JP3064909B2 - 浸炭硬化食器類およびその製法 - Google Patents
浸炭硬化食器類およびその製法Info
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Description
い表面硬度の双方を備えた浸炭硬化食器類およびその製
法に関するものである。
度に嫌うことから、従来から、耐蝕性を向上させるた
め、Niメッキや金メッキなどの湿式メッキ、あるい
は、PVD(物理蒸着法)等によるTiNコーティング
等の硬質メッキが施されることが多かった。ところが、
これらのコーティング方法では、上記メッキ皮膜やコー
ティング皮膜の密着性が低いことから、皮膜剥離を起こ
しやすく、食器類の寿命が短くなるという問題がある。
また、ステンレスらしい本来の質感が失われて見栄えが
悪いという問題もある。そこで、耐蝕性の良いオーステ
ナイト系ステンレス材を、上記のようなメッキ等を施さ
ずにそのまま用いた食器類が多くなってきている。
ようなオーステナイト系ステンレス材をそのまま用いた
食器類は、耐蝕性に富んでおり錆にくい反面、表面剛性
に欠けることから、製品表面に引っかき傷や打撲傷が付
きやすく、それらが目立って外観品質が早期に低下する
という欠点を有している。
用いた食器類について、窒化等のような浸透硬化処理を
適用することも検討されている。このうち、窒化処理
は、オーステナイト系ステンレス材の表面から、内部に
窒素原子を拡散浸透させて、その表面層を硬質窒化層に
形成するという方法である。この方法では、製品の表面
硬度は向上するものの、肝心の耐蝕性が低下するという
大きな問題がある。そのうえ、磁性を帯びたり、製品の
表面粗度が悪くなるという難点もある。このように、窒
化によって耐蝕性が低下するのは、窒化層中において、
オーステナイト系ステンレス材自体に固溶するクロム原
子(このクロム原子によって耐蝕性の向上が実現され
る)が、窒化により、CrN,Cr2 N等のクロム窒化
物となって消費され、母材中の固溶量が減少することに
よるものと考えられる。また、このような窒化物の生成
により、表面が膨れたり、表面粗度が悪くなる等の問題
が生じる。これらのような問題から、オーステナイト系
ステンレス材の食器類について、窒化処理は適用されて
いないのが実情である。
て、浸炭法が存在する。従来の浸炭法は、金属材の表面
を、炭素分を含有する浸炭性ガスと接触させ、表面層中
に炭素原子を拡散浸透させ、硬質な浸炭層を形成すると
いうものである。このような浸炭法においては、炭素原
子の浸透性と固溶限度を考慮し、一般に鉄のA1 変態点
である700℃以上の温度で浸炭処理が行われる。しか
し、通常、ステンレスのように高濃度のクロムを含有す
る金属を700℃以上の高温で浸炭すると、Cr
23C6 ,Cr7 C3 等のような熱力学的に安定なクロム
炭化物が、粒界や積層欠陥に多量に析出することが知ら
れている。これらの炭化物が析出すると、母材中に固溶
するクロム量が減少して耐蝕性がはなはだしく低下す
る。さらに、鉄の再結晶温度をはるかに越えた温度(鉄
の再結晶温度は略450℃)に長時間保持されることと
なり、母材が軟化して材料の芯部の強度も著しく低下す
るうえ、析出したクロム炭化物も粗大化するため、浸炭
層の硬度は一般的に低く、せいぜい表面硬度でHv60
0〜650程度のものしか得られない。
化やクロム炭化物の粗大化を防止するため、例えば、浸
炭温度を500℃以下に設定した場合には、オーステナ
イト系ステンレス材の表面に形成されている不働態酸化
皮膜の存在により、N,C等の浸入型固溶元素の浸透が
困難で、充分な硬化層を得ることができないという問題
がある。また、上記のような低温度域においては、炭素
源ガスとして使用されるCOが、〔2CO→C+C
O2 〕の反応(いわゆる、ブードアー反応)を生じるた
め、炉内に多量のカーボンが析出するという問題があ
る。一方、グロー放電を利用したイオン窒化法によれ
ば、400〜700℃の広い温度範囲で処理が行われる
ため、強固な不働態酸化皮膜を有するオーステナイト系
ステンレス材でも窒化は可能であるが、上記のような浸
炭処理の場合には、500℃以下という低温度域では、
析出したカーボンにより炉内が汚染されるため、放電作
用が不調となって実用的には処理不可能である。これら
のような理由から、オーステナイト系ステンレス材の食
器類に対して浸炭処理を行うという技術の適用は考慮さ
れていない。
硬度の高い食器類は開発されていないのが実情である。
もので、オーステナイト系金属本来の耐蝕性を失わず、
かつ、高い表面硬度を有する浸炭硬化食器類およびその
製法の提供をその目的とする。
め、本発明は、母材が、オーステナイト系金属からなる
食器類であって、浸炭処理後の最表層の黒色酸化異常層
を取り除いて得られる表面から10〜50μmの深さの
表面層が炭素原子の浸入によって硬化して浸炭硬化層に
形成され、この浸炭硬化層中には粗大クロム炭化物粒子
が存在していない浸炭硬化食器類を第1の要旨とし、オ
ーステナイト系金属からなる材料を、所定の食器類の形
状に成形加工し、フッ素系ガス雰囲気下で加熱状態で保
持することによりフッ化処理し、ついで一酸化炭素を含
む浸炭性ガス雰囲気下に加熱状態で保持して浸炭処理す
ることにより表面に浸炭硬化層を形成し、浸炭処理後の
最表層の黒色酸化異常層を取り除く浸炭硬化食器類の製
法を第2の要旨とし、オーステナイト系金属からなる材
料を、所定の食器類の形状に成形加工し、フッ素系ガス
雰囲気下で加熱状態で保持することによりフッ化処理
し、ついでNH 3 を含むガス雰囲気下で加熱状態で保持
し、そののち一酸化炭素を含む浸炭性ガス雰囲気下に加
熱状態で保持して浸炭処理することにより表面に浸炭硬
化層を形成する浸炭硬化食器類の製法を第3の要旨とす
る。
する表面硬度を向上させるため、一連の研究を重ねる過
程で、浸炭処理に際し、フッ素系ガスで前処理すると、
オーステナイト系ステンレス等のオーステナイト系金属
に対し、鋼のA1 変態点以下の低温での浸炭処理が可能
になるのではないかと着想し、これに基づき一連の研究
を重ねた。この研究の過程で、前記の着想のように、浸
炭処理に先立ち、または、浸炭処理と同時に、フッ素系
ガスで処理すると、オーステナイト系金属表面の不働態
酸化皮膜がフッ化膜に変換され、従来、不可能視されて
いた低温域での浸炭処理が可能になるのである。そし
て、その浸炭処理の温度も従来のような700℃以上の
温度ではなく500℃以下の温度にすると、形成される
浸炭硬化層中には粗大クロム炭化物粒子が存在しなくな
ることを見いだした。さらに、炭素の浸入固溶により、
浸炭硬化層にはオーステナイト相の結晶格子に大きな歪
みが生じ、浸炭層の硬度が非常に高くなることを突き止
めた。そして、食器類をオーステナイト系金属により形
成し、上記のような処理を施すことにより、その表面か
ら10〜50μmの深さの表面層が浸炭硬化層に形成さ
れ、しかも、オーステナイト系金属自体の有する耐蝕性
が殆ど損なわれないことを見いだし、本発明に到達し
た。このようにして得られた浸炭硬化食器類は、表面層
が硬質で耐蝕性に優れ、しかも、従来のように表面が膨
れたり、表面粗度が悪くなる等の難点もない。
物粒子が存在していないとは、金属材料の結晶構造解析
に一般に使用されるX線回折計(X−Ray Diff
raction meter)によって、Cr23C6 ,
Cr7 C3 ,Cr3 C2 等の結晶質のクロム炭化物が確
認できない状態をいう。すなわち、オーステナイト系金
属の基相であるオーステナイト相(γ−相)は、その結
晶構造が面心立方格子で格子定数がa=3.59Åであ
ることから、X線回折により特定の回折ピークが得られ
る。これに対し、Cr23C6 は、同じ面心立方格子であ
っても、格子定数がa=10.6Åであり、Cr7 C3
は、三方晶で格子定数がa=14.0Å,c=4.53
Åであり、Cr3 C2 は、斜方晶で格子定数がa=5.
53Å,b=2.821Å,c=11.49Åである。
このように、これらのクロム炭化物は、上記オーステナ
イト相とは結晶構造や格子定数が異なるため、上記オー
ステナイト相で得られるX線回折ピークとは異なるX線
回折ピークを生じる。したがって、浸炭硬化層に粗大ク
ロム炭化物粒子が存在すると、X線回折によってオース
テナイト相単相の場合には見られないクロム炭化物のX
線回折ピークが現出することになる。一方、本発明にお
ける浸炭硬化層は、母材の格子原子の間に炭素原子が侵
入固溶することによりクロム炭化物を形成せず母材同様
のオーステナイト相から形成されている。また、上記炭
素原子の侵入固溶によっては、クロム炭化物だけでな
く、他の鉄系の粗大炭化物粒子も形成されない。このた
め、X線回折によってもクロム炭化物等の炭化物のX線
回折ピークが現れないのである。ここで、上記粗大クロ
ム炭化物粒子および粗大炭化物粒子とは、通常、粒径が
0.1〜5μmの粒状のものをいうが、これより微細な
クロム炭化物等の炭化物であれば、浸炭硬化層中に含有
されていたとしても表面硬度や耐食性の向上等の効果に
は支障がなく、X線回折によってもクロム炭化物等の炭
化物のX線回折ピークは現れない。すなわち、本発明に
おいて粗大クロム炭化物粒子が存在していないとは、粒
径が0.1μm以下の超微細なクロム炭化物等の炭化物
が含有されたものを含むものとする。
オーステナイト系金属が、クロムを15〜25重量%含
有するオーステナイト系ステンレスである場合には、常
温での冷間加工によっても、オーステナイト相が安定で
あり、各種形状に加工した後においても炭素原子が侵入
固溶して起こる格子歪みによる硬化作用が充分得られ
る。さらに、オーステナイト系金属が、モリブデンを
1.5〜4重量%含有するオーステナイト系ステンレス
である場合には、浸炭による耐蝕性の低下が一層小さく
なるという効果が得られるようになる。また、上記浸炭
硬化層中の最大炭素濃度を、1.2〜2.6重量%にし
た場合には、オーステナイト相の格子歪みがさらに大き
くなり、表面硬度が一層高くなる。なお、フッ化処理終
了後、浸炭処理の前に、中間処理としてNH3 を含むガ
ス雰囲気下で加熱保持した場合には、浸炭硬化層の形成
が安定化する。
いて詳しく説明する。
された食器類に対して、フッ素系ガスを用いフッ化処理
したのち、浸炭処理を施すことにより、その表面に浸炭
硬化層を形成するものである。
フ,フォーク,スプーン,皿,ディナーセット等の金属
洋食器だけでなく、鍋類,ボウル,ターナー等の調理器
具、あるいは、バーベキューセット等の野外用調理器具
等各種のものがあげられる。これらの食器類には、オー
ステナイト系ステンレス材等のオーステナイト系金属材
料が多く使用されている。
ステナイト系ステンレス、例えば鉄分を50重量%(以
下「wt%」と略す)以上含有し、クロム分を10wt
%以上含有するオーステナイト系ステンレス等が挙げら
れる。具体的には、SUS316、SUS304等の1
8−8系ステンレス材や、クロムを23wt%、ニッケ
ルを13wt%含有するオーステナイト系ステンレスで
あるSUS310や309、さらに、クロム含有量が2
3wt%、モリブデンを2wt%含むオーステナイト−
フェライト2相系ステンレス材等が挙げられる。さら
に、耐熱鋼であるインコロイ(Ni30〜45wt%−
Cr10wt%以上,残部Fe等)も含まれる。また、
上記オーステナイト系金属には、ニッケル45wt%以
上、クロム20wt%、鉄30wt%、その他モリブデ
ン等を含むニッケル基合金も含まれる。このように、本
発明においてオーステナイト系金属とは、常温で実質的
(実質的とは、60wt%以上がオーステナイト相を有
することをいう)に、オーステナイト相を呈する全ての
金属を意味し、従って、ニッケルをオーステナイト安定
化元素であるマンガンで置換したような、Fe−Cr−
Mn系金属も含まれる。これらの中でも、浸炭硬化層深
さの点と素材価格の点からは、Ni含有量の出来るだけ
小さい安定型ステンレスが望ましいが、耐蝕性の観点か
らは、Ni含有量が多く、しかも、有価元素であるMo
を1.5〜4wt%程度までの範囲で含有するステンレ
スが望ましい。また、最も好適な金属としては、クロム
含有量が15〜25wt%で、常温の加工によってもオ
ーステナイト相の安定な安定型ステンレスであり、前述
したようにこの安定型ステンレスに1.5〜4wt%の
Moを添加したものが最も好適である。
属により形成された食器類に対し、浸炭処理に先立っ
て、フッ素系ガス雰囲気下でフッ化処理が行われる。な
お、このフッ化処理は浸炭処理と同時に行ってもよい。
このフッ化処理には、フッ素系ガスが用いられる。上記
フッ素系ガスとしては、NF3 ,CF4 ,SF4 ,C2
F6 ,BF3 ,CHF3 ,HF,SF6 ,WF6 ,Si
F4 ,ClF3 等からなるフッ素化合物ガスが挙げら
れ、これらは、単独でもしくは2種以上併せて使用され
る。また、これらのガス以外に、分子内にフッ素〔F〕
を含む他のフッ素系ガスも上記フッ素系ガスとして用い
ることができる。また、このようなフッ素化合物ガスを
熱分解装置で熱分解させて生成させたF2 ガスや、あら
かじめ作られたF2 ガスも上記フッ素系ガスとして用い
ることができる。このようなフッ素化合物ガスとF2 ガ
スとは、場合によって混合使用される。そして、上記フ
ッ素化合物ガス,F2 ガス等のフッ素系ガスは、それの
みで用いることもできるが、通常はN2 ガス等の不活性
ガスで希釈されて使用される。このような希釈されたガ
スにおけるフッ素系ガス自身の濃度は、容量基準で、例
えば、10000〜100000ppmであり、好まし
くは20000〜70000ppm、より好ましくは、
30000〜50000ppmである。このフッ素系ガ
スとして最も実用性を備えているのはNF3 である。上
記NF3 は、常温でガス状であり、化学的安定性が高
く、取扱いが容易である。このようなNF3 ガスは、通
常、上記N2ガスと組み合わせて、上記の濃度範囲内で
用いられる。
と、本発明では、まず、オーステナイト系金属を所定の
形状に加工した食器類を未処理のまま炉内に入れ、上記
濃度のフッ素系ガス雰囲気下に、加熱状態で保持し、フ
ッ化処理する。この場合、加熱温度は、250〜600
℃、好適には、300〜500℃の温度範囲で行われ
る。上記フッ素系ガス雰囲気中での上記食器類の保持時
間は、通常は、10数分〜数10分に設定される。上記
食器類をこのようなフッ素系ガス雰囲気下で処理するこ
とにより、その表面に形成されたCr2 O3 を含む不働
態皮膜がフッ化膜に変化する。このフッ化膜は、上記不
働態皮膜に比べ、浸炭の際の炭素原子の浸透を容易にす
ると予想され、食器類の表面は、上記フッ化処理によっ
て炭素原子の浸透の容易な表面状態になるものと推測さ
れる。
後、浸炭処理を行う。浸炭処理は上記食器類を400〜
500℃の温度、好適には400〜480℃の温度に加
熱し、炉内を浸炭用ガス雰囲気にして行われる。浸炭温
度を上記のように低い温度範囲に設定することにより、
浸炭層中にCr23C6 等の結晶質のクロム炭化物が析出
せず、母材中のクロム原子が消費されないため、浸炭硬
化層の耐蝕性が維持される。また、低温度域での処理で
あるため、炭化物の粗大化も起こらず、しかも、母材芯
部の軟化による強度低下も少ない。上記浸炭用ガスとし
ては、炭素源ガスとしてCOを用い、通常、このCOと
H2 ,CO2 ,N2 の混合ガスの形で使用される。この
浸炭性ガスの浸炭能力(カーボンポテンシャル:P
C 値)は、通常、雰囲気中のCOおよびCO2 の分圧値
PCO,PCO2 を用いて下記の式で表される。このPC 値
が大きいと、浸炭能力が大きくなり、表面炭素濃度が高
くなって表面硬度が高くなるが、炉内のすすの発生が多
くなる。それとは反対に、上記PC 値が小さいと浸炭能
力が小さくなり、表面炭素濃度が低くなって表面硬度は
低くなる。また、上記PC 値は、一定の限界点以上に設
定したとしても、形成される浸炭硬化層の表面硬度には
限界があることも判明している。
ナイト系金属から形成された食器類の表面に「炭素」の
拡散浸透層(浸炭硬化層)が均一に形成される。この浸
炭硬化層には、Cr23C6 ,Cr7 C3 ,Cr3 C2 等
のような結晶質のクロム炭化物は生成されず、T.E.
M.(透過型電子顕微鏡)での観察によれば、粒径0.
1μm以下の極めて微細な金属の炭化物が認められるの
みである。また、この超微細炭化物は、T.E.M.の
スペクトル分析によれば、母材と同一の化学組成を有し
ており、格別にCrとCが結合した結晶質の炭化物で構
成されていない。さらに、上記浸炭硬化層は、炭素原子
が母材格子中に侵入固溶してクロム炭化物を形成せず母
材同様のオーステナイト相から形成されている。この多
量の炭素原子の浸入固溶により浸炭硬化層は大きな格子
歪を起こしている。上記微細炭化物と格子歪みとの複合
効果により、浸炭硬化層の硬度の向上を実現し、マイク
ロビッカース硬度でHv700〜1050という高硬度
が得られる。しかも、結晶質のクロム炭化物が生成せ
ず、母材中のクロム原子を消費しないことから、耐蝕性
も未処理材と同程度を維持している。また、浸炭処理し
た後の食器類の表面には、最表層に極薄い酸化異常層が
形成されるため、黒色を呈するが、機械的研磨加工ある
いは酸洗等の仕上げ処理により、上記酸化異常層を取り
除くことにより、未処理材と変わらないステンレス特有
の金属光沢のある表面外観を得ることができる。そし
て、この浸炭硬化層は、JIS 2371による塩水噴
霧試験(SST)で、2000時間以上全く発錆しない
という優れた耐蝕性を示す。
は、例えば、図1に示すような金属製のマッフル炉で行
われる。すなわち、このマッフル炉内において、まずフ
ッ化処理をし、ついで浸炭処理を行う。図1において、
1はマッフル炉、2はその外殻、3はヒータ、4は内容
器、5はガス導入管、6は排気管、7はモーター、8は
ファン、11は金網製のかご、13は真空ポンプ、14
は排ガス処理装置、15,16はボンベ、17は流量
計、18はバルブである。上記炉1内に、例えばオース
テナイト系ステンレス材からなる食器類10を入れ、ボ
ンベ16を流路に接続しNF3 等のフッ素系ガスを炉1
内に導入して加熱しながらフッ化処理をし、ついで排気
管6からそのガスを真空ポンプ13の作用で引き出し排
ガス処理装置14内で無毒化して外部に放出する。つぎ
に、ボンベ15を流路に接続し炉1内に先に述べた浸炭
用ガスを導入して浸炭処理を行い、その後、排気管6、
排ガス処理装置14を経由してガスを外部に排出する。
この一連の作業によりフッ化処理と浸炭処理がなされ
る。また、浸炭処理の後には、適宜バーンアウト等を行
い、炉内に析出したカーボン等を除去することが行われ
る。なお、処理に使用する炉は、図1に示すような1室
型の炉だけでなく、フッ化処理と浸炭処理とを別室で行
う2室型の炉を用いてもよい。
調査するため、食器類の原材料に使用するのと同一のS
US316材の板状ピース(b)を、本発明の処理方法
により処理を行い、X線回折に供した。すなわち、上記
板状ピース(b)を炉内に入れ、NF3 +N2 (NF3
3容量%(以下「vol%」と称す),N2 97vol
%)のフッ素系ガス雰囲気下において、350℃で10
分間フッ化処理し、ついで、上記フッ素系ガスを炉から
排出したのち、浸炭性ガス(CO20vol%+CO2
2vol%+H2 40vol%混合ガス,残部N2 )を
炉内に導入し、480℃で16時間保持し、浸炭処理を
行った。また、上記板状ピース(b)との比較用ピース
として、未処理材ピース(a)および浸炭処理温度を6
00℃として硬化層を形成させたピース(c)を作製し
た。上記3種類のピース(a)(b)(c)のX線回折
結果を図2に示す。600℃で処理したピース〔図2
(c)〕には、Cr23C6 ,Mo2Cのような通常予想
される炭化物の回折線が認められるが、本発明による4
80℃で浸炭処理したピース〔図2(b)〕には、上記
のような炭化物のピークはなく、結晶質のクロム炭化物
が生成していないことがわかる。したがって、母材中に
残存するクロム成分が多く、耐蝕性が高いものとみられ
る。
子の浸入固溶によるオーステナイト相の格子歪み発生に
起因することが考えられる。これは、480℃での浸炭
処理品〔図2(b)〕の基相であるオーステナイト相の
ピーク位置は、未処理材〔図2(a)〕のそれと比べ著
しく低角側(左側)にシフトしていることから、浸炭処
理したピース〔図2(b)〕には、大きな格子歪みが生
じていることが明らかである。なお、上記X線回折は、
RINT1500装置を用い、50kV,240mA,
Cuターゲット条件下で行った。
大クロム炭化物粒子が存在せず、未硬化層と同一組織の
結晶構造をもつオーステナイト相(γ−相)のみから形
成されていて、炭素の侵入固溶によって結晶格子が等方
に拡張しているだけであることが明らかである。
(c)および440℃で浸炭処理したピース(d)の浸
炭硬化層中の炭素濃度のEPMA分析結果を図3〜図5
に示す。本発明における代表的な温度範囲である480
℃で浸炭処理したピース(b)〔図3〕および440℃
で浸炭処理したピース(d)〔図4〕では、最大炭素濃
度は、1.8〜2.0wt%にも達している。これに対
し、600℃で処理したピース(c)〔図5〕において
は、最大炭素濃度が1.03wt%と相当低い。このよ
うに、本発明では、浸炭硬化層の炭素濃度が非常に高い
ことがもうひとつの特徴であり、高硬度の浸炭硬化層が
形成される一因となっている。なお、本発明において形
成される浸炭硬化層において、炭素濃度が最大になると
ころは、図3〜図5のEPMA分析結果からも明らかな
ように最表面である。この表面の最大炭素濃度は、浸炭
処理の際の雰囲気ガスのカーボンポテンシャル(P
C 値)によって変化するが、本発明で実施される温度領
域である400〜500℃での処理によって形成される
浸炭硬化層では、最大炭素濃度が1.2〜2.6wt%
の範囲の値をとることが判明している。
処理温度を一定とすれば処理時間に依存する。通常の浸
炭処理によれば、0.1mmから数mm程度の深さの拡
散層が形成されるものであるが、本発明では、処理温度
が500℃以下と低いために母材がそれほど軟化せず、
しかも、食器類という最終製品の要求からして、それほ
ど大きな面圧負荷がかからないため、0.1mm以下、
それも10〜50μm程度の浸炭硬化層が得られれば充
分である。本発明の方法による温度範囲では、3〜30
時間程度の処理時間で得ることができる。
研削研磨もしくは酸処理後バレル研磨等の最終仕上げ処
理が行われる。これらの加工によって、最表面に形成さ
れた1〜3μmの酸化異常層が除去され、ステンレス本
来の金属光沢を有した表面外観が得られる。また、本発
明では、フッ化処理を施した後に浸炭処理を行うのであ
るが、炉内の状況等によっては、フッ化処理の後すぐに
浸炭処理に入るのではなく、中間処理として一旦NH3
を20〜40分程度炉内に吹き込み、その後浸炭処理を
することも行われる。このようなNH3 による中間処理
を行うことにより、浸炭硬化層の形成が安定するという
利点がある。これは、NH3 の添加により一時的に最表
層部分に微量のCrNが生成したことが影響しているも
のと推察される。上記中間処理を行った場合には、NH
3 を用いない場合と比べ、生成した浸炭硬化層表面の、
酸化異常層の厚さが若干増加する。この際の異常層の除
去は、酸処理によって行うことが望ましい。
イト系金属による食器類は、ステンレス本来の光沢に由
来する装飾性を備え、鋼の焼入れ品以上の表面硬度と、
高度の耐蝕性とを有している。したがって、従来のメッ
キ品等に比べ、いかなる環境の下でも当初の美麗さを保
持することができる。
12wt%−Mo2.5wt%)から成形加工したスプ
ーンを複数個準備した。このスプーンを、まず、図1に
示す炉に装入したのち、480℃まで昇温した。つい
で、フッ素系ガス(5vol%NF3 +95vol%N
2 混合ガス)を炉内に15分間吹き込み、フッ化処理を
行った。つぎに、フッ素系ガスを排出したのち浸炭性ガ
ス(CO10vol%+H2 20vol%+CO2 1v
ol%,残部N2 の混合ガス)を吹き込み、その状態で
12時間保持して浸炭処理を行ったのち取り出した。浸
炭処理後のスプーンの外観は黒色を帯びていたが、この
内の1個をバレル研磨加工により黒色の異常層を除去し
たところ、ほぼ処理前と同様のステンレス特有の光沢を
有する外観となった。このスプーンについて硬化層の状
況を調べると、表面硬度は、Hv850〜920(芯部
硬度はHv240)、硬化層の深さは、30μmであっ
た。一方、浸炭処理直後の黒色のもののうち別の1個
を、50℃に加温した15vol%HNO3 −5vol
%HF水溶液に20分間浸漬した後、バフ研磨を施した
ところ、これも処理前と同様の外観を示すようになっ
た。このスプーンについての硬化層の状況を調べると、
表面硬度はHv830〜880、硬化層の深さは29μ
mであった。つぎに、これら仕上げ処理後のスプーンを
SSTに供したところ、両者共2000時間を越しても
全く発錆せず、良好な耐蝕性を示した。これらの結果を
下記の表1に示す。
プーンに加えて、同様にSUS304材(Cr18wt
%−Ni7.5wt%),SUS310材(Cr25w
t%−Ni20wt%)から全く同一形状に加工したサ
ンプルをいずれも複数個準備した。これら3種類のスプ
ーンを図1に示す炉に入れ、450℃に加熱した。つい
で、フッ素系ガス(3vol%NF3 +97vol%N
2 混合ガス)を20分間吹き込み、フッ化処理した後、
浸炭性ガス(CO15vol%+H2 30vol%+C
O2 1.5vol%,残部N2 )を21時間吹き込み浸
炭処理したのち取り出した。3種とも外観は、黒色を呈
していたが、ソフトブラストをかけた後、研削バレル研
磨加工により黒色部を完全に除去した。硬化層の状況を
調べたところ、表面硬度でSUS316L品がHv92
0〜980(芯部硬度Hv240)、SUS304品が
Hv1080〜1120(芯部硬度Hv250)、SU
S310品がHv880〜930(芯部硬度Hv260
〜270)であった。硬化層深さは、SUS316L品
が28μm、SUS304品が20μm、SUS310
品が21μmであり、SUS316L品が最も硬化層が
厚かった。つぎに、これら3種類のスプーンをSSTに
供した。その結果、SUS316L品およびSUS31
0品は、2000時間を越しても発錆しなかったが、S
US304品については、18時間で発錆した。これら
の結果を下記の表2に示す。
vol%HNO3 −5vol%HF溶液に20分間浸漬
して黒色の異常層を除去し、硬化層の状況を調べた。表
面硬度は、SUS316L品がHv850〜900、S
US304品がHv450〜500、SUS310品が
Hv830〜850、硬化層の深さは、SUS316L
品が27μm、SUS304品が6μm、SUS310
品が20μmであった。これらの結果を下記の表3に示
す。
S304材から加工したスプーンについては、SUS3
16L,SUS310のものと比べて耐蝕性等に劣り、
浸炭処理にそれほど適していないことが明らかである。
なお、これら3種類のスプーンについて強力永久磁石に
より磁性を調べたところ、SUS316L品およびSU
S310品は、処理前も処理後も全く磁性がなかったの
に対し、SUS304品では、処理前の段階でかなりの
磁性が認められた。すなわち、オーステナイト系相が安
定でなく、常温における加工により組織中に加工誘起マ
ルテンサイトが生成していたものと考えられ、このた
め、良質な硬化層が得られなかったものと考えられる。
SUS310材のスプーンを、図1に示す炉に装入し、
480℃に加熱した後、フッ素系ガス(5vol%NF
3 +95vol%N2 混合ガス)を20分間吹き込んで
フッ化処理した後、さらに510℃まで昇温し、浸炭性
ガス(CO20vol%+H2 42vol%+CO22
vol%,残部N2 )を8時間吹き込み、浸炭処理を行
ったのち取り出した。そのままの状態で、硬化層の状況
を調査したところ、表面硬度は、SUS316L品がH
v1050〜1120、SUS310品がHv1090
〜1150であった。硬化層の深さは、SUS316L
品が45μm、SUS310品が38μmであった。こ
れらの結果を下記の表4に示す。
ol%HNO3 −5vol%HF水溶液に20分間浸漬
した後取り出した。両者の硬化層の状況は、表面硬度
で、SUS316L品がHv580〜600、SUS3
10品がHv620〜630であった。硬化層の深さ
は、いずれも15〜22μmであり、しかも深さがばら
ついていた。これらの結果を下記の表5に示す。
を施したサンプルをSSTに供したが、SUS316L
品が27時間、SUS310品が32時間で共に赤錆が
発生した。これらの結果から、浸炭処理温度が510℃
に達すると硬化層の耐蝕性が著しく低下することがわか
る。
16L材より成形加工したナイフを複数個用意した。こ
れを図1に示す炉に装入し、480℃に加熱した後、フ
ッ素系ガス(3vol%NF3 +97vol%N2 混合
ガス)雰囲気下で20分間保持してフッ化処理を行っ
た。ついで、20vol%NH3 +80vol%N2 混
合ガスを同温度で30分間吹き込むことにより中間処理
を行った。つぎに、NH 3 ガスの吹き込みを停止し、浸
炭性ガス(CO10vol%+H2 20vol%+CO
2 0.5vol%,残部N2 )を吹き込み12時間保持
して浸炭処理を行ったのち取り出した。このサンプルの
硬化層の状況を調べたところ、最表層部に4〜5μmの
酸化異常層があり、この酸化異常層の厚さは実施例1,
2,3と比べ、2倍程度厚く形成されている。これは、
中間処理におけるNH3 ガスの添加により、最表層部に
CrNが生成し、その影響があったものと推察される。
ついで、50℃の15vol%HNO3 −5vol%H
F水溶液に25分間浸漬して黒色の異常層を除去した
後、硬化層の状況を調査したところ、表面硬度はHv7
70〜920、硬化層の深さは31μmであり、実施例
1よりもやや厚く、上記酸化異常層は完全に除去されて
いた。
による硬化層の耐蝕性は、浸炭温度が480℃から51
0℃に至る間で急激に変化することを示しており、この
温度範囲が遷移領域であることを物語っている。従っ
て、本発明においては、500℃以下、好ましくは48
0℃以下の温度で浸炭処理を施したものを対象とする。
一品種のワークピースを多数準備した。これらのピース
を図1に示す炉を用いて下記の表6に示す各種の処理条
件で浸炭処理を行った。そして、浸炭処理ののち、50
℃に加温した15vol%HNO3 −5vol%HF水
溶液を使用して酸洗処理を行なった。そののち、表面硬
度,硬化層深さおよびEPMA分析による表面の最大炭
素濃度の調査を行った。その結果を下記の表7に示す。
として浸炭処理温度に依存し、浸炭性ガス雰囲気のカー
ボンポテンンシャル(PC 値)によってそれほど大きな
影響はうけないことがわかる。一方、表面硬度は、雰囲
気のPC 値の影響を受けて変化するため、一定レベルの
表面硬度(Hv800以上)を得るためには、雰囲気の
PC 値コントロールが必要であることがわかる。また、
上記PC 値は、表面の最大炭素濃度にも影響しているこ
とがわかる。
L板状ピースを480℃で浸炭処理した処理品(b)お
よびSUS316L板材を600℃で浸炭処理した処理
品(c)のX線回折図である。
理した処理品(b)のEPMA分析結果図である。
理した処理品(d)のEPMA分析結果図である。
理した処理品(c)のEPMA分析結果図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 母材が、オーステナイト系金属からなる
食器類であって、浸炭処理後の最表層の黒色酸化異常層
を取り除いて得られる表面から10〜50μmの深さの
表面層が炭素原子の浸入によって硬化して浸炭硬化層に
形成され、この浸炭硬化層中には粗大クロム炭化物粒子
が存在していないことを特徴とする浸炭硬化食器類。 - 【請求項2】 母材が、オーステナイト系金属からなる
食器類であって、浸炭処理後の最表層の黒色酸化異常層
を取り除いて得られる表面から10〜50μmの深さの
表面層が炭素原子の浸入によって硬化して浸炭硬化層に
形成され、この浸炭硬化層が、炭素原子が母材格子中に
侵入固溶してクロム炭化物を形成せず母材同様のオース
テナイト相から形成されていることを特徴とする浸炭硬
化食器類。 - 【請求項3】 浸炭硬化層の硬度が、マイクロビッカー
ス硬度で700〜1050(Hv)に形成されている請
求項1または2記載の浸炭硬化食器類。 - 【請求項4】 オーステナイト系金属が、クロムを15
〜25重量%含有するオーステナイト系ステンレスであ
る請求項1〜3のいずれか一項に記載の浸炭硬化食器
類。 - 【請求項5】 オーステナイト系金属が、モリブデンを
1.5〜4重量%含有するオーステナイト系ステンレス
である請求項1〜4のいずれか一項に記載の浸炭硬化食
器類。 - 【請求項6】 浸炭硬化層中の最大炭素濃度が1.2〜
2.6重量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載
の浸炭硬化食器類。 - 【請求項7】 オーステナイト系金属からなる材料を、
所定の食器類の形状に成形加工し、フッ素系ガス雰囲気
下で加熱状態で保持することによりフッ化処理し、つい
で一酸化炭素を含む浸炭性ガス雰囲気下に加熱状態で保
持して浸炭処理することにより表面に浸炭硬化層を形成
し、浸炭処理後の最表層の黒色酸化異常層を取り除くこ
とを特徴とする浸炭硬化食器類の製法。 - 【請求項8】 浸炭処理の際の温度が、400〜500
℃に設定されている請求項7記載の浸炭硬化食器類の製
法。 - 【請求項9】 フッ化処理の際の温度が、300〜50
0℃に設定されている請求項7または8記載の浸炭硬化
食器類の製法。 - 【請求項10】 食器類を、フッ化処理終了後、浸炭処
理の前に、NH3 を含むガス雰囲気下で加熱状態で保持
する請求項7〜9のいずれか一項に記載の浸炭硬化食器
類の製法。 - 【請求項11】 オーステナイト系金属からなる材料
を、所定の食器類の形状に成形加工し、フッ素系ガス雰
囲気下で加熱状態で保持することによりフッ化処理し、
ついでNH 3 を含むガス雰囲気下で加熱状態で保持し、
そののち一酸化炭素を含む浸炭性ガス雰囲気下に加熱状
態で保持して浸炭処理することにより表面に浸炭硬化層
を形成することを特徴とする浸炭硬化食器類の製法。 - 【請求項12】 浸炭処理の際の温度が、400〜50
0℃に設定されている請求項11記載の浸炭硬化食器類
の製法。 - 【請求項13】 フッ化処理の際の温度が、300〜5
00℃に設定されている請求項11または12記載の浸
炭硬化食器類の製法。
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-
1996
- 1996-06-27 JP JP8167809A patent/JP3064909B2/ja not_active Expired - Fee Related
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