JP2005036278A - 自動車用金属ベルトの製造方法およびそれによって得られた自動車用金属ベルト - Google Patents

自動車用金属ベルトの製造方法およびそれによって得られた自動車用金属ベルト Download PDF

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Abstract

【課題】マルエージング鋼より安価なステンレス鋼を用い、少ない熱処理工程で効果的な耐疲労性および耐磨耗性を付与することができる自動車用金属ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】素材であるオーステナイト系ステンレス鋼板を所定の大きさのリング状としてリングを形成するリング形成工程と、上記リングをローラー圧延して無端ベルトとする圧延工程と、上記無端ベルトをフッ素系ガス雰囲気下で加熱保持するフッ化処理工程と、上記フッ化処理と同時期および/またはその後に、上記無端ベルトに対して浸炭処理を行ってその表層部に炭素を拡散浸透させて固溶強化した硬化層を形成する浸炭処理工程とを備えたことにより、表面に、炭素が拡散浸透して固溶強化した硬化層を形成するため、優れた耐磨耗性と耐疲労性を発揮する自動車用金属ベルトが得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用金属ベルトの製造方法およびそれによって得られた自動車用金属ベルトに関するものである。
自動車用金属ベルトは、複数の無端金属ベルトを積層状に重ね、この積層ベルトに多数の金属ブロックが取り付けられて構成されたもので、ベルト駆動式無段変速機等に用いられている。この自動車用金属ベルトは、常にテンションを掛けられた状態で高速回転して繰り返し変形する。したがって、積層ベルト間やベルトと金属ブロックとの間での耐磨耗性や、繰り返し応力による耐疲労性に優れたものが要求される。
このような要求に応えるため、例えば、下記の特許文献1に開示されたように、マルエージング鋼を素材とした無端金属ベルトに溶体化処理を施し、この溶体化処理状態の無端金属ベルトをローラに掛装して回転させながらローラ間隔を拡げることにより引張応力を負荷してベルトの外表面を優先的に塑性変形させ、その後ベルトの外表面に軟窒化処理を施す方法が提案されている。
ところが、上記従来の表面処理方法によると、マルエージング鋼という高価な材料を使用し、無端金属ベルトに800℃以上の温度で溶体化処理を施し、その後時効処理を行い、更に500℃以上の温度で塩浴(タフトライド)或はガスやイオンで軟窒化処理を行なう必要があるため製造コストが高いうえ熱処理工程が多くなるという問題があった。
また、上記の方法でマルエージング鋼を安価なステンレス鋼に置き換えた場合、窒化ではステンレス鋼に対して500℃以下での有効な処理方法が無く、時効温度500℃以下での窒化層の形成が難しい。すなわち、塩浴窒化(タフトライド)の場合、500℃以下での塩浴の流動性保持が困難であり、ガス窒化・ガス軟窒化では、材料表面の浄化能力に劣ることからステンレスの酸化膜が500℃〜600℃でも除去できない。このため、ステンレス鋼に窒化処理した金属ベルトでは、耐摩耗性が劣ってしまうという問題があった。また、イオン窒化の場合、無端ベルトがリング形状を呈するため、どうしても処理工程が多工程となってしまう。
そこで、マルエージング鋼よりも安価なステンレス鋼に500℃以下の低温で窒化を施すことにより無端金属ベルトを製造する方法も提案されている(特許文献2)。
特公平7−17998号公報 特開平11−200010号公報
しかしながら、ステンレス鋼を素材に使うと、リング圧延工程の際に生じる加工硬化のばらつきが大きくなる。このような素材に窒化処理による強化を行なうと、窒化の際に脆い窒化層が表面に生成してしまい、所望の硬化層を得ることができなかったり、金属無端ベルト自体に周長方向の強度ばらつきが生じるおそれがあった。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、マルエージング鋼より安価なステンレス鋼を用いると共に、少ない熱処理工程で効果的な耐疲労性および耐磨耗性を付与することができる自動車用金属ベルトの製造方法およびそれによって得られた自動車用金属ベルトを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動車用金属ベルトの製造方法は、素材であるオーステナイト系ステンレス鋼板を所定の大きさのリング状としてリングを形成するリング形成工程と、上記リングをローラー圧延して無端ベルトとする圧延工程と、上記無端ベルトをフッ素系ガス雰囲気下で加熱保持するフッ化処理工程と、上記フッ化処理と同時期および/またはその後に、上記無端ベルトに対して浸炭処理を行ってその表層部に炭素を拡散浸透させて固溶強化した硬化層を形成する浸炭処理工程とを備えたことを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の自動車用金属ベルトは、オーステナイト系ステンレス鋼を素材とし、無端の帯状に形成された自動車用金属ベルトであって、表層部に炭素が拡散浸透して固溶強化された硬化層が形成されていることを要旨とする。
本発明の自動車用金属ベルトの製造方法は、無端ベルトをフッ素系ガス雰囲気下で加熱保持してフッ化処理を行い、上記フッ化処理と同時期および/またはその後に、上記無端ベルトに対して浸炭処理を行う。このとき、上記フッ化処理により、無端ベルトの表面が活性化されて表面にフッ化膜が形成され、炭素が侵入しやすい状態となる。そして、浸炭処理を行なうことにより、無端ベルトの表面から炭素が侵入固溶する。侵入固溶した炭素は、炭化物粒子をつくらずに母材表層部に拡散し、無端ベルトの表層部に炭素固溶層すなわち硬化層を形成する。
このように、表面に、炭素が拡散浸透して固溶強化した硬化層を形成するため、得られた自動車用金属ベルトは、優れた耐磨耗性と耐疲労性を確保できる。すなわち、従来の窒化処理のようにCrNのような脆い窒化物を形成して強化するのではなく、炭素を拡散浸透して固溶強化した硬化層により強化するため、窒化のような脆性を避けることができる。そして、炭素の固溶強化による硬化層は、比較的延性を有する特徴があることから、繰り返し応力の際の応力集中源となりうる脆性破壊を起こさず、疲労強度を大幅に向上することができる。
上記硬化層は、基相であるオーステナイト相中に、多量のC原子が侵入固溶して格子歪を起こした状態となっており、母材に比べて著しく硬度の向上を実現している。しかも、上記炭素原子は、母材中のクロムとCrやCr23等の炭化物をほとんど形成することなく結晶格子中に侵入固溶していることから、上記炭素固溶層中にはクロム炭化物粒子が実質的に存在せず、母材に固溶するクロム量を減少させることもない。
したがって、炭化物粒子が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。
また、上記のようにして浸炭処理を行なった自動車用金属ベルトは、表面粗度もほとんど悪化せず、膨れによる寸法変化や磁性も生じない。したがって、表面疵が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。しかも、上記浸炭処理で形成される炭素固溶層である硬化層は、母材と同程度の耐蝕性を維持することから、窒化品にくらべて耐食性も高く、表面腐食の発生も防止され、表面腐食が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。
本発明の自動車用金属ベルトの製造方法において、上記素材であるオーステナイト系ステンレス鋼は、準安定系オーステナイト系ステンレス鋼である場合には、常温の圧延加工によって加工誘起マルテンサイトの析出や加工硬化が生じ、母材が強化される。
また、本発明の自動車用金属ベルトは、オーステナイト系ステンレス鋼を素材とし、無端の帯状に形成され、表層部に炭素が拡散浸透して固溶強化された硬化層が形成されている。
このように、表層部に炭素が拡散浸透して固溶強化された硬化層が形成されているため、優れた耐磨耗性と耐疲労性を確保できる。しかも、従来の窒化処理のようにCrNのような脆い窒化物を形成して強化するのではなく、炭素を拡散浸透して固溶強化した硬化層により強化するため、窒化のような脆性を避けることができる。また、炭素の固溶強化による硬化層は、比較的延性を有する特徴があることから、繰り返し応力の際の応力集中源となりうる脆性破壊を起こさず、疲労強度を大幅に向上することができる。
上記硬化層は、基相であるオーステナイト相中に、多量のC原子が侵入固溶して格子歪を起こした状態となっており、母材に比べて著しく硬度の向上を実現している。しかも、上記炭素原子は、母材中のクロムとCrやCr23等の炭化物をほとんど形成することなく結晶格子中に侵入固溶していることから、上記炭素固溶層中にはクロム炭化物粒子が実質的に存在せず、母材に固溶するクロム量を減少させることもない。
したがって、炭化物粒子が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。
また、上記のようにして浸炭処理を行なった自動車用金属ベルトは、表面粗度もほとんど悪化せず、膨れによる寸法変化や磁性も生じない。したがって、表面疵が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。しかも、上記浸炭処理で形成される炭素固溶層である硬化層は、母材と同程度の耐蝕性を維持することから、窒化品にくらべて耐食性も高く、表面腐食の発生も防止され、表面腐食が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。
本発明の自動車用金属ベルトにおいて、上記硬化層の表面硬度は、Hv600以上である場合には、加工硬化では、せいぜいHv500程度に強化するのが精一杯であるが、表層部をそれ以上の硬度にすることにより、耐疲労性を大幅に向上させることができる。
本発明の自動車用金属ベルトにおいて、上記素材であるオーステナイト系ステンレス鋼は、準安定系オーステナイト系ステンレス鋼である場合には、常温の圧延加工によって加工誘起マルテンサイトの析出や加工硬化が生じ、母材が強化される。
本発明の自動車用金属ベルトにおいて、素材組織は、オーステナイト相と加工誘起マルテンサイト相とが混在した組織を呈している場合には、加工誘起マルテンサイトによる母材の強化により、引っ張り強度や疲労強度が一層向上する。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明の自動車用金属ベルトを示す。この自動車用金属ベルトは、無端状の金属帯から形成された無端リングが複数枚(約10枚程度)積層された2組の積層無端リングRと、上記積層無端リングRに取り付けられる多数(例えば約400枚程度)の金属ブロックBとから構成されている。このような自動車用金属ベルトは、無断変速機のプーリーに巻回され、高いテンションが加わった状態で高速回転し、回転駆動力を伝達する。
上記積層無端リングRを形成する無端リングは、図2に示すように、素材であるオーステナイト系ステンレス鋼板を所定の大きさのリング状としてリングを形成するリング形成工程と、上記リングをローラー圧延して無端ベルトとする圧延工程と、上記無端ベルトをフッ素系ガス雰囲気下で加熱保持するフッ化処理工程と、上記フッ化処理と同時期および/またはその後に、上記無端ベルトに対して浸炭処理を行ってその表層部に炭素を拡散浸透させて固溶強化した硬化層を形成する浸炭処理工程とを備えている。また、必要に応じて、圧延工程とフッ化処理工程との間に時効処理工程を介在させることもできる。
上記素材とするオーステナイト系ステンレス鋼は、例えば鉄分を50重量%以上含有し、クロム分を12重量%以上含有するとともにニッケルを含有するオーステナイト系ステンレス鋼があげられる。
具体的には、SUS304、SUS316等の18−8系ステンレス鋼材や、クロムを25重量%、ニッケルを20重量%含有するオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS309やSUS310S、さらに、クロム含有量が23重量%、モリブデンを2重量%含むオーステナイト−フェライト2相系ステンレス鋼等があげられる。また、ニッケルを19〜22重量%、クロムを20〜27重量%、炭素を0.25〜0.45重量%含むSCH21やSCH22等の耐熱鋼鋳鋼も本発明のオーステナイト系ステンレス鋼に含む趣旨である。さらに、クロムを20〜22重量%、ニッケルを3.25〜4.5重量%、マンガンを8〜10重量%、炭素を0.48〜0.58重量%含むSUH35や、クロムを13.5〜16重量%、ニッケルを24〜27重量%、モリブデンを1〜1.5重量%含むSUH660等の耐熱鋼も本発明のオーステナイト系ステンレス鋼として用いることができる。
上記オーステナイト系ステンレス鋼のなかでも、特に、18−8系ステンレスよりもニッケル量のやや低い準安定系オーステナイト系ステンレス鋼を用いることが好ましい。このような準安定系オーステナイト系ステンレス鋼としては、例えば、SUS301等の17−7系ステンレス鋼、よりニッケル量を少なくしたSUS202等の18−5−8Mn−N系ステンレス鋼、SUS201等の17−4−6Mn−N系ステンレス鋼、SUS301J等の17−8系ステンレス鋼、析出硬化性を付与したSUS631等の17−7PH系ステンレス鋼、SUS632等のPH15−7Mo系ステンレス鋼、SUS630等の17−4PH系ステンレス鋼等をあげることができる。素材として準安定系オーステナイトステンレスを用いることにより、後に行なう圧延加工を常温で行なうことにより、加工誘起マルテンサイトの析出や加工硬化が生じ、母材が強化され、引っ張り強度や疲労強度を向上させることができる。
まず、上記オーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼板を所定の大きさのリング状としてリングを形成するリング形成工程を行なう。
上記リング形成工程は、ステンレス鋼板を素材としてプレス成形により略皿状に成形するとともに、その底部を打ち抜いて所定の大きさのリングを成形する。あるいは、ステンレス鋼板の両端部を溶接して円筒状に形成し、この円筒を所定の幅で帯状に切断することによりリングを成形する。あらかじめ帯状に切断したものを溶接してリングを成形しても良い。
ついで、上記リングをローラー圧延して無端ベルトとする圧延工程を行なう。
上記圧延工程は、例えば図3に示すように、リング形成工程で成形したリングを一対のローラ20,21に掛装し、一方のローラ20をシリンダ(図示せず)等で所定の力Fで引っ張ってローラ20,21間隔を拡げるとともに、ローラ21に押圧用ローラ22を所定の圧力F′で押圧しながらローラ20、21、22を回転させ、リングを冷間で圧延し、無端ベルト10を形成する。この際の圧延加工率(板厚の縮小率)は10〜70%の範囲で可能であるが、40〜60%にすることが好ましい。
上記圧延工程は、素材であるオーステナイト系ステンレス鋼のMd点以下の温度で冷間圧延するのが好ましい。このようにすることにより、素材組織は、オーステナイト相と加工誘起マルテンサイト相とが混在した組織を呈することとなり、加工誘起マルテンサイトの析出と加工硬化との相乗効果によって母材が強化され、引っ張り強度や疲労強度が一層向上するからである。なお、Md点とは、オーステナイト系ステンレス鋼の塑性加工によってマルテンサイト化の起こる上限の温度をいい、鋼種によって決定される。上記準安定系オーステナイト系ステンレス鋼は、Md点が常温以上であるため、常温で圧延加工しても加工誘起マルテンサイトの析出と加工硬化とが生じ、引っ張り強度や疲労強度を向上させることができる。
上記圧延工程により圧延加工した無端ベルト10に対し、ラウンド処理により湾曲力を付与し、この後時効処理する場合には、通常350〜500℃で熱処理を行って無端ベルト10を時効硬化させる。
つぎに、上記無端ベルト10をフッ素系ガス雰囲気下で加熱保持してフッ化処理を行う。
ステンレス鋼から成形された無端ベルト10は、その表面が酸化膜で覆われており、浸炭処理時に炭素がステンレスの組織中へ浸透するのを阻害されて固溶層が形成され難いので、その前処理としてフッ化処理工程を行うのである。このフッ化処理工程は、無端ベルト10をフッ素系ガス雰囲気下で加熱状態で保持し、表面の酸化膜をフッ化膜に置換して活性化させる。
上記フッ化処理に用いられるフッ素系ガスとしては、NF,BF,CF,HF,SF,C,WF,CHF,SiF,ClF等からなるフッ素化合物ガスがあげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて使用される。
また、これらのガス以外にも、分子内にフッ素(F)を含むフッ素系ガスも本発明のフッ素系ガスとして用いることができる。また、このようなフッ素化合物ガスを熱分解装置で熱分解させて生成させたFガスや、あらかじめ作られたFガスも上記フッ素系ガスとして用いることができる。このようなフッ素化合物ガスとFガスとは、場合によって混合使用することができる。
これらのなかでも、本発明で使用するフッ素系ガスとして最も実用性を備えているのはNFである。上記NFは、常温においてガス状を呈し、化学的安定性が高く、取扱いが容易だからである。このようなNFガスは、通常、後述するように、Nガスと組み合わせて、所定の濃度範囲内で希釈して用いられる。
上記に例示された各種のフッ素系ガスは、それのみで用いることもできるが、通常はNガス等の不活性ガスで希釈されて使用される。このような希釈されたガスにおけるフッ素系ガス自身の濃度は、例えば、容量基準で10000〜100000ppmであり、好ましくは20000〜70000ppm、より好ましくは、30000〜50000ppmである。
上記フッ素系ガスを雰囲気ガスとして用いたフッ化処理は、後述するようなマッフル炉等の雰囲気加熱炉を使用し、炉内に無端ベルト10を装入し、上記濃度のフッ素系ガス雰囲気下において加熱状態で保持することにより行なわれる。
このときの、加熱保持は、無端ベルト10自体を、例えば、180〜600℃、好適には200〜450℃、より好適には200〜350℃の温度に保持することによって行われる。上記フッ素系ガス雰囲気中での上記無端ベルト10の保持時間は、通常は、10数分〜数時間に設定される。無端ベルト10をこのようなフッ素系ガス雰囲気下で加熱処理することにより、無端ベルト10の表面に形成された、Crを含む不働態皮膜がフッ化膜に変化する。このフッ化膜は、不働態皮膜に比べ、浸炭に用いる炭素原子の浸透を容易にし、無端ベルト10の表面は、上記フッ化処理によって炭素原子の浸透の容易な表面状態になるものと考えられる。
つぎに、上記フッ化処理と同時期またはその後に、上記無端ベルト10に対して浸炭処理を行う。
浸炭処理は上記無端ベルト10自体をA変態点以下、好ましくは680℃以下の浸炭処理温度に加熱し、CO+Hからなる浸炭用ガス、または、RXガス〔CO23容量%,CO1容量%,H31容量%,HO1容量%,残部N〕+COからなる浸炭用ガス等を用い、炉内を浸炭用ガス雰囲気にして行われる。この浸炭用ガス雰囲気に、必要に応じてプロパンガス等の炭素源ガスをエンリッチすることもできる。
このように、本発明では、浸炭処理を従来公知の浸炭処理に比べて極めて低い温度領域で行うのである。この場合、上記CO+Hの比率は、CO2〜10容量%、H30〜90容量%が好ましく、RX+COは、RXが80〜90容量%、COが3〜7容量%の割合が好ましい。また、浸炭に用いるガスは、CO+CO+Hも用いられる。この場合、それぞれの比率は、CO5〜55容量%、CO1〜3容量%、H50〜95容量%の割合が好適である。
上記浸炭処理の際の加熱温度すなわち浸炭処理温度としては、680℃以下すなわち400〜680℃の温度が好適である。浸炭処理温度が680℃を超えると、無端ベルト10の母材自体の軟化が生じやすくなるうえ、浸炭された炭素原子が母材に固溶したクロムと結合してクロム炭化物を生じ、母材自体に含まれるクロム量を減少させて表層部の耐蝕性が大幅に低下するうえ、浸炭層に侵入固溶した状態で存在する炭素量が減少し、所望の表面硬度が得られなくなるからである。また、加工誘起マルテンサイトと加工硬化によって強化された素材自身も軟化し、引っ張り強度や疲労強度を低下させてしまうからである。
同様の理由により、上記浸炭処理温度としてより好適なのは400〜600℃の温度範囲であり、さらに好適なのは400〜550℃、もっと好適なのは450〜500℃の温度範囲である。本発明においては、上記フッ化処理を行なうことにより、このような極めて低温における浸炭処理が可能となり、浸炭処理中にクロム炭化物粒子をほとんど生成させずに母材中に炭素を侵入固溶すなわち拡散浸透させ、表層部に固溶強化による硬化層を形成する。そして、加工誘起マルテンサイトと加工硬化によって強化された素材自身の軟化を防止し、引っ張り強度や疲労強度を確保できる。
このように処理することにより、無端ベルト10の表層部に炭素が拡散浸透した炭素固溶層である硬化層が深く均一に形成される。この硬化層は、基相であるオーステナイト相中に、多量のC原子が侵入固溶して格子歪を起こした状態となっており、母材に比べて著しく硬度の向上を実現している。しかも、上記炭素原子は、母材中のクロムとCrやCr23等の炭化物をほとんど形成することなく結晶格子中に侵入固溶していることから、上記炭素固溶層中にはクロム炭化物粒子が実質的に存在せず、母材に固溶するクロム量を減少させることもないことから、母材と同程度の耐蝕性を維持できるうえ、炭化物粒子が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。
また、上記のようにして浸炭処理を行なった無端ベルト10は、表面粗度もほとんど悪化せず、膨れによる寸法変化や磁性も生じない。したがって、表面疵が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。しかも、上記浸炭処理で形成される炭素固溶層である硬化層は、母材と同程度の耐蝕性を維持することから、窒化品にくらべて耐食性も高く、表面腐食の発生も防止され、表面腐食が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。
上記のようなフッ化処理および浸炭処理は、例えば、図4に示すような金属製のマッフル炉1で行うことができる。すなわち、このマッフル炉1内において、まずフッ化処理をし、このフッ化処理と同時期もしくはその後に浸炭処理を行う。フッ化処理と同時期もしくはその後に浸炭処理を行うというのは、例えば、フッ化処理の開始と同時に浸炭処理を開始してもよいし、まずフッ化処理だけを開始してフッ化処理の終了を待たずに浸炭処理を開始してもよいし、あるいは、フッ化処理を終了してから浸炭処理を開始してもよい趣旨である。
図4において、1はマッフル炉であり、外殻2と、内部が処理室に形成された内容器4と、上記内容器4と外殻2の間に設けられたヒータ3とを備えている。上記内容器4内には、ガス導入管5および排気管6が連通している。上記ガス導入管5には、浸炭ガスであるH,COが充填されたボンベ15、およびフッ化処理ガスであるN+NF,COが充填されたボンベ16が連通している。17は流量計、18はバルブである。
また、上記排気管6には、排ガス処理装置14および真空ポンプ13が接続されている。これにより、内容器4内の処理室内に処理ガスを導入して排出するようになっている。上記処理室内には処理ガスを攪拌するモーター7付きのファン8が設けられている。11はワークである無端ベルト10が装入されるかごである。
このマッフル炉1内に、例えば無端ベルト10を入れ、ボンベ16を流路に接続しNF等のフッ素系ガスをマッフル炉1内に導入して加熱しながらフッ化処理をし、ついで排気管6からそのガスを真空ポンプ13の作用で引き出し、排ガス処理装置14内で無毒化して外部に放出する。ついで、ボンベ15を流路に接続しマッフル炉1内に先に述べた浸炭用ガスを導入して浸炭処理を行い、その後、排気管6、排ガス処理装置14を経由してガスを外部に排出する。この一連の作業によりフッ化処理と浸炭処理が行なわれる。
このようにしてフッ化処理と浸炭処理を行なうことにより、無端ベルト10の表層部に、炭素固溶層である硬化層が形成される。
上記フッ化処理および浸炭処理によって形成される炭素固溶層である硬化層の深さは、5μm以上に設定するのが好適である。また、積層状態でない1枚の無端ベルト10の厚みに対する硬化層の深さは、5%以上に設定するのが好適である。このようにすることにより、所望の疲労強度を得ることができるからである。上記1枚の無端ベルト10の厚みに対する硬化層の深さは、7%以上がより好適であり、10%以上であれば一層好適である。
上記フッ化処理および浸炭処理によって形成される炭素固溶層すなわち硬化層の表面硬度は、Hv600以上とするのが好適である。これにより、加工硬化では、せいぜいHv500程度に強化するのが精一杯であるが、表層部をそれ以上の硬度にすることにより、耐疲労性を大幅に向上させることができる。上記表面硬度としては、Hv700以上であればより好適であり、Hv800以上であればより好適であり、Hv900以上であれば一層好適である。
上記浸炭処理において、浸炭処理の温度が高くなり、特に450℃を越えると、たとえわずかでもCr23等の炭化物が硬化層の表面に析出するという現象が生じる。しかし、このような場合でも、その浸炭処理品である無端ベルト10をHF−HNO,HCl−HNO等の強酸に浸漬して酸洗処理を行なうことにより、表面の析出物が除去され、母材なみの耐蝕性と、ビッカース硬度Hv850以上の高い表面硬度とを保持することができる。このように、本発明は、浸炭後の酸洗処理等によって表面のわずかの析出物を除去する場合を含む趣旨である。また、表面の析出物を除去しうる処理であれば、ショットブラストや乾式・湿式の各種バレル研磨等の機械的な除去法を採用することもできる。
上記のようなショットブラスト等の機械式研磨は、表面に析出した炭化物を除去する目的だけではなく、浸炭処理でスーチングが生じた際の表面のすすの除去等の目的でも行なわれる。
そして、浸炭処理後に、バレル研磨処理やショットピーニング処理等を施し、複数の無端リング10を積層状に重ね合わせて金属製多層ベルトRを形成する。このようにして形成された金属製多層ベルトRは、きわめて高い耐摩耗性及び耐疲労強度を有することになる。
このように、上記自動車等金属ベルトの製造方法では、表面に、炭素が拡散浸透して固溶強化した硬化層を形成する。
そして、上記製造方法によって得られた自動車用金属ベルトは、オーステナイト系ステンレス鋼を素材とし、無端の帯状に形成され、表層部に炭素が拡散浸透して固溶強化された硬化層が形成されている。また、素材組織は、オーステナイト相と加工誘起マルテンサイト相とが混在した組織を呈し、上記硬化層すなわち炭素固溶層は、主としてオーステナイト相に炭素が侵入固溶することにより形成される。
このように、表層部に炭素が拡散浸透して固溶強化された硬化層が形成されているため、優れた耐磨耗性と耐疲労性を確保できる。しかも、従来の窒化処理のようにCrNのような脆い窒化物を形成して強化するのではなく、炭素を拡散浸透して固溶強化した硬化層により強化するため、窒化のような脆性を避けることができる。また、炭素の固溶強化による硬化層は、比較的延性を有する特徴があることから、繰り返し応力の際の応力集中源となりうる脆性破壊を起こさず、疲労強度を大幅に向上することができる。
つぎに、実施例について説明する。
下記の表1に示す条件で本発明の自動車用金属ベルトの無端ベルトを製造した。下記の実施例でのフッ化処理雰囲気は、10容量%NF+残部Nであり、浸炭処理雰囲気は、CO:40容量%+H40容量%+残部Nとした。
Figure 2005036278
上記実施例1の表面からの深さ方向の硬度分布を測定した結果を図5に示し、断面組織を図6に示す。同様に、実施例2の硬度分布および断面組織をそれぞれ図7および図8に、実施例3の硬度分布を図9に、実施例4の硬度分布を図10に示す。
図5〜10からわかるとおり、実施例1は、Hv1144の表面硬度で、硬化層の深さは約17μmであった。実施例2は、Hv1184の表面硬度で、硬化層の深さは約14μmであった。実施例3は、Hv836の表面硬度で、硬化層の深さは約28μmであった。実施例4は、Hv980の表面硬度で、硬化層の深さは約20μmであった。
つぎに、図11に示したように、実施例1〜4の無端ベルトを2つのローラに巻回し、引張り荷重:5000N、回転速度:1000rpmで回転させ、各無端ベルトの疲労強度を調査した。
各実施例の無端ベルトの破断するまでの曲げ回数に関し、下記に示す結果が得られた。比較例として通常の窒化処理品についの疲労強度を測定した。この結果からわかるとおり、実施例の無端ベルトは比較例に比べて優れた疲労強度を発揮することがわかる。
実施例1:10回以上
実施例2:10回以上
実施例3:10回以上
実施例4:10回以上
比較例 :10
以上のように、本発明によれば、表面に、炭素が拡散浸透して固溶強化した硬化層を形成するため、得られた自動車用金属ベルトは、優れた耐磨耗性と耐疲労性を確保できる。すなわち、従来の窒化処理のようにCrNのような脆い窒化物を形成して強化するのではなく、炭素を拡散浸透して固溶強化した硬化層により強化するため、窒化のような脆性を避けることができる。そして、炭素の固溶強化による硬化層は、比較的延性を有する特徴があることから、繰り返し応力の際の応力集中源となりうる脆性破壊を起こさず、疲労強度を大幅に向上することができる。
上記硬化層は、基相であるオーステナイト相中に、多量のC原子が侵入固溶して格子歪を起こした状態となっており、母材に比べて著しく硬度の向上を実現している。しかも、上記炭素原子は、母材中のクロムとCrやCr23等の炭化物をほとんど形成することなく結晶格子中に侵入固溶していることから、上記炭素固溶層中にはクロム炭化物粒子が実質的に存在せず、母材に固溶するクロム量を減少させることもない。
したがって、炭化物粒子が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。
また、上記のようにして浸炭処理を行なった自動車用金属ベルトは、表面粗度もほとんど悪化せず、膨れによる寸法変化や磁性も生じない。したがって、表面疵が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。しかも、上記浸炭処理で形成される炭素固溶層である硬化層は、母材と同程度の耐蝕性を維持することから、窒化品にくらべて耐食性も高く、表面腐食の発生も防止され、表面腐食が応力集中源となって繰り返し応力による破壊の起点になることがほとんどなくなり、疲労強度の向上にとって極めて有利である。
本発明の自動車用金属ベルトを示す斜視図である。 本発明の自動車用金属ベルトの製造方法を示す工程図である。 圧延工程を示す概略図である。 フッ化処理および浸炭処理を行なう炉を示す図である。 実施例1の断面硬度分布の測定結果である。 実施例1の表層部組織写真である。 実施例2の断面硬度分布の測定結果である。 実施例2の表層部組織写真である。 実施例3の断面硬度分布の測定結果である。 実施例4の断面硬度分布の測定結果である。 疲労試験方法を示す概略図である。
符号の説明
1 マッフル炉
2 外殻
3 ヒータ
4 内容器
5 ガス導入管
6 排気管
7 モーター
8 ファン
10 無端ベルト
11 かご
13 真空ポンプ
14 排ガス処理装置
15 ボンベ
16 ボンベ
17 流量計
18 バルブ
20 ローラ
21 ローラ
22 押圧用ローラ

Claims (6)

  1. 素材であるオーステナイト系ステンレス鋼板を所定の大きさのリング状としてリングを形成するリング形成工程と、上記リングをローラー圧延して無端ベルトとする圧延工程と、上記無端ベルトをフッ素系ガス雰囲気下で加熱保持するフッ化処理工程と、上記フッ化処理と同時期および/またはその後に、上記無端ベルトに対して浸炭処理を行ってその表層部に炭素を拡散浸透させて固溶強化した硬化層を形成する浸炭処理工程とを備えたことを特徴とする自動車用金属ベルトの製造方法。
  2. 上記素材であるオーステナイト系ステンレス鋼は、準安定系オーステナイト系ステンレス鋼である請求項1記載の自動車用金属ベルトの製造方法。
  3. オーステナイト系ステンレス鋼を素材とし、無端の帯状に形成された自動車用金属ベルトであって、表層部に炭素が拡散浸透して固溶強化された硬化層が形成されていることを特徴とする自動車用金属ベルト。
  4. 上記硬化層の表面硬度は、Hv600以上である請求項3記載の自動車用金属ベルト。
  5. 上記素材であるオーステナイト系ステンレス鋼は、準安定系オーステナイト系ステンレス鋼である請求項3または4記載の自動車用金属ベルト。
  6. 素材組織は、オーステナイト相と加工誘起マルテンサイト相とが混在した組織を呈している請求項3〜5のいずれか一項に記載の自動車用金属ベルト。
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