JP2000087214A - マルエージング鋼の窒化方法およびそれによって得られたマルエージング鋼製品 - Google Patents

マルエージング鋼の窒化方法およびそれによって得られたマルエージング鋼製品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い疲労強度と耐摩耗性とを有するようになる
マルエージング鋼の窒化方法およびそれによって得られ
たマルエージング鋼製品を提供する。 【解決手段】マルエージング鋼を予めフッ素を含む反応
ガス雰囲気中に加熱保持して表面にフッ化物膜を生成し
たのち、NH3 濃度が全体の5容量%以上30容量%以
下の範囲の窒化雰囲気中で400℃以上500℃以下の
温度で処理して窒化硬化層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疲労強度等を向上
させるマルエージング鋼の窒化方法およびそれによって
得られたマルエージング鋼製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車等の変速機構には、歯
車が用いられている。この変速機構は、有段変速であ
り、例えば5段変速等がある。しかしながら、最近、ス
チールベルトを用いて動力を伝達する無段変速の変速機
構が採用されるようになってきている。このスチールベ
ルトの原材料としては、マルエージング鋼が用いられて
いる。このマルエージング鋼とは、Cを殆ど含まず、多
量のNiを合金した鋼にCo,Mo,Ti,Al等を加
えた鋼を熱処理によりマルテンサイト組織にして、時効
処理したものである。
【0003】また、上記スチールベルトには、その用途
から、高い疲労強度と耐摩耗性とが要求される。ところ
が、マルエージング鋼は、引っ張り強度は大きいが、そ
の割には疲労強度が小さい材料である。そこで、上記高
い疲労強度と耐摩耗性とをスチールベルトに付与する方
法として、スチールベルト製造の最終工程で、スチール
ベルトの表面を窒化処理する方法が採用されている。
【0004】スチールベルトの表面を窒化処理すると、
その表面に窒化硬化層が形成される。この窒化硬化層
は、窒化物層とその下層の拡散層とで構成されている。
窒化物層は、Fe2 N,Fe4 N,TiN等の窒化物の
みからなる層であり、拡散層は、主マトリクス中に微細
な上記窒化物が析出して拡散した層である。
【0005】そして、上記スチールベルト製造には、薄
肉圧延,溶体化処理,塑性加工変形,時効硬化等の工程
が必要である。また、上記スチールベルトの表面を窒化
処理する方法には、液体窒化法である塩浴窒化方法やN
3 ガスを窒化源とするガス窒化方法等がある。さら
に、スチールベルトが動力を伝達するベルトとして充分
に満足できる水準の疲労強度を得るためには、スチール
ベルトの表面に大きな圧縮残留応力を発生させる必要が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの窒化方法によりそれぞれの条件下でマルエージン
グ鋼製のスチールベルトの表面を窒化処理しても、充分
に満足できる水準の疲労強度が得られていないのが実状
である。
【0007】この理由は、上記スチールベルトの製造工
程とスチールベルト表面の窒化処理とが圧縮残留応力の
発生機構に複雑に絡み合っているためであると考えられ
る。すなわち、上記塩浴窒化方法では、溶液の制御上、
処理温度を550℃以上にするため、しばしば過時効と
なり表面硬度を下げ圧縮残留応力を低下させる。一方、
上記ガス窒化方法では、処理温度を時効に適切な500
℃以下に下げることができるが、低温でスチールベルト
表面の活性度が下がるため、窒化物層の形成がしばしば
不均一,不充分となる。これらの不具合は、窒化処理す
る前の製造工程におけるスチールベルトの表面性状の不
均一により拡大される性質がある。これらのことから、
マルエージング鋼製のスチールベルトの表面を上記従来
の窒化方法の条件下で充分に満足できる水準の疲労強度
が得られるように窒化処理することは、困難とされる。
【0008】また、上記窒化物層は、脆く、疲労破壊試
験において、高応力低サイクル側での破壊を起こし易
い。このような特性は、高い疲労強度と耐摩耗性とが要
求される上記スチールベルトにとって問題である。
【0009】さらに、マルエージング鋼は、Fe,N
i,Co,Mo等の主要金属元素にOとの親和力が大き
いTi,Al等の成分を含有する時効硬化型材料である
ため、表面に酸化物を形成し易い。そして、この酸化物
は、Nがマルエージング鋼内に侵入、拡散してゆくこと
を阻害する。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、高い疲労強度と耐摩耗性とを有するようになる
マルエージング鋼の窒化方法およびそれによって得られ
たマルエージング鋼製品の提供をその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、マルエージング鋼の表面に窒素を反応さ
せて窒化物層と拡散層とで構成されている硬質の窒化硬
化層を形成するマルエージング鋼の窒化方法であって、
マルエージング鋼を予めフッ素を含む反応ガス雰囲気中
に加熱保持して表面にフッ化物膜を生成したのち、NH
3 濃度が全体の5容量%以上30容量%以下の範囲の窒
化雰囲気中で400℃以上500℃以下の温度で処理し
て窒化硬化層を形成するマルエージング鋼の窒化方法を
第1の要旨とし、厚みが1μm以下の均一な窒化物層が
形成されているマルエージング鋼製品を第2の要旨とす
る。
【0012】すなわち、本発明者らは、高い疲労強度と
耐摩耗性とを有するようになるマルエージング鋼の窒化
方法について、一連の研究を重ねた。マルエージング鋼
が高い疲労強度と耐摩耗性とを有するためには、脆い窒
化物層の厚みをできるだけ小さくするとともに、表面硬
度と窒化硬化層の深みとをできるだけ大きくする必要が
ある。このために、上記研究の過程で、窒化雰囲気中の
温度やNH3 濃度等の窒化条件の検討が行われた。その
結果、マルエージング鋼を予めフッ素を含む反応ガス雰
囲気中に加熱保持して表面にフッ化物膜を生成したの
ち、NH3 濃度が5容量%以上30容量%以下の範囲の
窒化雰囲気中で400℃以上500℃以下の温度で処理
することにより、厚みが1μm以下の均一な窒化物層を
形成すれば、所期の目的を達成できることを見いだし、
本発明に到達した。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0014】この実施の形態では、マルエージング鋼製
のスチールベルトの表面を窒化処理する。このスチール
ベルトは、自動車等の無段変速の変速機構において動力
を伝達するもので、厚みが薄く、リング状をしている。
【0015】上記スチールベルト製造は、まず、薄肉円
筒部材をリング状に圧延し、そののち、溶体化処理,塑
性加工変形,時効硬化等を経て、最終工程で、窒化処理
する。この実施の形態では、窒化処理に先立ち、上記ス
チールベルトを予めフッ素を含む反応ガス雰囲気下で2
00〜500℃の温度に加熱保持して表面にフッ化物膜
を生成しておく。
【0016】本発明で使用されるフッ素を含む反応ガス
としては、例えばNF3 ,BF3 ,CF4 ,HF,F2
等のフッ素化合物もしくはフッ素を含むハロゲンガスが
ある。これらフッ素化合物のうち、反応性、取扱い性等
の面でNF3 が最も優れており、実用的である。このN
3 を用いる場合は、NF3 を1〜10容量%含む反応
ガス雰囲気下で上記スチールベルトを300〜400℃
の温度に5〜30分間加熱保持すると、上記スチールベ
ルトの表面にフッ化物膜を生成することができる。この
ようなフッ化物膜を生成するための上記温度や加熱時間
等の条件は、反応ガスの種類,その濃度,スチールベル
トの形状寸法等により適宜設定される。
【0017】上記フッ化物膜を生成する方法をより具体
的に説明すると、マルエージング鋼製のスチールベルト
を例えば脱脂洗浄し、図1に示すような熱処理炉1に挿
入する。この熱処理炉1は外殻2内に設けたヒータ3の
内側にステンレス製内容器4を入れたピット炉で、ガス
導入管5と排気管6が挿入されている。ガス導入管5に
はボンベから流量計17,バルブ18等を経由してガス
が供給される。内部の雰囲気はモータ7で回転するファ
ン8によって攪拌される。スチールベルト10は金鋼製
のコンテナ11に入れて炉内に挿入される。図中、13
は真空ポンプ、14は除害装置である。この炉中にフッ
素を含む反応ガス、例えばNF3 とN2の混合ガスを導
入し、所定の反応温度に加熱する。NF3 は250〜4
00℃の温度で活性基のF分を発生するため、上記温度
範囲300〜400℃でも活性基のF分を発生し、この
Fが表面に残存している有機無機の異物を除去すると共
に、鋼表面のFe,Cr素地あるいはFeO,Fe3
4 ,Cr2 3 等の酸化物と迅速に反応して、例えば下
記の式に示すごとく、表面にFeF2 ,FeF3 ,Cr
2 ,CrF4 等の化合物を金属組織中に含有するごく
薄いフッ化物膜が形成される。
【0018】
【化1】FeO+2F → FeF2 +1/2O2
【0019】
【化2】 Cr2 3 +4F → 2CrF2 +3/2O2
【0020】この反応により、スチールベルト表面の酸
化皮膜はフッ化物膜に変換され、表面に吸着されついた
2 も除去される。そして、このようなフッ化物膜は、
2,H2 ,H2 Oが存在しない場合600℃以下の温
度で安定であるため、上記温度範囲300〜400℃で
も安定であり、後続の窒化処理温度までの間における金
属素地への酸化皮膜の形成やO2 の吸着を防止すると考
えられる。
【0021】また、スチールベルト最表面のマトリクス
は、Fと結合しているため、Oや油脂類等と結合してい
る場合よりも表面の活性度が大きく、Nの吸着,侵入,
拡散等に好都合な状態となっている。
【0022】そして、このような状態のスチールベルト
は、NH3 濃度が5〜30容量%の窒化雰囲気中で40
0〜500℃で、より好ましくは450〜480℃で、
15分〜5時間処理される。このとき、NH3 は、下記
の式のように反応が進行し、活性基のNを発生する。
【0023】
【化3】NH3 → N+3/2H2
【0024】上記処理が行われると、活性なスチールベ
ルト最表面に活性基のNが吸着されてマルエージング鋼
内に侵入、拡散してゆき、窒化硬化層が形成される。そ
の結果、表面にFe2 N,Fe4 N,TiN等の窒化物
のみからなる窒化物層が均一に1μm以下の厚みで形成
され、その下層に拡散層が形成される。このとき、フッ
化物膜中のF分は、H2 と反応してHFとなり、廃ガス
として運ばれる。このHFは微量で、除害装置14に集
められ、最終的に無害化される。
【0025】このようにして表面に上記窒化物層が形成
されたマルエージング鋼製のスチールベルトは、自動車
等の無段変速の変速機構において動力を伝達するものと
して、充分に満足できる高い疲労強度と耐摩耗性とを有
している。
【0026】
【実施例1】マルエージング鋼製のスチールベルトをフ
ロン洗浄したのち、図1に示すような熱処理炉1に入
れ、NF3 濃度が5容量%であるN2 ガス雰囲気中に3
50℃で保持して表面にフッ化物膜を生成した。その後
480℃に加熱し、NH3 濃度が20容量%である窒化
ガスを熱処理炉1内に導入して20分間,35分間,7
0分間それぞれ窒化処理を行い、しかるのち空冷して取
り出した。
【0027】
【比較例1】マルエージング鋼製のスチールベルトをフ
ロン洗浄したのち、図1に示すような熱処理炉1に入
れ、表面にフッ化物膜を生成させることなく、480℃
に加熱し、NH3 濃度が20容量%である窒化ガスを熱
処理炉1内に導入して70分間窒化処理を行い、しかる
のち空冷して取り出した。この比較例1の場合、表面に
フッ化物膜を生成させていないため、窒化処理時間が2
0分間および35分間では、窒化硬化層の深みが規定の
大きさに達しないため、窒化処理時間を70分間とし
た。
【0028】上記実施例1と比較例1について、窒化時
間による圧縮残留応力の変化および表面硬度を測定し、
その結果を図2に示す。なお、この測定は、X線応力並
傾法によるものである。また、上記実施例1について、
窒化処理する前の時効時間による硬度の変化を測定し、
その結果を図3に示す。
【0029】上記図2の結果から、窒化処理する前に、
表面にフッ化物膜を生成させた方が圧縮残留応力が大き
く表面硬度も大きいことがわかる。また、比較例1品の
圧縮残留応力は、実施例1品の35分間窒化処理したも
のおよび70分間窒化処理したものよりも著しく小さい
ことがわかる。これは、表面硬度の大きさを反映したも
のと思われる。
【0030】さらに、上記図2の結果からは、窒化処理
時間を長くすることが必ずしも圧縮残留応力を増加する
ことにならないこともわかる。これは、図3の結果から
わかるように、窒化とともに時効が進行し、表面硬度お
よび表面と芯部界面との硬度差が減少してゆくことに関
係している。
【0031】なお、従来の窒化方法では、常温より窒化
温度まで昇温する間に形成される酸化皮膜や、このとき
吸着されるO2 分によって表面の活性度が低下している
ため、Nの表面吸着の度合いが低く、不均一である。ま
た、このような不均一性は、NH3 の分解の度合いを炉
内で均一に保つことが実際上困難であることによっても
拡大されるのである。しかしながら、この実施の形態で
は、スチールベルト表面におけるNの吸着が均一かつ迅
速に行われるため、上記のような問題は生じない。ま
た、フッ化物膜は、600℃以下で安定な不働態膜であ
るため、金属製の炉材の損傷はきわめて少ない。
【0032】また、上記窒化処理温度(400〜500
℃に、より好ましくは450〜480℃)は、時効温度
と同一もしくは近接させることができるため、時効の最
終工程と窒化処理とが重なることが自然であるが、別の
工程とすることもできる。
【0033】また、上記実施の形態では、窒化雰囲気中
のNH3 濃度を5〜30容量%の範囲としたが、これ
は、窒化ポテンシャルを低くするためで、この窒化ポテ
ンシャルPN は、下記の式のパラメーターで示される。
【0034】
【数1】
【0035】上記窒化ポテンシャルは、NH3 濃度とH
2 濃度とにより決まる。NH3 濃度が5容量%未満であ
ると、窒化硬化層の深みおよび表面硬度の著しい減少を
招き、満足すべき硬化特性に至らない。一方、NH3
度が30容量%を超えると、窒化処理温度の高い範囲
(略450〜500℃)では、窒化物層の厚みを1μm
以下に抑えることが不可能となり、窒化処理温度の低い
範囲(略400〜450℃)でも、窒化硬化層の深みお
よび窒化物層の厚みの双方を満足することが困難となる
とともに、処理時間が長くなり不経済となる。
【0036】また、上記実施の形態では、窒化処理温度
を400〜500℃の範囲としたが、窒化処理温度が4
00℃未満であると、窒化硬化層の形成速度が極端に遅
くなり、工業的に無意味となる。一方、窒化処理温度が
500℃を超えると、窒化物層の厚みを1μm以下に抑
えることが困難となり、さらに、過時効気味となり表面
硬度を下げる。
【0037】また、上記実施の形態では、窒化処理する
時間を15分〜5時間の範囲としたが、窒化処理する時
間が15分未満であると、処理時間が短過ぎて窒化硬化
層の深みが不均一となり易く、適切ではない。窒化処理
する時間が5時間を超えると、過時効となり圧縮残留応
力を低下させる。
【0038】また、上記実施の形態では、窒化物層の厚
みを1μm以下としたが、窒化物層の厚みが1μmを超
えると、高応力低サイクル側での破壊を起こし易く、安
定した疲労強度が得られない。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明のマルエージング
鋼の窒化方法は、マルエージング鋼を予めフッ素を含む
反応ガス雰囲気中に加熱保持して表面にフッ化物膜を生
成したのち、NH3 濃度が5容量%以上30容量%以下
の範囲の窒化雰囲気中で400℃以上500℃以下の温
度で処理する。この処理により、深みが均一な窒化硬化
層が形成され、この窒化硬化層中の窒化物層の厚みも1
μm以下の均一な層となる。このため、マルエージング
鋼は、高い疲労強度と耐摩耗性とを有するようになる。
【0040】また、マルエージング鋼製品が自動車等の
無段変速機構に用いられ動力を伝達するリング状のベル
トである場合は、このベルトは、動力を伝達するものと
して、充分に満足できる高い疲労強度と耐摩耗性とを有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に用いる処理炉を示す説
明図である。
【図2】窒化時間による圧縮残留応力の変化および表面
硬度を示すグラフ図である。
【図3】窒化処理する前の時効時間による表面硬度の変
化を示すグラフ図である。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 崇則 兵庫県尼崎市中浜町1番8号 大同ほくさ ん株式会社尼崎工場内 Fターム(参考) 4K028 AA02 AB01 AB06 AC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルエージング鋼の表面に窒素を反応さ
    せて窒化物層と拡散層とで構成されている硬質の窒化硬
    化層を形成するマルエージング鋼の窒化方法であって、
    マルエージング鋼を予めフッ素を含む反応ガス雰囲気中
    に加熱保持して表面にフッ化物膜を生成したのち、NH
    3 濃度が全体の5容量%以上30容量%以下の範囲の窒
    化雰囲気中で400℃以上500℃以下の温度で処理し
    て窒化硬化層を形成することを特徴とするマルエージン
    グ鋼の窒化方法。
  2. 【請求項2】 窒化硬化層を形成する時間が15分以上
    5時間以下の範囲である請求項1記載のマルエージング
    鋼の窒化方法。
  3. 【請求項3】 厚みが1μm以下の均一な窒化物層が形
    成されていることを特徴とするマルエージング鋼製品。
  4. 【請求項4】 マルエージング鋼製品が自動車等の無段
    変速機構に用いられ動力を伝達するリング状のベルトで
    ある請求項3記載のマルエージング鋼製品。
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