JP3677460B2 - 鋼材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、産業機械等の動力伝達に好適に使用される疲労強度の高い鋼材を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マルエージング鋼のような材料の疲労強度を向上させるためには、一般に、溶体化熱処理、時効熱処理、窒化処理を行うが、さらに高い疲労強度を付与するための方法が特開平2−154834号公報に開示されている。この方法によれば、窒化などの表面硬化処理後に、表面にショットピーニング処理を施すことにより圧縮残留応力を付与して疲労強度の高い鋼材としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の特開平2−154834号公報に開示の方法のような従来技術では以下のような問題点がある。
1. 硬質粒子を表裏ともに均一にまんべんなく吹き付けることが困難であるため、残留応力がばらつき、結果として求める疲労強度が得られない。
2. 残留応力を均一にするためには、硬質粒子を吹き付ける位置を変えながらまんべんなく吹き付けなければならず、時間がかかる。
3. 硬質粒子の吹き付けにより表面に凹凸を形成するため、例えば潤滑などの目的で面粗度や表面性状(鏡面、バフ目、綾目など)をコントロールすることが困難である。
【0004】
そこで、本発明はかかる問題点を解決し、迅速な処理で均一な残留応力を付与し、高い疲労強度を持つ鋼材の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
鋼材は一般的には冷間圧延や冷間伸線することで所定の厚さや線径を得る。この時、鋼材には圧延による残留応力が生じるが、通常、その後の溶体化処理でこの残留応力が消滅してしまう。本発明者らはこの残留応力に着目して鋭意研究を行った結果、この残留応力を消すことなく、かつ高い疲労強度を得ることができる方法を見出した。よって、本発明の鋼材の製造方法は、マルエージング鋼を冷間塑性加工して所定の寸法にした後、温度750〜800℃、時間60分以上の条件のみによる溶体化処理を行うことで前記冷間塑性加工で発生した圧縮残留応力を残存させ、その後時効処理を行うことを特徴としている。
【0006】
本発明によれば、溶体化処理を温度750〜800℃、時間60分以上に制御することにより冷間塑性加工時の圧縮残留応力を消すことなく、マルエージング鋼の材質を均質化することができる。このため、これまで必要としていたショットピーニング処理等の残留応力を付与する工程を行わなくても、一連の処理工程により表面に均一で高い残留応力を保持することができ、しかも、靭性に優れた鋼材となるため、安定して疲労強度の高い鋼材を製造することができる。また、表面性状に関しても自由に制御できるため、例えば鋼帯の場合、潤滑などの必要性から、鏡面仕上げとしたり、綾目模様とするなどの加工が容易にできる。
【0007】
【実施例】
本発明に用いることができる素材はマルエージング鋼であればいずれでもよいが、以下の実施例においては、表1に示す成分組成のマルエージング鋼を用いて下記諸条件の検討を行った。
【0008】
【表1】
【0009】
1.溶体化処理条件
特開平2−154834号公報では、溶体化処理温度は800〜850℃で施すことが最良であるとしている。しかしながら、このような温度域では金属組織が完全に再結晶してしまい、冷間塑性加工による圧縮残留応力が消滅してしまう。そこで、まず、溶体化処理温度が残留応力に及ぼす影響を実験した。冷間圧延率40%のマルエージング鋼を、時間120分一定で異なる温度で溶体化処理し、その後時効、窒化したときの圧縮残留応力をX線により測定し、その結果を図1に示した。なお、冷間圧延率とは、圧延による板厚変化の元の板厚に対する比を表したものである。この図から分かるように、溶体化処理温度が800℃を超えると残留応力が急激に低下することが示された。このことから、冷間圧延時に付与した残留応力を維持するためには、800℃以下の温度で溶体化処理しなければならないことが分かった。
【0010】
次に、溶体化処理温度を800℃以下とすることにより冷間塑性加工時に付与した残留応力が維持されることが分かったが、溶体化処理温度が低すぎる場合には加工組織が残り、時効硬化したときに靭性が低下してしまう。そこで、冷間圧延率40%のマルエージング鋼を、時間120分一定で異なる温度で溶体化処理し、その後時効、窒化した試験片によりシャルピー試験を行った。その結果を図2に示す。この図から分かるように、750℃よりも低い温度では衝撃吸収エネルギーが低下することが示された。一般に靭性が低下すると、疲労クラックの伝播速度も速くなり、疲労強度が低下する。そのため、750℃よりも低い温度で溶体化処理すると疲労強度を向上するという目的が達成できない。したがって、本発明における溶体化処理温度は、750〜800℃の範囲と規定した。
【0011】
また、溶体化処理は、時効元素であるTi,Al,Moを拡散させることにより、その後の時効を均一なものとする。そのため、溶体化時間は長いほうがその後の時効、窒化に対して好ましい。そこで、冷間圧延率40%のマルエージング鋼を、温度780℃、時間5〜120分で溶体化処理し、その後時効、窒化した試験片の表面硬度を試験し、十分な表面硬度が得られる溶体化処理時間を明らかとした。その結果を図3に示す。この図から分かるように、時効、窒化後の表面硬度を得るためには、少なくとも60分の溶体化処理時間が必要であることが示された。したがって、本発明における溶体化処理時間は60分以上と規定した。
【0012】
2.時効処理条件
マルエージング鋼は時効によりTi,Al,Moなどの金属間化合物が微細析出して硬化する。時効処理する温度が低い場合や時間が短い場合には未析出の固溶元素が残存する。一方、時効処理する温度が高い場合や時間が長い場合には析出物が粗大化する。また、窒化する場合には、表面近傍の固溶TiがTiNとなって微細に析出するため、窒化において表面硬度を高く、かつ表面残留応力を付与するには、時効処理で未析出、つまり固溶Tiを残した亜時効状態とすることが重要な条件となる。このためには時効処理温度が比較的低温であることと、短時間の時効であることが必要となる。
【0013】
このような観点から、冷間圧延率40%のマルエージング鋼を、溶体化処理し、温度および時間を変えて時効した後、窒化したときの表面硬度を調べた。温度480℃の時効における表面および内部硬度に及ぼす時効時間の影響を示したのが図4である。この図から分かるように、温度480℃、時間300分では時効が進み、表面硬度が低くなることが示された。したがって、表面硬度を維持し、残留応力を付与するには、時効温度480〜500℃、時効時間30〜120分が最も好適である。
【0014】
ここで示した温度、時間条件以外でも亜時効であれば同様の効果が得られるが、これより低温にすると極度に長時間となったり、これより高温にすると熱処理時間のコントロールを厳密に短時間にしなければならず、実際の生産に向いていない。
【0015】
3.窒化処理条件
窒化処理としては、塩浴窒化、ガス窒化、イオン窒化などがあり、いずれの窒化方法でも本発明に用いることができるが、塩浴室化は窒化物層やポーラス層を生成するため、疲労強度を重視する用途には向かず、また、イオン窒化は生産性に難点があるため、本発明のように疲労強度を目的とした工業的な窒化にはアンモニアガスを含むガス窒化が最適である。ガス窒化でも疲労強度を重視するような窒化では、硬度勾配が急激に変化するような硬度プロファイルであると、硬度の変曲点に応力が集中して疲労破壊の起点となるため、表面に窒化物層をできるだけ生成せずに、かつ表面から徐々に窒素の拡散層を生成して硬度勾配を滑らかにすることが重要である。
【0016】
そこで、このような観点から、冷間圧延率40%のマルエージング鋼を、溶体化処理し、時効処理後、様々の条件で窒化したときの表面硬度を調べた結果、硬度プロファイルが最適になる窒化条件は、温度440〜480℃、時間30〜120分であった。その代表的な硬度プロファイルを図5に示す。このような窒化プロファイルを持たせることで表面硬度を高くするとともに表面の残留応力を一層高めて疲労強度を向上することができる。
【0017】
4.溶体化処理の雰囲気
先に示したように、表面近傍に固溶Tiが存在することにより窒化を行う際にTiNを析出し、表面硬化するとともに表面の残留応力を向上することができる。しかしながら、一般的な条件下の溶体化処理においては、マルエージング鋼中のTiが雰囲気中の酸素と化合してTiO2となってしまい、固溶Tiが減少してしまう。そのため、表面近傍の固溶Tiの濃度が内部の固溶Tiに対して低くなると、窒化したときの表面の残留応力と内部の残留応力とのバランスが崩れて疲労強度が思ったほど向上しない。このような現象を避けるために、窒化硬化層となる範囲に存在する固溶Tiの濃度が平均固溶Tiに対して一定以上の比率であることが、表面の残留応力を向上し、疲労強度を向上する条件となる。表2は冷間圧延率40%のマルエージング鋼に様々な雰囲気下で溶体化処理を行うことによりTi濃度比を異ならせ、その後時効、窒化した試験片で疲労試験した結果である。なお、Ti濃度比は以下の定義による。
(Ti濃度比)=(表面近傍の固溶Ti濃度)/(平均の固溶Ti濃度)
【0018】
【表2】
【0019】
表2に示すように、N2およびLPガス雰囲気中で溶体化処理を行った試料3では、内部にTiが析出して良好な内部硬度が得られなかった。また、Ar雰囲気中またはN2(0.75torr)雰囲気中で溶体化処理を行った試料4および5では、表面近傍の固溶Tiの濃度低下により高い疲労強度を得ることができなかった。これらの場合のTi濃度比は0.9未満であった。したがって、本発明においては、Ti濃度比が0.9以上であれば高い疲労強度とすることができ、このような疲労強度向上効果を維持するためには、溶体化処理を真空度10−4torr以下、望ましくは10−5torr以下または水素ガス還元雰囲気中で行うことが好適である。
【0020】
5.曲げ疲労試験
次に、上記の冷間圧延率40%のマルエージング鋼を素材とする鋼帯を750℃(実施例)または820℃(比較例)、時間60分で溶体化処理し、その後、同条件の時効処理および窒化処理を行ったマルエージング鋼帯を用いて、曲げ疲労試験を行った。なお、上記鋼帯はショットピーニング処理を行っていない。曲げ疲労試験は、振幅応力35kgf/mm2、最大応力165〜185kgf/mm2で、鋼帯が破断するまでのくり返し回数を試験した。その結果を図6に示す。この図から分かるように、溶体化処理温度が820℃である従来の鋼帯は最大応力が165kgf/mm2で8.4×104回で破断した。これに対し、溶体化処理温度を780℃とした本発明による鋼帯は最大応力が184kgf/mm2であっても6.7×106回で破断し、最大応力が168kgf/mm2以下においては108回くり返しても破断することがなかった。したがって、溶体化処理を温度750〜800℃、時間60分以上に制御することによって、従来技術では消滅してしまった冷間圧延時の圧縮残留応力を保持することができ、これにより疲労強度の高い鋼帯を製造することができた。
【0021】
【発明の効果】
実施例では冷間圧延の結果を用いて説明したが、冷間引抜きなどの冷間塑性加工であれば同様の効果が得られる。したがって、本発明によれば、マルエージング鋼を冷間塑性加工して所定の寸法にした後、温度750〜800℃、時間60分以上の溶体化処理を行い、その後時効処理を行うことにより、冷間塑性加工時の圧縮残留応力を消すことなく、マルエージング鋼の材質を均質化させることができるため、疲労強度の高い鋼材を迅速に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 残留応力と溶体化処理温度の相関を示す線図である。
【図2】 シャルピー吸収エネルギーと溶体化処理温度の相関を示す線図である。
【図3】 表面硬度と溶体化処理時間の相関を示す線図である。
【図4】 硬度と時効時間の相関を示す線図である。
【図5】 硬度と表面からの距離の相関を示す線図である。
【図6】 最大応力と繰り返し回数の相関を示す線図である。
Claims (7)
- マルエージング鋼を冷間塑性加工して所定の寸法にした後、温度750〜800℃、時間60分以上の条件のみによる溶体化処理を行うことで前記冷間塑性加工で発生した圧縮残留応力を残存させ、その後時効処理を行うことを特徴とする鋼材の製造方法。
- 前記時効処理の後、窒化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の鋼材の製造方法。
- 前記溶体化処理後のマルエージング鋼は、表面近傍の固溶Ti濃度が内部を含めた平均固溶Ti濃度に対して0.9以上の濃度比であることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼材の製造方法。
- 前記時効処理は、温度450〜500℃、時間30〜120分で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
- 前記窒化処理は、窒化ガス中で温度440〜480℃、時間30〜120分で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
- 前記溶体化処理は、真空中または水素ガス還元雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
- 前記マルエージング鋼は、重量比で、C:0.01%以下、Si:0.05%以下、Mn:0.05%以下、P:0.008%以下、S:0.004%以下、Ni:15〜19%、Mo:3〜5.5%、Co:8〜15%、Al:0.05〜0.15%、Ti:0.4〜1.5%、残部Feからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鋼材の製造方法。
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