JP2003328109A - マルエージング鋼の窒化処理方法およびその方法によって窒化処理されたベルト式無段変速機用のベルト - Google Patents

マルエージング鋼の窒化処理方法およびその方法によって窒化処理されたベルト式無段変速機用のベルト

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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルエージング鋼の疲労強度と耐摩耗性とを
向上し得る、マルエージング鋼の窒化処理方法およびそ
の方法によって窒化処理されてなるベルト式無段変速機
用のベルトを提供する。 【解決手段】 マルエージング鋼の表面を硬化する窒化
処理方法において、430℃〜480℃の窒化処理温度
で、残留アンモニア濃度を時間の経過に応じて10%未
満から70%以上まで増加させる窒化雰囲気中で窒化処
理して窒化層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルエージング鋼
の窒化処理方法およびその方法によって製造されたベル
ト式無段変速機用のベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保全の立場から、自動車
の分野においては、低燃費や低公害などの要請が高まっ
ている。かかる要請に応えるべく、トランスミッション
に関しては、動力の伝達ロスを低減するために、金属ベ
ルトを用いて動力を伝達するベルト式無段変速機の採用
が増えている。金属ベルトは、その用途から、高い疲労
強度、耐摩耗性および引張り強度が要求されため、高引
張り強度、高靭性を兼ね備える超強力鋼として知られる
マルエージング鋼から形成されている。金属ベルトの場
合にはさらに高い疲労強度と耐摩耗性とを満たすことが
望まれるため、マルエージング鋼には、表面硬化処理と
して、時効処理および窒化処理が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】窒化され難い18Ni
系マルエージング鋼を適正に窒化するために、窒化処理
は、480〜520℃の比較的高い温度で施されている
(特開2001−49347号公報参照)。しかしなが
ら、前記温度域の上限温度近傍では、溶体化によって形
成されたマルテンサイトの一部がオーステナイトに逆変
態する場合がある。この逆変態オーステナイトは、引張
り強度や疲労強度の低下に必ずつながるとは言えない
が、多量に形成されると強度の低下を招くことが懸念さ
れる。
【0004】窒化温度を下げると窒化の効率が低下する
ため、一般的に、残留アンモニア濃度が70%以上の窒
化雰囲気中で窒化処理して窒化層を形成している。この
ような濃度に設定すれば、窒化温度を下げることはでき
るものの、窒化表層に白色の化合物層つまり白色層が生
成されやすくなる。白色層は脆弱であるので、窒化表層
が破壊・剥離したり、疲労強度が低下したりする一要因
となる虞がある。
【0005】本発明は、上記従来技術に伴なう課題を解
決するためになされたものであり、マルエージング鋼の
疲労強度と耐摩耗性とを向上し得る、マルエージング鋼
の窒化処理方法およびその方法によって窒化処理されて
なるベルト式無段変速機用のベルトを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、下記の手段により達成される。
【0007】(1)マルエージング鋼の表面を硬化する
窒化処理方法において、430℃〜480℃の窒化処理
温度で、残留アンモニア濃度を時間の経過に応じて10
%未満から70%以上まで増加させる窒化雰囲気中で窒
化処理して窒化層を形成することを特徴とするマルエー
ジング鋼の窒化処理方法。
【0008】(2)窒化雰囲気中の残留アンモニア濃度
を、窒化処理開始から少なくとも10分間、10%未満
とすることを特徴とする上記(1)に記載のマルエージ
ング鋼の窒化処理方法。
【0009】(3)窒化雰囲気中の残留アンモニア濃度
を、0.5%/min〜2%/minの範囲の平均上昇
率で増加させることを特徴とする上記(1)に記載のマ
ルエージング鋼の窒化処理方法。
【0010】(4)上記(1)に記載の方法によって窒
化処理されてなるベルト式無段変速機用のベルト。
【0011】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の本発明によれば、
マルエージング鋼の疲労強度と耐摩耗性とを向上でき
る。
【0012】請求項4に記載の本発明によれば、用途上
から高い疲労強度、耐摩耗性および引張り強度が要求さ
れるベルト式無段変速機用のベルトを提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。
【0014】(第1の実施形態)18Ni系マルエージ
ング鋼の表面は、時効処理および窒化処理を経て硬化さ
れる。特に、430℃〜480℃の窒化処理温度で、残
留アンモニア濃度を時間の経過に応じて10%未満から
70%以上まで増加させる窒化雰囲気中で窒化処理して
窒化層を形成している。窒化処理中に残留アンモニア濃
度を70%以上まで増加させたのは、窒化温度を下げた
ときの窒化の効率が低下することを防止するために一般
的に採用されている残留アンモニア濃度と同様にしたも
のである。
【0015】白色層の発生状況を調べたところ、白色層
は窒化処理の初期段階で発生しやすく、窒化が進行し始
めると、残留アンモニア濃度を増加させても白色層が発
生し難いことを見出した。そこで、窒化処理の初期段階
では、窒化雰囲気の残留アンモニア濃度を10%未満に
設定することにより、窒化表層に白色層が発生すること
を抑えることができる。そして、窒化処理の初期段階が
終わると、窒化雰囲気の残留アンモニア濃度を時間の経
過に応じて70%以上まで増加させることにより、白色
層の発生および窒化効率の低下を抑えつつ,窒化層を形
成することができる。
【0016】また、窒化雰囲気中の残留アンモニア濃度
を10%未満とする初期段階は、窒化処理開始から少な
くとも10分間であることが好ましい。
【0017】そして、初期段階が終わると、窒化雰囲気
中の残留アンモニア濃度を、0.5%/min〜2%/
minの範囲の平均上昇率で増加させることが好まし
い。残留アンモニア濃度を時間の経過に応じて増加させ
る場合、時間の経過に比例して連続的に増加させてもよ
いし、ステップ状に増加させてもよいし、指数関数的に
増加させてもよい。残留アンモニア濃度を10%未満か
ら70%を超えるまで上昇させるのに要した時間を単位
にして、残留アンモニア濃度の平均上昇率が0.5%/
min〜2%/minの範囲を満たしていればよい。
【0018】窒化処理は、装入側にフレームカーテンを
用いた炉では、装入の際に、すすが付着して、窒化ムラ
の原因となる。そこで、窒化処理は、フレームレスの窒
化炉にて行うことが好ましい。また、窒化処理は、アン
モニアガスを用いたガス窒化またはガス軟窒化である。
窒化雰囲気としては、純アンモニアガス、アンモニアガ
ス+窒素ガス、アンモニアガス+RXガスなどが使用さ
れる。
【0019】(実施例)18Ni系マルエージング鋼の
試料片を溶体化処理した後、真空炉で480℃にて2時
間の時効処理を行った。
【0020】時効処理を終えた試料片を、430℃〜4
80℃の窒化処理温度に加熱したピット炉にて、窒化処
理を実施した。窒化処理は、430℃〜480℃の窒化
処理温度で、残留アンモニア濃度を時間の経過に応じて
10%未満から70%以上まで増加させる窒化雰囲気中
で行った。残留アンモニア濃度の平均上昇率を0.5%
/min〜2%/minの範囲とし、窒化処理時間を5
0分〜80分とし、窒化後、窒素ガス雰囲気中で冷却を
行った。残留アンモニア濃度は、アンモニアガスと窒素
ガスとの混合割合を変えることにより調節した。
【0021】(比較例)窒化条件(窒化処理温度、窒化
処理時間および残留アンモニア濃度)を変え、その他の
工程は実施例と同一条件にして、試料片を窒化処理し
た。
【0022】(検討)実施例および比較例における窒化
条件および材質調査結果の一例が下記の表1に示され
る。材質の調査は、ビッカース硬さ試験による窒化後の
表面硬さと、引張り強度とについて行った。さらに、試
料断面の組織観察によって、白色層の発生の有無を調べ
た。
【0023】
【表1】
【0024】表1を参照して、430℃〜480℃の窒
化処理温度で、窒化処理の初期段階(窒化処理開始から
7分〜10分)では残留アンモニア濃度を5%に設定
し、時間の経過に応じて5%から97%まで増加させた
窒化雰囲気中で窒化処理して窒化層を形成した実施例で
は、窒化表層に白色層が発生せず、900Hv以上の表
面硬さ、および、1950MPa以上の引張り強度を備
える高靭性の窒化層を得ることができた。
【0025】窒化処理温度が上記温度範囲内の450℃
であっても、残留アンモニア濃度を55%までしか増加
させなかった場合は、窒化の効率が低下し、窒化処理後
の表面硬さが900Hvに満たない。
【0026】窒化処理温度が上記温度範囲内の430℃
であっても、残留アンモニア濃度を変化させずに70%
の一定とした場合は、窒化表層に厚さ1μmの白色層が
発生し、引張り強度が低下した。
【0027】また、窒化処理温度が480℃より高い温
度域では、フッ化処理などの表面活性化を窒化処理前に
行わなくても、窒化処理を施すことは可能である。しか
しながら、窒化ポテンシャルが高くなるのに伴ない、窒
化表層に白色層が発生しやすくなり、窒化処理温度50
0℃、窒化処理時間40分、残留アンモニア濃度70%
一定の窒化処理を行ったところ、窒化表層に厚さ1〜2
μmの白色層が発生し、引張り強度が低下した。
【0028】このような白色層の発生は、窒化表層が破
壊・剥離したり、疲労強度が著しく低下したりする一要
因となるので、必ず回避しなければならない現象であ
る。
【0029】窒化処理温度が430℃未満の温度域、例
えば、窒化処理温度が400℃の場合には、緻密な酸化
膜に阻まれて窒化が進行し難く、深い窒化深さを得るた
めに、100分の窒化処理時間が必要となり、また、窒
化処理後の表面硬さが900Hvに満たない。
【0030】以上の考察により、窒化表層に白色層が発
生せず、900Hv以上の表面硬さ、および、1950
MPa以上の引張り強度を満たすマルエージング鋼の窒
化処理のためには、430℃〜480℃の窒化処理温度
で、残留アンモニア濃度を時間の経過に応じて10%未
満から70%以上まで増加させる窒化雰囲気中で窒化処
理して窒化層を形成することが適当であることが明らか
になった。このようにして窒化処理されたマルエージン
グ鋼は高い疲労強度と耐摩耗性とを備えており、ベルト
式無段変速機用のベルトに用いて好適である。
【0031】430℃〜480℃の窒化処理温度で、窒
化処理開始から10分が経過するまで残留アンモニア濃
度を10%以上とすると、10分経過後、残留アンモニ
ア濃度をどのような上昇率で増加させても、窒化表層に
は、厚さが1μm未満ではあるものの、白色層の微少量
の発生が認められた。
【0032】これに対して、窒化処理開始から10分が
経過するまで残留アンモニア濃度を10%未満とする
と、10分経過後、残留アンモニア濃度を2%/min
以下の平均上昇率で増加させれば、窒化表層には白色層
の発生が認められなかった。
【0033】以上の考察から、窒化表層に白色層を発生
させないためには、窒化雰囲気中の残留アンモニア濃度
を、窒化処理開始から少なくとも10分間、10%未満
とすることが適当であることが明らかになった。このよ
うにして窒化処理されたマルエージング鋼は高い疲労強
度と耐摩耗性とを備えており、ベルト式無段変速機用の
ベルトに用いて好適である。
【0034】図1は、430℃〜480℃の窒化処理温
度で、残留アンモニア濃度を窒化処理開始から10分間
は10%未満の一定濃度とし、それ以降、残留アンモニ
ア濃度を増加させる場合の平均上昇率を変化させたとき
の、窒化後の表面硬さと、白色層の発生の有無とを調べ
た結果を示したものである。
【0035】図1を参照して、430℃〜480℃の窒
化処理温度で、窒化処理開始から10分が経過するまで
残留アンモニア濃度を10%未満とし、10分経過後、
残留アンモニア濃度を2%/minを超える平均上昇率
で70%以上まで増加させたところ、窒化表層には、厚
さが1μm未満ではあるものの、白色層の微少量の発生
が認められた。
【0036】また、窒化処理開始から10分経過後、残
留アンモニア濃度を0.5%/min未満の平均上昇率
で70%以上まで増加させたところ、白色層の発生は認
められなかった。しかしながら、窒化が十分に進行しな
いため、窒化後の表面硬さは、900Hvに達せず、8
50〜890Hvと低かった。
【0037】これに対して、窒化処理開始から10分経
過後、残留アンモニア濃度を0.5%/min〜2%/
minの範囲の平均上昇率で70%以上まで増加させた
ところ、窒化表層には白色層の発生が認められず、か
つ、窒化後の表面硬さが900Hvに達した。
【0038】以上の考察から、窒化表層に白色層が発生
せず、900Hv以上の表面硬さを満たすマルエージン
グ鋼の窒化処理のためには、残留アンモニア濃度を0.
5%/min〜2%/minの範囲の平均上昇率で増加
させることが適当であることが明らかになった。このよ
うにして窒化処理されたマルエージング鋼は高い疲労強
度と耐摩耗性とを備えており、ベルト式無段変速機用の
ベルトに用いて好適である。
【0039】なお、白色層の発生を防止し、窒化後の表
面硬さが900Hvを満たし、さらに生産性の観点か
ら、残留アンモニア濃度を増加させるときの平均上昇率
は、1%/min前後がより好ましい。
【0040】(ベルト式無段変速機用のベルトの製造)
次に、ベルト式無段変速機用のベルトの製造工程につい
て説明する。図2は、ベルト式無段変速機用のベルトの
製造工程の一実施形態を示す図である。
【0041】まず、18Ni系マルエージング鋼の板を
ロール成形し、端部を溶接して円筒状のパイプを形成す
る。
【0042】次に、このパイプを真空炉にて800〜8
30℃で15〜30分間保持して第一溶体化処理を行
う。第一溶体化処理は、溶接時に析出した炭化物やぜい
化相の溶体化のため実施する。
【0043】次に、前記パイプを所定の幅に裁断し、リ
ングを形成する。このリングには裁断によりエッジが発
生しているため、バレル研磨にて面取りを行う。
【0044】次に、所定の長さにするため、ロール圧延
を行う。
【0045】圧延後、リングを、第二溶体化処理とし
て、水素ガスからなる還元性雰囲気にて810〜860
℃の温度に昇温後、この温度で保持することなく、水素
ガス冷却を行う。第二溶体化処理は、圧延された組織を
微細化するため行う。
【0046】次に、ストレッチを行い、所定の長さにな
るように周長を微調整する。
【0047】窒化処理の際に表面の清浄度が低いと窒化
ムラの原因となるため、時効処理前に超音波洗浄を行
う。
【0048】次いで、真空炉で時効処理温度480℃、
時効処理時間2時間にて時効処理を実施した。
【0049】時効処理後に、430℃〜480℃の窒化
処理温度で、残留アンモニア濃度を時間の経過に応じて
10%未満から70%以上まで増加させる窒化雰囲気中
で窒化処理し、白色層が表層に発生しない窒化層を形成
する。残留アンモニア濃度を、窒化処理開始から少なく
とも10分間、10%未満とした。さらに、残留アンモ
ニア濃度を、0.5%/min〜2%/minの範囲の
平均上昇率で増加させた。一例として、窒化炉にて、窒
化処理温度450℃、窒化処理時間60分、残留アンモ
ニア濃度の増加が5%から95%まで、残留アンモニア
濃度を5%に保持する時間9分、残留アンモニア濃度が
5%から70%を超えるまで増加させるときの平均上昇
率1.5%/minの条件にて窒化処理を実施した。
【0050】上記の工程を経て製造されたベルト式無段
変速機用のベルトは、窒化表層に白色層が発生せず、9
00Hv以上の表面硬さ、および、1950MPa以上
の引張り強度を備えている。
【0051】本実施形態によれば、引張り強度が高い1
8Ni系マルエージング鋼に対する熱処理工法を改善す
ることにより、18Ni系マルエージング鋼の疲労強度
と耐摩耗性とをさらに高めることができ、用途上から高
い疲労強度、耐摩耗性および引張り強度が要求されるベ
ルト式無段変速機用のベルトに用いて極めて好適なもの
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 430℃〜480℃の窒化処理温度で、残留
アンモニア濃度を窒化処理開始から10分間は10%未
満の一定濃度とし、それ以降、残留アンモニア濃度を増
加させる場合の平均上昇率を変化させたときの、窒化後
の表面硬さと、白色層の発生の有無とを調べた結果を示
す図である。
【図2】 ベルト式無段変速機用のベルトの製造工程の
一実施形態を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 5/16 F16G 5/16 B (72)発明者 渡辺 陽一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4K028 AA02 AB01 AB06 AC07 AC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルエージング鋼の表面を硬化する窒化
    処理方法において、430℃〜480℃の窒化処理温度
    で、残留アンモニア濃度を時間の経過に応じて10%未
    満から70%以上まで増加させる窒化雰囲気中で窒化処
    理して窒化層を形成することを特徴とするマルエージン
    グ鋼の窒化処理方法。
  2. 【請求項2】 窒化雰囲気中の残留アンモニア濃度を、
    窒化処理開始から少なくとも10分間、10%未満とす
    ることを特徴とする請求項1に記載のマルエージング鋼
    の窒化処理方法。
  3. 【請求項3】 窒化雰囲気中の残留アンモニア濃度を、
    0.5%/min〜2%/minの範囲の平均上昇率で
    増加させることを特徴とする請求項1に記載のマルエー
    ジング鋼の窒化処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法によって窒化処理
    されてなるベルト式無段変速機用のベルト。
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