JP2005214453A - 雰囲気加熱炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、簡素で確実なシール機構を有する安価な雰囲気加熱炉を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の雰囲気加熱炉は、鋼材で形成された炉殻と該炉殻の内側に設けられた断熱材とで構成された加熱室を区画する炉壁を有し、該加熱室に雰囲気ガスを供給して被加熱物を加熱処理する雰囲気加熱炉において、前記炉壁に前記雰囲気ガスを前記加熱室へ供給するガス供給路を穿設するとともに、前記炉壁の左右の外側面全面に前記ガス供給路を密封状態で覆う一対の箱体を結合し、該箱体内に該箱体に接続された雰囲気ガス供給管を通じて雰囲気ガスを封入するガス封入室を形成することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の雰囲気加熱炉は、鋼材で形成された炉殻と該炉殻の内側に設けられた断熱材とで構成された加熱室を区画する炉壁を有し、該加熱室に雰囲気ガスを供給して被加熱物を加熱処理する雰囲気加熱炉において、前記炉壁に前記雰囲気ガスを前記加熱室へ供給するガス供給路を穿設するとともに、前記炉壁の左右の外側面全面に前記ガス供給路を密封状態で覆う一対の箱体を結合し、該箱体内に該箱体に接続された雰囲気ガス供給管を通じて雰囲気ガスを封入するガス封入室を形成することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、被加熱物を所定のガス雰囲気中で加熱処理する雰囲気加熱炉に関する。
炉内に雰囲気ガスを導入して被加熱物を加熱処理する雰囲気加熱炉においては、雰囲気ガスに対する加熱炉の気密性が問題となる。例えば、加熱源であるヒータやバーナ、あるいはローラハースキルンにおけるローラと炉壁との隙間などである。
従来から、図2に横断面構造を示すようなローラハースキルンが用いられている。このローラハースキルンは、所定厚みの断熱材からなる炉体21と、炉内空間内を横切る水平方向に沿って配設され、かつ、炉体21の長手方向(紙面とは垂直の方向)に沿って配列された多数本のローラ22と、炉体21外まで両端部が突出した各ローラ22を回転駆動する電動機などの回転駆動装置23とを備えて構成されたものである。そして、これらの回転駆動装置23はローラ22のそれぞれの駆動側端部に連結される一方、各ローラ22の反駆動側端部は軸受け24によって回転自在に支持されており、被加熱物Sはローラの回転動作に伴って炉内空間内を搬送されるようになっている。なお、この時、炉体21と各ローラ22との間には、炉内空間を機密封止するための不定型な断熱材25などが詰め込まれている。
また、このローラハースキルンは、炉内空間内に雰囲気ガスGを導入するためのガス導入管26と、搬送中の被加熱物Sを加熱するための電熱ヒータ27とをそれぞれ具備しており、炉体21を貫通して炉内空間内に突出したガス導入管26の内端は炉内空間内に向かって開口されている。さらにまた、電熱ヒータ27は、ローラ22の上下位置それぞれに炉内空間を横切る水平方向に沿って配設されており、炉内空間内に導入された雰囲気ガスGを介して対流伝熱もしくは直接的な輻射伝熱によって被処理物Sを加熱することができる。
前記の従来技術になるローラハースキルンにおいては、炉内空間を気密封止するために、炉体21と各ローラ22との間に不定型な断熱材25などが詰め込まれている。しかし、この様な不定型な断熱材などでは、炉内空間の機密性を十分に維持することができない場合があった。このため、一列に並んだローラの炉壁からの突出部列の周りを取り囲んだ状態で、ローラの突出部と炉壁の挿通部との隙間を一括して密封するシール装置が開示されている(特許文献1参照)。しかし、このシール装置はローラの軸受け側や駆動側に多くの精密な部品を必要とする上に機構も複雑であり必ずしも満足できるものではなかった。
特許第2804221号公報
本発明は、上記の問題点を解決して簡素で確実なシール機構を有する安価な雰囲気加熱炉を提供することを課題とする。
本発明の雰囲気加熱炉は、鋼材で形成された炉殻と該炉殻の内側に設けられた断熱材とで構成された加熱室を区画する炉壁を有し、該加熱室に雰囲気ガスを供給して被加熱物を加熱処理する雰囲気加熱炉において、前記炉壁に前記雰囲気ガスを前記加熱室へ供給するガス供給路を穿設するとともに、前記炉壁の左右の外側面全面に前記ガス供給路を密封状態で覆う一対の箱体を結合し、該箱体内に該箱体に接続された雰囲気ガス供給管を通じて雰囲気ガスを封入するガス封入室を形成することを特徴とする。
炉壁の両側面に雰囲気ガスを封入するガス封入室を有するので、ガス封入室へ供給された雰囲気ガスを炉壁に穿設されたガス供給路を介して加熱室内へ供給することができる。また、ガス封止室内の雰囲気ガスは炉壁からの放熱により予熱されてから加熱室へ供給されるのでヒータなど加熱装置の熱効率を向上させることができる。
本発明の雰囲気加熱炉は、前記加熱室内に前記被加熱物を搬送する複数の搬送ローラを並設してなるローラハースキルンであることが望ましい。
ローラハースキルンは被加熱物を炉内で搬送する多数本のローラが炉壁を貫通して設置されている。本発明の雰囲気加熱炉では、炉壁の左右の外側面全面をガス供給路とともに密封状態で覆う箱体を設け、かつ、箱体内は雰囲気ガスが封入されたガス封入室となる。雰囲気ガスは加熱室へ供給するように高圧でガス封入室へ供給されるので、ローラと炉壁との隙間から雰囲気ガスが漏洩することを確実に防止することができる。むしろ、ローラと炉壁との隙間から雰囲気ガスを加熱室内へ送給することができる。雰囲気ガスの外気との気密性は炉壁に結合された箱体の気密性によって維持されるので、炉壁と箱体との結合部にシール材などを使用することにより、容易にかつ確実に気密性を保持することができる。また、炉壁から突出したローラの駆動側や従動側は雰囲気ガスによって冷却されるので、駆動機構や軸受け機構は通常の大気中で使用する機構を適用することが可能であり、安価なものとすることができる。
本発明の雰囲気加熱炉の一実施例を図1のローラハースキルンによって説明する。図1は、雰囲気加熱用のローラハースキルンの幅方向断面模式図である。なお、図1は、中心線Lの左右で長手方向に異なる位置の断面を示している。すなわち、図面左はヒータの設置された位置における断面を示し、図面右は雰囲気ガスのガス供給路を穿設した位置における断面を示す。なお、ここで雰囲気ガスとは、窒素ガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス、もしくはこれらの混合ガスである。
図1のローラハースキルン1は、炉体2と炉体2の左右の両側面に固設された一対の箱体3とから構成され、被加熱物の処理時間に適応するように複数個の炉体2が直列に連結された状態で設置されている。
炉体2は鋼材で形成された炉殻4とこの炉殻4の内側に設けられた断熱材5とで形成され加熱室6を区画する炉壁7を有し、炉壁7の所定の位置にはガス供給路8が穿設されている。
また、炉体2の上下方向中央部付近には、左右の炉壁7をそれぞれ貫通した状態で被加熱物Mの搬送方向と直交する方向に沿って水平に回転可能に横架されて、被加熱物の搬送方向へ並行に配列された多数本のローラ9が設置されている。
各ローラ9の炉壁7から突出した一端は軸受け10によって回転自在に支承され、他端の駆動部にはスプロケットホイール11が固定されている。スプロケットホイール11にはチェーン12が係合されており、チェーン12は駆動用モータの出力軸に固定されたスプロケットホイール(図示せず)と掛装されているので各ローラ9はチェーン12によって同方向に等速回転することができる。
また、ローラ9の上下には、両側の炉壁7をそれぞれ貫通した状態で被加熱物Mの搬送方向と直交する方向に沿って水平に被処理物Mを加熱するヒータ14が所定の位置に設けられている。これらのヒータにより被加熱物を所定の温度に加熱することができる。
炉体2の左右の炉壁7にはその全面を覆うように箱体3が固設され、箱体3には雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給管15が接続されている。箱体3は鋼板あるいはステンレス板などを炉壁7に対向する側を開放するように断面コの字状に形成したもので、炉壁7にシール16を介してボルトなどによって密封状態に結合されてガス封入室17を形成している。ガス封入室17内には、炉壁7に穿設された雰囲気ガス供給路8の開口や、各ローラ9の軸受け部と駆動部、およびヒータ14などの炉壁外部へ突出した突出部などが一括して含まれている。このため箱体3には、所定の箇所に監視用または作業用の窓18が設けられている。
以上の構成からなるローラハースキルンにおいて、雰囲気ガスGは雰囲気ガス供給管15から流量調整弁19および流量計20などを介して炉体2の左右のガス封入室17へ供給される。ガス封入室17に充満した雰囲気ガスGは、炉壁7に穿設されたガス供給路8を通って加熱室6内へ供給される。雰囲気ガスGは炉壁7とローラ9やヒータ14などとの隙間からも矢印で示すように加熱室6内へ送給される。雰囲気ガスの圧力は常に加熱室6内よりもガス封入室17内の方が高く維持されるので、加熱された雰囲気ガスが炉壁の隙間からガス封入室へ漏洩することはない。
本発明の雰囲気加熱炉は、炉体の左右両側面全体を箱体によって密封し、雰囲気ガスを箱体内に形成されたガス封入室を介して加熱室内へ供給する構成となっている。このためローラやヒータなどと炉壁の貫通穴との隙間をシールする複雑なシール機構を必要としない。また、加熱室内へ雰囲気ガスを供給する供給口毎の配管は不要であり、炉壁に所望のガス供給路を穿設するだけで加熱室内への雰囲気ガスの供給量を調節することができる極めて簡素な構成である。さらに、炉壁から突出したローラの駆動側や従動側は雰囲気ガスによって冷却されるので、その駆動機構や軸受け機構は通常の大気中で使用する安価な機構を適用することができる。従って、雰囲気加熱炉の製作工数と製作費用とを大幅に低減することができる。
従来、雰囲気ガスは常温または、予熱装置などを経由して炉内へ供給されていた。常温の雰囲気ガスは炉内温度を低下させたり、炉内の温度分布を乱したりすることがあり好ましいものではなかった。一方、予熱装置による場合には、予熱装置とそのための熱エネルギが必要でありコストアップ要因であった。しかし、本発明の雰囲気加熱炉では、ガス封入室へ封入された雰囲気ガスは炉体からの放熱によって予熱されてから加熱室へ供給される。このため、専用の予熱装置を要することなく炉内温度の低下を防止することができ、ヒータなど加熱装置の熱効率を向上することができる。
なお、本発明の雰囲気加熱炉は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することができる。実施例では加熱室へ雰囲気ガスを供給するガス供給路を炉壁に水平に穿設したが、例えば、被加熱物の表面に吹き付けるように斜めに穿設することができる。また、ガス供給路にパイプなどのノズルを装着して、加熱室内へ突出したノズル先端の方向を調整することで加熱室内の雰囲気ガスを攪拌したり、あるいはある方向の流れを形成することもできる。
実施例ではローラハースキルンについて適用したものであるが、本発明は雰囲気ガスを使用するトンネルキルン、プッシャーキルンなどのような連続式加熱炉や、昇降式シャトルキルンなどのバッチ式加熱炉にも好適に用いることができる。
本発明の雰囲気ガス加熱炉は、電子部品や化学原料などを焼成したり金属材料などを熱処理するときに適用されるローラハース型の加熱炉に好適に用いることができる。
1:ローラハースキルン 2:炉体 3:箱体 6:加熱室 7:炉壁 8:ガス供給路 9:ローラ 10:軸受け 11:スプロケットホイール 12:チェーン 14:ヒータ 15:雰囲気ガス供給管 17:ガス封入室
18:窓 G:雰囲気ガス M:被加熱物
18:窓 G:雰囲気ガス M:被加熱物
Claims (2)
- 鋼材で形成された炉殻と該炉殻の内側に設けられた断熱材とで構成された加熱室を区画する炉壁を有し、該加熱室に雰囲気ガスを供給して被加熱物を加熱処理する雰囲気加熱炉において、
前記炉壁に前記雰囲気ガスを前記加熱室へ供給するガス供給路を穿設するとともに、前記炉壁の左右の外側面全面に前記ガス供給路を密封状態で覆う一対の箱体を結合し、該箱体内に該箱体に接続された雰囲気ガス供給管を通じて雰囲気ガスを封入するガス封入室を形成することを特徴とする雰囲気加熱炉。 - 前記雰囲気加熱炉は前記加熱室内に前記被加熱物を搬送する複数の搬送ローラを並設してなるローラハースキルンである請求項1に記載の雰囲気加熱炉。
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