JP2000079868A - 車両セキュリティ制御装置 - Google Patents

車両セキュリティ制御装置

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JP2000079868A JP18796099A JP18796099A JP2000079868A JP 2000079868 A JP2000079868 A JP 2000079868A JP 18796099 A JP18796099 A JP 18796099A JP 18796099 A JP18796099 A JP 18796099A JP 2000079868 A JP2000079868 A JP 2000079868A
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vehicle security
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、携帯機の電池の消耗や電波障害の
発生時においても、車両の使用許可をすることが可能な
車両セキュリティ制御装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 車両に設けられ、スイッチ手段60Bが
装着される装着部88と、キー適否判定手段S10〜S
24で車両の使用不許可と判定された場合に、装着部に
装着されたスイッチ手段との間でコード照合を行い車両
の使用許可または不許可の判定を行うキー適否判定バッ
クアップ手段46,90,S30〜S38とを有する。
このため、携帯機の電池の消耗や電波障害の発生時にお
いても、車両の使用許可をすることが可能となる。別の
実施態様では、キー適否判定バックアップ手段の異常の
有無を判定するバックアップ異常判定手段100,S5
4,S56が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両セキュリティ制
御装置に関し、携帯機との通信によるコード照合を行っ
て照合結果に基づいて車両の使用許可または不許可の制
御を行う車両セキュリティ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、携帯機との通信によるコード
照合を行って照合結果に基づいて車両の使用許可または
不許可の制御を行う車両セキュリティ制御装置がある。
例えば特開平3−21575号公報には、車両側の手動
スイッチを操作することにより、乗員が携行する暗証コ
ード発信機と車両に設けた受信機との間で交信が行わ
れ、車両に設けたコード照合手段にてコード信号の相互
確認がなされ、これにより、操作者が正当なユーザと認
識されたとき車両の走行用電源回路がオンとなると共
に、車両に設けた手動スイッチの操作により車両の解錠
が行われることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来装置では、乗員が
携行する暗証コード発信機の電源である電池の消耗や、
電波障害の発生により、コード照合手段で行うコード信
号の相互確認が正当に行われなくなると、車両の走行用
電源回路をオンにすることができなくなり、車両の解錠
を行えなくなるという問題があった。
【0004】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、車両に設けられた装着部にスイッチ手段を装着し
て、コード照合を行い車両の使用許可または不許可の判
定を行うことにより、携帯機の電池の消耗や電波障害の
発生時においても、車両の使用許可をすることが可能な
車両セキュリティ制御装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車載機と携帯機との通信によるコード照合の結果に
基づいて車両の使用許可または不許可の判定を行うキー
適否判定手段を有する車両セキュリティ制御装置におい
て、車両に設けられる装着部と、前記装着部に装着され
るスイッチ手段と、前記キー適否判定手段で車両の使用
不許可と判定された場合に、前記装着部に装着されたス
イッチ手段との間でコード照合を行い車両の使用許可ま
たは不許可の判定を行うキー適否判定バックアップ手段
とを有する。
【0006】このように、車両の装着部に装着されたス
イッチ手段とキー適否判定バックアップ手段との間でコ
ード照合を行い車両の使用許可または不許可の判定を行
うため、携帯機の電池の消耗や電波障害の発生時におい
ても、車両の使用許可をすることが可能となる。請求項
2に記載の発明は、請求項1記載の車両セキュリティ制
御装置において、前記装着部に前記スイッチ手段が装着
されたことを検出して前記キー適否判定バックアップ手
段を動作させる装着検出手段を有する。
【0007】このように、装着部にスイッチ手段が装着
されたことを検出してキー適否判定バックアップ手段を
動作させるため、スイッチ手段が装着されていないとき
はキー適否判定バックアップ手段の動作が行われず、無
駄な電力消費が防止されると共に、仮にキー適否判定バ
ックアップ手段とキー適否判定手段とで使用する信号の
周波数が同一であっても、混信のおそれがない。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の車両セキュリティ制御装置において、前記スイ
ッチ手段は、前記携帯機の少なくとも一部である。この
ように、スイッチ手段を携帯機の一部もしくは全部とす
ることができる。請求項4に記載の発明は、請求項1記
載の車両セキュリティ制御装置において、前記キー適否
判定バックアップ手段で車両の使用許可が判定された場
合に、ドアの開閉を許可するドア開閉許可手段を有す
る。
【0009】このように、車両の使用許可が判定された
場合に、ドアの開閉を許可することにより、ドアの開閉
が可能となる。請求項5に記載の発明は、請求項1また
は2記載の車両セキュリティ制御装置において、前記キ
ー適否判定バックアップ手段で車両の使用許可が判定さ
れた場合に、車両のエンジン始動を許可するエンジン始
動許可手段を有する。
【0010】このように、車両の使用許可が判定された
場合に、車両のエンジン始動を許可することにより、エ
ンジンの始動が可能となり、車両の走行が可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の車両セキュリ
ティ制御装置において、前記車両は、エンジン始動のた
めの取り外し可能な始動スイッチを有し、前記始動スイ
ッチを取り外した位置に前記装着部を設ける。
【0011】このように、始動スイッチを取り外した位
置に装着部を設けることにより、ユーザは携帯機の電池
の消耗や電波障害の発生時に従来のエンジンキーと同じ
ような使い方で、装着部に携帯機の少なくとも一部を装
着して車両のエンジン始動を行うことができる。請求項
7に記載の発明は、請求項1または2記載の車両セキュ
リティ制御装置において、前記キー適否判定バックアッ
プ手段で車両の使用許可が判定された場合に、車両のス
テアリングのアンロックを許可するステアリングアンロ
ック許可手段を有する。
【0012】このように、車両の使用許可が判定された
場合に、車両のステアリングのアンロックを許可するこ
とにより、ステアリングのロックが解除され、車両の走
行が可能となる。請求項8に記載の発明は、請求項2記
載の車両セキュリティ制御装置において、前記キー適否
判定バックアップ手段は、前記スイッチ手段に設けられ
固有のコードを送信するトランスポンダ回路と、前記ト
ランスポンダ回路からの固有のコードを受信して、予め
格納されている車両に固有のコードと照合する照合手段
とを有する。
【0013】このように、携帯機のトランスポンダ回路
から固有のコードを送信し、トランスポンダ回路からの
固有のコードを受信して、予め格納されている車両に固
有のコードと照合することにより、車両に対応した正規
の携帯機であるか否か判定することができる。請求項9
に記載の発明は、請求項4または5または7記載の車両
セキュリティ制御装置において、前記キー適否判定バッ
クアップ手段で判定された車両の使用許可の範囲を、前
記キー適否判定手段で判定された車両の使用許可の範囲
に対して制限する。
【0014】このように、キー適否判定バックアップ手
段で判定された車両の使用許可の範囲を、キー適否判定
手段で判定された車両の使用許可の範囲に対して制限す
ることにより、キー適否判定バックアップ手段で車両の
使用が許可された場合には、車両の使用が許可される範
囲が制限され、盗難等による被害を最小限に抑えること
ができる。
【0015】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
9のうち何れか1項記載の車両セキュリティ制御装置に
おいて、前記キー適否判定バックアップ手段の異常の有
無を判定するバックアップ異常判定手段を有する。この
ように、キー適否判定バックアップ手段の異常の有無を
判定するバックアップ異常判定手段を設けることによ
り、キー適否判定バックアップ手段の異常を検出でき
る。
【0016】請求項11記載の発明は、請求項8記載の
車両セキュリティ制御装置において、前記照合手段の近
傍に設けられ固有のコードを送信する第2のトランスポ
ンダ回路を含み、前記照合手段による該第2のトランス
ポンダ回路からの固有のコードと予め格納された第2の
固有のコードとの照合結果に基づいて前記キー適否判定
バックアップ手段の異常の有無を判定するバックアップ
異常判定手段を有する。
【0017】このように、照合手段の近傍に設けられた
第2のトランスポンダ回路から固有のコードが送信され
ることで、トランスポンダ回路からコードが送信されな
い場合にも、照合手段により第2のトランスポンダ回路
から送信された固有のコードと予め格納された第2の固
有のコードとの照合動作が行われる。このため、バック
アップ異常判定手段は、照合手段による上記照合動作の
照合結果に基づいて、キー適否判定バックアップ手段を
構成する照合手段の異常の有無を判定できる。
【0018】請求項12に記載の発明は、請求項10ま
たは11記載の車両セキュリティ制御装置において、前
記バックアップ異常判定手段は、前記装着部に前記スイ
ッチ手段が装着されていない場合に作動する。このよう
に、バックアップ異常判定手段は、装着部に前記スイッ
チ手段が装着されていない場合に作動するため、装着部
にスイッチ手段が装着されていなくても、つまり、キー
適否判定バックアップ手段が作動しなくても、キー適否
判定バックアップ手段の異常を判定できる。
【0019】請求項13に記載の発明は、請求項10ま
たは11または12記載の車両セキュリティ制御装置に
おいて、前記バックアップ異常判定手段により前記キー
適否判定バックアップ手段に異常が生じていると判定さ
れた場合に警報を発する警報手段を有する。このよう
に、前記キー適否判定バックアップ手段に異常が生じて
いると判定された場合に警報手段により警報が発せられ
ることで、乗員は異常の発生を認知することができる。
【0020】請求項14に記載の発明は、請求項11記
載の車両セキュリティ制御装置において、前記トランス
ポンダ回路が送信する固有のコードと、前記第2のトラ
ンスポンダ回路が送信する固有のコードとが異なる値と
されている。このように、トランスポンダ回路が送信す
る固有のコードと、前記第2のトランスポンダ回路が送
信する固有のコードとは異なる値とされているため、第
2のトランスポンダ回路からの固有のコードによって、
キー適否判定バックアップ手段が車両の使用許可を判定
することが回避される。従って、正規でないスイッチ手
段が装着部に装着された場合に車両の使用許可がなされ
るのを防止できる。
【0021】請求項15に記載の発明は、請求項11記
載の車両セキュリティ制御装置において、前記トランス
ポンダ回路から送信された固有のコードは、前記第2の
トランスポンダ回路から送信された固有のコードよりも
優先して前記照合手段により受信される。
【0022】このように、トランスポンダ回路から送信
された固有のコードが第2のトランスポンダ回路から送
信された固有のコードよりも優先して照合手段により受
信されるので、第2のトランスポンダ回路から送信され
たコードによってキー適否判定バックアップ手段の判定
動作が妨害されるのを防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である車
両セキュリティ制御装置が備える車載機のブロック図を
示す。同図中、車載機10は、第1送信アンテナ11及
び第2送信アンテナ12の2つのアンテナを有してい
る。第1送信アンテナ11は、車両(4輪車)の例えば
ドアの取っ手に設けられている。一方、第2送信アンテ
ナ12は、車室内のインスツルパネル付近に設けられて
いる。第1送信アンテナ11は第1送信部14に接続さ
れ、第2送信アンテナ12は第2送信部16に接続され
ている。この第1送信部14及び第2送信部16はEC
U(電子制御装置)20に接続されている。
【0024】ECU20は第1送信部14及び第2送信
部16に対してそれぞれ第1及び第2のリクエストコー
ドを供給し、この第1及び第2のリクエストコードが変
調された周波数f1(例えば134kHz)のリクエス
ト信号が、それぞれ、第1送信アンテナ11及び第2送
信アンテナ12から携帯機60に対して送信される。な
お、実際の回路としては第1送信部14,第2送信部1
6を1回路にまとめても良い。また、車両には受信アン
テナ22が設けられており、この受信アンテナ22で受
信された携帯機60よりの周波数f2(例えば300M
Hz)の信号は受信回路24で復調されてECU20に
供給される。
【0025】ECU20にはメモリ26が接続されてお
り、このメモリ26にはドアロックに関する第1コー
ド、エンジン始動に関する第2コード、トランスポンダ
IDコード等の互いに異なる複数のコードが格納されて
いる。メモリ26はEEPROM等の不揮発性メモリで
あり、電源が遮断されてもその記憶内容は保持される。
操作検出部28はユーザによる各種スイッチ操作を検出
するものであり、例えばイグニッションスイッチの操作
を検出し、その操作検出信号をECU20に供給する。
ドア開閉検出部30は運転席ドアの開閉(または全ての
ドアの個別の開閉)を検出し、その検出信号をECU2
0に供給する。イモビスイッチ32は携帯機のトランス
ポンダ部のインスツルパネルへの装着を検出してその検
出信号をECU20に供給する。
【0026】また、ECU20には、ステアリングロッ
ク部40、イモビライザ部42、ドアロック部44、イ
モビアンプ46が接続されている。ステアリングロック
部40はステアリングの操作を機械的に禁止する機構で
ある。イモビライザ部42はエンジン50への燃料供給
及びイグニッション動作を禁止する機構である。ドアロ
ック部44は全てのドアのロック/アンロックを行う機
構である。
【0027】イモビアンプ46は、後述する如く、非常
時に、携帯機のトランスポンダ回路への高周波による給
電を行うと共にトランスポンダ回路により送信されたI
Dコードを復調してECU20に供給する。また、EC
U20はエンジン制御部48が接続されており、エンジ
ン制御部48はセルモータを利用してエンジン50の始
動を制御すると共に、エンジン50の駆動停止も制御で
きる。
【0028】図2は本発明装置の携帯機の一実施例のブ
ロック図を示す。同図中、携帯機60は、送信アンテナ
62と受信アンテナ64を有している。これらのアンテ
ナ62,64は送受信回路66に接続され、送受信回路
66はECU68に接続されている。この受信アンテナ
64で受信された車載機10よりの周波数f1のリクエ
スト信号は送受信回路66で復調されてECU68に供
給される。また、ECU68はメモリ70から読み出し
た第1,第2コードを送受信回路66に供給し、この第
1,第2コードが送受信回路66で変調されて、周波数
f2の信号で送信アンテナ62から車載機10に対して
送信される。
【0029】また、携帯機60には、これらとは別にト
ランスポンダ回路72が設けられている。トランスポン
ダ回路72は共振回路及びIC回路を内蔵している。ト
ランスポンダ回路72は、イモビアンプ46からイモビ
コイルを経て送信された高周波を共振回路で受信する
と、この高周波のエネルギーを電力として共振回路に蓄
積すると共に、IC回路によって、高周波に含まれるI
DコードとIC回路内に記憶された固有のトランスポン
ダIDコードとを照合する。そして、両IDコードが一
致する場合に、共振回路に蓄積された電力を用いて、ト
ランスポンダIDコードを返送する。なお、このトラン
スポンダIDコードはイモビコイルからイモビアンプ4
6を経てECU20に供給される。
【0030】図3に第1,第2送信アンテナと携帯機6
0との通信を模式的に示す。同図中、第1,第2送信ア
ンテナ11,12からは、周波数f1の第1,第2のリ
クエスト信号が送信され、携帯機60はこの第1,第2
のリクエスト信号を受信すると、受信したリクエスト信
号に応じて第1,第2コードを変調した周波数f2の信
号を返送する。車載機10の受信アンテナ22で受信さ
れた周波数f2の信号は受信回路24で復調されてEC
U20に供給され、ECU20は上記第1,第2コード
を受信する。
【0031】図4は本発明装置のECU20が実行する
エンジン始動処理の一実施例のフローチャートを示す。
ECU20は全てロックされた状態で、定期的(例えば
200msec毎)に、この処理を実行する。同図中、
ステップS10でECU20は、送信部14により、第
1のリクエストコードを変調した周波数f1のリクエス
ト信号を第1アンテナ11から送信させる。この後、ス
テップS12で携帯機60からの返送信号が受信回路2
4で受信されたか否かを判別し、受信された場合にはス
テップS14で受信回路24から供給される復調された
コードをメモリ26に格納されている第1コードと照合
する。携帯機60からの返送信号が受信されてない場
合、または、復調されたコードが第1コードと一致しな
い場合にはステップS10に進み、携帯機60からの返
送信号が受信され、かつ、復調されたコードが第1コー
ドと一致した場合にはステップS16に進む。
【0032】ここで、ユーザが正規の携帯機60を携行
して車両に近付いた場合には、携帯機60の受信アンテ
ナ64で、第1のリクエストコードを変調した周波数f
1のリクエスト信号が受信されるため、携帯機60は、
第1のリクエストコードに応じて第1コードを変調した
周波数f2の信号を送信アンテナ62から返送し、ステ
ップS14で復調されたコードが第1コードと一致して
ステップS16に進む。ECU20は、ユーザが正規の
携帯機60を携行して車両に近付いたと判断し、ステッ
プS16でドアロック部44を制御して全てのドアをア
ンロックする。
【0033】次に、ECU20は、ステップS18で、
車室内のインスツルパネル付近に設けられている第2送
信アンテナ12から第2のリクエストコードを変調した
周波数f1のリクエスト信号を送信させる。この後、ス
テップS20で携帯機60からの返送信号が受信回路2
4で受信されたか否かを判別し、受信された場合にはス
テップS22で受信回路24から供給される復調された
コードをメモリ26に格納されている第2コードと照合
する。携帯機60からの返送信号が受信されてない場
合、または、復調されたコードが第2コードと一致しな
い場合にはステップS18に進み、携帯機60からの返
送信号が受信され、かつ、復調されたコードが第2コー
ドと一致した場合にはステップS24に進む。
【0034】ユーザが正規の携帯機60を携行して乗車
した場合には、ECU20は、ステップS24でステア
リングロック部40を制御してステアリングのロックを
解除し、イモビライザ部42を制御してエンジン50へ
の燃料供給の禁止を解除し、かつ、イグニッション動作
の禁止を解除する。これにより、ユーザがイグニッショ
ンキーを所定位置まで回転させると、エンジン制御部4
8によりエンジン50が始動される。
【0035】ここで、図5(A),(B)に本発明装置
のイグニッションキーの一実施例の断面図、平面図を示
す。図5(B)に示すように、イグニッションキー80
は車室内のインスツルパネルに設けられており、操作ノ
ブ82を回転させて表示部84に記入されたエンジン停
止位置(LOCK)、アクセサリー位置(ACC)、エ
ンジン駆動位置(ON)、エンジン始動位置(STAR
T)にそれぞれ合わせ、エンジン及び車両の電源の状態
選択を行う。
【0036】従来の車両では操作ノブ82の位置にエン
ジンキーを装着して上記の状態選択を行っているが、本
発明では電子キーとしての携帯機60を用いているた
め、エンジンキーの代わりに操作ノブ82を設けてい
る。本実施例では図5(A)に示すように、操作ノブ8
2の凸部86をインスツルパネル内の支持部88に嵌合
させており、操作ノブ82を支持部88に対して挿脱自
在としている。
【0037】インスツルパネル内には、操作ノブ82の
凸部86先端に離間対向してイモビスイッチ32が配設
されている。操作ノブ82の凸部86先端はイモビスイ
ッチ32から離間しているために、イモビスイッチ32
はオフ状態である。また、支持部88の周囲にイモビコ
イル90が巻回されており、このイモビコイル90はイ
モビアンプ46に接続されている。
【0038】図6に本発明装置の携帯機60の一実施例
の側面図を示す。同図中、携帯機60は本体部60Aと
トランスポンダ部60Bとに分離可能とされており、通
常は本体部60Aに形成された凹部60Cに、トランス
ポンダ部60Bに形成された凸部60Dを嵌合させて一
体化させて使用するが、携帯機60内蔵の電池が放電し
たような非常時には本体部60Aとトランスポンダ部6
0Bを分離して使用する。トランスポンダ部60Bの凸
部60Dは、イグニッションキー80の操作ノブ82の
凸部86と同一径であるが、凸部60Dの長さd1は操
作ノブ82の凸部86の長さd2より長くされている。
【0039】ところで、本体部60Aには図2における
送信アンテナ62,受信アンテナ64,送受信回路6
6,ECU68,メモリ70と、これらの電源としての
電池が配設されており、トランスポンダ部60Bにはト
ランスポンダ回路72が配設されている。なお、送信ア
ンテナ62,受信アンテナ64,送受信回路66,EC
U68,メモリ70,電池,トランスポンダ回路72を
全てトランスポンダ部60Bに配設してもかまわない。
【0040】携帯機60内蔵の電池が放電したような非
常時には、携帯機60の本体部60Aとトランスポンダ
部60Bを分離し、イグニッションキー80の操作ノブ
82をインスツルパネルから離脱させ、操作ノブ82の
代わりにトランスポンダ部60Bの凸部60Dをインス
ツルパネル内の支持部88に挿入嵌合させて装着する。
このとき、凸部60Dの長さは凸部86の長さより長く
されているため、図5の破線で示されるように凸部60
D先端がイモビスイッチ32に当接し、イモビスイッチ
32はオン状態となる。
【0041】なお、イモビスイッチ32によりトランス
ポンダ部60Bが装着されたことを検知する構成は上記
のものに限らず、例えば、イモビスイッチ32を支持部
88内の所定位置(例えば入口付近)に設け、トランス
ポンダ部60Bが支持部88に挿入された場合にのみイ
モビスイッチ32がオンするように、トランスポンダ部
60B及び操作ノブ82の形状を設計することとしても
よい。
【0042】図7は本発明装置のECU20が実行する
非常時処理の一実施例のフローチャートを示す。この処
理はイモビスイッチ32のオンにより開始される。同図
中、ECU20はステップS30でイモビアンプ46に
所定時間だけ、固有のトランスポンダIDコードを変調
した周波数f3(例えば、上記リクエスト信号の周波数
f1と同じ134kHz)の高周波信号を出力させる。
この高周波信号はイモビアンプ46からイモビコイル9
0に供給され、イモビコイル90から送信される。
【0043】トランスポンダ部60Bに設けられたトラ
ンスポンダ回路72はこの高周波信号を内蔵の共振回路
で受信して高周波のエネルギーを電力として蓄積し、高
周波信号に含まれるIDコードがIC回路に記憶された
固有のトランスポンダIDコードに一致する場合に、こ
のトランスポンダIDコードを周波数f3の信号で返送
する。
【0044】次に、ステップS32でECU20はイモ
ビアンプ46の高周波出力を停止させ、イモビコイル9
0で受信されたトランスポンダIDコードがイモビアン
プ46で増幅及び復調されて供給されるのを読み取る。
そして、ステップS34でトランスポンダIDコードが
受信されたか否かを判別し、ステップS36で受信され
たトランスポンダIDコードが、メモリ26に格納され
ているトランスポンダ回路のIDコードと一致するか否
かを判別する。トランスポンダIDコードが受信されな
い場合、または供給されたコードがメモリ26のIDコ
ードと一致しない場合にはステップS30に進み、一致
した場合にはステップS38に進む。
【0045】ユーザが正規の携帯機60のトランスポン
ダ部60Bを操作ノブ82の代わりにインスツルパネル
内の支持部88に挿入嵌合させた場合には、ECU20
は、イマージェンシーモードとなり、ステップS38で
ステアリングロック部40を制御してステアリングのロ
ックを解除し、イモビライザ部42を制御してエンジン
50への燃料供給の禁止を解除し、かつ、イグニッショ
ン動作の禁止を解除する。これにより、ユーザがトラン
スポンダ部60Bを所定位置まで回転させると、エンジ
ン制御部48によりエンジン50が始動される。なお、
イマージェンシーモードでは、ECU20はトランクド
ア及び給油蓋のアンロックを禁止する。これは盗難等の
不正始動に対応してトランクに収納された物品の盗難を
防止し、給油を規制して、被害を最小限に抑えるためで
ある。
【0046】このように、車両のインスツルパネル内の
支持部88に装着された携帯機60のトランスポンダ部
60Bとの間でコード照合を行い車両の使用許可または
不許可の判定を行うため、携帯機60の電池の消耗や電
波障害の発生時においても、車両の使用許可をすること
が可能となる。また、イモビスイッチ32でトランスポ
ンダ部60Bが装着されたことを検出してイモビアンプ
46を動作させるため、携帯機の少なくとも一部が装着
されていないときはイモビアンプ46の動作が行われ
ず、無駄な電力消費が防止されると共に、仮にキー適否
判定バックアップ手段で使用する信号の周波数f3とキ
ー適否判定手段とで使用する信号の周波数f1とが同一
であっても、混信のおそれがなく、上記同一の周波数を
使用することで周波数の利用効率を向上できる。
【0047】また、イグニッションキー80の操作ノブ
82を取り外した位置にトランスポンダ部60B装着す
ることにより、ユーザは携帯機の電池の消耗や電波障害
の発生時に従来のエンジンキーと同じような使い方で、
装着部に携帯機の少なくとも一部を装着して車両のエン
ジン始動を行うことができ、イモビコイル90とトラン
スポンダ回路72を接近させて電源供給を効果的に行う
ことができる。
【0048】なお、上記実施例では、携帯機60を本体
部60Aとトランスポンダ部60Bとに分離可能として
いるが、これに限らず、携帯機60に凸部を設け、この
凸部をインスツルパネル内の支持部88に挿入嵌合さ
せ、携帯機60全体を支持部88に装着しても良く、更
に、イグニッションキー80の操作ノブ82に支持部を
設け、操作ノブ82を取り外すことなくトランスポンダ
部60Bの凸部60Dを上記支持部に挿入嵌合させて装
着する構成としても良い。
【0049】また、上記実施例では、トランスポンダ回
路72とイモビアンプ46との間で双方向にトランスポ
ンダIDコードが送信され、双方でコード照合処理が行
われることにより、セキュリティ性が向上している。た
だし、トランスポンダ回路72からのみトランスポンダ
IDコードを送信して車載機10側でのみ照合処理を行
う構成とすることも可能である。
【0050】なお、図5のイモビスイッチ32がオンと
なり、イマージェンシーモードとなった場合に、通常の
キー適否判定手段を停止させると良い。つまり、図7に
示されるフローチャートのステップS30の前に、「車
室内リクエストを停止させる」というステップを追加す
る。この場合には、イモビコイル90とトランスポンダ
回路72との通信が妨害されることなく、より好適な実
施の形態であるといえる。
【0051】また、本実施の形態によれば、エンジンの
始動の許可を行う実施の形態としたが、ドアもしくはト
ランクドア等の開閉の許可を行うものにも適用すること
ができる。この場合、車両のドアハンドル部分等にイモ
ビコイル90と同様のトランスポンダ起動用コイルを設
け、携帯機60の電池の消耗や電波障害の発生時に携帯
機60をトランスポンダ起動用コイルに接近させてトラ
ンスポンダ回路72を起動することにより、コード照合
が正常になされればドアのアンロック制御を行う。
【0052】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。上記第1実施例の装置において、車載機10側に設
けられたイモビアンプ46、イモビコイル90、及び、
ECU20の図7に示すルーチンの実行に係わる部分
(すなわち、車載機10側において非常時処理に係わる
構成部分;以下、バックアップ部と称す)は、携帯機6
0の内蔵電池が放電した場合等の非常時にのみ作動する
ため、通常時にはバックアップ部に異常が生じてもその
異常を検出することはできない。このため、携帯機60
のトランスポンダ部62を支持部88へ挿入した際にイ
モビライザ解除等の所定の処理が行われないことで、初
めてバックアップ部の異常が判明するという事態を招く
可能性がある。かかる不都合を回避するため、本実施例
では、通常時にバックアップ部の異常判定を所定のタイ
ミングで行うことにより、バックアップ部の異常を早期
に検出する。
【0053】本実施例の車両セキュリティ制御装置は、
上記第1実施例の車両セキュリティ制御装置において、
車載機10側にトランスポンダ回路72と同様の機能を
有するダミー回路を設けた構成を有している。図8は、
本実施例の車両セキュリティ制御装置の携帯機60のト
ランスポンダ部60B、イモビコイル90、及びその周
辺部分を模式的に示す図である。なお、図8において、
上記図1と同様の構成部分には同一の符号を付してその
説明を省略する。
【0054】図8に示す如く、イモビコイル90の近傍
にはダミー回路100が設けられている。ダミー回路1
00は、トランスポンダ回路72と同様に共振回路及び
IC回路を内蔵しており、イモビコイル90から送信さ
れた周波数f3(例えば134kHz)の高周波信号を
共振回路で受信すると、この高周波信号のエネルギーを
電力として共振回路に蓄積する。そして、受信した高周
波信号に含まれるIDコードとIC回路に格納されたダ
ミーIDコードとを照合し、両IDコードが一致する場
合に、共振回路に蓄積された電力を用いてダミーIDコ
ードが変調された周波数f3の高周波信号を返送する。
なお、車載機10のメモリ26には、ダミー回路100
に対応するダミーIDコードが予め格納されている。
【0055】本実施例において、携帯機10のECU2
0は、上記図4及び図7に示すルーチンに加えて図9に
示すルーチンを実行する。図9に示すルーチンは、例え
ばイグニッションキー80がエンジン停止位置(LOC
K)からアクセサリ位置(ACC)に切り替えられた際
に起動される。ただし、本ルーチンを起動するタイミン
グはこれに限らず、例えば所定時間間隔で起動すること
としてもよい。図9に示すルーチンが起動されると、先
ずステップS50の処理が実行される。
【0056】ステップS50では、イモビスイッチ32
がオフ状態であるか否かが判別される。その結果、イモ
ビスイッチ32がオフ状態でなければ、トランスポンダ
部60Bが支持部88に挿入されていると判断されて今
回のルーチンは終了される。一方、ステップS50にお
いてイモビスイッチ32がオフ状態であれば、ステップ
S52以降において、バックアップ部の異常判定を行う
ための処理が実行される。
【0057】ステップS52では、メモリ26に格納さ
れたダミーIDコードが読み出されると共に、このダミ
ーIDコードが変調された周波数f3の高周波信号がイ
モビアンプ46により所定時間だけ出力させられる。イ
モビアンプ46から出力された高周波信号はイモビコイ
ル90から送信される。上記の如く、イモビコイル90
の近傍に設けられたダミー回路100は、イモビコイル
90から送信された周波数f3の高周波信号を受信する
と、この高周波信号に含まれるIDコードとIC回路に
格納されたダミーIDコードとを照合し、両コードが一
致する場合にダミーIDコードで変調した周波数f3の
高周波信号を返送する。
【0058】ステップS52に続くステップS54で
は、周波数f3の高周波信号がイモビコイル90により
受信されたか否かが判別される。その結果、高周波信号
が受信されていれば、次にステップS56の処理が実行
される。ステップS56では、受信された高周波信号に
含まれるダミーIDコードが復調され、このダミーID
コードがメモリ26に記憶されたダミー回路100に対
応するIDコードに一致するか否かが判別される。その
結果、両コードが一致する場合は、バックアップ部は正
常であると判定されて今回のルーチンは終了される。
【0059】一方、上記ステップS54で高周波信号が
受信されない場合、または、ステップS56で復調され
たIDコードがダミーIDコードと一致しない場合は、
イモビアンプ48、イモビコイル90、及びECU20
によるIDコードの送受信動作又はコード照合動作が適
正に行われていないことになる。この場合、バックアッ
プ部に異常が生じていると判断され、次にステップS5
8において、例えば、警告灯の点灯や警報音の発生によ
りバックアップ部の故障を示す警報が発せられた後、ル
ーチンは終了される。なお、本ステップS54では、警
報を発生することに代えて、または、加えて、車両の作
動状態を記憶するマルチインフォメーションメモリにバ
ックアップ部の異常を示す情報を書き込むこととしても
よい。
【0060】上述の如く、上記図9に示すルーチンは所
定のタイミング(例えば、イグニッションキー80がエ
ンジン停止位置からアクセサリ位置へ操作される毎、ま
たは、所定時間間隔)で起動され、このルーチンでは、
トランスポンダ部60Bが支持部88に挿入されていな
い場合に、バックアップ部の異常判定処理が行われる。
そして、この異常判定処理では、イモビアンプ46とダ
ミー回路100との間で双方向にダミーIDコードが送
受され、双方でコード照合処理が行われるため、バック
アップ部について、信号の送受信機能を含めた全ての機
能の異常判定が行われる。従って、本実施例によれば、
携帯機60の電池消耗等の非常事態が生じなくとも、バ
ックアップ部の異常を早期にかつ確実に検出して、その
旨の警報を発することができる。これにより、バックア
ップ部の修理・交換等の措置を速やかにとることが可能
となり、非常時にトランスポンダ部60Bを支持部88
に挿入した際に、バックアップ部の異常によりエンジン
始動が行えないという事態を回避することができる。
【0061】また、ダミー回路100として、トランス
ポンダ回路52と同一の回路を用いることが可能である
ため、装置コストを抑制することができる。なお、本実
施例の構成では、携帯機60に設けられたトランスポン
ダ回路72の異常判定を行うことはできない。しかしな
がら、トランスポンダ回路72は共振回路及びIC回路
をパッケージ化して構成することができるので、その故
障率は、イモビコイル90、イモビアンプ46、及びE
CU20等の故障率に比べて極めて小さい。従って、本
実施例によれば、非常時にIDコード照合を行うのに必
要な構成部分のほぼ全部分について故障判定が行われる
こととなる。
【0062】ところで、本実施例では、イグニッション
キー80がアクセサリ位置へ操作され、かつ、イモビス
イッチ32がオフ状態である(つまり、携帯機60のト
ランスポンダ部60Bが支持部88に挿入されていな
い)場合に限りバックアップ部の異常判定処理が行われ
るため、図7に示すルーチンにおけるトランスポンダI
Dコードの照合と、図9に示すルーチンにおけるダミー
回路100からの高周波信号の送信とが同時期に行われ
ることはない。従って、ダミーIDコードとしてトラン
スポンダIDコードと同じ値を用いても、図9に示すル
ーチンにおいてダミー回路100から送信されたダミー
IDコードが、図7に示すルーチンにおいてトランスポ
ンダ部60Bから送信されたものと判断されてイモビラ
イザ解除等の処理が行われることはない。すなわち、本
実施例では、正規のトランスポンダ部80B以外のトラ
ンスポンダ部80Bが挿入された場合に、車両の始動が
誤って許可されることが防止されている。
【0063】しかしながら、ダミーIDコードとしてト
ランスポンダIDと異なるコード値を用い、または、ダ
ミーIDコードをトランスポンダIDとは異なるフォー
マットでコード化することとすれば、図7に示すルーチ
ンにおいて送信されたダミーIDコードが図9に示すル
ーチンで受信された場合にも、ステップS36の照合処
理で否定判別されるためイモビライザ解除等の処理が行
われることはない。すなわち、図7及び図9に示すルー
チンが並行して実行されても、正規でないトランスポン
ダ部60Bが支持部88に挿入された場合の上記の如き
誤動作を防止することができる。このように、ダミーI
DコードとトランスポンダIDとを異なるコード値と
し、または、異なるフォーマットでコード化することに
より、図9に示すルーチンのステップS50の処理を省
略することが可能となる(つまり、バックアップ部の異
常判定処理を行う時期に制限がなくなる)ため、バック
アップ部の異常判定処理を行うルーチンをより簡単化す
ることができる。
【0064】なお、図7に示すルーチンと図9に示すル
ーチンとが並行して実行されることを許容した場合、ト
ランスポンダ回路72からの高周波信号の送信と、ダミ
ー回路100からの高周波信号の送信とが同時に行われ
ることが起こり得る。この場合、両信号の混信によりイ
モビアンプ48における復号処理が適正に行われない可
能性がある。また、上記の如くダミーIDコードとして
トランスポンダIDコードと異なるコード値を用い、ま
たは、ダミーIDコードをトランスポンダIDコードと
は異なるフォーマットでコード化した場合に、ダミー回
路100からの高周波信号がトランスポンダ回路72か
らの高周波信号よりも優先してイモビコイル90によっ
て受信されると、正規のトランスポンダ部60Bが挿入
されていてもイモビライザ解除等の所期の動作が行われ
なくなってしまう。
【0065】かかる不都合は、トランスポンダ回路72
からの高周波信号がダミー回路100からの高周波信号
よりも優先してイモビコイル90によって受信される構
成とすることにより回避することができる。図10及び
図11は、トランスポンダ回路72からの信号がダミー
回路100からの信号よりも優先してイモビコイル90
により受信される構成の例を模式的に示す。
【0066】図10に示す構成例では、携帯機60のト
ランスポンダ部60Bが支持部88に挿入された状態で
のトランスポンダ回路72とイモビコイル90との間の
距離d1を、ダミー回路100とイモビコイル90との
間の距離d2よりも小さくしている。この場合、トラン
スポンダ回路72の高周波出力とダミー回路100の高
周波出力とがほぼ同じであっても、イモビコイル90に
おける信号強度はトランスポンダ回路72からの高周波
信号の方が大きくなる。また、図11に示す構成では、
ダミー回路100の高周波信号出力をトランスポンダ回
路72の高周波信号出力よりも小さくしている。この場
合、トランスポンダ72及びダミー回路100がイモビ
コイル90からほぼ等距離に配置されても、イモビコイ
ル90における信号強度はトランスポンダ回路72から
の高周波信号の方が大きくなる。従って、図10及び図
11に示す構成によれば、トランスポンダ回路72及び
ダミー回路100から同時に高周波信号が送信された場
合に、イモビコイル90においてトランスポンダ回路7
2からの高周波信号がダミー回路100からの高周波信
号に優先して受信されることとなる。
【0067】なお、上記第1及び第2実施例において
は、トランスポンダ部60Bがスイッチ手段に対応し、
ステップS10〜S24がキー適否判定手段に対応し、
インスツルパネル内の支持部88が装着部に対応し、イ
モビアンプ46とイモビコイル90とステップS30〜
S38がキー適否判定バックアップ手段に対応し、イモ
ビスイッチ32が装着検出手段に対応し、エンジン制御
部48とステップS38がエンジン始動許可手段に対応
し、ステアリングロック40とステップS38がステア
リングアンロック許可手段に対応し、イグニッションキ
ー80の操作ノブ82が始動スイッチに対応し、イモビ
アンプ46とイモビコイル90とステップS36が照合
手段に対応し、ダミー回路100が第2のトランスポン
ダ回路に対応し、ダミー回路100及びステップ54,
S56がバックアップ異常判定手段に対応する。
【0068】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、車両の
装着部に装着されたスイッチ手段とキー適否判定バック
アップ手段との間でコード照合を行い車両の使用許可ま
たは不許可の判定を行うため、携帯機の電池の消耗や電
波障害の発生時においても、車両の使用許可をすること
が可能となる。
【0069】また、請求項2に記載の発明によれば、装
着部にスイッチ手段が装着されたことを検出してキー適
否判定バックアップ手段を動作させるため、スイッチ手
段が装着されていないときはキー適否判定バックアップ
手段の動作が行われず、無駄な電力消費を防止できると
共に、仮にキー適否判定バックアップ手段とキー適否判
定手段とで使用する信号の周波数が同一であっても、混
信の発生を防止できる。
【0070】また、請求項3に記載の発明によれば、ス
イッチ手段を携帯機の一部もしくは全部とすることがで
きる。また、請求項4に記載の発明によれば、車両の使
用許可が判定された場合に、ドアの開閉を許可すること
により、ドアの開閉が可能となる。また、請求項5に記
載の発明によれば、車両の使用許可が判定された場合
に、車両のエンジン始動を許可することにより、エンジ
ンの始動が可能となり、車両の走行が可能となる。
【0071】また、請求項6記載の発明によれば、始動
スイッチを取り外した位置に装着部を設けることによ
り、ユーザは携帯機の電池の消耗や電波障害の発生時に
従来のエンジンキーと同じような使い方で、装着部に携
帯機の少なくとも一部を装着して車両のエンジン始動を
行うことができる。また、請求項7に記載の発明によれ
ば、車両の使用許可が判定された場合に、車両のステア
リングのアンロックを許可することにより、ステアリン
グのロックが解除され、車両の走行が可能となる。
【0072】また、請求項8に記載の発明によれば、携
帯機のトランスポンダ回路から固有のコードを送信し、
トランスポンダ回路からの固有のコードを受信して、予
め格納されている車両に固有のコードと照合することに
より、車両に対応した正規の携帯機であるか否か判定す
ることができる。また、請求項9に記載の発明によれ
ば、キー適否判定バックアップ手段で判定された車両の
使用許可の範囲を、キー適否判定手段で判定された車両
の使用許可の範囲に対して制限することにより、キー適
否判定バックアップ手段で車両の使用が許可された場合
には、車両の使用が許可される範囲が制限され、盗難等
による被害を最小限に抑えることができる。
【0073】請求項10に記載の発明によれば、キー適
否判定バックアップ手段の異常の有無を判定するバック
アップ異常判定手段を設けることにより、キー適否判定
バックアップ手段の異常を検出できる。請求項11記載
の発明によれば、照合手段による第2のトランスポンダ
回路からの固有のコードと予め格納された第2の固有の
コードとの照合結果に基づいて、キー適否判定バックア
ップ手段を構成する照合手段の異常の有無を判定でき
る。
【0074】請求項12に記載の発明によれば、バック
アップ異常判定手段は、装着部に前記スイッチ手段が装
着されていない場合に動作するため、キー適否判定バッ
クアップ手段が作動しなくても、キー適否判定バックア
ップ手段の異常を判定できる。請求項13に記載の発明
によれば、キー適否判定バックアップ手段に異常が生じ
ていると判定された場合に警報手段により警報が発せら
れることで、乗員は異常の発生を認知することができ
る。
【0075】請求項14に記載の発明によれば、トラン
スポンダ回路が送信する固有のコードと、前記第2のト
ランスポンダ回路が送信する固有のコードとが異なる値
とされているため、第2のトランスポンダ回路からの固
有のコードによって、キー適否判定バックアップ手段が
車両の使用許可を判定するのを回避できる。従って、正
規でないスイッチ手段が装着部に装着された場合に車両
の使用許可がなされるのを防止できる。
【0076】請求項15に記載の発明によれば、トラン
スポンダ回路から送信された固有のコードが第2のトラ
ンスポンダ回路から送信された固有のコードよりも優先
して照合手段により受信されるので、第2のトランスポ
ンダ回路から送信されたコードによってキー適否判定バ
ックアップ手段の判定動作が妨害されるのを防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両セキュリティ制御
装置が備える車載機のブロック図である。
【図2】本実施例の車両セキュリティ制御装置が備える
携帯機のブロック図である。
【図3】第1,第2送信アンテナと携帯機との通信を模
式的に示す図である。
【図4】本実施例において車載機のECUがエンジン始
動処理を行うべく実行するルーチンのフローチャートで
ある。
【図5】本実施例におけるイグニッションキーの断面図
及び平面図である。
【図6】本実施例の携帯機の側面図である。
【図7】本実施例において車載機のECUが非常時処理
を行うべく実行するルーチンのフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施例である車両セキュリティ制
御装置が備える携帯機60、イモビコイル90、及びそ
の周辺部分を模式的に示す図である。
【図9】本実施例において車載機のECU20がバック
アップ部の異常判定処理を行うべく実行するルーチンの
フローチャートである。
【図10】トランスポンダ回路からの信号がダミー回路
からの信号よりも優先してイモビコイルにより受信され
る構成の第1の例を示す図である。
【図11】トランスポンダ回路からの信号がダミー回路
からの信号よりも優先してイモビコイルにより受信され
る構成の第2の例を示す図である。
【符号の説明】
10 車載機 20 ECU(電子制御装置) 32 イモビスイッチ 40 ステアリングロック部 42 イモビライザ部 44 ドアロック部 46 イモビアンプ 48 エンジン制御部 50 エンジン 60 携帯機 60B トランスポンダ部 72 トランスポンダ回路 80 イグニッションキー 82 操作ノブ 88 支持部 90 イモビコイル 100 ダミー回路

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車載機と携帯機との通信によるコード照
    合の結果に基づいて車両の使用許可または不許可の判定
    を行うキー適否判定手段を有する車両セキュリティ制御
    装置において、 車両に設けられる装着部と、 前記装着部に装着されるスイッチ手段と、 前記キー適否判定手段で車両の使用不許可と判定された
    場合に、前記装着部に装着されたスイッチ手段との間で
    コード照合を行い車両の使用許可または不許可の判定を
    行うキー適否判定バックアップ手段と、を有することを
    特徴とする車両セキュリティ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両セキュリティ制御装
    置において、 前記装着部に前記スイッチ手段が装着されたことを検出
    して前記キー適否判定バックアップ手段を動作させる装
    着検出手段を有することを特徴とする車両セキュリティ
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の車両セキュリテ
    ィ制御装置において、 前記スイッチ手段は、前記携帯機の少なくとも一部であ
    ることを特徴とする車両セキュリティ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の車両セキュリティ制御装
    置において、 前記キー適否判定バックアップ手段で車両の使用許可が
    判定された場合に、ドアの開閉を許可するドア開閉許可
    手段を有することを特徴とする車両セキュリティ制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の車両セキュリテ
    ィ制御装置において、 前記キー適否判定バックアップ手段で車両の使用許可が
    判定された場合に、車両のエンジン始動を許可するエン
    ジン始動許可手段を有することを特徴とする車両セキュ
    リティ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の車両セキュリティ制御装
    置において、 前記車両は、エンジン始動のための取り外し可能な始動
    スイッチを有し、前記始動スイッチを取り外した位置に
    前記装着部を設けたことを特徴とする車両セキュリティ
    制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の車両セキュリテ
    ィ制御装置において、 前記キー適否判定バックアップ手段で車両の使用許可が
    判定された場合に、車両のステアリングのアンロックを
    許可するステアリングアンロック許可手段を有すること
    を特徴とする車両セキュリティ制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項2または3記載の車両セキュリテ
    ィ制御装置において、 前記キー適否判定バックアップ手段は、 前記スイッチ手段に設けられ固有のコードを送信するト
    ランスポンダ回路と、 前記トランスポンダからの固有のコードを受信して、予
    め格納されている車両に固有のコードと照合する照合手
    段と、を有することを特徴とする車両セキュリティ制御
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項4または5または7記載の車両セ
    キュリティ制御装置において、 前記キー適否判定バックアップ手段で判定された車両の
    使用許可の範囲を、前記キー適否判定手段で判定された
    車両の使用許可の範囲に対して制限することを特徴とす
    る車両セキュリティ制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のうち何れか1項記載
    の車両セキュリティ制御装置において、 前記キー適否判定バックアップ手段の異常の有無を判定
    するバックアップ異常判定手段を有することを特徴とす
    る車両セキュリティ制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の車両セキュリティ制御
    装置において、 前記照合手段の近傍に設けられ固有のコードを送信する
    第2のトランスポンダ回路を含み、前記照合手段による
    該第2のトランスポンダ回路からの固有のコードと予め
    格納された第2の固有のコードとの照合結果に基づいて
    前記キー適否判定バックアップ手段の異常の有無を判定
    するバックアップ異常判定手段を有することを特徴とす
    る車両セキュリティ制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の車両セキ
    ュリティ制御装置において、 前記バックアップ異常判定手段は、前記装着部に前記ス
    イッチ手段が装着されていない場合に作動することを特
    徴とする車両セキュリティ制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項10または11または12記載
    の車両セキュリティ制御装置において、 前記バックアップ異常判定手段により前記キー適否判定
    バックアップ手段に異常が生じていると判定された場合
    に警報を発する警報手段を有することを特徴とする車両
    セキュリティ制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の車両セキュリティ制
    御装置において、前記トランスポンダ回路が送信する固
    有のコードと、前記第2のトランスポンダ回路が送信す
    る固有のコードとは異なる値とされていることを特徴と
    する車両セキュリティ制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の車両セキュリティ制
    御装置において、 前記トランスポンダ回路から送信された固有のコード
    は、前記第2のトランスポンダ回路から送信された固有
    のコードよりも優先して前記照合手段により受信される
    ことを特徴とする車両セキュリティ制御装置。
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