JP2002318076A - 高温保護雰囲気熱処理炉 - Google Patents

高温保護雰囲気熱処理炉

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JP2002318076A
JP2002318076A JP2001118932A JP2001118932A JP2002318076A JP 2002318076 A JP2002318076 A JP 2002318076A JP 2001118932 A JP2001118932 A JP 2001118932A JP 2001118932 A JP2001118932 A JP 2001118932A JP 2002318076 A JP2002318076 A JP 2002318076A
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mesh belt
heat treatment
heat
cooling
heating chamber
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JP2001118932A
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Taiji Shimizu
泰治 清水
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Sankyo Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】メッシュベルト自動搬送炉とバッチ型保護ガス
雰囲気炉との特質の組合わせにより、メッシュベルトサ
ービスライフの大幅な延長、所要エネルギーコストの削
減、熱処理温度及び時間の高精度化をもたらす。 【解決手段】高温保護雰囲気熱処理炉において、熱処理
部品Wは、積載台1上でメッシュベルトに載荷され、メ
ッシュベルトは熱処理部品Wを積載した状態で加熱室2
内の炉床20の上を移動する。加熱室では、高温加熱雰
囲気下で熱処理部品Wを熱処理する。メッシュベルト搬
送装置5の制御手段Cには、積載台の熱処理部品Wを加
熱室2内の所定位置まで移送し且つ加熱室2から搬出す
る所定ストロークが設定される。駆動手段51〜54
は、制御手段Cの制御下にメッシュベルトを間欠的に駆
動し、メッシュベルトの各駆動時にストロークに相応す
る距離だけ熱処理部品Wを搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温用メッシュベ
ルト搬送式の高温保護雰囲気熱処理炉に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】永い歴史を有する形式の鑞付炉として、
メッシュベルト搬送式の高温保護雰囲気鑞付炉が知られ
ている。この形式の炉では、熱処理部品のための保護ガ
スとして、H2 、N2 などの単体ガス(H2 +N2 )又
は混合ガス(H2 +N2 +CO+CO2 )等が使用され、高
温下に生じ得る酸化脱炭、その他の悪影響を防止してい
る。熱処理部品は、これらのガスが充満した加熱部の中
で加熱される結果、母材の表面や鑞材は清浄なまま、例
えば1,100 ℃というような高温に加熱される。熱処理部
品を積載したメッシュベルトが、加熱部内を進行し、こ
れに伴って、加熱された鑞材が溶解し、接合部にゆきわ
たる。加熱部の出口付近では、メッシュベルトは熱処理
部品と共に最高温度に到達した後、出口トンネルを経て
冷却部に移動し、例えば、100 ℃以下に冷却され、抽出
台上に移動する。
【0003】図6には、このような蝋付炉の構成が図示
されている。図6に示す蝋付炉は、メッシュベルトAの
進行方向に整列配置された熱処理部品の積載台B、入口
トンネルC、加熱部D、出口トンネルE、冷却室F、抽
出トンネルG、抽出台Hなどにより構成され、各部B〜
Hは、インラインに連なっている。メッシュベルトの上
位走行帯は、同一レベルにおいて各部に配設された水平
支持構造の上を所定速度で前進する。蝋付炉は、メッシ
ュベルト搬送装置を有し、搬送装置は、無限軌道構成の
メッシュベルトを駆動するメッシュベルト駆動機構I及
び従動ローラーJを備える。駆動機構は、積載台及び入
口トンネルの下部スペースに配設され、従動ローラー
は、抽出台の後端に配置される。駆動機構は、メッシュ
ベルトに牽引力を与える主駆動ローラーKと、メッシュ
ベルトを主駆動ローラーの外周の一部に圧着するピンチ
ローラーLとを備える。フリーローラーP(以下、積載
台後端フリーローラー)が、ピンチローラーのメッシュ
ベルト送出側に配設される。積載台後端フリーローラー
及び従動ローラーの軸心間に延在する無限軌道メッシュ
ベルトの部分は、搬送側メッシュベルトを構成する。熱
処理部品搬送方向に連続的に移動する搬送側メッシュベ
ルトの上には、熱処理部品が常時積載される。
【0004】従って、主駆動ローラーは、コンベア(搬
送装置)の作動中は、全時間に亘って、搬送側メッシュ
ベルトの重量と、メッシュベルト上に積載した熱処理部
品の重量、更には、従動ローラーから主駆動ローラーに
至る戻り側ベルト部分Mの重量を牽引しなければなら
ず、この結果、メッシュベルトに作用する張力は、主駆
動ローラーとピンチローラーとの接点部分において最大
値を示す。
【0005】このような構成によれば、メッシュベルト
の最高温部分が、加熱部出口Nに近接した区域に生じ、
それに続く出口トンネル区間においてやや降温し、更
に、冷却部において大幅に降温する。従って、無限軌道
構成のメッシュベルト全長の中、積載台後端フリーロー
ラーと加熱部出口との間に位置するメッシュベルトの部
分と、その上面に積載された熱処理部品との合計重量
が、最高温のメッシュベルト部分に作用する高温下張力
の原因となる。
【0006】なお、高温用メッシュベルト搬送方式は、
数十年前、米国のメッシュベルトメーカーが発表し、世
界的に普及したものであり、図6に示す鑞付炉は、この
方式により設計され且つ市販された標準規格炉の一例で
ある。この方式は、1,000 ℃以上の高温を必要とする熱
処理において、高温搬送用無限軌道型メッシュベルトの
サービスライフを増大することを目的として開発された
ものである。開発当初のメッシュベルト炉では、図7
(A)に示す如く、駆動プーリーkの外周面とメッシュ
ベルトaとの間の摩擦力を利用するメッシュベルト駆動
方式が採用されており、この駆動方式においては、炉軸
に直角な水平回転軸を有する駆動プーリー及び従動プー
リーjが、水平な炉床面を有するトンネル炉の入口及び
出口部に夫々配設され、従動プーリーの軸受sが、炉軸
に沿って水平移動可能なカウンターウエイト・ベルトテ
ンション機構qにより、両プーリー間に跨がる無限軌道
型メッシュベルトの部分に張力を加えていた。このた
め、メッシュベルトには、炉が稼働中は勿論、待機中又
は休止中においても、張力が作用し続け、これは、クリ
ープによるメッシュベルトのサービスライフ短縮をもた
らす主原因となっていた。
【0007】これに対し、図7(B)及び図6に示す如
く主駆動ローラーK及びピンチローラーLを備えた方式
のメッシュベルト搬送装置は、図7(A)に示すカウン
ターウエイト型駆動方式の欠点を改良する方式として開
発されたものである。この方式のメッシュベルト搬送装
置は、カウンターウエイトを備えていないことから、炉
の稼働中には、ベルトの自重や熱処理部品の重量に比例
した張力がメッシュベルトに作用するものの、メッシュ
ベルトの張力は、その分だけ値が減少し、しかも、搬送
休止時には、張力値が実質的に零と見做し得る構造を備
える。
【0008】図6に示す鑞付炉に関し、その最大規模に
相当する24″炉を想定して、ベルト張力とメッシュベル
ト耐用年数との関係を以下に説明する。一般に、この規
模の蝋付炉では、メッシュベルト幅 (α) が、α=24″
(610mm) 、冷却部の長さ(β)が、β=7,315mm 、加熱
部の長さ(γ)が、γ=2,438mm であり、冷却部の長さ
(β)は、加熱部の長さ(γ)の3倍である(β=3×
γ)。従って、メッシュベルトの進行速度が、加熱部内
を20分で通過する時間に設定された場合、冷却部におけ
る冷却時間は、60分に設定される。また、メッシュベル
トの全長は、約30mとなり、加熱部の長さηの約12倍
程度(12×η)である。このため、加熱部を通過した
無限軌道メッシュベルトの部分が、再び加熱部を通過す
るのは、4時間後となるので、メッシュベルトの各部
は、24時間の時間内に6回(各20分、合計2時間)、高
温に加熱されながら張力を受ける条件、即ち、高温下張
力の条件におかれる。炉の稼働日数を 300日/年とした
場合、高温下張力の条件は、1800回/年、 600時間/年
であり、これは、7200時間/年の炉稼動時間に対して、
メッシュベルトの各部が高温の加熱部を通過する時間の
合計が 600時間/年にすぎず、メッシュベルトの耐用年
数が長期化することを意味する。しかしながら、この構
成は、加熱及び加熱保持の時間が比較的短時間である場
合に、長い冷却部を加熱部に組合せたことにより有効で
あるにすぎず、あたかもメッシュベルトの耐用年数が長
期化したかの如く錯覚し易いが、耐用年数の長期化は、
本質的には、長い全長のメッシュベルトを使用したこと
に起因するものにすぎない。他方、加熱保持時間が長い
場合、例えば、加熱時間20分、保持時間60分として同一
量の熱処理部品を熱処理するには、加熱部及び保持部の
寸法は、加熱部の長さγ=2,438mm 、保持部の長さδ=
7,314mm 、加熱・保持部の合計長さθ=γ+δ=9,752m
m に設定される。この場合、メッシュベルトの全長は、
一般に約49mとなり、合計長さθの5倍(5×θ)であ
る。従って、メッシュベルトの各部が、加熱・保持部を
通過した後、加熱・保持部を再循環するのは、6.67時間
後であり、24時間の時間内に3.6 回(各80分、合計4.8
時間)の高温加熱を受ける。炉の稼働日数を 300日/年
とすれば、1080回/年の処理回数、1436時間/年の加熱
・保持部通過時間となるので、上記加熱時間20分のみの
場合と比較すると、処理回数が40%低減する上、メッシ
ュベルトが高温雰囲気に曝される時間は 139%増大す
る。このため、この型式の炉では、保持時間の長い熱処
理は、メッシュベルトのサービスライフを短縮する要因
となり、同時に、雰囲気ガスの消費量が最大85m3 /hr
と多量であるので、年間処理回数の減少は、処理量に対
する相対的な雰囲気ガスコストが大幅に上昇する結果を
招く。
【0009】メッシュベルトのサービスライフを決定す
る重要な条件となるベルト張力は、従動プーリーのカウ
ンターウエイトを廃止した構成、即ち、図7(B)に示
す如く、メッシュベルトの自重のみが張力の原因となる
短い弛み部をフリーローラーにより形成し、事実上ベル
ト張力が消失せしめた構成においては、メッシュベルト
停止時は勿論、稼働時においても、加熱室出口部(この
部分で高温クリープ強度が最低となる)と、上記フリー
ローラーとの間にある搬送側メッシュベルト部分の自重
及びベルト上の熱処理部品の重量との和が、加熱室出口
部にあるメッシュベルト部分に作用するベルト張力の原
因となる。しかし、このメッシュベルト部分の全重量の
みが、ベルト張力の原因となるわけではなく、搬送側メ
ッシュベルトは、その支持構造(加熱部では炉床)の上
面を等速移動するので、支持構造の上面とメッシュベル
トの下面との間には(動)摩擦が生じ、ベルト進行方向
に対して逆方向の(動)摩擦力が発生する。このため、
主駆動ローラーはメッシュベルトに作用する(動)摩擦
力の総和をも牽引する。
【0010】これまで、前述のメッシュベルトメーカー
は、メッシュベルト通路の温度に相応する下記の摩擦係
数を設定し、牽引力を計算してきた。
【0011】メッシュベルト各部の温度に従って、メッ
シュベルトの通過重量に上表の数値を乗じ、その総和を
牽引力とするものであるが、上表は同メーカーが、自社
製高温用メッシュベルトを装備した客先の生産炉におけ
る多数の実績を集約したものとされている。他方、或る
炉メーカーでは、本方式のメッシュベルト搬送雰囲気熱
処理炉において1,000 ℃〜1,150 ℃の加熱部室温に対
し、摩擦係数を 1.0としている。雰囲気温度の上昇に伴
って摩擦係数が上昇する事実は、高温用メッシュベルト
を構成する耐熱鋼素線の表面硬度が、温度上昇に伴って
低下することを示しており、無酸化雰囲気炉内でも高温
域で生じる磨耗は避けられない。また、出口トンネル
(長さ約600mm 程度) では、メッシュベルト温度の急下
降は望めず、高温のメッシュベルト部分は、冷却部に進
入して本格的に冷却するが、熱処理部品が多量の熱を保
有するので、メッシュベルトの冷却速度は緩慢であり、
これは、クリープ強度や上記高温部摩擦による磨耗など
による悪影響を繰返しメッシュベルトにもたらす。上記
24″炉メッシュベルトの加熱部通過時間が、7200時間の
年間稼動時間のうち 600時間に過ぎないにもかかわら
ず、加熱部温度1150℃では9ケ月から12ケ月のサービ
スライフとされているのは、このような事情があること
による。なお、一般には、熱処理部品の積み過ぎが最も
説得力の有るサービスライフ短縮の直接的原因とされて
いるが、熱処理部品の積み過ぎは、冷却部における冷却
速度を遅くすることも事実である。更に、メッシュベル
ト単位面積当りの積載重量を増加すると、加熱部の加熱
能力が不充分となって、搬送速度をより低速にする必要
が生ずる。
【0012】その結果ベルトが短時間の停止の後、突然
僅かに急進する「痙攣」現象が発生するようになり、メ
ッシュベルトに起動時の静摩擦係数による過大な張力が
短時間のサイクルで繰返し加えられることになる。また
900〜500 ℃を徐冷するとメッシュベルトを構成する素
線内に、炭化物が析出するとされており長い徐冷は、徐
々にその耐力を弱めると言われている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のメッシュベルト
連続搬送式の高温保護雰囲気炉においては、炉停止時に
メッシュベルトに作用する張力が消滅し、空運転時の張
力は、メッシュベルトの自重を原因とする範囲内におさ
まる。
【0014】他方、炉作動時のメッシュベルトに作用す
る張力については、積載台下部に主駆動ローラーを設け
た駆動方式により、積載台後端フリーローラの軸芯と加
熱部出口との間に延在するメッシュベルト部分の自重
と、その部分に積載された熱処理部品の重量との和のみ
が、最も高温に加熱され、従って、最低の強度となった
メッシュベルト部分に作用する。耐熱鋼の強度は、一般
に、クリープ強度により示されるが、高温用メッシュベ
ルトの素材として最も利用されてきた25Cr-20Ni系耐熱
鋼においては、例えば、1%/104 hrクリープ強度は、 760℃ 7.17kg/mm2 871℃ 4.22kg/mm2 (950℃) (2.47kg/mm2 ) 推定計算値 982℃ 1.76kg/mm2 1093℃ 0.46kg/mm2 1177℃ 0.1 kg/mm2 とされている。高温用メッシュベルトに要求される加熱
温度の最高値は1120〜1150℃とされてきたが、1093℃の
値は、 950℃の値の約19%、1177℃の値は、 950℃の値
の 4%である。
【0015】近年、この品種の耐熱鋼部品は、自重が引
張り応力の原因となるような場合、950℃付近における
サービスライフを7000時間としているが、サービスライ
フがクリープ強度に比例するものとすると、1093℃では
1304時間、1177℃では 283時間となる。仮に1177℃と10
93℃の温度差84℃に対しサービスライフの時間差1021時
間が線形に逆比例するとした場合、1120℃のサービスラ
イフは 976時間となり、1150℃では 611時間となる。11
00℃以上の高温は、25Cr-20Ni 系耐熱鋼線材で構成され
た高温用メッシュベルトにとって限界の温度に近いが、
炉温としては比較的低温である 300〜 700℃の温度範囲
においても、耐熱鋼のクリープ強度は、温度上昇に伴っ
て低下する傾向を示す。前述の冷却部は、温度の低い加
熱部とも考えられるので、長時間に亘る冷却部の徐冷工
程や、冷却部内の搬送に伴ってメッシュベルトに生じる
摩擦力は、高温用メッシュベルトのサービスライフに対
して、明らかに悪影響を与える。冷却部は温度が低いも
のの、冷却部の入口・出口間の領域では、メッシュベル
ト素線に生ずる応力の要因である熱処理部品の積載荷重
は、加熱部積載荷重の1倍強から4倍強にまで増加する
ので、その作用時間は、加熱時間の3倍となるからであ
る。
【0016】この場合メッシュベルト素線に生ずる応力
を減らすため、ベルト幅を拡大して進行方向長さを短縮
することが考えられるが、この方法による効果を確実に
するには、ベルト幅をかなり大きくしなければならず、
そのためにベルトの進行速度を下げることになるので、
前述の「痙攣」現象や、開口面積の増加に比例した雰囲
気ガス消費量の大幅増加などの制約が生じる。
【0017】メッシュベルト搬送を応用した連続保護雰
囲気熱処理炉は、 600℃〜 930℃の温度範囲において、
約3年のメッシュベルト・サービスライフで多用されて
おり、特に 870℃以下の熱処理ではサービスライフ上の
問題が少いことから、工程の自動化に活用されている
が、1000℃を越える熱処理温度に対してはメッシュベル
トのサービスライフが問題となってコンベアの自動搬送
による省力化、自動化への対応が妨げられている。
【0018】本発明は、高温用メッシュベルトのサービ
スライフが短いとされる1000℃以上の高温加熱に使われ
るメッシユベルト連続搬送高温保護雰囲気熱処理炉にお
ける上記の問題点に対して、従来のメッシュベルト連続
搬送式の熱処理炉における常識、即ち、熱処理部品の熱
処理作業中に炉内搬送コンベアが連続して炉内搬送を行
うという通常の設計思想を脱し、メッシュベルト自動搬
送炉とバッチ型保護ガス雰囲気炉との特質を組合わせた
炉構成とその操炉方法とにより、特に、従来炉がサービ
スライフの維持を困難とする高温保持時間の長い熱処理
作業に向け、サービスライフの大幅な延長、保護雰囲気
ガス消費量や加熱エネルギーコストなどの削減、熱処理
温度時間関係の高精度化をもたらすことを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく、熱処理部品を搬送可能な無限軌道型の高温用
メッシュベルトを備えるメッシュベルト搬送装置を有
し、高温保護雰囲気の加熱室を通して前記熱処理部品を
移送するように構成された高温保護雰囲気熱処理炉であ
って、熱処理部品は、積載台上で前記メッシュベルトに
載荷され、該メッシュベルトは、熱処理部品を積載した
状態で前記加熱室内の炉床の上を移動し、前記加熱室
は、高温加熱雰囲気下に前記熱処理部品を熱処理する熱
処理炉において、
【0020】前記メッシュベルト搬送装置は、前記メッ
シュベルトを駆動するメッシュベルト駆動手段と、該駆
動手段を断続的に作動する駆動制御手段とを備え、該制
御手段には、前記積載台の熱処理部品を前記加熱室内の
所定位置まで移送し且つ加熱室内の熱処理部品を加熱室
から搬出する所定ストロークが設定され、
【0021】前記駆動手段は、前記制御手段の制御下に
前記メッシュベルトを間欠的に駆動し、該メッシュベル
トの各駆動時に前記ストロークに相応する距離だけ前記
熱処理部品を搬送するようにしたことを特徴とする高温
保護雰囲気熱処理炉を提供する。
【0022】本発明の上記構成によれば、メッシュベル
ト上の熱処理部品は、自動搬送動作開始の信号により断
続的にストローク搬送され、所定ストロークを移動した
後に停止する。各ストロークの搬送時間、即ち、高温用
メッシュベルトに張力が作用する時間は、各ストローク
毎に数分間以下であり、高温用メッシュベルトにとって
最も不利な条件となる加熱部出口部分に大きな張力が作
用する時間は、各ストローク毎に数分間以下となる。従
って、従来構成の熱処理炉とは逆に、昇温保持時間の長
い熱処理程、メッシュベルトに張力が作用する時間は、
熱処理作業時間に対して相対的に低減する。
【0023】好ましくは、熱処理炉は、加熱室の搬送方
向前方に連接した保護雰囲気の冷却室を備え、加熱室
は、熱処理部品の入口扉と、冷却室との間に介装された
中間扉とを備え、冷却室は、冷却後の熱処理部品を搬出
する出口扉を備える。上記ストロークは、積載台の熱処
理部品を加熱室内の所定位置まで移送するのみならず、
加熱室内の熱処理部品を加熱室から冷却室の所定位置に
移送し且つ冷却室内の熱処理部品を冷却室から搬出し得
る距離に設定される。
【0024】熱処理部品は、所定のプログラムに基いて
加熱(昇温・保持)されるが、加熱室内の加熱工程の間
に後続の熱処理部品の載荷が完了しており、加熱工程を
完了した熱処理部品は、引き続くストローク搬送動作に
より冷却室内の所定位置へ移送され、これと同時に、後
続の熱処理部品が加熱室内の所定位置へ装入される。従
って、先行の熱処理部品の冷却と後続の熱処理部品の加
熱とが実質的に同時に開始される。次段階のストローク
搬送動作では、冷却工程を完了した先行の熱処理部品は
冷却室から搬送され、後続の熱処理部品は、加熱室から
冷却室に搬送され、新たな熱処理部品が、積載台から加
熱室に搬送される。このように、各熱処理部品は、第1
ストロークで積載台から加熱室に移動し、第2ストロー
クで加熱室から冷却室に移動し、第3ストロークで冷却
室から搬出されるが、各ストロークのタクトの基準は、
好ましくは、加熱室内の加熱時間(昇温・保持時間)で
あり、冷却時間は加熱時間による制約を必然的に受け
る。このため、再循環ファン及び熱交換器を組合せた急
速冷却手段を冷却室に設け、熱処理部品を短時間に強制
冷却することが望ましい。
【0025】好適には、上記メッシュベルト搬送装置
は、積載台に配設した主駆動ローラー、ピンチローラー
及び始端フリーローラーと、加熱室の搬送方向前方に配
置された終端ローラーとを備える。主駆動ローラー及び
ピンチローラーは、協働してメッシュベルトを牽引し、
始端及び終端フリーローラーは、メッシュベルトの搬送
面を所定レベルに規制する。メッシュベルトは、ピンチ
ローラー及び始端フリーローラーの間に弛み部を形成す
る。
【0026】更に好適には、加熱室における熱処理部品
の加熱工程は、昇温過程、高温保持過程及び降温過程を
含み、加熱工程の間、駆動手段はメッシュベルトを静止
する。冷却室の熱処理部品冷却手段を制御する冷却制御
手段を備え、冷却制御手段は、加熱室における熱処理部
品の加熱工程に要する時間を基準として、冷却室の冷却
時間を設定し、冷却時間内に熱処理部品を冷却するよう
に冷却手段の冷却能力を制御する。冷却制御手段は、熱
処理部品及びメッシュベルトのヒートショックを防止す
るように、冷却手段の冷却能力を所定のシーケンスによ
り制御する。
【0027】好ましくは、熱処理炉は、各室の保護雰囲
気を安定化すべく、入口扉に隣接して配置された吸引手
段と、出口扉に隣接して配置されたガスカーテン形成手
段とを備える。吸引手段は、加熱室への外気流入を防止
すべく加熱室の雰囲気廃ガスを吸引し、ガスカーテン形
成手段は、冷却室への外気流入を防止すべく、不活性ガ
スのカーテンを出口扉の近傍に形成する。更に好ましく
は、入口扉、中間扉及び出口扉の下面とメッシュベルト
の上面との間の間隙を流通する気流を阻止する可撓性バ
ッフルが、各扉の下部に設けられる。
【0028】更に好ましくは、メッシュベルト搬送装置
は、メッシュベルトの走行速度を可変制御する速度制御
手段を備える。速度制御手段は、メッシュベルトの駆動
開始時の起動ショックを防止するとともに、停止位置の
精度を向上するために、単一ストローク内における前記
メッシュベルトの走行速度を駆動開始時及び駆動停止時
に過渡的に低下させる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る定ストローク
断続作動型のメッシュベルト搬送式高温保護雰囲気熱処
理炉の好適な実施形態について、説明する。図1は、本
発明の第1実施形態に係るメッシュベルト搬送式の高温
保護雰囲気熱処理炉の構成を概略的に示す縦断面図であ
る。図1を参照して、熱処理炉の構造及び操炉方法を説
明する。
【0030】熱処理炉は、熱処理部品Wの移送方向に整
列配置した積載台1、加熱室2、冷却室3、抽出台4及
び高温用メッシュベルト搬送装置5から構成される。積
載台1には、メッシュベルト駆動機構51〜54が配設
される。抽出台4には、終端ローラー55が配設され、
戻り側ベルトガイド57が、加熱室2の下部に配置され
る。加熱室2内を通過する高温用メッシュベルト6の無
限軌道が、メッシュベルト駆動機構51〜54、終端ロ
ーラー55及び戻り側ベルトガイド57により形成され
る。
【0031】加熱室2は、入口扉24、入口トンネル2
1、出口トンネル23及び中間扉25を有し、冷却室3
は、出口扉35を備える。加熱室2及び冷却室3は、連
続してインラインに配置されており、加熱室2の炉床面
20と、冷却室3の床面30とが、水平且つ同一レベル
に配置され、メッシュベルト支持構造を構成する。加熱
室2及び冷却室3の外殻26、36が、SS鋼板の全周
気密溶接構造体により形成され、外殻26、36は、中
間扉25の外殻部において、合フランジによって相互に
ボルト結合されている。炉殻を構成する加熱室2の外殻
26には、耐火断熱煉瓦及び断熱ボードなどを組合わせ
た雰囲気炉仕様の内張27が内面に施工されており、高
温用メッシュベルト6の搬送側ベルト部分(上位走行
帯)61は、加熱室2の室内領域において、炉床面20
上を水平に進行し且つ停止する。炉床面20は、例え
ば、SiC のようなセラミックス耐火物の成形焼成品によ
り形成される。
【0032】加熱室2は、装入端(メッシュベルト進行
方向後端)に入口トンネル21を備えるとともに、搬出
端(メッシュベルト進行方向前端)に出口トンネル23
を備える。加熱部22が、入口トンネル21及び出口ト
ンネル23の間に配置され、加熱部27及びトンネル2
1、23は、一体的な熱処理炉を構成する。加熱部22
の天井には、ヒーター28が配設され、加熱部22内に
導入された搬送側ベルト部分61上の熱処理部品Wを加
熱する。所望により、放熱管型(RT:ラジアントチューブ
型)のヒーター29が、炉床耐火物20の下方に取付け
られる。ヒーター28、29は、電気又はガスを熱源と
する。
【0033】入口扉24は、入口トンネル21の入口側
に設けられ、閉位置と開位置との間で摺動し、開閉作動
する。入口扉24の下端部は、図1に示す閉位置におい
て、入口トンネル21の床面上を移動し且つ停止する搬
送側ベルト部分61の上面に近接し、開位置において、
上方に移動する。角形の吸引ダクト81が、入口扉24
の下面と平行に取付けられ、複数列の吸引小孔群が、吸
引ダクト81の水平上面に形成される。
【0034】吸引ダクト81は、搬送側ベルト部分61
の進行方向と直交する向きに配向され、搬送側ベルト部
分61の下面は、吸引ダクト81の上面に接した状態で
吸引ダクト81の上面を横切って入口トンネル21内に
進入し且つ停止する。入口扉24が下降し、その下端面
が搬送側ベルト部分61から数mmの間隔を隔てて静止し
たとき、吸引ダクト81は、メッシュベルト進行方向に
対して逆流する加熱部22の炉内雰囲気廃ガスを入口ト
ンネル21から良好に吸収するので、入口トンネル21
内への外部空気の進入は、阻止される。フレームカーテ
ンバーナー83が、吸引ダクト81と並行に入口扉24
廻りに更に配設される。フレームカーテンバーナー83
は、入口扉24が開放して搬送側ベルト部分61が熱処
理部品Wを加熱部22内に搬送する間、熱処理部品W及
び搬送側ベルト部分61に随伴する空気をパージする。
【0035】加熱部22の室内領域と連続する出口トン
ネル23には、入口扉24と同様に閉位置と開位置との
間を摺動する中間扉25が出口部に設けられる。中間扉
25の下面と搬送側ベルト部分61上面との関係は、入
口扉24と同様であるが、冷却室3内には保護雰囲気ガ
ス(例えばN2 )が充填され、冷却室3の冷却方式は、
保護雰囲気ガス内の冷却作用を利用した方式のものであ
る。従って、加熱室2から冷却室3への保護雰囲気廃ガ
スの流入は、冷却室3に対する雰囲気ガスの供給となる
ので、中間扉25廻りには、格別のパージ手段は設けら
れていない。
【0036】SS鋼板製の全周気密溶接構造を備えた冷
却室3の外殻36には、厚板SS鋼板製の面板が、出口
部に取付けられ、面板は、出口扉35を含むSS鋼板製
の昇降扉機構を支持している。冷却用再循環ファン37
が、冷却室3の室内上部に配置され、ファン37の駆動
部気密フランジ取付台座38が、外殻36の天井部に配
設される。搬送側ベルト部分61は、ベルト支持構造を
構成する床面30の上を移動し且つ停止し、出口扉35
は、下端面が搬送側ベルト部分61の上面に近接する閉
位置(図1)と、下端面が上方に移動した開位置との間
を摺動するように構成される。
【0037】吸引角ダクト84が、入口扉24と同様に
出口扉35のメッシュベルト移動方向前方(抽出台側)
に近接して配置され、入口扉24と実質的に同じ作用を
奏するように水平に取付けられる。吸引角ダクト84
は、抽出台4に向かって移動する搬送側ベルト部分61
の下面に接する。噴流角ダクト85が、吸引角ダクト8
1の上方に配置される。噴流角ダクト85は、出口扉3
5の開口高さよりも若干高い位置に位置決めされ、吸引
角ダクト84と平行且つ対称な構造を有する。複数列の
噴流小孔群が、噴流角ダクト85の下面に形成され、各
噴流孔から噴出する気流が、吸引角ダクト84に吸引さ
れる。これにより、冷却室3への外気流入を防止するガ
スカーテンが、出口扉35の近傍に形成される。
【0038】高温用メッシュベルト搬送装置5は、積載
台1のメッシュベルト駆動機構51〜54、抽出台4の
終端ローラー55および加熱室2下部の戻り側ベルトガ
イド57を有する。メッシュベルト駆動機構を構成する
ローラーコンベア54は、積載台1の上部に水平な搬送
面を形成する。ローラーコンベア54は、小径の電動ロ
ーラー又はフリーローラーを整列配置した構造のもので
あり、ローラーコンベア54の搬送面は、加熱室2の炉
床面20、冷却室3の床面30、更には、電動ローラー
コンベアの搬送面(図示せず)等とインライン且つ同一
レベルに配置される。メッシュベルト駆動機構を構成す
る主駆動ローラー51、ピンチローラー52及び駆動部
59等が、ローラーコンベア54の下部に組込まれる。
中径の始端フリーローラー53が、ローラーコンベア5
4の搬送方向後方に配設される。フリーローラー53
は、ローラーコンベア54と平行且つ同一搬送レベルに
位置決めされる。
【0039】冷却室3の搬送方向前方に隣接配置された
抽出台4には、フリーローラー53と対をなす大径の終
端ローラー55と、中径のフリーローラー56とが配置
され、ローラー55、56は、抽出台4の機枠40に支
承される。終端ローラー55は、炉床面20及び床面3
0の搬送面とインライン且つ同一レベルに位置決めさ
れ、搬送側ベルト部分61を斜め下方に転向する。フリ
ーローラー56は、戻り側ベルト部分62を水平に転向
する。
【0040】無限軌道構成のメッシュベルト6は、主駆
動ローラー51とピンチローラー52との接点付近にお
いて主駆動ローラー51の外周面に圧接し、ローラー5
1の外周に巻き付く。従って、終端ローラー55、転向
フリーローラー56、戻り側ベルトガイド57及び転向
フリーローラー58を通過した戻り側ベルト部分62
は、駆動機構59のトルクによって牽引される。始端フ
リーローラー53から終端ローラー55に至る水平な搬
送側ベルト部分61は、戻り側ベルト部分62に牽引さ
れ、積載台1のローラーコンベア54上に積載された熱
処理部品Wを搬送する。
【0041】ここに、熱処理炉は、熱処理炉の各工程を
制御する制御装置C(仮想線で示す)を備える。高温用
メッシュベルト搬送装置5は、制御装置Cの指令に従っ
て作動し、メッシュベルト6は、作動及び停止を所定の
時間間隔で反復し、搬送側ベルト部分61は、間欠的に
前進し且つ静止する。制御装置Cが、所定のシーケンス
に従って、熱処理サイクルの加熱(昇温・保持)工程完
了の信号を搬送装置5に送信したとき、搬送装置5は、
主駆動ローラー5Aを起動し、搬送側ベルト部分61上
に積載した熱処理部品Wの移送を開始する。主駆動ロー
ラー5Aは、ピンチローラー52と協働して高温用メッ
シュベルト6を牽引し、搬送側ベルト部分61を所定の
ストロークだけ前進させ、この結果、熱処理部品Wは、
加熱部22のSiC 炉床面20上の所定位置に移動し、停
止する。熱処理部品Wが加熱部22に導入される際、入
口扉24は、所定のシーケンスに従って開閉作動する。
【0042】制御装置Cは、入口扉24が閉鎖した後、
所定のシーケンスに従って加熱源28、29を作動し、
加熱部22は、加熱工程を開始する。制御装置Cは、熱
処理部品Wのプログラム昇温・保持・(降温)を制御
し、熱処理部品Wの加熱工程完了後に、所定のシーケン
スにより中間扉25を作動し、中間扉25は、開位置に
移動する。同時に、制御装置Cは、主駆動ローラー51
を再起動し、加熱後の熱処理部品Wを載せた搬送側ベル
ト部分61を前進させる。この結果、熱処理部品Wは、
冷却室3内に移動し、床面30上の所定位置において停
止する。制御装置Cは更に、中間扉25を閉位置まで下
降させるとともに、冷却室3天井の再循環ファン37を
作動する。同時に、外殻3の水冷ジャケット39に対す
る給水が開始され、かくして、熱処理部品Wの冷却工程
が実行される。冷却工程の消費時間は、後続の熱処理部
品Wの加熱工程消費時間以内に設定すべき必要があるの
で、冷却室3の冷却能力は、予想される最短加熱工程サ
イクルに対応するように設計される。後続の熱処理部品
Wの加熱工程が完了した後、制御装置Cは、前述の如
く、所定のシーケンスに従って、主駆動ローラー51の
駆動及び停止、入口扉24の開閉作動、中間扉25の開
閉作動、冷却室3の冷却手段の作用を制御し、加熱部2
2の熱処理部品Wは、冷却室3に移動する。同時に、制
御装置Cは、吸引角ダクト84、噴流角ダクト85及び
出口扉35の作動を制御し、ダクト84、85は、ガス
カーテンを形成し、出口扉35は、開放する。この結
果、冷却室3内で冷却工程を完了した熱処理部品Wは、
抽出台4上に移送される。
【0043】なお、従来の熱処理炉では、積載台1上を
移動する搬送側ベルト部分61の進行速度に同調して熱
処理部品Wを積込む必要があったのに対し、本実施形態
の熱処理炉では、新たな熱処理部品Wの積込み作業は、
所定の(幅)×(高さ)×(長さ)の寸法に制限された
熱処理部品Wを高温用メッシュベルト6の静止時に搬送
側ベルト部分61上の所定位置に載荷することにより行
われる。搬送側ベルト部分61が所定時間静止するの
で、熱処理部品Wの積込み作業は、予め設定された昇温
・保持時間の時間内に余裕をもって行うことができる。
【0044】このような熱処理炉によれば、熱処理部品
Wの移動は、トレイプッシャー型オールケース炉に類似
し、極めて短時間の搬送と長時間の静止とを組合わた方
式により実行される。即ち、熱処理部品Wの加熱(昇温
・保持)工程や、雰囲気ガス内強制対流冷却工程など長
時間を要する熱処理工程において、高温用メッシュベル
トに張力が作用することはない。ただ、搬送時には、従
来のメッシュベルト式熱処理炉と同様な張力がメッシュ
ベルトに作用し、最も高温となる加熱部において、最大
の張力が加わる出口部炉床上の高温用メッシュベルト部
分は、その耐力が、課題となることも同様であるが、張
力の作用する時間は極めて短く、クリープの伸びが少な
い。また、加熱部内の構成がバッチ型の炉に近くなるた
め、プログラム温度制御が容易となり、熱処理条件の許
容範囲内において、例えば50℃降温した後、熱処理部品
Wの搬送を行うこともできる。これらは、何れも高温熱
処理炉における高温用メッシュベルトのサービスライフ
を確保する上で極めて有効な手段となる。即ち、従来炉
の実績であるサービスライフ 600時間/年は、張力が連
続して作用する条件下の時間(耐久時間)であり、従来
炉のメッシュベルト搬送装置では、メッシュベルト全長
の95%以上に亘って張力及び摩擦力が常時作用している
のに対し、本実施形態の熱処理炉におけるメッシュベル
ト搬送装置は、従来のメッシュベルト搬送装置と同等の
基本構成を備えるにもかかわらず、張力及び摩擦力は、
熱処理部品Wの搬送時に限りメッシュベルトに作用する
にすぎない。例えば、加熱室内のワーク在留時間を60分
間とし、これに3分間の搬送時間を加算したヒートサイ
クルを考えると、冷却時間は60分に限定される。この場
合、メッシュベルト・サービスライフにとつて特に有害
なのは加熱室から冷却室への高温搬送時に限定される。
【0045】次に、高温下で常時張力が作用するとした
時の、従来炉メッシュベルト・サービスライフ 600時間
/年により、搬送時間中に従来炉と同条件の張力が作用
するとした本実施形態の熱処理炉において、メッシュベ
ルト・サービスライフを試算する。本実施形態の熱処理
炉では、加熱・搬送のヒートサイクルを上記の通りと
し、年間7200時間稼働で、年間チャージ数6857、年間総
搬送時間、即ち高温下ベルト張力発生時間の合計は 343
時間である。従来炉のサービスライフ 600時間/年で単
純計算すると、1.75年の寿命となる。
【0046】しかし従来炉のメッシュベルトは加熱部長
の12倍の長さを有し600 時間/年×12=7200時間/年と
しているため、あるメッシュベルトの部分が加熱部内を
20分で進行している時、24時間につき6回合計2時間が
最高温に加熱されて張力を受けるのに対し、上記発明炉
の方は、高温の熱処理部品Wを乗せた高温の同じメッシ
ュベルトの部分が復路零秒で復動と降温とを繰返してい
るというものであり、24時間でその部分が22.9回、合計
約22.8時間高温に加熱された後、夫々3分間の張力を受
ける計算である。本実施形態の熱処理炉においても、メ
ッシュベルトの全長が加熱部長の約9倍となるので、高
温下ベルト張力発生時間の分担が1/9 となり、サービス
ライフは従来炉の1年に対して、計算上約16年となる.
【0047】他方、従来炉では、メッシュベルトが加熱
部を20分で通過中に加熱されて、出口に近い位置で例え
ば1150℃の温度に昇温して、その部分の長さは加熱部長
2438mmの1/10程度であるかもしれないが、無限軌道メッ
シュベルトは連続して進むので、搬送が続く限り、その
全時間に亘りクリープ耐力が最低となっている1150℃の
部分が連続することは確実である。従来炉の加熱部炉床
(メッシュベルト)寸法が、W0.61m×L2.438m =1.49m2
であり、加熱部内における1150℃加熱時間が20分となっ
ているので、本実施形態の熱処理炉との比較のため、加
熱時間20分、1150℃保持時間40分で合計1時間の加熱サ
イクルを仮定すると、加熱部の後方に、長さ2.438m×2
=4.876mの保持部を設けることになる。この場合メッシ
ュベルトの温度は、加熱部内では、出口付近で1150℃に
2〜3分保たれる程度と思われるが、保持部内ではその
全長に亘り、1150℃に保たれるため、保持部の出口で
は、加熱部出口のメッシュベルトが受ける張力の2倍以
上の張力が作用することになる。また作用時間も2〜3
分が42〜43分となった上、この最高温度1150℃での搬送
が連続する。
【0048】他方、本実施形態の熱処理炉の場合は、加
熱部の炉床寸法を従来炉と同寸法とし、同量の熱処理部
品Wを積み、1時間静止したまゝで、昇温20分保持40分
の温度−時間プログラム制御による加熱を行うことがで
きる。
【0049】炉床面積の比較では、本実施形態の熱処理
炉が1.49m2であるのに対し、従来炉では、3×1.49m2
4.47m2となり、高温のメッシュベルトに張力が連続して
作用する搬送時間は、本実施形態の炉が3分の時間であ
るのに対し、従来炉では60分となる。従来炉は、短い保
持時間の追加でも非常に不利となる。
【0050】次に、従来炉を従来通りに使用した場合と
の比較のため、従来炉の説明を追加する。その加熱部は
1.49m2の炉床(メッシュベルト)面積を有し、入口から
出口まで20分間で、メッシュベルトの部分が移動する
時、その上面に積まれた定量の熱処理部品Wをメッシュ
ベルト共々1150℃まで加熱する能力を有する。
【0051】従って、60分ではその3倍(4.47m2→7.31
m長)のメッシュベルトが部内を通過する。加熱部の後
方には、有効長7.31mの冷却室が連結されており加熱さ
れた熱処理部品Wを60分間で冷却する。従って、この炉
が連続して稼働する場合の7200時間については、60分間
の処理量を仮に1チャージとすれば、7200チャージとな
る。
【0052】上述した米国のメッシュベルトメーカー
が、多数のメッシュベルト高温鑞付炉に関して行った実
験運転の結果では、メッシュベルトの加熱部通過時間が
短い(即ち、搬送速度が早い)程、メッシュベルトのサ
ービスライフが長くなるとされている。従来炉は、この
結果に基いて構成されたものであり、より早い搬送速度
には、より早い加熱が要求される。このため加熱部に
は、細長い炉室と大電力の高温ヒーターとが必要とな
る。また、実験運転の結果が示すメッシュベルトライフ
6000〜8000時間は炉に装着されたメッシュベルト全長に
対するものである。
【0053】本実施形態の熱処理炉については、加熱部
の有効炉床(メッシュベルト)面積が4.47m2となるの
で、搬送時メッシュベルト素線の引張り応力を従来炉と
同じにすると、メッシュベルトの幅は 1.8mとなる。加
熱時間と冷却時間は夫々60分で、前述の通り、年間のチ
ャージ数は6857チャージとなり、従来炉より5%減とな
る。しかし、本実施形態の熱処理炉では5%程度の積載
荷重超過は、事実上メッシュベルト寿命に影響を与えな
い。また、20分で1150℃加熱と言う無理をせず、40分加
熱、20分炉冷のような熱処理が行える加熱部を構成し
て、加熱部内温度を例えば60℃下降してから、冷却室へ
の搬送を行うなどにより、メッシュベルトの積載荷重を
33%増加して、メッシュベルト幅を1.2mとするなどの自
由度が増える。
【0054】本実施形態の熱処理炉における冷却室で
は、再循環ファンと雰囲気ガス冷却装置とを設け、室内
で静止した高温用メッシュベルトの部分とその上面に積
載された熱処理部品Wとに対し、強制対流冷却を行うこ
とができ、その間、冷却室内のメッシュベルトに張力が
作用することは無い。従来炉の冷却室長は加熱部長の3
倍長であり、高温用メッシュベルトには、この細長い冷
却帯を進行するに従って増加する張力が、加熱時間の3
倍にわたり連続して作用する。加熱部より遥かに低温で
あるものゝ、常温に近い温度に於ける張力の作用です
ら、サービスライフ短縮の原因となるとされて、従来炉
の搬送方式が開発された事実からしても、メッシュベル
ト下面の磨耗と共に、サービスライフの維持に相当な悪
影響を与える要因とすることができるため、耐用時間の
計算根拠 600hrが割引かれることになり、本実施形態の
熱処理炉の効果は一層増大する。
【0055】本実施形態の熱処理炉においては、入口
扉、中間扉、出口扉を設け、搬送完了後殆ど閉じた状態
とすることができるため、加熱室、冷却室内の雰囲気ガ
スと外気との遮断が良好となり炉内雰囲気の安定性が向
上し、雰囲気ガス消費量が減少する。また、扉の開度を
任意に設定できるため、高さのある熱処理部品Wから小
物の集積まで直接メッシュベルト上に置き、熱処理でき
る。
【0056】また、搬送時間が短いので、入口扉、出口
扉付近に設けたフレームカーテンやN2 カーテンなどの
作動時間も短くて済み、搬送時の雰囲気ガス消費量も少
ない。従って、高温用メッシュベルトの幅を広くするこ
とが可能となり、従来炉の細くて長い炉体から広幅の短
い炉体へと変更することが可能となる。
【0057】図2は、本発明の第2実施形態に係るメッ
シュベルト搬送式の高温保護雰囲気熱処理炉の構成を概
略的に示す縦断面図である。図2に示す熱処理炉は、上
記第1実施形態と同様、インラインに連続配置された積
載台1、加熱室2、冷却室3及び抽出台4を備える。熱
処理部品Wは、水平な積載台1上のメッシュベルト搬送
面に載荷され、入口トンネル21から加熱部2に装入さ
れる。加熱・保持工程を経た熱処理部品Wは、中間扉2
5の開放時に出口トンネル23から冷却室3に移送さ
れ、出口扉35の開放時に抽出台4上の水平な搬送面に
移動する。
【0058】しかしながら、本実施形態の熱処理炉で
は、軽量トレイ又はバスケット等の担体Tに複数の熱処
理部品Wを収容した状態で搬送する点、メッシュベルト
搬送を中間扉25の出口部で完了し、熱処理部品Wを冷
却室3内の等速ローラーコンベア上に移載した後、出口
扉35からローラーコンベア搬送式の抽出台4上に移動
する点において、上記第1実施形態の熱処理炉と主に相
違する。
【0059】第2実施形態の熱処理炉によれば、メッシ
ュベルト搬送を使用する領域は、積載台1及び加熱室2
の範囲内に限定され、冷却室3及び抽出台4は、ローラ
ーコンベア搬送の方式を採用したものであるので、加熱
サイクルと冷却サイクルとが明確に分離し、各サイクル
の時間設定の自由度が大きく改善される。しかも、冷却
室3の出口扉35は、メッシュベルト6と干渉ないし関
連せず、従って、出口扉35の構造として、通常のスト
レートスルーバッチ型雰囲気炉の冷却室扉と同様な構造
を採用し得る。このため、加熱室2及び冷却室3のワー
ク装入・抽出時における室内雰囲気の安定度が向上し、
雰囲気ガス消費量も減少する。
【0060】次に、図2に示す熱処理炉の各部構成及び
作動について説明する。終端ローラー55が中間扉25
に隣接して加熱室2及び冷却室3の間に配置され、搬送
側ベルト部分61は、中間扉25を通過した直後に終端
ローラー55により約90゜下方に転向する。本実施形態
の加熱室2は、この点を除き、上記第1実施形態の加熱
室2と実質的に同一の構造を備える。終端ローラー55
の下方には、終端ローラー55によって転向したメッシ
ュベルト6をほぼ水平に再転向させる転向フリーローラ
ー56が配設される。ローラー55、56は、冷却室3
の外殻36と気密に結合した終端ローラーケース32内
に取付けられ、気密メッシュベルトダクト33内に戻り
側ベルト部分62を案内する。ダクト3Gには、封止機
構34が介装され、封止機構34を通過した戻り側ベル
ト部分62は、大気開放した水平な戻り側メッシュベル
トガイド57によって主駆動ローラー51に案内され
る。メッシュベルト駆動機構を構成する主駆動ローラー
51、ピンチローラー52及び駆動部59等の構造及び
機能は、上記第1実施形態と同一である。
【0061】積載台1上および加熱室2内に第2、第3
ストロークの熱処理部品Wが存在する場合には、第2ス
トロークの熱処理部品Wの加熱完了直前に出口扉35を
開閉操作し、冷却室3内に位置する第1ストロークの熱
処理部品Wを抽出台4上に取り出す。第2、第3ストロ
ークの熱処理部品Wの相対的関係は、第1実施形態と実
質的に同一であるので、入口扉24と中間扉25とは、
実質的に同時に開閉作動する。しかしながら、扉24、
25が開閉する間、冷却室3の出口扉35は閉鎖してお
り、従って、第1実施形態の熱処理炉と比較すると、加
熱室2及び冷却室3の室内雰囲気を所望の如く保持する
ことができる。図3は、本発明の第3実施形態に係るメ
ッシュベルト搬送式の高温保護雰囲気熱処理炉の構成を
概略的に示す縦断面図である。
【0062】図3に示す熱処理炉は、上記第2実施形態
と同様、積載台1、加熱室2、冷却室3及び抽出台4を
備え、メッシュベルト搬送が、中間扉25の出口部で完
了し、熱処理部品Wは、冷却室3内の等速ローラーコン
ベア上に移載される。しかしながら、第2実施形態の熱
処理炉では、冷却室3が、雰囲気ガス内の強制対流冷却
の方式のものであるのに対し、第3実施形態では、冷却
室3は、水槽又は油槽中に熱処理部品Wを浸漬する急速
液冷式のものであり、熱処理部品Wの冷却時間は短縮す
る。急速液冷方式を採用すべく、ローラーコンベアを備
えたステージとして、装置搬送レベルと焼入槽内の冷却
レベルとの間を往復する昇降装置付ローラーコンベア装
置90が、冷却室3に配設される。このような冷却方式
では、加熱室2から冷却室3への熱処理部品Wの移送時
間は、短時間に設定することが望ましいと考えられる。
また、炉内雰囲気ガスの安定性を考慮すると、加熱室2
の入口扉24と、中間扉25とが、殆ど同時に開閉され
る第2実施形態の方式は、好ましく採用し難い状況が生
じると想定される。
【0063】従って、本実施形態では、積載台1の搬送
方式として、電動ローラーコンベア11とメッシュベル
トコンベア6とを組合わせたハイブリッド搬送方式を採
用し、積載台1上の常温搬送を概ねローラーコンベア1
1により実施するように構成される。搬送面は、入口扉
24の直前でローラーコンベア11からメッシュベルト
コンベア6に遷移する。
【0064】即ち、本実施形態の熱処理炉は、積載台1
におけるハイブリッド搬送方式の採用と、冷却室3にお
ける昇降装置付ローラーコンベア方式の採用とが、第2
実施形態と構成上相違する。機能の面では、積載台1上
の搬送手段と加熱室2内の搬送手段とが完全に分離し、
入口扉24と中間扉25とを夫々独立に開閉操作し得る
ので、搬送動作と適当に組合せ可能な扉24、25の開
閉操作を任意に実行できることが、特徴的である。
【0065】次に、図3に示す熱処理炉に関し、上記第
2実施形態と相違する構成及び機能について説明する。
冷却室3内には、熱処理部品Wの移送通路31が、搬送
側ベルト部分61の搬送レベルと同一レベルに形成さ
れ、移送通路31の下方には、終端ローラーケース32
と焼入水槽(又は油槽)91などが設けられる。通路部
31を画成する冷却室3の外殻36は、SS鋼板製の全周
気密溶接構造を有する。冷却室3における熱処理部品W
の導入部は、中間扉25の外殻と気密に連結しており、
通路部31の外殻36は、水冷ジャケット39を構成す
る。冷却室3の出口側には、出口扉35が設けられ、通
路部31は、同一レベルに配置された抽出台4の電動ロ
ーラーコンベア11と連続する。
【0066】冷却室3の終端ローラーケース32は、焼
入水槽(油槽)91の前面板と対向し、両者は、合フラ
ンジにより気密に結合される。水槽(油槽)91は、冷
却液の種別に相応した適切な攪拌手段及び熱交換手段等
(図示せず)を備える。冷却室3の天井部には、雰囲気
ガスの廃ガスを排出する廃ガスダンパー95が設けられ
る。冷却室3の天井部中央付近には、大型エアシリンダ
ー96が下向に取付けられ、電動ローラーコンベア92
を備えたローラーコンベアステージ93が、エアシリン
ダー95のピストンロッド先端に懸吊される。ステージ
93は、ピストンロッド94の伸縮により昇降し、ロー
ラーコンベア上面は、上限停止位置において搬送レベル
に保持される。なお、所望により、電動ローラーコンベ
ア92を電動チェインコンベアに置換しても良い。
【0067】積載台1の構成は、第1及び第2実施形態
と大きく相違する。第1及び第2実施形態では、加熱室
2内の先行熱処理部品Wと、積載台1上の後続の熱処理
部品Wとが、一連のメッシュベルト61上に同時に載荷
され、同時に移送されるのに対し、本実施形態の積載台
1は、図3に示す如く、ローラーコンベア11と、主駆
動ローラー51、ピンチローラー52、始端フリーロー
ラー53などを備え、更に、ローラーコンベア11と平
行且つ始端フリーローラー53と同レベルに、メッシュ
ベルト支持用のローラコンベア12が支承される。
【0068】積載台1の始端部には、メッシュベルト転
向フリーローラー13、14が支承され、搬送側ベルト
部分61の上面が、転向フリーローラー14の頂部でロ
ーラーコンベア11の搬送レベルと合致する。ローラー
コンベア11の搬送速度は、メッシュベルトコンベアの
速度と等速に設定される。ピンチローラー52と始端フ
リーローラー53との間に位置するメッシュベルト6の
弛み部分63に加えて、始端フリーローラー53からメ
ッシュベルト転向ローラー14に至る領域に弛み部分6
4が形成される。弛み部分64には熱処理部品Wが載荷
されないので、主駆動ローラー51の負荷は低減する。
【0069】制御装置Cには、この搬送方式に適合した
シーケンス制御手段が組込まれ、中間扉25が開放し且
つ主駆動ローラー51が作動し、加熱部22で加熱され
た熱処理部品Wが、加熱完了の信号により、加熱室2か
ら冷却室3に移動し、昇降ステージ90のローラーコン
ベア92上において停止する。同時に、昇降ステージ9
0が液浴91内に降下し、中間扉25が閉鎖する。引続
き、制御装置Cは、加熱室2の入口扉24を開放し、積
載台1のローラーコンベア11及び主駆動ローラー51
を作動する。これにより、ローラーコンベア11上の熱
処理部品Wは、積載台1から加熱部22内の所定位置に
移動する。制御装置Cは、主駆動ローラー51を停止
し、同時に、入口扉24を閉鎖する。このようなシーケ
ンスは、制御装置Cの制御下に全自動化された所定の熱
処理工程として、連続的に反復実施される。なお、上記
第2実施形態の場合にも、積載台1を本例の如く設計し
た場合、冷却水槽(又は油槽)の関連動作を除き、同様
なシーケンスに従って各工程が実施される。図4は、本
発明の第4実施形態に係るメッシュベルト搬送式の高温
保護雰囲気熱処理炉の構成を概略的に示す縦断面図であ
る。
【0070】図4に示す実施形態では、積載台1及び加
熱室2は、上記第1・第2実施例と同様、インラインに
連続して配置され、熱処理部品Wが、積載台1の水平な
高温用メッシュベルト6上に積載される。熱処理部品W
は、加熱室2内で水平に連なる入口トンネル21、加熱
部22、出口トンネル23などの炉床面20上を進行
し、上記第2実施形態(図2)と同様に中間扉25の出
口部付近に設けた終端ローラー55の直上まで搬送され
る。
【0071】ただ、熱処理部品Wが第1実施形態と同
様、高温用メッシュベルト6上にバラ積みされること、
熱処理部品Wが、ベルトの下方転向に伴って、終端ロー
ラー55外周に接する搬送側ベルト部分61から自由落
下し、高温用メッシュベルト搬送系から下方へ垂直に離
脱すること、などが上述の第2実施形態と相違する。
【0072】本実施形態では、積載台1及び加熱室2を
組み合せた装置構成は、第2・第3実施形態と類似する
が、熱処理部品Wをバラ積みするので、冷却方式は相違
する。即ち、本例の装置は、第3実施形態の冷却室に換
えて炉尻室7を設け、高温用メッシュベルト搬送の第2
ストローク中に加熱・保持完了後のバラ積み熱処理部品
Wを連続的に冷却水槽(油槽)内に落下せしめる冷却方
式を採用している。
【0073】次に、図4に示す熱処理炉に関し、各部構
成と機能について説明する。積載台1及び加熱室2の構
成は第1実施形態と同様であるが、中間扉25の出口部
には、メッシュベルト搬送装置5の終端ローラー55が
設けられる。搬送側ベルト部分61が中間扉25の下を
通過した直後に、ローラー55は、加熱室2の水平な炉
床20上を炉軸に沿って進行する搬送側ベルト部分61
を約90°下方に転向させる。終端ローラー55の下方に
は、転向ローラー56が設けられ、転向ローラー56
は、終端ローラー55によって下方に転向したメッシュ
ベルト6を、水平に再転向し、主駆動ローラー51に差
し向ける。これらのローラー55、56は、炉尻室7の
中間部を形成する終端ローラーケース72内に取付けら
れ、気密ダクト33及び封止機構34に戻り側ベルト部
分62を導く。なお、炉尻室7は、中間扉25を支持す
る扉外殻71と気密に結合される。
【0074】封止機構34を通過した戻り側ベルト部分
63は、大気解放した略水平な戻り側メッシュベルトガ
イド57上を搬送側ベルト部分61と逆方向へ進み、フ
リーローラー58を経て主駆動ローラー51に牽引され
る。積載台1及び搬送装置5の構成及び機能は、第1実
施形態と同様である。
【0075】炉尻室7は、中間部(ローラーケース7
2)と気密に結合した保熱部73を有し、SS鋼板製の全
周気密溶接構造の外殻75内には、耐火断熱材74が内
張される。炉尻室7の天井付近には、保熱部を構成する
放熱管ヒーター76などが取付けられる。ローラーケー
ス72の上部には、図4に示すように旋回ダンパー77
が設けられる。ダンパー77は、熱処理部品Wの加熱工
程完了まで、閉鎖位置に保持され、保熱部73の温度維
持を容易にする。ダンパー77の開閉シーケンスは、中
間扉25と連動する。ローラーケース72の下部には、
シュート78が設けられ、シュート78は、垂直に下方
へ延び、直下の水槽(又は油槽)の水(油)面下に開口
する。
【0076】上記第2乃至第4実施形態の熱処理炉で
は、高温用メッシュベルト搬送を積載台から加熱室出口
トンネルの中間扉出口部付近までに限定し、その後方に
は、同一搬送レベルのローラーコンベア又は自由落下シ
ュート等を設け、熱処理部品Wの冷却室内搬送を行って
おり、このような構成によれば、高温用メッシュベルト
の駆動源と冷却室内搬送手段の駆動源とを夫々独立に設
置し且つ制御することができる。
【0077】第2及び第3実施形態の熱処理炉では、冷
却室出口扉の開閉操作と、加熱室の入口扉及び中間扉の
同期開閉操作とを分離し、独立に制御することができ
る。更に、積載台上の搬送をローラーコンベアと無限軌
道高温用メッシュベルトコンベアとの組合せる上記第3
実施形態の熱処理炉によれば、積載台ローラーコンベア
の駆動源を上記メッシュベルトコンベア搬送の駆動源か
ら独立することができるので、入口扉及び中間扉の開閉
操作をも分離することができ、この結果、冷却室出口扉
を含む3種の扉を独立に開閉操作し、積載台、加熱室及
び冷却室の主要3室の搬送工程を独立したり、各搬送工
程を適当に組合せて独特の制御シーケンスを組むことが
可能となる。これは、炉内温度分布の安定化、炉内雰囲
気ガスの制御、その消費量の圧縮等に極めて有効な手段
を提供するであろう。しかも、このようなメッシュベル
ト搬送においては、熱処理部品Wが負荷となる区間は、
実質上加熱室内だけに限定されるので、積載台ローラー
コンベア作動とメッシュベルトコンベア作動とのタイミ
ングを適切に組合せることにより、高温に加熱されたメ
ッシュベルトに対する張力作用時間を更に短縮すること
ができる。
【0078】第4実施形態の熱処理炉は、冷却室を有
し、積載台、加熱室、冷却室、抽出台の搬送ラインが同
レベルに位置し、搬送方向も同一方向であり、この点に
おいて、第1実施形態の熱処理炉と共通する構成を備え
る。しかしながら、第4実施形態の熱処理炉は、室内搬
送コンベアを有する冷却室を備えず、高温メッシュベル
ト上にバラ積された熱処理部品Wは、終端ローラー直上
を通過した位置において自重によりベルト上面から滑落
し、炉体(保温部)の下方に設けたシュート内を略垂直
に落下し、これにより、炉内搬送が完了する。出口扉を
必要としないことも含め、発明炉中、炉体構造、搬送シ
ーケンスなどが最も簡素化される。
【0079】無限軌道高温用メッシュベルトのサービス
ライフについては、第1実施形態の熱処理炉では、ベル
ト長が、加熱部長の約9倍であり、第2乃至第4実施形
態の熱処理炉では、ベルト長は、加熱部長の約 4.5倍と
考えられるので、メッシュベルトの全長に対して、第1
実施形態の熱処理炉が計算上16年のサービスライフとな
り、第2乃至第4実施形態の熱処理炉が、8年のサービ
スライフとなるが、実用上はベルト全長が半分である第
2乃至第4実施形態の熱処理炉の方が有利であろう。
【0080】一般にベルトコンベアは、コンベア上に不
定形の粉体や粒体などを直接積載して長い区間を簡単軽
量な機構により、多量を少量に分散して連続運搬できる
装置として多用されている。また、高温用メッシュベル
トを使用した炉内搬送コンベアにおいても 600℃前半の
温度では、永いサービスライフを有し、温度の影響より
も、過多の積載荷重に起因する磨耗の影響の方が大き
い。しかし、 950℃を超える温度域に達すると、温度の
影響が急激に上昇し、1100℃を超える温度域では、使用
法が悪いと2〜3ヶ月のサービスライフとなってしま
う。
【0081】本発明は、主としてSUS310S 、SUS314など
の耐熱鋼材による高温用メッシュベルトのサービスライ
フを延長すべく、連続搬送が常識とされているメッシュ
ベルトコンベアを加熱・保持・炉冷・冷却の長い熱処理
工程中、休止せしめ、加熱処理完了後に急速な定ストロ
ーク搬送を行わしめる定ストローク断続搬送方式を採用
したことにより、搬送中のメッシュベルトに作用するベ
ルト張力の作用時間を極限まで短縮することに成功した
ものである。この結果、メッシュベルト搬送式高温保護
雰囲気熱処理炉であるにもかかわらず、バッチ型雰囲気
炉に近い扉効果を実現することが可能となり、雰囲気ガ
ス使用量の大幅削減を達成し得るばかりでなく、メッシ
ュベルト幅の相当な拡大をも可能にし、これも相まっ
て、大幅なサービスライフの延長を達成することができ
る。このように、高温用メッシュベルトのサービスライ
フ延長のための本発明の着想は、従来炉とは異なった炉
構成上の発明を生み出し、特に従来炉では到底不可能で
あるとされた高温加熱後の保持時間が長い熱処理工程に
対する対応の途を拓き、しかも、サービスライフが主要
な課題とならない 900℃以下の熱処理工程に対してもN
2 雰囲気内加熱の場合などにおいて有効な熱処理炉の提
供を可能にする。以上、本発明の好適な実施形態につい
て詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定され
るものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の
範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
【0082】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、高
温用メッシュベルト搬送式の高温保護雰囲気熱処理炉に
おいて、メッシュベルトのサービスライフを大幅に延長
し、保護雰囲気ガス消費量や加熱エネルギーコストなど
を削減するとともに、熱処理温度及び時間の制御精度を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るメッシュベルト搬
送式の高温保護雰囲気熱処理炉の構成を概略的に示す縦
断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るメッシュベルト搬
送式の高温保護雰囲気熱処理炉の構成を概略的に示す縦
断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るメッシュベルト搬
送式の高温保護雰囲気熱処理炉の構成を概略的に示す縦
断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るメッシュベルト搬
送式の高温保護雰囲気熱処理炉の構成を概略的に示す縦
断面図である。
【図5】入口扉及び入口トンネルの構造を示す縦断面図
である。
【図6】従来の高温保護雰囲気熱処理炉の構成を概略的
に示す平面図及び側面図である。
【図7】従来のメッシュベルト搬送装置の構成を示す概
略側面図である。
【符号の説明】
1 積載台 2 加熱室 3 冷却室 4 抽出台 5 高温用メッシュベルト搬送装置 6 高温用メッシュベルト w 熱処理部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27B 9/39 F27B 9/39 9/40 9/40 Fターム(参考) 4K034 AA11 AA16 CA05 DA03 DB04 EA11 EB39 EC06 FA01 FA04 GA03 GA04 GA08 4K050 AA02 BA01 CA13 CC09 CC10 CD01 CD05 CF06 CF16 CG04 CG09 CG27 CG29 DA03 DA07 EA03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理部品を搬送可能な無限軌道型の高
    温用メッシュベルトを備えるメッシュベルト搬送装置を
    有し、高温保護雰囲気の加熱室を通して前記熱処理部品
    を移送するように構成された高温保護雰囲気熱処理炉で
    あって、熱処理部品は、積載台上で前記メッシュベルト
    に載荷され、該メッシュベルトは、熱処理部品を積載し
    た状態で前記加熱室内の炉床の上を移動し、前記加熱室
    は、高温加熱雰囲気下に前記熱処理部品を熱処理する熱
    処理炉において、 前記メッシュベルト搬送装置は、前記メッシュベルトを
    駆動するメッシュベルト駆動手段と、該駆動手段を断続
    的に作動する駆動制御手段とを備え、 該制御手段には、前記積載台の熱処理部品を前記加熱室
    内の所定位置まで移送し且つ加熱室内の熱処理部品を加
    熱室から搬出する所定ストロークが設定され、 前記駆動手段は、前記制御手段の制御下に前記メッシュ
    ベルトを間欠的に駆動し、該メッシュベルトの各駆動時
    に前記ストロークに相応する距離だけ前記熱処理部品を
    搬送するようにしたことを特徴とする高温保護雰囲気熱
    処理炉。
  2. 【請求項2】 前記加熱室の搬送方向前方に連接した保
    護雰囲気の冷却室を備え、前記加熱室は、熱処理部品の
    入口扉と、前記冷却室との間に介装された中間扉とを備
    え、前記冷却室は、冷却後の熱処理部品を搬出する出口
    扉を備え、 前記ストロークは、前記積載台の熱処理部品を前記加熱
    室内の所定位置まで移送するのみならず、前記加熱室内
    の熱処理部品を前記加熱室から前記冷却室の所定位置に
    移送し且つ冷却室内の熱処理部品を冷却室から搬出し得
    る距離に設定されることを特徴とする請求項1に記載の
    高温保護雰囲気熱処理炉。
  3. 【請求項3】 前記メッシュベルト搬送装置は、前記積
    載台に配設した主駆動ローラー、ピンチローラー及び始
    端フリーローラーと、前記加熱室の搬送方向前方に配置
    された終端ローラーとを備え、前記主駆動ローラー及び
    ピンチローラーは、協働して前記メッシュベルトを牽引
    し、前記始端及び終端フリーローラーは、前記メッシュ
    ベルトの搬送面を所定レベルに規制し、前記メッシュベ
    ルトは、前記ピンチローラー及び始端フリーローラーの
    間に弛み部を形成することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の高温保護雰囲気熱処理炉。
  4. 【請求項4】 前記加熱室における熱処理部品の加熱工
    程は、昇温過程、高温保持過程及び降温過程を含み、該
    加熱工程の間、前記駆動手段はメッシュベルトを静止す
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載の高温保護雰囲気熱処理炉。
  5. 【請求項5】 前記冷却室の熱処理部品冷却手段を制御
    する冷却制御手段を備え、該冷却制御手段は、前記加熱
    室における熱処理部品の加熱工程に要する時間を基準と
    して、前記冷却室の冷却時間を設定し、該冷却時間内に
    前記熱処理部品を冷却するように前記冷却手段の冷却能
    力を制御することを特徴とする請求項2に記載の高温保
    護雰囲気熱処理炉。
  6. 【請求項6】 前記入口扉、中間扉及び出口扉の下面と
    前記メッシュベルトの上面との間の間隙を流通する気流
    を阻止する可撓性バッフルが、前記扉の下部に設けられ
    ることを特徴とする請求項2又は5に記載の高温保護雰
    囲気熱処理炉。
  7. 【請求項7】 前記入口扉に隣接して配置された吸引手
    段と、前記出口扉に隣接して配置されたガスカーテン形
    成手段とを有し、前記吸引手段は、前記加熱室への外気
    流入を防止すべく前記加熱室の雰囲気廃ガスを吸引し、
    前記ガスカーテン形成手段は、前記冷却室への外気流入
    を防止すべく、不活性ガスのカーテンを前記出口扉の近
    傍に形成することを特徴とする請求項2、5又は6に記
    載の高温保護雰囲気熱処理炉。
  8. 【請求項8】 前記メッシュベルト搬送装置は、前記メ
    ッシュベルトの走行速度を可変制御する速度制御手段を
    備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項
    に記載の高温保護雰囲気熱処理炉。
  9. 【請求項9】 前記速度制御手段は、単一ストローク内
    における前記メッシュベルトの走行速度を駆動開始時及
    び駆動停止時に過渡的に低下させることを特徴とする請
    求項8に記載の高温保護雰囲気熱処理炉。
  10. 【請求項10】 前記加熱室に後続する冷却室及び抽出
    台を有し、前記加熱室よりも搬送方向後方の搬送領域で
    は、前記メッシュベルトによって前記熱処理部品を搬送
    し、前記冷却室及び抽出台では、前記熱処理部品をロー
    ラーコンベアによって搬送することを特徴とする請求項
    1に記載の高温保護雰囲気熱処理炉。
  11. 【請求項11】 前記加熱室から前記メッシュベルトに
    よって搬出したメッシュベルト上のバラ積の熱処理部品
    を保護雰囲気内で下方に落下せしめることを特徴とする
    請求項1に記載の高温保護雰囲気熱処理炉。
  12. 【請求項12】 熱処理部品を載荷可能なローラーコン
    ベアを前記積載台に設け、該積載台と前記加熱室との連
    接領域で前記ローラーコンベア上の熱処理部品を前記メ
    ッシュベルト上に移載することを特徴とする請求項1に
    記載の高温保護雰囲気熱処理炉。
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