整されてもよい。また、動力伝達機構30の構成は特に限定されない。例えば、駆動装置20と動力伝達機構30の間には、駆動装置20からの動力を伝えたり遮断したりするクラッチや、駆動装置20からの動力を変速する減速機等の種々の要素が追加されてもよい。以下、動力伝達機構30の一例を説明する。
スプロケット31は、上述したように、搬送ローラ12の支持板12a側の端部に取り付けられている(図2参照)。スプロケット32は、支柱41やカバー40の底面に取り付けられている。スプロケット33は、基台16の上側フレーム16aと下側フレーム16cの間の空間に設けられている(図2参照)。スプロケット31~33は、閉じた環状のループパスを形成する。かかるループパスには、ローラチェーン34が掛け回されている。スプロケット31~33は、ローラチェーン34が掛け回されるループパスの内側および外側に配置されている。このため、ローラチェーン34に所要のテンションが掛かる。
この実施形態では、ローラチェーン34は、チェーンガイド35によって、スプロケット31の下側を通るようにループパスが設定されている。そのため、ローラチェーン34が回転することによって、スプロケット31が回転し、これに連れて搬送ローラ12(図2参照)が回転する。この実施形態では、連続加熱炉10は、複数の駆動装置20を有しており、それぞれ別の支持板12aに支持されている搬送ローラ12の回転を駆動している。なお、必ずしも全ての搬送ローラ12が駆動装置20によって駆動される必要はない。例えば、スプロケット31が取り付けられていない搬送ローラ12があってもよい。そのような搬送ローラ12は、搬送される加熱用耐火物Aが搬送される際の摩擦によって回転しうる。
〈ヒータ15〉
図1に示されているように、炉体11内には、被処理物Aを加熱するヒータ15が設けられている。ヒータ15は、複数の搬送ローラ12の上方および下方に、搬送方向に沿って所定の間隔を空けて並べられている。この実施形態では、ヒータ15として、円筒形状のセラミック製のヒータが用いられている。ヒータ15は、側壁11dを貫通している。ヒータ15には、加熱温度等に応じて種々のヒータが用いられうる。ヒータ15には、セラミック製のヒータの他に、金属シースヒータ等が用いられうる。また、ヒータ15の形状は特に限定されず、例えば、板状のパネルヒータ等が用いられてもよい。
〈加熱領域Rh、上流領域Ru、下流領域Rd〉
炉体11内には、加熱領域Rhと、搬入口11aと近接し、加熱領域Rhよりも上流側の上流領域Ruと、搬出口11bと近接し、加熱領域Rhよりも下流側の下流領域Rdとが設けられている。加熱領域Rhは、上流領域Ruおよび下流領域Rdと比較して温度が高くなっている。この実施形態では、加熱領域Rhには、ヒータ15が設けられている。加熱領域Rhでは、搬送空間11cの搬送方向の周りが断熱材13によって囲われている。また、上流領域Ruおよび下流領域Rdにはヒータ15が設けられていない。上流領域Ruと下流領域Rdでは、搬送空間11cの搬送方向の周りが外壁14によって囲われている。
この実施形態では、加熱領域Rhには、3つの領域が設定されている。加熱領域Rhには、搬送方向の上流側から順に、第1加熱領域Rh1、第2加熱領域Rh2、第3加熱領域Rh3が設定されている。ここでは、上流領域Ru、第1加熱領域Rh1、第2加熱領域Rh2、第3加熱領域Rh3および下流領域Rdの搬送距離は、同程度に設定されている。
第1加熱領域Rh1~第3加熱領域Rh3はそれぞれ、仕切13aで仕切られている。第1加熱領域Rh1および第3加熱領域Rh3は、ヒータ15が設けられていない上流領域Ruおよび下流領域Rdと隣接している。そのため、第1加熱領域Rh1および第3加熱領域Rh3は、第2加熱領域Rh2よりも炉内温度が低くなっている。なお、ここでは、第1加熱領域Rh1~第3加熱領域Rh3はそれぞれ、仕切13aで仕切られているが、かかる形態に限定されず、領域ごとに空間が仕切られていなくてもよい。
第1加熱領域Rh1~第3加熱領域Rh3において、炉内温度は、領域ごとに適宜設定されてもよい。炉内温度を設定する方法は特に限定されない。例えば、領域ごとにヒータ15の出力や数を調整してもよく、領域ごとにヒータ15の間隔、被処理物Aまでの距離等の配置を調整してもよい。領域ごとの炉内温度は、例えば、被処理物Aの加熱条件に応じて設定されうる。特に限定されないが、加熱領域Rhにおいて、炉体11内の最高温度は、例えば、900℃~1600℃程度に設定されうる。上流領域Ruおよび下流領域Rdにおいて、炉体11内の最低温度(すなわち、搬入口11aや搬出口11b付近)は、例えば、100℃~200℃程度でありうる。炉体11内において、最高温度と最低温度の差は、例えば、800℃以上、1000℃以上、1200℃以上になりうる。
ここで開示される連続加熱炉10では、加熱用耐火物Aの搬送速度は、搬入口11aから搬出口11bまでのそれぞれの領域ごとに、異なる速度になるように設定されている。搬送速度は、上述したように、異なる駆動装置20(図3参照)によって、領域ごとに搬送ローラ12が駆動されることによって設定されている。
図4は、炉内温度と搬送速度との関係を示すグラフである。図4では、炉内温度は一点鎖線で示されており、搬送速度は実線で示されている。図4に示されているように、上流領域Ruおよび第1加熱領域Rh1において、搬送方向に進むに従って炉内温度は上昇する。第2加熱領域Rh2において、炉内温度は最高温度に達し、一定になる。加熱領域Rhから下流領域Rdにおいて、搬送方向に進むに従って炉内温度は下降する。この実施形態では、加熱領域Rhでは、上流領域Ruよりも搬送速度が速くなるように搬送ローラ12が駆動され、下流領域Rdでは、加熱領域Rhよりも搬送速度が遅くなるように搬送ローラ12が駆動されている。
加熱領域Rhには、相互に搬送速度の異なる少なくとも2つの領域が設定されていてもよい。この実施形態では、加熱領域Rhにおいて、第1加熱領域Rh1~第3加熱領域Rh3では搬送速度が異なるように搬送速度が設定されている。加熱領域Rhにおいて、第2加熱領域Rh2は、第1加熱領域Rh1および第3加熱領域Rh3よりも搬送速度が速くなるように搬送速度が設定されている。つまり、上流領域Ruから第2加熱領域Rh2に向かうに従って段階的に搬送速度が速くなり、第2加熱領域Rh2から下流領域Rdに向かうに従って段階的に搬送速度が遅くなる。
図5は、搬送ローラ12と駆動装置20の接続関係を示す模式図である。図5の矢印は、搬送速度の傾向を示しており、矢印が長いほど搬送速度が速いことを示している。なお、矢印は、搬送速度の大きさを厳密に示していない。図5に示されているように、複数の搬送ローラ12は、領域ごとに異なる駆動装置20に駆動されている。搬送速度は、駆動装置20によって領域ごとにそれぞれ独立に設定可能である。この実施形態では、上流領域Ru、第1加熱領域Rh1~第3加熱領域Rh3、下流領域Rdは、それぞれ異なる動力伝達機構30によって接続されており、異なる駆動装置20によって駆動されている。このように、搬送ローラ12が領域ごとに異なる駆動装置20に駆動されていることによって、領域間の搬送速度の調整が容易になる。また、例えば、メンテナンス作業等で搬送ローラ12を取り外す必要が生じた場合にも、領域ごとに駆動装置20や動力伝達機構30が集約されていることによって、メンテナンス作業等が効率的に行われうる。
ところで、被処理物の処理効率を向上させる観点では、搬送される加熱用耐火物Aの間隔を可能な限り狭くすることが好ましい。それによって、連続加熱炉10の炉長を長くすることなく、被処理物の処理量を向上させることができる。しかしながら、本発明者の試行では、先行する加熱用耐火物と、それに続く加熱用耐火物との間隔を狭くすると、搬出される加熱用耐火物に蛇行が生じる場合があった。搬出される加熱用耐火物Aに蛇行が生じると、被処理物Aの加熱ムラや、搬送エラーの原因となりうる。本発明者の知見によると、加熱用耐火物Aの蛇行は、被処理物が配置される加熱用耐火物Aが、炉体11内の温度変化に応じて膨張し、加熱用耐火物Aがぶつかることによって起こりうる。また、本発明者の知見では、このような課題は、特に、炉体11内の最高温度と最低温度の差が大きい場合や、被処理物の加熱温度が高い場合に起こりやすい。
上述したように、加熱領域Rhは、上流領域Ruおよび下流領域Rdと比較して炉内温度が高くなっている。そのため、加熱領域Rhでは、加熱用耐火物Aが熱膨張し、搬送される加熱用耐火物Aの間の間隔が狭くなる。上述した実施形態では、加熱領域Rhでは、上流領域Ruよりも搬送速度が速くなるように搬送ローラ12が駆動されている。つまり、加熱領域Rhでは、上流領域Ruと比較して加熱用耐火物Aの間の間隔が広くなるように搬送ローラ12が駆動されている。その結果、加熱領域Rhでも先行する加熱用耐火物Aとそれに続く加熱用耐火物Aの間の間隔が維持され、加熱用耐火物Aの蛇行のおそれが低減される。
また、下流領域Rdは、加熱領域Rhと比較して炉内温度が低いため、加熱用耐火物Aが収縮する。そのため、搬送される加熱用耐火物Aの間の間隔が広くなる。上述した実施形態では、下流領域Rdでは、加硫領域Rdよりも搬送速度が遅くなるように搬送ローラ12が駆動されている。その結果、加熱用耐火物Aの間の間隔が狭くなり、搬送空間11cで多くの加熱用耐火物Aを搬送することができるようになる。その結果、被処理物の処理効率を向上させることができる。
上述した実施形態では、搬送速度の異なる3つの領域Rh1~Rh3が設定されている。このように、加熱領域Rh内でも温度や搬送速度をより細かく制御することができる、それによって、上述した被処理物の処理効率をより向上させることができる。
上述した実施形態では、図1に示されているように、上流領域Ruおよび下流領域Rdにはヒータ15が設けられていない。かかる構成によって、加熱領域Rh内のみで被処理物Aを加熱する際の炉内温度を制御することができる。また、上流領域Ruや下流領域Rdにおいて、炉内の温度勾配を大きくすることができる。上流領域Ruは、加熱領域Rhで加熱する前に予備的に被処理物Aを加熱するための予熱室として用いることができる。下流領域Rdは、加熱領域Rhで加熱された後に被処理物Aを冷却するための冷却室として用いることができる。
また、かかる実施形態に限られず、上流領域Ruや下流領域Rdの少なくともいずれか一方には、ヒータ15が設けられていてもよい。かかる構成によって、炉内温度を領域ごとにより細かく制御することができる。また、予備加熱や冷却の必要性が低い被処理物を加熱処理する際には、上流領域Ruや下流領域Rdに、加熱領域Rhと同様にヒータ15が設けられていることによって、被処理物の処理効率を向上させることができる。
ここで開示される技術は、炉体内に温度差が生じている限り、予熱室や冷却室等が設けられていないような連続加熱炉等においても適用可能である。
上述した実施形態では、炉体11内の温度が低い上流領域Ruと下流領域Rdでは搬送速度が遅く、炉体11内の温度が高い加熱領域Rhでは搬送速度が速くなるように搬送速度が設定されている。加熱領域Rhの中でも、炉体11内の温度が最も高い第2加熱領域Rh2で搬送速度が最も早くなるように搬送速度が設定されている。このように、搬送速度は、炉体11内の温度に応じて適宜設定されるとよい。その際、加熱用耐火物Aの熱膨張率も考慮されることが好ましい。連続加熱炉10は、炉体11内の温度分布と加熱用耐火物Aの熱膨張率とによって搬送速度が定められるように構成されていてもよい。
例えば、加熱用耐火物Aの熱膨張率と炉体11内の温度から、加熱用耐火物Aの膨張後においても加熱用耐火物Aの間の隙間が同程度となるように搬送速度が設定されるとよい。連続加熱炉10では、炉体11内の温度と熱膨張率から搬送速度を制御する制御装置が駆動装置20に接続されていてもよい。炉体11内の温度としては、例えば、領域ごとに予め定められた設定温度が用いられてもよく、熱電対や放射温度計等で測定された温度が用いられてもよい。熱膨張率は、加熱用耐火物Aの材質によって決まっている。熱膨張率は、例えば、加熱用耐火物Aの材質によって予め登録されているものから選択してもよく、値が入力されてもよい。かかる構成によって、より適切に加熱用耐火物Aの搬送速度が制御されうる。
また、本発明の一側面として、加熱用耐火物Aに配置された被処理物を、搬送方向に搬送しながら連続的に加熱するための連続加熱炉を用いて加熱処理する方法が提供される。かかる加熱処理方法では、連続加熱炉として、上述した連続加熱炉10が用いられる。その際、加熱用耐火物Aとしてアルミナ、ジルコニアまたはマグネシアから構成されている加熱用耐火物が用いられてもよい。ここで、加熱用耐火物Aは、アルミナ、ジルコニア、マグネシアから実質的に構成されていればよく、例えば、加熱用耐火物Aの90%以上がアルミナ、ジルコニア、マグネシアのうちいずれかから構成されているとよい。これらの材料は、耐熱温度や熱膨張率が比較的高い。そのため、連続加熱炉10を用いることによって、加熱用耐火物Aの蛇行を起こりにくくすることができる。
なお、連続加熱炉10は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上流領域Ruおよび下流領域Rdには、加熱領域Rh同様、ヒータ15が設けられていてもよい。その場合、上流領域Ruおよび下流領域Rdにおいて、搬送空間11cは断熱材13によって囲われているとよい。
連続加熱炉10では、加熱領域Rhには、仕切13aで仕切られている第1加熱領域Rh1~第3加熱領域Rh3の3つの領域が設定されているが、かかる形態に限定されない。加熱領域Rhには、複数の領域が設定されておらず、1つの領域であってもよい。また、加熱領域Rhには、2つの領域が設定されていてもよく、4つ以上の領域が設定されていてもよい。それぞれの領域は、搬送速度が切り替えられるように構成されていればよく、必ずしも仕切13a等によって仕切られていなくてもよい。
連続加熱炉10では、それぞれの領域の長さ(搬送距離)は同程度に設定されていたが、かかる形態に限定されず、領域ごとに長さが異なっていてもよい。
また、炉体11の内部や外部において、種々の構成が追加されうる。例えば、連続加熱炉10には、炉体11内の雰囲気を制御するためのガス供給管やガス排気管等の機構が設けられてもよい。ガス供給管には、窒素やアルゴン等を給気できるようなガスボンベが取り付けられていてもよい。ガス排気管には、真空ポンプや排ガス処理装置等が取り付けられていてもよい。
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。このように、請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。また、上記実施形態で例示された複数の技術の一部を連続加熱炉に採用することも可能である。
10 連続加熱炉
11 炉体
11a 搬入口
11b 搬出口
11c 搬送空間
11d 側壁
11e 挿通孔
12 搬送ローラ
12a,12b 支持板
13 断熱材
13a 仕切
14 外壁
15 ヒータ
16 基台
16a 上側フレーム
16b 支柱フレーム
16c 下側フレーム
20 駆動装置
30 動力伝達機構
31,32,33 スプロケット
34 ローラチェーン
35 チェーンガイド
40 カバー
41 支柱
A 加熱用耐火物(被処理物)
Ru 上流領域
Rd 下流領域
Rh 加熱領域
Rh1 第1加熱領域
Rh2 第2加熱領域
Rh3 第3加熱領域

Claims (6)

  1. 搬送方向に沿って並ぶ複数の加熱用耐火物に配置された被処理物を、搬送方向に搬送しながら連続的に加熱するための連続加熱炉であって、
    搬入口と、搬出口とを有し、内部に搬送空間を備える炉体と、
    前記炉体内で前記被処理物を加熱するヒータと、
    前記加熱用耐火物を搬送方向に搬送する複数の搬送ローラと、
    前記複数の搬送ローラを駆動する駆動装置と、
    前記駆動装置に接続され、搬送速度を制御する制御装置と
    を備え、
    前記炉体内には、
    加熱領域と、
    前記搬入口と近接し、前記加熱領域よりも上流側の上流領域と、
    前記搬出口と近接し、前記加熱領域よりも下流側の下流領域と
    が設けられており、
    前記加熱領域では、前記上流領域よりも搬送速度が速くなるように前記搬送ローラが駆動され、
    前記下流領域では、前記加熱領域よりも搬送速度が遅くなるように前記搬送ローラが駆動され、
    前記制御装置は、前記加熱用耐火物の膨張の後においても前記加熱用耐火物の間の隙間が熱膨張前と同程度となるように、前記炉体内の温度分布と前記加熱用耐火物の熱膨張率とによって搬送速度を設定するように構成されている、連続加熱炉。
  2. 前記上流領域および前記下流領域には、前記ヒータが設けられていない、請求項1に記載の連続加熱炉。
  3. 前記上流領域および前記下流領域のうち少なくともいずれか一方には、前記ヒータが設けられている、請求項1に記載の連続加熱炉。
  4. 前記加熱領域には、それぞれ異なる前記駆動装置によって駆動され、相互に搬送速度の異なる少なくとも2つの領域が設定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の連続加熱炉。
  5. 前記複数の搬送ローラは、前記領域ごとに異なる前記駆動装置によって駆動されており、搬送速度は、前記駆動装置によって前記領域ごとにそれぞれ独立に設定可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の連続加熱炉。
  6. 加熱用耐火物に配置された被処理物を、搬送方向に搬送しながら連続的に加熱するための連続加熱炉を用いて加熱処理する方法であって、
    前記連続加熱炉として、請求項1~のいずれか一項に記載の連続加熱炉を用いるとともに、
    前記加熱用耐火物としてアルミナ、ジルコニアまたはマグネシアから構成されている加熱用耐火物を用いる、被処理物の加熱処理方法。
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